説明

画像形成装置

【課題】無線タグを備えた交換部品が着脱可能に装着され、無線タグと無線通信を行う通信装置を備える画像形成装置において、コストや規模の増大を抑えつつ、外来ノイズのレベルを検出する。
【解決手段】画像形成装置100は、装置本体2と、この装置本体2に着脱可能に装着される交換部品3とから構成される。交換部品3には、無線タグ10が取り付けられている。装置本体2には、通信装置20として、送信アンテナおよび受信アンテナを介して無線タグ10と無線通信を行うリーダライタ30と、このリーダライタ30を制御する制御ユニット40とが設けられている。通信装置20は、受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、捕捉された外来ノイズのレベルを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグを備えた交換部品が着脱可能に装着され、無線タグと無線通信を行う通信装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタなどの画像形成装置として、ドラムカートリッジやトナーカートリッジといった交換部品が装置本体に着脱可能に装着されるものが知られている。このような画像形成装置において、交換部品の製造バラツキの補正や寿命管理などのため、交換部品に無線タグを取り付ける構成が普及してきている。この無線タグには、製造バラツキを補正するための補正値や使用履歴情報などの各種の制御情報が格納される。そして、無線タグに格納された制御情報は、装置本体側の通信装置により適宜読み出され、画像形成装置の制御に利用される。また、必要に応じて、装置本体側の通信装置から無線タグへの制御情報の書き込みが行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成において、装置本体側の通信装置と無線タグとの間の無線通信は、周囲のノイズに影響を受ける。例えば、CRT、モータ、高圧印加部材などのノイズ源が通信装置の近傍に存在する場合、通信信号にノイズが乗ってしまい、通信エラーが発生する場合がある。外来ノイズが強い場合、何度無線通信を試みても、繰り返し通信エラーとなってしまう。この場合、使用者は、通信装置の故障であると誤認してしまうこともある。
【0004】
外来ノイズのレベルを検出することができれば、ノイズレベルに応じた適切な措置をとることが可能となる。しかし、ノイズを検出するための専用のセンサを設けることとすると、そのためのコストやスペースが必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、コストや規模の増大を抑えつつ、外来ノイズのレベルを検出することができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、無線タグを備える交換部品が着脱可能に装着され、送信アンテナおよび受信アンテナを介して前記無線タグと無線通信を行う通信装置を有し、前記交換部品を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、捕捉された外来ノイズのレベルを検出するノイズ検出手段を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の好適な態様では、前記ノイズ検出手段は、前記送信アンテナからの電磁波の放射を停止させた状態で、外来ノイズのレベルの検出を実行する。
【0008】
また、本発明の好適な態様では、前記通信装置は、前記送信アンテナに供給される送信信号のレベル、または、前記受信アンテナにより受信された受信信号のレベルを検出する信号検出回路を備えており、前記ノイズ検出手段は、前記信号検出回路を利用して、外来ノイズのレベルを検出する。
【0009】
また、本発明の好適な態様では、前記通信装置は、前記送信アンテナに送信信号を供給する送信部と、入力された信号をフィルタリングする受信フィルタ回路を含み、前記受信アンテナにより受信された受信信号に対し、前記受信フィルタ回路によるフィルタリングを施した後に、所定の受信処理を施す受信部と、前記送信部から前記送信アンテナに供給される送信信号を、前記送信部から前記受信フィルタ回路に導く信号線と、当該信号線を介して前記受信フィルタ回路に入力され、当該受信フィルタ回路によりフィルタリングされた送信信号に含まれるノイズパルスをカウントするパルスカウンタと、を備えており、前記ノイズ検出手段は、前記受信アンテナにより受信された外来ノイズを前記受信フィルタ回路によりフィルタリングし、フィルタリング後の信号に含まれるパルスを前記パルスカウンタによりカウントする。
【0010】
また、本発明の好適な態様では、前記ノイズ検出手段は、画像形成用の所定の部品を動作させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出する。
【0011】
また、本発明の好適な態様では、前記ノイズ検出手段は、当該画像形成装置に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出する。
【0012】
また、本発明の好適な態様では、前記ノイズ検出手段は、当該画像形成装置に、記録媒体を搬送させないで、実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出する。
【0013】
また、本発明の好適な態様では、前記ノイズ検出手段により検出された外来ノイズのレベルに基づいて、前記無線タグとの無線通信が可能か否かを判断する。この構成の好適な態様では、無線通信が可能でないと判断された場合、前記無線タグとの無線通信を停止させる。また、無線通信が可能でないと判断された場合、画像形成機能を停止させる。また、無線通信が可能でないと判断された場合、その旨を使用者に通知する。
【0014】
また、本発明の好適な態様では、外来ノイズのレベルが大きいほどノイズ耐性が高くなるように、前記ノイズ検出手段により検出された外来ノイズのレベルに応じて、前記通信装置の通信態様を変更する。
【0015】
また、前記ノイズ検出手段が、当該画像形成装置に、実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、または、記録媒体を搬送させないで実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出する場合においては、前記ノイズ検出手段により検出された外来ノイズのレベルの時間変化に基づいて、前記無線タグとの無線通信が可能な期間を特定し、特定された期間において無線通信を実行することが好ましい。
【0016】
また、本発明の好適な態様では、前記ノイズ検出手段は、画像形成用の所定の部品を動作させた場合と、当該所定の部品の動作を停止させた場合とにおいて、外来ノイズのレベルを検出する。この構成の好適な態様では、前記所定の部品の動作中に検出された外来ノイズのレベルと、非動作中に検出された外来ノイズのレベルとの差に基づいて、前記所定の部品が異常であるか否かを判断する。
【0017】
また、本発明の好適な態様では、前記ノイズ検出手段は、当該画像形成装置に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させた場合と、当該動作を停止させた場合とにおいて、外来ノイズのレベルを検出する。または、前記ノイズ検出手段は、当該画像形成装置に、記録媒体を搬送させないで実際の画像形成動作と同様の動作を実行させた場合と、当該動作を停止させた場合とにおいて、外来ノイズのレベルを検出する。
【0018】
上記構成における好適な態様では、前記画像形成装置の動作中に検出された外来ノイズのレベルの時間変化と、非動作中に検出された外来ノイズのレベルとに基づいて、当該画像形成装置が異常であるか否かを判断する。
【0019】
また、前記画像形成装置の動作中に検出された外来ノイズのレベルの時間変化に基づいて、画像形成動作中に無線通信が可能か否かを判断し、画像形成動作中に無線通信が可能であると判断された場合、画像形成動作中に無線通信を行い、画像形成動作中に無線通信が可能でないと判断された場合、非動作中に検出された外来ノイズのレベルに基づいて、画像形成動作の停止中に無線通信が可能であると判断されるときには、画像形成動作の停止中に無線通信を行い、一方、画像形成動作の停止中に無線通信が可能でないと判断されるときには、無線通信を停止させる。
【0020】
また、本発明の好適な態様では、前記受信アンテナは複数であり、前記ノイズ検出手段は、複数の受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルを検出する。
【0021】
この構成における好適な態様では、前記各受信アンテナの設置位置と、前記各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルとに基づいて、ノイズ原因の種類を推定する。この場合、好適には、当該画像形成装置外部のノイズ源または当該画像形成装置の部品の故障のうち、いずれがノイズ原因であるかを推定する。
【0022】
また、前記各受信アンテナの設置位置と、前記各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルとに基づいて、ノイズ原因の位置を推定する。この場合、好適には、当該画像形成装置外部のノイズ源の位置、または、当該画像形成装置の故障箇所を推定する。
【0023】
上記の構成では、前記推定の結果を、使用者に通知することが好ましい。
【0024】
本発明に係るノイズ検出方法は、無線タグを備える交換部品が着脱可能に装着され、送信アンテナおよび受信アンテナを介して前記無線タグと無線通信を行う通信装置を有し、前記交換部品を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置におけるノイズ検出方法であって、前記受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、捕捉された外来ノイズのレベルを検出することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る故障検知方法は、無線タグを備える交換部品が着脱可能に装着され、送信アンテナおよび受信アンテナを介して前記無線タグと無線通信を行う通信装置を有し、前記交換部品を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置における故障検知方法であって、画像形成用の所定の部品を動作させた場合と、当該所定の部品の動作を停止させた場合とにおいて、前記受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、捕捉された外来ノイズのレベルを検出するステップと、前記所定の部品の動作中に検出された外来ノイズのレベルと、非動作中に検出された外来ノイズのレベルとの差に基づいて、前記所定の部品が異常であるか否かを判断するステップと、を有することを特徴とする。
【0026】
本発明に係るノイズ原因推定方法は、無線タグを備える交換部品が着脱可能に装着され、送信アンテナおよび受信アンテナを介して前記無線タグと無線通信を行う通信装置を有し、前記交換部品を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置におけるノイズ原因推定方法であって、前記受信アンテナは複数であり、複数の受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルを検出するステップと、前記各受信アンテナの設置位置と、前記各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルとに基づいて、ノイズ原因の種類または位置を推定するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、無線タグからの信号を受信する受信アンテナにより外来ノイズを捕捉することによって外来ノイズのレベルを検出するので、コストや規模の増大を抑えつつ、外来ノイズのレベルを検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、第1〜6の実施の形態に分けて詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100の概略の構成を示すブロック図である。この画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等のように、紙等の記録材に対して画像を印刷する装置である。本実施の形態では、印刷方式として、電子写真方式を例にとって説明することとするが、印刷方式は、インクジェット方式など、他の方式であってもよい。
【0030】
画像形成装置100は、画像形成装置本体2(以下、装置本体と称す)と、この装置本体2に着脱可能に装着される交換部品3とを備えている。装置本体2は、画像形成装置100において実質的に固定的な部分である。交換部品3は、一般的には、消耗した場合に適宜交換される部品である。交換部品3としては、例えば、ドラムカートリッジ、現像ユニット、トナーカートリッジ、転写ユニット、定着ユニットなどが挙げられる。なお、交換部品3は、図1では一つであるが、複数であってもよい。
【0031】
交換部品3には、無線タグ10が取り付けられている。この無線タグ10は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、あるいは非接触ICタグとも呼ばれるものである。無線タグ10には、製造バラツキの補正値や使用履歴情報(印刷枚数等)などの各種の制御情報が格納される。無線タグ10は、読み書き可能なタイプであっても、読み出し専用タイプであってもよい。また、無線タグシステムの仕様は、特に限定されない。例えば、無線タグシステムのタイプは、密着型、近接型、近傍型のいずれであってもよい。より具体的には、通信方式(電磁結合方式、電磁誘導方式、電波方式等)、搬送波周波数、変調方式、通信速度、タグへの電力供給方式(passive型、active型)などは、適宜に決められればよい。なお、ここでは、通信距離10cm以下程度である近接型を採用することとする。
【0032】
装置本体2には、無線タグ10と無線通信を行う通信装置20として、アンテナを介して無線タグ10に対するデータの読み書きを行うリーダライタ30と、このリーダライタ30を制御する制御ユニット40とが設けられている。ここで、リーダライタ30は、送信アンテナおよび受信アンテナとして、送受共用の1つのアンテナを備えていてもよいし、送受別々のアンテナを備えていてもよい。リーダライタ30は、無線タグ10と近接する位置に設けられる。制御ユニット40は、画像形成装置100全体を制御するコントローラとしても機能する。なお、通信装置20の構成は特に限定されず、例えば、リーダライタ30と制御ユニット40とが物理的に一体となっていてもよい。
【0033】
先述したとおり、無線タグ10とリーダライタ30との間の無線通信は、周囲のノイズに影響を受ける。例えば、CRT、モータ、高圧印加部材(転写ローラ等)などのノイズ源がリーダライタ30の近傍に存在する場合、通信信号にノイズが乗ってしまい、通信エラーが発生する場合がある。
【0034】
そこで、本実施の形態では、リーダライタ30が備える受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、捕捉された外来ノイズのレベルを検出する。そして、検出された外来ノイズのレベルに応じて所定の処理を実行する。ここで、外来ノイズとしては、画像形成装置100の外部から到来するノイズと、画像形成装置100の内部で発生するノイズとがある。画像形成装置100内部のノイズ源としては、帯電器や転写ローラなどの高圧印加部材、モータ、定着器、電源回路などが挙げられる。また、外来ノイズのレベルとは、外来ノイズの強度あるいは量またはこれらの組み合わせなど、広く外来ノイズの程度を意味する。外来ノイズのレベルとしては、ノイズの電力や所定期間内のパルス数が挙げられる。外来ノイズのレベルの検出(測定)には、従来から知られている技術を含む様々な技術が適用可能である。
【0035】
ノイズレベルの検出のタイミングは、無線通信の開始前であることが好ましい。これは、検出結果に応じて、無線通信の停止や通信態様の変更など、適切な措置をとることが可能となるからである。また、無線通信の開始直前であることがさらに好ましい。これは、ノイズレベルの経時変化による影響を少なくするためである。ただし、無線通信中など、その他のタイミングで検出を実行することも可能である。
【0036】
また、ノイズレベルの検出は、リーダライタ30の送信アンテナからの電磁波の放射を停止させた状態で実行されることが好ましい。これは、ノイズレベルを正確に検出するため、また、消費電力を低減するためである。
【0037】
通信装置20は、リーダライタ30や無線タグ10の故障診断等のために、送信アンテナに供給される送信信号のレベル、または、受信アンテナにより受信された受信信号のレベルを検出する信号検出機能を備えている場合がある。この場合、ノイズレベルの検出は、コスト等の観点より、信号検出機能のハードウェア資源またはソフトウェア資源を利用して実行されることが好ましい。なお、送信信号や受信信号のレベルとは、信号の強度あるいは量またはこれらの組み合わせなどを意味する。信号のレベルとしては、例えば、信号の電力や所定期間内のパルス数が挙げられる。
【0038】
図2は、無線タグ10および通信装置20の詳細な構成を示すブロック図である。図2において、通信装置20は、その通信機能の故障を診断するため、アンテナ31に供給される送信信号のレベルを検出する送信信号検出機能を備えている。さらに、通信装置20は、アンテナ31と送信信号検出機能を利用して外来ノイズのレベルを検出するノイズ検出機能を備えている。なお、アンテナ31は、送信アンテナおよび受信アンテナとして機能する。
【0039】
まず、図2に従って、無線通信に関する基本的な構成を、無線通信処理の流れと共に説明する。ここでは、通信装置20が無線タグ10から制御情報を読み出す場合を例にとって説明する。この制御情報の読み出しは、電源投入時や交換部品3の交換時など、適宜のタイミングで実行される。なお、無線通信は、ISO/IEC14443などの規格に従って行われることが好ましい。
【0040】
制御ユニット40において、プロセッサ41は、制御情報の送信要求を制御ロジック回路42に送る。制御ロジック回路42は、プロセッサ41から受けた送信要求を、通信制御プロトコルに従って例えば106Kbpsの所定のデータフォーマットに変換し、送信ロジック回路43を介してリーダライタ30へ送る。
【0041】
リーダライタ30において、送信変調回路32は、送信ロジック回路43から受けた送信データによって搬送波(13.56MHz)をASK(Amplitude Shift Keying)変調する。変調により得られた送信信号は、送信フィルタ回路33にてフィルタリングされた後、アンテナ31を介して無線タグ10へ無線送信される。
【0042】
無線タグ10において、アンテナ11は、リーダライタ30から送出された信号を受信し、受信された信号を復調回路12に送る。復調回路12は、受信信号を復調し、得られた受信データを制御回路13に渡す。制御回路13は、受信データについて誤り検出(CRCチェック等)を行った後、受信データが制御情報の送信要求であることを認識する。そして、制御回路13は、不揮発性のメモリ14に保持されている制御情報を読み出し、読み出した制御情報を変調回路15に送る。変調回路15は、制御情報によって副搬送波(847kHz)を変調する。そして、変調された副搬送波により搬送波(13.56MHz)を変調し、得られた信号をアンテナ11を介してリーダライタ30へ送出する。なお、無線タグ10は、整流回路16や電源回路17など、その他の回路も備えている。
【0043】
リーダライタ30は、無線タグ10から返信されてきた信号をアンテナ31により受信すると、その受信信号をローパスフィルタである受信フィルタ回路34にてフィルタリングする。そして、受信復調回路35にてフィルタリング後の受信信号(847kHz)を復調し、得られた受信データを制御ユニット40へ送る。
【0044】
制御ユニット40では、制御ロジック回路42は、受信ロジック回路44を介してリーダライタ30から受け取った受信データ(制御情報)について、誤り検出(CRCチェック等)を行い、所定のデータフォーマットに変換した後、プロセッサ41へ送る。プロセッサ41は、受け取った制御情報を所定の記憶領域に格納するなど所定の処理を行う。なお、所定の記憶領域に格納された制御情報は、画像形成装置100の制御に適宜用いられる。
【0045】
つぎに、通信装置20が備える送信信号検出機能について説明する。図2において、信号線36は、送信フィルタ回路33からアンテナ31に供給される送信信号を、送信フィルタ回路33から受信フィルタ回路34に直接入力させる。これにより、受信フィルタ回路34には、無線タグ10からの受信信号と、無線タグ10を介さずに信号線36を経由して直接送られてくる送信信号とが入力されることになる。受信フィルタ回路34は、その回路特性により、受信信号から副搬送波成分(847kHz)を通過させるとともに、送信信号(106kHz)の8次高調波成分(847kHz)をノイズパルスとして通過させる。パルスカウンタ45は、受信フィルタ回路34からの出力信号に含まれるノイズパルスを検出し、そのノイズパルス数をカウントする。ここで、所定期間内のノイズパルス数は、通信装置20が正常であれば所定範囲内となるが、断線等の故障があれば異常に小さい値となり、接触不良等の故障があれば異常に大きい値となる。プロセッサ41は、パルスカウンタ45によりカウントされたノイズパルス数に基づいて、通信装置20の正常/異常を判定する。
【0046】
ここで、パルスカウンタ45について、図3〜図5を用いて説明する。
【0047】
図3は、パルスカウンタ45の構成を示すブロック図である。パルスカウンタ45は、立ち上がり検知回路45a、立ち上がりカウンタ45b及び読み出し用レジスタ45cを有している。立ち上がり検知回路45aは、プロセッサ41から送られてくるカウントイネーブル信号を受信している間、受信データに含まれるノイズパルスの立ち上がりを検知する。立ち上がりカウンタ45bは、カウントイネーブル信号を受信している間、立ち上がり検知回路45aが検知した立ち上がり数をカウントする。この立ち上がり数は、ノイズパルス数に相当する。立ち上がりカウンタ45bは、このカウント値を読み出し用レジスタ45cに逐次書き込む。このカウント値は、プロセッサ41により読み出され、故障診断に用いられる。
【0048】
図4は、データの送受信タイミングとパルスカウンタ45等の動作タイミングを示す図である。図4(a)〜(c)において、矩形で表された部分は、データが送受信される期間を示している。図4(a)には、制御ロジック回路42がリーダライタ30へ送信データを送出するタイミングが、図4(b)には、この送信データに対して無線タグ10がリーダライタ30へ応答データを返信するタイミングが、それぞれ示されている。図4(c)には、リーダライタ30から制御ユニット40へ受信データが送出されるタイミングが示されている。図4(c)において、図4(a)に示した送信データに対して若干のディレイをもって示された受信データは、信号線36を介して受信フィルタ回路34に入力される信号に相当し、図4(b)に示した応答データに対して若干のディレイをもって示された受信データは、無線タグ10からの受信信号に相当する。プロセッサ41は、図4(c)に示される受信データのタイミングに合わせて、カウントイネーブル信号をパルスカウンタ45へ送出する。これにより、パルスカウンタ45は、図4(d)に示されるタイミングでノイズパルスのカウントを行う。図4(e)には、プロセッサ41によるカウント値の読み取りタイミングが示されている。プロセッサ41は、読み取ったカウント値に基づいて通信装置20の通信機能の正常/異常を判定する。そして、正常と判定した場合には、図4(f)に示されるタイミングで、無線タグ10からの受信データに対する読み取り処理を行う。
【0049】
図5は、受信データに含まれるノイズパルスを模式的に示す図である。図5(a)に示される106KHzの送信データに対し、図5(c)に示されるようなノイズパルスが発生する。なお、図5(b)には、搬送波(13.56MHz)を送信データでASK変調することにより得られる信号が示されている。
【0050】
つぎに、通信装置20が備えるノイズ検出機能について説明する。本実施の形態では、外来ノイズのレベルの検出は、無線通信の開始直前に、アンテナ31への送信信号の供給を停止させた状態で行われる。
【0051】
アンテナ31への送信信号の供給を停止させた状態では、受信フィルタ回路34には、無線タグ10からの受信信号、および、信号線36経由の送信信号は入力されず、アンテナ31に到来した外来ノイズのみが入力される。受信フィルタ回路34は、その回路特性により、アンテナ31から入力された外来ノイズから、副搬送波周波数(847kHz)近傍の成分を通過させる。すなわち、アンテナ31に到来した外来ノイズから、無線通信に影響を及ぼす周波数帯域の成分を抽出する。パルスカウンタ45は、受信フィルタ回路34からの出力信号に含まれるパルスを検出し、そのパルス数をカウントする。これにより、外来ノイズのレベルが検出される。
【0052】
以下、本実施の形態に係る画像形成装置100の動作について、図6および図7を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係る画像形成装置100の動作手順を示すフローチャートである。図7は、図4にノイズレベルの検出タイミングを追加した図である。
【0053】
プロセッサ41は、無線タグ10との無線通信の開始に先立って、カウントイネーブル信号をパルスカウンタ45に所定期間送出する。これにより、パルスカウンタ45は、アンテナ31により捕捉された外来ノイズに含まれるパルスを所定期間カウントする(S11)。このときのパルスカウンタ45の動作期間は、図7(d)において、斜線ハッチングが施された矩形ブロックで表されている。
【0054】
カウントイネーブル信号送出終了後、プロセッサ41は、上記所定期間におけるカウント値をパルスカウンタ45から読み取る(S12)。このとき、プロセッサ41は、パルスカウンタ45に保持されているカウント値をクリアする。なお、カウント値の読み取りのタイミングは、図7(e)において、斜線ハッチングが施された矢印で表されている。
【0055】
ついで、プロセッサ41は、読み取ったカウント値に基づいて、無線通信が可能か否かを判断する(S13)。例えば、プロセッサ41は、カウント値が所定の閾値以下であれば無線通信は可能であると判断し、カウント値が所定の閾値より大きければ無線通信は可能でないと判断する。
【0056】
そして、無線通信が可能でないと判断された場合(S13:NO)、プロセッサ41は、無線タグ10との無線通信を停止させる(S14)。また、外来ノイズが存在する旨あるいは外来ノイズにより正常に稼動できない旨を、コントロールパネルに表示させる等により、使用者に通知する(S15)。さらに、プロセッサ41は、画像形成装置100の画像形成機能を停止させる(S16)。
【0057】
一方、無線通信が可能であると判断された場合(S13:YES)、プロセッサ41は、制御情報の送信要求をリーダライタ30へ送る(S17)。これに応じ、リーダライタ30の送信フィルタ回路33は、送信信号を送出する。この送信信号は、先述したとおり、アンテナ31を介して無線タグ10へ無線送信されるとともに、信号線36を介して受信フィルタ回路34に直接送られる。信号線36経由の送信信号は、受信フィルタ回路34および受信復調回路35を介して、パルスカウンタ45に入力される。プロセッサ41は、信号線36経由の送信信号がパルスカウンタ45に入力されるタイミングに合わせて、カウントイネーブル信号をパルスカウンタ45に所定期間送出する。これにより、パルスカウンタ45は、送信信号に含まれるノイズパルスを所定期間カウントする(S18)。
【0058】
カウントイネーブル信号送出終了後、プロセッサ41は、上記所定期間内のカウント値をパルスカウンタ45から読み取る(S19)。ついで、プロセッサ41は、読み取ったカウント値に基づいて、通信装置20が正常か否かを判断する(S20)。例えば、プロセッサ41は、カウント値が所定範囲内であれば正常であると判断し、所定範囲内でなければ異常であると判断する。
【0059】
そして、通信装置20が正常であると判断された場合(S20:YES)、プロセッサ41は、無線タグ10からの受信データを処理することにより、制御情報を取得し(S21)、この制御情報を用いて画像形成装置100を制御する(S22)。
【0060】
一方、通信装置20が異常であると判断された場合(S20:NO)、プロセッサ41は、無線通信を停止させ(S23)、通信装置20が異常である旨を使用者に通知する(S24)。さらに、プロセッサ41は、画像形成装置100の画像形成機能を停止させる(S25)。
【0061】
なお、上記の説明では、ステップS16およびS25において、画像形成機能を停止させることとしたが、画像形成機能を維持することとしてもよい。この場合、プロセッサ41は、例えば、無線タグ10に保持されている制御情報の代わりに、装置本体2側に予め保持されている情報を用いて画像形成装置100の制御を行う。あるいは、プロセッサ41は、無線タグ10に保持されている制御情報により実現される機能を停止させる。
【0062】
また、上記の動作の説明では、外来ノイズのレベルに基づいて無線通信が可能か否かを判断し、可能でないと判断された場合には無線通信を停止させることとしたが、外来ノイズのレベルが大きいほどノイズ耐性が高くなるように、外来ノイズのレベルに応じて無線通信の通信態様を変更することとしてもよい。ここで、無線通信の通信態様には、変調方式、通信速度、搬送波電力、誤り訂正符号化率、ノイズフィルタの閾値など、ノイズ耐性と相関のあるものが広く含まれる。
【0063】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
【0064】
(1)無線タグからの信号を受信する受信アンテナを用いて外来ノイズのレベルを検出するので、コストや設置スペースの増大を抑えつつ、外来ノイズのレベルを検出することができる。これにより、外来ノイズのレベルに応じて適切な措置をとることが可能となる。
【0065】
(2)送信アンテナからの電磁波の放射を停止させた状態で、外来ノイズのレベルの検出を行うので、送信信号や無線タグからの受信信号の影響を受けることなく、外来ノイズのレベルを正確に測定することができる。また、電力消費量を低減させることができる。
【0066】
(3)外来ノイズのレベルを検出するノイズ検出機能と、送信信号や受信信号のレベルを検出する信号検出機能とで、資源を共有化しているので、コストや回路規模の増大を抑えることができる。
【0067】
(4)送信信号を受信フィルタ回路によりフィルタリングし、フィルタリング後の送信信号に含まれるノイズパルスをパルスカウンタによりカウントすることによって、送信信号のレベルを検出する。そして、外来ノイズを受信フィルタ回路によりフィルタリングし、フィルタリング後の外来ノイズに含まれるパルスをパルスカウンタによりカウントすることによって、外来ノイズのレベルを検出する。このため、送信信号のレベルと外来ノイズのレベルとを共通の回路で測定することができ、コストや回路規模の増大を抑えることができる。
【0068】
(5)検出された外来ノイズのレベルに基づいて無線通信が可能か否かを判断し、可能でないと判断された場合には無線通信を停止させるので、無駄な通信動作を省くことができ、消費電力の削減や処理の高速化を図ることができる。
【0069】
(6)検出された外来ノイズのレベルに基づいて無線通信が可能か否かを判断し、可能でないと判断された場合には画像形成機能を停止させるので、無駄な印刷動作を省くことができ、コストや消費電力の削減を図ることができる。
【0070】
(7)検出された外来ノイズのレベルに基づいて無線通信が可能か否かを判断し、可能でないと判断された場合には、その旨を使用者に通知するので、使用者は、画像形成装置の周囲または内部にノイズ源があることを知ることができる。また、使用者は、通信資源の故障ではなく、ノイズによって通信機能や画像形成機能が停止していることを知ることができる。これにより、使用者は、画像形成装置100からノイズ源を遠ざけるなど、適切な措置をとることが可能となる。
【0071】
(8)外来ノイズのレベルが大きいほどノイズ耐性が高くなるように、検出された外来ノイズのレベルに応じて無線通信の通信態様を変更するので、ノイズレベルに応じた適切な無線通信を行うことができる。一般に、ノイズ耐性と通信速度とはトレードオフの関係にあるので、ノイズレベルに応じた適切な通信速度で無線通信を行うことができる。
【0072】
[第2の実施の形態]
本実施の形態に係る画像形成装置200は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100と殆ど同じである。そこで、以下の説明では、記載の重複を避けるため、共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0073】
本実施の形態では、プロセッサ41は、画像形成用の所定の部品を動作させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出する。ここで、画像形成用の部品とは、電圧や電流が印加されることにより動作し、画像形成に寄与する機能部品である。画像形成用の部品としては、例えば、帯電器、レーザユニット、現像器、転写ロール、定着器、各種アクチュエータ(モータ、ソレノイド等)などが挙げられる。プロセッサ41は、これらの部品に電圧や電流を印加することにより、これらの部品を動作させることができる。例えば、高電圧を印加することにより、帯電器に帯電処理を実行させたり、転写ロールに転写処理を実行させたりすることができる。また、電流を印加することにより、定着器に定着処理を実行させたり、モータを回転させたりすることができる。
【0074】
動作させる所定の部品は、1個であっても複数個であってもよい。ただし、動作させる所定の部品は、実際の無線通信時に動作する、全ての部品またはノイズを発生させる可能性のある全ての部品であることが好ましい。
【0075】
具体的には、画像形成装置200の構成は、図1、2に示される画像形成装置100の構成と殆ど同じであるが、プロセッサ41による処理内容が異なる。また、画像形成装置200の動作手順は、図6に示される動作手順と殆ど同じであるが、ステップS11の処理内容が異なる。本実施の形態では、プロセッサ41は、図6のステップS11において、画像形成用の所定の部品を動作させ、その動作中にカウントイネーブル信号をパルスカウンタ45に所定期間送出する。これにより、パルスカウンタ45は、アンテナ31により捕捉された外来ノイズに含まれるパルスを所定期間カウントする。ステップS12では、プロセッサ41は、パルスカウンタ45からカウント値を読み出す。本実施の形態では、このカウント値は、上記所定の部品の動作中における外来ノイズのレベルに相当する。ステップS13では、プロセッサ41は、このカウント値に基づいて、無線通信が可能か否かを判断する。
【0076】
図8に、本実施の形態における動作タイミングの一例を示す。図8の例では、実際の無線通信は、帯電器への電圧印加と、感光体駆動用モータへの電流印加とがオンの状態で行われる。そこで、図8に示されるとおり、プロセッサ41は、帯電器への電圧印加と、感光体駆動用モータへの電流印加とをオンにした状態で、パルスカウンタ45によるパルスのカウントを行う。
【0077】
以上のとおり、本実施の形態によれば、画像形成用の所定の部品を動作させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出するので、実際に無線通信が行われる場合と同様の環境で、外来ノイズのレベルを検出することができる。これにより、より正確に、無線通信が可能か否かを判断することが可能となる。
【0078】
[第3の実施の形態]
本実施の形態に係る画像形成装置300は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100と殆ど同じである。そこで、以下の説明では、記載の重複を避けるため、共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0079】
本実施の形態では、プロセッサ41は、画像形成装置300に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出する。ここで、画像形成動作と同様の動作とは、例えば、所定の用紙に所定のテスト画像を印刷する動作である。このノイズレベル検出用の画像形成動作は、電源投入直後など、適宜のタイミングで実行される。
【0080】
図9は、本実施の形態における動作タイミングを示す図である。図9(a)は、ノイズレベル検出用の画像形成動作が行われる期間を示す。
【0081】
一つの好適な態様では、プロセッサ41は、図9(b)に示されるとおり、実際に無線通信が行われる複数の期間の各々に対応する期間A〜Dにおいて、外来ノイズのレベルの検出を行う。そして、プロセッサ41は、検出された期間A〜Dにおける外来ノイズのレベルに基づいて、対応する各期間について、無線通信が可能か否かを判断する。
【0082】
別の好適な態様では、プロセッサ41は、図9(c)に示されるとおり、ノイズレベル検出用の画像形成動作が行われる期間の全部または一部の時間領域において、継続的に外来ノイズのレベルの検出を行い、図9(d)のような外来ノイズのレベルの時間変化を得る。例えば、プロセッサ41は、単位時間(50msec等)当たりのパルス数を、継続的に測定する。そして、プロセッサ41は、得られた時間変化に基づいて、無線通信が可能な期間を特定し、特定された期間において無線通信を行うこととする。例えば、プロセッサ41は、外来ノイズのレベルが所定の閾値以下である期間を、無線通信が可能な期間として特定する。
【0083】
以上のとおり、本実施の形態によれば、画像形成装置に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出するので、実際に無線通信が行われる場合と同様の環境で外来ノイズのレベルを検出することができる。これにより、より正確に、無線通信が可能か否かを判断することが可能となる。本実施の形態は、特に、1回の画像形成動作において多数のタイミングで無線通信が行われる場合に好適である。
【0084】
また、検出された外来ノイズのレベルの時間変化に基づいて、無線通信が可能な期間を特定し、特定された期間において無線通信を実行するので、ノイズ環境に応じて、適切なタイミングで無線通信を行うことができる。これにより、無線通信や画像形成動作が停止する機会を減らすことができ、画像形成装置の稼働率を向上させることができる。
【0085】
なお、本実施の形態では、実際に記録媒体に画像を形成することとしたが、記録媒体への画像形成を省略してもよい。すなわち、プロセッサ41は、画像形成装置300に、記録媒体を搬送させないで実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出することとしてもよい。この場合、プロセッサ41は、基本的には、画像形成装置300の各部品に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させる。ただし、記録媒体の搬送が行われないようにするため、例えば、プロセッサ41は、給紙カセットから紙をピックアップするための給紙ロールや、紙詰まり検知機能を停止させておく。また、例えば、現像部位における感光体ドラムへのトナーの付着を防止するため、帯電バイアス、レーザ露光量、および現像バイアスを、実際の画像形成時とは異なる値に調整する。この態様によれば、不要な印刷物を生成しないので、より低コストで画像形成動作中の外来ノイズのレベルを検出することができる。
【0086】
[第4の実施の形態]
本実施の形態に係る画像形成装置400は、第2の実施の形態に係る画像形成装置200と殆ど同じである。そこで、以下の説明では、記載の重複を避けるため、共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0087】
本実施の形態では、プロセッサ41は、第2の実施の形態と同様に、画像形成用の所定の部品を動作させた場合において外来ノイズのレベルを検出する。さらに、本実施の形態では、プロセッサ41は、当該所定の部品の動作を停止させた場合において外来ノイズのレベルを検出する。なお、動作中のレベル検出と、非動作中のレベル検出とは、どのような順序で行われても構わない。
【0088】
図10に、本実施の形態における動作タイミングの一例を示す。図10において、プロセッサ41は、帯電器への電圧印加と、感光体駆動用モータへの電流印加とをオフにした状態で、パルスカウンタ45によるパルスのカウントを所定期間行い、得られたカウント値C0を読み出す。ついで、プロセッサ41は、第2の実施の形態と同様に、帯電器への電圧印加と、感光体駆動用モータへの電流印加とをオンにした状態で、パルスカウンタ45によるパルスのカウントを所定期間行い、得られたカウント値C1を読み出す。
【0089】
そして、プロセッサ41は、上記所定の部品(ここでは帯電器とモータ)の動作中に検出された外来ノイズのレベル(ここではカウント値C1)と、非動作中に検出された外来ノイズのレベル(ここではカウント値C0)との差(C1−C0)に基づいて、上記所定の部品が異常であるか否かを判断する。例えば、プロセッサ41は、差(C1−C0)が所定の閾値以下であれば、上記所定の部品は正常であると判断し、所定の閾値より大きければ、上記所定の部品は異常であると判断する。
【0090】
異常であると判断された場合、プロセッサ41は、所定の異常時処理を実行する。例えば、プロセッサ41は、異常時処理として、上記所定の部品が異常である旨を、コントロールパネルに表示させる等により、使用者に通知する。また、プロセッサ41は、画像形成装置400の画像形成機能を停止させる。
【0091】
以上のとおり、本実施の形態によれば、画像形成用の所定の部品を動作させた場合と、当該所定の部品の動作を停止させた場合とにおいて、外来ノイズのレベルを検出するので、検出されたレベルの差に基づいて、当該所定の部品が発生させているノイズのレベルを把握することが可能となる。
【0092】
また、所定の部品の動作中および非動作中のノイズレベルに基づいて、当該所定の部品が異常であるか否かを判断するので、当該所定の部品の故障を検知することができ、部品の故障に応じた適切な処置を取ることが可能となる。
【0093】
[第5の実施の形態]
本実施の形態に係る画像形成装置500は、第3の実施の形態に係る画像形成装置300と殆ど同じである。そこで、以下の説明では、記載の重複を避けるため、共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0094】
本実施の形態では、プロセッサ41は、第3の実施の形態と同様に、画像形成装置500に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させた場合において外来ノイズのレベルを検出する。さらに、本実施の形態では、プロセッサ41は、当該画像形成動作と同様の動作を停止させた場合において外来ノイズのレベルを検出する。なお、動作中のレベル検出と、非動作中のレベル検出とは、どのような順序で行われても構わない。
【0095】
図11に、本実施の形態における動作タイミングの一例を示す。図11(a)は、ノイズレベル検出用の画像形成動作が行われる期間を示す。図11(b)に示されるとおり、プロセッサ41は、画像形成動作の停止中に、外来ノイズのレベルC0を検出する。ついで、プロセッサ41は、ノイズレベル検出用の画像形成動作が行われている期間の全部または一部の時間領域において、継続的に外来ノイズのレベルの検出を行い、図11(c)のような外来ノイズのレベルの時間変化C(t)を得る。このように検出された時間変化C(t)とレベルC0との差(C(t)−C0)は、画像形成動作によって発生するノイズレベルの時間変化に相当する。
【0096】
以上のとおり、本実施の形態によれば、画像形成装置に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させた場合と、当該動作を停止させた場合とにおいて、外来ノイズのレベルを検出するので、画像形成動作によって発生するノイズレベルを検出することが可能となり、画像形成装置の故障を検知することが可能となる。
【0097】
本実施の形態では、さらに、プロセッサ41は、検出された時間変化C(t)とレベルC0とを用いて、以下の第1〜3の処理を実行する。
【0098】
(第1の処理)
プロセッサ41は、検出された時間変化C(t)とレベルC0との差(C(t)−C0)、すなわち画像形成動作によって発生するノイズレベルの時間変化に基づいて、画像形成装置500が異常であるか否かを判断する。例えば、プロセッサ41は、差(C(t)−C0)が常に所定の閾値以下である場合には、正常であると判断し、それ以外の場合には、異常であると判断する。
【0099】
異常であると判断された場合、プロセッサ41は、所定の異常時処理を実行する。例えば、プロセッサ41は、異常時処理として、画像形成装置500が異常である旨を、コントロールパネルに表示させる等により、使用者に通知する。また、プロセッサ41は、画像形成装置500の画像形成機能を停止させる。
【0100】
このように、当該処理によれば、画像形成装置の異常の有無を判断するので、画像形成装置に異常が有る場合に、適切な処置を取ることが可能となる。また、この処置として、異常である旨を使用者に通知するので、使用者は、画像形成装置の故障を認識することができる。また、画像形成機能を停止させるので、無駄な不良印刷物の生成を回避することができ、コストダウンを図ることができる。
【0101】
(第2の処理)
プロセッサ41は、検出された時間変化C(t)とレベルC0との差(C(t)−C0)と、画像形成装置500を構成する各部品の動作シーケンスとに基づいて、各部品が異常であるか否かを判断する。例えば、プロセッサ41は、帯電器への電圧印加と同期して異常な外来ノイズが発生している場合には、帯電器が異常であると判断する。そして、プロセッサ41は、判断結果を使用者に通知する。
【0102】
このように、当該処理によれば、画像形成装置を構成する各部品について異常の有無を判断するので、各部品の故障を検知することができ、部品に異常がある場合に適切な処置を取ることが可能となる。
【0103】
(第3の処理)
プロセッサ41は、検出された時間変化C(t)に基づいて、画像形成動作中に無線通信が可能か否かを判断し、可能であると判断された場合には、画像形成動作中に無線通信を行うこととする。一方、可能でないと判断された場合には、検出されたノイズC0に基づいて、画像形成動作の停止中に無線通信が可能か否かを判断する。そして、可能であると判断された場合には、画像形成動作の停止中に無線通信を行うこととし、可能でないと判断された場合には、無線通信を行わないこととする。このとき、画像形成機能を停止させることとしてもよい。
【0104】
このように、当該処理によれば、ノイズ環境に応じて、適切なタイミングで無線通信を行うことができる。また、画像形成動作中および画像形成動作の停止中の両方において無線通信が不可能である場合に、無線通信を停止させるので、無線通信や画像形成動作が停止する機会を減らすことができ、画像形成装置の稼働率を向上させることができる。
【0105】
なお、上記の第1〜3の処理は、組み合わせて実行されてもよい。
【0106】
[第6の実施の形態]
本実施の形態に係る画像形成装置600は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100と殆ど同じである。そこで、以下の説明では、記載の重複を避けるため、共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0107】
本実施の形態では、画像形成装置600は、複数の受信アンテナを備えており、複数の受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルを検出する。
【0108】
図12は、本実施の形態に係る画像形成装置600の概略の構成を示す縦断面図である。図12において、装置本体2には、交換部品3として、ドラムカートリッジ3A、転写ユニット3B、定着ユニット3C、およびトナーカートリッジ3Dが着脱可能に装着される。各交換部品3には、無線タグ10(10A〜10D)が取り付けられている。一方、装置本体2側には、各無線タグ10に近接する位置に、各無線タグ10と無線通信を行うリーダライタ30(30A〜30D)が設けられている。各リーダライタ30は、アンテナ31(31A〜31D)を備えている。リーダライタ30A〜30Dは、制御ユニット40(図6では不図示)に接続されており、制御ユニット40によって制御される。
【0109】
制御ユニット40のプロセッサ41は、無線通信の開始直前など、適宜のタイミングで、アンテナ31A〜31Dについて、各アンテナ31により捕捉された外来ノイズのレベルを検出する。ここでは、プロセッサ41は、実際の無線通信時に動作する画像形成用の所定の部品を動作させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出する。ただし、外来ノイズの検出は、画像形成用の部品の非動作中に行われてもよい。なお、複数のアンテナ31A〜31Dにより捕捉された外来ノイズのレベルの検出は、4つのパルスカウンタ45によって時間的に並列に行われてもよいし、1つのパルスカウンタ45によって時間的に直列に行われてもよい。
【0110】
そして、プロセッサ41は、各アンテナ31の設置位置と、各アンテナ31により捕捉された外来ノイズのレベルとに基づいて、予め設定された規則に従って、ノイズ原因の種類または位置を推定する。ここで、ノイズ原因の種類としては、例えば、画像形成装置600外部のノイズ源、リーダライタ30の故障、リーダライタ30以外の画像形成装置600の部品の故障などが挙げられる。また、ノイズ原因の位置としては、例えば、画像形成装置600外部のノイズ源の位置や、画像形成装置600の部品の故障箇所などが挙げられる。
【0111】
一つの態様では、プロセッサ41は、各アンテナ31について、所定の閾値との比較により、検出された外来ノイズのレベルが異常か否かを判断する。そして、異常であると判断されたアンテナ31の組み合わせに基づいて、ノイズ原因の種類および位置を推定する。
【0112】
具体的には、すべてのアンテナ31について異常であると判断された場合には、画像形成装置600の周辺にノイズ源があると推定する。特定の物理的位置近傍のアンテナ31について異常であると判断された場合には、画像形成装置600内のリーダライタ30以外の特定の部品が異常であると推定する。アンテナ31が3つ以上である場合に、特定の1つのアンテナ31について異常であると判断された場合には、画像形成装置600内のリーダライタ30以外の特定の部品が異常であるか、または、特定のリーダライタ30が異常であると推定する。
【0113】
より具体的には、プロセッサ41は、図13に示されるノイズ原因推定テーブルに従って、ノイズ原因の種類および位置を推定する。図13のノイズ原因推定テーブルでは、異常であると判断されたアンテナ31の組み合わせと、ノイズ原因とが対応付けられている。なお、図13には、異常であると判断されたアンテナ31の組み合わせの一部が示されているが、全ての組み合わせについてノイズ原因が対応付けられていることが好ましい。ただし、必ずしも全ての組み合わせについてノイズ原因が対応付けられる必要はない。
【0114】
図13のテーブルに従い、プロセッサ41は、すべてのアンテナ31について異常であると判断された場合には、画像形成装置600外部にノイズ源がある可能性があると判断する。アンテナ31A、31B、31Cについて異常であると判断された場合には、これらのアンテナ31の近傍の部品(リーダライタ30を除く)が故障しているか、または記録媒体Pの帯電状態が異常である可能性があると判断する。アンテナ31A、31Bについて異常であると判断された場合には、アンテナ31A、31Bの近傍の部品(リーダライタ30を除く)が故障している可能性があると判断する。アンテナ31Aについて異常であると判断された場合には、リーダライタ30Aが故障している可能性があると判断する。アンテナ31Dについて異常であると判断された場合には、リーダライタ30Dが故障している可能性があると判断する。
【0115】
別の態様では、プロセッサ41は、各アンテナ31について、検出された外来ノイズのレベルに基づいて、当該アンテナ31からノイズ源までの距離を推定する。ここで、外来ノイズのレベルと、アンテナ31からノイズ源までの距離との関係は、例えば、実際の測定結果に基づいて、計算式やテーブル等によって予め与えられているものとする。そして、プロセッサ41は、各アンテナ31の座標を中心座標とし、各アンテナ31からノイズ源までの推定距離を半径とする複数の球面について、これらの球面からの距離の二乗和が最小となる座標を、ノイズ源の位置として算出する。
【0116】
プロセッサ41は、上記のとおりに推定されたノイズ原因の種類または位置を、コントロールパネルに表示させる等により、使用者に通知する。また、プロセッサ41は、外来ノイズのレベルが異常であると判断された場合には、無線通信や画像形成機能を停止させる。さらに、プロセッサ41は、複数のアンテナ31により捕捉された外来ノイズのレベルの検出結果を、使用者に通知することとしてもよい。この場合、使用者は、各受信アンテナの設置位置と、各受信アンテナにおける外来ノイズのレベルとに基づいて、ノイズ原因の種類や位置を推定することができる。
【0117】
以上のとおり、本実施の形態によれば、複数の受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルを検出するので、外来ノイズのレベルの空間分布を検出することができ、ノイズ原因の種類または位置を推定することが可能となる。具体的には、ノイズ原因が、画像形成装置外部のノイズ源であるのか、通信装置の異常であるのか、または通信装置以外の画像形成装置の部品の異常であるのか、を切り分けることが可能となる。また、画像形成装置外部のどこにノイズ源があるのか、または画像形成装置内部のどこに異常があるのか、を特定することが可能となる。
【0118】
また、各受信アンテナの設置位置と、各受信アンテナにおける外来ノイズのレベルとに基づいて、ノイズ原因の種類または位置を推定するので、ノイズ原因の種類や位置に応じた適切な措置を取ることが可能となる。特に、推定結果を使用者に通知するので、使用者は、ノイズ原因の種類や位置を知ることができ、ノイズ原因に応じた部品修理等の適切な措置を取ることが容易になる。
【0119】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明が上記の実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【0120】
例えば、上記の実施の形態では、アンテナ31からの電磁波の放射を停止させた状態でノイズレベルを検出することとしたが、電磁波の放射中にノイズレベルを検出することも可能である。例えば、送信信号のレベルと外部ノイズのレベルとを同時に検出することも可能である。この場合、例えば、パルスカウンタ45によるカウント値から、電磁波の放射に起因するカウント数を差し引くことにより、外来ノイズに起因するカウント数を把握することができる。ここで、電磁波の放射に起因するカウント数は、予め測定しておけばよい。
【0121】
また、上記の実施の形態では、交換部品3として、ドラムカートリッジ、現像ユニット、トナーカートリッジ、転写ユニット、定着ユニットを例示したが、これらに限られず、他に、用紙搬送ロール、用紙トレイ、イメージ入力装置(IIT)、画像データ生成装置、オプション装置なども例示することができる。オプション装置としては、両面搬送装置、トレイレス両面搬送装置、フィニッシャ(ステイプル、製本、パンチ、折り機等の後処理装置)、大容量給紙トレイ、大容量排紙トレイ、手差しトレイ、特殊紙搬送装置などが挙げられる。
【0122】
また、上記の第1〜6の実施の形態に記載された技術は、矛盾を生じない範囲において、適宜に組み合わせて用いられることが可能である。例えば、第4または第5の実施の形態と、第6の実施の形態とを組み合わせることにより、より詳細にノイズ原因を推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】無線タグおよび通信装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】パルスカウンタの構成を示すブロック図である。
【図4】データの送受信タイミングとパルスカウンタ等の動作タイミングを示す図である。
【図5】受信データに含まれるノイズパルスを模式的に示す図である。
【図6】実施の形態に係る画像形成装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】図4にノイズレベルの検出タイミングを追加した図である。
【図8】第2の実施の形態における動作タイミングの一例を示す図である。
【図9】第3の実施の形態における動作タイミングの一例を示す図である。
【図10】第4の実施の形態における動作タイミングの一例を示す図である。
【図11】第5の実施の形態における動作タイミングの一例を示す図である。
【図12】第6の実施の形態に係る画像形成装置の概略の構成を示す縦断面図である。
【図13】ノイズ原因推定テーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0124】
100、600 画像形成装置、2 画像形成装置本体(装置本体)、3 交換部品、3A ドラムカートリッジ、3B 転写ユニット、3C 定着ユニット、3D トナーカートリッジ、10、10A〜10D 無線タグ、11 アンテナ、12 復調回路、13 制御回路、14 メモリ、15 変調回路、16 整流回路、17 電源回路、20 通信装置、30、30A〜30D リーダライタ、31、31A〜31D アンテナ、32 送信変調回路、33 送信フィルタ回路、34 受信フィルタ回路、35 受信復調回路、36 信号線、40 制御ユニット、41 プロセッサ、42 制御ロジック回路、43 送信ロジック回路、44 受信ロジック回路、45 パルスカウンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグを備える交換部品が着脱可能に装着され、送信アンテナおよび受信アンテナを介して前記無線タグと無線通信を行う通信装置を有し、前記交換部品を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、捕捉された外来ノイズのレベルを検出するノイズ検出手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段は、前記送信アンテナからの電磁波の放射を停止させた状態で、外来ノイズのレベルの検出を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置であって、
前記通信装置は、前記送信アンテナに供給される送信信号のレベル、または、前記受信アンテナにより受信された受信信号のレベルを検出する信号検出回路を備えており、
前記ノイズ検出手段は、前記信号検出回路を利用して、外来ノイズのレベルを検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の画像形成装置であって、
前記通信装置は、
前記送信アンテナに送信信号を供給する送信部と、
入力された信号をフィルタリングする受信フィルタ回路を含み、前記受信アンテナにより受信された受信信号に対し、前記受信フィルタ回路によるフィルタリングを施した後に、所定の受信処理を施す受信部と、
前記送信部から前記送信アンテナに供給される送信信号を、前記送信部から前記受信フィルタ回路に導く信号線と、
当該信号線を介して前記受信フィルタ回路に入力され、当該受信フィルタ回路によりフィルタリングされた送信信号に含まれるノイズパルスをカウントするパルスカウンタと、
を備えており、
前記ノイズ検出手段は、前記受信アンテナにより受信された外来ノイズを前記受信フィルタ回路によりフィルタリングし、フィルタリング後の信号に含まれるパルスを前記パルスカウンタによりカウントすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段は、画像形成用の所定の部品を動作させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段は、当該画像形成装置に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段は、当該画像形成装置に、記録媒体を搬送させないで、実際の画像形成動作と同様の動作を実行させ、その動作中に外来ノイズのレベルを検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段により検出された外来ノイズのレベルに基づいて、前記無線タグとの無線通信が可能か否かを判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置であって、
無線通信が可能でないと判断された場合、前記無線タグとの無線通信を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の画像形成装置であって、
無線通信が可能でないと判断された場合、画像形成機能を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
無線通信が可能でないと判断された場合、その旨を使用者に通知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
外来ノイズのレベルが大きいほどノイズ耐性が高くなるように、前記ノイズ検出手段により検出された外来ノイズのレベルに応じて、前記通信装置の通信態様を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項6または7に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段により検出された外来ノイズのレベルの時間変化に基づいて、前記無線タグとの無線通信が可能な期間を特定し、特定された期間において無線通信を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段は、画像形成用の所定の部品を動作させた場合と、当該所定の部品の動作を停止させた場合とにおいて、外来ノイズのレベルを検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項14に記載の画像形成装置であって、
前記所定の部品の動作中に検出された外来ノイズのレベルと、非動作中に検出された外来ノイズのレベルとの差に基づいて、前記所定の部品が異常であるか否かを判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項14に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段は、当該画像形成装置に実際の画像形成動作と同様の動作を実行させた場合と、当該動作を停止させた場合とにおいて、外来ノイズのレベルを検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項14に記載の画像形成装置であって、
前記ノイズ検出手段は、当該画像形成装置に、記録媒体を搬送させないで実際の画像形成動作と同様の動作を実行させた場合と、当該動作を停止させた場合とにおいて、外来ノイズのレベルを検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の画像形成装置であって、
前記画像形成装置の動作中に検出された外来ノイズのレベルの時間変化と、非動作中に検出された外来ノイズのレベルとに基づいて、当該画像形成装置が異常であるか否かを判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項16または17に記載の画像形成装置であって、
前記画像形成装置の動作中に検出された外来ノイズのレベルの時間変化に基づいて、画像形成動作中に無線通信が可能か否かを判断し、
画像形成動作中に無線通信が可能であると判断された場合、画像形成動作中に無線通信を行い、
画像形成動作中に無線通信が可能でないと判断された場合、非動作中に検出された外来ノイズのレベルに基づいて、画像形成動作の停止中に無線通信が可能であると判断されるときには、画像形成動作の停止中に無線通信を行い、一方、画像形成動作の停止中に無線通信が可能でないと判断されるときには、無線通信を停止させる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
前記受信アンテナは複数であり、
前記ノイズ検出手段は、複数の受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルを検出する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
請求項20に記載の画像形成装置であって、
前記各受信アンテナの設置位置と、前記各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルとに基づいて、ノイズ原因の種類を推定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項22】
請求項21に記載の画像形成装置であって、
当該画像形成装置外部のノイズ源または当該画像形成装置の部品の故障のうち、いずれがノイズ原因であるかを推定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
前記各受信アンテナの設置位置と、前記各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルとに基づいて、ノイズ原因の位置を推定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項24】
請求項23に記載の画像形成装置であって、
当該画像形成装置外部のノイズ源の位置、または、当該画像形成装置の故障箇所を推定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項25】
請求項21〜24のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
前記推定の結果を、使用者に通知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項26】
無線タグを備える交換部品が着脱可能に装着され、送信アンテナおよび受信アンテナを介して前記無線タグと無線通信を行う通信装置を有し、前記交換部品を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置におけるノイズ検出方法であって、
前記受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、捕捉された外来ノイズのレベルを検出することを特徴とするノイズ検出方法。
【請求項27】
無線タグを備える交換部品が着脱可能に装着され、送信アンテナおよび受信アンテナを介して前記無線タグと無線通信を行う通信装置を有し、前記交換部品を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置における故障検知方法であって、
画像形成用の所定の部品を動作させた場合と、当該所定の部品の動作を停止させた場合とにおいて、前記受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、捕捉された外来ノイズのレベルを検出するステップと、
前記所定の部品の動作中に検出された外来ノイズのレベルと、非動作中に検出された外来ノイズのレベルとの差に基づいて、前記所定の部品が異常であるか否かを判断するステップと、
を有することを特徴とする故障検知方法。
【請求項28】
無線タグを備える交換部品が着脱可能に装着され、送信アンテナおよび受信アンテナを介して前記無線タグと無線通信を行う通信装置を有し、前記交換部品を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置におけるノイズ原因推定方法であって、
前記受信アンテナは複数であり、
複数の受信アンテナにより外来ノイズを捕捉し、各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルを検出するステップと、
前記各受信アンテナの設置位置と、前記各受信アンテナにより捕捉された外来ノイズのレベルとに基づいて、ノイズ原因の種類または位置を推定するステップと、
を有することを特徴とするノイズ原因推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−3374(P2006−3374A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−171368(P2004−171368)
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】