説明

画像形成装置,画像形成方法及びプログラム

【課題】原稿に添付情報を加えて印刷する際に,添付情報の画像データの属性を原稿の画像データの文字の属性に応じて変換することにより,印刷目的に応じて原稿の文字と添付情報とのバランスを図った画像形成装置を提供する。
【解決手段】複写機Xは,画像データ記憶部12に記憶された原稿画像データに含まれる文字の属性情報を認識する文字認識部13と,添付画像データ記憶部19に記憶された要素画像データから添付情報に対応する添付画像データを生成し,生成された前記添付画像データを認識された文字の属性情報に応じて変換して,画像処理部14により前記原稿画像データに変換された前記添付画像データを合成する画像処理部14と,合成された前記原稿画像データを出力する画像出力部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,画像を出力する画像形成装置に関し,特に画像を出力する際に,添付情報を付加して印刷する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原稿を印刷する際に,頁番号,日付け,印刷時刻,企業名等の添付情報を原稿の欄外に印刷する機能を備えた複写機等の画像形成装置がある。従来の画像形成装置において,添付情報を原稿の欄外に印刷する際には,原稿本文の文字の大きさとは関係なく所定の大きさの文字,記号などが印刷される。
一方,原稿の本文の文字の大きさを認識して,原稿本文を印刷したり,文字データを変換する方法が特許文献1及び2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2005−208872号公報
【特許文献2】特願2006−256162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に,添付情報を原稿に付加する際の文字等の大きさは一定であるが,複写される原稿本文の文字の大きさは一定ではないため,添付情報を原稿本文に付加して印刷した際に,原稿本文の文字の大きさと添付情報の文字の大きさとのバランスが取れない場合がある。また,仮に添付情報を原稿に付加する際の文字等の大きさを選択できたとしても,ユーザが印刷する原稿の文字の大きさを正確に把握してバランスが取れるように添付情報の文字の大きさを選択することは難しいと考えられる。
一方,特許文献1及び2は,原稿本文の文字を一括して取り扱うため,上述したように添付情報の文字等の大きさと原稿本文の文字の大きさとが異なるような処理をすることは想定していない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,原稿に添付情報を付加して印刷する際に,添付情報の添付画像データの属性を原稿の原稿画像データに含まれる文字の属性に対応させることにより,印刷の目的に応じて原稿の文字と添付情報の文字等とのバランスが取れた原稿を出力することができる画像形成装置,画像形成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は,原稿の原稿画像データを記憶する原稿画像データ記憶手段と,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データに含まれる文字の属性情報を認識する文字認識手段と,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データに添付させる添付情報の添付画像データを記憶する添付画像データ記憶手段と,前記添付画像データ記憶手段に記憶された前記添付画像データを,前記文字認識手段により認識された文字の属性情報に応じて変換する添付画像データ変換手段と,前記添付画像データ変換手段により変換された前記添付画像データを,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データの欄外の所定の領域に合成する添付情報合成手段と,前記添付情報合成手段により合成された前記原稿画像データを出力する画像出力手段とを備えてなる画像形成装置として構成される。
本発明に係る画像形成装置は,原稿に添付情報を付加して印刷する際に,前記添付画像データの属性情報を原稿に含まれる文字の属性情報に応じて変換することにより,印刷の目的に応じて原稿に含まれる文字と前記添付画像データ(例えば,添付情報の文字・記号等)とのバランスを図ることができる。
具体的に,前記文字認識手段が,前記原稿画像データに含まれる文字の大きさ,字体,色の何れか1つ又は複数の種類の情報を属性情報として認識してなることが考えられる。例えば,原稿の文字の大きさが10ポイントの場合に,前記添付画像データの文字の大きさを原稿の文字よりも2ポイント小さい8ポイントにしたり,原稿の文字の字体が明朝体の場合に,前記添付画像データの文字をゴシック体にしたりする。
具体的に,添付画像データ変換手段が,前記添付画像データ記憶手段に記憶された前記添付画像データを,前記文字認識手段により認識された文字の各種類の情報における頻度が最も高いものに応じて変換してなることが考えられる。例えば,原稿のタイトルや見出しと原稿本文の文字の大きさとが異なる場合に,文字数が多い原稿本文の文字の属性情報に関連して前記添付画像データを変換することができる。
好ましくは,添付画像データ変換手段が,前記添付画像データ記憶手段に記憶された前記添付画像データを変換する際に,前記文字認識手段により認識された文字の属性情報と関連させる条件を指定する関連条件指定手段をさらに備えてなることが考えられる。これにより,ユーザが印刷目的に応じて,原稿の文字の属性情報と添付情報の文字等の属性情報とを関連させる条件を任意に変更することができる。
また,前記関連情報指定手段が,前記添付画像データ記憶手段に記憶された前記添付画像データを変換する際に,1頁の前記原稿画像データごとに前記文字認識手段により認識された文字の属性情報と関連させるか,全頁の前記原稿画像データに亘って前記文字認識手段により認識された文字の属性情報と関連させるかを選択して前記条件をさらに指定してなることが考えられる。これにより,原稿の原稿画像データの1頁ごとにその原稿画像データに含まれる文字の属性情報に関連させて前記添付画像データを変換するか,原稿の原稿画像データの全ての頁の文字の属性情報に関連させて前記添付画像データを変換するかを選択することができる。
また,本発明の画像形成装置は,画像形成方法としてとらえることもできる。
即ち,原稿画像データ記憶手段に記憶された原稿画像データに含まれる文字の属性情報を認識する文字認識工程と,添付画像データ記憶手段に記憶され,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データに添付させる添付情報の添付画像データを,前記文字認識工程により認識された文字の属性情報に応じて変換する添付画像データ変換工程と,前記添付画像データ変換工程により変換された前記添付画像データを,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データの欄外の所定の領域に合成する添付情報合成工程と,前記添付情報合成工程により合成された前記原稿画像データを出力する画像出力工程とを有してなる画像形成方法とすることが考えられる。
更に,本発明の画像形成装置は,コンピュータのプログラムとしてとらえることもできる。
即ち,画像形成装置のコンピュータに,原稿画像データ記憶手段に記憶された原稿画像データに含まれる文字の属性情報を認識する文字認識工程と,添付画像データ記憶手段に記憶され,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データに添付させる添付情報の添付画像データを,前記文字認識工程により認識された文字の属性情報に応じて変換する添付画像データ変換工程と,前記添付画像データ変換工程により変換された前記添付画像データを,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データの欄外の所定の領域に合成する添付情報合成工程とを実行させてなる画像形成装置の画像形成プログラムであることが考えられる。これにより,コンピュータに記憶されている原稿用の前記原稿画像データに前記添付画像データを付加して印刷する際に,前記添付画像データの属性情報(大きさ,字体,色等)を前記原稿画像データに含まれる文字の属性情報に応じて変換することにより,印刷の目的に応じて前記原稿画像データに含まれる文字と前記添付画像データとのバランスを図ることができる。そのため,紙等に印刷しなくても画面に表示させることにより原稿に含まれる文字と添付情報の文字等とのバランスを確認することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば,原稿に添付情報を付加して印刷する際に,添付情報の添付画像データの属性を原稿の原稿画像データに含まれる文字の属性に応じて変換する。ここで「文字の属性に応じて」とは,原稿の文字が12ポイントであった場合に,12ポイントとのバランスを考えて,それより若干小さい10.5ポイントで例えば添付情報の一例である日付けや部署名を表示するようなことを言い,本発明では,このような属性情報を調整する。これにより,印刷の目的に応じて原稿の文字と添付情報の文字等とのバランスが取れた原稿を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例である複写機Xの概略構成を表すブロック図。
【図2】複写機Xにおける添付情報を付加して印刷する処理の一例を示すフローチャート図。
【図3】複写機Xにおける添付情報を付加された原稿の出力の一例を示す図。
【図4】プログラムを実行するハードウェアの構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0009】
まず,図1に示される概略構成図を参照しつつ,本発明の実施形態に係る複写機Xの構成について説明する。
図1に示されるように,複写機Xは,スキャナ部11,画像データ記憶部12,文字認識部13,画像処理部14,画像出力部15,操作部16,表示部17,主制御部18,添付画像データ記憶部19等を備えている。尚,複写機Xは、図1に示す構成要素以外にも、一般的な複写機が備える構成要素も備えているが、ここでは記載を省略している。
前記スキャナ部11は,例えば、密着型撮像素子(CIS:Contact Image Sensor)等のイメージセンサを備え,このイメージセンサにより原稿から画像を読み取り,原稿画像データとして画像データ記憶部12に保存するものである。尚,前記スキャナ部11は,画像読取手段の一例である。
前記画像データ記憶部12は,例えば、DRAMやハードディスク等により構成された揮発性メモリであり、印刷される原稿画像データを記憶するものである。尚,前記画像データ記憶部12は,原稿画像データ記憶手段の一例である。
前記文字認識部13は,前記画像データ記憶部12に記憶されている前記原稿画像データの中に含まれる文字そのもの,及び文字の種類,文字の大きさ,字体,色等の属性情報を認識する。尚,前記文字認識部13は,文字認識手段の一例である。
前記画像処理部14は,前記画像データ記憶部12に保存された前記原稿画像データに各種の画像処理を施す。また前記画像処理部14は,原稿に添付情報を画像化した添付画像情報を付加して印刷する際には,前記原稿画像データ内の原稿本文に対する欄外の所定の領域に添付画像データを合成する。前記画像処理部14で画像処理が施された後の前記原稿画像データは,画像出力部15に入力される。尚,前記欄外の所定の領域とは,原稿画像データの原稿本文以外の部分である原稿本文の上部又は下部の空白のことをいう。もちろん,原稿本文の横の領域であっても良い。また,前記画像処理部14は,添付情報合成手段の一例である。
また,前記添付情報とは,原稿を補足するための情報であり,例えば頁,日付け,印刷時刻,ロゴマーク,部署名,書類の重要度を分類する記号などの情報であったり,ユーザが原稿本文の内容を補足するために記載した注釈などである。前記添付画像データとは,前記添付情報をその属性情報を加味して画像化した画像データである。
前記画像出力部15は,感光体ドラムや帯電装置,LSU(Laser Scanning Unit),現像装置,定着装置などを備えており,前記画像処理部14によって
前記原稿画像データに前記添付画像データが合成されたあるいは合成されていない原稿画像の出力画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行する。尚,前記画像出力部15は,画像出力手段の一例である。
前記操作部16は,ユーザにより操作されるシートキーや操作ボタン等により構成され、ユーザによる操作入力を受け付ける入力インターフェースであり,例えば,前記スキャナ部11に原稿から画像を読み込ませる操作や,添付情報の属性情報と原稿本文の文字の属性情報とを関連させる条件を受け付けたりする。また,前記操作部16を介してユーザにより,1頁ごとに添付情報の属性情報と原稿本文の文字の属性情報とを関連させるか全ての頁に亘り添付情報の属性情報と原稿本文の文字の属性情報とを関連させるかが選択される。
尚,関連させる,つまり対応付けの条件として,原稿本文の文字の大きさよりも添付画像データの文字の大きさを2ポイント小さくしたり,原稿本文の文字の字体が明朝体の場合に添付画像データをゴシック体にしたり,原稿本文の文字が黒色のみの場合に,添付画像データであるロゴマークをカラーから白黒に変換したりすることによって原稿画像データに対する添付画像データのバランスを調整する条件が揚げられる。また,前記操作部16は,関連条件指定手段の一例である。
前記表示部17は,前記主制御部18からの指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレイであり,例えば原稿の前記原稿画像データを表示したり,前記出力画像データを表示する。
【0010】
前記添付画像データ記憶部19は,前記添付画像データを記憶する。前記添付情報とその属性情報とから前記添付画像データ記憶部19に記憶する前記添付画像データを生成することができる。例えば,ゴシック体の各数字「0〜9」や各文字「年,月,日」の画像データと,前記添付情報「2009/10/31」と,その属性情報(ゴシック文字,フォントサイズを8ポイント,色は黒等)とに基づいて,後述する主制御部18により黒色,8ポイント,ゴシック体の前記添付画像データ「2009年10月31日」が生成される。尚,前記添付画像データ記憶部19は,添付画像データ記憶手段の一例である。
前記主制御部18は,CPUとROMとを備え,CPUは、当該複写機X全体の各種制御及び演算を行う演算手段であり,ROMは、CPUにより実行される制御プログラムや演算プログラム、CPUがそれらプログラムを実行する際に参照するデータ等が記憶されるメモリである。また,前述したように,主制御部18は,前記添付画像データを生成する。更に,前記主制御部18は,前記文字認識部13により認識された前記原稿画像データに含まれる文字の大きさ,字体,色などの属性情報の項目ごとに値を集計し,出現頻度が最も多い値に関連させて,前記添付画像データの大きさ,字体,色などを変換する。尚,前記主制御部18は,添付データ変換手段の一例である。
【0011】
次に,図2のフローチャートを参照して,複写機Xの主制御部18が中心となって,原稿画像データに添付画像データを合成する処理の一例について説明する。尚、以下に示すS101、S102、…は、処理手順(ステップ)の識別符号を表す。また以下のS101〜S107の処理は,原稿1枚毎に行われる。
まず,ユーザが印刷する画像をスキャナ部11にセットし,操作部16から主制御部18に読込みを指示する。主制御部18は,スキャナ部11にセットされた画像を読込み,読込んだ原稿画像データを画像データ記憶部12に記憶する(ステップS101)。文字認識部13は,画像データ記憶部12に記憶された1頁の原稿画像データごとに,原稿画像データの中に含まれる文字の大きさ,字体,色等の属性情報を認識する(ステップS102)。
主制御部18は,文字認識部13により認識された原稿内の文字の属性情報を集計し,大きさ,字体,色などの区分ごとに出現頻度が高い値を判別する(ステップS103)。
次に主制御部18は,原稿に添付させる添付情報を生成する(ステップS104)。
添付情報は,印刷に先立って使用者によって予め入力されたものを用いても良いが,主制御部18が,印刷される原稿画像データから,報告書,経理帳票などの文書の種類を判別して,原稿画像に差し込むべき日付や部署などの添付情報を生成してもよい。
さらに主制御部18は,添付画像データを生成するに先立って,生成された添付情報の属性情報を基本情報として記憶されている属性情報を変換することにより決定する。
この実施形態では,原稿画像に差し込む(合成する)添付画像データの文字の種類,大きさ,色などの属性情報を,原稿画像データにおける属性情報に応じた(バランスのとれた)ものとすることで,添付画像データの原稿画像データに対するバランスを調整する。そのため,この実施形態では,添付情報の属性情報と,原稿画像データにおける属性情報との対応関係を予め定めておき,図外の記憶部に記憶しておく。このような対応関係は,例えば,原稿画像データにおける文字の種類が明朝であれば,添付情報の文字の種類をゴシック体に,原稿画像データにおける文字の大きさが12ポイントであれば,添付情報の文字の大きさを10.5ポイントに,原稿画像データにおける文字の色が濃いブルーであれば,添付情報の文字の色を薄いブルーにするといった添付情報の属性情報と,原稿画像データにおける属性情報との関係を定めるルールである。
主制御部18は,前記のように添付情報が得られると,このルールにより定められている属性情報を得られた添付情報に適用することにより,原稿画像データに合成するべき添付情報をその属性を含んで生成することができる。
主制御部18は,上記のように添付情報とその属性情報が得られると,これらの情報に基づいて添付画像データを生成する(ステップS105)。
続いて前記画像処理部14は,主制御部18の指示により,前記原稿画像データ内の原稿本文の欄外の所定の領域に添付画像データを合成する(ステップS106)。
更に前記画像出力部15は,主制御部18の指示により,前記画像処理部14によって原稿画像データに添付画像データを合成して得られた出力画像データに基づいて用紙に画像を印刷する(ステップS107)。尚,主制御部18は,前記出力画像データを前記画像出力部15に印刷させる代わりに,前記表示部17に表示させても良い。
例えば,図3に示すように,ユーザがスキャナ部11に原稿を読込ませて,複写機Xに印刷させると,原稿の欄外の上部左上に企業名,上部右上に日付け,下部中央に頁,下部右下に注釈などの添付情報が添付された原稿が出力される。
【0012】
以上説明したように,前記複写機Xによれば,原稿に添付情報を付加して印刷する際に,ユーザが添付情報の文字等の大きさなどを設定をしなくても,添付情報の添付画像データの属性を原稿の原稿画像データに含まれる文字の属性と所定の関連を保たせる,即ち対応させることにより,印刷の目的に応じて原稿の文字と添付情報の文字等とのバランスが取れた原稿を出力することができる。
例えば,対応関係としては,前記の外に,大きさを2段階落としたり,同系色の色にしたり,字体を異ならせたり,同じ字体にしたりすることが考えられる。
また,印刷する原稿1頁ごとに原稿に含まれる文字の属性情報を認識・集計して,原稿の添付情報の大きさ・字体・色などを各頁ごとに適したものに変換するので,字体が異なる複数の頁を含む場合でも,各頁の原稿本文と添付情報とのバランスを図ることができる。
更に,操作部16により,添付情報の添付画像データ属性情報と原稿の原稿画像データの属性情報とを関連させる条件を変更することができるようにしてもよい。この場合,印刷する原稿の種類に応じて適切な条件を選択することができる。
【実施例1】
【0013】
実施例1では,図2を参照しつつ,前記ステップS102,S103,S105の処理の他の例について説明する。
具体的に,前記ステップS102において,文字認識部13は,画像データ記憶部12に記憶された複数頁の原稿全ての原稿画像データに亘って,原稿画像データの中に含まれる文字の大きさ,字体,色等の属性情報を認識する(ステップS102)ものでもよい。この場合,前記ステップS103において,主制御部18は,文字認識部13により認識された文字の属性情報を集計し,大きさ,字体,色などの区分ごとに出現頻度が高い値を判別する。こうして,前記ステップS105において,主制御部18は,全ての頁に亘り集計した属性情報(大きさ,字体,色など)の出現頻度が最も多い値に関連させて,前記添付画像データの大きさ,字体,色などを変換する。
これにより,全ての頁に亘り統一された添付情報を原稿に合成することができる。
【実施例2】
【0014】
また、複写機Xは、専用のシステムによらず、図4に示されるネットワークに接続された通常のコンピュータシステムYを用いて実現可能である。図4のコンピュータシステムYは、例えば、主制御部18、主記憶部21、外記憶部22、操作部16、表示部17、送受信部23、内部バス24を備えている。主制御部18はCPU(Central Processing Unit)を含み、主記憶部21はRAM(Random Access Memory)等を含む。主制御部18は、主記憶部21に記憶されているプログラムを実行し、複写機Xを実現する。
例えば、前記の処理を実行するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する複写機Xを構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該プログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで複写機Xを構成してもよい。
これにより,紙等に印刷しなくても画面に表示させることにより原稿に含まれる文字と添付情報の文字等とのバランスを確認することができる。
【0015】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、請求項に記載されている発明や発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0016】
X :複写機(画像形成装置の一例)
11 :スキャナ部
12 :画像データ記憶部
13 :文字認識部
14 :画像処理部
15 :画像出力部
16 :操作部
17 :表示部
18 :主制御部
19 :添付画像データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の原稿画像データを記憶する原稿画像データ記憶手段と,
前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データに含まれる文字の属性情報を認識する文字認識手段と,
前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データに添付させる添付情報の添付画像データを記憶する添付画像データ記憶手段と,
前記添付画像データ記憶手段に記憶された前記添付画像データを,前記文字認識手段により認識された文字の属性情報に応じて変換する添付画像データ変換手段と,
前記添付画像データ変換手段により変換された前記添付画像データを,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データの欄外の所定の領域に合成する添付情報合成手段と,
前記添付情報合成手段により合成された前記原稿画像データを出力する画像出力手段と,
を備えてなる画像形成装置。
【請求項2】
前記文字認識手段が,前記原稿画像データに含まれる文字の大きさ,字体,色の何れか1つ又は複数の種類の情報を属性情報として認識してなる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
添付画像データ変換手段が,前記添付画像データ記憶手段に記憶された前記添付画像データを,前記文字認識手段により認識された文字の各種類の情報における頻度が最も高いものに応じて変換してなる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
添付画像データ変換手段が,前記添付画像データ記憶手段に記憶された前記添付画像データを変換する際に,前記文字認識手段により認識された文字の属性情報と関連させる条件を指定する関連条件指定手段をさらに備えてなる請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記関連情報指定手段が,前記添付画像データ記憶手段に記憶された前記添付画像データを変換する際に,1頁の前記原稿画像データごとに前記文字認識手段により認識された文字の属性情報と対応させるか,全頁の前記原稿画像データに亘って前記文字認識手段により認識された文字の属性情報と対応させるかを選択して前記条件をさらに指定してなる請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
原稿画像データ記憶手段に記憶された原稿画像データに含まれる文字の属性情報を認識する文字認識工程と,
添付画像データ記憶手段に記憶され,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データに添付させる添付情報の添付画像データを,前記文字認識工程により認識された文字の属性情報に応じて変換する添付画像データ変換工程と,
前記添付画像データ変換工程により変換された前記添付画像データを,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データの欄外の所定の領域に合成する添付情報合成工程と,
前記添付情報合成工程により合成された前記原稿画像データを出力する画像出力工程と,
を有してなる画像形成方法。
【請求項7】
画像形成装置のコンピュータに,
原稿画像データ記憶手段に記憶された原稿画像データに含まれる文字の属性情報を認識する文字認識工程と,
添付画像データ記憶手段に記憶され,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データに添付させる添付情報の添付画像データを,前記文字認識工程により認識された文字の属性情報に応じて変換する添付画像データ変換工程と,
前記添付画像データ変換工程により変換された前記添付画像データを,前記原稿画像データ記憶手段に記憶された前記原稿画像データの欄外の所定の領域に合成する添付情報合成工程と,
を実行させてなる画像形成装置の画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−97403(P2011−97403A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249975(P2009−249975)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】