説明

画像形成装置およびプロセスユニット

【課題】部品点数の低減を図ることができ、簡易な構成でありながら、現像ローラと感光体とを接触・離間させることができるプロセスユニット、および、そのプロセスユニットを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
プロセスユニット9は、プロセスフレーム15を備え、プロセスフレーム15は、第1フレーム21と第2フレーム22とから形成されている。そして、第2フレーム22を、第1フレーム21に対して前後方向に相対移動することにより、各現像カートリッジ13を、接触位置と離間位置とに移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置、および、その画像形成装置に装備されるプロセスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタとして、所定方向に並列配置され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにそれぞれ対応する複数の感光体と、各感光体にそれぞれ対応し、トナーを供給する複数の現像器とを備えるタンデム型カラーレーザプリンタが知られている。このようなタンデム型カラーレーザプリンタにおいて、現像器が備える現像ローラと対応する感光体とを、接触・離間させる構成が種々検討されている。
【0003】
例えば、各色のトナーに対応する複数の感光ドラムを保持するドロワユニットと、現像ローラを保持する複数の現像カートリッジと、ドロワユニットに設けられ、各感光ドラムと各現像ローラとを接触・離間させるための押圧カムおよび離間カムとを備えるカラーレーザプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、そのようなカラーレーザプリンタでは、押圧カムの現像カートリッジに対する押圧により、各感光ドラムと各現像ローラとが常時接触し、離間カムを動作させることで、各感光ドラムと各現像ローラとの接触を解除し、それらを離間させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−128336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のカラーレーザプリンタでは、現像カートリッジ毎に、押圧カムおよび離間カム(接離機構)が必要である。
【0007】
そのため、部品点数の増加、すなわち、コストの増加が生じるという不具合がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、部品点数の低減を図ることができ、簡易な構成でありながら、現像ローラと感光体とを接触・離間させることができるプロセスユニット、および、そのプロセスユニットを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、並列配置される複数の感光体と、各前記感光体に対応して設けられる複数の現像器とを備える第1フレームと、前記第1フレームに対して、相対移動可能に設けられる第2フレームとを備えている。
【0010】
各前記現像器は、対応する前記感光体と対向する現像ローラを備え、前記第1フレームに対して、前記現像ローラと前記感光体とが離間する離間位置と、前記現像ローラと前記感光体とが接触する接触位置とに相対移動可能である。前記第2フレームは、前記第1フレームに対して相対移動することにより、前記現像器を前記離間位置と前記接触位置とに移動させ、前記接触位置において、前記現像器を前記第1フレームに対して、前記現像器の相対移動方向において位置決めする。
【0011】
(2)また、前記第2フレームは、各前記現像器が前記離間位置にあるときに、各前記現像器を支持する支持部と、各前記現像器が前記接触位置にあるときに、前記現像ローラが前記感光体に向かうように、各前記現像器を押圧する押圧部材とを備えていてもよい。
【0012】
(3)また、前記画像形成装置は、前記現像器が前記離間位置に位置するように、前記第2フレームを付勢する付勢部と、前記付勢部の付勢力に抗して、前記現像器が前記接触位置に位置するように、前記第2フレームを前記第2フレームの相対移動方向に押圧する押圧部とを備えていてもよい。
【0013】
(4)また、前記第2フレームは、前記押圧部の押圧力に応じて、複数の前記現像器のすべてが前記離間位置に位置する全離間位置と、複数の前記現像器のうち、1つの前記現像器が前記接触位置に位置し、他の前記現像器が前記離間位置に位置する単色作像位置と、複数の前記現像器のすべてが前記接触位置に位置する多色作像位置とに移動可能であってもよい。
【0014】
(5)また、前記現像器は、前記押圧部材に押圧される突起部を備えていてもよい。
【0015】
前記支持部は、前記現像器が前記離間位置にあるとき、前記突起部と接触して、前記押圧部材の前記突起部に対する押圧による前記現像器の移動を規制し、前記現像器が前記接触位置にあるとき、前記突起部と離間して、前記押圧部材の前記突起部に対する押圧による前記現像器の移動を許容してもよい。
【0016】
(6)また、前記単色作像位置において前記接触位置に位置する前記現像器に対応する前記支持部は、前記単色作像位置において前記離間位置に位置する前記現像器に対応する前記支持部よりも、前記押圧部の押圧方向に短く形成されていてもよい。
【0017】
(7)また、前記単色作像位置において前記接触位置に位置する前記現像器に対応する前記支持部は、前記単色作像位置において前記離間位置に位置する前記現像器に対応する前記支持部よりも、前記押圧部の押圧方向下流側に位置していてもよい。
【0018】
(8)また、前記押圧部材は、前記押圧部の押圧方向および前記押圧部の押圧方向と直交する方向の両方向と交差する方向に沿って延びるように形成されていてもよい。
【0019】
(9)本発明のプロセスユニットは、並列配置される複数の感光体と、各前記感光体に対応して設けられる複数の現像器とを備える第1フレームと、前記第1フレームに対して、相対移動可能に設けられる第2フレームとを備えている。
【0020】
各前記現像器は、対応する前記感光体と対向する現像ローラを備え、前記第1フレームに対して、前記現像ローラと前記感光体とが離間する離間位置と、前記現像ローラと前記感光体とが接触する接触位置とに相対移動可能である。前記第2フレームは、前記第1フレームに対して相対移動することにより、前記現像器を前記離間位置と前記接触位置とに移動させ、前記接触位置において、前記現像器を前記第1フレームに対して、前記現像器の相対移動方向において位置決めする。
【0021】
(10)また、前記第2フレームは、各前記現像器が前記離間位置にあるときに、各前記現像器を支持する支持部と、各前記現像器が前記接触位置にあるときに、前記現像ローラが前記感光体に向かうように、各前記現像器を押圧する押圧部材とを備えていてもよい。
【0022】
(11)また、前記プロセスユニットは、前記現像器が前記離間位置に位置するように、前記第2フレームを付勢する付勢部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
(1)本発明の画像形成装置およびプロセスユニットでは、第2フレームが、第1フレームに対して相対移動することにより、現像器を離間位置と接触位置とに移動させることができる。
【0024】
つまり、第2フレームのみにより、現像器を離間位置と接触位置とに移動させることができるので、複数の現像器に応じて複数の接離機構が設けられる場合と比較して、部品点数の低減を図ることができる。
【0025】
したがって、部品点数の低減を図ることができ、簡易な構成でありながら、現像ローラと感光体とを適宜接触・離間させることができる。
【0026】
(2)また、第2フレームが、支持部と、押圧部材とを備えていると、離間位置において現像器が支持部に支持されるので、現像ローラと感光体とを精度よく離間でき、接触位置において現像器が押圧部材に押圧されるので、現像ローラと感光体とを安定して接触させることができる。
【0027】
そのため、各現像器が離間位置にあるときには、所望しない現像ローラと感光体との接触を防止でき、各現像器が接触位置にあるときには、現像ローラと感光体との接触安定性の向上を図ることができる。
【0028】
(3)また、画像形成装置が、第2フレームを付勢する付勢部を備えると、現像器を離間位置に位置させるように、第2フレームが付勢される。
【0029】
そのため、現像器を離間位置に位置させることができ、現像ローラと感光体とを常時離間させることができる。
【0030】
画像形成装置では、現像ローラが感光体に圧接された状態で出荷されると、輸送または保管されている間に、現像ローラがわずかに変形する場合があり、それに起因する画像形成不良が生じる場合がある。
【0031】
一方、付勢部を備える画像形成装置では、現像ローラと感光体とを常時離間させることができるので、出荷における輸送または保管時の現像ローラの変形を防止できる。
【0032】
また、画像形成装置が、第2フレームを押圧する押圧部を備えると、付勢部の付勢力に抗して、現像器を接触位置に位置させるように、第2フレームが第2フレームの相対移動方向に押圧される。
【0033】
その結果、必要に応じて、現像器を離間位置から接触位置に移動させることができ、現像ローラと感光体とを接触させることができる。
【0034】
(4)また、第2フレームが、押圧部の押圧力に応じて、全離間位置と、単色作像位置と、多色作像位置とに移動可能であると、複数の現像器をすべて離間位置に位置させることも、複数の現像器のうち、1つの現像器を接触位置に位置させることも、複数の現像器をすべて接触位置に位置させることもできる。
【0035】
すなわち、すべての現像ローラと感光体とを離間させることも、複数の現像ローラのうち、1つの現像ローラと感光体とを接触させることも、すべての現像ローラと感光体とを接触させることもできる。
【0036】
(5)また、支持部が、現像器が離間位置にあるとき、突起部と接触して、押圧部材の突起部に対する押圧による現像器の移動を規制し、現像器が接触位置にあるとき、突起部と離間して、押圧部材の突起部に対する押圧による現像器の移動を許容すると、各現像器が離間位置にあるとき、現像ローラと感光体とを精度よく離間でき、各現像器が接触位置にあるとき、現像ローラと感光体とを安定して接触させることができる。
【0037】
(6)また、単色作像位置において接触位置に位置する現像器に対応する支持部は、単色作像位置において離間位置に位置する現像器に対応する支持部よりも、押圧部の押圧方向に短く形成されていると、簡易な構成でありながら、1つの現像器のみを接触位置に位置させることができる。
【0038】
そのため、第2フレームの単色作像位置を簡易な構成により実現することができる。
【0039】
(7)また、単色作像位置において接触位置に位置する現像器に対応する支持部は、単色作像位置において離間位置に位置する現像器に対応する支持部よりも、押圧部の押圧方向下流側に位置していると、簡易な構成でありながら、1つの現像器のみを接触位置に位置させることができる。
【0040】
そのため、第2フレームの単色作像位置を簡易な構成により実現することができる。
【0041】
(8)また、押圧部材が、押圧部の押圧方向および押圧部の押圧方向と直交する方向の両方向と交差する方向に沿って延びるように形成されると、押圧部材の延びる方向と第2フレームの相対移動方向とが交差するので、押圧部材と現像器とが接触しても、第2フレームの移動を許容することができる。
【0042】
(9)また、プロセスユニットが、第2フレームを付勢する付勢部を備えると、現像器を離間位置に位置させるように、第2フレームが付勢される。
【0043】
そのため、現像器を離間位置に位置させることができ、現像ローラと感光体とを常時離間させることができる。
【0044】
プロセスユニットでは、現像ローラが感光体に圧接された状態で出荷されると、輸送または保管されている間に、現像ローラがわずかに変形する場合があり、それに起因する画像形成不良が生じる場合がある。
【0045】
一方、付勢部を備えるプロセスユニットでは、現像ローラと感光体とを常時離間させることができるので、出荷における輸送または保管時の現像ローラの変形を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施形態のカラーレーザプリンタを示す側断面図である。
【図2】図1に示すプロセスユニットの第1フレームを左上側から見た斜視図である。
【図3】図1に示すプロセスユニットの第2フレームを左上側から見た斜視図である。
【図4】図1に示すドラムユニットを左上側から見た斜視図である。
【図5】図1に示すプロセスユニットを左上側から見た斜視図である。
【図6】図1に示すプロセスユニットの左側面図である。
【図7】図1に示すプロセスフレーム(第2フレームが全離間位置の場合)の右側側板の左側面図である。
【図8】図1に示すプロセスフレーム(第2フレームが単色作像位置の場合)の右側側板の左側面図である。
【図9】図1に示すプロセスフレーム(第2フレームが多色作像位置の場合)の右側側板の左側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態としてのカラーレーザプリンタを示す側断面図である。
【図11】図10に示すプロセスユニットの第2フレームを左上側から見た斜視図である。
【図12】図10に示すプロセスユニットの左側面図である。
【図13】図10に示すプロセスフレーム(第2フレームが全離間位置の場合)の右側側板の左側面図である。
【図14】図10に示すプロセスフレーム(第2フレームが単色作像位置の場合)の右側側板の左側面図である。
【図15】図10に示すプロセスフレーム(第2フレームが多色作像位置の場合)の右側側板の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラーレーザプリンタである。カラーレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、プロセスユニット9(後述)を着脱させるためのフロントカバー5が形成されている。フロントカバー5は、本体ケーシング2に対して下端部を支点として揺動(移動)可能に設けられている。
【0048】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における右側)を前側とし、その反対側(図1における左側)を後側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。
【0049】
また、本体ケーシング2は、押圧部27と、本体基準軸33とを備えている。
【0050】
押圧部27は、フロントカバー5の後下側において、その左右方向両側に2つ設けられている。押圧部27は、フロントカバー5から後側に突出するように、側面視略矩形状に形成されている。
【0051】
また、押圧部27は、例えば、パルス制御などの公知の方法により、前後方向に進退自在に形成されている。
【0052】
本体基準軸33は、略棒状の部材であって、本体ケーシング2内における後側において、左右方向全体にわたって架設されている。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。給紙トレイ6は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ6の前端部上方には、1対のレジストローラ7が設けられている。
【0053】
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、両レジストローラ7間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム14(後述)と搬送ベルト25(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット8、プロセスユニット9、転写ユニット10、および定着ユニット11を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット8は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット8は、4つの感光ドラム14(後述)に向けて、画像データに基づいて、レーザービーム(図示せず)をそれぞれ出射し、感光ドラム14(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット9は、スキャナユニット8の下側であって、転写ユニット10の上側に配置されており、ドラムユニット12、および、現像器の一例としての現像カートリッジ13を備えている。
【0054】
ドラムユニット12は、プロセスフレーム15と、感光体の一例としての感光ドラム14、スコロトロン型帯電器16およびドラムクリーニングローラ17を備えている。
【0055】
プロセスフレーム15は、前後方向に長手の平面視略矩形枠形状に形成されており、本体ケーシング2内に対して前後方向に引き出し可能である(図4参照)。
【0056】
そして、感光ドラム14、スコロトロン型帯電器16およびドラムクリーニングローラ17は、プロセスフレーム15に支持されている。
【0057】
感光ドラム14は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されており、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。
【0058】
具体的には、前側から後側に向かって、ブラック感光ドラム14K、イエロー感光ドラム14Y、マゼンタ感光ドラム14Mおよびシアン感光ドラム14Cが、順次配置されている。
【0059】
スコロトロン型帯電器16は、各感光ドラム14の斜め後上側に、各感光ドラム14と間隔を隔てて対向配置されている。
【0060】
ドラムクリーニングローラ17は、各感光ドラム14の後側において、各感光ドラム14と対向して接触するようにそれぞれ配置されている。
【0061】
現像カートリッジ13は、各感光ドラム14に対応するように、それぞれ感光ドラム14の上側において、プロセスフレーム15に着脱自在に支持されている。
【0062】
具体的には、前側から後側に向かって、ブラック現像カートリッジ13K、イエロー現像カートリッジ13Y、マゼンタ現像カートリッジ13Mおよびシアン現像カートリッジ13Cが、順次配置されている。
【0063】
また、各現像カートリッジ13は、それぞれ、現像ローラ18を備えている。
【0064】
現像ローラ18は、現像カートリッジ13の下端において、後側から露出されるように回転可能に支持されており、対応する感光ドラム14に前上側から対向し、接触されている。
【0065】
なお、現像カートリッジ13は、現像ローラ18にトナーを供給する供給ローラ19、現像ローラ18に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード20を備え、それらの上側の空間には、各色に対応するトナーが収容されている。
(3−2−2)プロセスユニットでの現像動作
現像カートリッジ13内のトナーは、供給ローラ19に供給され、さらに、現像ローラ18に供給され、供給ローラ19と現像ローラ18との間で正極性に摩擦帯電される。
【0066】
現像ローラ18に供給されたトナーは、現像ローラ18の回転に伴なって、層厚規制ブレード20によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ18の表面に担持される。
【0067】
一方、感光ドラム14の表面は、感光ドラム14の回転に伴なって、スコロトロン型帯電器16により一様に正帯電された後、スキャナユニット8からのレーザービーム(図示せず)の高速走査により露光される。
【0068】
これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム14の表面に形成される。
【0069】
そして、第2フレーム22(後述)が、単色作像位置(後述)または多色作像位置(後述)に位置するとき、感光ドラム14がさらに回転すると、現像ローラ18の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム14の表面に形成されている静電潜像に供給される。
【0070】
これにより、感光ドラム14の静電潜像は可視像化され、感光ドラム14の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット10は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上側であって、プロセスユニット9の下側において、前後方向に沿って配置されている。
【0071】
転写ユニット10は、駆動ローラ23、従動ローラ24、搬送ベルト25、および4つの転写ローラ26を備えている。
【0072】
駆動ローラ23および従動ローラ24は、互いに前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0073】
搬送ベルト25は、各感光ドラム14に対して下側から対向され、その上側部分が各感光ドラム14と接触するように、駆動ローラ23および従動ローラ24の周りに掛け渡されている。また、搬送ベルト25は、駆動ローラ23の駆動および従動ローラ24の従動により、各感光ドラム14と接触する搬送ベルト25の上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0074】
各転写ローラ26は、搬送ベルト25の上側部分を挟んで各感光ドラム14に対向するように設けられている。
【0075】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト25によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム14と各転写ローラ26とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム14に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
【0076】
なお、感光ドラム14から用紙Pへのトナー像の転写後に感光ドラム14の外周面上にトナーが残留する場合がある。その場合には、残留した廃トナーは、感光ドラム14の回転により、ドラムクリーニングローラ17と対向したときに、ドラムクリーニングローラ17に印加されるクリーニングバイアスによって、ドラムクリーニングローラ17の外周面に転写され、ドラムクリーニングローラ17に保持される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット11は、搬送ベルト25の後上側に配置され、加熱ローラ28、および、加熱ローラ28に圧接される加圧ローラ29を備えている。
【0077】
転写ユニット10において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ28と加圧ローラ29との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、各排紙ローラ30によって、Uターンパス31を通過するように搬送され、スキャナユニット8の上側に形成される排紙トレイ32上に排紙される。
2.プロセスユニットの詳細
(1)プロセスフレーム
プロセスフレーム15は、図2〜図4に示すように、第1フレーム21と、第1フレーム21に対して、相対移動可能に設けられる第2フレーム22とから形成されている。
(1−1)第1フレーム
第1フレーム21は、図2に示すように、板金から形成される1対の第1側板37、フロントビーム38およびリヤビーム39から形成されている。
【0078】
両第1側板37は、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成され、その前端部は、前側下端の角から前方上側に向けて斜めに切り欠かれ、その後端部は、後側下端の角から後方上側に向けて斜めに切り欠かれている。
【0079】
また、両第1側板37には、その後端部から上方に向かって延びる延長部44が形成されている。
【0080】
そして、延長部44と第1側板37との接続部分には、後端縁から前側に向かって側面視略V字状に切り欠かれる第1切欠部40が形成されている。
【0081】
第1切欠部40は、後側に向かって開放されており、図1に示すように、プロセスユニット9が本体ケーシング2に対して装着された状態において、本体基準軸33を受け入れて、その本体基準軸33に上方および前方下方から当接する。これにより、プロセスユニット9は、本体ケーシング2に対して前後方向に位置決めされる。
【0082】
また、両第1側板37には、図2に示すように、軸受穴45およびガイド溝52が、それぞれ形成されている。
【0083】
軸受穴45は、側面視略円形状に形成され、前後方向に互いに等間隔を隔てて4つ配置されている。
【0084】
また、軸受穴45の内径は、軸受嵌合部50(後述)の外径よりもわずかに大径である。
【0085】
ガイド溝52は、両第1側板37の左右方向内側面において、前後方向に等しい間隔を隔てて4つ形成されている(図7〜図9参照)。
【0086】
各ガイド溝52は、両第1側板37の上端縁と軸受穴45との間にわたって、両第1側板37の上端縁から後下側に向かって延びている。
【0087】
各ガイド溝52は、1対のガイドリブ53により区画されており、ガイドリブ53は、各ガイド溝52の数に応じて4対形成されている。
【0088】
両ガイドリブ53(以下、前側のリブを前リブ53Fとし、後側のリブを後リブ53Bとする。)は、前後方向に互いに間隔を隔てて配置され、両第1側板37の内側面から、左右方向内側に向かって突出形成されている。
【0089】
前リブ53Fおよび後リブ53Bは、それぞれ、第1側板37の上端縁から下方に延びた後、後方に向かって屈曲するように形成されている。
【0090】
また、両ガイドリブ53の下端部は、感光ドラム14に対して、わずかに間隔を隔てて対向配置されている。
【0091】
そして、両第1側板37は、左右方向に投影したときに、それぞれの軸受穴45の中心が一致するように、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。
【0092】
フロントビーム38は、両第1側板37の前端部間に架設されている。
【0093】
また、フロントビーム38には、その前下側において、収容部48が形成されている。
【0094】
収容部48は、フロントビーム38の左右方向全体にわたって、フロントビーム38の前端部から後方に向かって、側面視略矩形状に切り欠かれて形成されている。
【0095】
また、フロントビーム38は、支持軸46および手前側把持部42を備えている。
【0096】
支持軸46は、フロントビーム38を左右方向に貫通し、さらに両第1側板37を貫通して、両第1側板37から左右方向外方に突出している。
【0097】
手前側把持部42は、フロントビーム38の前面における左右方向中央部に、一体的に形成されている。また、手前側把持部42は、平面視略矩形状であり、下方に向かって開放される断面コ字形状に形成されている。
【0098】
リヤビーム39は、両第1側板37の後端部間、詳しくは、延長部44間に架設されている。
【0099】
リヤビーム39は、前側に向かって開放される断面略コ字形状の略ボックス形状に形成され(図7〜図9参照)、その内部空間がばね収容部87として区画されている。
【0100】
また、リヤビーム39は、奥側把持部43を備えている。
【0101】
奥側把持部43は、リヤビーム39の上側前端部における左右方向中央部に、一体的に形成されている。また、奥側把持部43は、背面視略U字状に形成され、その各遊端部がリヤビーム39に連結され、後側下方から前側上方に傾斜して、リヤビーム39から斜め上方に突出するように設けられている。
【0102】
また、第1フレーム21は、4つの感光ドラム14と、4つのドラムサブユニット41とを備えている。
(1−2)感光ドラム
感光ドラム14は、素管51と、フランジ部材49とを備えている。
【0103】
素管51は、金属からなり、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。素管51の外周面には、感光層が被覆されている。
【0104】
フランジ部材49は、素管51の左右両端部に、相対回転不能に嵌合されている。
【0105】
また、両フランジ部材49は、軸受嵌合部50を備えている。
【0106】
軸受嵌合部50は、素管51の外径よりも小径の略円柱形状に形成され、素管51と中心軸線を共有するように、その軸線方向に断面凸状に突出するように形成されている。
【0107】
つまり、右側のフランジ部材49の軸受嵌合部50は、右側に断面凸状に突出するように形成され、左側のフランジ部材49の軸受嵌合部50は、左側に断面凸状に突出するように形成されている。
【0108】
そして、各軸受嵌合部50は、両第1側板37の軸受穴45に相対回転可能に支持されている。
【0109】
これにより、感光ドラム14は、第1フレーム21に相対回転可能に支持されている。
(1−3)ドラムサブユニット
ドラムサブユニット41は、図2に示すように、両第1側板37間であって、かつ、フロントビーム38とリヤビーム39との間において、各感光ドラム14の後上側に配置されるように、前後方向に互いに等間隔を隔てて4つ並列配置されている。
【0110】
各ドラムサブユニット41は、左右方向に延びる側面視略三角柱形状に形成されている。各ドラムサブユニット41には、左右方向に沿って、スコロトロン型帯電器16およびドラムクリーニングローラ17が保持されている。
(1−4)第2フレーム
第2フレーム22は、図3に示すように、樹脂から形成される1対の第2側板55、前側架橋部56および後側架橋部57から形成されている。
【0111】
両第2側板55は、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。
【0112】
また、両第2側板55は、その前端部において、後側に向かって側面視略U字状に切り欠かれる前側切欠部47がそれぞれ形成され、その後端部において、前側に向かって側面視略V字状に切り欠かれる第2切欠部58がそれぞれ形成されている。
【0113】
前側切欠部47は、前側に向かって開放されており、プロセスフレーム15が組み立てられた状態において、支持軸46の突出部分を挿通する(図4参照)。
【0114】
また、第2切欠部58は、第1切欠部40と略同一形状であって、後側に向かって開放されており、第2フレーム22が多色作像位置(後述)に位置するときに、本体基準軸33を受け入れる(図1参照)。
【0115】
また、両第2側板55には、案内部64、カートリッジ支持部59、押圧部材61、および、第1フレーム係合部62が、両第2側板55の内側面から左右方向内方に向かって、突出するように、それぞれ設けられている。
【0116】
案内部64は、前後方向に等しい間隔を隔てて4つ形成され、それぞれ前側リブ65および後側リブ66から区画されている。
【0117】
前側リブ65および後側リブ66は、両第2側板55の上端縁から下方に向かって延びる略平板形状に形成され、互いに平行となるように、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0118】
一方、後側リブ66は、前側リブ65よりも上下方向に長く形成され、その下端部が、前方に向かって湾曲するように形成されている。
【0119】
カートリッジ支持部59は、前後方向に長手の側面視略矩形状に形成され、前側リブ65の上下方向途中部から前方に延びるように設けられている。
【0120】
また、カートリッジ支持部59は、支持部の一例としての上側板68と、下側板69と、前側板70とを備えている。
【0121】
上側板68および下側板69は、前側リブ65の上下方向途中部から前方に向かって延びる略平板形状に形成され、互いに平行となるように、上下方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0122】
また、上側板68の前後方向長さは、下側板69の前後方向長さよりも短く形成されている。
【0123】
そして、上側板68と下側板69は、それらの前端部において、前側板70により連結されている。
【0124】
前側板70は、略平板形状に形成され、上側板68の前後方向長さが下側板69の前後方向長さよりも短いため、前方に向かうに従って下側に向かうように傾斜して形成されている(図7〜図9参照)。
【0125】
また、前側板70には、その前端部(下側板69との連結部分)から前方に向かって延びる延設部60が一体的に設けられている。
【0126】
延設部60は、その前端部が、後側リブ66の上下方向途中部と連結されている。
【0127】
つまり、カートリッジ支持部59および延設部60は、前後方向に沿って延び、後側の案内部64を形成する前側リブ65の上下方向途中部と、前側の案内部64を形成する後側リブ66の上下方向途中部とを連結している。
【0128】
また、複数のカートリッジ支持部59のうち、最も前側に位置するカートリッジ支持部59の上側板68は、その前後方向長さが、他のカートリッジ支持部59の上側板68の前後方向長さよりも、短く形成されている。
【0129】
なお、第1実施形態においては、最も前側に位置するカートリッジ支持部59は、現像カートリッジ13を保持した状態において、ブラック現像カートリッジ13Kに対応している。
【0130】
押圧部材61は、押圧棒72と、回動軸73とを備えている。
【0131】
押圧棒72は、側面視略矩形状に形成され、その左右方向外側面に、突出部76が形成されている。
【0132】
突出部76は、押圧棒72の外側面の中央部分から、左右方向外方に向けて突出して形成されている。
【0133】
回動軸73は、略円柱形状に形成され、押圧棒72の下端部に、相対回転不能に連結されている。
【0134】
そして、押圧部材61は、回動軸73が延設部60の下方において、第2側板55に相対回転可能に支持されている。
【0135】
また、押圧部材61は、付勢部材(図示せず)の付勢力により、左側面視反時計回りの方向に付勢されている。
【0136】
一方、押圧棒72の外側面は、延設部60と左右方向に僅かな間隔を隔てて対向配置されており、突出部76が、延設部60の上面と接触している。これによって、押圧棒72のそれ以上の回動が規制されている。
【0137】
そのため、押圧棒72は、後方に向かうに従って上側に延びるように傾斜して配置されている。すなわち、前後方向および上下方向の両方向と交差する方向に沿って延びるように配置されている。
【0138】
第1フレーム係合部62は、上側レール部78と、下側レール部79とを備えている。
【0139】
上側レール部78は、略平板形状に形成され、各前側リブ65の下端部から後方に延びるように、4つ形成されている。
【0140】
そして、前側の上側レール部78の後端部と、後側の上側レール部78の前端部とが、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0141】
下側レール部79は、略平板形状に形成され、各第2側板55の左右方向内側面の下端部全体にわたって、前後方向に沿って延びるように形成されている。
【0142】
また、上側レール部78および下側レール部79には、それらの左右方向内側端部において、複数の突部80が一体的に形成されている。
【0143】
突部80は、略平板形状に形成され、第2側板55と左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。突部80と第2側板55との左右方向における間隔が、第1側板37の厚みと略同じ長さである。
【0144】
詳しくは、突部80は、各上側レール部78の左右方向内側端部から、下方に向けて突出するように、それぞれ1ずつ形成され、下側レール部79の左右方向内側端部から、上方に向けて突出するように、複数(4つ)形成されている。
【0145】
そして、上側レール部78と下側レール部79とは、上下方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。各上側レール部78と下側レール部79との上下方向の間隔は、第1側板37の上下方向長さと略同じ長さである。
【0146】
また、1対の第2側板55のうち、左側の第2側板55には、ドラム露出穴83と、挿通穴84とが形成されている。
【0147】
ドラム露出穴83は、前後方向に長径な側面視略楕円形状に形成され、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。
【0148】
挿通穴84は、長径が前方に向かうに従って下側に傾斜している側面視略楕円形状に形成され、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。
【0149】
また、各挿通穴84は、各ドラム露出穴83の前上方に、上下方向に間隔を隔てて、それぞれ1つずつ配置されている。
【0150】
前側架橋部56は、両第2側板55の前下端部間に架設され、その左右両端部には、被押圧部85が設けられている。
【0151】
被押圧部85は、左右方向に長手の略矩形状に形成されている。
【0152】
また、被押圧部85の前後方向長さは、収容部48の前後方向長さと略同じ長さである。
【0153】
後側架橋部57は、前方に向かうに従って上側に傾斜する略平板形状に形成され、両第2側板55の後端部上側間に架設されている。
【0154】
また、後側架橋部57は、ばね押圧部88を備えている。
【0155】
ばね押圧部88は、略平板形状に形成され、左右方向全体にわたって、後側架橋部57の下端部から下方に向かって延びるように形成されている(図7〜図9参照)。
(2)現像カートリッジ
現像カートリッジ13は、図5および図7に示すように、現像フレーム92および現像ローラ18を備えている。
【0156】
現像フレーム92は、図5に示すように、左右方向に長手の略ボックス形状に形成されている。
【0157】
また、現像フレーム92の左右両端部は、それぞれ側壁94により閉鎖されている。
【0158】
両側壁94には、それぞれ、その前上側において、突起部の一例としてのボス95が形成されている。
【0159】
ボス95は、略円柱形状に形成され、各側壁94から左右方向外方に突出している。
【0160】
また、左側の側壁94には、その後下側においてカップリング部材96が形成されている。
【0161】
カップリング部材96は、側壁94から左右方向外方に延びる略円筒形状に形成され、プロセスユニット9が本体ケーシング2に装着された状態において、本体ケーシング2に設けられるモータ(図示せず)の駆動力が、現像カートリッジ13に伝達可能に形成されている。
【0162】
また、現像フレーム92の後側下端部には、図7に示すように、左右方向全体にわたって、開口部93が形成されている。
【0163】
現像ローラ18は、金属製の現像ローラ軸98と、現像ローラ軸98を被覆する導電性のゴムローラ99とを備えている。
【0164】
そして、現像ローラ18は、ゴムローラ99の後下側の表面が、現像フレーム92の開口部93から露出するように、現像フレーム92の後下側に配置されている。
【0165】
また、現像ローラ18の現像ローラ軸98は、左右方向に延び、現像フレーム92の両側壁94に回転可能に支持されている。これによって、現像ローラ18は、現像フレーム92の両側壁94に対して、回転可能に設けられている。
【0166】
また、現像ローラ軸98の両端部は、図5に示すように、両側壁94を貫通して外方に向けて突出している。
(3)第1フレームに対する第2フレームの装着(ドラムユニットの組み立て)
次に、第1フレーム21に対する第2フレーム22の装着について説明する。
【0167】
第1フレーム21に対して第2フレーム22を、図4に示すように装着するには、まず、ドラムサブユニット41および感光ドラム14を支持する第1フレーム21の前方に、第2フレーム22を配置する。
【0168】
詳しくは、第1フレーム21のフロントビーム38が、第2フレーム22の第2側板55の後端部間と前後方向に対向し、かつ、第1側板37の前端面が、第2側板55の上側レール部78と下側レール部79との間隔と、前後方向に対向するように、第2フレーム22を配置する。
【0169】
そして、第1フレーム21のリヤビーム39のばね収容部87に、付勢部の一例としてのばね部材90を配置する(図7〜図9参照)。
【0170】
次いで、両第1側板37が、上側レール部78と下側レール部79との間に挿入されるように、第2フレーム22を第1フレーム21に対して前側から挿入する。
【0171】
詳しくは、第2フレーム22を第1フレーム21に対して、ばね収容部87に配置されたばね部材90が、第2フレーム22の後側架橋部57のばね押圧部88と当接するまで、後方に進入させる(図7〜図9参照)。
【0172】
このとき、両第1側板37は、上下方向において上側レール部78と下側レール部79とに、左右方向において突部80と第2側板55とに挟みこまれる。
【0173】
そのため、第2フレーム22は、第1フレーム21に対して、前後方向に相対移動可能、かつ、上下方向および左右方向において相対移動不能に係合している。
【0174】
このとき、感光ドラム14の左側の軸受嵌合部50の左端面は、それぞれ第2フレーム22のドラム露出穴83から、露出している。
【0175】
次いで、支持軸46を、フロントビーム38および両第1側板37に挿通する。
【0176】
このとき、両第1側板37から左右方向外方に突出する支持軸46の突出部分は、両第2側板55に形成される前側切欠部47にそれぞれ、挿通される。
【0177】
以上により、第1フレーム21に対する第2フレーム22の装着が完了し、ドラムユニット12が組み立てられる。
【0178】
このようにして装着された第2フレーム22は、ばね押圧部88がばね部材90により付勢されるため、前方に向けて付勢されている。
【0179】
このとき、第2フレーム22の後側リブ66の下端部と、第1フレーム21の後リブ53Bの上端部とは、上下方向において、僅かな間隔を隔てて対向配置されている(図5参照)。
(4)ドラムユニットに対する現像カートリッジの装着
次に、ドラムユニット12に対する現像カートリッジ13の装着について説明する。
【0180】
ドラムユニット12に各現像カートリッジ13を装着するには、図5に示すように、まず、現像カートリッジ13を、プロセスフレーム15の第2フレーム22の上方において、対応する感光ドラム14と前後方向で一致する位置に配置する。
【0181】
次いで、現像カートリッジ13を下降させて、第2フレーム22内に挿入する。
【0182】
このとき、現像カートリッジ13が第2フレーム22内に挿入されると、現像ローラ軸98の左右両側の突出部分が、第2フレーム22の両第2側板55において対応する案内部64に対して上側から嵌め込まれる。つまり、現像ローラ軸98の左端部が、左側の第2側板55の案内部64に対して上側から嵌め込まれるとともに、現像ローラ軸98の右端部が、右側の第2側板55の案内部64に対して上側から嵌め込まれる。
【0183】
これによって、現像カートリッジ13は、現像ローラ軸98の左右両端部が案内部64にガイド(案内)されることによって、上下方向に沿って、第2フレーム22内に挿入される。
【0184】
次いで、現像ローラ軸98の左右両端部が、案内部64の後側リブ66の下端部に到達した後、引き続き現像カートリッジ13を、プロセスフレーム15の第1フレーム21内に挿入する。
【0185】
そうすると、図7に示すように、現像ローラ軸98の左右両端部が、対応するガイドリブ53にガイド(案内)されることによって、ガイド溝52の上部に位置する。
【0186】
以上により、ドラムユニット12に、各現像カートリッジ13が装着される。
【0187】
このとき、各現像カートリッジ13は、両側壁94に設けられるボス95が対応するカートリッジ支持部59の上側板68の上面と接触することにより、カートリッジ支持部59に支持され、各現像カートリッジ13の下方への移動が規制されている。
【0188】
また、各現像ローラ18は、その後下側が、対応する感光ドラム14に対して、間隔を隔てて対向するように配置されている。
【0189】
つまり、すべての現像カートリッジ13が、各現像ローラ18と対応する感光ドラム14とが離間している。
【0190】
また、各現像カートリッジ13のカップリング部材96の左端面は、それぞれ第2フレーム22の挿通穴84から、露出している。
3.現像カートリッジの感光ドラムに対する接離動作
次に、現像カートリッジ13の感光ドラム14に対する接離動作を説明する。
【0191】
カラーレーザプリンタ1では、黒色の画像を形成するモノクロモードと、カラー画像を形成するカラーモードとを切り替えることができる。
【0192】
モノクロモードでは、図8に示すように、ブラック現像カートリッジ13Kは、その現像ローラ18とブラック感光ドラム14Kとが接触される接触位置(以下、現像ローラ18と対応する感光ドラム14とが接触する位置を接触位置とする。)に位置している。
【0193】
一方、ブラック以外の現像カートリッジ13(イエロー現像カートリッジ13Y、マゼンタ現像カートリッジ13Mおよびシアン現像カートリッジ13C、以下、3色の現像カートリッジ13YMCとする。)は、その現像ローラ18と対応する感光ドラム14(イエロー感光ドラム14Y、マゼンタ感光ドラム14Mおよびシアン感光ドラム14C)とが離間される離間位置(以下、現像ローラ18と対応する感光ドラム14とが離間する位置を離間位置とする。)に位置している。
【0194】
カラーモードでは、図9に示すように、すべての現像カートリッジ13が、その各現像ローラ18と対応する感光ドラム14とが接触する接触位置に位置している。
【0195】
現像カートリッジ13と感光ドラム14とを接触または離間させるためには、プロセスユニット9を本体ケーシング2に装着した状態において、第2フレーム22を、第1フレーム21に対して前後方向に相対移動させる。
【0196】
第2フレーム22を、第1フレーム21に対して後方向に相対移動させるには、図8および図9に示すように、押圧部27を後方に進出させ、押圧部27と第2フレーム22の被押圧部85とを当接させて、ばね部材90の付勢力に抗して、第2フレーム22を後方に向けて押圧する。
【0197】
これにより、第2フレーム22は、第1フレーム21に対して後方に相対移動する。
【0198】
また、第2フレーム22を、第1フレーム21に対して前方向に相対移動させるには、図7に示すように、押圧部27を前方に退避させ、押圧部27と被押圧部85との当接を解除し、ばね部材90の付勢力により、第2フレーム22を前方に向けて付勢する。
【0199】
これにより、第2フレーム22は、第1フレーム21に対して前方に相対移動する。
【0200】
以上により、各現像カートリッジ13を接触位置と離間位置とに移動させることができる。
【0201】
そして、第2フレーム22は、押圧部27の押圧力(進出距離)に応じて、全離間位置と、単色作像位置と、多色作像位置に移動可能である。
【0202】
押圧部27は、例えば、パルス制御などの公知の方法により、後方に進出可能であって、進出方向(後方向)への移動距離がゼロである待機位置、待機位置から後方に進出した第1進出位置、第1進出位置からさらに後方に進出した第2進出位置に位置させることができる。
(1)全離間位置
押圧部27が待機位置にある場合、図7に示すように、押圧部27と被押圧部85とは離間している。
【0203】
そのため、第2フレーム22は、ばね部材90によって前方に向かって付勢され、第1フレーム21に対して最も後側に位置する全離間位置に配置される。
【0204】
このとき、上記したように、各現像カートリッジ13は、両側壁94に設けられるボス95が対応するカートリッジ支持部59の上側板68の上面と接触することにより、カートリッジ支持部59に支持されている。
【0205】
よって、各現像ローラ18は、その後下側が、対応する感光ドラム14に対して、間隔を隔てて対向するように配置されている。
【0206】
従って、全離間位置では、複数(4つ)の現像カートリッジ13のすべてが、各現像ローラ18と対応する感光ドラム14とが離間する離間位置に位置している。
【0207】
つまり、ばね部材90は、各現像カートリッジ13が離間位置に位置するように、第2フレーム22を付勢している。
【0208】
また、全離間位置において、図6に示すように、左側の軸受嵌合部50の左端面は、第2側板55のドラム露出穴83から露出しており、ドラム露出穴83内の後側に位置している。
【0209】
また、カップリング部材96の左端面は、第2側板55の挿通穴84から露出しており、挿通穴84内の後側に位置している。
(2)単色作像位置
押圧部27が、待機位置から第1進出位置に進出した場合、図8に示すように、押圧部27と被押圧部85とは当接し、被押圧部85は押圧部27により押圧される。
【0210】
そのため、第2フレーム22は、押圧部27により、ばね部材90の付勢力に抗して、後方に向かって押圧され、第1フレーム21に対して、全離間位置から後方に向かって移動される。
【0211】
つまり、押圧部27は、各現像カートリッジ13が接触位置に位置するように、第2フレーム22を押圧している。
【0212】
このとき、カートリッジ支持部59の上側板68は、第2フレーム22の移動とともに、第1フレーム21に対して後方に移動する。
【0213】
そうすると、押圧部材61の押圧棒72の後端部と、各現像カートリッジ13のボス95とが当接する。
【0214】
押圧部材61の押圧棒72は、前後方向および上下方向の両方向と交差する方向に沿って延びるように形成されているために、押圧棒72とカートリッジ支持部59(上側板68または前側板70)との間にボス95が進入することを許容する。
【0215】
このとき、押圧棒72は、ボス95との当接により前上側に押圧されて、回動軸73を中心に、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して左側面視時計回りに回動される。
【0216】
そして、ボス95は、押圧棒72の下側と、カートリッジ支持部59(上側板68または前側板70)との間に進入する。
【0217】
さらに、第2フレーム22が第1フレーム21に対して後方に移動すると、複数の現像カートリッジ13のうち、最も前側に位置するブラック現像カートリッジ13Kのボス95のみが、対応する上側板68から落下し、前側板70の傾斜に沿って、前下側に移動する。
【0218】
そうすると、ボス95の移動とともに、ブラック現像カートリッジ13Kが下方に移動し、現像ローラ軸98の左右両端部が、ガイド溝52の上部から最深部に到達する。
【0219】
これにより、現像ローラ18のゴムローラ99は、対応する感光ドラム14に対して、前上側から感光ドラム14の径方向に沿うように接触している。
【0220】
なお、前側板70が、前方に向かうに従って下側に向かうように傾斜した傾斜面として形成されているため、ボス95の前側板70の傾斜に沿う移動に伴なって、ブラック現像カートリッジ13Kは、徐々に下方に移動する。
【0221】
そのため、現像ローラ18のゴムローラ99と、感光ドラム14とが接触するときに、それらが変形または破損することを防止できる。
【0222】
以上により、ブラック現像カートリッジ13Kは、接触位置に配置される。
【0223】
このとき、ブラック現像カートリッジ13Kのボス95は、前側板70および延設部60の上面と僅かな間隔を隔てて対向配置されている。すなわち、ブラック現像カートリッジ13Kのボス95は、上側板68、前側板70および延設部60から離間している。
【0224】
また、ブラック現像カートリッジ13Kのボス95は、押圧部材61の押圧棒72により押圧されている。
【0225】
詳しくは、ボス95は、押圧部材61が備える付勢部材(図示せず)の付勢力により、その前上側部分が後下側に向けて、現像ローラ18のゴムローラ99が感光ドラム14に向かうように押圧されている。
【0226】
これにより、ブラック現像カートリッジ13Kは、接触位置において、第1フレーム21に対して、ブラック現像カートリッジ13Kの移動方向において位置決めされている。
【0227】
一方、複数の現像カートリッジ13のうち、3色の現像カートリッジ13YMCは、そのボス95が上側板68の上面と接触しているので、全離間位置の場合と同様に、カートリッジ支持部59に支持されている。
【0228】
そのため、3色の現像カートリッジ13YMCは、離間位置に配置されている。
【0229】
このとき、3色の現像カートリッジ13YMCのボス95は、押圧部材61の押圧棒72と上側板68の上面とに挟み込まれている。
【0230】
そのため、3色の現像カートリッジ13YMCのボス95は、押圧部材61の押圧棒72により押圧されているが、ボス95と上側板68の上面とが接触することにより、押圧部材61の押圧力による現像カートリッジ13の移動、すなわち、ゴムローラ99が感光ドラム14に向かう方向への移動が規制されている。
【0231】
つまり、単色作像位置では、複数(4つ)の現像カートリッジ13のうち、最も前側に位置するブラック現像カートリッジ13Kのみが、現像ローラ18とブラック感光ドラム14Kとが接触する接触位置に位置し、他の現像カートリッジ13が、各現像ローラ18と対応する感光ドラム14とが離間する離間位置に位置している。
(3)多色作像位置
押圧部27が、第1進出位置から第2進出位置に進出した場合、図9に示すように、第2フレーム22は、第1フレーム21に対して、単色作像位置から、さらに後方に向かって移動される。
【0232】
このとき、前側架橋部56の被押圧部85は、フロントビーム38の収容部48に収容される(図1参照)。
【0233】
また、カートリッジ支持部59(上側板68)は、第2フレーム22の移動とともに、さらに後方に移動する。
【0234】
これにより、3色の現像カートリッジ13YMCのボス95も、前側板70の傾斜に沿って、前下側に移動する。
【0235】
そうすると、各ボス95の移動とともに、3色の現像カートリッジ13YMCが、それぞれ下方に移動し、各現像ローラ軸98の左右両端部が、ガイド溝52の上部から最深部に到達する。
【0236】
これにより、各現像ローラ18のゴムローラ99は、対応する感光ドラム14に対して、前上側から感光ドラム14の径方向に沿うように接触する。
【0237】
このとき、各現像カートリッジ13のボス95は、前側板70および延設部60と僅かな間隔を隔てて対向配置されている。すなわち、各現像カートリッジ13のボス95は、上側板68、前側板70および延設部60のいずれからも離間している。
【0238】
また、各現像カートリッジ13のボス95は、押圧部材61が備える付勢部材(図示せず)の付勢力により、その前上側部分が後下側に向けて、各現像ローラ18のゴムローラ99が感光ドラム14に向かうように押圧されている。
【0239】
これにより、すべての現像カートリッジ13は、接触位置において、第1フレーム21に対して、現像カートリッジ13の移動方向において位置決めされている。
【0240】
つまり、多色作像位置では、複数(4つ)の現像カートリッジ13のすべてが、各現像ローラ18と対応する感光ドラム14とが接触する接触位置に位置している。
【0241】
また、多色作像位置では、図6において、二点鎖線で示すように、左側の軸受嵌合部50の左端面は、ドラム露出穴83内の前側に位置している。
【0242】
また、カップリング部材96の左端面は、挿通穴84内の前側に位置している。
【0243】
なお、上記のカラーレーザプリンタ1では、第2フレーム22を全離間位置から単色作像位置に、単色作像位置から多色作像位置に移動させたが、これに限定されず、第2フレーム22は、押圧部27の押圧力(進出距離)に応じて、全離間位置、単色作像位置および単色作像位置のいずれの位置からであっても、他の位置(全離間位置、単色作像位置および単色作像位置)に移動可能である。
4.作用効果
(1)プロセスユニット9は、ドラムユニット12、および、複数(4つ)の現像カートリッジ13を備えている。
【0244】
ドラムユニット12のプロセスフレーム15は、第1フレーム21と第2フレーム22とから形成されている。
【0245】
第1フレーム21は、各色に対応する感光ドラム14を備え、第2フレーム22は、第1フレーム21に対して前後方向に相対移動可能に装着されている。
【0246】
また、各現像カートリッジ13は、現像ローラ18および現像フレーム92を備えている。
【0247】
現像ローラ18は、現像ローラ18のゴムローラ99の後下側の表面が、現像フレーム92の開口部93から露出するように、現像フレーム92の後下側に配置されている。
【0248】
そして、第2フレーム22は、第1フレーム21に対して前後方向に相対移動することにより、各現像カートリッジ13を、各ゴムローラ99が対応する感光ドラム14と接触する接触位置と、各ゴムローラ99が対応する感光ドラム14と離間する離間位置とに移動させることができる。
【0249】
つまり、第2フレーム22のみにより、複数(4つ)の現像カートリッジ13を離間位置と接触位置とに移動させることができるので、部品点数の低減を図ることができる。
【0250】
したがって、部品点数の低減を図ることができ、簡易な構成でありながら、現像ローラ18のゴムローラ99と感光ドラム14とを適宜接触・離間させることができる。
(2)また、第2フレーム22は、カートリッジ支持部59の上側板68と、押圧部材61とを備えている。
【0251】
そのため、離間位置において、各現像カートリッジ13が上側板68に支持されるので、現像ローラ18のゴムローラ99と感光ドラム14とを精度よく離間できる。
【0252】
また、接触位置において、各現像カートリッジ13が押圧部材61の押圧棒72により、各現像ローラ18のゴムローラ99が感光ドラム14に向かうように押圧されるので、ゴムローラ99と感光ドラム14とを安定して接触させることができる。
【0253】
よって、各現像カートリッジ13が離間位置にあるときには、所望しないゴムローラ99と感光ドラム14との接触を防止でき、各現像カートリッジ13が接触位置にあるときには、ゴムローラ99と感光ドラム14との接触安定性の向上を図ることができる。
(3)また、プロセスユニット9は、ばね部材90を備えている。
【0254】
ばね部材90は、第1フレーム21のばね収容部87に収容され、第2フレーム22のばね押圧部88と当接することにより、第2フレーム22を前方に向かって付勢している。
【0255】
つまり、第2フレーム22は、ばね部材90により、常時、各現像カートリッジ13が離間位置に位置するように付勢されている。
【0256】
そのため、各現像カートリッジ13を離間位置に位置させることができ、現像ローラ18のゴムローラ99と感光ドラム14とを常時離間させることができる。
【0257】
その結果、カラーレーザプリンタ1またはプロセスユニット9の出荷における、輸送または保管時のゴムローラ99の変形を防止できる。
【0258】
また、カラーレーザプリンタ1は、押圧部27を備えている。
【0259】
押圧部27は、フロントカバー5の後下側に設けられ、プロセスユニット9が本体ケーシング2に装着された状態において、第2フレーム22の被押圧部85を押圧する。
【0260】
そのため、第2フレーム22は、ばね部材90の付勢力に抗して、後方に向けて押圧される。
【0261】
つまり、第2フレーム22は、押圧部27により、各現像カートリッジ13が離間位置から離間位置に位置するように押圧される。
【0262】
その結果、必要に応じて、各現像カートリッジ13を離間位置から接触位置に移動させることができ、現像ローラ18のゴムローラ99と感光ドラム14とを接触させることができる。
(4)また、第2フレーム22は、押圧部27の押圧力に応じて、全離間位置と、単色作像位置と、多色作像位置とに移動可能である。
【0263】
そのため、複数の現像カートリッジ13をすべて離間位置に位置させることも、複数の現像カートリッジ13のうち、1つの現像カートリッジ13を接触位置に位置させることも、複数の現像カートリッジ13をすべて接触位置に位置させることもできる。
【0264】
すなわち、すべての現像ローラ18と感光ドラム14とを離間させることも、複数の現像ローラ18のうち、1つの現像ローラ18と感光ドラム14とを接触させることも、すべての現像ローラ18と感光ドラム14とを接触させることもできる。
(5)また、カートリッジ支持部59の上側板68は、現像カートリッジ13が離間位置にあるとき、ボス95の下側部分と接触して、押圧部材61のボス95に対する押圧による現像カートリッジ13の移動を規制し、現像カートリッジ13が接触位置にあるとき、ボス95と離間し、押圧部材61のボス95に対する押圧による現像カートリッジ13の移動を許容している。
【0265】
そのため、各現像カートリッジ13が離間位置にあるとき、ゴムローラ99と感光ドラム14とを精度よく離間でき、各現像カートリッジ13が接触位置にあるとき、ゴムローラ99と感光ドラム14とを安定して接触させることができる。
(6)また、単色作像位置において接触位置に位置する現像カートリッジ13、すなわち、ブラック現像カートリッジ13Kに対応する上側板68は、3色の現像カートリッジ13YMCに対応する上側板68よりも、前後方向に短く形成されている。
【0266】
そのため、簡易な構成でありながら、ブラック現像カートリッジ13Kのみを接触位置に位置させることができる。
【0267】
その結果、第2フレーム22の単色作像位置を簡易な構成により実現することができる。
(7)また、押圧部材61の押圧棒72は、前後方向および上下方向の両方向と交差する方向に沿って延びるように形成されている。より具体的には、押圧棒72は、後方に向かうに従って上側に延びるように傾斜して配置されている。
【0268】
そのため、押圧棒72は、第2フレーム22の相対移動方向(前後方向)と交差するように形成されているので、押圧棒72と現像カートリッジ13のボス95とが接触しても、押圧棒72の下側にボス95を進入させることができる。
【0269】
その結果、簡易な構成でありながら、第2フレーム22の第1フレーム21に対する前後方向の相対移動を許容することができる。
5.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0270】
図10は、本発明の第2実施形態としてのカラーレーザプリンタを示す側断面図である。図11は、図10に示すプロセスユニットの第2フレームを左上側から見た斜視図である。図12は、図10に示すプロセスユニットの左側面図である。図13は、図10に示すプロセスフレーム(第2フレームが全離間位置の場合)の右側側板の左側面図である。図14は、図10に示すプロセスフレーム(第2フレームが単色作像位置の場合)の右側側板の左側面図である。図15は、図10に示すプロセスフレーム(第2フレームが多色作像位置の場合)の右側側板の左側面図である。
【0271】
図10〜図15において、図1〜図9に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
(1)押圧部
本発明の第2実施形態では、押圧部27は、図10に示すように、本体ケーシング2内において、前側および後側の左右方向両側に4つ設けられ、それぞれ下側に突出するように形成されている。
【0272】
詳しくは、プロセスユニット9が本体ケーシング2に対して装着された状態において、フロントビーム38と上下方向に対向する位置の左右方向両側に2つ設けられ、リヤビーム39と上下方向に対向する位置の左右方向両側に2つ設けられている。
【0273】
また、押圧部27は、例えば、パルス制御などの公知の方法により、上下方向に進退自在に形成されている。
(2)第1フレーム
本発明の第2実施形態において、第1フレーム21は、第1実施形態と同様の第1フレーム21が備えられる。
【0274】
そのため、第1フレーム21は、図2を参照して説明する。
【0275】
第1フレーム21の両第1側板37には、第2フレーム規制溝100が、それぞれ形成されている。
【0276】
第2フレーム規制溝100は、両第1側板37の下端部から上方に向かって側面視略矩形状に切り欠かれて形成され、前後方向に互いに等間隔を隔てて3つ配置されている。
【0277】
詳しくは、第2フレーム規制溝100は、最も後側の軸受穴45を除く、3つの軸受穴45の後下側において、それぞれ形成されている。
【0278】
また、第2フレーム規制溝100の前後方向長さは、規制部102(後述)の前後方向長さと略同じ長さであり、第2フレーム規制溝100の上下方向長さは、第2フレーム22が全離間位置から多色作像位置まで移動したときの規制部102(後述)の移動距離と略同じ長さである。
【0279】
フロントビーム38は、その上面における左右両側部分が、前側ばね配置部103として形成されている。
【0280】
また、フロントビーム38は、突出壁104を備えている。
【0281】
突出壁104は、フロントビーム38の上面の前側ばね配置部103以外の部分において、その前側部分から上方に向かって、前面視略矩形状に突出するように形成されている。
【0282】
リヤビーム39は、その上壁の上面における左右両側部分が、後側ばね配置部106として形成されている。
(3)第2フレーム
第2フレーム101は、図11に示すように、樹脂から形成される1対の第2側板107、前側架橋部108および後側架橋部109から形成されている。
【0283】
両第2側板107は、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。
【0284】
また、両第2側板107は、その前側部分において、支持軸挿通穴105がそれぞれ形成されている。
【0285】
支持軸挿通穴105は、上下方向に長手の側面視略楕円に形成され、プロセスフレーム15が組み立てられた状態において、支持軸46の突出部分を挿通する(図12参照)。
【0286】
また、両第2側板107には、案内部113、カートリッジ支持部126、押圧部材61、第1フレーム係合部119、および、規制部102が、両第2側板107の内側面から左右方向内方に向かって、突出するようにそれぞれ設けられている。
【0287】
案内部113は、前後方向に等しい間隔を隔てて4つ形成され、それぞれ前側リブ114および後側リブ115から区画されている。
【0288】
前側リブ114および後側リブ115は、両第2側板107の上端縁から下方に向かって延びる略平板形状に形成され、互いに平行となるように、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0289】
また、前側リブ114および後側リブ115は、その下端部が、前後方向において、互いに近づくように、湾曲して形成されている。
【0290】
カートリッジ支持部126は、前後方向に沿って延び、後側の案内部113を形成する前側リブ114の上下方向途中部と、前側の案内部113を形成する後側リブ115の上下方向途中部とを連結している。
【0291】
また、複数のカートリッジ支持部126のうち、最も前側に位置するカートリッジ支持部126以外の3つのカートリッジ支持部126は、略平板矩形状に形成されている。
【0292】
一方、最も前側に位置するカートリッジ支持部126は、前後方向途中部に段差を有する略平板矩形状に形成されている(図13〜図15参照)。
【0293】
また、カートリッジ支持部126は、前後方向において、押圧棒72よりも後側に位置する部分が、支持部の一例としての支持板111として形成され、押圧棒72よりも前側に位置する部分が、延設部112として形成されている。
【0294】
そのため、最も前側に位置するカートリッジ支持部126において、下側に位置する後側部分が支持板111であり、上側に位置する前側部分が延設部112である。
【0295】
また、最も前側に位置するカートリッジ支持部126の支持板111は、他の支持板111よりも、上下方向において下方に位置している。
【0296】
なお、第2実施形態においては、最も前側に位置するカートリッジ支持部126は、現像カートリッジ13を保持した状態において、ブラック現像カートリッジ13Kに対応している。
【0297】
押圧部材61は、回動軸73が延設部112の下方において、第2側板107に相対回転可能に支持されている。
【0298】
また、押圧棒72の外側面は、カートリッジ支持部126と左右方向に僅かな間隔を隔てて対向配置されており、突出部76が、支持板111および延設部112の連続部分の上面と接触している。これによって、押圧棒72のそれ以上の回動が規制されている。
【0299】
第1フレーム係合部119は、前側レール部120と、後側レール部121とを備えている。
【0300】
前側レール部120は、略平板形状に形成され、両第2側板107の前端部から左右方向内方に延びるように形成されている。
【0301】
後側レール部121は、1対のレールリブ127から形成されている。
【0302】
1対のレールリブ127は、第2側板107の後側の上端縁から下方に向かって延びる略平板形状に形成され、互いに平行となるように、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている(図13〜図15参照)。
【0303】
また、1対のレールリブ127の前後方向の間隔は、第1側板37の延長部44の前後方向長さと略同じ長さである。
【0304】
また、前側レール部120および後側レール部121(レールリブ127)には、それらの左右方向内側端部において、複数の突部128が一体的に形成されている。
【0305】
突部128は、略平板形状に形成され、第2側板107と左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。突部128と第2側板107との左右方向における間隔が、第1側板37の厚みと略同じ長さである。
【0306】
詳しくは、突部128は、前側レール部120の左右方向内側端部から、後方に向けて突出するように1つ形成され、1対のレールリブ127の左右方向内側端部から、それぞれ、他方のレールリブ127に向けて突出するように、1つずつ形成されている。
【0307】
規制部102は、下方に向かって開放される側面視略コ字形状に形成され、各第2側板107の左右方向内側面の下端部において、前後方向に互いに等間隔を隔てて3つ形成されている。
【0308】
また、1対の第2側板107のうち、左側の第2側板107には、ドラム露出穴117と、挿通穴118とが形成されている。
【0309】
ドラム露出穴117および挿通穴118は、上下方向に長径な側面視略楕円形状に形成され、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。
【0310】
また、各挿通穴118は、各ドラム露出穴117の前上方に、上下方向に間隔を隔てて、それぞれ1つずつ配置されている。
【0311】
前側架橋部108は、平面視略矩形状であり、下方に向かって開放される断面コ字形状に形成され、両第2側板107の前端部上端部間に架設されている。
【0312】
また、前側架橋部108は、その上壁における左右両側の上面は、前側被押圧部130として形成されている。
【0313】
また、前側被押圧部130の反対側面(前側架橋部108の上壁における左右両側の下面)は、図13〜図15に示すように、前側ばね押圧部123として形成されている。
【0314】
また、前側架橋部108の上壁には、平面視略矩形状の開口部110が形成されている。
【0315】
後側架橋部109は、下方に向けて屈曲する断面L字状に形成され、両第2側板107の後端部上側間に架設されている。
【0316】
また、後側架橋部109の上壁において、その左右両側の上面が、後側被押圧部131として形成され、その左右両側の下面が、図13〜図15に示すように、後側ばね押圧部124として形成されている。
(4)第1フレームに対する第2フレームの装着(ドラムユニットの組み立て)
次に、第2実施形態における第1フレーム21に対する第2フレーム101の装着について説明する。
【0317】
第1フレーム21に対して第2フレーム101を、図12に示すように装着するには、まず、ドラムサブユニット41および感光ドラム14を支持する第1フレーム21の下方に、両第2側板107を配置する。
【0318】
詳しくは、第1フレーム21の第1側板37の前端部が、第2側板107の前側レール部120と上下方向に一致し、第1側板37の延長部44が、第2側板107の後側レール部121の1対のレールリブ127間と上下方向に一致するように、両第2側板107を配置する。
【0319】
そして、両第1側板37の前端部が前側レール部120の突部128と第2側板107との間に、両第1側板37の延長部44が1対のレールリブ127間にそれぞれ挿入されるように、両第2側板107を第1フレーム21に対して下側から挿入する。
【0320】
このとき、両第1側板37は、前後方向において前側レール部120と1対のレールリブ127とに、左右方向において突部128と第2側板107とに挟みこまれる。
【0321】
そのため、両第2側板107、すなわち、第2フレーム101は、第1フレーム21に対して、上下方向に相対移動可能、かつ、前後方向および左右方向において相対移動不能に係合している。
【0322】
次いで、第1フレーム21のフロントビーム38の前側ばね配置部103、および、リヤビーム39の後側ばね配置部106に、付勢部の一例としてのばね部材90をそれぞれ配置する(図13〜図15参照)。
【0323】
次いで、ばね部材90を挟み込むように、前側架橋部108および後側架橋部109を両第2側板107に取り付ける。
【0324】
また、前側架橋部108は、フロントビーム38の突出壁104を、開口部110に挿通するように取り付けられる(図12〜図15参照)。
【0325】
これにより、第2フレーム101が形成される。
【0326】
このとき、ばね部材90は、前側ばね配置部103と前側ばね押圧部123との間、および、後側ばね配置部106と後側ばね押圧部124との間にそれぞれ挟み込まれる(図13〜図15参照)。
【0327】
また、感光ドラム14の左側の軸受嵌合部50の左端面は、それぞれ第2フレーム101のドラム露出穴117から、露出している。
【0328】
次いで、支持軸46を、フロントビーム38および両第1側板37に挿通する。
【0329】
このとき、両第1側板37から左右方向外方に突出する支持軸46の突出部分は、両第2側板107に形成される支持軸挿通穴105にそれぞれ、挿通される。
【0330】
以上により、第1フレーム21に対する第2フレーム101の装着が完了し、ドラムユニット12が組み立てられる。
【0331】
このようにして装着された第2フレーム101は、前側ばね押圧部123および後側ばね押圧部124がばね部材90によりそれぞれ付勢されるため、上方に向けて付勢されている。
【0332】
このとき、第2フレーム101の各規制部102は、第1フレーム21の第2フレーム規制溝100に嵌合しており、第1フレーム21に対する第2フレーム101の上方への移動を規制している。
(5)ドラムユニットに対する現像カートリッジの装着
各現像カートリッジ13は、第1実施形態において上記したように、ドラムユニット12に装着可能である。
【0333】
各現像カートリッジ13がドラムユニット12に装着された状態において、各現像カートリッジ13は、両側壁94に設けられるボス95が対応するカートリッジ支持部126の支持板111の上面と接触することにより、カートリッジ支持部126に支持され、各現像カートリッジ13の下方への移動が規制されている。
【0334】
また、各ボス95は、押圧部材61の押圧棒72により押圧されているが、各ボス95と支持板111の上面とが接触することにより、押圧部材61の押圧力による現像カートリッジ13の移動、すなわち、ゴムローラ99が感光ドラム14に向かう方向への移動が規制されている。
【0335】
また、各現像ローラ18は、その後下側が、対応する感光ドラム14に対して、間隔を隔てて対向するように配置されている。
【0336】
つまり、すべての現像カートリッジ13が、各現像ローラ18と対応する感光ドラム14とが離間している。
【0337】
また、各現像カートリッジ13のカップリング部材96の左端面は、それぞれ第2フレーム22の挿通穴118から、露出している。
(6)現像カートリッジの感光ドラムに対する接離動作
次に、現像カートリッジ13の感光ドラム14に対する接離動作を説明する。
【0338】
第2実施形態では、第1実施形態において上記したように、モノクロモードとカラーモードとを切り替えることができる。
【0339】
そして、現像カートリッジ13と感光ドラム14とを接触または離間させるためには、プロセスユニット9を本体ケーシング2に装着した状態において、第2フレーム101を、第1フレーム21に対して上下方向に相対移動させる。
【0340】
第2フレーム101を、第1フレーム21に対して下方向に相対移動させるには、図14および図15に示すように、各押圧部27を下方に進出させ、各押圧部27と第2フレーム101の前側被押圧部130および後側被押圧部131とを当接させて、ばね部材90の付勢力に抗して、第2フレーム101を下方に向けて押圧する。
【0341】
これにより、第2フレーム101は、第1フレーム21に対して下方に相対移動する。
【0342】
また、第2フレーム101を、第1フレーム21に対して上方向に相対移動させるには、図13に示すように、各押圧部27を上方に退避させ、各押圧部27と前側被押圧部130および後側被押圧部131との当接を解除し、ばね部材90の付勢力により、第2フレーム101を上方に向けて付勢する。
【0343】
これにより、第2フレーム101は、第1フレーム21に対して上方に相対移動する。
【0344】
以上により、各現像カートリッジ13を接触位置と離間位置とに移動させることができる。
【0345】
また、第2フレーム101は、第1実施形態の第2フレーム22と同様に、押圧部27の押圧力(進出距離)に応じて、全離間位置と、単色作像位置と、多色作像位置に移動可能である。
(6−1)全離間位置
押圧部27が待機位置にある場合、図13に示すように、押圧部27と前側被押圧部130および後側被押圧部131とは離間している。
【0346】
そのため、第2フレーム101は、ばね部材90によって上方に向かって付勢され、第1フレーム21に対して最も上側に位置する全離間位置に配置される。
【0347】
このとき、上記したように、各現像カートリッジ13は、両側壁94に設けられるボス95が対応するカートリッジ支持部126の支持板111の上面と接触することにより、カートリッジ支持部126に支持されている。
【0348】
また、各現像カートリッジ13のボス95は、押圧部材61の押圧棒72により押圧されている。一方、ボス95は、支持板111の上面と接触しているため、押圧部材61の押圧力による現像カートリッジ13の移動、すなわち、ゴムローラ99が感光ドラム14に向かう方向への移動が規制されている。
【0349】
また、全離間位置において、図12に示すように、左側の軸受嵌合部50の左端面は、第2側板107のドラム露出穴117から露出しており、ドラム露出穴117内の下側に位置している。
【0350】
また、カップリング部材96の左端面は、第2側板107の挿通穴118から露出しており、挿通穴118内の下側に位置している。
(6−2)単色作像位置
押圧部27が、待機位置から第1進出位置に進出した場合、図14に示すように、押圧部27と前側被押圧部130および後側被押圧部131とは当接し、前側被押圧部130および後側被押圧部131は押圧部27により押圧される。
【0351】
そのため、第2フレーム101は、押圧部27により、ばね部材90の付勢力に抗して、下方に向かって押圧され、第1フレーム21に対して、全離間位置から下方に向かって移動される。
【0352】
このとき、カートリッジ支持部126の支持板111および押圧部材61は、第2フレーム101の移動とともに、第1フレーム21に対して下方に移動する。
【0353】
そうすると、押圧部材61の押圧棒72は、ボス95により前上側に押圧され、回動軸73を中心に、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して左側面視時計回りに回動される。
【0354】
つまり、押圧部材61の押圧棒72は、前後方向および上下方向の両方向と交差する方向に沿って延びるように形成されているために、ボス95を押圧することができながら、第1フレーム21に対する第2フレーム101の上下方向の移動を許容する。
【0355】
また、第2フレーム101が第1フレーム21に対して下方に移動すると、その移動に伴ない、各現像カートリッジ13が下方に移動する。
【0356】
そうすると、複数の現像カートリッジ13のうち、最も前側に位置するブラック現像カートリッジ13Kの現像ローラ軸98の左右両端部が、ガイド溝52の上部から最深部に到達する。
【0357】
そして、現像ローラ18のゴムローラ99が、対応する感光ドラム14に対して、前上側から感光ドラム14の径方向に沿うように接触する。
【0358】
以上により、ブラック現像カートリッジ13Kは、接触位置に配置される。
【0359】
このとき、複数の現像カートリッジ13のうち、最も前側に位置するブラック現像カートリッジ13Kのボス95のみが、対応する支持板111の上面から離間されている。
【0360】
また、ブラック現像カートリッジ13Kのボス95と支持板111の上面との接触が解除されるので、そのボス95は、押圧部材61が備える付勢部材(図示せず)の付勢力により、その前上側部分が後下側に向けて、現像ローラ18のゴムローラ99が感光ドラム14に向かうように押圧される。
【0361】
一方、3色の現像カートリッジ13YMCのボス95は、上記した全離間位置と同様に、支持板111の上面と接触している。
(6−3)多色作像位置
押圧部27が、第1進出位置から第2進出位置に進出した場合、図15に示すように、第2フレーム101は、第1フレーム21に対して、単色作像位置から、さらに下方に向かって移動される。
【0362】
第2フレーム101が第1フレーム21に対してさらに下方に移動すると、その移動に伴ない、3色の現像カートリッジ13YMCが下方に移動する。
【0363】
そうすると、3色の現像カートリッジ13YMCの各現像ローラ軸98の左右両端部が、ガイド溝52の上部から最深部に到達し、各現像ローラ18のゴムローラ99が、対応する感光ドラム14に対して、前上側から感光ドラム14の径方向に沿うように接触する。
【0364】
以上により、3色の現像カートリッジ13YMCは、接触位置に配置される。
【0365】
このとき、3色の現像カートリッジ13YMCのボス95は、対応する支持板111の上面から離間されている。
【0366】
また、多色作像位置では、図12において、二点鎖線で示すように、左側の軸受嵌合部50の左端面は、ドラム露出穴117内の上側に位置している。
【0367】
また、カップリング部材96の左端面は、挿通穴118内の上側に位置している。
6.作用効果
(1)第2フレーム101は、第1フレーム21に対して上下方向に相対移動可能に装着されている。
【0368】
そして、第2フレーム101は、第1フレーム21に対して上下方向に相対移動することにより、各現像カートリッジ13を、接触位置と離間位置とに移動させることができる。
【0369】
つまり、第2フレーム101のみにより、複数(4つ)の現像カートリッジ13を離間位置と接触位置とに移動させることができるので、部品点数の低減を図ることができる。
(2)また、第2フレーム101は、カートリッジ支持部126の支持板111を備えている。
【0370】
そのため、離間位置において、各現像カートリッジ13が支持板111に支持されるので、現像ローラ18のゴムローラ99と感光ドラム14とを精度よく離間できる。
(3)また、プロセスユニット9は、ばね部材90を備えている。
【0371】
ばね部材90は、第1フレーム21の前側ばね配置部103および後側ばね配置部106に配置され、第2フレーム101の前側ばね押圧部123および後側ばね押圧部124と当接することにより、第2フレーム101を上方に向かって付勢している。
【0372】
つまり、第2フレーム101は、ばね部材90により、常時、各現像カートリッジ13が離間位置に位置するように付勢されている。
【0373】
そのため、カラーレーザプリンタ1またはプロセスユニット9の出荷における、輸送または保管時のゴムローラ99の変形を防止できる。
【0374】
また、押圧部27は、プロセスユニット9が本体ケーシング2に装着された状態において、第2フレーム101の前側被押圧部130および後側被押圧部131を押圧する。
【0375】
そのため、第2フレーム101は、ばね部材90の付勢力に抗して、下方に向けて押圧される。
【0376】
その結果、必要に応じて、各現像カートリッジ13を離間位置から接触位置に移動させることができ、現像ローラ18のゴムローラ99と感光ドラム14とを接触させることができる。
(4)また、カートリッジ支持部126の支持板111は、現像カートリッジ13が離間位置にあるとき、ボス95の下側部分と接触して、押圧部材61のボス95に対する押圧による現像カートリッジ13の移動を規制し、現像カートリッジ13が接触位置にあるとき、ボス95と離間し、押圧部材61のボス95に対する押圧による現像カートリッジ13の移動を許容している。
【0377】
そのため、各現像カートリッジ13が離間位置にあるとき、ゴムローラ99と感光ドラム14とを精度よく離間でき、各現像カートリッジ13が接触位置にあるとき、ゴムローラ99と感光ドラム14とを安定して接触させることができる。
(5)また、単色作像位置において接触位置に位置する現像カートリッジ13、すなわち、ブラック現像カートリッジ13Kに対応する支持板111は、3色の現像カートリッジ13YMCに対応する支持板111よりも、上下方向において下方、つまり、押圧部27の押圧方向下流側に位置している。
【0378】
そのため、第2フレーム101の単色作像位置を簡易な構成により実現することができる。
(6)また、押圧部材61の押圧棒72は、前後方向および上下方向の両方向と交差する方向に沿って延びるように形成されている。より具体的には、押圧棒72は、後方に向かうに従って上側に延びるように傾斜して配置されている。
【0379】
そのため、押圧棒72は、第2フレーム101の相対移動方向(上下方向)と交差するように形成されているので、ボス95を押圧することができながら、第1フレーム21に対する第2フレーム101の上下方向の移動を許容することができる。
【0380】
その結果、簡易な構成でありながら、第2フレーム101の第1フレーム21に対する上下方向の相対移動を許容することができる。
【符号の説明】
【0381】
1 カラーレーザプリンタ
9 プロセスユニット
13 現像カートリッジ
14 感光ドラム
18 現像ローラ
21 第1フレーム
22 第2フレーム
27 押圧部
61 押圧部材
68 上側板
90 ばね部材
95 ボス
101 第2フレーム
111 支持板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列配置される複数の感光体と、各前記感光体に対応して設けられる複数の現像器とを備える第1フレームと、
前記第1フレームに対して、相対移動可能に設けられる第2フレームとを備え、
各前記現像器は、
対応する前記感光体と対向する現像ローラを備え、
前記第1フレームに対して、前記現像ローラと前記感光体とが離間する離間位置と、前記現像ローラと前記感光体とが接触する接触位置とに相対移動可能であり、
前記第2フレームは、
前記第1フレームに対して相対移動することにより、前記現像器を前記離間位置と前記接触位置とに移動させ、前記接触位置において、前記現像器を前記第1フレームに対して、前記現像器の相対移動方向において位置決めすることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記第2フレームは、
各前記現像器が前記離間位置にあるときに、各前記現像器を支持する支持部と、
各前記現像器が前記接触位置にあるときに、前記現像ローラが前記感光体に向かうように、各前記現像器を押圧する押圧部材とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像器が前記離間位置に位置するように、前記第2フレームを付勢する付勢部と、
前記付勢部の付勢力に抗して、前記現像器が前記接触位置に位置するように、前記第2フレームを前記第2フレームの相対移動方向に押圧する押圧部とを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2フレームは、前記押圧部の押圧力に応じて、
複数の前記現像器のすべてが前記離間位置に位置する全離間位置と、
複数の前記現像器のうち、1つの前記現像器が前記接触位置に位置し、他の前記現像器が前記離間位置に位置する単色作像位置と、
複数の前記現像器のすべてが前記接触位置に位置する多色作像位置とに移動可能であることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像器は、前記押圧部材に押圧される突起部を備え、
前記支持部は、
前記現像器が前記離間位置にあるとき、前記突起部と接触して、前記押圧部材の前記突起部に対する押圧による前記現像器の移動を規制し、
前記現像器が前記接触位置にあるとき、前記突起部と離間して、前記押圧部材の前記突起部に対する押圧による前記現像器の移動を許容することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記単色作像位置において前記接触位置に位置する前記現像器に対応する前記支持部は、前記単色作像位置において前記離間位置に位置する前記現像器に対応する前記支持部よりも、前記押圧部の押圧方向に短く形成されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記単色作像位置において前記接触位置に位置する前記現像器に対応する前記支持部は、前記単色作像位置において前記離間位置に位置する前記現像器に対応する前記支持部よりも、前記押圧部の押圧方向下流側に位置していることを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記押圧部材は、前記押圧部の押圧方向および前記押圧部の押圧方向と直交する方向の両方向と交差する方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
並列配置される複数の感光体と、各前記感光体に対応して設けられる複数の現像器とを備える第1フレームと、
前記第1フレームに対して、相対移動可能に設けられる第2フレームとを備え、
各前記現像器は、
対応する前記感光体と対向する現像ローラを備え、
前記第1フレームに対して、前記現像ローラと前記感光体とが離間する離間位置と、前記現像ローラと前記感光体とが接触する接触位置とに相対移動可能であり、
前記第2フレームは、
前記第1フレームに対して相対移動することにより、前記現像器を前記離間位置と前記接触位置とに移動させ、前記接触位置において、前記現像器を前記第1フレームに対して、前記現像器の相対移動方向において位置決めすることを特徴とする、プロセスユニット。
【請求項10】
前記第2フレームは、
各前記現像器が前記離間位置にあるときに、各前記現像器を支持する支持部と、
各前記現像器が前記接触位置にあるときに、前記現像ローラが前記感光体に向かうように、各前記現像器を押圧する押圧部材とを備えることを特徴とする、請求項9に記載のプロセスユニット。
【請求項11】
前記現像器が前記離間位置に位置するように、前記第2フレームを付勢する付勢部を備えることを特徴とする、請求項8または9に記載のプロセスユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−247690(P2012−247690A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120498(P2011−120498)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】