説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】画像データが複合色相の組合せにより具現される場合であっても、単一色相により単色画像を出力することにより印刷品質を向上させることが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像データが単色であるか否かを判断する判断部120と、画像データが単色と判断された場合に画像データをシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データに各々変換する変換部130と、変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの色相情報と予め格納されたハーフトーンテーブルの情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成するハーフトーニング処理部140と、生成されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値のうち、黒色の結果値のみを抽出する抽出部150と、を備える画像形成装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェットプリンタのようなカラープリンタは、パーソナルコンピュータ等のホストから転送される画像データに従って、カラーイメージを記録媒体に印刷して出力する。
【0003】
このとき、上記画像データはコンピュータにより生成され、生成された画像データがプリンタドライバを通じてプリンタに伝達されると、プリンタはこのような画像データに基づくイメージをシアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)及び黒色(Black)からなる4原色の組合せにより表現する。
【0004】
より詳細には、従来の画像形成装置は、写真のようなラスターグラフィックの属性を有する圧縮された形態の画像データが入力されると、まず画像データを復元して、赤(R)、緑(G)、青(B)の混合により表現された最初の画像データを抽出する。
【0005】
そして、R、G、Bの混合により表現された画像データをカラープリンタの特性に合うようにR’、G’、B’に変換した後、変換されたR’、G’、B’をシアン、マゼンタ、イエロー、黒色から構成された画像データに再度変換して色相を出力する。
【0006】
上記のように、R、G、Bの混合により表現された元来の画像データを2次的に変換する方法により色相が表現される。即ち、有彩色の画像データは上記のような2次的な変換過程を経て希望する色相のイメージを生成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、白色または灰色の画像上に表れる黒色のような単色の画像は、カラー画像の同等なRGB値の混合によりなされ、単一の色相を通じて具現することができない。したがって、単色の画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色を混合して出力される。このような場合に、画像形成装置において画像データを色相の組合せにより表す場合にも、単一画像フォーマットに従った単一の色相で単色の画像を出力する必要性が増してきている。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、画像データが複合色相の組合せにより具現される場合であっても、単一色相により単色画像を出力することにより印刷品質を向上させることが可能な、新規かつ改良された画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、画像データが単色であるか否かを判断する判断部と、画像データが単色と判断された場合、画像データをシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データに各々変換する変換部と、変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの色相情報と予め格納されたハーフトーンテーブルの情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成するハーフトーニング処理部と、生成されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値のうち、黒色の結果値のみを抽出する抽出部と、を備えることを特徴とする、画像形成装置装置が提供される。
【0010】
また、判断部は、画像データのRGB値が互いに同一であるか否かを判定し、RGBサイズが互いに同一である場合、画像データが単色であると判断するようにしてもよい。
【0011】
また、ハーフトーニング処理部は、変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの情報と予め格納された黒色用ハーフトーンテーブルの情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成するようにしてもよい。
【0012】
また、抽出部は、生成されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値のうち、シアン、マゼンタ及びイエローに対する結果値を削除し、黒色の結果値のみを抽出するようにしてもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、画像データが単色であるか否かを判断する判断ステップと、画像データが単色である場合、画像データをシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データに各々変換する変換ステップと、変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの色相情報と予め格納されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成するハーフトーニング処理ステップと、生成されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値のうち、黒色の結果値のみを抽出する抽出ステップと、を含むことを特徴とする、画像形成方法が提供される。
【0014】
また、判断ステップにおいて、画像データのRGB値が互いに同一であるか否かを判定し、RGB値が互いに同一である場合、画像データが単色であると判断するようにしてもよい。
【0015】
また、ハーフトーニング処理ステップにおいて、変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの色相情報と予め格納された黒色用ハーフトーンテーブルの情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成するようにしてもよい。
【0016】
また、抽出ステップにおいて、生成されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値のうち、シアン、マゼンタ及びイエローに対する結果値を削除し、黒色の結果値のみを抽出するようにしてもよい。
【0017】
また、画像データは、RGBの混合により表現されるようにしてもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、色相データの色相情報及びハーフトーンテーブルの色相情報によって複数の色相データに対する結果値を生成する処理部と、色相データの結果値のうち、黒色に対する結果値を抽出する抽出部と、を備えることを特徴とする、画像形成装置が提供される。
【0019】
また、複数の色相データは、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データを含むようにしてもよい。
【0020】
また、処理部は、色相データの各々の色相情報とハーフトーンテーブルの該当色相情報との間の比較により生成される結果値によって第1値及び第2値を生成するようにしてもよい。
【0021】
また、抽出部は、色相データが単色の場合に、黒色に対する結果値を抽出するようにしてもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1多色画像フォーマットの色相を有する複数の色相情報を含むイメージを提供するイメージソースと、イメージの色相情報が単色画像フォーマットに該当するか否かを判断し、イメージの色相情報が単色画像フォーマットの場合、イメージを第2多色イメージフォーマットの単一色相でレンダリングする処理部と、を備えることを特徴とする、画像形成装置が提供される。
【0023】
また、処理部は、第1多色画像フォーマットに対する複数の色相情報を第2多色画像フォーマットに対する複数の色相情報に変換し、第1多色画像フォーマットの色相情報に基づいて、イメージの色相情報が単色画像フォーマットに該当するか否かの判断を行うようにしてもよい。
【0024】
また、処理部は、複数の色相情報と単一色相に対するハーフトーンルックアップテーブルでの該当値を比較して、第2多色画像フォーマットの画素状態を判断するようにしてもよい。
【0025】
また、画像の色相情報が単色画像フォーマットでない場合、処理部はイメージを第2多色画像フォーマットでレンダリングし、色相情報を第2多色画像フォーマットの該当色相に対するハーフトーンルックアップテーブルと比較して、第2多色画像フォーマットの該当色相でのピクセル状態を判断するようにしてもよい。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1多色画像フォーマットの画像に対する色相情報を比較して、画像が単色画像フォーマットであるか否かを判断する判断ステップと、色相情報が単色画像フォーマットを表現する色相を含む第2多色画像フォーマットの色相情報に変換される変換ステップと、画像が単色画像フォーマットであるか否かの判断結果に基づいて、単色画像フォーマットを表現する色相に対する色相情報を除外した第2多色画像フォーマットの色相情報を除去する除去ステップと、第2多色画像フォーマットの残りの色相情報をレンダリングするレンダリングステップと、を含むことを特徴とする、画像形成方法が提供される。
【0027】
また、レンダリングステップは、残りの色相情報に対応するハーフトーンルックアップテーブルで画素に対応する値を比較し、第2多色画像フォーマットの残りの色相情報の画素状態を設定するステップを含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、画像データが複合色相の組合せにより具現される場合であっても、単一色相により単色画像を出力することにより印刷品質を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
本発明は、単色画像を出力する画像形成装置及び画像形成方法に関し、より詳しくは、入力された画像データが単色画像フォーマットである場合、多色画像フォーマットの色相の組合せを利用せず、単一色相の画像データを出力する画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、コンピュータ、画像スキャン機器、または文書スキャン機器等のホスト200との通信を行うインターフェース部110を含む。ホスト200と画像形成装置100との間の通信は、プリンタ制御命令の伝達及び画像処理命令の伝達を含むが、これに限定されるものではない。本実施形態においては、インターフェース部110を具現するハードウェアの構成及び通信プロトコルを限定せず、インターフェース部110の具体的詳細は省略する。
【0032】
画像形成装置100は、プリンタや多機能画像形成装置等であってもよい。また、画像形成装置100は、コンピュータまたはプリンタのようなイメージ処理装置に設けられて、以下に説明されるような画像形成処理を実行する。
【0033】
画像形成装置100は、紙などの印刷媒体に出力イメージ(例えば、インジケーション(indication))を表示する出力エンジン(印刷部160と例示される)を含む。印刷部160は、電気設備及び機械設備、インクまたはトナー等の化学製品、及び印刷媒体を含む。印刷部160は、適合した制御システムを通じて制御されて印刷媒体及び化学製品を添加するハードウェアを共に移送して出力媒体に出力画像を形成する。本発明は、印刷部160を具現するためのメカニズムを限定せず、これに対する詳細な説明は簡略化のために省略する。
【0034】
本実施形態に係る画像形成装置100は、以下に説明されるような処理により構成部品の相互稼動を指示し、画像データを処理する判断部120を含む。判断部120は、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)のような汎用のプロセッサ、インベディッドプロセッサのような軽量プロセッサ、または注文型プロセッサで設けられることができる。本発明に係るハードウェアの構成や判断部120の命令語アーキテクチャーは限定されない。また、判断部120は、単一部品として図示されたが、本発明の他の実施形態によれば、複合処理部品を通じた分散処理を実行することもできる。例えば、判断部120は、画像形成装置100のハードウェアメカニズムを稼動するハードウェアコントローラとDSPのような専用イメージプロセッサで構成されて、画像を処理したり、レンダリングを実行したりすることができる。本発明は、本発明の技術的思想から外れない範囲内で、種々の置換変形及び変更が可能であるということは通常の知識を有する者にとって明白である。
【0035】
図面に図示されてはいないが、判断部120は、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)や磁性及び光学媒体のような不揮発性記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性記憶媒体、または不揮発性及び揮発性記憶媒体の組合せによる記憶媒体を設けることができる。判断部120に設けられる記憶媒体は、判断部120により実行されるプロセッサ命令と静的ルックアップテーブルを含む定数データを維持するコードメモリと、多様な段階の処理画像と変数、及び揮発性ルックアップテーブルのような処理データを格納するデータメモリのような複合セグメントを有する。判断部120は、キャッシュメモリ及びパイプラインメモリのように、構成部品の間に配置されるメモリを含む。
【0036】
図1に図示されたように、本発明に係る画像形成装置100は、変換部130、ハーフトーニング処理部140及び抽出部150を含む。これらの各々は判断部120と連結され、判断部120を実行させる同一なプロセッサ上のソフトウェアモジュールで具現される。
【0037】
図7は、本発明の一実施形態にかかる、単一色相の画像を出力する画像形成装置100を説明するための説明図である。上述したように、「単色」イメージフォーマットは、特定色相の明暗イメージに対する色相配合により表される。グレースケール色相配合は、このような単色イメージフォーマットの一例である。「多色」イメージフォーマットは、複数の色相に対する陰影を含む配合である。入力画像データは、赤色、緑色、青色(RGB)の色相空間により定義される多色イメージフォーマットであり、画像形成装置100の出力色相空間は、別途の多色色相空間であるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(CMYK)の色相空間である。本発明の実施形態によると、多色RGB入力データから入力イメージがグレースケールのような単色であると判断されると、出力イメージはCMYK色相空間により定義される多色画像フォーマットの単一色相(例えば、純粋なブラック(K))で出力される。該当技術分野の熟練した当業者は、特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から外れない範囲内で色相空間及び色相の選択により多様に修正及び変更させることができることを理解することができる。
【0038】
図7に示すように、本発明に係る画像形成装置100は、以下で説明されるような判断部120、変換部130、ハーフトーニング処理部140及び抽出部150を含む。
【0039】
判断部120は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の値が混合された画素値の画像データの入力を受けて、入力された画像データが単色配合の画像データであるか否かを判断する。ここで、「色相情報」は、カラー画像データを格納する情報を意味し、本発明の実施形態により格納、検索、評価及び変更されることができる。画素の色相データを格納するメモリ構造は、色相情報として機能する。本発明によると、色相情報は本発明の思想及び領域から外れない範囲内で多数のインプリメンテーションで具現されることができる。
【0040】
一般に、カラーイメージの画像データは、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の量により色相を定義する色相情報を有する。
【0041】
上記RGB情報は、色調、明度、及び彩度の3属性に区分される。色調は、RGB色相配合に対するカラーとして感知される特性であり、R、G、Bに区分される。明度は色相の明暗度合いを表し、彩度は色相の鮮明度を表す。
【0042】
本実施形態によれば、判断部120は、色相情報を検査してRGB値が互いに同等であるか否かを判断する。この際、判断部120は、画像データが単色イメージフォーマットで構成されるように他の構成部品に指示する。
【0043】
例えば、色相情報は、256段階に細分化されて最も暗い黒色を“0”に、最も明るい白色が“255”に定めた256段階中の1つの段階を表す。
【0044】
本実施形態によれば、判断部120は、画像データのRGB値を保持する色相情報が各々同一である場合、画像データを単色の画像フォーマットと判断する。
【0045】
例えば、R、G、Bデータの色相情報が0に同一な場合(R=0、G=0、B=0)、上記画像データを黒色に対する画像データと判断することになる。また、R、G、Bの色相情報が255に同一な場合(R=255、G=255、B=255)、上記画像データを白色に対する画像データと判断することになる。
【0046】
図2は、メモリに格納された単色の画像データの色相情報を示す図である。図2に示すように、メモリにはR、G、Bの各々に対する色相情報が格納されており、(1、1、1)、(33、33、33)、(231、231、231)、(65、65、65)のように、R、G、Bの色相情報が各々同一である場合、該当画像データを単色と判断して単一黒色で出力する。図3は、カラーイメージの画像データを表し、ここで、図3のカラーイメージと図2の単色イメージとの間の差が明確に表れる。
【0047】
次に、変換部130は、画像データをプリンタ6の専用カラーフォーマットに変換する。本実施形態によると、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒色(K)の組合せを利用した多色画像フォーマットを通じて出力イメージを表す。
【0048】
ここで、単色画像に対するシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒色(K)データは、下記の式を利用して変換されることが好ましい。
【0049】
C(=M=Y=K)=255−R(=G=B)
【0050】
仮に、入力される画像データのR、G、B値が全て250であれば、データは単色画像フォーマットであることを表し、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データは5に変換される。
【0051】
上述したように、画像データをシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックデータに変換する処理を実行した後、ハーフトーニング処理部140は、変換されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と、既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値を出力して格納する。このようなハーフトーンテーブルは、適切なハーフトーンプロセスにより生成されてメモリに格納される。このようなハーフトーンテーブルは、所定の色相値に対して特定値が出力されるレベルを設定するように生成され、以下では、これについて詳細に説明する。
【0052】
例えば、図4は、本発明の一実施形態により変換されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報を各々比較した結果値を示している。図4に示すように、シアン、マゼンタ、イエロー、及び黒色データの色相情報と既に設定された同一なハーフトーンテーブルの色相情報を各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値を出力することになる。
【0053】
図4において、既に設定された各々のハーフトーンテーブルは黒色に該当するハーフトーンテーブルであることが好ましい。この場合、判断部120が上記画像データを単一画像フォーマットに対応させることと仮定する。
【0054】
即ち、上記シアン、マゼンタ、イエロー、及び黒色データの色相情報は、出力多色画像フォーマットの単一色相(例えば、ブラック)に対する同一ハーフトーンテーブルに格納されたデータと比較されて、シアン、マゼンタ、イエロー、及び黒色の結果値は同一な結果値として出力される。
【0055】
ハーフトーニング処理部140は、変換されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較して、上記シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報が上記ハーフトーンテーブルの色相情報より大きいか等しい場合、“1”の結果値を出力して格納する。
【0056】
ピクセル単位、即ちバイト単位の画像データは、文書上でビットで表現しなければならないので、上記ピクセル単位をビット単位で表現するために結果値を“0”、“1”の2進法で表現することになる。
【0057】
したがって、上記シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報が上記ハーフトーンテーブルの色相情報より大きいか等しい場合、“1”の結果値を出力することになる。上述したように、ハーフトーンテーブルの値は“1”の出力値を定めるためのしきい値を定義する。
【0058】
ハーフトーニング処理部140は、上記変換されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報を各々比較して、上記シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報が上記ハーフトーンテーブルの色相情報より小さい場合、“0”の結果値を出力することになる。
【0059】
次に、抽出部150は、上記格納されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値のうち、多色出力画像フォーマットの単色の結果値を抽出する。
【0060】
即ち、多色画像フォーマットの色相の組合せを使用せず、多色画像フォーマットの単一色相を出力するために、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値のうち、単色(例えば、ブラック)の結果値のみを抽出する。
【0061】
上記したように、黒色の結果値を抽出するために出力される画像データからシアン、マゼンタ、イエローの結果値を分離して除去することも可能である。
【0062】
印刷部160は、判断部120から単一色相(例えば、ブラック)の結果値に対する画像データの入力を受けて純粋な単色の画像を出力する。
【0063】
一方、判断部120は、画像が多色画像であるか否かを判断し、図3に示すように、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と各色相別に既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較して結果値を得る。図5に示すように、上記入力された画像データが単色に対する画像データでない場合、変換部130は上記画像データをシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データに各々変換し、ハーフトーニング処理部140は、上記変換されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と、各色相別に既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値を出力して格納する。
【0064】
具体的に説明すると、上記シアンデータの色相情報は既に設定されたシアンに該当するハーフトーンテーブルの色相情報と比較してシアンの結果値を出力して格納する。上記マゼンタ、イエロー、黒色の色相情報は、既に設定されたマゼンタ、イエロー、黒色に該当するハーフトーンテーブルの色相情報と各々比較して、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値を出力して格納する。
【0065】
したがって、上記メモリに格納されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値を利用して有彩色の画像データを出力することになり、出力画像は多色色相配合により表現される。
【0066】
以下、本実施形態に係る画像形成装置100による画像形成処理について説明する。
【0067】
図6は、本発明の好ましい実施形態に係る画像形成装置のカラー画像出力過程を説明するためのフローチャートである。まず、判断部120は、RGBの混合により表現された画像データの入力を受けて、入力された画像データが単色の画像データであるか否かを判断する(S500)。
【0068】
ここでは、上記画像データのRGBに対する色相情報が各々同一であるか否かを比較して、無彩色の画像データであるか否かを判断する。より具体的には、上記画像データのRGBに対する色相情報が各々同一である場合、上記入力された画像データを単色の画像データと判断する。
【0069】
上記画像データが単色の画像データである場合、上記画像データをシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データに各々変換する(S510)。
【0070】
ここで、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データは、下記の式を利用して変換される。
【0071】
C(=M=Y=K)=255−R(=G=B)
【0072】
上述したように、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データに変換する処理を実行した後、上記変換されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と単一色相に対して既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較し、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報が単一色相に対するハーフトーンテーブルの色相情報より大きいか等しいかを判断する(S520)。
【0073】
シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報がハーフトーンテーブルの色相情報より大きいか等しい場合、“1”の結果値を出力してメモリに格納する(S530)。
【0074】
一方、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報がハーフトーンテーブルの色相情報より小さい場合、“0”の結果値を出力して格納する(S540)。
【0075】
次に、格納されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値のうち、黒色の結果値を抽出する(S550)。
【0076】
本発明の他の実施形態によると、出力画像データ中からシアン、マゼンタ、イエローに対する結果値を削除することによって、黒色の結果値のみを抽出することができる。
【0077】
一方、上記画像データが単色の画像データでない場合、画像データは、シアン、マゼンタ、イエロー、及び黒色データに変換される(S560)。
【0078】
シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データに変換する処理を実行した後、変換されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と、各色相別に既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較して、上記シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報が上記ハーフトーンテーブルの色相情報より大きいか等しいかを判断する(S570)。
【0079】
シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報がハーフトーンテーブルの色相情報より大きいか等しい場合、“1”の結果値を出力して格納する(S580)。
【0080】
一方、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報がハーフトーンテーブルの色相情報より小さい場合、“0”の結果値を出力して格納する(S590)。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】メモリに格納された単色に対する画像データの色相情報を示す図である。
【図3】メモリに格納された多色に対する画像データの色相情報を示す図である。
【図4】シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と、本発明により既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較した結果値を示す図である。
【図5】シアン、マゼンタ、イエロー、黒色データの色相情報と、本発明により各色相別に既に設定されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較した結果値を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置のカラー画像出力過程を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0083】
100 画像形成装置
110 インターフェース部
120 判断部
130 変換部
140 ハーフトーニング処理部
150 抽出部
160 印刷部
200 ホスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データが単色であるか否かを判断する判断部と、
前記画像データが単色と判断された場合、前記画像データをシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データに各々変換する変換部と、
前記変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの色相情報と予め格納されたハーフトーンテーブルの情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成するハーフトーニング処理部と、
前記生成されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値のうち、前記黒色の結果値のみを抽出する抽出部と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記画像データのRGB値が互いに同一であるか否かを判定し、前記RGBサイズが互いに同一である場合、前記画像データが単色であると判断することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ハーフトーニング処理部は、前記変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの情報と予め格納された黒色用ハーフトーンテーブルの情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記抽出部は、前記生成されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値のうち、シアン、マゼンタ及びイエローに対する結果値を削除し、前記黒色の結果値のみを抽出することを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像データが単色であるか否かを判断する判断ステップと、
前記画像データが単色である場合、前記画像データをシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データに各々変換する変換ステップと、
前記変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの色相情報と予め格納されたハーフトーンテーブルの色相情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成するハーフトーニング処理ステップと、
前記生成されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値のうち、前記黒色の結果値のみを抽出する抽出ステップと、
を含むことを特徴とする、画像形成方法。
【請求項6】
前記判断ステップにおいて、前記画像データのRGB値が互いに同一であるか否かを判定し、前記RGB値が互いに同一である場合、前記画像データが単色であると判断することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記ハーフトーニング処理ステップにおいて、前記変換されたシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データの色相情報と予め格納された黒色用ハーフトーンテーブルの情報とを各々比較して、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の結果値を生成することを特徴とする、請求項5または6のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項8】
前記抽出ステップにおいて、前記生成されたシアン、マゼンタ、イエロー、黒色の結果値のうち、シアン、マゼンタ及びイエローに対する結果値を削除し、前記黒色の結果値のみを抽出することを特徴とする、請求項7に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記画像データは、RGBの混合により表現されることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項10】
色相データの色相情報及びハーフトーンテーブルの色相情報によって複数の色相データに対する結果値を生成する処理部と、
前記色相データの結果値のうち、黒色に対する結果値を抽出する抽出部と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項11】
前記複数の色相データは、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色データを含むことを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記処理部は、前記色相データの各々の色相情報と前記ハーフトーンテーブルの該当色相情報との間の比較により生成される結果値によって第1値及び第2値を生成することを特徴とする、請求項10または11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記抽出部は、前記色相データが単色の場合に、黒色に対する結果値を抽出することを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
第1多色画像フォーマットの色相を有する複数の色相情報を含むイメージを提供するイメージソースと、
前記イメージの色相情報が単色画像フォーマットに該当するか否かを判断し、前記イメージの色相情報が単色画像フォーマットの場合、前記イメージを第2多色イメージフォーマットの単一色相でレンダリングする処理部と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項15】
前記処理部は、前記第1多色画像フォーマットに対する複数の色相情報を前記第2多色画像フォーマットに対する複数の色相情報に変換し、前記第1多色画像フォーマットの色相情報に基づいて、前記イメージの色相情報が前記単色画像フォーマットに該当するか否かの判断を行うことを特徴とする、請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記処理部は、前記複数の色相情報と前記単一色相に対するハーフトーンルックアップテーブルでの該当値を比較して、前記第2多色画像フォーマットの画素状態を判断することを特徴とする、請求項14または15のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記画像の色相情報が単色画像フォーマットでない場合、前記処理部は前記イメージを前記第2多色画像フォーマットでレンダリングし、前記色相情報を第2多色画像フォーマットの該当色相に対するハーフトーンルックアップテーブルと比較して、前記第2多色画像フォーマットの該当色相でのピクセル状態を判断することを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項18】
第1多色画像フォーマットの画像に対する色相情報を比較して、画像が単色画像フォーマットであるか否かを判断する判断ステップと、
前記色相情報が前記単色画像フォーマットを表現する色相を含む第2多色画像フォーマットの色相情報に変換される変換ステップと、
前記画像が前記単色画像フォーマットであるか否かの判断結果に基づいて、前記単色画像フォーマットを表現する色相に対する色相情報を除外した前記第2多色画像フォーマットの色相情報を除去する除去ステップと、
前記第2多色画像フォーマットの残りの色相情報をレンダリングするレンダリングステップと、
を含むことを特徴とする、画像形成方法。
【請求項19】
前記レンダリングステップは、前記残りの色相情報に対応するハーフトーンルックアップテーブルで画素に対応する値を比較し、前記第2多色画像フォーマットの残りの色相情報の画素状態を設定するステップを含むことを特徴とする、請求項18に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−172789(P2008−172789A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−798(P2008−798)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】