説明

画像形成装置および画像形成システム

【課題】印刷物の両面に複製許可又は複製禁止を示すコードを含む画像を印刷する。
【解決手段】印刷データを、用紙の片面用の印刷データ画像に変換する変換手段(SS3005)と、取得したコード情報をコード画像に変換する変換手段(S3002)と、コード画像を印刷データ画像に合成したコード埋め込み画像を生成する生成手段と(S3006)と、用紙に対し、コード埋め込み画像を片面にのみ印刷するのか否かを判断する判断手段(S3004、S3009)と、判断手段により、片面にのみ印刷すると判断された場合に、片面にコード埋め込み画像を印刷し(S3007)、もう一方の片面にコード画像を印刷する(S3014)印刷手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コードを含む画像を合成して紙媒体に印刷する画像形成装置に関し、特に、紙媒体の両面にコードを含む画像を印刷する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、印刷物にQRコード等のコードがある場合に、その印刷物をスキャンして得られた画像データからコードの検出、及びデコードを行う。デコードの結果、複製許可情報が得られた場合に、その画像データが印刷されたコピー物を生成して排紙する。一方、複製禁止情報が得られた場合には、コピー物の排紙を行っていない。また、その画像データからコードの検出ができなかった場合にも、コピー物の排紙を行わないことが開示されている。つまり、印刷物に複製許可情報を示すコードがあった場合にのみ、その印刷物のコピー物を排紙する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−284472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、コピーされる印刷物において、おもて面(あるいはうら面)に複製許可情報を示すコードがあり、うら面(あるいはおもて面)にはコードが無い印刷物が存在する場合が想定される。
【0005】
そのような印刷物を両面コピーする場合、上記特許文献1に記載の発明に従って両面コピーすると、コードが無いうら面の排紙は行わないことになる。それに伴い、複製許可のあるおもて面も併せて排紙を行わなくなってしまうことが想定される。したがって、特許文献1には、他方の面にコードが無い場合に、複製許可されている面がコピーされないという課題が生じる。
【0006】
本願発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、セキュリティレベルを落とすことなく、印刷後の複写の際に、複製許可又は複製禁止を示すコードを含む画像を印刷する画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願発明に係る画像形成装置は、用紙の両面に印刷することが可能な画像形成装置であって、印刷データを、用紙の片面用の印刷データ画像に変換する変換手段と、取得したコード情報をコード画像に変換する変換手段と、前記コード画像を前記印刷データ画像に合成したコード埋め込み画像を生成する生成手段と、用紙に対し、前記コード埋め込み画像を片面にのみ印刷するのか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により、片面にのみ印刷すると判断された場合に、片面に前記コード埋め込み画像を印刷し、もう一方の片面に前記コード画像を印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、印刷物の両面に複製許可又は複製禁止を示すコードを含む画像を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る画像形成システムを示す図である。
【図2】各実施例における印刷処理に係るフローチャートである。
【図3】実施例1における両面印刷処理に係るフローチャートである。
【図4】両面印刷処理の処理例を説明するための図である。
【図5】実施例2及び実施例3に係る画像形成システムを示す図である。
【図6】実施例2における両面印刷処理に係るフローチャートである。
【図7】実施例3における両面印刷処理に係るフローチャートである。
【図8】画像形成装置の操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、図面を参照して本願発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0011】
(実施例1)
以下、本実施例では、両面印刷を行う場合に、おもてにコード画像を印刷する場合には、同じコード画像をうらにも印刷する処理を詳細に説明する(S2006、S3014)。なお、片面印刷の場合にはこのような処理を行っていない(S2003参照)。これは印刷スピードが遅くなりすぎるのを防止するためである。すなわち、片面印刷の場合にも、うらに印刷すると印刷スピードが半分になってしまうので、処理を行わないこととする。しかし、印刷スピードを考慮しないのであれば、片面印刷の場合にも、うらにコード画像を印刷しても良い。
【0012】
図1は、本願発明の実施例1に適用される画像形成システムを示す図である。LANなどのネットワーク102を介して、情報処理装置のユーザPC101と、画像形成装置のMFP100とが接続された構成になっている。
【0013】
ユーザPC101は、ディスプレイ装置およびキーボード、マウスなどを有し、複数のソフトウェア処理を選択実行できる。また、ユーザPC101は、ネットワーク102を介してMFP100と通信する。ユーザがユーザPC101を操作することにより、ユーザPC101は、文書データ151に基づいて印刷データを生成して、印刷データをMFP100に送信する。この印刷データは、MFP100で処理可能な描画命令の集まりである。より具体的には、例えばPDL(Page Description Language)により構成されたデータである。ユーザPC101が印刷データを送信する際、MFP100において印刷を片面・両面のいずれで行うか、などの各種の印刷設定の情報も印刷データに付加して、MFP100に送信する。
【0014】
この図1では、文書データ151の一例として、「あ」「い」「う」のいずれかの文字を含む3ページからなる文書の例を示している。このように奇数ページの文書を印刷指示する場合、MFP100に送信される印刷データは、3ページ分の印刷データとなる。すなわち、この印刷データを両面印刷する場合には、最終の紙(2枚目)のうらのページに対応する印刷データは存在しないので、従来、白紙となっていた。
【0015】
MFP100は、受信した印刷データを解析して1ページごとに片面用の印刷データ画像に変換し、それを紙に印刷(画像形成)して印刷物を排出する。その際、付加されている各種の印刷設定の情報に従い、例えば、片面・両面の印刷制御も行う。
【0016】
画像形成装置であるMFP100の構成は、CPU121、表示部122、通信部123、受付部124、記憶部125、印刷部126、読取部127からなる。
【0017】
記憶部125には、図2および図3のフローチャートに示されるプログラムが記憶されている。CPU121が記憶部125内部のプログラムを実行することでMFP100の各構成の処理を統括的に制御する。記憶部125には、さらに、ユーザPC101から受信した印刷データを一時的に記憶する記憶領域も存在する。記憶部125には、さらに、図4に示す各種の画像を記憶する記憶領域が存在する。この各種の画像とは、印刷データを解析して展開した画像(以下、印刷データ画像)や、複製の許可・禁止の情報を含むコード画像などである。
【0018】
通信部123は、ユーザPC101との通信を行う場合に用いられ、例えば、LAN、インターネット、有線ケーブルなどのネットワーク102を通じて通信を行う。
【0019】
読取部127は、原稿を光学的に読み取り、画像データを生成する。読取部127は、原稿を複数枚連続で読み取ることが可能で、原稿の両面を読み取ることも可能である。読取部127で読み取られた画像は、記憶部125に格納される。
【0020】
印刷部126は、記憶部125から画像を読み出し、印刷を行う。印刷部126は、両面印刷も可能である。読取部127で原稿を読み取り、印刷部126に印刷出力することでコピー機能が実現される。
【0021】
受付部124は、キー(ハードキーやソフトキー)入力を受け付けることにより、コピー等のジョブの実行指示を受け付けることができる。
【0022】
表示部122は、ジョブ状況やアラーム、エラー、MFP100の設定などを表示することが可能である。
【0023】
コード埋め込み文書152は、本実施例のMFP100でのコード埋め込みの印刷処理の結果出力された印刷物である。例えば、コード埋め込み文書152では、1枚目の用紙のおもてに「あ」が、うらに「い」が印刷されている。また、2枚目の用紙のおもてに「う」が、うらにコード画像が印刷されている。コード埋め込み文書152の各印刷面には、全て、コード画像として二次元コードであるQRコード153が付加されている。このQRコード153はデジタル情報として原稿が複製を許可されていることを示す複製許可情報か、あるいは、複製が禁止されていることを示す複製禁止情報か、のいずれか示す情報を含む。
【0024】
次に、図8を用いてMFP100の設定画面について説明を行う。
【0025】
図8に示す設定画面を介して、ユーザは、コード埋め込み設定を選択することが可能である。コード埋め込み設定は、コード画像に複製許可情報若しくは複製禁止情報を含めるか、又はコード埋め込みをしないかをユーザにより指定されるものである。
【0026】
表示部122によって「<コード埋め込み>」が表示されている状態で「複製許可」802をユーザが選択すると、受付部124が選択を受け付け、CPU121がMFP100のコード埋め込み設定を「複製許可」に設定する。この場合、CPU121はMFP100での印刷処理時に複製許可のコード埋め込みをするよう制御する。
【0027】
ユーザが「複製禁止」803を選択した場合は、CPU121はMFP100のコード埋め込み設定を「複製禁止」に設定する。この場合、CPU121はMFP100での印刷処理時に複製禁止のコード埋め込みをするよう制御する。
【0028】
ユーザが「しない」801を選択した場合は、CPU121はMFP100はコード埋め込み設定を「しない」に設定する。この場合、CPU121はMFP100での印刷処理時にコード埋め込みをしない状態で動作するよう制御する。
【0029】
次に、実施例1における動作の流れ(図2)について説明する。
【0030】
図2は、MFP100の通信部123が、ユーザPC101から印刷データを受信した時の印刷処理を示すフローチャートである。この図2に示すフローチャートにおける各ステップの動作の流れは、MFP100内のCPU121が記憶部125内部のプログラムを実行し、MFP100の各構成を制御することより実現される。
【0031】
通信部123が印刷データを受信すると、ステップS2001において、CPU121が、通信部123と記憶部125を制御して、受信した印刷データを記憶部125に格納する。
【0032】
ステップS2002で、CPU121は、記憶部125に格納された印刷データを解析し、片面・両面のいずれの印刷指示が付加されているかを判断する。
【0033】
ここで、印刷指示が片面であると判断した場合、ステップS2003において、CPU121は通常の片面印刷処理を実行するよう制御をして終了する。一方、印刷指示が両面であると判断した場合、ステップS2004において、CPU121は「コード埋め込み設定」が、コード埋め込みする設定かどうかを判断する。このコード埋め込み設定については、上記で図8を用いて説明したように、ユーザにより指定されているものである。
【0034】
ここで、コード埋め込みする設定ではないと判断した場合、ステップS2005において、CPU121は通常の両面印刷処理を実行するよう制御して終了する。一方、コード埋め込みする設定であると判断した場合、ステップS2006において、CPU121はコード埋め込みの両面印刷を実行するよう制御して終了する。このステップS2006の処理については、この後、図3のフローチャートを使って詳細に説明する。その際、図4を使って各種の画像を補足しながら説明する。
【0035】
図3は、図2のステップS2006におけるコード埋め込みの両面印刷を実行する時の両面印刷処理を詳細に示すフローチャートである。この図3に示すフローチャートにおける各ステップの動作の流れは、MFP100内のCPU121が記憶部125内部のプログラムを実行し、MFP100の各構成を制御することより実現される。
【0036】
コード埋め込みの両面印刷を開始すると、ステップS3001において、CPU121は、印刷処理時に埋め込むべきコード情報を取得する。すなわち、図8に示す「コード埋め込み設定」においてユーザにより指定された、「複製許可」又は「複製禁止」のいずれかを取得する。なお、この図3のフローチャートはコード埋め込みするとステップS2004で判断された場合の処理なので、「コード埋め込み設定」が「しない」のことはあり得ない。
【0037】
そしてステップS3002で、CPU121は、「コード埋め込み設定」で指定されたコード情報に基づいて、コード画像を生成する。すなわち、コード情報が「複製許可」の場合は、複製許可情報を含むコード画像を生成する。一方、コード情報が「複製禁止」の場合は、複製禁止情報を含むコード画像を生成する。例えば、図4に示すように、コード画像は、コード画像401であり、コード情報を符号化したQRコード153を含んでいる。
【0038】
そして、CPU121は、生成したコード画像を記憶部125内のコード画像の記憶領域に格納する。
【0039】
そして、ステップS3003でCPU121は、記憶部125に格納されている印刷データ(図4の印刷データ402)から、1ページ分の印刷データを入手する。そして、ステップ3004で、CPU121は、1ページ分の印刷データがあるかどうか判断する。ここで、印刷データが無いと判断すると、印刷データを全て処理し終えたことになるので、処理を終了する。一方、ステップ3004でCPU121が1ページ分の印刷データが有ると判断した場合、ステップS3005に進み、CPU121は、その印刷データを解析して印刷データ画像に変換する(例えば、図4の印刷データ画像403)。そして、CPU121は、変換した印刷データ画像を記憶部125内の記憶領域に格納する。
【0040】
次に、ステップS3006で、CPU121は、印刷データ画像とコード画像を合成することにより、印刷データ画像にコード画像を埋め込み、コード埋め込み画像(図4のコード埋め込み画像404)を生成する。CPU121は、生成したコード埋め込み画像を記憶部125内の記憶領域に格納する。そして、ステップS3007でCPU121は印刷部126に、紙のおもてにコード埋め込み画像の印刷を行わせるよう制御する。
【0041】
そして、ステップS3008で、CPU121は、記憶部125に格納されている印刷データから、次の1ページ分の印刷データを入手する。そして、ステップ3009で、CPU121は、1ページ分の印刷データがあるかどうか判断する。ここで、印刷データが無いと判断すると、ステップS3014でCPU121は印刷部126に、紙のうらにコード画像(例えば、図4のコード画像401)のみをうらに印刷するように制御する。そして、ステップS3014でCPU121は印刷部126に、紙の排紙を行わせるよう制御する。これにより、おもてにコード埋め込み画像が印刷され、うらにコード画像のみが印刷された紙が排紙されることになる。そして、印刷データを全て処理し終えたことになるので、処理を終了する。
【0042】
一方、ステップS3009でCPU121が1ページ分の印刷データが有ると判断した場合、ステップS3010に進み、CPU121は、その印刷データを解析して印刷データ画像に変換する。CPU121は、印刷画像データを記憶部125内の記憶領域に格納する。
【0043】
次に、ステップS3011で、CPU121は、印刷データ画像にコード画像を合成することにより、印刷データ画像にコード画像を埋め込み、コード埋め込み画像を生成する。そして、CPU121は、生成したコード埋め込み画像を記憶部125内の記憶領域に格納する。そして、ステップS3012でCPU121は印刷部126に、紙のうらにコード埋め込み画像を印刷を行わせるよう制御する。
【0044】
そして、ステップS3013で、CPU121は、印刷部126に、紙の排紙を行わせるよう制御する。これにより、おもてにもうらにもそれぞれコード埋め込み画像が印刷された紙が排紙されることになる。そして、前述のステップS3003に進み、印刷データの続きのページに対して印刷処理を繰り返すことになる。
【0045】
以上のようにCPU121がMFP100の各構成を制御することで、文書データ151が奇数ページの印刷データだった場合に、おもてにコード埋め込み画像が印刷され、うらにコード画像のみが印刷された両面印刷紙(最終の紙)が排紙される。これにより、印刷後の両面コピーの際に複製の許可されているおもて面の複製出力が可能となる印刷物をユーザが得られるという効果がある。
【0046】
(実施例2)
実施例1では、印刷される用紙の最終の用紙のうら面に印刷データが存在しない場合に、最終の用紙のうら面にコード画像を印刷する例を示した。
【0047】
しかし、片面のみにコード画像が存在する印刷物が生成されるのは、この例だけではない。例えば、サイズの異なるページ(例えば、文書データの前半のページがA3であり、後半のページがA4)の印刷データを両面印刷するように命じたコマンドが送られてきた場合が想定される。この場合、後半のページは、前半のページと異なるサイズの紙に印刷することになる(図5参照)。このようなケースは、実施例1において説明したような最終の用紙以外における途中の紙でも発生し得るものである。
【0048】
本実施例では、最終の用紙を含む印刷に係るいずれかの用紙で片面のみに印刷データが存在する場合にも、印刷後の両面コピーの際に複製の許可されている面の複製出力が可能な印刷物を生成する例について説明する。
【0049】
なお、実施例2は実施例1の拡張であるため、以下においては実施例1との差分についてのみ説明を行う。
【0050】
図5は、本願発明の実施例2に係る画像形成システムを示す図である。図5に示すシステムにおいて、各装置の構成は実施例1と同様である。しかし、文書データ154と、印刷されるコード埋め込み文書155とは、実施例1と異なる。
【0051】
文書データ154は「か」「き」「く」の3ページからなる文書の例を示している。印刷指示により、「か」のページはA3サイズ、「き」と「く」のページはA4サイズと、異なるサイズで印刷するように指示されているものとする。このように同一の文書データにおいて、異なるサイズの用紙に対して両面印刷指示がされると、本実施例のMFP100でのコード埋め込みの印刷処理の結果、コード埋め込み文書155が印刷される。コード埋め込み文書155は、1枚目のA3サイズの紙のおもてに「か」が、うらにコード画像のみが印刷されることになる。そして、2枚目のA4サイズの紙のおもてに「き」が、うらに「く」が印刷されることになる。これは、「か」と「き」とが異なるサイズなので上記で説明した仕様により、「き」が「か」のうら面ではなく、次のページのおもて面にずれて印刷されるためである。
【0052】
次に、実施例2における動作の流れについて図6を用いて説明を行う。図6は、図2に示す印刷処理におけるS2006の両面印刷処理に係る処理を示す。なお、図6では、図3に示すステップにおける処理と同一の処理については、同一の符号が付されている。
【0053】
なお、記憶部125には図6のフローチャートに示されるプログラムが記憶されている。そして、この図6に示すフローチャートにおける各ステップの動作の流れはMFP100内のCPU121が記憶部125内部のプログラムを実行し、MFP100の各構成を制御することにより実現される。
【0054】
ステップS3006でコード埋め込み画像を生成すると、ステップS6001でCPU121はそのコード埋め込み画像をおもてに印刷するかどうかを判断する。ここで、おもてに印刷すると判断した場合は、ステップS3007に進む。一方、おもてに印刷しない、すなわちうらに印刷すると判断した場合は、ステップS6002に進む。そしてステップS6002でCPU121は印刷部126に、紙のおもてにコード画像のみを印刷を行わせるよう制御する。そして、ステップS6003でCPU121は印刷部126に、紙のうらにコード埋め込み画像(ステップS3006で生成)の印刷を行わせるよう制御する。
【0055】
そして、ステップS6004でCPU121は印刷部126に、紙の排紙を行わせるよう制御する。これにより、おもてにコード画像のみが印刷され、うらにコード埋め込み画像が印刷された紙が排紙されることになる。上記のように、うら面だけに印刷データが存在し、おもて面には印刷データが存在しない場合でも、印刷後の両面コピーの際に複製の許可されているうら面の複製出力が可能となる印刷物をユーザが得られるという効果がある。
【0056】
また、ステップS3007でおもてにコード埋め込み画像を印刷した後ステップS3011でコード埋め込み画像を生成すると、ステップS6005でCPU121はそのコード埋め込み画像をうらに印刷するかどうかを判断する。
【0057】
この処理の具体例を、図5を用いて説明する。ステップS3007で紙のおもてに図5の「か」を印刷後、ステップS3011で「き」のコード埋め込み画像を生成して、ステップS6005に至っている。ステップS6005でCPU121は、ステップS3011で生成した「き」のコード埋め込み画像を、ステップS3007の「か」のうらページに印刷するかどうかを判断することになる。ここで、「か」はA3サイズ、「き」はA4サイズのページであり、すなわち、サイズの異なるページの印刷データを両面印刷するように命じたコマンドが送られている。この場合は、後ろのページである「き」は、前のページの「か」と異なる紙に印刷するようにCPU121は制御する。すなわち、CPU121は、「き」のコード埋め込み画像を(「か」の)うらに印刷しない、と判断する。
【0058】
ステップ6005でCPU121がうらに印刷すると判断した場合は、ステップS3012に進む。一方、うらに印刷しない、すなわちおもてに印刷すると判断した場合は、ステップS6006に進む。そしてステップS6006でCPU121は印刷部126に、紙のうらにコード画像のみを印刷を行わせるよう制御する。そして、ステップS6007でCPU121は印刷部126に、紙の排紙を行わせるよう制御する。これにより、おもてにコード画像のみが印刷され、うらにコード埋め込み画像が印刷された紙が排紙されることになる。そして、ステップS6008でCPU121は印刷部126に、紙のおもてにコード埋め込み画像(ステップS3011で生成)の印刷を行わせるよう制御する。そして、ステップS3008に進み、処理を続ける。
【0059】
上記のように、おもて面だけに印刷データが存在してうら面には印刷データが存在しない場合でも、印刷後の両面コピーの際に複製の許可されているおもて面の複製出力が可能となる印刷物をユーザが得られるという効果がある。
【0060】
なお、本実施例2で、おもて面のみに印刷データが存在する例として「サイズの異なるページ」の例を示したが、うら面のみに印刷データが存在する例もあるので、ここで補足しておく。
【0061】
PDLコマンドには、印刷データを、おもてかうらのいずれの面に印刷するかをページ毎に指定するコマンドがある。例えば、うら面指定のPDLコマンドが含まれた印刷データの場合、その印刷データをうら面に印刷して、おもて面には印刷データが存在しないことになる。
【0062】
例えば、ステップS3005の印刷データに「うら面指定のPDLコマンド」が含まれていた場合、ステップS6001においてCPU121はうら面に印刷する(おもて面に印刷しない)と判断する。それにより、ステップS6002〜ステップS6003で、おもて面にコード画像のみが印刷され、うら面にコード埋め込み画像が印刷された紙がステップS6004で排紙される。このように、うら面だけに印刷データが存在しておもて面には印刷データが存在しない場合も、印刷後の両面コピーの際に複製の許可されているうら面の複製出力が可能となる印刷物をユーザが得られるという効果がある。
【0063】
(実施例3)
実施例1および実施例2では、コードを埋め込む設定になっている場合に、印刷データの存在しない紙の面に対してコード画像のみを常に印刷する例を示した。
【0064】
ここで、コード埋め込み設定が「複製禁止」の場合、複製禁止情報を含むコード画像を埋め込む。その場合、そもそも複製禁止のコードが印刷されている面はいずれにしろコピーできないので、他方の面にコードが無くても特に実害は無い。逆にいうと、わざわざ他方の面にコード画像のみを印刷する必要性も無い。従って、複製許可のコード情報を含むコード画像を片面に埋め込む場合のみ、逆の面にコード画像を印刷すれば十分である。
【0065】
そこで本実施例では、複製許可のコードを埋め込む設定の場合にのみ、印刷データの存在しない面にコード画像のみを印刷する例について説明する。
【0066】
なお、実施例3は実施例2の拡張であるため、以下においては実施例2との差分についてのみ説明を行う。
【0067】
実施例3における動作の流れについて図7を用いて説明を行う。図7は、図2に示す印刷処理におけるS2006の両面印刷処理に係る処理を示す。なお、図7では、図6に示す各ステップにおける処理と同一の処理については、同一の符号が付されている。
【0068】
なお、記憶部125には図7のフローチャートに示されるプログラムが記憶されている。そして、この図7に示すフローチャートにおける各ステップの動作の流れはMFP100内のCPU121が記憶部125内部のプログラムを実行し、MFP100の各構成を制御することにより実現される。
【0069】
ステップS6001でCPU121がコード埋め込み画像をおもてに印刷しない、すなわちうらに印刷すると判断した場合、ステップS7001に進む。ステップS7001でCPU121は、コード画像が複製許可のコードかどうかを判断する。ここで、複製許可のコードだと判断した場合はステップS6002で紙のおもてにコード画像のみを印刷して、ステップS6003に進む。一方、複製許可のコードでないと判断した場合は、コード画像のみの印刷は行わずに(印刷の中止)、ステップS6003に進む。
【0070】
上記のように、埋め込むコードが複製許可の場合にのみ印刷データが存在しない面にコード画像のみを印刷する処理を行う。
【0071】
また、同様に、ステップS6005でCPU121がコード埋め込み画像をうらに印刷しない、すなわちおもてに印刷すると判断した場合、ステップS7002に進む。ステップS7002でCPU121は、コード画像が複製許可のコードかどうかを判断する。ここで、複製許可のコードだと判断した場合はステップS6006で紙のうらにコード画像のみを印刷して、ステップS6003に進む。一方、複製許可のコードでないと判断した場合は、コード画像のみの印刷は行わずに、ステップS6003に進む。
【0072】
上記のように、埋め込むコードが複製許可の場合にのみ印刷データが存在しない面にコード画像のみを印刷する処理を行う。
【0073】
さらに同様に、ステップS3009でCPU121が次の1ページのデータが無いと判断した場合、ステップS7003に進む。ステップS7003でCPU121は、コード画像が複製許可のコードかどうかを判断する。ここで、複製許可のコードだと判断した場合はステップS3014で紙のうらにコード画像のみを印刷して、ステップS3015に進む。一方、複製許可のコード情報ではないと判断した場合は、コード画像のみの印刷は行わずに、ステップS3015に進む。
【0074】
いずれも、印刷データが存在しない面にコード画像のみを印刷する処理を行う際に、埋め込むコード画像に含まれるコード情報が複製許可の場合にのみ行うため、印刷処理の効率が向上する。
【0075】
(その他の実施例)
上記実施例においてコードの例として二次元コードであるQRコードを使用したが、QRコードに限らず、STコード、バーコード、マークなど情報を付加できるものであればなにを使用してもかまわない。
【0076】
上記実施例において、画像形成装置としてMFPの例を示したが、これに限らない。プリンタなど、画像形成が可能な装置であればなにを使用してもかまわない。
【0077】
上記実施例において、文書データをユーザPCから受信する例について説明したが、例えば、MFPの読取部により紙などの情報を読み取った情報を文書データとしてもよい。
【0078】
上記実施例における記憶媒体である記憶部125は、デジタル情報を格納できる媒体(例えば、HDDやRAM)であれば何でもよい。
【0079】
上記実施例において、コード埋め込み設定を画像形成装置で設定して保持する例を示したが、これに限らない。例えば、ユーザPC側で設定し、印刷設定の情報として印刷データに付加して画像形成装置に送信するようにしてもかまわない。
【0080】
また、本願発明の目的は、上記実施例で示したフローチャートの手順を実現するプログラムを記憶した記憶媒体から、コンピュータが、そのプログラムを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになる。そのため、このプログラムやプログラムを記憶した記憶媒体も本願発明を構成することができる。
【符号の説明】
【0081】
100 MFP
101 ユーザPC
102 ネットワーク
121 CPU
122 表示部
123 通信部
124 受付部
125 記憶部
126 印刷部
127 読取部
151、154 文書データ
152、155 コード埋め込み文書
153 QRコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の両面に印刷することが可能な画像形成装置であって、
印刷データを、用紙の片面用の印刷データ画像に変換する変換手段と、
取得したコード情報をコード画像に変換する変換手段と、
前記コード画像を前記印刷データ画像に合成したコード埋め込み画像を生成する生成手段と、
用紙に対し、前記コード埋め込み画像を片面にのみ印刷するのか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により片面にのみ印刷すると判断された場合に、片面に前記コード埋め込み画像を印刷し、もう一方の片面に前記コード画像を印刷する印刷手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コード情報は、複製許可情報又は複製禁止情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷手段は、前記コード情報に前記複製禁止情報が含まれる場合、前記もう一方の片面に対する前記コード画像の印刷を中止することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コード画像は、QRコードを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
情報処理装置と、画像形成装置とが接続されている画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、
印刷データを、用紙の片面用の印刷データ画像に変換する変換手段
を備え、
前記画像形成装置は、
取得したコード情報をコード画像に変換する変換手段と、
前記コード画像を前記印刷データ画像に合成したコード埋め込み画像を生成する生成手段と、
用紙に対し、前記コード埋め込み画像を片面にのみ印刷するのか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により片面にのみ印刷すると判断された場合に、片面に前記コード埋め込み画像を印刷し、もう一方の片面に前記コード画像を印刷する印刷手段と
を備える
ことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−191254(P2012−191254A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50544(P2011−50544)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】