説明

画像形成装置および画像形成装置における課金管理方法

【課題】処理するジョブの内容に応じた課金管理が実現できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、指定されたジョブを解析して処理を構成する各工程、コピー部数などの処理量を特定し(S201)、ジョブの発行元であるユーザに関連付けられている課金マップから、処理工程ごとに設定された単価を取得する(S203)。セットされた原稿がスキャンされることで原稿枚数が特定され(S204)、原稿枚数、コピー枚数、および取得された単価から、料金が計算される(S205)。計算された料金は提示される(S209)。その段階でジョブの実行が指示されると、コピー処理が実行される(S213)。そして、コピー処理後に、実際にコピーした部数と上述の単価とから料金が計算される(S215)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置および画像形成装置における課金管理方法に関し、特に、画像形成の各処理についての課金管理を行なうことのできる画像形成装置および画像形成装置における課金管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタやそれらの複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置は、店舗等に設置されて用いられることがある。その画像形成装置では、コピー等の使用についての料金が算出され、徴収されることが多い。
【0003】
また、画像形成装置が、オフィスに設置されて用いられることがある。画像形成装置を使用する会社が、たとえば営業部や総務部などといった部門に分かれ、部門ごとに画像形成装置が割り当てられてその使用量が部門ごとに管理されている場合も、コピー等の使用についての料金が算出され、カウントされることが多い。
【0004】
従来は、このような画像形成装置には多くの機能が搭載されておらず、専ら、単一種類の処理についての課金がなされていた。たとえば、コピー機である画像形成装置では、カラーの有無や、用紙サイズ等に応じてコピー料金が算出されていた。より具体的には、特開2005−284823号公報(特許文献1)は、画像形成装置の例としての印刷装置の課金管理を行なう印刷管理装置を開示している。特許文献1に開示されている印刷管理装置では、印刷データの印刷領域の面積に応じた料金が算出されている。
【0005】
たとえば、特開平11−355483号公報(特許文献2)や特開2000−341494号公報(特許文献3)は、画像形成装置の例として課金装置付きのファクシミリ装置を開示している。特許文献2や特許文献3に開示されているファクシミリ装置である画像形成装置では、ファクシミリ送信するよりも前に原稿1ページごとに課金装置から残金情報を取得し、その情報を利用してファクシミリ送信について課金管理がされている。
【特許文献1】特開2005−284823号公報
【特許文献2】特開平11−355483号公報
【特許文献3】特開2000−341494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
昨今、画像形成装置であるMFPが高機能化してきている。たとえば、原稿をスキャンして得られた画像データをプリントする機能に加えて、上記画像データを接続されている他の装置に直接送信する機能や、サーバ等の他の装置に記憶されている画像データを読み出して、指定されたさらに他の装置に直接送信する機能、などが搭載されいることもある。また、各処理においても、用紙のサイズや厚み等の用紙種類モード、カラープリントやモノクロプリント等のカラーモード、片面プリント、両面プリント等のプリント面モード、用紙1枚あたりに配置する原稿のページ数を表わすNin1モード、ステープルや折り加工等の後処理モード、およびジョブを指定する操作がなされた装置を示す指示元モード、さらにそれらの組み合わせ、など、多種類のモードを設定することが可能になってきている。
【0007】
そのため、従来のように、単一種類の処理についての課金や、単一モードについての課金のみでは、当該画像形成装置の用いられ方に対して、適切な課金が行なわれないという場合があり得る。たとえば上述の例では、画像形成装置でプリント処理についての課金のみが行なわれるとすると、原稿をスキャンして得られた画像データを他の装置に直接送信する処理や、サーバ等の他の装置に記憶されている画像データを読み出して、指定されたさらに他の装置に直接送信する処理などがなされた場合に、それらの処理に対して課金がなされない、という問題が発生する。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、処理するジョブの内容に応じた課金管理が実現できる画像形成装置および画像形成装置における課金管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置は、ジョブを受付ける受付手段と、ジョブを解析し、ジョブの処理を構成する複数の処理工程を特定する解析手段と、ジョブを実行する実行手段と、ジョブの処理工程ごとに設定されている単価を取得する取得手段と、上記単価を用いてジョブの処理工程ごとに料金計算することで、ジョブの処理の料金を計算する計算手段とを備える。
【0010】
好ましくは、計算手段は、解析手段で特定された複数の処理工程のうち、実行手段において実行された処理工程ごとに料金計算して、ジョブの処理の料金を計算する第1の計算手段を含む。
【0011】
好ましくは、解析手段は、ジョブを解析してジョブの各処理の処理量を特定し、計算手段は、解析手段で特定された複数の処理工程の1工程ごとに、解析手段で解析された量の処理を行なう場合のジョブの処理の料金を、実行手段においてジョブを実行するよりも以前に計算する、第2の計算手段を含み、画像形成装置は、第2の計算手段で計算された料金を提示する提示手段をさらに備える。
【0012】
好ましくは、提示手段は、ジョブの実行を指示する指示手段をさらに提示し、実行手段は、指示手段において指示された場合にジョブを実行する。
【0013】
好ましくは、画像形成装置は、原稿を読取って画像データを取得する読取手段をさらに備え、解析手段は、画像データに基づいて生成されたジョブを解析することで、ジョブの各処理の処理量を特定する。
【0014】
好ましくは、上記単価は、ジョブの発行者に関連付けて設定され、画像形成装置は、ジョブの発行者の認証情報を入力する入力手段と、認証情報を用いた認証結果を取得する認証手段とをさらに備え、取得手段は、認証結果が認証成功である場合に、ジョブの発行者に関連付けて設定されている単価を取得する。
【0015】
本発明の他の局面に従うと、画像形成装置における課金管理方法は、画像形成装置がジョブを受付ける受付ステップと、ジョブを解析し、ジョブの処理を構成する複数の処理工程を特定する解析ステップと、ジョブの処理工程ごとに設定されている単価を取得する取得ステップと、ジョブを実行する実行ステップと、上記単価を用いてジョブの処理工程ごとに料金計算することで、ジョブの処理の料金を計算する計算ステップとを備える。
【0016】
好ましくは、計算ステップは、解析ステップで特定された複数の処理工程のうち、実行ステップにおいて実行された処理工程ごとに料金計算して、ジョブの処理の料金を計算する第1の計算ステップを含む。
【0017】
好ましくは、解析ステップは、ジョブを解析してジョブの各処理の処理量を特定し、計算ステップは、解析ステップで特定された複数の処理工程の1工程ごとに、解析ステップで解析された量の処理を行なう場合のジョブの処理の料金を、実行ステップにおいてジョブを実行するよりも以前に計算する、第2の計算ステップを含み、画像形成装置における課金管理方法は、第2の計算ステップで計算された料金を提示する提示ステップをさらに備える。
【0018】
好ましくは、提示ステップは、画像形成装置においてジョブの実行を指示するための指示手段をさらに提示し、実行ステップは、指示手段において指示された場合に、ジョブを実行する。
【0019】
好ましくは、画像形成装置における課金管理方法は、原稿を読取って画像データを取得するステップをさらに備え、解析ステップは、画像データに基づいて生成されたジョブを解析することで、ジョブの各処理の処理量を特定する。
【0020】
好ましくは、上記単価は、ジョブの発行者に関連付けて設定され、画像形成装置における課金管理方法は、ジョブの発行者の認証情報を入力するステップと、認証情報を用いた認証結果を取得するステップとをさらに備え、取得ステップは、認証結果が認証成功である場合に、ジョブの発行者に関連付けて設定されている単価を取得する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、画像形成装置において、処理されるジョブの処理内容に応じた、柔軟な課金管理を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態にかかるシステム構成の具体例を示す図である。本実施の形態にかかるシステム構成は、たとえばオフィス環境などにおけるシステム構成を想定したものである。図1を参照して、本実施の形態にかかるシステムは、少なくとも、画像形成装置の具体例としてのMFP(Multi Function Peripheral)100と、管理装置としてのサーバ300とを含む。それらは、有線、または無線の通信回線で接続され、相互に通信を行なう。また、図1には示されていないものの、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置が含まれてもよい。
【0024】
本発明にかかる画像形成装置はMFPに限定されず、ジョブを処理するための機能を少なくとも2種類以上備えている装置であれば、他の装置であってもよい。本実施の形態にかかるMFP100は、ジョブを処理するための機能として、スキャン機能、プリント機能、ファクシミリ送信機能、およびステープルや折り処理等の後処理機能を備えるものとする。
【0025】
サーバ300は、一般的なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構築される。少なくともHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置と、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成される制御装置とを備える。さらに、制御装置は、記憶装置に記憶されている情報とMFP100から送信される情報とを用いて認証処理を行なう機能を備える。サーバ300で実行される認証処理は、一般的に行なわれている認証処理でよい。具体的には、記憶装置に記憶されている情報とMFP100から送信される情報とが一致している場合には認証成功、一致していない場合には認証失敗、を認証結果としてMFP100に返す処理であればよい。また、制御装置は、MFP100から送信される情報を用いて、記憶装置に記憶されている情報を抽出する機能を備える。
【0026】
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、装置全体を制御するCPU10と、原稿を読取って電子データである画像データを得るイメージリーダ部30と、用紙上に画像を印刷するプリンタ部35と、MFP100を上述の通信回線に接続したり、近距離の無線通信を行なったりするためのインタフェース(以下、I/F)15と、HD(Hard Disk)などから構成されて、文書データや当該MFP100に関する情報やCPU10で実行されるプログラムなどを記憶するための記憶部20と、各種情報を表示する手段であると共に指示入力手段でもあるパネル25と、消耗品の残量などを検出するセンサ部40とを含んで構成される。
【0027】
図3は、MFP100の制御構成の具体例を示すブロック図である。図3に示されるMFP100の制御構成は、CPU10が記憶部20に記憶されるプログラムを読み出して実行することで、主にCPU10に形成される制御機能であるが、一部に図2に示されるハードウェア構成が含まれていてもよい。
【0028】
図3を参照して、MFP100の制御構成は、スキャン処理を制御するスキャン制御部101、プリント処理を制御するプリント制御部103、ファクシミリ送信処理を制御するファクシミリ制御部105、後処理を制御する後処理制御部106、パネル25からの入力を受付ける指示入力部107、ジョブを取得するジョブ取得部109、取得したジョブを解析するジョブ解析部111、サーバ300に対して指示入力部107から入力された認証情報を送信して認証結果を取得する認証部113、サーバ300から後述する課金マップを取得する課金マップ取得部115、取得した課金マップから後述する単価を示す情報を取得する単価取得部117、第1算出部119、パネル25へ表示させるための表示信号を生成して表示を行なわせる表示制御部121、第2算出部123、サーバ300から後述するカウンタ情報を取得するカウンタ取得部127、および取得したカウンタ情報を管理するカウンタ管理部125を含んで構成される。
【0029】
指示入力部107はパネル25からの入力を受付ける。また、MFP100がパーソナルコンピュータ等の他の装置と有線または無線で接続されて通信が可能である場合には、指示入力部107は、I/F15を介して他の装置からの入力を受付けてもよい。入力された情報が、ジョブ発行者としてのユーザを認証するための、ユーザ情報(たとえばユーザ名)やパスワード等の認証情報である場合、指示入力部107は認証情報を認証部113に入力する。
【0030】
認証部113は、入力された認証情報をI/F15を介してサーバ300に送信すると共に、認証処理を要求する。サーバ300がWEB上のサービスを利用してMFP100の管理を行なうデバイスである場合には、認証情報はXML(Extensible Markup Language)で表現されるデータ形式でサーバ300に送信されてもよい。認証部113は、サーバ300からI/F15を介して認証結果を受け取る。認証成功である場合、認証部113は、ユーザ情報を課金マップ取得部115およびカウンタ取得部127に入力する。
【0031】
指示入力部107で受付けた情報がジョブの実行を指示する情報である場合、入力された情報をジョブ取得部109に入力する。また、その情報に応じて、スキャン制御部101、プリント制御部103、ファクシミリ制御部105、または後処理制御部106に対して制御信号を出力する。
【0032】
ジョブ取得部109は入力された情報からジョブを特定する情報を取得し、ジョブ解析部111に入力する。ここで、ジョブとは、処理の対象となる画像データと、具体的な処理内容と、処理量とを含んだ情報を示す。ジョブ解析部111は入力された情報を解析し、ジョブに含まれる、上述の、処理の対象となる画像データと、具体的な処理内容と、処理量とを特定する。また、指定された画像データが記憶部20の所定領域に記憶されている場合には、その記憶部20にアクセスして指定された画像データを取得する。ジョブ解析部111は、特定された処理内容および処理量に応じてスキャン制御部101、プリント制御部103、ファクシミリ制御部105、または後処理制御部106に対して制御信号を出力する。その際、後述する、カウンタ管理部125から入力される情報を参照する。さらに、処理内容を示す情報を単価取得部117および第1算出部119に入力する。また、処理量を示す情報を第1算出部119に入力する。
【0033】
スキャン制御部101、プリント制御部103、ファクシミリ制御部105、または後処理制御部106は上記制御信号に従って対応する機能での処理を制御し、処理結果を第2算出部123に入力する。
【0034】
サーバ300には、図4に示されるように、ユーザごとに、認証情報、カウンタ情報、および課金マップが記憶されている。
【0035】
課金マップとは、図4に具体例が示されるように、ユーザごとに設定された、画像データに対する処理の内容に相当する、処理のモードの項目ごとの料金の単価(1枚あたりの金額)を設定した情報を指す。具体的に、処理に用いられる機能として、コピー/プリント機能、スキャン機能、などがあるものとする。各機能にはいくつかのモードが含まれる。たとえば、コピー/プリント機能のモードとしては、用紙のサイズや厚み等の用紙種類モード、カラープリントやモノクロプリント等のカラーモード、片面プリント、両面プリント等のプリント面モード、用紙1枚あたりに配置する原稿のページ数を表わすNin1モード、ステープルや折り加工等の後処理モード、およびジョブを指定する操作がなされた装置(以下、指示元と称する)を示す指示元モード、などが挙げられる。さらに、各モードにはいくつかの項目が含まれる。1つの項目は、ジョブを処理する際に当該処理に含まれるステップ(処理工程)の1つに相当する。たとえば、用紙種類モードには、用紙のサイズや厚み等に応じて用紙を特定する、第1の項目として用紙A、第2の項目として用紙B、および第3の項目として用紙C、が含まれている。カラーモードには、第1の項目としてフルカラーで片面印刷、第2の項目としてフルカラーで両面印刷、第3の項目としてモノクロで片面印刷、第4の項目としてモノクロで両面印刷、第5の項目として単色で片面印刷、第6の項目として単色で両面印刷、第7の項目として白紙への片面印刷、および第8の項目として白紙への両面印刷、が含まれている。また、指示元モードには、指示元のアドレスを特定する、第1の項目としてアドレス1、第2の項目としてアドレス2、および第3の項目としてアドレス3、が含まれている。また、後処理モードには、後処理を特定する、第1の項目として1点のステープル処理、第2の項目として多点のステープル処理、第3の項目としてブックレット形式での折り処理、および第4の項目として他の形式での折り処理、が含まれている。そして、課金マップでは、上記各項目について、料金の単価が設定されている。
【0036】
カウンタ情報とは、ユーザごとに設定された処理の上限値を指す。具体的には、所定期間内に当該ユーザに許可された料金の上限値までの現時点での料金の残高(以下、残カウンタと称する)が挙げられる。当該ユーザに許可された処理の種類、たとえばカラープリントの可否や、ファクシミリ送信先の範囲、などが含まれてもよい。
【0037】
なお、上述の指示元モードについて説明を加える。MFP100は記憶部20の所定領域にアドレスマップを記憶しておくことができる。アドレスは512文字からなる情報で、デバイスを識別する情報である。アドレスマップは、デバイスに対応するアドレスに対して割り当てられた識別情報であるIDの情報である。MFP100では、ジョブが指定されると、指定された装置を示すIDをジョブを指定する情報と共に取得する。ジョブ解析部111はジョブを解析して上記IDを特定し、さらに上記アドレスマップを参照して特定されたIDが対応するデバイスを特定する。アドレスマップで記憶されているデバイスが指示元のジョブの処理モードを、指示元モードと称する。
【0038】
なお、図4は、課金マップで、単価として、1枚あたりの料金が設定されている例を示している。しかしながら、単価の他の例として、単位ファイルサイズあたりの料金が設定されていてもよい。また、単位処理時間あたりの料金が設定されていてもよい。また、これらが組み合わせた料金が設定されていてもよい。
【0039】
課金マップ取得部115は、認証部113から入力されたユーザ情報を検索キーとしてI/F15を介してサーバ300に送信すると共に、課金マップの送信を要求し、課金マップを取得する。取得された課金マップは単価取得部117に入力される。単価取得部117は、ジョブ解析部111から入力された処理内容に従って、ジョブで指定されたモードごとに、設定されている単価を課金マップから取得し、第1算出部119および第2算出部123に入力する。
【0040】
カウンタ取得部127は、認証部113から入力されたユーザ情報を検索キーとしてI/F15を介してサーバ300に送信すると共に、カウンタ情報の送信を要求し、カウンタ情報を取得する。取得されたカウンタ情報はカウンタ情報管理部125に入力される。
【0041】
第1算出部119は、ジョブ解析部111から入力される処理の内容、処理量、および単価取得部117から入力される単価を用いて課金計算を行ない、表示制御部121およびカウンタ管理部125に入力する。
【0042】
第2算出部119は、スキャン制御部101、プリント制御部103、ファクシミリ制御部105、または後処理制御部106から入力されたジョブの処理結果と、単価取得部117から入力された単価とを用いて課金計算を行ない、カウンタ管理部125に入力する。
【0043】
カウンタ管理部125は、第1算出部119から入力された計算結果とカウンタ情報に示される残カウンタとを比較し、指示されたジョブの処理が残カウンタ内で可能であるか否かを示す情報をジョブ解析部111に入力する。また、カウンタ管理部125は、第2算出部119から入力された計算結果とカウンタ情報に示される残カウンタとを用いて、新たな残カウンタを算出し、I/F15を介してサーバ300に送信する。
【0044】
図5は、MFP100での処理の流れの具体例を表わすフローチャートである。図5のフローチャートに示される処理は、MFP100のCPU10がパネル25等からの、ログインを開始する指示信号の入力を受付けると開始される。MFP100のCPU10が、上記指示信号に応じて記憶部20に記憶されるプログラムを読出して実行し、図3に示される各制御部が制御を行なうことで、図5のフローチャートに示される処理は実現される。
【0045】
図5を参照して、CPU10はステップS101でログイン処理を行なった後、ステップS103でパネル25等からの指示信号の入力に従ってジョブを受付ける。ジョブ解析部111は受付けたジョブを解析し、ジョブに対する処理の種類を特定する。ジョブに対する処理の種類がコピー処理である場合(ステップS105でYES)、MFP100ではステップS107でコピージョブ処理が実行される。ジョブに対する処理の種類がスキャン処理である場合(ステップS109でYES)、MFP100ではステップS111でスキャンジョブ処理が実行される。ジョブに対する処理の種類がファクシミリ送信処理である場合(ステップS113でYES)、MFP100ではステップS115でファクシミリジョブ処理が実行される。ジョブに対する処理の種類がプリント処理である場合(ステップS117でYES)、MFP100ではステップS119でプリントジョブ処理が実行される。なお、ジョブに対する処理の種類が上記いずれの処理でもない場合には(ステップS105、S109、S113、S117のいずれでもNO)、MFP100ではステップS121で、特定された上記以外のジョブの処理が実行される。
【0046】
図6は、MFP100とサーバ300との双方における処理、およびこれらの間での情報のやり取りの流れを説明する図である。
【0047】
図6を参照して、MFP100は、パネル25等でユーザからログインのための操作を受付けると(ステップS1)、入力されたユーザ情報およびパスワード等の認証情報をサーバ300に対して送信し、認証処理を要求する(S3)。
【0048】
サーバ300は、ステップS3の要求に応じて、図示しない認証部において、ステップS3で送信された認証情報を用いて認証処理を実行する(ステップS5)。そして、認証成功または認証失敗などである認証結果を示す情報をMFP100に対して送信する(ステップS7)。
【0049】
MFP100は、ステップS7で送信された認証結果が成功である場合、ステップS1で入力されたユーザ情報をサーバ300に対して送信し、課金マップの送信を要求する(ステップS9)。
【0050】
サーバ300は、ステップS9の要求に応じて、図示しない記憶装置から、送信されたユーザ情報に関連付けられている課金マップを抽出して、MFP100に対して送信する(ステップS11)。
【0051】
MFP100は、ステップS1で入力されたユーザ情報をサーバ300に対して送信し、カウンタ情報の送信を要求する(ステップS13)。
【0052】
サーバ300は、ステップS13の要求に応じて、図示しない記憶装置から、送信されたユーザ情報に関連付けられているカウンタ情報を抽出して、MFP100に対して送信する(ステップS15)。
【0053】
以上のステップS1〜S15におけるMFP100での処理が、上記ステップS101でのログイン処理に相当する。なお、上記ステップS9の課金マップの要求、および上記ステップS13のカウンタ情報の要求は、その処理順は図6に示される順には限定されない。また、ステップS3で認証を要求する際に、同時に、認証成功に場合に課金マップおよびカウンタ情報を送信することを要求するようにしてもよい。
【0054】
MFP100は、パネル25等でユーザからジョブを指示する操作を受付けると(ステップS17)、上記ステップS11で受信した課金マップを用いてジョブの処理に先立って課金計算を行なう(ステップS19)。以降、ジョブの処理に先立って実行される課金計算を前課金計算と言うものとする。その後、ジョブ処理が実行されて(ステップS21)、そのジョブ処理の結果に基づいて課金計算が行なわれる(ステップS23)。以降、ジョブの処理後に処理結果に基づいて行なわれる課金計算を後課金計算と言うものとする。MFP100は、ステップS23の後課金計算の結果を考慮したカウンタ情報を、サーバ300に対して送信する(ステップS25)。
【0055】
以上の、MFP100でのステップS19〜25の処理が、上記ステップS107、S111、S115、またはS119のジョブ処理に相当する。
【0056】
図7は、上記ステップS107、S111、S115、またはS119でのジョブ処理を説明するものとして、これらのうちのS107のコピージョブ処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【0057】
図7を参照して、ジョブ解析部111はステップS201で受付けたジョブを解析し、ジョブで設定されているモードの項目および処理の量を特定する。ここで特定される処理の量は、ジョブで設定されている量、つまりジョブを指示する操作から特定される量であって、たとえば、コピー部数などが該当する。また、ステップS203で、単価取得部117は、上記ステップS101のログイン処理でステップS9、S11のようにしてサーバ300から取得された課金マップから、ステップS201で特定された項目ごとの、設定されている単価を取得する。
【0058】
続いて、ステップS204でスキャン制御部101は、ジョブ解析部111からの制御信号に従って、図示しない原稿台にセットされた原稿をイメージリーダ部30でスキャンして画像データを得る、スキャン処理を実行させる。ステップS204でスキャンされて得られた画像データは、記憶部20の所定領域に一時的に記憶される。ジョブ解析部111は、ステップS204でのスキャン結果に基づいて、さらに処理の量を特定する。ここで特定される処理の量は、ジョブで指定された画像データに対して処理を行なうことで得られる処理の量であって、たとえば、原稿枚数や、データ量や、画像領域の面積や、それらから算出されるトナー量、などが該当する。なお、当該コピージョブ処理が、原稿をスキャンしてコピーするジョブではなく、記憶部20等に記憶されている画像データをコピーするジョブである場合には、ステップS204で、ジョブ解析部111は、記憶部20等に記憶されている、処理対象の画像データを取得して走査することで処理の量を特定する。
【0059】
そして、ステップS205で、第1算出部119は、ステップS201で特定されたモードの項目、処理の量、ステップS203で取得された項目ごとの単価、およびステップS204で特定された処理の量を用いて、指示された処理をすべて実行した場合の料金を計算する(ステップS205)。
【0060】
カウンタ管理部125は、ステップS205で算出された料金と、上記ステップS101のログイン処理でステップS13、S15のようにしてサーバ300から取得されたカウンタ情報とを比較して、残カウンタ内で指示されたすべての処理が可能であるか否かを判断する。そして、残カウンタ内で指示されたすべての処理が可能である場合(ステップS207でYES)、ステップS209で表示制御部121によって、ステップS205で計算された料金がパネル25等に表示される。ステップS209では、当該ジョブの指示元が他の装置である場合には、当該他の装置に対してステップS205で計算された料金を示す情報が送信されてもよい。
【0061】
上記ステップS209で表示制御部121は、好ましくは、ステップS205で算出された料金を提示すると共に、当該ジョブの処理を続行するか、中止するかの指示を行なうための指示手段を提示する。たとえばパネル25に料金を提示する場合には、提示手段は、処理の続行を指示するためのボタン、および中止を指示するためのボタン、などが該当する。なお、指示手段として、さらに、処理の内容の変更を指示するためのボタンが含まれていてもよい。この指示を受付けた場合には、処理が上記ステップS201から再度実行されるものとする。
【0062】
ステップS205でジョブの処理に先立って課金計算がなされステップS207で残カウンタと比較されることで、処理中に残カウンタが不足してジョブを中断せざるを得ない事態を防ぐことができる。なお、この例では、上記ステップS207で事前に残カウンタと比較して残カウンタ内で処理可能である場合にステップS209でステップS205で計算された料金を提示するようにしている。しかしながら、残カウンタ内でない場合であっても料金を提示するようにしてもよい。さらに、その場合に、上述のように、処理の続行を指示するためのボタンや、中止を指示するためのボタンや、処理の内容の変更を指示するためのボタンなどの、指示手段も提示するようにしてもよい。ステップS209で計算結果が提示されることで、ユーザは、処理を実行するよりも以前に当該処理の料金を確認することができ、全く予期せずに処理中に残カウンタが不足してジョブが中断してしまうという事態を防ぐことができる。
【0063】
処理を続行する場合(ステップS211でYES)、プリント制御部103はジョブ解析部111からの制御信号に従って、ステップS213で、ステップS204でスキャンして得られた画像データ、または記憶部20の所定領域などから取得された画像データをプリンタ部35で1部プリントする処理を実行させる。
【0064】
ステップS215で第2算出部123は、ステップS213での処理結果、およびステップS203で取得された単価を用いて、ジョブの処理の開始からステップS213での処理までの処理についての料金を計算する。ここで、具体的に、上記ステップS203で図8に示される課金マップが取得されたものとする。図8の課金マップは図4で説明された課金マップをコンピュータで扱う場合の1つの具体例であって、具体的にプリント機能を用いた処理での課金マップの具体例を示している。図8のデータ形式の課金マップでは、第2行でプリント機能を用いた処理における課金マップであることが規定され、第6行で原稿IDが「1」とすることが規定されている。第7行〜第12行で用紙種類モードの各項目の単価が規定されており、具体的に、図4に示されたように、第1の項目の単価として用紙Aを用いる場合の単価が1円、第2の項目の単価として用紙Bを用いる場合の単価が40円、第3の項目の単価として用紙Cを用いる場合の単価が65円と規定されている。第13行〜第30行でカラーモードの各項目の単価が規定されており、具体的に、図4に示されたように、第14行〜第17行で、第1の項目の単価としてフルカラーで片面印刷する単価が105円、第2の項目の単価としてフルカラーで両面印刷する単価が157,5円と規定され、第18行〜第21行で、第3の項目の単価としてモノクロで片面印刷する単価が10,5円、第4の項目の単価としてモノクロで両面印刷する単価が15,75円と規定され、第22行〜第25行で、第5の項目の単価として単色で片面印刷する単価が21円、第6の項目の単価として単色で両面印刷する単価が26,25円と規定され、第26行〜第29行で第7の項目の単価として白紙への片面印刷する単価が5,25円、および第8の項目の単価として白紙への両面印刷する単価が8,4円と規定されている。第33行〜第47行で指示元モードの各項目の単価が規定されており、具体的に、図4に示されたように、第35行〜第38行で第1の項目の単価として指示元がアドレス1である場合の単価が100円と規定され、第39行〜第42行で第2の項目の単価として指示元がアドレス2である場合の単価が200円と規定され、第43行〜第46行で第3の項目の単価として指示元がアドレス3である場合の単価が250円と規定されている。第48行〜第60行で後処理モードの各項目の単価が規定されており、具体的に、図4に示されたように、第50行〜第53行で第1の項目の単価として1点のステープル処理の単価が1,05円、第2の項目の単価として多点のステープル処理の単価が2,1円と規定され、第54行で1つの項目の単価としてパンチ処理の単価が5円と規定され、第55行〜第58行で第3の項目の単価としてブックレット形式での折り処理の単価が50円、および第4の項目として他の形式での折り処理の単価が100円と規定されている。
【0065】
ステップS213では、上記ステップS201で特定された項目を1つの処理工程(ステップ)として、ステップS201で特定された項目に相当するいくつかの処理工程を経てジョブを実行する。その際、スキャン制御部101、プリント制御部103、ファクシミリ制御部105、または後処理制御部106は、ステップS201で特定された項目に相当する処理工程ごとに実際の処理量を測定し、第2算出部123に入力する。ステップS215で第2算出部123は、図8に示された課金マップを上から順に走査して、ステップS201で特定された項目ごとに単価を読取り、入力された実際の処理量に乗じて料金を算出する。つまり、ステップS215で第2算出部123は、1つのジョブを実行するための処理に含まれる工程(ステップ)ごとに細かく設定された単価を用いて、各工程の実際の処理量にその単価を乗じて、実際の処理にかかる費用を算出する。
【0066】
MFP100で上記ステップS215の課金計算が行なわれることで、実際の処理に即した費用が算出される。具体的には、たとえば、コピージョブにおいてステープル処理が指示されたとする。しかしながら、ステープルの仕様でたとえば20枚まで、などの枚数制限がある場合がある。この場合には、上記指示がなされた場合であっても、コピー後ステープル処理が行なわれず、後処理がなされずに印刷された用紙が出力される。このとき、上記ステップS205での課金計算では、上記指示に応じて、ステープル処理を行なった場合の費用が算出される。しかし、この費用には、実際には行なわれていないステープル処理の費用が含まれてしまう。それに対して、ステップS215の課金計算では、実際の各工程の処理に従って課金計算が行なわれるため、コピー処理までの費用が計算された後、ステープル処理が行なわれていないときには、たとえ指示にその処理が含まれていても、ステープル処理に関する費用の計算は行なわれない。そのため、指示と異なった処理が実際に行なわれた場合であっても、余計な費用が請求されることなく、実際に実行された処理に応じた費用が請求されることになる。
【0067】
カウンタ管理部125は、ステップS215で算出された料金をカウンタ情報に示される残カウンタから減じ、残カウンタが残っているか否かを判断する。残カウンタが残っており(ステップS217でYES)、かつ、ステップS201で特定された処理の量であるコピー部数分のコピーがまだ完了していない場合(ステップS218でYES)、上記ステップS213,S215の処理が繰り返される。そして、指示されたコピー部数分のコピーが完了すると(ステップS218でNO)、ステップS219でカウンタ管理部125は、その直近のステップS215で算出された料金をカウンタ情報に示される残カウンタから減じて得られるカウンタ情報を、サーバ300に対して送信する。指示されたコピー部数分のコピーが完了するよりも以前に残カウンタがなくなった場合には(ステップS217でNO)、以降のコピーは実行されずに、ステップS219でカウンタ管理部125は、その時点までのカウンタ情報を、サーバ300に対して送信する。
【0068】
上述の処理が実行されることで、MFP100では、図4に示されるようにモードの項目ごとに設定された単価を用いて柔軟な課金を実現することができる。MFP等の画像形成装置が高機能化するに伴って処理工程が多様化し、ユーザのニーズに対応して、1種類の処理で設定することのできる上記処理工程に対応した項目が多くなることが考えられる。そのような場合であっても、MFP100では、指示された処理に設定されている項目ごとの単価を取得してそれらを用いて、指示された処理を行なうための料金を計算することができる。従って、実際の処理に即した、適切な課金を実現することができる。
【0069】
上述の例では、コピー処理を開始するよりも前の段階で第1算出部119で指示された内容に基づいて料金が計算され(前課金計算)、さらに、コピー処理の後に第2算出部123で処理結果に基づいて料金が計算され(後課金計算)される、という、2段階で料金の計算が行なわれている。
【0070】
適切な課金を実現するためには、MFP100では、少なくとも、第2算出部123で処理結果に基づいて料金が計算される、つまり、少なくとも第2段階目の料金の計算が実行されるものとする。
【0071】
たとえば、ジョブが指示されていても、MFPにおいて指示通りの処理工程で処理が行なわれない場合がある。具体的には、後処理としてステープル処理が指示されていても、ステープル針がなかったり、上述のようにステープル処理が可能な厚みよりも厚かったりした場合には、ステープル処理が実行されないこととなる。MFP100では、上述の第2段階目の料金の計算が実行されることで、実際に実行された処理工程にかかる課金が実現される。つまり、処理に応じて適切な課金が実現される。
【0072】
しかしながら、項目ごとに設定された単価を用いるため、ジョブの指示を行なった段階でユーザが料金が分からない場合もあり得る。特に、MFP100が高機能化され、1種類の処理で設定することのできる項目が多くなる場合には、ユーザは、ジョブの処理前に料金を把握することが難しくなる。そのため、処理結果に基づいて処理後に課金された場合、処理が終わって初めてユーザ意図しない高い料金がかかっていたことが判明する、という事態も考えられる。
【0073】
そこで、MFP100では、コピー処理を開始するよりも前の段階で第1算出部119で指示された内容に基づいて料金が計算される、つまり上述の第1段階目の料金の計算が実行される。この処理が実行されることで、たとえばコピーを行なう場合には、原稿をスキャンした時点、またはコピー対象である画像データを記憶装置から読み出して走査した時点で、指示されたモードと、課金マップで各モードに設定されている単価とに基づいて料金が計算され(前課金計算)、提示される。そのため、ユーザは、処理を実行する前に目安として料金の概算を知ることができ、上述のような問題を解消することができる。
【0074】
さらに、上述のように、処理が開始するよりも前に上述の料金の目安が提示されると共に、処理の中止を指示する手段や、処理の内容の変更を指示するための手段が提示されることで、ユーザの利便性を向上させることができる。たとえば提示された料金が意図した料金よりも高い料金であった場合には単価の安い処理に変更したり、処理を中止したりすることができる。またたとえば提示された料金が意図した料金よりも安い料金であった場合には単価の高い処理に変更したり、処理工程の設定を追加したりすることができる。
【0075】
なお、上述の処理において、ジョブの処理の開始前に残カウンタ内で指示されたすべての処理を行なうことは不可能であると判断された場合(ステップS207でNO)、または指示されたコピー部数までコピーを実行している中で残カウンタがなくなった場合(ステップS217でNO)には、上述のコピージョブ処理が終了するものとしている。しかしながら、残カウンタが不足している場合に処理が行なわれない、または処理が中断されると、ユーザの利便性が損なわれる場合もあり得る。
【0076】
そこで、たとえば、ジョブの処理の開始前に残カウンタ内で指示されたすべての処理を行なうことは不可能であると判断された場合(ステップS207でNO)、カウンタ取得部127によって、サーバ300に対してカウンタの追加が要求されてもよい。また、指示された処理の内、残カウンタ内で処理できる処理のみが行なわれてもよい。また、先述のように、パネル25等に処理の変更を指示する手段を提示して、処理の内容の変更を受付けるようにしてもよい。コピー部数までコピーを実行している中で残カウンタがなくなった場合(ステップS217でNO)も、同様にすることができる。このようにすることでユーザの利便性を損なうことがない。
【0077】
なお、上述の例では、ジョブの処理として、ジョブに対する処理の種類がコピー処理である場合についての処理を例に挙げて説明している。ジョブに対する処理の種類がたとえばファクシミリ送信処理であるときや、スキャン処理であるときなど、他の種類の処理の場合でも、具体的な処理以外については、図7を用いて説明された処理と同様の処理が行なわれるものとする。
【0078】
さらに、上述の例では、課金カウンタがユーザに関連付けられているものとしているが、すべてのユーザに対して同じ課金カウンタが用いられるようにしてもよい。その場合、認証処理を不要とすることもできる。また、ユーザの所属する特定のグループ(たとえば部や課など)に関連付けられていてもよい。
【0079】
また、MFP100がサーバ300のすべての機能を備えていてもよいし、MFP100の機能のうち、スキャン制御部101、プリント制御部103、ファクシミリ制御部105、および後処理制御部106以外の機能については、そのいずれかがサーバ300に含まれているものであってもよいし、すべてがサーバ300に含まれてもよい。つまり、MFP100とサーバ300とでの構成の分配、および機能の分配は、上述した例には限定されない。またシステム構成に、MFP100およびサーバ300以外の他の装置が含まれて、当該他の装置も含めて、構成および機能が分配されてもよい。
【0080】
さらに、上述の課金計算を含んだジョブの処理をMFP100等の画像形成装置に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、デバイスに内蔵されるハードディスクなどの記録媒体に記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0081】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0082】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0083】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0084】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施の形態にかかるシステム構成の具体例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかるMFPのハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態にかかるMFPの制御構成の具体例を示すブロック図である。
【図4】課金マップの具体例を示す図である。
【図5】実施の形態にかかるMFPでの処理の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図6】実施の形態にかかるMFPとサーバとにおける処理、およびこれらの間での情報のやり取りの流れを説明する図である。
【図7】コピージョブ処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図8】課金マップの具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
10 CPU、15 I/F、20 記憶部、25 パネル、30 イメージリーダ部、35 プリンタ部、40 センサ部、100 MFP、101 スキャン制御部、103 プリント制御部、105 ファクシミリ制御部、106 後処理制御部、107 指示入力部、109 ジョブ取得部、111 ジョブ解析部、113 認証部、115 課金マップ取得部、117 単価取得部、119 第1算出部、121 表示制御部、123 第2算出部、125 カウンタ管理部、127 カウンタ取得部、300 サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを受付ける受付手段と、
前記ジョブを解析し、前記ジョブの処理を構成する複数の処理工程を特定する解析手段と、
前記ジョブを実行する実行手段と、
ジョブの処理工程ごとに設定されている単価を取得する取得手段と、
前記単価を用いて前記ジョブの処理工程ごとに料金計算することで、前記ジョブの処理の料金を計算する計算手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記計算手段は、前記解析手段で特定された前記複数の処理工程のうち、前記実行手段において実行された処理工程ごとに料金計算して、前記ジョブの処理の料金を計算する第1の計算手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記解析手段は、前記ジョブを解析して前記ジョブの各処理の処理量を特定し、
前記計算手段は、前記解析手段で特定された前記複数の処理工程の1工程ごとに、前記解析手段で解析された量の処理を行なう場合の前記ジョブの処理の料金を、前記実行手段において前記ジョブを実行するよりも以前に計算する、第2の計算手段を含み、
前記第2の計算手段で計算された料金を提示する提示手段をさらに備える、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記提示手段は、前記ジョブの実行を指示する指示手段をさらに提示し、
前記実行手段は、前記指示手段において指示された場合に、前記ジョブを実行する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
原稿を読取って画像データを取得する読取手段をさらに備え、
前記解析手段は、前記画像データに基づいて生成された前記ジョブを解析することで、前記ジョブの各処理の処理量を特定する、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記単価は、ジョブの発行者に関連付けて設定され、
前記ジョブの発行者の認証情報を入力する入力手段と、
前記認証情報を用いた認証結果を取得する認証手段とをさらに備え、
前記取得手段は、前記認証結果が認証成功である場合に、前記ジョブの発行者に関連付けて設定されている前記単価を取得する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置がジョブを受付ける受付ステップと、
前記ジョブを解析し、前記ジョブの処理を構成する複数の処理工程を特定する解析ステップと、
ジョブの処理工程ごとに設定されている単価を取得する取得ステップと、
前記ジョブを実行する実行ステップと、
前記単価を用いて前記ジョブの処理工程ごとに料金計算することで、前記ジョブの処理の料金を計算する計算ステップとを備える、画像形成装置における課金管理方法。
【請求項8】
前記計算ステップは、前記解析ステップで特定された前記複数の処理工程のうち、前記実行ステップにおいて実行された処理工程ごとに料金計算して、前記ジョブの処理の料金を計算する第1の計算ステップを含む、請求項7に記載の画像形成装置における課金管理方法。
【請求項9】
前記解析ステップは、前記ジョブを解析して前記ジョブの各処理の処理量を特定し、
前記計算ステップは、前記解析ステップで特定された前記複数の処理工程の1工程ごとに、前記解析ステップで解析された量の処理を行なう場合の前記ジョブの処理の料金を、前記実行ステップにおいて前記ジョブを実行するよりも以前に計算する、第2の計算ステップを含み、
前記第2の計算ステップで計算された料金を提示する提示ステップをさらに備える、請求項7または8に記載の画像形成装置における課金管理方法。
【請求項10】
前記提示ステップは、前記画像形成装置において前記ジョブの実行を指示するための指示手段をさらに提示し、
前記実行ステップは、前記指示手段において指示された場合に、前記ジョブを実行する、請求項9に記載の画像形成装置における課金管理方法。
【請求項11】
原稿を読取って画像データを取得するステップをさらに備え、
前記解析ステップは、前記画像データに基づいて生成された前記ジョブを解析することで、前記ジョブの各処理の処理量を特定する、請求項9または10に記載の画像形成装置における課金管理方法。
【請求項12】
前記単価は、ジョブの発行者に関連付けて設定され、
前記ジョブの発行者の認証情報を入力するステップと、
前記認証情報を用いた認証結果を取得するステップとをさらに備え、
前記取得ステップは、前記認証結果が認証成功である場合に、前記ジョブの発行者に関連付けて設定されている前記単価を取得する、請求項7〜11のいずれかに記載の画像形成装置における課金管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−292086(P2009−292086A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149126(P2008−149126)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】