説明

画像形成装置及びその制御プログラム

【課題】定着器の温度が予め設定された温度に達する迄の待ち時間の増大や、定着器を加熱するための電力を切り替える機構を設ける等の構成の複雑化を招くことなく、定着器の加熱における消費電力の抑制を実現する。
【解決手段】スリープモードからの解除に際し、定着器を使用する処理が実行されると推測される場合に、温度センサによって検出された定着器の温度に基づいて、加熱部によって定着器の予熱を開始してから定着器の温度が画像形成温度TFに達する迄の予熱時間を演算し、利用者による処理の実行指示とおよそ同時期に定着器の予熱が終了するように、加熱部による定着器の予熱を開始させる((C),(D)参照)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、操作パネルを備える複合システムにおいて、コピー、ドキュメントボックス、ファックス、プリンタ、スキャナーの各機能毎にボタンを設け、何れかのボタンを選択して押下しないと省エネ状態から復帰しないようにし、更に、その機能で必要な部分だけの電源復帰を行うことで、省エネ状態から復帰する際の消費電力を抑制する技術が開示されている。
【0003】
また特許文献2には、スリープモードから復帰する際に、開始する処理の内容に応じて必要な機構のみイニシャライズを行うと共に、定着機構を使用する場合には、被加熱部材の温度を検出し、誘導加熱手段又はランプ加熱手段に供給する電力を被加熱部材の温度に応じて切り替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−222234号公報
【特許文献2】特許第3400402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、定着器の温度が予め設定された温度に達する迄の待ち時間の増大や、定着器を加熱するための電力を切り替える機構を設ける等の構成の複雑化を招くことなく、定着器の加熱における消費電力の抑制を実現できる画像形成装置及び画像形成装置の制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る画像形成装置は、定着器を加熱する加熱手段と、前記定着器の温度を検出する温度検出手段と、前記定着器を使用する処理が実行されるか否か推測する推測手段と、前記定着器を使用する処理が実行中ではなく、かつ前記推測手段により前記定着器を使用する処理が実行されると推測されていない間は前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させ、前記推測手段により前記定着器を使用する処理が実行されると推測された場合に、前記温度検出手段によって検出された前記定着器の温度、又は、前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させてからの経過時間より求まる、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始してから前記定着器の温度が予め設定された温度に達する迄の所要時間に応じたタイミングで、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始させる制御を行う制御手段と、を含んで構成されている。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された前記定着器の温度、又は、前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させてからの経過時間に基づいて前記所要時間を推定し、前記定着器の使用開始予定時刻よりも推定した前記所要時間だけ前のタイミングで、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始させる。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、セットされた原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部への原稿のセット及び前記画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作の少なくとも一方を検知する検知手段と、を更に備え、前記推測手段は、前記画像読取部への原稿のセット及び前記画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作の少なくとも一方が前記検知手段によって検知された場合に、前記定着器を使用する処理が実行されると推測し、前記制御手段は、前記定着器の使用開始予定時刻として、前記検知手段によって前記画像読取部への原稿のセット及び前記画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作の少なくとも一方が検知されてから予め設定された時間後の時刻を用いる。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、実行すべき処理を利用者が指定するための指定手段を更に備え、前記制御手段は、前記画像読取部への原稿のセット及び前記画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作の少なくとも一方が前記検知手段によって検知され、前記推測手段によって前記定着器を使用する処理が実行されると推測されることで、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始させた後に、実行すべき処理として前記定着器を使用しない処理が前記指定手段を介して指定された場合に、前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させる。
【0010】
請求項5記載の発明に係る画像形成装置の制御プログラムは、定着器を加熱する加熱手段と、前記定着器の温度を検出する温度検出手段と、を備えた画像形成装置に内蔵されたコンピュータを、前記定着器を使用する処理が実行されるか否か推測する推測手段、及び、前記定着器を使用する処理が実行中ではなく、かつ前記推測手段により前記定着器を使用する処理が実行されると推測されていない間は前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させ、前記推測手段により前記定着器を使用する処理が実行されると推測された場合に、前記温度検出手段によって検出された前記定着器の温度、又は、前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させてからの経過時間より求まる、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始してから前記定着器の温度が予め設定された温度に達する迄の所要時間に応じたタイミングで、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始させる制御を行う制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,5記載の発明は、定着器の温度が予め設定された温度に達する迄の待ち時間の増大や、定着器を加熱するための電力を切り替える機構を設ける等の構成の複雑化を招くことなく、定着器の加熱における消費電力の抑制を実現できる、という効果を有する。
【0012】
請求項2記載の発明は、定着器の加熱開始タイミングを最適化できる、という効果を有する。
【0013】
請求項3記載の発明は、実行すべき処理が指定される前に画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作が行われた場合に、定着器の加熱を早期に開始することが可能となる、という効果を有する。
【0014】
請求項4記載の発明は、画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作が行われたことで定着器の加熱を開始したものの、実行すべき処理が定着器を使用しない処理であった場合にも、無駄な電力消費を抑制できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】コントローラの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】各種の動作状態における各種の制御信号、各種の電力供給、各機能モジュールのオンオフを各々示す図表である。
【図4】初期メニュー画面の一例を示すイメージ図である。
【図5】画像形成部のMCUで実行される画像形成部オン時処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】定着器の温度変化の一例を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、複写機としての機能、プリンタとしての機能及びスキャナとしての機能を兼ね備えた装置であり、画像形成装置10全体の動作を制御するコントローラ12と、LCD等から成る表示部14A及びテンキーやタッチパネル等から成り利用者による操作を受付ける操作受付部14Bが設けられた操作パネル14と、セットされた読取対象の文書(紙原稿)を光学的に読み取って読取画像データを出力する画像読取部16と、入力された画像データが表す画像を記録用紙上に形成する画像形成部18と、の各機能モジュールを含んで構成されている。
【0017】
コントローラ12は第1電力供給部20に接続されており、第1電力供給部20は主電源スイッチ26を介して商用電源に接続されている。第1電力供給部20は主電源スイッチ26がオンされている間、商用電源から供給される交流電力を整流して第1の直流低電圧VL-1(例えば5Vの直流電圧)を生成し、コントローラ12へ第1の直流低電圧電力として供給する。
【0018】
また、コントローラ12、画像読取部16及び画像形成部18は第2電力供給部22に接続されており、第2電力供給部22は給電スイッチ24及び主電源スイッチ26を介して商用電源に接続されている。第2電力供給部22は給電スイッチ24及び主電源スイッチ26が各々オンされている間、商用電源から供給される交流電力を整流して第2の直流低電圧VL-2(例えば5Vの直流電圧)と直流高電圧VH(例えば24Vの直流電圧)を各々生成し、第2の直流低電圧VL-2をコントローラ12、画像読取部16及び画像形成部18へ第2の直流低電圧電力として供給すると共に、直流高電圧VHをコントローラ12及び画像形成部18へ直流高電圧電力として供給する。
【0019】
なお、給電スイッチ24は、例えばリレーや半導体素子から成り外部から供給されるオンオフ信号によってオンオフの状態を切替え可能な構成であり、コントローラ12と接続され、コントローラ12から供給されるスリープ信号SLEEP_ONによってオンオフの状態が切替えされる。
【0020】
図2に示すように、コントローラ12はCPU54を備えており、このCPU54にはメモリバス56、第1のPCI(Peripheral Component Interconnect)バス58及び第2のPCIバス60が各々接続されている。メモリバス56にはDRAM62及びフラッシュメモリ64が各々接続されており、フラッシュメモリ64には、CPU54が後述する節電制御を行うための節電制御プログラムが予め記憶されている。コントローラ12は、CPU54が上記の節電制御プログラムを実行することで、本発明に係る推測手段の一例として機能する。
【0021】
また、第1のPCIバス58にはUI(User Interface)制御回路66及びビデオI/F回路68が接続されている。UI制御回路66には操作パネル14が接続されており、UI制御回路66は操作パネル14への電力の供給や操作パネル14との間の情報の送受(例えば表示部14Aに表示すべき画面の情報や、利用者が操作受付部14Bを介して行った操作に応じた信号の送受)を司る。例えば、操作パネル14の操作受付部14Bには、節電状態の画像形成装置10に対して利用者が節電状態の解除を指示するための節電解除ボタン(図示省略)が設けられており、コントローラ12に電力が供給されている状態で利用者によって節電解除ボタンが操作された場合、当該操作に応じた信号が操作パネル14からUI制御回路66を経由せず直接CPU54に入力されることで、利用者によって節電解除ボタンが操作されたことがCPU54(コントローラ12)に検知される。
【0022】
また、ビデオI/F回路68には画像読取部16及び画像形成部18が各々接続されており、ビデオI/F回路68は画像読取部16や画像形成部18との間の情報の送受を司る。例えば、コントローラ12は画像読取部16の作動をオンオフするための画像読取部オン信号IIT_ON(図1参照)をビデオI/F回路68経由で画像読取部16へ出力し、画像形成部18の作動をオンオフするための画像形成部オン信号IOT_ON、及び、定着器の予熱準備を指示するための予熱準備信号P_HEAT(図1参照)をビデオI/F回路68経由で画像形成部18へ出力する。
【0023】
画像読取部16は、第2電力供給部22から第2の直流低電圧電力が供給され、かつ、コントローラ12から入力される画像読取部オン信号IIT_ONが「オン」に相当する信号状態となっている間作動し、画像形成部18は、第2電力供給部22から第2の直流低電圧電力及び直流高電圧電力が供給され、かつ、コントローラ12から入力される画像形成部オン信号IOT_ONが「オン」に相当する信号状態となっている間作動する。
【0024】
また、第2のPCIバス60にはホストI/F回路70及び電源制御回路72が各々接続されている。画像形成装置10には、USB(Universal Serial Bus)インタフェース又はLAN(Local Area Network)インタフェースを介してホストPC76を接続可能とされており、ホストI/F回路70はUSBインタフェース又はLANインタフェースを介して接続されたホストPC76との通信を司る。また、ホストI/F回路70にはIDE(Integrated Drive Electronics)インタフェースを介してHDD(Hard Disk Drive)74が接続されており、ホストI/F回路70はHDD74との情報の送受も司る。なお、HDD74とはSATA等のインタフェースにて接続してもよい。
【0025】
画像形成装置10には、利用者の操作によってオンオフされる電源スイッチ28(図1も参照)が設けられている。電源スイッチ28は一端が接地され、他端が抵抗30を介して給電線に接続されると共に、電源制御回路72に内蔵された電源スイッチ監視回路72Aと信号線を介して接続されており、電源スイッチ28のオンオフの状態は電源制御回路72の電源スイッチ監視回路72Aによって監視され、電源スイッチ28のオンオフの状態の変化は電源スイッチ監視回路72A経由でCPU54(コントローラ12)に検知される。
【0026】
また、画像読取部16は自動原稿送給部(図示省略)を備えると共に、図1に示すように、自動原稿送給部に原稿がセットされたか否かに応じてオンオフが切り替わる原稿セット検出スイッチ32が設けられている。原稿セット検出スイッチ32は一端が接地され、他端が抵抗34を介して給電線に接続されると共に、信号線を介してコントローラ12に接続されており、原稿セット検出スイッチ32のオンオフの状態は原稿検出信号PAPERとしてコントローラ12に入力される。なお、原稿セット検知は一般に反射型フォトセンサにより反射光を検知することで行われ、図1に示す原稿セット検出スイッチ32はこの構成を模式的に示したものである。
【0027】
また、画像読取部16には、原稿が置かれるプラテンガラスを閉止するカバーの開閉に応じてオンオフが切り替わるカバー開閉検出スイッチ36も設けられている。このカバー開閉検出スイッチ36も一端が接地され、他端が抵抗38を介して給電線に接続されると共に信号線を介してコントローラ12に接続されており、カバー開閉検出スイッチ36のオンオフの状態はカバー開閉検出信号COVERとしてコントローラ12に入力される。
【0028】
従って、原稿セット検出スイッチ32又はカバー開閉検出スイッチ36のオンオフの状態が変化した場合、このオンオフの状態の変化は、画像読取部16が作動しているか否かに拘わらずCPU54(コントローラ12)に検知される。なお、原稿セット検出スイッチ32及びカバー開閉検出スイッチ36は請求項3に記載の検知手段の一例である。
【0029】
また、画像形成部18にはMCU40、定着部42及び後処理装置44が設けられている。MCU40はマイクロコンピュータ等から成り、CPU40A、メモリ(図示省略)、フラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部40Bを内蔵している。記憶部40Bには画像形成部制御プログラムが予め記憶されているが、この画像形成部制御プログラムには、後述する画像形成部オン時処理を実行するためのプログラムが含まれており、先に説明した節電制御プログラムと共に、本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの一例である。MCU40は、画像形成部18が作動している間、CPU40Aが画像形成部制御プログラムを実行することで、画像形成部18の各部の動作を制御する画像形成部制御処理を行う。MCU40は、CPU40Aが画像形成部制御プログラムを実行することで、本発明に係る制御手段の一例として機能する。
【0030】
また定着部42には、定着器(図示省略)の温度を検出する温度センサ46と、ヒータ等から成り定着器を加熱する加熱部48と、温度センサ46による温度の検出結果に基づき定着器の温度が予め設定された画像形成温度TFに一致するように加熱部48による定着器の加熱を制御する制御部50と、が設けられている。なお、加熱部48は請求項1等に記載の加熱手段の一例、温度センサ46は請求項1等に記載の温度検出手段の一例である。定着部42には給電線が接続されており、商用電源の交流電力が供給される。また定着部42には、定着部42の作動をオンオフするための定着部オン信号FSR_ONがMCU40から入力され、定着部42はMCU40から入力される定着部オン信号FSR_ONが「オン」に相当する信号状態となっている間作動する。
【0031】
また、後処理装置44にも給電線が接続されており、商用電源の交流電力又は直流高電圧電力が供給される。また後処理装置44には、後処理装置44の作動をオンオフするための後処理装置オン信号FIN_ONがMCU40から入力され、後処理装置44はMCU40から入力される後処理装置オン信号FIN_ONが「オン」に相当する信号状態となっている間作動する。なお、後処理装置44で行われる後処理としては、例えば用紙の反り(カール)を矯正するデカラー処理、用紙上の予め設定された位置で用紙を折る折り処理、用紙上の予め設定された位置に孔を開けるパンチ処理、複数枚の用紙の端部を揃えステープルにより単一の用紙束として綴じるステープル処理、用紙(束)を同一の排出部上の異なる位置へ排出させるオフセット処理、排出された用紙(束)を積み重ねるスタック処理、複数枚の用紙の端部を揃えて製本するブックレット処理等の少なくとも1つが挙げられる。
【0032】
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態に係る画像形成装置10では、主電源スイッチ26がオフ状態の場合、図3に「主電源SWオフ」と表記して示すように、第1電力供給部20及び第2電力供給部22が動作を停止していることで、第1の直流低電圧VL-1、第2の直流低電圧VL-2及び直流高電圧VHの生成が停止されており、コントローラ12、操作パネル14、画像読取部16及び画像形成部18(のMCU40、定着部42、後処理装置44)の各機能モジュールは作動を停止している。
【0033】
ここで、利用者によって主電源スイッチ26がオフ状態からオン状態へ切り替えされると、図3に「電源SWオフ」と表記して示すように、第1電力供給部20による第1の直流低電圧VL-1の生成が開始され、第1電力供給部20からコントローラ12へ第1の直流低電圧電力が供給される。これによりコントローラ12は動作を開始し、CPU54は、まず電源制御回路72の電源スイッチ監視回路72Aから電源スイッチ28のオンオフの状態を取得するが、電源スイッチ28がオフ状態であればコントローラ12自体を節電状態へ移行させる。
【0034】
すなわち、CPU54は、フラッシュメモリ64に記憶されているプログラムやデータをDRAM62にも記憶させ(これにより、節電状態から復帰する際の処理時間が短縮される)た後にDRAM62をセルフリフレッシュモードに設定し、CPU54自身、DRAM62、電源スイッチ監視回路72Aを含む電源制御回路72以外の各デバイス(例えばUI制御回路66やビデオI/F回路68、ホストI/F回路70、HDD74等)への電力供給をオフすることで、各デバイスの作動を停止させる。
【0035】
また、利用者によって電源スイッチ28がオフ状態からオン状態へ切り替えされ、この電源スイッチ28のオンオフ状態の変化を電源制御回路72の電源スイッチ監視回路72Aを通じて検知すると、CPU54は、コントローラ12の各デバイスへの電力供給をオンし、DRAM62をセルフリフレッシュモードを解除し、DRAM62に記憶させたプログラムを実行する。また、このプログラムの実行に伴い、CPU54は、図3に「スタンバイ」と表記して示すように、給電スイッチ24に供給するスリープ信号SLEEP_ON、画像読取部16へ出力する画像読取部オン信号IIT_ON、及び、画像形成部18へ出力する画像形成部オン信号IOT_ONをオンに相当する信号状態へ各々切り替えると共に、操作パネル14も作動させ、例として図4に示すように、コピー、スキャン、プリントの各機能が選択肢として各々明示された初期メニュー画面を操作パネル14の表示部14Aに表示させる。
【0036】
これにより、給電スイッチ24がオンすることで、第2電力供給部22による第2の直流低電圧VL-2及び直流高電圧VHの生成が開始され、第2電力供給部22からコントローラ12及び画像形成部18へ第2の直流低電圧電力及び直流高電圧電力が供給されると共に、第2電力供給部22から画像読取部16へ第2の直流低電圧電力が供給される。また、画像読取部16及び画像形成部18(のMCU40)が動作を開始し、画像形成部18のMCU40は、定着部42へ出力する定着部オン信号FSR_ON及び後処理装置44へ出力する後処理装置オン信号FIN_ONをオンに相当する信号状態へ各々切り替える。
【0037】
これにより、定着部42及び後処理装置44が各々動作を開始し(定着部42では加熱部48による定着器の予熱が開始される)、画像形成装置10は、コピー、スキャン、プリントの各機能の何れに相当する処理でも実行可能なスタンバイ状態へ遷移することになる。そして、利用者によって操作パネル14の操作受付部14Bが操作されることで、図4に示す初期メニュー画面に選択肢として明示されている何れかの機能が選択されると、選択された機能に相当する処理の処理内容を指定するための指定画面を表示部14Aに表示させ、表示させた指定画面を通じて実行すべき処理の処理内容が指定された後に、処理の実行が利用者によって指示されると、実行が指示された処理を画像読取部16及び画像形成部18の少なくとも一方によって実行させる。
【0038】
また、コントローラ12にはタイマが設けられており、CPU54はこのタイマにより画像形成装置10で最後に処理が行われてからの経過時間を計時する。このタイマのタイマ値は、画像形成装置10で新たな処理が開始される度にリセットされるが、タイマ値が予め設定された低電力モード移行時間やスリープモード移行時間(但し、低電力モード移行時間<スリープモード移行時間)に相当する値に達すると、CPU54は、図3に「低電力モード」又は「スリープモード」と表記して示すように、各制御信号のうちの1つ以上の制御信号をオフに相当する信号状態へ各々切り替える。
【0039】
これにより、まず「低電力モード」では操作パネル14及び画像読取部16の作動が停止される。また「スリープモード」では、更に画像形成部18(のMCU40、定着部42及び後処理装置44)、第2電力供給部22の作動が停止される。なお、スリープモードにおいて、コントローラ12の動作状態は、図3に「電源SWオフ」と表記して示す状態とは異なり、ホストI/F回路70のうちホストPC76との通信を司る部分は動作を継続している状態となる。また、低電力モードやスリープモード等の節電状態への移行は、上記のように、最後に処理が行われてからの経過時間が予め設定された移行時間に達した場合に限られるものではなく、例えば「節電解除ボタンが長押しされた」等のように、節電状態への移行指示を意味する操作が利用者によって行われた場合にも、最後に処理が行われてからの経過時間に拘わらず節電状態へ移行するようにしてもよい。
【0040】
ところで、節電状態の1つであるスリープモード状態の画像形成装置10に対し、コピー、スキャン及びプリントの何れかの機能に相当する処理の実行を所望している場合、利用者は通常、まず操作受付部14Bに設けられた節電解除ボタン(図示省略)を押下する。これにより、コントローラ12の節電状態が解除され、CPU54は前述の初期メニュー画面を操作パネル14の表示部14Aに表示させる。続いて利用者は、初期メニュー画面に明示されている複数の選択肢の中から実行を所望している処理に対応する選択肢を選択する。CPU54は、利用者によって選択された選択肢が「コピー」であれば画像形成装置10をスタンバイモードへ遷移させて「コピー」に対応する指定画面を表示部14Aに表示させ、利用者によって選択された選択肢が「スキャン」であれば画像形成装置10を読取部オンモード(図3参照)へ遷移させて「スキャン」に対応する指定画面を表示部14Aに表示させ、利用者によって選択された選択肢が「プリント」であれば画像形成装置10を形成部オンモード(図3参照)へ遷移させて「プリント」に対応する指定画面を表示部14Aに表示させる。
【0041】
その後、「コピー」又は「スキャン」であれば、画像読取部16へ原稿をセットする操作(自動原稿送給装置に原稿をセットする操作、又は、プラテンガラスのカバーを開放しプラテンガラス上に原稿を置いてカバーを閉止する操作(この操作は「画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作」の一例である))や「コピー」又は「スキャン」の処理内容を指定する操作が利用者によって行われた後に、処理の実行を指示する操作が利用者によって行われる。また「プリント」であれば、プリント対象の原稿のデータが記録された記録媒体(例えばUSBインタフェースを介して外部と通信する回路が付加されたフラッシュメモリ(いわゆるUSBメモリ)等)を画像形成装置10に接続する操作や「プリント」の処理内容を指定する操作が利用者によって行われた後に、処理の実行を指示する操作が利用者によって行われる。
【0042】
但し、上述した利用者の操作順序は一般的な順序であり、例えば「コピー」又は「スキャン」の処理の実行を所望している利用者により、節電解除ボタンを押下する操作が行われる前に画像読取部16へ原稿をセットする操作が行われたり、「プリント」の処理の実行を所望している利用者により、節電解除ボタンを押下する操作が行われる前に記録媒体を画像形成装置10に接続する操作が行われる可能性がある。そして、この順序で操作が行われた場合、原稿をセットする操作や記録媒体を画像形成装置10に接続する操作が先に行われているので、初期メニュー画面中の選択肢が選択されてから処理の実行を指示する操作が行われる迄の時間が短くなることで、処理の実行を指示する操作を行ってから処理の実行が実際に開始される迄に、利用者が比較的長い時間待たされることになる可能性がある。
【0043】
例えば図6(A)は「コピー」処理の実行を所望している利用者により、(1)画像読取部16への原稿セット、(2)節電解除ボタンの押下、(3)「コピー」の選択、(4)「コピー」の処理内容の指定、(5)「コピー」処理の実行指示、の順序で操作が行われた場合であるが、「(3)「コピー」の選択」の操作をトリガとして画像形成部18の作動を開始させ、定着部42の定着器の予熱を開始させたとすると、利用者が「(5)「コピー」処理の実行指示」の操作を行う段階で定着器の予熱が完了していない(定着器の温度が画像形成時温度TFに達していない)ことで、利用者の待ち時間が発生している。
【0044】
また、利用者の待ち時間の発生解消を目的として、「(1)画像読取部16への原稿セット」をトリガとして画像形成部18の作動を開始させ、定着部42の定着器の予熱を開始させることが考えられる。しかし、定着器の予熱を開始する時点での定着器の温度は、定着器の予熱を開始する迄に画像形成装置10でスリープモード状態となっていた時間(画像形成部18(定着部42)の作動が停止していた時間)等に応じて変化するので、「(1)画像読取部16への原稿セット」をトリガとして定着部42の定着器の予熱を開始させたとすると、定着器の温度を画像形成時温度TFに維持するために無駄な電力消費が生ずる可能性がある。
【0045】
例えば図6(B)に示す例では、図6(A)と同様の順序で利用者の操作が行われ、「(1)画像読取部16への原稿セット」をトリガとして画像形成部18の作動(定着器の予熱)を開始させた場合であるが、予熱開始時点での定着器の温度(=T2)が図6(A)の例での温度(=T1)よりも高い(T2>T1)ために、定着器の温度を画像形成時温度TFに達してから「(5)「コピー」処理の実行指示」の操作が利用者によって行われる迄の期間、定着器の温度を画像形成時温度TFに維持するために無駄な電力消費が生じている。
【0046】
このため、本実施形態では画像形成装置10がスリープモード状態の間、CPU54は、画像読取部16の自動原稿送給部に原稿がセットされたか否かを原稿検出信号PAPERに基づいて監視する処理と、プラテンガラスのカバーが開閉されたか否かをカバー開閉検出信号COVERに基づいて監視する処理と、画像形成装置10にUSBメモリ等が接続されたか否かをホストI/F回路70から入力される信号に基づいて監視する処理と、を各々行う。そして、自動原稿送給部への原稿のセット、プラテンガラスのカバーの開閉、USBメモリ等の接続、の何れかを検出した場合、CPU54は図3に「予熱準備モード」と表記して示すように、スリープ信号SLEEP_ON、画像形成部オン信号IOT_ON及び予熱準備信号P_HEATをオンに相当する信号状態へ各々切り替え、画像形成部18(のMCU40)の作動を開始させることで、画像形成装置10を予熱準備モードへ遷移させる。
【0047】
なお、上記の「自動原稿送給部への原稿のセット」「プラテンガラスのカバーの開閉」及び「USBメモリ等の接続」は、定着器を使用する処理が実行される可能性が高い事象の一例であり、上記処理は「定着器を使用する処理が実行されるか否か推測する」本発明に係る推測手段による処理の一例である。
【0048】
また、作動が開始された画像形成部18のMCU40は、記憶部40Bに記憶されたプログラムを実行することで、図5に示す画像形成部オン時処理を行う。なお、この画像形成部オン時処理は本発明に係る制御手段による処理の一例である。
【0049】
画像形成部オン時処理では、まずステップ80において、コントローラ12から入力される予熱準備信号P_HEATがオンに相当する信号状態か否か判定する。判定が否定された場合はステップ94へ移行し、定着部42へ出力する定着部オン信号FSR_ONを、オフに相当する信号状態からオンに相当する信号状態へ切り替えることで、加熱部48による定着器の加熱(予熱)を開始させる。また、ステップ80の判定が肯定された場合は、自動原稿送給部への原稿のセット、プラテンガラスのカバーの開閉、USBメモリ等の接続、の何れかが検出された場合であるので、ステップ82へ移行し、定着部42の温度センサ46によって検出された定着器の現在の温度Tを温度センサ46から取得する。次のステップ84では、ステップ82で取得した定着器の現在の温度Tと画像形成温度TFとの偏差に基づいて、定着器の温度を画像形成温度TF迄上昇させるための予熱時間tを演算する。なお、予熱時間tは本発明における所要時間の一例である。
【0050】
次のステップ86では、利用者によって処理の実行開始が指示される迄の推定時間tmを取得する。なお、この推定時間tmとしては予め設定された時間(例えば利用者が前述の(2)〜(5)の操作を行うのに要する平均操作時間等)を用いることができるが、コントローラ12のCPU54によって検出された事象が「自動原稿送給部への原稿のセット」又は「プラテンガラスのカバーの開閉」の場合に利用者によって実行が指示される処理は「コピー」処理である一方、検出された事象が「USBメモリ等の接続」の場合に利用者によって実行が指示される処理は「プリント」処理であり、処理の種類に応じて(4)の処理内容の指定に要する時間(平均時間等)が変化する可能性があるので、コントローラ12のCPU54によって検出された事象の種類に応じて推定時間tmの値を切り替えるようにしてもよい。
【0051】
ステップ88では、ステップ84で演算した予熱時間tがステップ86で取得した推定時間tmよりも小さい(短い)か否か判定する。判定が否定された場合はステップ94へ移行し、定着部オン信号FSR_ONをオフに相当する信号状態からオンに相当する信号状態へ切り替えることで、加熱部48による定着器の加熱(予熱)を開始させる。また、ステップ88の判定が肯定された場合はステップ90へ移行し、予熱開始時刻tSとして、推定時間tmと予熱時間tとの差に相当する時間だけ現時刻よりも後の時刻を演算する。次のステップ92ではステップ90で演算した予熱開始時刻tSが到来したか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ92を繰り返す。
【0052】
予熱開始時刻tSが到来するとステップ92の判定が肯定されてステップ94へ移行し、定着部オン信号FSR_ONを、オフに相当する信号状態からオンに相当する信号状態へ切り替えることで、加熱部48による定着器の加熱(予熱)を開始させる。なお、このとき後処理装置オン信号FIN_ONについても、オフに相当する信号状態からオンに相当する信号状態へ切り替えるようにしてもよい。ステップ96では定着器の現在の温度Tを温度センサ46から取得し、次のステップ98では、ステップ96で取得した定着器の現在の温度Tが画像形成温度TF以上になったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ96に戻り、ステップ98の判定が肯定される迄、ステップ96,98を繰り返す。ステップ98の判定が肯定されるとステップ100へ移行し、定着部の予熱完了をコントローラ12へ通知し、画像形成部オン時処理を終了する。
【0053】
上記処理により、例として図6(C)に示すように、利用者が(5)の処理の実行を指示する操作を行うのとおよそ同時期に定着器の予熱が完了することになるので、利用者を長時間待たせることなく、実行が指示された処理を開始することが可能となる。また、定着器の現在の温度Tに基づいて予熱時間tを演算しているので、例として図6(D)に示すように、予熱開始時点での定着器の温度が比較的高い場合(T=T2)にも、利用者が(5)の処理の実行を指示する操作を行うのとおよそ同時期に定着器の予熱が完了することになり、定着器の温度を画像形成時温度TFに維持するために無駄な電力消費が生じることが防止される。
【0054】
なお、前述の「自動原稿送給部への原稿のセット」「プラテンガラスのカバーの開閉」及び「USBメモリ等の接続」は、定着器を使用する処理が実行される可能性が高い事象ではあるものの、「自動原稿送給部への原稿のセット」と「プラテンガラスのカバーの開閉」については、利用者が「スキャン」処理(定着器を使用しない処理)の実行を所望している場合にも行われる操作である。このため、(3)で利用者によって「スキャン」が選択された場合、コントローラ12のCPU54は、画像形成装置10を読取部オンモードへ遷移させ、画像形成部オン信号IOT_ON及び予熱準備信号P_HEATをオフに相当する信号状態へ各々切り替えると共に、画像読取部オン信号IIT_ONをオンに相当する信号状態へ切り替える。
【0055】
この場合、画像形成部18のMCU40は、画像形成部オン信号IOT_ONがオフに相当する信号状態へ切り替わったことをトリガとして、画像形成部オン時処理(図5)の実行を終了し、定着部オン信号FSR_ONをオフに相当する信号状態へ切り替えることで、定着器の予熱(加熱)を終了させた後に、画像形成部18の作動を停止させる。これにより無駄な電力消費が抑制される。上記処理は請求項4記載の発明の一例である。
【0056】
なお、上記では定着器の現在の温度Tを取得し、取得した温度Tに基づいて予熱時間tを演算する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば加熱部48による定着器の加熱が停止されてからの経過時間を計時又は推定し、計時又は推定した経過時間に基づいて定着器の現在の温度Tを推定し、推定した温度Tに基づいて予熱時間tを演算するようにしてもよい。また、定着器の現在の温度Tを推定するにあたり、画像形成装置10の機内温度等も考慮するようにしてもよい。
【0057】
また、上記では利用者によって処理の実行開始が指示される迄の推定時間tmとして、予め設定された時間(値)を用いる態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、個々の画像形成装置10において、スリープモード状態の画像形成装置10に対して何らかの操作を開始してから処理の実行を指示する迄の時間を計測し、計測した時間の平均値を演算して(利用者の認証を行う構成であれば、計測時間の平均値を個々の利用者毎に演算してもよい)用いるようにしてもよい。
【0058】
また、上記ではヒータ等から成る加熱部48によって定着器を加熱する(すなわち予熱時間tが比較的長い)ことを前提に、「自動原稿送給部への原稿のセット」や「プラテンガラスのカバーの開閉」「USBメモリ等の接続」の操作が先に行われた場合に、待ち時間の発生解消を主な目的として本発明に係る制御を行う態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば誘導加熱(Induction Heating)によって定着器を加熱する構成では予熱時間tが比較的短く、待ち時間が発生し難いので、無駄な電力消費の抑制を主な目的として、利用者の操作順序に拘わらず本発明に係る制御を行うようにしてもよい。
【0059】
更に、上記では本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの一例である節電制御プログラムがフラッシュメモリ64に、画像形成部制御プログラムが記憶部40Bに各々予め記憶されている態様を説明したが、本発明に係る画像形成装置の制御プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 画像形成装置
12 コントローラ
18 画像形成部
32 原稿セット検出スイッチ
36 カバー開閉検出スイッチ
42 定着部
46 温度センサ
48 加熱部
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着器を加熱する加熱手段と、
前記定着器の温度を検出する温度検出手段と、
前記定着器を使用する処理が実行されるか否か推測する推測手段と、
前記定着器を使用する処理が実行中ではなく、かつ前記推測手段により前記定着器を使用する処理が実行されると推測されていない間は前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させ、前記推測手段により前記定着器を使用する処理が実行されると推測された場合に、前記温度検出手段によって検出された前記定着器の温度、又は、前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させてからの経過時間より求まる、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始してから前記定着器の温度が予め設定された温度に達する迄の所要時間に応じたタイミングで、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始させる制御を行う制御手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された前記定着器の温度、又は、前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させてからの経過時間に基づいて前記所要時間を推定し、前記定着器の使用開始予定時刻よりも推定した前記所要時間だけ前のタイミングで、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始させる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
セットされた原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部への原稿のセット及び前記画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作の少なくとも一方を検知する検知手段と、
を更に備え、
前記推測手段は、前記画像読取部への原稿のセット及び前記画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作の少なくとも一方が前記検知手段によって検知された場合に、前記定着器を使用する処理が実行されると推測し、
前記制御手段は、前記定着器の使用開始予定時刻として、前記検知手段によって前記画像読取部への原稿のセット及び前記画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作の少なくとも一方が検知されてから予め設定された時間後の時刻を用いる請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
実行すべき処理を利用者が指定するための指定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記画像読取部への原稿のセット及び前記画像読取部で原稿の画像の読み取りを行うための操作の少なくとも一方が前記検知手段によって検知され、前記推測手段によって前記定着器を使用する処理が実行されると推測されることで、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始させた後に、実行すべき処理として前記定着器を使用しない処理が前記指定手段を介して指定された場合に、前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させる請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
定着器を加熱する加熱手段と、前記定着器の温度を検出する温度検出手段と、を備えた画像形成装置に内蔵されたコンピュータを、
前記定着器を使用する処理が実行されるか否か推測する推測手段、
及び、前記定着器を使用する処理が実行中ではなく、かつ前記推測手段により前記定着器を使用する処理が実行されると推測されていない間は前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させ、前記推測手段により前記定着器を使用する処理が実行されると推測された場合に、前記温度検出手段によって検出された前記定着器の温度、又は、前記加熱手段による前記定着器の加熱を停止させてからの経過時間より求まる、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始してから前記定着器の温度が予め設定された温度に達する迄の所要時間に応じたタイミングで、前記加熱手段による前記定着器の加熱を開始させる制御を行う制御手段
として機能させるための画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−37579(P2012−37579A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174745(P2010−174745)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】