説明

画像形成装置

【課題】ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】CPU111は、印刷中に発生する不具合を検出し、印刷される画像データをHDD106に記憶するとともに、不具合が検出された場合、画像データを印刷するために必要な印刷条件を不揮発性メモリ114に記憶し、電源投入時において、HDD106に記憶されている画像データと、不揮発性メモリ114に記憶されている印刷条件とを読み出し、印刷条件に基づいて画像データを再度印刷するリトライ処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいて記録紙に画像を印刷する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置がPC(パーソナルコンピュータ)等の上位装置から画像データを受信して印刷処理を行なう際に印刷処理過程で何らかの障害が発生した場合、上位装置から画像データを再送させていた。画像データを再送させることは上位装置に負荷をかけるだけでなく、それが事実上困難となる場合もある。特に、ネットワークの普及と共に、画像形成装置が上位装置に対して共有して使用される環境下においては、多数の上位装置が1つの画像形成装置にアクセスする場合もありうる。この場合、画像形成装置の処理状況によっては上位装置が長時間画像データ処理に専有されることになりシステムとして成り立たなくなる可能性がある。
【0003】
そこで、印刷を行なう際に画像形成装置に何らかの障害が発生した場合でも、上位装置からの画像データの再送を必要とせず、しかも画像データの記憶制御を簡略化することができるようにした画像形成装置が提案されている。例えば、特許文献1の制御方法では、画像形成装置の搬送路上に最大存在し得る用紙の数よりも少なくとも1ページ分以上多いページを記憶できるようにしている。そして、この中の最も古いページの画像データを格納した領域に、用紙が正常に搬送されているという条件で最新のページの画像データを格納することにより、上位装置からの画像データの再送を必要とせず、画像データの記憶制御を簡素化している。
【0004】
また、例えば、特許文献2の制御方法では、印刷処理を行なった画像データと印刷条件とを保持し、印刷処理に何らかの障害が発生した場合には印刷処理を終了したページをネットワークを介して接続される上位装置へ通知するようにしている。これにより、上位装置側において印刷処理が行なわれなかったページ範囲の設定を容易とし、かつ、保持された画像データと印刷条件とに基づいて再印刷の印刷条件の設定を容易にしている。
【特許文献1】特開平11−203073号公報
【特許文献2】特開2004−220098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1及び特許文献2の制御方法は、画像形成装置が上位装置から画像データを受信して印刷を行なう際に印刷処理に何らかの障害が発生した場合でも、安価で容易に画像データの再印刷を可能にする方法を提案しているものである。
【0006】
しかしながら、上記何れの特許文献の制御方法も画像形成装置が上位装置から画像データを受信して印刷処理を行なう際に印刷処理過程で何らかの障害が発生した時、誤って画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合には、画像データの再印刷を自動的に行なうことが不可能である。したがって、印刷処理過程で何らかの障害が発生した後、その障害を解消することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合、ユーザは再度上位装置から画像データを同じ印刷条件の基で、再送し直さなければならないという煩わしさが発生してしまうこととなる。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、印刷処理過程で何らかの不具合が発生した後、その不具合を解消して再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、画像データに基づいて記録紙に画像を印刷する印刷手段と、前記印刷手段による印刷中に発生する不具合を検出する検出手段と、前記印刷手段によって印刷される前記画像データを記憶するとともに、前記検出手段によって不具合が検出された場合、前記画像データを印刷するために必要な印刷条件を記憶する不揮発性のデータ記憶手段と、電源投入時において、前記データ記憶手段に記憶されている前記画像データと前記印刷条件とを読み出すデータ読み出し手段と、前記データ読み出し手段によって読み出された前記印刷条件に基づいて、前記データ読み出し手段によって読み出された前記画像データを再度印刷するリトライ処理を実行するリトライ処理手段とを備える。
【0009】
この構成によれば、画像データに基づいて記録紙に画像が印刷され、印刷中に発生する不具合が検出される。このとき、印刷される画像データが記憶されるとともに、印刷中に不具合が発生した場合、画像データを印刷するために必要な印刷条件が不揮発性のデータ記憶手段に記憶される。そして、電源投入時において、データ記憶手段に記憶されている画像データと印刷条件とが読み出され、読み出された印刷条件に基づいて画像データを再度印刷するリトライ処理が実行される。
【0010】
したがって、印刷処理過程で何らかの不具合が発生した後、その不具合を解消して再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、不揮発性のデータ記憶手段に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。
【0011】
また、上記の画像形成装置において、前記検出手段は、前記印刷手段による印刷中に発生するジャムを検出するジャム検出手段を含むことが好ましい。この構成によれば、印刷処理過程でジャムが発生した後、そのジャムを解消して再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、不揮発性のデータ記憶手段に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。
【0012】
また、上記の画像形成装置において、前記検出手段は、給紙カセットに載置された記録紙が複数重なって給紙される重送給紙を検出する重送給紙検出手段を含むことが好ましい。この構成によれば、印刷処理過程で給紙カセットに載置された記録紙が複数重なって給紙される重送給紙が発生した後、再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、不揮発性のデータ記憶手段に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。
【0013】
また、上記の画像形成装置において、前記検出手段は、給紙カセットに載置された記録紙が斜行して給紙される斜行給紙を検出する斜行給紙検出手段を含むことが好ましい。この構成によれば、印刷処理過程で給紙カセットに載置された記録紙が斜行して給紙される斜行給紙が発生した後、再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、不揮発性のデータ記憶手段に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。
【0014】
また、上記の画像形成装置において、前記リトライ処理を実行するか否かのユーザによる選択を受け付ける選択受付手段をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、リトライ処理を実行するか否かのユーザによる選択が受け付けられるので、電源投入時においてユーザは、電源をオフする前に不具合が発生していたことを知ることができ、画像データのリトライ処理を実行するか否かを選択することができる。
【0015】
特に、電源をオフする前に重送給紙又は斜行給紙が発生していたとき、ユーザによってはリトライ処理を実行する必要がない場合がある。そのため、リトライ処理を実行するか否かのユーザによる選択が受け付けられるので、リトライ処理が必要なユーザのみ画像データを再度印刷することができ、不要な印刷を避けることができる。
【0016】
また、上記の画像形成装置において、前記データ読み出し手段によって読み出された前記画像データのリトライ処理終了後に、前記データ記憶手段に記憶されている前記画像データ及び前記印刷条件を消去するデータ消去手段をさらに備えることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、画像データのリトライ処理終了後に、データ記憶手段に記憶されている画像データ及び印刷条件が消去されるので、データ記憶手段の記憶領域を専有することなく、記憶領域の空き領域を利用して安価に実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、印刷処理過程で何らかの不具合が発生した後、その不具合を解消して再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、不揮発性のデータ記憶手段に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態による画像形成装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンタの概略構成を示す模式図である。なお、本実施の形態では、画像形成装置の一例としてプリンタ装置に適用した場合について説明するが、例えば複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、これらの機能を兼ね備えた複合機等に対しても適用可能である。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンタを構成するものであり、記録紙11を収納する給紙部10と、電子写真プロセスにより記録紙11上に所定のトナー像を形成する4つの画像形成部30C,30M,30Y,30Kと、このトナー像を記録紙11上に定着させる定着部40と、給紙部10から画像形成部30Cへ記録紙11を搬送する用紙搬送部20と、記録紙11を排出する排出部50とを備えている。
【0021】
給紙部10は、給紙カセット13内に積層載置された記録紙11の束をフィードローラ21の回転動作によって1枚ずつ給紙カセット13の出口側(図1の右側)に送り出し、用紙搬送部20に給紙するようになっている。用紙搬送部20は、給紙部10から給紙された記録紙11を画像形成部30C,30M,30Y,30Kに向けて搬送する。
【0022】
用紙搬送部20は、給紙カセット13に積載された記録紙11を1枚ずつ取り出して用紙搬送路へ送り出すために給紙カセット13の上部に配設されたフィードローラ21と、フィードローラ21によって取り出された記録紙11を搬送するために用紙搬送路に設けられた搬送ローラ対22と、搬送ローラ対22よりもさらに下流側に設けられたレジストローラ対26とを備える。これらのローラが用紙をニップした状態で回転することによって、記録紙11が上記用紙搬送ベルト38及び画像形成部30Cまで矢印方向に順次搬送されるようになっている。
【0023】
また、搬送ローラ対22の下流側であり、レジストローラ対26の上流側には、重送給紙検知センサ23が配設されており、重送給紙検知センサ23よりもさらに下流側であり、レジストローラ対26の上流側には、2つの斜行給紙検知センサ24a,24bが記録紙搬送方向に直行する同軸線上にそれぞれ配設され、斜行給紙検知センサ24a,24bよりもさらに下流側であり、レジストローラ対26の上流側付近には、レジストセンサ25が配設されている。
【0024】
重送給紙検知センサ23は、例えば光透過型センサで構成され、フィードローラ21によって取り出される記録紙11の先端が通過するのを検知すると共に、後端が通過するのを検知する。ここで、記録紙11の重送給紙について説明する。記録紙11が給紙カセット13からフィードローラ21によって取り出される際、複数の記録紙11が重なって給紙される場合がある。フィードローラ21から記録紙11が正常に給紙された場合、記録紙11の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間は予め定められている所定の時間となる。
【0025】
一方、フィードローラ21から複数の記録紙11が重なって給紙された場合、記録紙11の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間は予め定められている所定の時間よりも長くなる。したがって、重送給紙検知センサ23が記録紙11の先端を検知してから後端を検知するまでの時間が、予め定められている所定の時間よりも長い場合、複数の記録紙11が重なって給紙されていると判断することができる。
【0026】
斜行給紙検知センサ24a,24bは、例えば光透過型センサで構成され、フィードローラ21によって取り出された記録紙11の先端が通過するのを検知する。ここで、記録紙11の斜行について説明する。記録紙11が給紙カセット13からフィードローラ21によって取り出される際、記録紙11が搬送方向に対して斜行する場合がある。フィードローラ21から記録紙11が正常に給紙された場合、記録紙11の先端部分は、斜行給紙検知センサ24aと斜行給紙検知センサ24bとを同時に通過するため、斜行給紙検知センサ24aと斜行給紙検知センサ24bとは、記録紙11の先端部分を同時に検知する。
【0027】
一方、フィードローラ21から記録紙11が斜行して給紙された場合、記録紙11の先端部分は、一方の斜行給紙検知センサ24aを通過した後、他方の斜行給紙検知センサ24bを通過するため、斜行給紙検知センサ24aよりも斜行給紙検知センサ24bの方が、記録紙11の先端部分を遅れて検知する。したがって、斜行給紙検知センサ24aが記録紙11の先端を検知してから斜行給紙検知センサ24bが記録紙11の先端を検知するまでに時間差が生じた場合、記録紙11が斜行していると判断することができる。
【0028】
レジストセンサ25は、例えば光透過型センサで構成され、記録紙11の先端が通過するのを検知することにより、記録紙11がレジストローラ対26に到達したことを検知する。
【0029】
上記4つの画像形成部は、それぞれシアン,マゼンダ,イエロー,ブラックのトナーに応じて設けられており、上流側からシアントナーを有する第1画像形成部30C、マゼンダトナーを有する第2画像形成部30M、イエロートナーを有する第3画像形成部30Y、ブラックトナーを有する第4画像形成部30Kが直列に配置されている。これら第1〜4画像形成部30C,30M,30Y,30Kは、それぞれ円筒状の感光体ドラム31C,31M,31Y,31Kと、帯電器32C,32M,32Y,32Kと、露光器33C,33M,33Y,33Kと、現像器34C,34M,34Y,34Kと、転写ローラ35C,35M,35Y,35Kと、クリーナー36C,36M,36Y,36Kとから構成されている。またこれら第1〜4の感光体ドラム31C,31M,31Y,31Kと第1〜4の転写ローラ35C,35M,35Y,35Kとにより、一繋がりの用紙搬送ベルト38が狭持されている。
【0030】
用紙搬送ベルト38にはベルト駆動ローラ62及びベルト従動ローラ61が取り付けられており、このベルト駆動ローラ62及びベルト従動ローラ61が回転することによって用紙搬送ベルト38が走行し、用紙搬送ベルト38上の記録紙11を上流側の第1画像形成部30Cから下流側の第4画像形成部30Kに向かって搬送する。なお、上記現像器34C,34M,34Y,34Kには、それぞれのトナータンク39C,39M,39Y,39Kからトナーが適宜供給される。
【0031】
上記第4画像形成部30Kの下流側には定着部40が配置される。定着部40は、画像形成部30C,30M,30Y,30Kにおいてトナー像が転写された記録紙11を加熱及び加圧し、記録紙11上にトナー像を定着させる。
【0032】
定着部40には、定着センサ41が配設されている。定着センサ41は、例えば光透過型センサで構成され、記録紙11の先端が通過するのを検知することにより、記録紙11が定着部40に到達したことを検知する。
【0033】
そして、定着部40を通過した記録紙11は、用紙搬送部15に送られ、排出部50へ排出される。また、図1には図示していないが、タンデム型カラープリンタには後述する制御部が備えられており、この制御部からの指令によって上記各部分が制御されている。
【0034】
ここで、上記のように構成された画像形成装置1の基本的な動作について説明する。まず、I/F(インターフェイス)回路を介してPC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器(上位装置)から画像データが入力され、画像メモリに記憶される。この画像メモリに記憶されている画像データは、画像形成部30C,30M,30Y,30Kに送信される。
【0035】
画像形成部30C,30M,30Y,30Kの各感光体ドラム31C,31M,31Y,31Kでは、帯電器32C,32M,32Y,32Kにより図1で時計方向に回転する感光体ドラム31C,31M,31Y,31Kが一様に帯電され、送信されてきた画像データ等に基づいて露光器33C,33M,33Y,33K(レーザー操作ユニット等)からのレーザービームにより感光体ドラム31C,31M,31Y,31K上に静電潜像が形成され、現像器34C,34M,34Y,34Kにより静電潜像に現像剤(トナー)が付着されてトナー像が形成される。
【0036】
一方、給紙部10から記録紙11が繰り出され、用紙搬送部20により画像形成部30C,30M,30Y,30K側に搬送される。そして、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kで記録紙11にトナー像が順次転写される。
【0037】
このトナー像の転写された記録紙11は、定着部40に搬送され、加熱ローラにより加熱されつつ加熱ローラと加圧ローラとで挟持されて下流側に搬送され、用紙搬送部15により排出部50に排出される。トナー像を記録紙11に転写した各感光体ドラム31C,31M,31Y,31Kは、クリーナー36C,36M,36Y,36Kで表面に残留したトナーが除去される。
【0038】
図2は、本発明に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンタの概略構成を示すブロック図である。なお、図2において、図1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0039】
画像形成装置1は、レジストセンサ25と、定着センサ41と、重送給紙検知センサ23と、斜行給紙検知センサ24a,24bと、画像処理を行う画像処理部100と、装置全体を制御する制御部110と、画像形成装置1の動作状況等を表示する表示パネル120と、フィードローラ21を駆動する給紙モータ130と、給紙モータ130の駆動力をフィードローラ21及び搬送ローラ対22に伝達する給紙クラッチ140と、ユーザによる電源のオン/オフを受け付ける電源スイッチ150を備えて構成される。
【0040】
画像処理部100は、CPU(中央演算処理装置)101、ROM(リードオンリメモリ)102、RAM(ランダムアクセスメモリ)103、I/F(インターフェイス)回路104,108,109、HDD・I/F(ハードディスクドライブ・インターフェイス)回路105、HDD(ハードディスクドライブ)106及びASIC(特定用途向け集積回路)107を備えて構成される。
【0041】
CPU101は、ROM102に記憶されている制御プログラムを実行することによって、画像処理部100を制御する。CPU101は、画像データに対する画像処理をASIC107へ指示する。
【0042】
ROM102は、CPU101の動作を制御するための制御プログラム等を予め記憶する。RAM103は、CPU101の作業領域として割り当てられるとともに、I/F回路104を介して受信した画像データを記憶する。
【0043】
I/F回路104は、上位装置であるPC(パーソナルコンピュータ)200に接続されており、PC200との通信を制御する。I/F回路108は、表示パネル120及び電源スイッチ150に接続されており、表示パネル120との通信を制御する。I/F回路109は、制御部110に接続されており、制御部110との通信を制御する。
【0044】
HDD・I/F回路105は、HDD106に接続されており、HDD106との通信を制御する。HDD106は、不揮発性大容量記憶装置の一例であり、I/F回路104を介して受信した画像データを記憶する。ASIC107は、CPU101からの指示に基づき、画像データに対する画像処理を行う。
【0045】
制御部110は、CPU111、ROM112、RAM113、不揮発性メモリ114、入力ポート115、I/F回路116及び出力ポート117を備えて構成される。
【0046】
CPU111は、ROM112に記憶されている制御プログラムを実行することによって、制御部110を制御する。ROM112は、CPU111の動作を制御するための制御プログラム等を予め記憶する。RAM113は、CPU111の作業領域として割り当てられ、CPU111が処理するデータを一時的に記憶する。
【0047】
不揮発性メモリ114は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)で構成され、画像データを印刷するために必要な印刷条件及び不具合要因を記憶する。
【0048】
入力ポート115は、重送給紙検知センサ23、斜行給紙検知センサ24a,24b、レジストセンサ25及び定着センサ41等に接続されており、各センサからの検知信号が入力される。I/F回路116は、画像処理部100に接続されており、画像処理部100との通信を制御する。出力ポート117は、給紙モータ130及び給紙クラッチ140等の印刷機構部に接続されており、各部へ制御信号を出力する。
【0049】
なお、本実施の形態において、CPU111、給紙部10、用紙搬送部20、画像形成部30C,30M,30Y,30K及び定着部40が印刷手段及びリトライ処理手段の一例に相当し、CPU111、重送給紙検知センサ23、斜行給紙検知センサ24a,24b、レジストセンサ25及び定着センサ41が検出手段の一例に相当し、HDD106及び不揮発性メモリ114がデータ記憶手段の一例に相当する。また、CPU111、レジストセンサ25及び定着センサ41がジャム検出手段の一例に相当し、CPU111及び重送給紙検知センサ23が重送給紙検出手段の一例に相当し、CPU111及び斜行給紙検知センサ24a,24bが斜行給紙検出手段の一例に相当する。さらに、CPU111がデータ読み出し手段及びデータ消去手段の一例に相当し、表示パネル120が選択受付手段の一例に相当する。
【0050】
画像処理部100のCPU101は、PC200によって送信された画像データを受信すると、画像データに対して画像処理を実行し、画像処理された画像データをページ単位でHDD・I/F回路105を介してHDD106に記憶する。また、同時にCPU101は、印字処理された画像データをI/F回路109を介して制御部110へ送信する。
【0051】
制御部110のCPU111は、画像処理部100によって送信された画像データを受信すると、給紙モータ130を駆動させると共に、印刷条件に基づいて選択された給紙クラッチ140を駆動させて印刷を開始する。なお、印刷条件は、画像データとともにPC200によって送信される。給紙クラッチ140によって給紙された用紙は、画像形成装置1の搬送路上に設けられたレジストセンサ25及び定着センサ41によって用紙の搬送が監視される。
【0052】
そして、レジストセンサ25及び定着センサ41によって給紙ミスや紙詰りが検知されると、CPU111は、表示パネル120にその内容を表示すると共に装置を停止させる。また、CPU111は、この時の不具合要因(ジャム)と印刷条件とを不揮発性メモリ114に記憶する。そして、電源投入時に不揮発性メモリ114に不具合要因(ジャム)が記憶されている場合、CPU111は、画像処理部100のCPU101へHDD106に格納された画像データの取得要求を送信する。CPU101は、CPU111から取得要求を受信すると、HDD106に格納された画像データを読み出してCPU111へ送信する。また、CPU111は、不揮発性メモリ114に記憶された印刷条件を読み出す。そして、CPU111は、印刷条件に基づいて、画像データを再度印刷するリトライ処理を実行する。
【0053】
また、画像形成装置1の搬送路上に設けられた重送給紙検知センサ23及び斜行給紙検知センサ24a,24bによって用紙の重送給紙や斜行給紙が検知されると、CPU111は、その不具合要因(重送給紙や斜行給紙)と印刷条件とを不揮発性メモリ114に記憶する。そして、電源投入時に不揮発性メモリ114に不具合要因(重送給紙や斜行給紙)が記憶されている場合、CPU111は、その内容を表示パネル120に表示させると共に、画像データのリトライ処理を実行するか否かの選択を受け付ける。なお、表示パネル120は、例えばタッチパネルで構成され、ユーザの入力を受け付けることが可能である。
【0054】
そして、画像データのリトライ処理が選択された場合、上記同様に、CPU111は、画像処理部100のCPU101へHDD106に格納された画像データの取得要求を送信する。CPU101は、CPU111から取得要求を受信すると、HDD106に格納された画像データを読み出してCPU111へ送信する。また、CPU111は、不揮発性メモリ114に記憶された印刷条件を読み出す。そして、CPU111は、印刷条件に基づいて、画像データを再度印刷するリトライ処理を実行する。また、画像データのリトライ処理が選択されない場合、CPU111は、HDD106に記憶している画像データを消去するとともに、不揮発性メモリ114に記憶している印刷条件を消去する。
【0055】
図3は、不揮発性メモリ114に記憶される情報の一例を示す図である。不揮発性メモリ114には、電源オフ前の印刷時に発生した不具合要因及び不具合要因が発生した際の印刷条件が記憶される。電源投入後、画像データをリトライする際には、上記情報を基に印刷処理が実行される。図3に示すように、印刷条件には、用紙サイズ情報、用紙メディアタイプ情報、用紙重さ情報、給紙口情報及び排紙先情報などが含まれる。
【0056】
用紙サイズ情報とは、A4サイズ、B4サイズ及びA3サイズなどの記録紙11の大きさを表しており、図3では、例えばA4サイズという用紙サイズ情報が記憶されている。用紙メディアタイプ情報とは、普通紙、厚紙及びOHPフィルムなどの記録紙11の種類を表しており、図3では、例えば普通紙という用紙メディアタイプ情報が記憶されている。用紙重さ情報とは、重い、普通及び軽いなどの記録紙11の重さを表しており、図3では、例えば重いという用紙重さ情報が記憶されている。
【0057】
給紙口情報とは、カセット1及びカセット2などの記録紙11の給紙元を表しており、図3では、例えばカセット2という給紙口情報が記憶されている。排紙先情報とは、フェイスダウンやフェイスアップなどの記録紙11の排紙方法を表しており、図3では、例えばフェイスダウンという排紙先情報が記憶されている。なお、フェイスダウンとは、記録紙11の印刷面を下側にして排紙することを表しており、フェイスアップとは、記録紙11の印刷面を上側にして排紙することを表している。不具合要因とは、ジャム、重送給紙及び斜行給紙などの印刷中に発生した不具合要因を表す情報であり、図3では、例えばジャムという不具合要因が記憶されている。
【0058】
なお、図3に示す不具合要因及び印刷条件は一例であり、上記以外の種々の不具合要因及び印刷条件がHDD106に記憶されている画像データと関連付けられて不揮発性メモリ114に記憶される。
【0059】
次に、本実施の形態における画像形成装置の動作について説明する。図4及び図5は、本実施の形態における画像形成装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0060】
まず、ステップS1において、電源スイッチ150がユーザにより押下されると、電源が投入される。次に、ステップS2において、CPU111は、不揮発性メモリ114のチェックを行う。なお、ステップS2における不揮発性メモリ114のチェック処理は、図6を用いて後述する。
【0061】
次に、ステップS3において、CPU111は、不揮発性メモリ114のチェック処理の結果に基づいて、画像データを再度印刷するリトライ処理を実行するか否かを判断する。なお、CPU111は、画像データを再度印刷するリトライ処理を実行するか否かを表すフラグを参照することにより、リトライ処理を実行するか否かを判断する。
【0062】
リトライ処理を実行しないと判断された場合(ステップS3でNO)、ステップS4において、CPU111は、I/F回路104を介してPC200から画像データが受信されたか否かを判断する。ここで、画像データが受信されていないと判断された場合(ステップS4でNO)、画像データが受信されるまで待機状態となる。
【0063】
リトライ処理を実行すると判断された場合(ステップS3でYES)、又は画像データが受信された場合(ステップS4でYES)、ステップS5において、CPU111は、給紙モータ130を駆動すると共に、印刷条件に含まれる給紙口情報に対応する給紙クラッチをオンにする。これにより、フィードローラ21に駆動力が伝達され、給紙が開始される。
【0064】
次に、ステップS6において、CPU111は、レジストセンサ25によって出力される検知信号が入力されたか否かを判断する。すなわち、レジストセンサ25は、給紙された記録紙11がレジストローラ対26に到達した場合、CPU111へ検知信号を出力する。ここで、レジストセンサ25による検知信号が一定時間経過しても検出されない場合(ステップS6でNO)、CPU111は、フィードローラ21により記録紙11が給紙されない給紙ミス(ジャム)が発生したと判断し、ステップS18へ処理を移行する。
【0065】
次に、ステップS18において、CPU111は、不揮発性メモリ114に印刷条件及び不具合要因を記憶する。次に、ステップS19において、CPU111は、給紙モータ130をオフし、印刷処理を終了する。
【0066】
一方、レジストセンサ25による検知信号が検出された場合(ステップS6でYES)、ステップS7において、CPU111は、正常に記録紙11が給紙されたと見なし、給紙クラッチ140をオフする。
【0067】
次に、ステップS8において、CPU111は、記録紙11への画像書き出し位置を調整するための2次給紙タイミングに到達したか否かを判断する。なお、2次給紙とは、レジストローラ対26で一旦停止した記録紙11が、画像形成部30C,30M,30Y,30Kへ給紙されることである。ここで、2次給紙タイミングに到達していないと判断された場合(ステップS8でNO)、2次給紙タイミングに到達するまで待機状態となる。
【0068】
一方、2次給紙タイミングに到達したと判断された場合(ステップS8でYES)、ステップS9において、CPU111は、レジストクラッチをオンにし、給紙モータ130の駆動力をレジストローラ対26に伝達させる。これにより、レジストローラ対26が回転し、2次給紙が開始する。
【0069】
次に、ステップS10において、CPU111は、重送給紙又は斜行給紙が発生したか否かを判断する。すなわち、CPU111は、重送給紙検知センサ23によって記録紙11の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間を計時し、この時間が予め記憶されている規定時間と同じであるかを判断する。重送給紙検知センサ23を記録紙11が通過する時間が規定時間と同じであると判断した場合、CPU11は、記録紙11が正常に給紙されたと判断する。一方、重送給紙検知センサ23を記録紙11が通過する時間が規定時間と異なると判断した場合、CPU11は、複数の記録紙11が重なって給紙されたと判断する。
【0070】
また、CPU111は、一方の斜行給紙検知センサ24aによって記録紙11の先端が検知された時間と、他方の斜行給紙検知センサ24bによって記録紙11の先端が検知された時間とを比較し、2つの検知時間が同じ時間又は所定の範囲内であれば、記録紙11が正常に給紙されたと判断する。一方、一方の斜行給紙検知センサ24aの検知時間と他方の斜行給紙検知センサ24bの検知時間とが同じ時間又は所定の範囲内でなければ、CPU111は、記録紙11が斜行して給紙されたと判断する。
【0071】
重送給紙又は斜行給紙が発生していたと判断された場合(ステップS10でYES)、ステップS11において、CPU111は、不揮発性メモリ114に印刷条件及び不具合要因を記憶する。重送給紙又は斜行給紙が発生した場合、紙詰まりなどのジャムとは異なり、印刷動作が停止されることはない。
【0072】
重送給紙又は斜行給紙が発生していないと判断された場合(ステップS10でNO)、又は、重送給紙又は斜行給紙が発生していたと判断され、不揮発性メモリ114に印刷条件及び不具合要因が記憶された後、ステップS12において、CPU111は、記録紙11への画像形成処理を開始する。
【0073】
次に、ステップS13において、CPU111は、定着センサ41によって出力される検知信号が入力されたか否かを判断する。すなわち、定着センサ41は、トナー画像が転写された記録紙11が定着部40に到達した場合、CPU111へ検知信号を出力する。ここで、定着センサ41による検知信号が一定時間経過しても検出されない場合(ステップS13でNO)、CPU111は、画像形成過程で紙詰まり(ジャム)が発生したと判断し、ステップS18へ処理を移行する。
【0074】
次に、ステップS18において、CPU111は、不揮発性メモリ114に印刷条件及び不具合要因を記憶する。次に、ステップS19において、CPU111は、給紙モータ130をオフし、印刷処理を終了する。
【0075】
一方、定着センサ41による検知信号が検出された場合(ステップS13でYES)、ステップS14において、CPU111は、正常に記録紙11が給紙されたと見なし、画像形成処理を終了する。
【0076】
次に、ステップS15において、CPU111は、記録紙11の排出が完了したか否かを判断する。なお、排出部50の排出口付近に記録紙11の通過を検知するセンサを設け、CPU111は、当該センサからの検知信号が入力された場合、記録紙11が排出されたと判断する。ここで、記録紙11の排出が完了していないと判断された場合(ステップS15でNO)、記録紙11の排出が完了するまで待機状態となる。
【0077】
一方、記録紙11の排出が完了したと判断された場合(ステップS15でYES)、ステップS16において、CPU111は、不揮発性メモリ114の記憶内容を参照し、重送給紙又は斜行給紙が発生したか否かを判断する。ここで、重送給紙又は斜行給紙が発生していないと判断された場合(ステップS16でNO)、CPU111は、HDD106に記憶されている画像データを消去すると共に、不揮発性メモリ114に記憶されている印刷条件及び不具合要因を消去する。なお、ここでの消去とは、画像データ、印刷条件及び不具合要因を無くしてしまうだけでなく、上書き可能な状態にすることを含む。
【0078】
重送給紙又は斜行給紙が発生したと判断された場合(ステップS16でYES)、ステップS19において、CPU111は、給紙モータ130をオフし、印刷処理を終了する。
【0079】
このように、画像データに基づいて記録紙11に画像が印刷され、印刷中に発生する不具合が検出される。このとき、印刷される画像データがHDD106に記憶されるとともに、印刷中に不具合が発生した場合、画像データを印刷するために必要な印刷条件が不揮発性メモリ114に記憶される。そして、電源投入時において、HDD106に記憶されている画像データと、不揮発性メモリ114に記憶されている印刷条件とが読み出され、読み出された印刷条件に基づいて画像データを再度印刷するリトライ処理が実行される。
【0080】
したがって、印刷処理過程で何らかの不具合が発生した後、その不具合を解消して再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、HDD106及び不揮発性メモリ114に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。
【0081】
また、印刷処理過程でジャムが発生した後、そのジャムを解消して再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、HDD106及び不揮発性メモリ114に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。なお、本実施の形態におけるジャムとは、給紙ミスや紙詰まりなどの印刷処理が途中で一旦停止する不具合を示す。
【0082】
さらに、印刷処理過程で給紙カセットに載置された記録紙11が複数重なって給紙される重送給紙が発生した後、再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、HDD106及び不揮発性メモリ114に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。
【0083】
さらにまた、印刷処理過程で給紙カセットに載置された記録紙11が斜行して給紙される斜行給紙が発生した後、再度印刷することなく画像形成装置本体の電源を遮断してしまった場合であっても、HDD106及び不揮発性メモリ114に画像データと印刷条件とが記憶されているので、ユーザが印刷条件を設定したり画像データを再送したりすることなく、再度画像データを印刷することができる。
【0084】
また、画像データのリトライ処理終了後に、HDD106に記憶されている画像データ及び不揮発性メモリ114に記憶されている印刷条件が消去されるので、HDD106及び不揮発性メモリ114の記憶領域を専有することなく、記憶領域の空き領域を利用して安価に実現することができる。
【0085】
次に、図4のステップS2における不揮発性メモリ114のチェック処理について説明する。図6は、図4のステップS2における不揮発性メモリのチェック処理について説明するためのフローチャートである。
【0086】
まず、ステップS21において、CPU111は、不揮発性メモリ114に記憶されている不具合要因を読み出す。次に、ステップS22において、CPU111は、不揮発性メモリ114から読み出した不具合要因がジャムであるか否かを判断する。ここで、不具合要因がジャムであると判断された場合(ステップS22でYES)、ステップS26の処理へ移行する。
【0087】
一方、不具合要因がジャムでないと判断された場合(ステップS22でNO)、CPU111は、不揮発性メモリ114から読み出した不具合要因が重送給紙又は斜行給紙であるか否かを判断する。ここで、不具合要因が重送給紙又は斜行給紙でないと判断された場合(ステップS23でNO)、不揮発性メモリ114には不具合要因が記憶されておらず、電源オフ前の印刷中に不具合が発生しなかったと判断し、ステップS3の処理へリターンする。
【0088】
不具合要因が重送給紙又は斜行給紙であると判断された場合(ステップS23でYES)、ステップS24において、CPU111は、不揮発性メモリ114から読み出した不具合要因を表示パネル120に表示する。このとき、不具合要因が重送給紙である場合、表示パネル120には、電源オフ前に重送給紙が発生した旨が表示され、不具合要因が斜行給紙である場合、表示パネル120には、電源オフ前に斜行給紙が発生した旨が表示される。
【0089】
次に、ステップS25において、CPU111は、HDD106に記憶されている画像データを用いたリトライ処理を実行するか否かを確認するための画面を表示パネル120に表示し、リトライ処理を実行するか否かのユーザによる選択を受け付ける。ユーザは、リトライ処理を実行するか否かを表示パネル120を用いて入力する。
【0090】
ここで、リトライ処理を実行しないと判断された場合(ステップS25でNO)、CPU111は、HDD106に記憶されている画像データを消去すると共に、不揮発性メモリ114に記憶されている印刷条件及び不具合要因を消去し、ステップS3の処理へリターンする。
【0091】
一方、リトライ処理を実行すると判断された場合(ステップS25でYES)、又は、不具合要因がジャムであると判断された場合(ステップS22でYES)、ステップS26において、CPU111は、不揮発性メモリ114から印刷条件を読み出す。このとき、CPU111は、画像データを再度印刷するリトライ処理を実行するか否かを表すフラグを例えば「0」から「1」に変更する。なお、フラグ「0」はリトライ処理を実行しないことを表し、フラグ「1」はリトライ処理を実行することを表している。
【0092】
次に、ステップS27において、CPU111は、CPU101へ画像データの読み出しを要求する。CPU101は、CPU111からの要求を受信すると、HDD106から画像データを読み出してCPU111へ送信し、ステップS3の処理へリターンする。
【0093】
このように、リトライ処理を実行するか否かのユーザによる選択が受け付けられるので、電源投入時においてユーザは、電源をオフする前に不具合が発生していたことを知ることができ、画像データのリトライ処理を実行するか否かを選択することができる。
【0094】
特に、電源をオフする前に重送給紙又は斜行給紙が発生していたとき、ユーザによってはリトライ処理を実行する必要がない場合がある。そのため、リトライ処理を実行するか否かのユーザによる選択が受け付けられるので、リトライ処理が必要なユーザのみ画像データを再度印刷することができ、不要な印刷を避けることができる。
【0095】
なお、本実施の形態では、HDD106に画像データを記憶し、不揮発性メモリ114に印刷条件及び不具合要因を記憶しているが、本発明は特にこれに限定されず、HDD106及び不揮発性メモリ114のいずれか一方に画像データを記憶する領域と印刷条件及び不具合要因を記憶する領域とを設けてもよい。
【0096】
また、本実施の形態における画像形成装置1は、電源をオフする前に複数の不具合が発生した場合、全ての不具合要因、印刷条件及び画像データを記憶しておき、電源投入後、全ての画像データを再度印刷してもよい。また、印刷中に不具合が発生する度に不具合要因、印刷条件及び画像データを更新記憶し、電源投入後、記憶されている画像データを再度印刷してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンタの概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンタの概略構成を示すブロック図である。
【図3】不揮発性メモリに記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】本実施の形態における画像形成装置の動作について説明するための第1のフローチャートである。
【図5】本実施の形態における画像形成装置の動作について説明するための第2のフローチャートである。
【図6】図4のステップS2における不揮発性メモリのチェック処理について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
1 画像形成装置
23 重送給紙検知センサ
24a,24b 斜行給紙検知センサ
25 レジストセンサ
41 定着センサ
100 画像処理部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104,108,109 I/F回路
105 HDD・I/F回路
106 HDD
107 ASIC
110 制御部
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 不揮発性メモリ
115 入力ポート
116 I/F回路
117 出力ポート
120 表示パネル
130 給紙モータ
140 給紙クラッチ
150 電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて記録紙に画像を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段による印刷中に発生する不具合を検出する検出手段と、
前記印刷手段によって印刷される前記画像データを記憶するとともに、前記検出手段によって不具合が検出された場合、前記画像データを印刷するために必要な印刷条件を記憶する不揮発性のデータ記憶手段と、
電源投入時において、前記データ記憶手段に記憶されている前記画像データと前記印刷条件とを読み出すデータ読み出し手段と、
前記データ読み出し手段によって読み出された前記印刷条件に基づいて、前記データ読み出し手段によって読み出された前記画像データを再度印刷するリトライ処理を実行するリトライ処理手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記印刷手段による印刷中に発生するジャムを検出するジャム検出手段を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検出手段は、給紙カセットに載置された記録紙が複数重なって給紙される重送給紙を検出する重送給紙検出手段を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出手段は、給紙カセットに載置された記録紙が斜行して給紙される斜行給紙を検出する斜行給紙検出手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記リトライ処理を実行するか否かのユーザによる選択を受け付ける選択受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記データ読み出し手段によって読み出された前記画像データのリトライ処理終了後に、前記データ記憶手段に記憶されている前記画像データ及び前記印刷条件を消去するデータ消去手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−108828(P2007−108828A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−296028(P2005−296028)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】