説明

画像形成装置用の駆動装置、及びこれを用いた画像形成装置

【課題】駆動源の低速時のトルク余裕度による発熱、振動を、スペース、コスト、制御容量を増やさずに低減する画像形成装置を提供する。
【解決手段】駆動源1に設けた駆動源回転軸2は、第一の回転軸群であるY色像担持体ギヤ7、M色像担持体ギヤ8、C色像担持体ギヤ9に連結する。また、電磁クラッチ19を介して廃トナー回収容器4に設けた第二の回転軸である攪拌板駆動ギヤ10に連結する。駆動源1が高速回転時にはY色像担持体ギヤ7等を駆動させ、攪拌板駆動ギヤ10は駆動させないための駆動遮断機構を備える。駆動源1の低速回転時にはY色像担持体ギヤ7等を駆動させ、駆動源1の高速回転時の上限トルクと、駆動源1の高速回転時の上限トルクより大きくなる低速回転時の上限トルクとの差分トルクを用いて攪拌板駆動ギヤ10を駆動し、トルク余裕度を低減させ、駆動源の発熱、振動を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複写機やプリンタ、ファクシミリ、これらの複合装置等の画像形成装置に関し、詳細にはこれら装置の駆動源への駆動伝達機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置に用いられるモータは、画質、用紙種類に応じて速度の異なるモードを必要とする。モードによっては、モータ低速時の許容トルクが高速時よりも余裕度が大きくなり、発熱や振動の副作用が発生していた。これを回避するために、モータ電流制御を行ってトルク余裕度を減らす技術が提案され、既に用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら従来のトルク余裕度を減らす方式では、駆動源への供給電流を制御する必要があり、具体的にはPWM制御方式や、制御電流値ごとにチャンネルを切り替える方式が用いられている。このような制御を行う場合、制御に伴うソフト容量、制御部品配置スペース、コストが大きくなる。また、固定値で制限された抵抗で突入電流を制御してトルク余裕度を減らす駆動源を使用する場合、駆動源上の抵抗値切り替えが困難且つ、スペース、コスト、制御が必要になり、小型ローコスト画像形成装置の提供が困難になるという問題がある。
【0004】
特許文献1には、駆動モータの小型化を実現するために、直流モータのブラシをコモンブラシと高速用ブラシ、コモンブラシと低速用ブラシに制御回路で切り替えることにより、コモンブラシと高速用ブラシ通電時には高速低トルク、コモンブラシと低速用ブラシ通電時には低速高トルクを実現させる構成が開示されている。
【0005】
しかしながら、制御に伴うソフト容量、制御部品配置スペース、コストが大きくなり、小型ローコスト画像形成装置の提供が困難になるという問題は解消できていない。
【0006】
そこで本発明は、画像形成装置が備える駆動源の低速時のトルク余裕度による発熱、振動を、スペース、コスト、制御容量を増やさずに低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、駆動源、第一の回転軸、第二の回転軸と、前記駆動源が高速回転時には前記第一の回転軸を駆動させ、前記第二の回転軸は駆動させないための駆動遮断機構とを備え、前記駆動源の低速回転時には第一の回転軸を駆動させ、前記駆動源の高速回転時の上限トルクと、該駆動源の高速回転時の上限トルクより大きくなる低速回転時の上限トルクとの差分トルクを用いて、前記第二の回転軸を駆動することを特徴とする。
【0008】
同請求項2に係るものは、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第一の回転軸が像担持体の回転軸であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係るものは、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第二の回転軸が廃トナー攪拌機構のカム軸であることを特徴とする。
【0010】
同請求項4に係るものは、駆動源と第一の回転軸を備え、前記駆動源が高速回転時には前記第一の回転軸を駆動させ、前記駆動源が低速回転時には、前記駆動源の高速時上限トルクと、該上限トルクより大きくなる低速時上限トルクとの差分トルクを用いて、高速時よりもトルクが大きくなる前記第一の回転軸を駆動することを特徴とする。
【0011】
同請求項5に係るものは、請求項4に記載の画像形成装置において、前記第一の回転軸がシート搬送ローラであることを特徴とする。
【0012】
同請求項6に係るものは、請求項4に記載の画像形成装置において、前記第一の回転軸が廃トナー攪拌軸であることを特徴とする。
【0013】
同請求項7に係るものは、請求項4に記載の画像形成装置において、前記第一の回転軸がトナー補給軸であることを特徴とする。
【0014】
同請求項8に係るものは、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源はブラシレスモータであることを特徴とする。
【0015】
同請求項9に係るものは、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源はブラシモータであることを特徴とする。
【0016】
同請求項10に係るものは、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源はステッピングモータであることを特徴とする。
【0017】
同請求項11に係るものは、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源の回転方向は時計回りであることを特徴とする。
【0018】
同請求項12に係るものは、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記回転方向は反時計回りであることを特徴とする。
【0019】
同請求項13に係るものは、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第二の回転軸の回転方向は時計回りであることを特徴とする。
【0020】
同請求項14に係るものは、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第二の回転軸の回転方向は反時計回りであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、駆動源の低速時のトルク余裕度による発熱、振動を、スペース、コスト、制御容量を増やさずに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施例1と、同装置での駆動伝達構成について説明するための断面図
【図2】図1の装置において、駆動源がブラシモータ、ブラシレスモータ、ステッピングモータの場合のトルクと回転数の関係を説明するための図
【図3】図1に示した駆動伝達構成を補足するための側面図
【図4】画像形成装置と駆動伝達構成の本発明の実施例2について説明するための図1相当の断面図
【図5】画像形成装置と駆動伝達構成の本発明の実施例3について説明するための図1相当の断面図
【図6】本発明に係る画像形成装置の実施例4と、同装置での駆動伝達構成について説明するための図1相当の断面図
【図7】図6の装置において、駆動源がブラシモータ、ブラシレスモータ、ステッピングモータの場合のトルクと回転数の関係を説明するための図
【図8】本発明に係る画像形成装置の実施例5と、同装置での駆動伝達構成について説明するための図1相当の断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
画像形成装置が備える駆動源への駆動伝達機構について、低速時にトルク余裕度が大きくなる駆動源の特性を利用し、増えたトルク余裕度を用いて低速時のみ動作する機構に駆動を伝達させ、トルク余裕度を低減させることで、駆動源の発熱、振動を低減させることを実現した。
【実施例】
【0024】
<実施例1>
図1は本発明に係る画像形成装置の実施例1と、同装置での駆動伝達構成について説明するための断面図であり、図2は駆動源(駆動源がブラシモータ、ブラシレスモータ、ステッピングモータの場合)のトルクと回転数の関係を説明する図であり、図3は図1に示した画像形成装置の駆動伝達構成を補足するための側面図である。なお以下では、「C」はシアン、「M」はマゼンタ、「Y」はイエロー、「Bk」はブラックという色、またはその色のトナー、さらにはそのような色のトナーを処理するための構成要素であることを示す略字である。例えばY像担持体、Y色像担持体は、色がイエローの像を担持するための感光体などの担持体であることを示す。
【0025】
図1の画像形成装置3においては、駆動源1に設けられた駆動源回転軸2があり、駆動源回転軸2は、M減速ギヤ18を介して第一の回転軸群である、Y色像担持体と同軸上に配置されたY色像担持体ギヤ7、M色像担持体と同軸上に配置されたM色像担持体ギヤ8、そしてC色像担持体と同軸上に配置されたC色像担持体ギヤ9に連結されている。また、駆動源回転軸2は、電磁クラッチ19を介して廃トナー回収容器4に設けられた第二の回転軸である攪拌板駆動ギヤ10に連結されている。
【0026】
廃トナー回収容器4の内側には、廃トナー回収容器4と一体化された攪拌板受け台6と攪拌板受け台21の上に載せられたカム摺動部12aと、カム摺動部12bに接続された攪拌板5と、攪拌板駆動ギヤ10の同軸上に設けられたカム11と、転写廃トナー排出口13と、Bk廃トナー排出口14と、Y廃トナー排出口15と、M廃トナー排出口16と、C廃トナー排出口17が配置されている。転写廃トナー排出口13と、Bk廃トナー排出口14と、Y廃トナー排出口15と、M廃トナー排出口16と、C廃トナー排出口17からは、画像形成後に発生するトナーが排出される。
【0027】
ところでこれを放置していると、廃トナー回収容器4内に偏って廃トナーが蓄積され、廃トナーが満杯検知センサ23に検出されず、廃トナー回収容器4外にあふれ出る場合や、廃トナー排出口が詰まることにより、廃トナー回収容器4内にトナーを排出できなくなる。そこで、廃トナー回収容器4内に十分な廃トナーを詰められ、満杯検知センサ23で検出できるように、廃トナー回収容器4内の廃トナーを攪拌して均等に慣らすために、カム11を用いた廃トナー攪拌機構を設ける。
【0028】
ところが、駆動源1を高速モードとして2000r/minで時計回りに回転させる時、駆動源1の出し得る最大トルクは、図2のように、M減速ギヤ18を駆動するのに必要なトルク0.08N・m以上の0.1N・mであり、M減速ギヤ18と、電磁クラッチ19を介したカム11を同時に駆動させたいが、M減速ギヤ18を駆動するのに必要なトルク0.08N・mと電磁クラッチ19を介したカム11を駆動させるトルク0.04N・mの合計が0.12N・mであるため、最大トルク0.1N・mを超えることから、トルク不足により駆動させることができない。また、低速モード時においては、駆動源1の最大トルクが増加することより、駆動源1から振動や発熱が発生する問題があることは上述の通りである。
【0029】
そこで、低速モード時に増加する駆動源1の最大トルク量を利用してカム11を駆動させ、廃トナーを攪拌させる。以下にその方法を記載する。
まず、高速モード時には電磁クラッチ19への電源供給を遮断し、M減速ギヤ18を介した第一の回転軸群のみを駆動させる、そして、駆動源1を低速モードとして1000r/minで時計回りに回転させる時、電磁クラッチ19への電源供給が行われ、駆動源1の出し得る最大トルクは、図2のように、M減速ギヤ18を駆動するのに必要なトルク0.08N・mと電磁クラッチ19を介してカム11を駆動させるトルク0.04N・mの合計0.12N・m以上である0.15N・mとなる。
【0030】
この時、カム11が時計回りに回転してカム摺動部12aに接触し、攪拌板5が攪拌板移動方向22の方向に直線運動をする。また、カム11がカム摺動部12bに接触すると、攪拌板5が攪拌板移動方向20の方向に直線運動をする。カム11の回転が継続されると、攪拌板5は攪拌板移動方向20と22の方向に直線運動を繰り返す。
【0031】
この動作により、廃トナー回収容器4内に蓄積された廃トナーを廃トナー回収容器4内で均等に攪拌でき、廃トナー回収容器4内の廃トナー容量を確保できる。この低速モードが必要な時は、高画質な画像形成が必要な時になるため、通常印刷時には高速モードで画像形成される。そのため、高画質印刷を行わないユーザの場合、廃トナー攪拌が実施されない。これを回避するために、一定時間間隔で実施される画像位置調整動作の後に低速モード切り替えを行い、カム11を駆動させ、廃トナーを攪拌させる。また、低速モードでの印刷時においては、常時カム11を駆動させることにより、駆動源の最大出力を増やすことなく、廃トナー攪拌を実施でき、低速時に増加するトルクマージンも抑制でき、駆動源の振動発生と、発熱増加を抑えることができる。
【0032】
<実施例2>
図4は、画像形成装置と駆動伝達構成の本発明の実施例2について説明するための図1相当の断面図であり、駆動源1の回転方向は反時計回りとする。なお、以下の説明では図2をも参照して説明する。
【0033】
図4において、駆動源1に設けられた駆動源回転軸2があり、駆動源回転軸2は、アイドラギヤ24とM減速ギヤ18を介して第一の回転軸群であるY色像担持体と同軸上に配置されたY色像担持体ギヤ7と、M色像担持体と同軸上に配置されたM色像担持体ギヤ8と、C色像担持体と同軸上に配置されたC色像担持体ギヤ9に連結されている。また、駆動源回転軸2は、アイドラギヤ24と電磁クラッチ19を介して廃トナー回収容器4に設けられた第二の回転軸である攪拌板駆動ギヤ10に連結されている。この実施例でも駆動源1の最大トルクが増加することより、駆動源1から振動や発熱が発生する問題があることは上述の通りである。
【0034】
そこで本実施例での、低速モード時に増加する駆動源1の最大トルク量を利用してカム11を駆動させ、廃トナーを攪拌させる方法を説明する。
まず、高速モード時には電磁クラッチ19への電源供給を遮断し、アイドラギヤ24とM減速ギヤ18を介した第一の回転軸群のみを駆動させる、そして、駆動源1を低速モードとして1000r/minで反時計回りに回転させる時、電磁クラッチ19への電源供給が行われ、駆動源1の出し得る最大トルクは、図2のように、アイドラギヤ24を介したM減速ギヤ18を駆動するのに必要なトルク0.08N・mとアイドラギヤ24を介してカム11を駆動させるトルク0.04N・mの合計0.12N・m以上である0.15N・mとなる。
【0035】
この時、カム11が時計回りに回転してカム摺動部12aに接触し、攪拌板5が攪拌板移動方向22の方向に直線運動をする。また、カム11がカム摺動部12bに接触すると、攪拌板5が攪拌板移動方向20の方向に直線運動をする。カム11の回転が継続されると、攪拌板5は攪拌板移動方向20と22の方向に直線運動を繰り返す。この動作により、廃トナー回収容器4内に蓄積された廃トナーを廃トナー回収容器4内に均等に攪拌でき、廃トナー回収容器4内の廃トナー容量を確保する。この低速モードが必要な時は、高画質な画像形成が必要な時になるため、通常印刷時には高速モードで画像形成される。そのため、高画質印刷を行わないユーザの場合、廃トナー攪拌が実施されない。これを回避するために、一定時間間隔で実施される画像位置調整動作の後に低速モード切り替えを行い、カム11を駆動させ、廃トナーを攪拌させる。また、低速モードでの印刷時においては、常時カム11を駆動させることにより、駆動源の最大出力を増やすことなく、廃トナー攪拌を実施でき、低速時に増加するトルクマージンも抑制でき、駆動源の振動発生と、発熱増加を抑えることができる。
【0036】
<実施例3>
図5は、画像形成装置と駆動伝達構成の本発明の実施例3について説明するための図1相当の断面図であり、本実施例では第二の回転軸である攪拌板駆動ギヤ10の回転方向は反時計回りとする。なお、以下の説明では図2をも参照して説明する。
【0037】
図5において、駆動源1に設けられた駆動源回転軸2があり、駆動源回転軸2は、M減速ギヤ18を介して第一の回転軸群であるY色像担持体と同軸上に配置されたY色像担持体ギヤ7と、M色像担持体と同軸上に配置されたM色像担持体ギヤ8と、C色像担持体と同軸上に配置されたC色像担持体ギヤ9に連結されている。また、駆動源回転軸2は、アイドラギヤ25と電磁クラッチ19を介して廃トナー回収容器4に設けられた第二の回転軸である攪拌板駆動ギヤ10に連結されている。この実施例でも駆動源1の最大トルクが増加することより、駆動源1から振動や発熱が発生する問題があることは上述の通りである。
【0038】
そこで本実施例での、低速モード時に増加する駆動源1の最大トルク量を利用してカム11を駆動させ、廃トナーを攪拌させる方法を説明する。
まず、高速モード時には電磁クラッチ19への電源供給を遮断し、M減速ギヤ18を介した第一の回転軸群のみを駆動させる、そして、駆動源1を低速モードとして1000r/minで時計回りに回転させる時、電磁クラッチ19への電源供給が行われ、駆動源1の出し得る最大トルクは、図2のように、M減速ギヤ18を駆動するのに必要なトルク0.08N・mとアイドラギヤ25を介してカム11を駆動させるトルク0.04N・mの合計0.12N・m以上である0.15N・mとなる。
【0039】
この時、カム11が時計回りに回転してカム摺動部12aに接触し、攪拌板5が攪拌板移動方向22の方向に直線運動をする。また、カム11がカム摺動部12bに接触すると、攪拌板5が攪拌板移動方向20の方向に直線運動をする。カム11の回転が継続されると、攪拌板5は攪拌板移動方向20と22の方向に直線運動を繰り返す。攪拌板駆動ギヤ10の回転方向は既述の通り反時計回りである。
【0040】
この動作により、廃トナー回収容器4内に蓄積された廃トナーを廃トナー回収容器4内で均等に攪拌でき、廃トナー回収容器4内の廃トナー容量を確保できる。この低速モードが必要な時は、高画質な画像形成が必要な時になるため、通常印刷時には高速モードで画像形成される。そのため、高画質印刷を行わないユーザの場合、廃トナー攪拌が実施されない。これを回避するために、一定時間間隔で実施される画像位置調整動作の後に低速モード切り替えを行い、カム11を駆動させ、廃トナーを攪拌させる。また、低速モードでの印刷時においては、常時カム11を駆動させることにより、駆動源の最大出力を増やすことなく、廃トナー攪拌を実施でき、低速時に増加するトルクマージンも抑制でき、駆動源の振動発生と、発熱増加を抑えることができる。
【0041】
<実施例4>
図6は、画像形成装置と駆動伝達構成の本発明の実施例4について説明するための図1相当の断面図、図7は、図6の装置において、駆動源がブラシモータ、ブラシレスモータ、ステッピングモータの場合のトルクと回転数の関係を説明するための図である。
【0042】
図6の画像形成装置31は、給紙系に駆動源32が設けられており、駆動伝達手段33、電磁クラッチ34を介してレジストローラ軸35に連結されている。駆動源32は、ブラシレスモータ、ブラシモータ、ステッピングモータのいずれでも良い。
【0043】
駆動源32を高速モードとして2000rpmで時計回りに回転させる時、駆動源32の出し得る最大トルクは、図7に示すように、0.1N・mである。また、駆動源32を低速モードとして1000r/minで時計回りに回転させる時、駆動源32の出し得る最大トルクは、0.23N・mとなり、高速時よりも大きくなる。このため、低速時においては過剰なトルク余裕度が発生し、それによって駆動源32の振動が高速時よりも大きくなることがある。
【0044】
ここで、低速モードが必要な時とは、搬送シート厚が大きい場合や、高画質を要求する場合であり、通常印刷時には高速モードで画像形成される。例えばレジストローラ軸35を低速で駆動させる場合、搬送シートが厚いため、搬送シートのグリップ力を通常印刷時よりも大きくする。そのため、レジストローラ軸35トルクを大きくする必要がある。この低速時に増加が必要なトルクを、駆動源32の低速時に得られるトルク余裕度を用いることにより、低速時の振動増加による搬送シートへの振動伝播騒音悪化を抑制できる。また、低速時に必要なトルクの確保を行うことが可能となる。
【0045】
<実施例5>
図8は画像形成装置と駆動伝達構成の本発明の実施例5について説明するための図1相当の断面図で、画像形成装置のトナー補給駆動伝達構成及び、廃トナー攪拌駆動伝達構成について示している。実施例4の説明に用いた図7をも参照して説明する。
【0046】
図8の画像形成装置41は、廃トナー搬送・攪拌系に駆動源42が設けられており、駆動伝達手段43を介して転写駆動ギヤ44に連結されている。また、駆動伝達手段43、Y電磁クラッチ49を介してYトナー補給軸45に、M電磁クラッチ50を介してMトナー補給軸46に、C電磁クラッチ51を介してCトナー補給軸47に、Bk電磁クラッチ52を介してBkトナー補給軸48に、それぞれ連結されている。さらに、駆動伝達手段43は、攪拌駆動伝達手段59を介して廃トナーボックス60内にある廃トナー攪拌軸53に連結されている。駆動源42は、ブラシレスモータ、ブラシモータ、ステッピングモータのいずれでも良い。
【0047】
そして実施例4と同様に、駆動源42を高速モードとして2000rpmで時計回りに回転させる時、駆動源42の出し得る最大トルクが、図7に示すように0.1N・mであり、駆動源42を低速モードとして1000r/minで時計回りに回転させる時、駆動源42が出し得る最大トルクが0.23N・mとなり、高速時よりも大きくなるものとする。すると、低速時においては過剰なトルク余裕度が発生するため、駆動源42の振動が高速時よりも大きくなる。この低速モードが必要な時とは、例えば、搬送シートが厚い場合や、形成する画像が高画質であることを要求され、通常印刷時には高速モードで画像形成される場合である。
【0048】
Y、M、C、BKのいずれかのトナー補給が必要な時、電磁クラッチ49〜52のいずれかをオンさせると、対応するいずれかのトナー補給軸45〜48に駆動力が伝達され、トナー補給が実施される。
【0049】
廃トナーは、転写廃トナー排出口54と、Y像担持体廃トナー排出口55と、M像担持体廃トナー排出口56と、C像担持体廃トナー排出口57と、Bk像担持体廃トナー排出口58と連結された廃トナー搬送ダクト61を経由して廃トナーボックス60に回収される。
【0050】
トナー補給軸45〜48は、転写駆動ギヤ44と連結しているため、高画質モードや厚紙モードの際には低速動作となる。また、像担持体廃トナー排出口55〜58においても、転写駆動ギヤ44と同様の作像動作を行うため、連動して廃トナーの移動が低速となる。するとこの時、トナー補給軸45〜48を駆動するためのトルクが大きくなり、廃トナーを搬送するためのトルクも送り速度の低下に伴って増加する。この低速時に増加が必要なトルクを、駆動源42の低速時に得られるトルク余裕度を用いることにより、低速時の振動増加の抑制及び、低速時に必要なトルクの確保を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0051】
1:駆動源
2:駆動源回転軸
3:画像形成装置
4:廃トナー回収容器
5:攪拌板
6:攪拌板受け台
7:Y色像担持体ギヤ
8:M色像担持体ギヤ
9:C色像担持体ギヤ
10:攪拌板駆動ギヤ
11:カム
12a、12b:カム摺動部
13:転写廃トナー排出口
14:Bk廃トナー排出口
15:Y廃トナー排出口
16:M廃トナー排出口
17:C廃トナー排出口
18:M減速ギヤ
19:電磁クラッチ
20、22:攪拌板移動方向
21:攪拌板受け台
23:満杯検知センサ
24:アイドラギヤ
31:画像形成装置
32:駆動源
33:駆動伝達手段
34:電磁クラッチ
35:レジストローラ軸
41:画像形成装置
42:駆動源
43:駆動伝達手段
44:転写駆動ギヤ
45〜48:トナー補給軸
49〜52:電磁クラッチ
53:廃トナー攪拌軸
54:転写廃トナー排出口
55〜58:像担持体廃トナー排出口
59:攪拌駆動伝達手段
60:廃トナーボックス
61:廃トナー搬送ダクト
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2003−278441号公報
【特許文献2】特開2006−114194号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源、第一の回転軸、第二の回転軸と、前記駆動源が高速回転時には前記第一の回転軸を駆動させ、前記第二の回転軸は駆動させないための駆動遮断機構とを備え、
前記駆動源の低速回転時には第一の回転軸を駆動させ、
前記駆動源の高速回転時の上限トルクと、該駆動源の高速回転時の上限トルクより大きくなる低速回転時の上限トルクとの差分トルクを用いて、前記第二の回転軸を駆動する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記第一の回転軸が像担持体の回転軸であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記第二の回転軸が廃トナー攪拌機構のカム軸であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
駆動源と第一の回転軸を備え、
前記駆動源が高速回転時には前記第一の回転軸を駆動させ、
前記駆動源が低速回転時には、前記駆動源の高速時上限トルクと、該上限トルクより大きくなる低速時上限トルクとの差分トルクを用いて、高速時よりもトルクが大きくなる前記第一の回転軸を駆動する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、前記第一の回転軸がシート搬送ローラであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像形成装置において、前記第一の回転軸が廃トナー攪拌軸であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4に記載の画像形成装置において、前記第一の回転軸がトナー補給軸であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源はブラシレスモータであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源はブラシモータであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源はステッピングモータであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動源の回転方向は時計回りであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記回転方向は反時計回りであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第二の回転軸の回転方向は時計回りであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第二の回転軸の回転方向は反時計回りであることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−257737(P2011−257737A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72564(P2011−72564)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】