画像形成装置
【課題】 画像形成装置において、両面ユニット等の開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化することなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上する。
【解決手段】 画像形成装置本体内に、間隔Wを隔てて前側板40と後側板41を対向して設け、それら一対の側板間に、例えば像担持体上に画像を形成する作像装置を備える。後側板41の側縁を前側板40の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出し、その張り出し部分45の長さLで間隔Wのスペースに、画像形成装置本体に対して回動したり、着脱したり、スライドしたり、平行移動したりして開閉自在に取り付ける、両面ユニット92等の開閉ユニットを設け、その開閉ユニットを駆動する駆動モータ46を張り出し部分45で支持して画像形成装置本体側に備える。
【解決手段】 画像形成装置本体内に、間隔Wを隔てて前側板40と後側板41を対向して設け、それら一対の側板間に、例えば像担持体上に画像を形成する作像装置を備える。後側板41の側縁を前側板40の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出し、その張り出し部分45の長さLで間隔Wのスペースに、画像形成装置本体に対して回動したり、着脱したり、スライドしたり、平行移動したりして開閉自在に取り付ける、両面ユニット92等の開閉ユニットを設け、その開閉ユニットを駆動する駆動モータ46を張り出し部分45で支持して画像形成装置本体側に備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。そのうち特に、画像形成装置本体内に一対の側板を対向して設け、それら一対の側板間に、例えば帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置などにより構成する作像装置を備え、像担持体上に形成したトナー画像を転写して記録媒体に画像を記録する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の中には、例えば図9に示すように、画像形成装置本体1の上に画像読取装置2を備え、その上に自動原稿搬送装置(ADF)3を設置するとともに、右側面に両面ユニット4を取り付けるものがある。画像形成装置本体1内には、例えば、給紙装置5の上に作像装置6を設け、その上に排紙スタック装置7を配置する構成とする。作像装置6は、図示省略するが、画像形成装置本体1内で、正面側と背面側とに設置して互いに対向して設ける一対の側板間で支持していた。
【0003】
そして、画像記録時は、自動原稿搬送装置3で原稿を搬送しながらその記載情報を画像読取装置2で読み取り、その読取信号に基づき作像装置6で画像を形成する一方、給紙装置5から記録媒体である用紙を送り出して用紙搬送路8を通して上方の画像形成装置本体1へと搬送し、作像装置6で形成した画像を転写して用紙上に画像を記録して後、排紙スタック装置7に排出していた。
【0004】
用紙の表裏両面に画像を記録するときは、表面に画像記録後の用紙をいったん両面ユニット4に入れて表裏反転してから画像形成装置本体1内に再給紙し、別途作像装置6で形成したトナー画像を転写して裏面にも画像を記録して後、排紙スタック装置7に排出していた。
【0005】
ところが、このような画像形成装置では、近年、資源の有効利用の観点から、図9に示すごとく両面ユニット4を標準装備して用紙の両面に画像を記録するものが多くなるなどにより、用紙搬送経路が長くなるとともに、再生紙の使用が多くなるなど、使用する用紙の種類も多くなり、また用紙の品質も低下し、用紙ジャムの発生が避けられない状況下にある。
【0006】
従来、図9に示すような画像形成装置において、用紙ジャム発生時は、例えば図10に示すように下方側を支点として両面ユニット4を回動してその上方側を外向きに開き、そののち図11に示すように内部の本体カバー9を同じく下方側を支点として回動してその上方側を外向きに開き、用紙搬送路8でジャムした用紙pを取り出していた。
【0007】
【特許文献1】特開2003-302800号公報
【特許文献2】特開平8-328451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したような従来の画像形成装置において、両面ユニット4には、片面記録済みの用紙を表裏反転してから再給紙する、ローラ等の記録媒体搬送部材、記録媒体ガイド部材、切換爪等の記録媒体搬送方向切換部材などとともに、記録媒体搬送部材を回転駆動する駆動モータ等の駆動源、記録媒体搬送方向切換部材を切り換えるソレノイド、搬送する記録媒体を検知する検知部材などを備えるから、全体が大型化し、重量が重くなって、ジャム処理時に開閉するときの開閉作業性が悪い、という問題があった。
【0009】
従来の画像形成装置の中には、そのような問題点を解消すべく、ダンパー機構やスプリングを設けて両面ユニット4の開閉作業性を高めるものもあるが、構造的に複雑化し、コストアップとなる問題があった。
【0010】
そこで、この発明の第1の目的は、上述したような画像形成装置において、両面ユニット等の開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上することにある。
【0011】
この発明の第2の目的は、上述したような画像形成装置において、開閉ユニットを開いたときに画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体内に手などを入れやすくして、ジャム処理などを容易とすることにある。
【0012】
この発明の第3の目的は、上述したような画像形成装置において、開閉ユニットを開いたときに正面側から画像形成装置本体内に手などをより一層入れやすくして、ジャム処理などをさらに容易とすることにある。
【0013】
この発明の第4の目的は、ジャム処理時などに両面ユニットを開閉する、上述したような画像形成装置において、両面ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉するときの開閉作業性を向上することにある。
【0014】
この発明の第5の目的は、上述したような画像形成装置において、ジャム処理を容易とすることにある。
【0015】
この発明の第6の目的は、上述したような画像形成装置において、画像形成装置本体を軽く、安価とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、画像形成装置本体内に、間隔Wを隔てて一対の側板を対向して設ける、複写機・ファクシミリ・プリンタ等の画像形成装置において、
前記一対の側板の一方の側縁を他方の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出し、
その張り出し部分長さLで前記間隔Wのスペースに、前記画像形成装置本体に対して回動したり、着脱したり、スライドしたり、平行移動したりすることにより開閉自在に取り付ける、両面ユニット等の開閉ユニットを設け、
その開閉ユニットに備える記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を前記張り出し部分で支持して前記画像形成装置本体側に取り付ける、ことを特徴とする。
【0017】
そして、ジャム処理を行うときなど、記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動を司る部分の一部を有しない開閉ユニットを回動したり、着脱したり、スライドしたり、平行移動したりして画像形成装置本体に対して開閉する。
【0018】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1に記載の画像形成装置において、前記一対の側板を、前記画像形成装置本体の正面側に設ける前側板と、背面側に設ける後側板とし、その後側板の側縁を前側板の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出す、ことを特徴とする。
【0019】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを開いて画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体内に手などを入れて作業を行う。
【0020】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項2に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置本体が、前記後側板の前記張り出し部分を突出して設け、前記開閉ユニットを突出して備える、ことを特徴とする。
【0021】
そして、同様に、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを開いて画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体の、例えば右側面内に手などを入れて作業を行う。
【0022】
請求項4に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系の、ローラやベルト等の記録媒体搬送部材を回転駆動する、駆動モータ等の駆動源である、ことを特徴とする。
【0023】
そして、ジャム処理を行うときなど、駆動モータ等の駆動源を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動源を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉する。
【0024】
請求項5に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系の、切換爪等の記録媒体搬送方向切換部材を切り換えるソレノイドである、ことを特徴とする。
【0025】
そして、ジャム処理を行うときなど、ソレノイドを張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、そのソレノイドを有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉する。
【0026】
請求項6に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系で、搬送する記録媒体を検知する検知部材である、ことを特徴とする。
【0027】
そして、ジャム処理を行うときなど、検知部材を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その検知部材を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉する。
【0028】
請求項7に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記開閉ユニットが、片面記録済みの記録媒体を表裏反転して作像装置に再給送する両面ユニットである、ことを特徴とする。
【0029】
そして、記録媒体の表裏両面に画像を記録するときは、片面記録済みの記録媒体を両面ユニットへと導き、表裏反転して作像装置に再給送する。
【0030】
請求項8に記載の発明は、上述した第5の目的も達成すべく、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置本体内に備える記録媒体搬送路のすぐ外側に前記開閉ユニットを設ける、ことを特徴とする。
【0031】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを開いて、すぐ内側にある記録媒体搬送路を開放し、その記録媒体搬送路にあるジャム紙を取り除く。
【0032】
請求項9に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記開閉ユニットを水平軸を中心として開閉自在に設ける、ことを特徴とする。
【0033】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを水平軸を中心として上下方向に開閉する。
【0034】
請求項10に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記開閉ユニットを垂直軸を中心として開閉自在に設ける、ことを特徴とする。
【0035】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを垂直軸を中心として、画像形成装置本体の左右側面に設けるときは前後方向に、また画像形成装置本体の正面もしくは背面に設けるときは左右方向に開閉する。
【0036】
請求項11に記載の発明は、上述した第5の目的も達成すべく、請求項9または10に記載の画像形成装置において、前記開閉ユニットを開いたとき、前記画像形成装置本体に備える給紙カセットの給紙部まで開放する、ことを特徴とする。
【0037】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを大きく開いて給紙カセットの給紙部まで開放し、その給紙部にあるジャム紙も取り除き可能とする。
【0038】
請求項12に記載の発明は、上述した第6の目的も達成すべく、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記一対の側板を連結して構造体を構成し、その構造体を樹脂材料を用いて一体成形でつくる、ことを特徴とする。
【0039】
そして、一対の側板を連結して一体化した樹脂製構造体の一対の側板間に、画像を形成する作像装置を備える。
【発明の効果】
【0040】
請求項1に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を一方の側板の張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動を司る部分の一部を有しない開閉ユニットを回動したり、着脱したり、スライドしたり、平行移動したりして画像形成装置本体に対して開閉するので、駆動を司る部分の一部を切り離すだけで何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、開閉ユニットを小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、前側板を後側板より小さくつくるので、前側板の側縁が後側板の側縁より張り出していない分、開閉ユニットを開いたときに画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体内に手などを入れやすくして、ジャム処理などを容易とすることができる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、画像形成装置本体が、後側板の張り出し部分を突出して設け、開閉ユニットを突出して備えるので、開閉ユニットを開いたとき、内部の記録媒体搬送路を画像形成装置本体の外側近くで開放して画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体内に、手などをより一層入れやすくし、ジャム処理などをさらに容易とすることができる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、駆動モータ等の駆動源を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動源を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉するので、開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、ソレノイドを張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、そのソレノイドを有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉するので、開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0045】
請求項6に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、検知部材を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その検知部材を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉するので、開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0046】
請求項7に記載の発明によれば、開閉ユニットが両面ユニットであり、記録媒体の表裏両面に画像を記録するときは、片面記録済みの記録媒体を両面ユニットへと導き、表裏反転して作像装置に再給送するようにする。そして、ジャム処理を行うときなど、記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動を司る部分の一部を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉する。よって、比較的重量がある両面ユニットからその駆動を司る部分の一部を切り離すだけであるから、何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、両面ユニットを小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0047】
請求項8に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを開いて、すぐ内側にある記録媒体搬送路を開放するので、開閉ユニットを開くことによりその記録媒体搬送路にあるジャム紙を簡単に取り除くことができる。
【0048】
請求項9に記載の発明によれば、ジャム処理を行うとき、開閉ユニットを水平軸を中心として上下方向に開閉するので、駆動を司る部分の一部を切り離すだけで何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、開閉ユニットを小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉ユニットを水平軸を中心として上下方向に開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0049】
請求項10に記載の発明によれば、ジャム処理を行うとき、開閉ユニットを垂直軸を中心として前後または左右方向に開閉するので、駆動を司る部分の一部を切り離すだけで何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、開閉ユニットを小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉ユニットを垂直軸を中心として前後または左右方向に開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0050】
請求項11に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを大きく開いて給紙カセットの給紙部まで開放し、その給紙部にあるジャム紙も取り除き可能とするので、記録媒体搬送路を大きく開放してジャム処理を容易とすることができる。
【0051】
請求項12に記載の発明によれば、一対の側板を連結して構造体を構成し、その構造体を樹脂材料を用いて一体成形でつくるので、一対の側板を板金材料を用いてつくった場合に比し、画像形成装置本体を軽く、安価とし、また一対の側板を一体化して画像形成装置本体に対する組付け等も容易とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、この発明による間接転写4連タンデム方式の電子写真式カラー画像形成装置の外観を示す。
【0053】
図中符号100は、画像形成装置本体である。画像形成装置本体100の上には、画像読取装置200を取り付ける。画像読取装置200は、上面にコンタクトガラスを備え、正面には手前側に突出して操作表示部90を設ける。画像読取装置200の上には、自動原稿搬送装置(ADF)300を、背面側を支点として正面側を上下に開閉可能に取り付ける。そのように画像読取装置200および自動原稿搬送装置300を取り付けた画像形成装置本体100全体を、オプション装置である増設給紙装置400上に載置している。増設給紙装置400には、給紙カセット91を上下2段に備えて各々正面側から出し入れ自在とする。また、画像形成装置本体100の右側面には、開閉ユニットとして両面ユニット92を開閉自在に取り付ける。
【0054】
図2には、その画像形成装置本体100の内部機構の全体概略構成を示す。
【0055】
図中符号10c、10m、10y、10bは、それぞれシアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの4つの画像形成ユニットであり、タンデム式に並べて設ける。各画像形成ユニットでは、それぞれドラム状の像担持体11c、11m、11y、11bを備え、その図中時計まわりの回転にともない、まず各帯電装置12c、12m、12y、12bで表面を一様に帯電し、次いで共通の書込み装置13からのレーザ光Lc、Lm、Ly、Lbで書き込みを行い、そののち各現像装置14c、14m、14y、14bでトナーを付着して像担持体11c、11m、11y、11b上に各々各色単色画像を形成する。
【0056】
そして、無端ベルト状の中間転写体15を図中反時計まわりに走行して各一次転写装置16c、16m、16y、16bにより像担持体11c、11m、11y、11b上の各色単色画像を一次転写し、中間転写体15上にフルカラー画像を形成する。
【0057】
一方、適宜タイミングで給送ローラ20の1つを選択的に回転し、画像形成装置本体100内の給紙カセット21または上述した増設給紙装置400内の給紙カセット91から所定用紙(記録媒体)22を繰り出し、用紙搬送路(記録媒体搬送路)23を通して搬送して一対のレジストローラ24間に突き当てて止める。そして、中間転写体15上のフルカラー画像にタイミングを合わせて一対のレジストローラ24を回転し、二次転写装置25によりそのフルカラー画像を用紙22に二次転写する。そののち、フルカラー画像転写後の用紙22を用紙搬送路23を通してそのまま上方へと搬送し、定着装置30の定着ニップを通過するとき未定着転写トナーを用紙22に定着し、排出ローラ26で排出して画像形成装置本体100上の排紙スタック装置27上にスタックする。
【0058】
一次転写終了後の各像担持体11c、11m、11y、11bは、一次クリーニング装置17c、17m、17y、17bでクリーニングして残トナーを除去する。また、二次転写終了後の中間転写体15は、二次クリーニング装置18でクリーニングして残トナーを除去する。
【0059】
図中符号28c、28m、28y、28bは、それぞれ各色現像装置14c、14m、14y、14bにトナーを補給するトナー補給装置である。
【0060】
さて、図示画像形成装置で用紙22の表裏両面に画像を記録するときは、定着装置30を通過した片面記録済みの用紙22を切換爪33で切り換えて画像形成装置本体100から両面ユニット92に入れ、スイッチバック路93でスイッチバックして表裏反転してから再給紙路94を通して再び画像形成装置本体100に入れ、二次転写位置へと再給紙し、別途中間転写体15上に形成した画像を転写して裏面にも画像を記録して後、排出ローラ26で排紙スタック装置27に排出する。
【0061】
ところで、図示画像形成装置では、図3に示すように、画像形成装置本体100内に、間隔Wを隔てて一対の側板40・41を対向して設ける。一対の側板40・41は、画像形成装置本体100の正面側に設ける前側板40と、背面側に設ける後側板41とからなる。図示例では、それら一対の側板40・41を底板42と中間板43とで連結して構造体44を構成する。そして、その構造体44の一対の側板40・41で、上述した画像形成ユニット10c、10m、10y、10b、中間転写体15、一次転写装置16c、16m、16y、16b、二次クリーニング装置18、二次転写装置25等により構成する作像装置32(図2参照)などを支持する。画像を形成する作像装置32は、図示例では、間接転写4連タンデム方式の電子写真式のものを用いたが、もちろんこれに限定されるものではない。
【0062】
一対の側板40・41は、図4にも示すように、後側板41の右側の側縁を前側板40の右側の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出して形成する。そして、この張り出し部分45は、画像形成装置本体100の右側面から突出して設け、張り出し部分長さLで間隔Wのスペースに、図5に示すように画像形成装置本体100に対して開閉自在に取り付ける両面ユニット92を設ける。両面ユニット92は、図2に示す下方の水平軸35を中心として、図6に示すように上下方向に開くことができるように設ける。
【0063】
ところで、図2に示すように、両面ユニット92は、画像形成装置本体100内に備える用紙搬送路23のすぐ外側に設ける。そこで、両面ユニット92を開くことにより用紙搬送路23にあるジャム紙を簡単に取り除くことができる。また、用紙ジャム発生時は、図6に示すように開閉ユニットである両面ユニット92を開いたとき、画像形成装置本体100内に備える給紙カセット21の給紙部36まで大きく開放するので、用紙搬送路23を大きく開放してジャム処理を容易とすることができる。
【0064】
さて、両面ユニット92には、上述したとおり、用紙22を表裏反転して作像装置32へと再給紙する記録媒体搬送系95(図2参照)を有する。張り出し部分45では、図7に示すように、両面ユニット92に備えるこの記録媒体搬送系95の駆動を司る部分の一部を支持する。駆動を司る部分の一部としては、例えば、記録媒体搬送系95のローラやベルト等の記録媒体搬送部材を回転駆動する駆動源である駆動モータ46、切換爪等の記録媒体搬送方向切換部材を切り換えるソレノイド、搬送する用紙22を検知する検知部材などがある。なお、図7において、符号47は、レジストローラ24の駆動モータであり、48は、張り出し部分45の上方において外向きに突出して設けるダクト出口である。
【0065】
そして、用紙ジャム処理を行うときは、図6に示すように、駆動モータ46は張り出し部分45で支持したまま画像形成装置本体100側に残し、開閉ユニットである両面ユニット92のみを水平軸35を中心として回動してその上方側を外向きに開き、画像形成装置本体100の正面側から画像形成装置本体100内に手を入れて用紙搬送路23からジャム紙を取り出して後、図5に示すように両面ユニット92を再び閉じる。
【0066】
さて、両面ユニット92には、図8に示すように、後側板41の張り出し部分45側に駆動伝達装置96を設ける。駆動伝達装置96には、複数のギヤ97を設ける。そして、両面ユニット92を閉じたとき、画像形成装置本体100側で、張り出し部分45で支持する駆動モータ46のモータギヤが、駆動伝達装置96の複数のギヤの1つにかみ合い、駆動モータ46の駆動力を、記録媒体搬送系95の、ローラやベルト等の記録媒体搬送部材に伝達し、その記録媒体搬送部材を回転駆動して用紙22を搬送する。両面ユニット92を開いたときには、ギアのかみ合いが外れるようになっている。
【0067】
これにより、図示例では、駆動モータ46は画像形成装置本体100側に残して、駆動モータ46を有しない両面ユニット92を画像形成装置本体100に対して開閉するので、駆動モータ46を切り離すだけで何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、両面ユニット92を小型化して軽くし、ジャム処理時などに両面ユニット92を開閉するときの開閉作業性を向上することができる。また、開閉する両面ユニット92へのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0068】
上述した例では、画像形成装置本体100内に一対の側板40・41を前後に対向して設け、開閉ユニットである両面ユニット92を画像形成装置本体100の右側面に設けた。しかし、画像形成装置本体100内に一対の側板を左右に対向して設け、両面ユニット92などの開閉ユニットを画像形成装置本体100の正面側や背面側に備えるようにしてもよい。両面ユニット92は、水平軸35に限らず、垂直軸を中心として前後方向または左右方向に開閉するようにしてもよい。そして、画像形成装置本体100の左右側面に設けるときは前後方向に、また正面もしくは背面に設けるときは左右方向に開閉する。
【0069】
図示例のようにすると、前側板40を後側板41より小さくつくるので、両面ユニット92を開いたときに画像形成装置本体100の正面側から画像形成装置本体100内に手などを入れやすくして、ジャム処理などを容易とすることができる。
【0070】
また、図示例のようにすると、画像形成装置本体100が、後側板41の張り出し部分45を突出して設け、両面ユニット92を突出して備えるので、両面ユニット92を開いたとき、内部を画像形成装置本体100の外側近くで開放して画像形成装置本体100の正面側から画像形成装置本体100内に、手などをより一層入れやすくし、ジャム処理などをさらに容易とすることができる。
【0071】
さて、上述した例では、開閉ユニットが両面ユニット92であり、ジャム処理目的で開閉する例を示したが、開閉ユニットは両面ユニットに限るものではなく、またジャム処理目的に限らず、この発明は、当然に、部品交換や消耗品補給や修理等のその他のメンテナンス目的などで開閉ユニットを開閉する場合も含むものである。
【0072】
図示例のように、開閉ユニットが両面ユニット92とすると、用紙22の表裏両面に画像を記録するときは、片面記録済みの用紙22を両面ユニット92へと導き、表裏反転して作像装置32に再給送するようにする。そして、ジャム処理を行うときなど、記録媒体搬送系95の駆動を司る部分の一部を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体100側に残し、その駆動を司る部分の一部を有しない両面ユニット92を画像形成装置本体100に対して開閉する。よって、比較的重量がある両面ユニット92からその駆動を司る部分の一部を切り離すだけであるから、何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、両面ユニット92を小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0073】
そして、図示例では、ジャム処理を行うときなど、両面ユニット92を開いて、すぐ内側にある用紙搬送路23を開放するので、両面ユニット92を開くことによりその用紙搬送路23にあるジャム紙を簡単に取り除くことができる。
【0074】
なお、一対の側板40・41を連結して構造体44を構成し、その構造体44を樹脂材料を用いて一体成形でつくるようにすると、一対の側板40・41を板金材料を用いてつくった場合に比し、画像形成装置本体100を軽く、安価とし、また一対の側板40・41を一体化して画像形成装置本体100に対する組付け等も容易とすることができる。
【0075】
また、開閉ユニットである両面ユニット92を支点を中心として回動して画像形成装置本体100に対して開閉する例を示したが、開閉ユニットを画像形成装置本体100に対して着脱して開閉するときも、画像形成装置本体100に対してスライドしたり、平行移動したりして開閉するときも、同様に駆動モータ46を張り出し部分45で支持するようにすることで、開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明による間接転写4連タンデム方式の電子写真式カラー画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】その画像形成装置本体の内部機構の全体概略構成図である。
【図3】その画像形成装置本体内に備える構造体の概略斜視図である。
【図4】その構造体の概略正面図である。
【図5】その画像形成装置本体の部分外観斜視図である。
【図6】その両面ユニットを開いた状態の斜視図である。
【図7】その構造体を構成する後側板の張り出し部分で駆動モータを支持する状態を示す斜視図である。
【図8】両面ユニットの部分拡大図である。
【図9】従来の画像形成装置の内部機構の全体概略構成図である。
【図10】その両面ユニットを開いた状態の部分斜視図である。
【図11】さらに本体カバーを開いた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
21 給紙カセット
23 用紙搬送路(記録媒体搬送路)
32 作像装置
35 水平軸
36 給紙部
40 前側板(一対の側板の他方)
41 後側板(一対の側板の一方)
44 構造体
45 張り出し部分
46 駆動モータ(駆動源)
92 両面ユニット(開閉ユニット)
95 記録媒体搬送系
100 画像形成装置本体
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。そのうち特に、画像形成装置本体内に一対の側板を対向して設け、それら一対の側板間に、例えば帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置などにより構成する作像装置を備え、像担持体上に形成したトナー画像を転写して記録媒体に画像を記録する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の中には、例えば図9に示すように、画像形成装置本体1の上に画像読取装置2を備え、その上に自動原稿搬送装置(ADF)3を設置するとともに、右側面に両面ユニット4を取り付けるものがある。画像形成装置本体1内には、例えば、給紙装置5の上に作像装置6を設け、その上に排紙スタック装置7を配置する構成とする。作像装置6は、図示省略するが、画像形成装置本体1内で、正面側と背面側とに設置して互いに対向して設ける一対の側板間で支持していた。
【0003】
そして、画像記録時は、自動原稿搬送装置3で原稿を搬送しながらその記載情報を画像読取装置2で読み取り、その読取信号に基づき作像装置6で画像を形成する一方、給紙装置5から記録媒体である用紙を送り出して用紙搬送路8を通して上方の画像形成装置本体1へと搬送し、作像装置6で形成した画像を転写して用紙上に画像を記録して後、排紙スタック装置7に排出していた。
【0004】
用紙の表裏両面に画像を記録するときは、表面に画像記録後の用紙をいったん両面ユニット4に入れて表裏反転してから画像形成装置本体1内に再給紙し、別途作像装置6で形成したトナー画像を転写して裏面にも画像を記録して後、排紙スタック装置7に排出していた。
【0005】
ところが、このような画像形成装置では、近年、資源の有効利用の観点から、図9に示すごとく両面ユニット4を標準装備して用紙の両面に画像を記録するものが多くなるなどにより、用紙搬送経路が長くなるとともに、再生紙の使用が多くなるなど、使用する用紙の種類も多くなり、また用紙の品質も低下し、用紙ジャムの発生が避けられない状況下にある。
【0006】
従来、図9に示すような画像形成装置において、用紙ジャム発生時は、例えば図10に示すように下方側を支点として両面ユニット4を回動してその上方側を外向きに開き、そののち図11に示すように内部の本体カバー9を同じく下方側を支点として回動してその上方側を外向きに開き、用紙搬送路8でジャムした用紙pを取り出していた。
【0007】
【特許文献1】特開2003-302800号公報
【特許文献2】特開平8-328451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したような従来の画像形成装置において、両面ユニット4には、片面記録済みの用紙を表裏反転してから再給紙する、ローラ等の記録媒体搬送部材、記録媒体ガイド部材、切換爪等の記録媒体搬送方向切換部材などとともに、記録媒体搬送部材を回転駆動する駆動モータ等の駆動源、記録媒体搬送方向切換部材を切り換えるソレノイド、搬送する記録媒体を検知する検知部材などを備えるから、全体が大型化し、重量が重くなって、ジャム処理時に開閉するときの開閉作業性が悪い、という問題があった。
【0009】
従来の画像形成装置の中には、そのような問題点を解消すべく、ダンパー機構やスプリングを設けて両面ユニット4の開閉作業性を高めるものもあるが、構造的に複雑化し、コストアップとなる問題があった。
【0010】
そこで、この発明の第1の目的は、上述したような画像形成装置において、両面ユニット等の開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上することにある。
【0011】
この発明の第2の目的は、上述したような画像形成装置において、開閉ユニットを開いたときに画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体内に手などを入れやすくして、ジャム処理などを容易とすることにある。
【0012】
この発明の第3の目的は、上述したような画像形成装置において、開閉ユニットを開いたときに正面側から画像形成装置本体内に手などをより一層入れやすくして、ジャム処理などをさらに容易とすることにある。
【0013】
この発明の第4の目的は、ジャム処理時などに両面ユニットを開閉する、上述したような画像形成装置において、両面ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉するときの開閉作業性を向上することにある。
【0014】
この発明の第5の目的は、上述したような画像形成装置において、ジャム処理を容易とすることにある。
【0015】
この発明の第6の目的は、上述したような画像形成装置において、画像形成装置本体を軽く、安価とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、画像形成装置本体内に、間隔Wを隔てて一対の側板を対向して設ける、複写機・ファクシミリ・プリンタ等の画像形成装置において、
前記一対の側板の一方の側縁を他方の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出し、
その張り出し部分長さLで前記間隔Wのスペースに、前記画像形成装置本体に対して回動したり、着脱したり、スライドしたり、平行移動したりすることにより開閉自在に取り付ける、両面ユニット等の開閉ユニットを設け、
その開閉ユニットに備える記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を前記張り出し部分で支持して前記画像形成装置本体側に取り付ける、ことを特徴とする。
【0017】
そして、ジャム処理を行うときなど、記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動を司る部分の一部を有しない開閉ユニットを回動したり、着脱したり、スライドしたり、平行移動したりして画像形成装置本体に対して開閉する。
【0018】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1に記載の画像形成装置において、前記一対の側板を、前記画像形成装置本体の正面側に設ける前側板と、背面側に設ける後側板とし、その後側板の側縁を前側板の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出す、ことを特徴とする。
【0019】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを開いて画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体内に手などを入れて作業を行う。
【0020】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項2に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置本体が、前記後側板の前記張り出し部分を突出して設け、前記開閉ユニットを突出して備える、ことを特徴とする。
【0021】
そして、同様に、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを開いて画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体の、例えば右側面内に手などを入れて作業を行う。
【0022】
請求項4に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系の、ローラやベルト等の記録媒体搬送部材を回転駆動する、駆動モータ等の駆動源である、ことを特徴とする。
【0023】
そして、ジャム処理を行うときなど、駆動モータ等の駆動源を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動源を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉する。
【0024】
請求項5に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系の、切換爪等の記録媒体搬送方向切換部材を切り換えるソレノイドである、ことを特徴とする。
【0025】
そして、ジャム処理を行うときなど、ソレノイドを張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、そのソレノイドを有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉する。
【0026】
請求項6に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系で、搬送する記録媒体を検知する検知部材である、ことを特徴とする。
【0027】
そして、ジャム処理を行うときなど、検知部材を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その検知部材を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉する。
【0028】
請求項7に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記開閉ユニットが、片面記録済みの記録媒体を表裏反転して作像装置に再給送する両面ユニットである、ことを特徴とする。
【0029】
そして、記録媒体の表裏両面に画像を記録するときは、片面記録済みの記録媒体を両面ユニットへと導き、表裏反転して作像装置に再給送する。
【0030】
請求項8に記載の発明は、上述した第5の目的も達成すべく、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置本体内に備える記録媒体搬送路のすぐ外側に前記開閉ユニットを設ける、ことを特徴とする。
【0031】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを開いて、すぐ内側にある記録媒体搬送路を開放し、その記録媒体搬送路にあるジャム紙を取り除く。
【0032】
請求項9に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記開閉ユニットを水平軸を中心として開閉自在に設ける、ことを特徴とする。
【0033】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを水平軸を中心として上下方向に開閉する。
【0034】
請求項10に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記開閉ユニットを垂直軸を中心として開閉自在に設ける、ことを特徴とする。
【0035】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを垂直軸を中心として、画像形成装置本体の左右側面に設けるときは前後方向に、また画像形成装置本体の正面もしくは背面に設けるときは左右方向に開閉する。
【0036】
請求項11に記載の発明は、上述した第5の目的も達成すべく、請求項9または10に記載の画像形成装置において、前記開閉ユニットを開いたとき、前記画像形成装置本体に備える給紙カセットの給紙部まで開放する、ことを特徴とする。
【0037】
そして、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを大きく開いて給紙カセットの給紙部まで開放し、その給紙部にあるジャム紙も取り除き可能とする。
【0038】
請求項12に記載の発明は、上述した第6の目的も達成すべく、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記一対の側板を連結して構造体を構成し、その構造体を樹脂材料を用いて一体成形でつくる、ことを特徴とする。
【0039】
そして、一対の側板を連結して一体化した樹脂製構造体の一対の側板間に、画像を形成する作像装置を備える。
【発明の効果】
【0040】
請求項1に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を一方の側板の張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動を司る部分の一部を有しない開閉ユニットを回動したり、着脱したり、スライドしたり、平行移動したりして画像形成装置本体に対して開閉するので、駆動を司る部分の一部を切り離すだけで何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、開閉ユニットを小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、前側板を後側板より小さくつくるので、前側板の側縁が後側板の側縁より張り出していない分、開閉ユニットを開いたときに画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体内に手などを入れやすくして、ジャム処理などを容易とすることができる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、画像形成装置本体が、後側板の張り出し部分を突出して設け、開閉ユニットを突出して備えるので、開閉ユニットを開いたとき、内部の記録媒体搬送路を画像形成装置本体の外側近くで開放して画像形成装置本体の正面側から画像形成装置本体内に、手などをより一層入れやすくし、ジャム処理などをさらに容易とすることができる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、駆動モータ等の駆動源を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動源を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉するので、開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、ソレノイドを張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、そのソレノイドを有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉するので、開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0045】
請求項6に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、検知部材を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その検知部材を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉するので、開閉ユニットを小型化して軽くし、構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、ジャム処理時などに開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0046】
請求項7に記載の発明によれば、開閉ユニットが両面ユニットであり、記録媒体の表裏両面に画像を記録するときは、片面記録済みの記録媒体を両面ユニットへと導き、表裏反転して作像装置に再給送するようにする。そして、ジャム処理を行うときなど、記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体側に残し、その駆動を司る部分の一部を有しない開閉ユニットを画像形成装置本体に対して開閉する。よって、比較的重量がある両面ユニットからその駆動を司る部分の一部を切り離すだけであるから、何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、両面ユニットを小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0047】
請求項8に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを開いて、すぐ内側にある記録媒体搬送路を開放するので、開閉ユニットを開くことによりその記録媒体搬送路にあるジャム紙を簡単に取り除くことができる。
【0048】
請求項9に記載の発明によれば、ジャム処理を行うとき、開閉ユニットを水平軸を中心として上下方向に開閉するので、駆動を司る部分の一部を切り離すだけで何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、開閉ユニットを小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉ユニットを水平軸を中心として上下方向に開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0049】
請求項10に記載の発明によれば、ジャム処理を行うとき、開閉ユニットを垂直軸を中心として前後または左右方向に開閉するので、駆動を司る部分の一部を切り離すだけで何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、開閉ユニットを小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉ユニットを垂直軸を中心として前後または左右方向に開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0050】
請求項11に記載の発明によれば、ジャム処理を行うときなど、開閉ユニットを大きく開いて給紙カセットの給紙部まで開放し、その給紙部にあるジャム紙も取り除き可能とするので、記録媒体搬送路を大きく開放してジャム処理を容易とすることができる。
【0051】
請求項12に記載の発明によれば、一対の側板を連結して構造体を構成し、その構造体を樹脂材料を用いて一体成形でつくるので、一対の側板を板金材料を用いてつくった場合に比し、画像形成装置本体を軽く、安価とし、また一対の側板を一体化して画像形成装置本体に対する組付け等も容易とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、この発明による間接転写4連タンデム方式の電子写真式カラー画像形成装置の外観を示す。
【0053】
図中符号100は、画像形成装置本体である。画像形成装置本体100の上には、画像読取装置200を取り付ける。画像読取装置200は、上面にコンタクトガラスを備え、正面には手前側に突出して操作表示部90を設ける。画像読取装置200の上には、自動原稿搬送装置(ADF)300を、背面側を支点として正面側を上下に開閉可能に取り付ける。そのように画像読取装置200および自動原稿搬送装置300を取り付けた画像形成装置本体100全体を、オプション装置である増設給紙装置400上に載置している。増設給紙装置400には、給紙カセット91を上下2段に備えて各々正面側から出し入れ自在とする。また、画像形成装置本体100の右側面には、開閉ユニットとして両面ユニット92を開閉自在に取り付ける。
【0054】
図2には、その画像形成装置本体100の内部機構の全体概略構成を示す。
【0055】
図中符号10c、10m、10y、10bは、それぞれシアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの4つの画像形成ユニットであり、タンデム式に並べて設ける。各画像形成ユニットでは、それぞれドラム状の像担持体11c、11m、11y、11bを備え、その図中時計まわりの回転にともない、まず各帯電装置12c、12m、12y、12bで表面を一様に帯電し、次いで共通の書込み装置13からのレーザ光Lc、Lm、Ly、Lbで書き込みを行い、そののち各現像装置14c、14m、14y、14bでトナーを付着して像担持体11c、11m、11y、11b上に各々各色単色画像を形成する。
【0056】
そして、無端ベルト状の中間転写体15を図中反時計まわりに走行して各一次転写装置16c、16m、16y、16bにより像担持体11c、11m、11y、11b上の各色単色画像を一次転写し、中間転写体15上にフルカラー画像を形成する。
【0057】
一方、適宜タイミングで給送ローラ20の1つを選択的に回転し、画像形成装置本体100内の給紙カセット21または上述した増設給紙装置400内の給紙カセット91から所定用紙(記録媒体)22を繰り出し、用紙搬送路(記録媒体搬送路)23を通して搬送して一対のレジストローラ24間に突き当てて止める。そして、中間転写体15上のフルカラー画像にタイミングを合わせて一対のレジストローラ24を回転し、二次転写装置25によりそのフルカラー画像を用紙22に二次転写する。そののち、フルカラー画像転写後の用紙22を用紙搬送路23を通してそのまま上方へと搬送し、定着装置30の定着ニップを通過するとき未定着転写トナーを用紙22に定着し、排出ローラ26で排出して画像形成装置本体100上の排紙スタック装置27上にスタックする。
【0058】
一次転写終了後の各像担持体11c、11m、11y、11bは、一次クリーニング装置17c、17m、17y、17bでクリーニングして残トナーを除去する。また、二次転写終了後の中間転写体15は、二次クリーニング装置18でクリーニングして残トナーを除去する。
【0059】
図中符号28c、28m、28y、28bは、それぞれ各色現像装置14c、14m、14y、14bにトナーを補給するトナー補給装置である。
【0060】
さて、図示画像形成装置で用紙22の表裏両面に画像を記録するときは、定着装置30を通過した片面記録済みの用紙22を切換爪33で切り換えて画像形成装置本体100から両面ユニット92に入れ、スイッチバック路93でスイッチバックして表裏反転してから再給紙路94を通して再び画像形成装置本体100に入れ、二次転写位置へと再給紙し、別途中間転写体15上に形成した画像を転写して裏面にも画像を記録して後、排出ローラ26で排紙スタック装置27に排出する。
【0061】
ところで、図示画像形成装置では、図3に示すように、画像形成装置本体100内に、間隔Wを隔てて一対の側板40・41を対向して設ける。一対の側板40・41は、画像形成装置本体100の正面側に設ける前側板40と、背面側に設ける後側板41とからなる。図示例では、それら一対の側板40・41を底板42と中間板43とで連結して構造体44を構成する。そして、その構造体44の一対の側板40・41で、上述した画像形成ユニット10c、10m、10y、10b、中間転写体15、一次転写装置16c、16m、16y、16b、二次クリーニング装置18、二次転写装置25等により構成する作像装置32(図2参照)などを支持する。画像を形成する作像装置32は、図示例では、間接転写4連タンデム方式の電子写真式のものを用いたが、もちろんこれに限定されるものではない。
【0062】
一対の側板40・41は、図4にも示すように、後側板41の右側の側縁を前側板40の右側の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出して形成する。そして、この張り出し部分45は、画像形成装置本体100の右側面から突出して設け、張り出し部分長さLで間隔Wのスペースに、図5に示すように画像形成装置本体100に対して開閉自在に取り付ける両面ユニット92を設ける。両面ユニット92は、図2に示す下方の水平軸35を中心として、図6に示すように上下方向に開くことができるように設ける。
【0063】
ところで、図2に示すように、両面ユニット92は、画像形成装置本体100内に備える用紙搬送路23のすぐ外側に設ける。そこで、両面ユニット92を開くことにより用紙搬送路23にあるジャム紙を簡単に取り除くことができる。また、用紙ジャム発生時は、図6に示すように開閉ユニットである両面ユニット92を開いたとき、画像形成装置本体100内に備える給紙カセット21の給紙部36まで大きく開放するので、用紙搬送路23を大きく開放してジャム処理を容易とすることができる。
【0064】
さて、両面ユニット92には、上述したとおり、用紙22を表裏反転して作像装置32へと再給紙する記録媒体搬送系95(図2参照)を有する。張り出し部分45では、図7に示すように、両面ユニット92に備えるこの記録媒体搬送系95の駆動を司る部分の一部を支持する。駆動を司る部分の一部としては、例えば、記録媒体搬送系95のローラやベルト等の記録媒体搬送部材を回転駆動する駆動源である駆動モータ46、切換爪等の記録媒体搬送方向切換部材を切り換えるソレノイド、搬送する用紙22を検知する検知部材などがある。なお、図7において、符号47は、レジストローラ24の駆動モータであり、48は、張り出し部分45の上方において外向きに突出して設けるダクト出口である。
【0065】
そして、用紙ジャム処理を行うときは、図6に示すように、駆動モータ46は張り出し部分45で支持したまま画像形成装置本体100側に残し、開閉ユニットである両面ユニット92のみを水平軸35を中心として回動してその上方側を外向きに開き、画像形成装置本体100の正面側から画像形成装置本体100内に手を入れて用紙搬送路23からジャム紙を取り出して後、図5に示すように両面ユニット92を再び閉じる。
【0066】
さて、両面ユニット92には、図8に示すように、後側板41の張り出し部分45側に駆動伝達装置96を設ける。駆動伝達装置96には、複数のギヤ97を設ける。そして、両面ユニット92を閉じたとき、画像形成装置本体100側で、張り出し部分45で支持する駆動モータ46のモータギヤが、駆動伝達装置96の複数のギヤの1つにかみ合い、駆動モータ46の駆動力を、記録媒体搬送系95の、ローラやベルト等の記録媒体搬送部材に伝達し、その記録媒体搬送部材を回転駆動して用紙22を搬送する。両面ユニット92を開いたときには、ギアのかみ合いが外れるようになっている。
【0067】
これにより、図示例では、駆動モータ46は画像形成装置本体100側に残して、駆動モータ46を有しない両面ユニット92を画像形成装置本体100に対して開閉するので、駆動モータ46を切り離すだけで何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、両面ユニット92を小型化して軽くし、ジャム処理時などに両面ユニット92を開閉するときの開閉作業性を向上することができる。また、開閉する両面ユニット92へのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0068】
上述した例では、画像形成装置本体100内に一対の側板40・41を前後に対向して設け、開閉ユニットである両面ユニット92を画像形成装置本体100の右側面に設けた。しかし、画像形成装置本体100内に一対の側板を左右に対向して設け、両面ユニット92などの開閉ユニットを画像形成装置本体100の正面側や背面側に備えるようにしてもよい。両面ユニット92は、水平軸35に限らず、垂直軸を中心として前後方向または左右方向に開閉するようにしてもよい。そして、画像形成装置本体100の左右側面に設けるときは前後方向に、また正面もしくは背面に設けるときは左右方向に開閉する。
【0069】
図示例のようにすると、前側板40を後側板41より小さくつくるので、両面ユニット92を開いたときに画像形成装置本体100の正面側から画像形成装置本体100内に手などを入れやすくして、ジャム処理などを容易とすることができる。
【0070】
また、図示例のようにすると、画像形成装置本体100が、後側板41の張り出し部分45を突出して設け、両面ユニット92を突出して備えるので、両面ユニット92を開いたとき、内部を画像形成装置本体100の外側近くで開放して画像形成装置本体100の正面側から画像形成装置本体100内に、手などをより一層入れやすくし、ジャム処理などをさらに容易とすることができる。
【0071】
さて、上述した例では、開閉ユニットが両面ユニット92であり、ジャム処理目的で開閉する例を示したが、開閉ユニットは両面ユニットに限るものではなく、またジャム処理目的に限らず、この発明は、当然に、部品交換や消耗品補給や修理等のその他のメンテナンス目的などで開閉ユニットを開閉する場合も含むものである。
【0072】
図示例のように、開閉ユニットが両面ユニット92とすると、用紙22の表裏両面に画像を記録するときは、片面記録済みの用紙22を両面ユニット92へと導き、表裏反転して作像装置32に再給送するようにする。そして、ジャム処理を行うときなど、記録媒体搬送系95の駆動を司る部分の一部を張り出し部分で支持したまま画像形成装置本体100側に残し、その駆動を司る部分の一部を有しない両面ユニット92を画像形成装置本体100に対して開閉する。よって、比較的重量がある両面ユニット92からその駆動を司る部分の一部を切り離すだけであるから、何ら構造的に複雑化したりコストアップとなったりすることなく、両面ユニット92を小型化して軽くし、ジャム処理時などに開閉するときの開閉作業性を向上し、また開閉する開閉ユニットへのハーネス接続を不要として信頼性を高めることができる。
【0073】
そして、図示例では、ジャム処理を行うときなど、両面ユニット92を開いて、すぐ内側にある用紙搬送路23を開放するので、両面ユニット92を開くことによりその用紙搬送路23にあるジャム紙を簡単に取り除くことができる。
【0074】
なお、一対の側板40・41を連結して構造体44を構成し、その構造体44を樹脂材料を用いて一体成形でつくるようにすると、一対の側板40・41を板金材料を用いてつくった場合に比し、画像形成装置本体100を軽く、安価とし、また一対の側板40・41を一体化して画像形成装置本体100に対する組付け等も容易とすることができる。
【0075】
また、開閉ユニットである両面ユニット92を支点を中心として回動して画像形成装置本体100に対して開閉する例を示したが、開閉ユニットを画像形成装置本体100に対して着脱して開閉するときも、画像形成装置本体100に対してスライドしたり、平行移動したりして開閉するときも、同様に駆動モータ46を張り出し部分45で支持するようにすることで、開閉ユニットを開閉するときの開閉作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明による間接転写4連タンデム方式の電子写真式カラー画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】その画像形成装置本体の内部機構の全体概略構成図である。
【図3】その画像形成装置本体内に備える構造体の概略斜視図である。
【図4】その構造体の概略正面図である。
【図5】その画像形成装置本体の部分外観斜視図である。
【図6】その両面ユニットを開いた状態の斜視図である。
【図7】その構造体を構成する後側板の張り出し部分で駆動モータを支持する状態を示す斜視図である。
【図8】両面ユニットの部分拡大図である。
【図9】従来の画像形成装置の内部機構の全体概略構成図である。
【図10】その両面ユニットを開いた状態の部分斜視図である。
【図11】さらに本体カバーを開いた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
21 給紙カセット
23 用紙搬送路(記録媒体搬送路)
32 作像装置
35 水平軸
36 給紙部
40 前側板(一対の側板の他方)
41 後側板(一対の側板の一方)
44 構造体
45 張り出し部分
46 駆動モータ(駆動源)
92 両面ユニット(開閉ユニット)
95 記録媒体搬送系
100 画像形成装置本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体内に、間隔Wを隔てて一対の側板を対向して設ける画像形成装置において、
前記一対の側板の一方の側縁を他方の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出し、
その張り出し部分長さLで前記間隔Wのスペースに、前記画像形成装置本体に対して開閉自在に取り付ける開閉ユニットを設け、
その開閉ユニットに備える記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を前記張り出し部分で支持して前記画像形成装置本体側に取り付けることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記一対の側板を、前記画像形成装置本体の正面側に設ける前側板と、背面側に設ける後側板とし、その後側板の側縁を前記前側板の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出すことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置本体が、前記後側板の前記張り出し部分を突出して設け、前記開閉ユニットを突出して備えることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系の記録媒体搬送部材を回転駆動する駆動源であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系の記録媒体搬送方向切換部材を切り換えるソレノイドであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系で、搬送する記録媒体を検知する検知部材であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記開閉ユニットが両面ユニットであることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置本体内に備える記録媒体搬送路のすぐ外側に前記開閉ユニットを設けることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記開閉ユニットを水平軸を中心として開閉自在に設けることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記開閉ユニットを垂直軸を中心として開閉自在に設けることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記開閉ユニットを開いたとき、前記画像形成装置本体内に備える給紙カセットの給紙部まで開放することを特徴とする、請求項9または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記一対の側板を連結して構造体を構成し、その構造体を樹脂材料を用いて一体成形でつくることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置本体内に、間隔Wを隔てて一対の側板を対向して設ける画像形成装置において、
前記一対の側板の一方の側縁を他方の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出し、
その張り出し部分長さLで前記間隔Wのスペースに、前記画像形成装置本体に対して開閉自在に取り付ける開閉ユニットを設け、
その開閉ユニットに備える記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部を前記張り出し部分で支持して前記画像形成装置本体側に取り付けることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記一対の側板を、前記画像形成装置本体の正面側に設ける前側板と、背面側に設ける後側板とし、その後側板の側縁を前記前側板の側縁より水平方向長さでLだけ大きく張り出すことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置本体が、前記後側板の前記張り出し部分を突出して設け、前記開閉ユニットを突出して備えることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系の記録媒体搬送部材を回転駆動する駆動源であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系の記録媒体搬送方向切換部材を切り換えるソレノイドであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記録媒体搬送系の駆動を司る部分の一部が、前記記録媒体搬送系で、搬送する記録媒体を検知する検知部材であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記開閉ユニットが両面ユニットであることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置本体内に備える記録媒体搬送路のすぐ外側に前記開閉ユニットを設けることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記開閉ユニットを水平軸を中心として開閉自在に設けることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記開閉ユニットを垂直軸を中心として開閉自在に設けることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記開閉ユニットを開いたとき、前記画像形成装置本体内に備える給紙カセットの給紙部まで開放することを特徴とする、請求項9または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記一対の側板を連結して構造体を構成し、その構造体を樹脂材料を用いて一体成形でつくることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−146142(P2006−146142A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179586(P2005−179586)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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