説明

画像形成装置用機能拡張ボード、画像形成装置

【課題】接続や利用は容易であって悪用、解析が困難である画像形成装置用機能拡張ボード、画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置に着脱可能に形成されたコネクタと、画像形成装置に対して所定の機能を提供する機能提供手段と、画像形成装置よりパスワードを受信する第一の通信経路と、画像形成装置に上記所定の機能の提供を行う第二の通信経路と、第一の通信経路を介して受信した上記パスワードを認証する認証手段と、認証手段にてパスワードが認証された場合のみ第二の通信経路による機能の提供を許可する通信制御手段とを備える画像形成装置用機能拡張ボード、及び当該ボードと通信可能な画像形成装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複写機、プリンタ、スキャナなどの画像形成装置及び当該画像形成装置にて利用される機能拡張ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置は年々多機能になり、画像処理装置が提供する印刷機能、コピー機能、FAX機能等の基本機能に加えて、ユーザが複数のオプション機能を選択することが可能となっている。
【0003】
オプション機能を選択することで例えば両面原稿自動送り装置やフィニッシャなどの外部接続機器が追加され、メニュー画面にてこれらオプションを利用・設定するためのメニューが表示される。
【0004】
また、外部接続機器を伴わないオプション機能については、例えば特開2004−112627号公報に、PCI−Express(R)のインターフェイス規格を採用した画像形成装置に関する技術が開示されている。この画像形成装置では、機能拡張ボードにPCI−Express(R)を採用し、当該機能拡張ボードを画像形成装置に接続することで当該機能拡張ボード上にて実装される機能を画像形成装置が提供可能となっている。
【0005】
また、規格の異なる、あるいは不正を目的とした不正デバイスが上記画像形成装置に接続されて利用されることを防止するために、機能拡張ボードにセキュリティ機能を搭載することで、指定された機器以外では使用できないようにする技術が開示されている。さらに、不正を目的とした不正デバイスが上記画像形成装置に接続されて利用されることを防止するために、不正デバイス監視処理部が接続されたデバイスの正当性を確認する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−112627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、デジタル処理を介してカラーコピーを可能とする画像形成装置は、そのコピー精度の高さゆえに悪用が予想されるため、これら悪用を防止する技術が組み込まれている。このような悪用防止技術は年月の経過と共に回避される傾向があるため、旧型の画像形成装置であっても悪用防止技術は随時更新していくことが望ましい。それゆえ上述した機能拡張ボードによって悪用防止技術を提供することで、容易に更新が可能となる。
【0007】
他方で、機能拡張ボードにより悪用防止技術を提供することは、その着脱及び携帯の容易さにより、リバースエンジニアリングに供されやすいといった問題が生じる。例えば、悪用防止技術にも該当する、画像処理のアルゴリズム、電子透かし生成アルゴリズムといった、画像形成装置における機密性の高い技術が与えられた機能拡張ボードが容易に持ち去られ、パーソナルコンピュータなどに接続されて解析されることで、技術が漏洩してしまうのである。また、機能拡張ボードと画像形成装置との間の接続を、例えば上述した汎用インターフェイス規格を用いることで設計コストは減少するが、通信規格が開示されているため漏洩リスクは高まってしまう。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、接続や利用は容易であって悪用、解析が困難である画像形成装置用機能拡張ボード、画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用している。すなわち本発明における画像形成装置用機能拡張ボードにおいては、画像形成装置に着脱可能に形成されたコネクタと、画像形成装置に対して所定の機能を提供する機能提供手段と、画像形成装置よりパスワードを受信する第一の通信経路と、画像形成装置に上記所定の機能の提供を行う第二の通信経路と、第一の通信経路を介して受信した上記パスワードを認証する認証手段と、認証手段にてパスワードが認証された場合のみ第二の通信経路による機能の提供を許可する通信制御手段とを備える。
【0010】
また、機能提供手段は複数種の機能を提供すると共に、パスワードと当該パスワードに対して提供可能な1又は複数の機能とを関連付けて記憶するパスワードテーブルを備え、機能提供手段は認証されたパスワードとパスワードテーブルに基づいて提供する機能を選択する構成としてもよい。
【0011】
画像形成装置用機能拡張ボードが備える機能は、画像処理のアルゴリズム、電子透かし生成アルゴリズムのいずれかとすることができる。
【0012】
さらに、上記画像形成装置用機能拡張ボードに対して、第一の通信経路を介してパスワードを送信するパスワード送信手段と、第二の通信経路を介して上記機能の提供を受ける機能享受手段とを備える画像形成装置も提供する。
【0013】
また、認証されるパスワードに応じて複数の機能を選択可能に使い分けできるため、機能拡張ボードに複数の機能を搭載することで、パーツ(機能拡張ボード)数を削減でき、また機能拡張ボードの生産に同一の生産ラインを利用可能であるため生産コストを下げることができる。
【発明の効果】
【0014】
機能拡張ボード側で画像形成装置から送信されたパスワードの認証を行うことにより、機能拡張ボードが盗まれた場合などであっても、認証をクリアしなければ機能拡張ボードを利用できず、即ち機能拡張ボードの解析も困難となる。また、機能提供を行う通信経路とは異なる経路を用いて認証処理を行っているため、機能提供を行う通信経路を圧迫することなく、また解析を困難にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0016】
以下、本発明に係る画像形成装置について説明する。
【0017】
図1は、画像形成装置100の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0018】
本発明の画像形成装置100は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当する。
【0019】
なお、一例として複合機を利用して原稿のコピーを行う際の画像形成装置の動作を簡単に説明する。
【0020】
ユーザが複合機を利用して例えば原稿の印刷を行う場合、原稿を図1に示す原稿台103、或いは載置台105に配置し、原稿台近傍に供えられた操作パネルに対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、印刷が行われる。なお、ここで、オプション機能が与えられた複合機である場合、ユーザが上記操作パネルに対してオプション機能における設定項目を設定することにより、オプション機能が提供される。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態の画像形成装置100は、本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102を備える。本体101の上面は原稿台103が設けられており、原稿台103は、プラテンカバー102によって開閉されるようになっている。プラテンカバー102は、自動原稿給紙装置104と載置台105と排紙台109が設けられている。
【0022】
自動原稿給紙装置104は、プラテンカバー102の内部に形成された原稿搬送路108と、プラテンカバー102の内部に備えられたピックアップローラ106や搬送ローラ107等で構成される。原稿搬送路108は、載置台105から、本体101に設けられた読取部110にて読み取りが行なわれる読取位置Pを経由して、排紙台109に通じる原稿の搬送路である。
【0023】
自動原稿給紙装置104は、載置台105に載置された原稿1枚ずつをピックアップローラ106で搬送路内108に引き出し、搬送ローラ107等によって引き出した原稿を、読取位置Pを通過させて排紙台109に排紙する。読取位置Pを通過する時に原稿は読取部110にて読み取られる。
【0024】
上記読取部110は、原稿台103の下方に設けられており、図2にその詳細が示されている。読取部110は、原稿台103を照射する主走査方向に長い光源111と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット116と、原稿台からの光を導くミラー112とを備える第一の移動キャリッジ117や、第一の移動キャリッジ117からの反射光を再度反射するミラー113A、113Bを備える第二の移動キャリッジ118、さらにミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群119、当該レンズ群119より補正された光を受光する撮像素子115、撮像素子にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正・修正などを行う画像データ生成部114とで構成されている。
【0025】
自動原稿給紙装置104上の原稿を読み取る場合には、光源111は、読取位置Pを照射できる位置に移動して発光する。光源111からの光は、原稿台103を透過して読取位置Pを通過する原稿にて反射し、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119によって撮像素子115に導かれる。撮像素子115は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部114に送信する。画像データ生成部114には、上記撮像素子115にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部114では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを必要に応じて補正、修正等することで複数の単位データからなる画像データを生成し、第一の記憶部114Bに格納する。
【0026】
また、読取部110は、自動原稿給紙装置104で搬送される原稿だけでなく、原稿台103に載置された原稿も読み取ることが可能となっている。原稿台103に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ112は、光源111を発光しながら副走査方向に移動し、光源111から撮像素子115までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ118は第一の移動キャリッジ117の1/2の速度で撮像素子115方向に移動する。
【0027】
撮像素子115は、自動原稿給紙装置104に搬送された原稿のときと同様に、ミラー112、113A、113Bに導かれた光に基づいて原稿台103に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部114が画像データを生成し、第一の記憶部114Bに記憶する。なお、上記読取部110を構成する各部が一連の処理を行うことにより、後述する読取手段401として動作する。
【0028】
本体101の読取部110の下方には、画像データを印刷する印刷部120を備えている。印刷部120が印刷できる画像データは、上記のように画像データ生成部114にて生成されたものや、その他画像形成装置100とLAN等のネットワークに接続されたパソコン等の端末から、ネットワークインターフェイスを介して受信したものである。
【0029】
印刷部120が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム121を帯電器122で一様に帯電させ、その後レーザ123で感光ドラム121を照射して感光ドラム121に潜像を形成し、現像器124で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を用紙に転写する方式である。
【0030】
なお、フルカラー画像に対応した画像形成装置では、上記現像器(ロータリー現像器)124が、図1の紙面に対して垂直方向に構成される回転軸を中心として周方向に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光ドラム121の対向位置に配置される。この状態で、感光ドラム121上の潜像が、現像器124が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト125Aに転写される。なお、現像器124は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナーをそれぞれ格納する4つの現像ユニット124(Y)、(C)、(M)、(K)を有している。上記中間転写ベルト125Aへの転写を上記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト125A上にフルカラー画像が形成される。なお、フルカラー画像に対しては、PCI−Express(R)のインターフェイス規格を有するコネクタ141を介して接続された機能拡張ボード142と画像形成装置100が通信を行うことにより、当該機能拡張ボード142が備える機能、例えば画像処理のアルゴリズムや、電子透かし生成アルゴリズムが利用され、上記フルカラー画像に当該アルゴリズムに沿った処理が施される。
【0031】
可視像が印刷される印刷媒体、即ち用紙は、手差しトレイ131、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
【0032】
印刷部120が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから用紙1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した用紙を搬送ローラ137(手差しトレイ131を利用する場合には搬送ローラ136)やレジストローラ138で中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込む。
【0033】
印刷部120は、中間転写ベルト125と転写ローラ125の間に送り込んだ用紙に、上記中間転写ベルト125上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト126で定着装置127に用紙を送る。定着装置127は、ヒータが内蔵された加熱ローラ128と、所定の圧力で加熱ローラ128に押し当てられた加圧ローラ129とで構成されている。加熱ローラ128と加圧ローラ129の間を用紙が通過すると、熱と用紙への押圧力によって可視像が用紙に定着する。印刷部120は、定着装置127を通過した用紙を排紙トレイ130に排紙する。
【0034】
以上が、画像形成装置100における基本的なコピーサービスの処理である。
【0035】
なお、上記画像形成装置100では、図3の概略構成図に示すように、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304及び上記印刷処理における各駆動部に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。上記CPU301は、例えばRAM302を作業領域として利用し、ROM303やHDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ305とデータや命令を授受することにより上記図1、図2に示した各駆動部307の動作を制御する。また、機能拡張ボード142も同様に、CPU301、RAM302、ROM303が内部バス306を介して接続されており、CPU301が例えばRAM302を作業領域として利用し、ROM303に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて所定の機能を提供する。
【0036】
続いて、本発明に係る画像形成装置の印刷処理の詳細について、図4〜6を参照して説明する。
【0037】
機能拡張ボード142は、図4に示すように、画像形成装置100が備えるPCI−Express(R)のインターフェイス規格を有するコネクタ141を介して接続されている。当該コネクタ141は、物理的に2つの異なる通信経路を備えており、第一の通信手段401が第一の通信経路を、第二の通信手段405が第二の通信経路を独立して提供する。上記第一の通信手段401は、具体的にはI2C(アイツーシー)コントローラを備え、同じく画像形成装置100側に備えられたI2Cコントローラとの間でI2Cプロトコルの送受信を行うことによりシリアル通信を実現する。また、上記第二の通信手段405は、PCI−Express(R)のメイン通信経路として利用され、双方向通信で4.0Gbpsの高速通信が可能となっている。また、機能拡張ボード142への電源供給は、例えば上記第二の通信手段405を介して供給される。
【0038】
上記構成において、画像形成装置100に電源が投入され、即ちサービス提供可能状態となると、当該画像形成装置100を構成するパスワード送信手段407は、パスワード記憶手段409に格納されているパスワードを上記第一の通信手段401(第一の通信経路)を介して認証手段402に送信する(図5:S501→S502)。
【0039】
認証手段402は、上記第一の通信手段401を介して受信したパスワードを、あらかじめ、図6に示す記憶手段403に格納されているパスワードテーブル601と比較する(図5:S503)。ここで、パスワードテーブル601には、パスワード602と、提供可能機能603とが関連付けて記憶されており、上記パスワード送信手段407より送信されたパスワードと上記パスワードテーブル601とを比較し、パスワードがパスワード602のいずれかと一致することで、パスワードが認証される(図5:S503Yes)。
【0040】
ここで、受信したパスワードが認証された場合、その旨が通信制御手段406に送信され、当該通信制御手段406により上記第二の通信手段405が開放され即ち第二の通信経路が利用可能になる(図5:S504)。上記認証された場合には、さらに認証されたパスワードが機能提供手段404に送信される。
【0041】
なお、認証されなかった場合には、上記第二の通信手段405は開放されず、即ち利用不可能な状態で維持される。
【0042】
以上のように、機能拡張ボード142側で画像形成装置100から送信されたパスワードの認証を行っている。これにより、機能拡張ボード142が盗まれた場合などであっても、当該認証をクリアしなければ機能拡張ボード142を利用できず、即ち機能拡張ボード142の解析も困難となる。また、機能提供を行う通信経路とは異なる経路を用いて認証処理を行っているため、機能提供を行う通信経路を圧迫することなく、また解析を困難にすることができる。
【0043】
さて、上記第二の通信経路が利用可能な状態では、画像形成装置100は、機能提供手段404に格納された例えば3つの機能“機能A”、“機能B”、“機能C”のうちの少なくとも1つを、認証されたパスワードに応じて利用可能となる。具体的に、例えば認証されたパスワードが“8sde230”604であったと仮定する。この場合には、対応する提供可能機能603には“機能A、機能C”605となっている。つまり、機能提供手段404は、上記認証手段402より受信した認証パスワードに基づいてパスワードテーブル601を参照し、提供可能な機能を取得する(図5:S505)。ここでは“機能A”及び“機能C”が提供可能機能である。
【0044】
ところで、画像形成装置100におけるオプション機能として、用紙に電子透かしを埋め込む電子透かし生成機能が提供されているものとする。この場合、画像形成装置100は、機能拡張ボード142より電子透かし生成機能の提供を受けるため、機能享受手段408より第二の通信経路を介して機能提供手段404にその旨を通知する。
【0045】
当該旨を受信した機能提供手段404は、上記認証されたパスワードに対応する“機能A(電子透かし生成アルゴリズム)”に基づいて電子透かしを生成し、機能享受手段408に送信する。この際に、電子透かし生成アルゴリズムが画像データを必要とする場合には、画像データも機能享受手段408を介して機能提供手段404に送信される。
【0046】
なお、電子透かし生成アルゴリズムが“機能B”であると仮定すると、認証されたパスワードに、“機能B”が関連付けられていないため提供対象とはされず、即ち電子透かしオプションは利用不可能となる。
【0047】
以上のように、認証されるパスワードに応じて複数の機能を選択可能に使い分けできるため、機能拡張ボードに複数の機能を搭載することで、パーツ(機能拡張ボード)数を削減でき、また機能拡張ボードの生産に同一の生産ラインを利用可能であるため生産コストを下げることができる。
【0048】
なお、パスワード記憶手段409に格納されるパスワードは、例えば画像形成装置100の設置時に、操作パネルにパスワード設定画面を表示させ、この際にユーザとの契約に応じて作業者がパスワードを入力することで決定される。具体的には、ユーザが機能Bのみの利用を契約した場合、作業者は上記パスワード設定画面において“disengaw”606を入力することで、パスワード記憶手段409に当該パスワードが格納され、結果的に機能拡張ボード142は“機能B”のみの提供を行うこととなる。
【0049】
また、上記提供機能は、電子透かし生成アルゴリズム(電子透かし生成機能)に限らず、例えば画像形成装置100が提供する画像処理に関するアルゴリズムとしてもよい。また、その他随時更新が好ましいセキュリティ機能としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る画像形成装置は、接続や利用は容易であって悪用、解析が困難である画像形成装置用機能拡張ボード、画像形成装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略模式図。
【図2】読取部の拡大図。
【図3】本発明に係る画像形成装置の概略構成図。
【図4】本発明に係る画像形成装置の概略機能ブロック図。
【図5】本発明に係る処理手順を示すフローチャート。
【図6】パスワードテーブルの一例を示す図。
【符号の説明】
【0052】
401 第一の通信手段(第一の通信経路を構成)
402 認証手段
403 記憶手段
404 機能提供手段
405 第二の通信手段(第二の通信経路を構成)
406 通信制御手段
407 パスワード送信手段
408 機能享受手段
409 パスワード記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱可能に形成されたコネクタと、
画像形成装置に対して所定の機能を提供する機能提供手段と、
画像形成装置よりパスワードを受信する第一の通信経路と、
画像形成装置に上記所定の機能の提供を行う第二の通信経路と、
上記第一の通信経路を介して受信した上記パスワードを認証する認証手段と、
上記認証手段にてパスワードが認証された場合のみ上記第二の通信経路による機能の提供を許可する通信制御手段と、
を備える画像形成装置用機能拡張ボード。
【請求項2】
上記機能提供手段は複数種の機能を提供すると共に、
さらに、パスワードと当該パスワードに対して提供可能な1又は複数の機能とを関連付けて記憶するパスワードテーブルを備え、
上記機能提供手段は、認証されたパスワードと上記パスワードテーブルに基づいて提供する機能を選択する請求項1記載の画像形成装置用機能拡張ボード。
【請求項3】
上記機能は、画像処理のアルゴリズム、電子透かし生成アルゴリズムのいずれかを含む請求項1又は2に記載の画像形成装置用機能拡張ボード。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置用機能拡張ボードに対して、
第一の通信経路を介してパスワードを送信するパスワード送信手段と、第二の通信経路を介して上記機能の提供を受ける機能享受手段と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−77002(P2009−77002A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241783(P2007−241783)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】