画像形成装置
【目的】 用紙位置を正確に検出し検出精度を向上することが可能な画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 本発明は、印刷媒体搬送部により搬送された印刷媒体に画像を形成する画像形成装置において、搬送中の前記印刷媒体の端部を検出する透過型センサ2及び反射型センサ3と、透過型センサ2及び反射型センサ3によって得られた印刷媒体検出情報、及び反射型センサ3とが印刷媒体を検出してから透過型センサ2が印刷媒体を検出する間の印刷媒体の搬送量に基づいて印刷媒体の位置を決定する印刷媒体決定部48とを備える。
【解決手段】 本発明は、印刷媒体搬送部により搬送された印刷媒体に画像を形成する画像形成装置において、搬送中の前記印刷媒体の端部を検出する透過型センサ2及び反射型センサ3と、透過型センサ2及び反射型センサ3によって得られた印刷媒体検出情報、及び反射型センサ3とが印刷媒体を検出してから透過型センサ2が印刷媒体を検出する間の印刷媒体の搬送量に基づいて印刷媒体の位置を決定する印刷媒体決定部48とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体を搬送し画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置は、一定の位置に取付けられたセンサレバーの物理的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサによって検出された用紙先端の検出位置により印刷制御を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−63870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の装置では、センサレバーの機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサの取り付け位置のばらつきによる検出誤差が発生し、用紙位置を正確に検出できず、検出精度が高くないという欠点がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、用紙位置を正確に検出し検出精度を向上することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するために、本発明は、印刷媒体搬送部により搬送された印刷媒体に画像を形成する画像形成装置において、搬送中の前記印刷媒体の端部を検出する第1の印刷媒体検出手段及び第2の印刷媒体検出手段と、前記第1の印刷媒体検出手段と前記第2の印刷媒体検出手段によって得られた印刷媒体検出情報、及び前記第2の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出してから前記第1の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出する間の前記印刷媒体の搬送量に基づいて前記印刷媒体の位置を決定する印刷媒体位置決定手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、印刷媒体の搬送で取得された第1の印刷媒体検出手段、及び第2の印刷媒体検出手段の検出結果と、第2の印刷媒体検出手段が印刷媒体を検出してから第1の印刷媒体検出手段が印刷媒体を検出する間の印刷媒体の搬送量とに基づいて印刷媒体の位置が決定される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、用紙位置を正確に検出し検出精度を向上することが可能な画像形成装置を提供できるという効果を期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態の画像形成装置としてプリンタを例にして説明する。図8は画像形成装置の全体構成を示す断面図である。プリンタ20は、給紙部21、画像形成部22、定着部23、用紙排出部24で構成される。
【0010】
さて、図8を用いて本発明の画像形成装置のプリンタを説明する。印刷のときの用紙4の搬送について説明する。給紙部21に収納されている用紙4は、給紙部21の給紙ローラ(ホッピングローラ)26により搬送開始される。複数の用紙4が搬送された場合は一対のリタードローラ27により1枚に分離される。次に用紙4はレジストローラ5に搬送される。レジストローラ5は用紙4が到達する前に回転を停止していて用紙4を突き当てて回転開始することで、用紙4の斜行を矯正する。前記回転開始のタイミングはセンサレバー32によって搬送されている用紙4の位置を検出することにより得られ、用紙4が回転停止しているレジストローラ5に突き当たり所定量だけ撓んでからレジストローラ5は回転開始する。更に用紙4は画像形成部22に搬送される。
【0011】
給紙部21は印刷媒体である用紙4を収納するための用紙カセット25、前記用紙4を前記用紙カセット25から給紙開始するための給紙ローラ26、複数搬送された用紙を1枚に分離するための一対のリタードローラ27、用紙4を搬送し、斜行を矯正するための一対のレジストローラ5で構成される。
【0012】
画像形成部22は、給紙部21から給紙された用紙を画像形成部22内で搬送させるための用紙搬送ベルト28、トナー像を用紙4上に形成するための画像形成手段29で構成される。定着部23は、画像形成手段29によりトナー画像が形成された用紙4を定着するための一対の定着ローラ30で構成される。用紙排出部24(30)は定着部23で定着された用紙をプリンタの外へ排出するための排出ローラ31で構成される。
【0013】
用紙4の搬送ルートの下には機械的なレバー動作にて用紙4を検出するための、センサレバー1及び透過型センサ2Aの複数の部材から成る第1印刷媒体検出部2、が取り付けられている。また、用紙4の搬送ルートの上には、光学的に用紙を検出する第2印刷媒体検出部、すなわち、単体部材の反射型センサ3が、検出精度の高い部材として配置されている。反射型センサ3は、印刷媒体4の第1端部(先端)4−1から第2端部(後端)4−2への間、印刷媒体4の上平面に対して照射光を当て、その反射光を感知することにより、検知期間が測定される。
【0014】
図2は、本発明の第1実施の形態における給紙部31の一部である用紙位置検出部(図1の印刷媒体4付近)を示している。一対のレジストローラ5の左上後方に反射型センサ3が配置され、反射型センサ3の左下後方にはセンサレバー1が配置されている。センサレバー1は軸35を中心に回転可能なように取り付けられ、センサレバー1の一端1−1が印刷媒体4−1により押され、他端1−2が透過型センサ2Aの透過部2−1から離間し非透過状態となる。
【0015】
図1を参照して、記録媒体4の搬送を制御する搬送制御部6Aを含む制御部6を備える。搬送制御部6Aは、記録媒体4の第1端部4−1を検出してから第2端部4−2を検出する検出期間の印刷媒体4の搬送量を算出する搬送量算出部47と、第1及び第2印刷媒体検出情報及び搬送量により印刷媒体位置(用紙位置)を決定する印刷媒体位置決定手段としての印刷媒体決定部48と、を備える。これにより、センサレバー1及び透過型センサ2Aの第1印刷媒体検出部2で検出された用紙位置の情報と反射型センサ3で検出された用紙位置の情報とにより、用紙位置の情報が補正される。
【0016】
印刷媒体決定部48は、第2印刷媒体検出部3からの反射光に基づいた反射率により印刷媒体4の種類を判定する種類判定部48−1、第1印刷媒体検出部2の取付位置や印刷媒体4の搬送量の誤差を補正する誤差補正部48−2と、第1印刷媒体検出部2の機械的遅れをタイマー信号で補正する動作遅れ補正部48−3を備える。
【0017】
また、搬送制御部6Aの搬送算出部47は、印刷媒体4の用紙サイズに基づいて搬送速度を測定する搬送速度測定部47−1を備える。
【0018】
詳しく述べると、制御部6はCPU8及びプログラムメモリ9で構成され、CPU8の内部にはタイマ信号を生成するタイマ部37がある。記憶部7はメモリ10で構成され、メモリ10内には用紙位置情報、検出期間等のセンサ位置情報38が格納されている。制御部6では反射型センサ3のセンサ信号(検出情報)及び透過型センサ3のセンサ信号(検出情報)が、センサ位置情報38として処理され、記憶部7に格納される。また、制御部6はモータ制御部36と接続されている。
【0019】
図3及び図4には、センサレバー1の用紙位置検出センサにおける検出前後の構成を詳細に述べる。所定の位置に固定された軸35を中心にセンサレバー1が回転可能である。図3では検出前の状態が示されセンサレバー1の他端1−2には、所定の位置に固定された透過型センサ2の透過部2−1が配置されるが、図4では、検出後の状態では、他端1−2が透過部2−1から離間するように取り付けられている。
【0020】
図5及び図6は反射型センサ3を用いた用紙位置検出センサの構成で、所定の位置に固定された反射型センサ3により用紙4の先端4−1及び後端4−2を検出するように構成される。
【0021】
図9のフローチャートを参照すると、図1の反射型センサ3の用紙位置検出結果によって、透過型センサ2による用紙位置の検出処理が行われ、これにより、用紙サイズが判明し(S2、S4)、用紙搬送速度Vが得られる(上述した搬送速度測定部47−1に対応する)。その後、搬送制御部6Aの印刷媒体決定部48における誤差補正部48−2では、用紙搬送速度Vに基づいて、印刷媒体4の搬送量の誤差を補正する処理が行われる。
【0022】
前記印刷媒体決定部48の種類判定部48−1では、画像形成部22に用紙4が搬送される途中で、反射型センサ3により用紙4の反射率の違いにより用紙種類を検出する。例えば、OHPフィルムのような透明のフィルムの場合反射型センサ3のセンサ光は反射せず、普通紙の場合は、センサ光は反射するので両者の違いが検出できる。用紙種類を検出することにより、画像形成部22及び定着部23を最適に制御可能となる。更に用紙4を搬送し、センサレバー1により用紙4の位置を検出する。ここで、用紙位置を検出する理由としては、画像形成部22では、用紙4上の正確な位置に画像を形成するため、ローラの滑りや、ローラ径のばらつきによる搬送量のばらつきの影響を受けにくい画像形成直前で用紙4の位置を検出する必要があるためである。
【0023】
センサレバー1の位置と、画像形成部22との間の距離に基づき、搬送制御、印刷制御を行う。画像形成部22は、用紙搬送ベルト38で用紙4を搬送させながらトナー画像形成手段39により用紙4上に黒色、イエロー色、マゼンダ色、シアン色のトナー像を形成する。トナー画像が形成された用紙4は定着部23に搬送され、定着ローラ30により熱を加えられ前記トナー像は用紙4に定着される。画像定着された用紙4は排出部34に搬送される。排出部34の排出ローラ31により用紙4は装置上部に排出される。用紙4が正常に排出されたことをセンサレバー3の排出センサで監視している。例えば、センサレバー1が用紙先端4−1を検出してからセンサレバー3が用紙後端4−2を検出するまでの検出期間を監視する。
【0024】
次に図3乃至図7を用いて、用紙4の位置検出手段を説明する。図4はセンサレバー1を用いた用紙位置の検出処理で、用紙4がセンサレバー1の左端の用紙検出前(図4では右方)にあり、用紙4を検出していない状態で、センサレバーの自重又は図示しない付勢部材(バネ)の力にて図3の検出前の状態でセンサレバー1が停止している。所定の位置に固定された透過型センサ2は遮光された状態であリ、図7の透過型センサ3信号は時刻Ta1より前の状態で信号レベルはHighレベルである。
【0025】
図4の検出直後の状態は用紙4が搬送されてきて用紙4がセンサレバー1の左端すなわち用紙検出部である一端1−1を押すことにより、軸35中心にセンサレバー1が回転し、センサレバー1の右端である他端1−2が透過型センサ3から抜けるため透過型センサ3はセンサ光が透過された状態である。センサレバー1及び透過型センサ3は所定の位置に固定されているので、透過型センサ3が遮光状態から透過状態に変化した状態は、図7の透過型センサ3信号がHighレベルからLowレベルに変化した時刻Ta1の状態であり、センサ信号が変化したことで用紙4が所定の位置に達したと判断できる。
【0026】
図5は反射型センサ3を用いた用紙位置の検出処理が示されている。検出前の状態では、用紙4は所定の位置に固定された反射型センサ3より前方(図5では右方)にあり、反射型センサ3は用紙4を検出していない状態(センサ光が反射しない状態)である。これに対し、図6の検出直後の状態では、反射型センサ3信号は時刻Tb1より前の状態で信号レベルはHighレベルである。
【0027】
図5の状態は用紙4が搬送されてきて用紙4が反射型センサ3の光を反射する位置にある状態である。反射型センサ3は反射光を検出することにより用紙4を検出することができる。図6の反射型センサ3信号がHighレベルからLowレベルに変化したTb1の状態であり、信号が変化したことで用紙4が所定の位置に達したと判断できる。
【0028】
図7の透過型センサ2信号の時刻Ta2の状態は、用紙4の後端4−2が、図4のセンサレバー1を抜けたタイミングで、反射型センサ3信号の時刻Tb2の状態は用紙4の後端4−2が図5の反射型センサ3を抜けたタイミングである。以上のようにして、用紙4の先端4−1の位置、後端4−2の位置を検出することができる。
【0029】
図2のセンサレバー1と透過型センサ2Aを用いた用紙センサである第1印刷媒体検出部2は、センサレバー1の機械的な動作が含まれるため動作時間にばらつきがあり、またセンサレバー1の取り付け誤差により、用紙位置を正確に検出することができない。例えば図2のAの位置にセンサレバー1が取付けられていても、透過型センサ3の信号が変化するタイミングは用紙4さらに矢印Dの方向に進んだA'の位置となる。しかしセンサレバー1が機械的に動作することで用紙種類を問わず(用紙4の反射率に関わらず)用紙位置を検出することができる。一方、反射型センサ3は光学的に用紙を検出するので、センサを単体で取り付ければ、検出精度を高めることができ、用紙位置を正確に検出できる。但し、用紙4の上面からのセンサ反射光の反射率が低いと用紙位置を検出できないことがあるので、所定の反射率以上の用紙4を用いる必要がある。
【0030】
繰り返して述べると、反射型センサ3の正確な用紙位置検出によりセンサレバー1による用紙4の位置検出の誤差が補正され、用紙の種類を問わず正確に用紙位置検出可能となる。これは、図3の制御部6は図1のセンサレバー1に接続されている透過型センサ2のセンサ信号及び、反射型センサ3のセンサ信号が入力されているからである。これらのセンサ信号が変化するのを監視することができ、CPU8はタイマ部37により反射型センサ3の信号が変化してから透過型センサ3の信号が変化するまでの時間を計測することができる。
【0031】
制御部6は後述する反射型センサ3の用紙検出位置から透過型センサ2の用紙検出位置までの距離を記憶部7のメモリ10内にセンサ位置38として記憶している。制御部6はモータ制御部36と接続されているので、モータ制御部36経由して搬送制御部6Aの搬送量算出部47において、用紙4の搬送速度情報を得ることができる。
【0032】
また、図1のモータ制御部36は、図示しないモータを回転制御し、図示しないモータは図2のレジストローラ5と接続されレジストローラ5を回転させることにより用紙4を図2の矢印Dの方向に搬送する。図9は図3の制御部6の処理内容を示していて、図9のS1はタイマカウント値を初期化して0にし、S3は所定の用紙搬送速度Vで図2の用紙4を搬送させたときに図2のBの位置に用紙4が達するタイミングを検出している。
【0033】
S3は図2のBの位置に用紙4が達するとタイマー信号のタイマカウントを開始する。S4は図2のセンサレバー1を通じて透過型センサ3が用紙4を検出するタイミングを検出している。S5は図2のセンサレバー1によって透過型センサ3が用紙4を検出したらタイマカウントを終了しそのときのタイマカウント値TcをTsに代入する。
【0034】
S6は図2のB-A'問の距離、すなわち、距離Xを求めていてXは、
X=Ts×tb×V … 式1
で計算される。ここで、
X:反射型センサ3の用紙検出位置から透過型センサ3の用紙検出位置までの距離
Ts:タイマカウント終了時タイマカウント値
tb:タイマ1カウント時間
V:用紙搬送速度
【0035】
前述したように図2の反射型センサ3の用紙検出位置Bは反射型センサ3の信号が変化するタイミング(図7のTb1)により正確に求められる。透過型センサ3の信号が変化するタイミング(図7のTa1)は用紙4が図2のBの位置からX進んだ位置である。同一の装置であれば、図2のセンサレバー1の機械的動作時間、センサレバー1及び反射型センサの取り付け誤差は変化することがないので、一度基準となる用紙を用いてXの値を算出しておけば、それ以降は図2の透過型センサ3のセンサ信号が変化するタイミングを検出することのみで、用紙4の位置(BからX進んだ位置)を正確に把握することができる。
【0036】
このようなX算出処理は、パワーオン時、初めての印刷時や、算出モードが指示された場合に、用紙カセットから用紙を給紙して行うことが考えられる。
【0037】
また、同様に、用紙4の後端も図7のTb3からTa3タイミングまでの間に図1の用紙4が搬送された距離を求めれば、図7のTa3のタイミングでの図1の用紙4の後端の位置を正確に把握することができる。
【0038】
図10は上記で求めた図2の反射型センサ3の位置から透過型センサ3の用紙検出位置までの距離Xを用いて、センサレバー1と透過型センサ3で構成される用紙センサのみを用いて用紙4の位置を求める処理を示していて、S7では透過型センサ3のセンサ信号が変化するのを監視し、センサ信号が変化したらその時点で用紙は、反射型センサ3検出位置からX進んだ位置にあると判断することができる。
【0039】
このようにして、一度Xの値を求めて、センサ位置情報を図3の記億部7のメモリ10内にセンサ位置38して記憶しておくことにより、センサレバー1と透過型センサ3で構成される用紙センサのみを用いて用紙4の位置を正確に検出することができる。
【0040】
以上のように第1実施の形態によれば、搬送制御部6Aを備えているので、検出精度の高い光学的な反射型センサ3の用紙検出結果と、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサ2の用紙検出結果と、用紙搬送速度Vを用いて、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサ2の検出結果をタイマー信号を用いて補正する。これにより、用紙検出センサ2の機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出の取付け位置がばらついても、精度よく用紙位置を検出できるという効果が期待できる。
【0041】
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態は、図1のモータ制御部36をパルスモータ制御部とした場合であるので、同一の構成についは説明を省略する。
【0042】
図1を参照して、本発明の第2実施の形態における動作遅れ補正部48−3では、第1印刷媒体検出部2の機械的動作遅れをタイマー信号の代わりに駆動パルス信号で補正する。そして、図10の透過型センサ2で用紙位置検出結果(S7及びS8)及び図11の反射型センサ3の用紙位置検出結果によって、センサレバー1による用紙位置検出結果を補正する処理を詳細に示すフローチャートで、S9、S10、S11、S12、S13、S14で構成される。
【0043】
図1の制御部6は図2のセンサレバー1に接続されている透過型センサ2のセンサ信号及び、反射型センサ3のセンサ信号が入力されているので、これらのセンサ信号が変化するのを監視することができ、CPU8はタイマ部37により反射型センサ3の信号が変化してから透過型センサ2の信号が変化するまでの時間を計測することができる。
【0044】
また制御部6は後述する反射型センサ3の用紙検出位置から透過型センサ2の用紙検出位置までの距離を記憶部7のメモリ10内にセンサ位置38として記憶する。図1の制御部6はパルスモータ制御部としてのモータ制御部36と接続されているので、パルスモータ駆動パルスを与える。ここでは図示しないパルスモータは、図8のレジストローラ5と接続されていて、パルスモータを回転駆動するとレジストローラ8が回転し用紙4を図2の矢印Dの方向に搬送する。
【0045】
図11は制御部6における図示しないパルスモータの駆動パルスの処理内容を示している。図11のS9はパルスモータ駆動カウント値を初期化して0にし、S11はパルスモータで図2の用紙4を搬送させたときに図2のBの位置に用紙4が達するタイミングを検出している。S11は図1のBの位置に用紙4が達するとパルスモータ駆動パルスをカウント開始する。S12は図2のセンサレバー1を通じて透過型センサ2が用紙4を検出するタイミングを検出している。S13は図2のセンサレバー1によって透過型センサ2が用紙4を検出したらパルスモータ駆動パルスのカウントを終了しそのときのパルスモータ駆動パルス値PcをPsに代入する。
【0046】
S14は図1のB-A'間の距離、すなわち距離Xを求めており、Xは、
X=Ps×pb … 式2
で計算される。ここで、
X:反射型センサ3の用紙検出位置から透過型センサ2の用紙検出位置までの距離
Ps:パルスモータ駆動パルスのカウント終了時のパルスモータ駆動パルス値
pb:パルスモータ1パルスの用紙搬送距離
【0047】
前述したように図2の反射型センサ3の用紙検出位置Bは反射型センサ3の信号が変化するタイミング(図7のTb1)により正確に求められる,透過型センサ2の信号が変化するタイミング(図7のTa1)は用紙4が図2のBの位置からX進んだ位置である。同一の装置であれば、図2のセンサレバー1の機械的動作時間、センサレバー1及び反射型センサ3の取り付け誤差は変化することがないので、一度基準となる用紙を用いてXの値を算出しておけば、それ以降は図2の透過型センサ2のセンサ信号が変化するタイミングを検出することのみで、用紙4の位置(BからX進んだ位置)を正確に把握することができる。
【0048】
また同様に用紙4の後端4−2も図7のTb2のタイミングからTa2のタイミングまで間に図2の用紙4が搬送された距離Xを求めれば、図7のTa2のタイミングでの図2の用紙4の後端4−2の位置を正確に把握することができる。
【0049】
以上のように第2実施の形態によれば、搬送制御部6Aを備えるので、検出精度のよい光学的な反射型センサ3の用紙検出結果と、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサ2の用紙検出結果と、用紙搬送量を用いて、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサ2の検出結果をパルスモータを駆動するパルス信号を用いて補正したので、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出の取付け位置がばらついても精度よく用紙位置を検出できるという効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の第1実施例及び第2実施の形態では、プリンタに適用した例を説明したが、ファクシミリ、MFP、コピー装置にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1の印刷媒体の周辺を詳細に示す図である。
【図3】図2の要部であって、印刷媒体の検出前の状態を示す。
【図4】図3の印刷媒体の検出時を示す図である。
【図5】図3の場合に、反射型センサの印刷媒体の検出前の状態を示す図である。
【図6】図4の場合に、反射型センサの印刷媒体の検出時の状態を示す図である。
【図7】図1の用紙の位置とセンサ信号とのタイミングチャートである。
【図8】図1の画像形成装置の全体構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第1実施の形態における画像記憶装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】図9の続き動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施の形態における画像記憶装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1 センサレバー
1−1 一端
1−2 他端
2 透過型センサ
2−1 透過部
3 反射型センサ
4 印刷媒体(用紙)
4−1 印刷媒体4の先端
5 レジストローラ
6 制御部
6A 搬送制御部
8 CPU
9 プログラムメモリ
10 メモリ
20 プリンタ
21 給紙部
22 画像形成部
23 定着部
24 用紙排出部
25 用紙カセット
26 給紙ローラ
27 リタードローラ
31 排出ローラ(排紙部)
33 排出部
35 軸
36 モータ制御部(パルスモータ制御部)
37 タイマ部
38 センサ位置情報
47 搬送量制御部
47−1 搬送速度測定部
48 印刷媒体決定部
48−1 種類判定部
48−2 誤差補正部
48−3 動作遅れ補正部
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体を搬送し画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置は、一定の位置に取付けられたセンサレバーの物理的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサによって検出された用紙先端の検出位置により印刷制御を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−63870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の装置では、センサレバーの機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサの取り付け位置のばらつきによる検出誤差が発生し、用紙位置を正確に検出できず、検出精度が高くないという欠点がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、用紙位置を正確に検出し検出精度を向上することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するために、本発明は、印刷媒体搬送部により搬送された印刷媒体に画像を形成する画像形成装置において、搬送中の前記印刷媒体の端部を検出する第1の印刷媒体検出手段及び第2の印刷媒体検出手段と、前記第1の印刷媒体検出手段と前記第2の印刷媒体検出手段によって得られた印刷媒体検出情報、及び前記第2の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出してから前記第1の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出する間の前記印刷媒体の搬送量に基づいて前記印刷媒体の位置を決定する印刷媒体位置決定手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、印刷媒体の搬送で取得された第1の印刷媒体検出手段、及び第2の印刷媒体検出手段の検出結果と、第2の印刷媒体検出手段が印刷媒体を検出してから第1の印刷媒体検出手段が印刷媒体を検出する間の印刷媒体の搬送量とに基づいて印刷媒体の位置が決定される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、用紙位置を正確に検出し検出精度を向上することが可能な画像形成装置を提供できるという効果を期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態の画像形成装置としてプリンタを例にして説明する。図8は画像形成装置の全体構成を示す断面図である。プリンタ20は、給紙部21、画像形成部22、定着部23、用紙排出部24で構成される。
【0010】
さて、図8を用いて本発明の画像形成装置のプリンタを説明する。印刷のときの用紙4の搬送について説明する。給紙部21に収納されている用紙4は、給紙部21の給紙ローラ(ホッピングローラ)26により搬送開始される。複数の用紙4が搬送された場合は一対のリタードローラ27により1枚に分離される。次に用紙4はレジストローラ5に搬送される。レジストローラ5は用紙4が到達する前に回転を停止していて用紙4を突き当てて回転開始することで、用紙4の斜行を矯正する。前記回転開始のタイミングはセンサレバー32によって搬送されている用紙4の位置を検出することにより得られ、用紙4が回転停止しているレジストローラ5に突き当たり所定量だけ撓んでからレジストローラ5は回転開始する。更に用紙4は画像形成部22に搬送される。
【0011】
給紙部21は印刷媒体である用紙4を収納するための用紙カセット25、前記用紙4を前記用紙カセット25から給紙開始するための給紙ローラ26、複数搬送された用紙を1枚に分離するための一対のリタードローラ27、用紙4を搬送し、斜行を矯正するための一対のレジストローラ5で構成される。
【0012】
画像形成部22は、給紙部21から給紙された用紙を画像形成部22内で搬送させるための用紙搬送ベルト28、トナー像を用紙4上に形成するための画像形成手段29で構成される。定着部23は、画像形成手段29によりトナー画像が形成された用紙4を定着するための一対の定着ローラ30で構成される。用紙排出部24(30)は定着部23で定着された用紙をプリンタの外へ排出するための排出ローラ31で構成される。
【0013】
用紙4の搬送ルートの下には機械的なレバー動作にて用紙4を検出するための、センサレバー1及び透過型センサ2Aの複数の部材から成る第1印刷媒体検出部2、が取り付けられている。また、用紙4の搬送ルートの上には、光学的に用紙を検出する第2印刷媒体検出部、すなわち、単体部材の反射型センサ3が、検出精度の高い部材として配置されている。反射型センサ3は、印刷媒体4の第1端部(先端)4−1から第2端部(後端)4−2への間、印刷媒体4の上平面に対して照射光を当て、その反射光を感知することにより、検知期間が測定される。
【0014】
図2は、本発明の第1実施の形態における給紙部31の一部である用紙位置検出部(図1の印刷媒体4付近)を示している。一対のレジストローラ5の左上後方に反射型センサ3が配置され、反射型センサ3の左下後方にはセンサレバー1が配置されている。センサレバー1は軸35を中心に回転可能なように取り付けられ、センサレバー1の一端1−1が印刷媒体4−1により押され、他端1−2が透過型センサ2Aの透過部2−1から離間し非透過状態となる。
【0015】
図1を参照して、記録媒体4の搬送を制御する搬送制御部6Aを含む制御部6を備える。搬送制御部6Aは、記録媒体4の第1端部4−1を検出してから第2端部4−2を検出する検出期間の印刷媒体4の搬送量を算出する搬送量算出部47と、第1及び第2印刷媒体検出情報及び搬送量により印刷媒体位置(用紙位置)を決定する印刷媒体位置決定手段としての印刷媒体決定部48と、を備える。これにより、センサレバー1及び透過型センサ2Aの第1印刷媒体検出部2で検出された用紙位置の情報と反射型センサ3で検出された用紙位置の情報とにより、用紙位置の情報が補正される。
【0016】
印刷媒体決定部48は、第2印刷媒体検出部3からの反射光に基づいた反射率により印刷媒体4の種類を判定する種類判定部48−1、第1印刷媒体検出部2の取付位置や印刷媒体4の搬送量の誤差を補正する誤差補正部48−2と、第1印刷媒体検出部2の機械的遅れをタイマー信号で補正する動作遅れ補正部48−3を備える。
【0017】
また、搬送制御部6Aの搬送算出部47は、印刷媒体4の用紙サイズに基づいて搬送速度を測定する搬送速度測定部47−1を備える。
【0018】
詳しく述べると、制御部6はCPU8及びプログラムメモリ9で構成され、CPU8の内部にはタイマ信号を生成するタイマ部37がある。記憶部7はメモリ10で構成され、メモリ10内には用紙位置情報、検出期間等のセンサ位置情報38が格納されている。制御部6では反射型センサ3のセンサ信号(検出情報)及び透過型センサ3のセンサ信号(検出情報)が、センサ位置情報38として処理され、記憶部7に格納される。また、制御部6はモータ制御部36と接続されている。
【0019】
図3及び図4には、センサレバー1の用紙位置検出センサにおける検出前後の構成を詳細に述べる。所定の位置に固定された軸35を中心にセンサレバー1が回転可能である。図3では検出前の状態が示されセンサレバー1の他端1−2には、所定の位置に固定された透過型センサ2の透過部2−1が配置されるが、図4では、検出後の状態では、他端1−2が透過部2−1から離間するように取り付けられている。
【0020】
図5及び図6は反射型センサ3を用いた用紙位置検出センサの構成で、所定の位置に固定された反射型センサ3により用紙4の先端4−1及び後端4−2を検出するように構成される。
【0021】
図9のフローチャートを参照すると、図1の反射型センサ3の用紙位置検出結果によって、透過型センサ2による用紙位置の検出処理が行われ、これにより、用紙サイズが判明し(S2、S4)、用紙搬送速度Vが得られる(上述した搬送速度測定部47−1に対応する)。その後、搬送制御部6Aの印刷媒体決定部48における誤差補正部48−2では、用紙搬送速度Vに基づいて、印刷媒体4の搬送量の誤差を補正する処理が行われる。
【0022】
前記印刷媒体決定部48の種類判定部48−1では、画像形成部22に用紙4が搬送される途中で、反射型センサ3により用紙4の反射率の違いにより用紙種類を検出する。例えば、OHPフィルムのような透明のフィルムの場合反射型センサ3のセンサ光は反射せず、普通紙の場合は、センサ光は反射するので両者の違いが検出できる。用紙種類を検出することにより、画像形成部22及び定着部23を最適に制御可能となる。更に用紙4を搬送し、センサレバー1により用紙4の位置を検出する。ここで、用紙位置を検出する理由としては、画像形成部22では、用紙4上の正確な位置に画像を形成するため、ローラの滑りや、ローラ径のばらつきによる搬送量のばらつきの影響を受けにくい画像形成直前で用紙4の位置を検出する必要があるためである。
【0023】
センサレバー1の位置と、画像形成部22との間の距離に基づき、搬送制御、印刷制御を行う。画像形成部22は、用紙搬送ベルト38で用紙4を搬送させながらトナー画像形成手段39により用紙4上に黒色、イエロー色、マゼンダ色、シアン色のトナー像を形成する。トナー画像が形成された用紙4は定着部23に搬送され、定着ローラ30により熱を加えられ前記トナー像は用紙4に定着される。画像定着された用紙4は排出部34に搬送される。排出部34の排出ローラ31により用紙4は装置上部に排出される。用紙4が正常に排出されたことをセンサレバー3の排出センサで監視している。例えば、センサレバー1が用紙先端4−1を検出してからセンサレバー3が用紙後端4−2を検出するまでの検出期間を監視する。
【0024】
次に図3乃至図7を用いて、用紙4の位置検出手段を説明する。図4はセンサレバー1を用いた用紙位置の検出処理で、用紙4がセンサレバー1の左端の用紙検出前(図4では右方)にあり、用紙4を検出していない状態で、センサレバーの自重又は図示しない付勢部材(バネ)の力にて図3の検出前の状態でセンサレバー1が停止している。所定の位置に固定された透過型センサ2は遮光された状態であリ、図7の透過型センサ3信号は時刻Ta1より前の状態で信号レベルはHighレベルである。
【0025】
図4の検出直後の状態は用紙4が搬送されてきて用紙4がセンサレバー1の左端すなわち用紙検出部である一端1−1を押すことにより、軸35中心にセンサレバー1が回転し、センサレバー1の右端である他端1−2が透過型センサ3から抜けるため透過型センサ3はセンサ光が透過された状態である。センサレバー1及び透過型センサ3は所定の位置に固定されているので、透過型センサ3が遮光状態から透過状態に変化した状態は、図7の透過型センサ3信号がHighレベルからLowレベルに変化した時刻Ta1の状態であり、センサ信号が変化したことで用紙4が所定の位置に達したと判断できる。
【0026】
図5は反射型センサ3を用いた用紙位置の検出処理が示されている。検出前の状態では、用紙4は所定の位置に固定された反射型センサ3より前方(図5では右方)にあり、反射型センサ3は用紙4を検出していない状態(センサ光が反射しない状態)である。これに対し、図6の検出直後の状態では、反射型センサ3信号は時刻Tb1より前の状態で信号レベルはHighレベルである。
【0027】
図5の状態は用紙4が搬送されてきて用紙4が反射型センサ3の光を反射する位置にある状態である。反射型センサ3は反射光を検出することにより用紙4を検出することができる。図6の反射型センサ3信号がHighレベルからLowレベルに変化したTb1の状態であり、信号が変化したことで用紙4が所定の位置に達したと判断できる。
【0028】
図7の透過型センサ2信号の時刻Ta2の状態は、用紙4の後端4−2が、図4のセンサレバー1を抜けたタイミングで、反射型センサ3信号の時刻Tb2の状態は用紙4の後端4−2が図5の反射型センサ3を抜けたタイミングである。以上のようにして、用紙4の先端4−1の位置、後端4−2の位置を検出することができる。
【0029】
図2のセンサレバー1と透過型センサ2Aを用いた用紙センサである第1印刷媒体検出部2は、センサレバー1の機械的な動作が含まれるため動作時間にばらつきがあり、またセンサレバー1の取り付け誤差により、用紙位置を正確に検出することができない。例えば図2のAの位置にセンサレバー1が取付けられていても、透過型センサ3の信号が変化するタイミングは用紙4さらに矢印Dの方向に進んだA'の位置となる。しかしセンサレバー1が機械的に動作することで用紙種類を問わず(用紙4の反射率に関わらず)用紙位置を検出することができる。一方、反射型センサ3は光学的に用紙を検出するので、センサを単体で取り付ければ、検出精度を高めることができ、用紙位置を正確に検出できる。但し、用紙4の上面からのセンサ反射光の反射率が低いと用紙位置を検出できないことがあるので、所定の反射率以上の用紙4を用いる必要がある。
【0030】
繰り返して述べると、反射型センサ3の正確な用紙位置検出によりセンサレバー1による用紙4の位置検出の誤差が補正され、用紙の種類を問わず正確に用紙位置検出可能となる。これは、図3の制御部6は図1のセンサレバー1に接続されている透過型センサ2のセンサ信号及び、反射型センサ3のセンサ信号が入力されているからである。これらのセンサ信号が変化するのを監視することができ、CPU8はタイマ部37により反射型センサ3の信号が変化してから透過型センサ3の信号が変化するまでの時間を計測することができる。
【0031】
制御部6は後述する反射型センサ3の用紙検出位置から透過型センサ2の用紙検出位置までの距離を記憶部7のメモリ10内にセンサ位置38として記憶している。制御部6はモータ制御部36と接続されているので、モータ制御部36経由して搬送制御部6Aの搬送量算出部47において、用紙4の搬送速度情報を得ることができる。
【0032】
また、図1のモータ制御部36は、図示しないモータを回転制御し、図示しないモータは図2のレジストローラ5と接続されレジストローラ5を回転させることにより用紙4を図2の矢印Dの方向に搬送する。図9は図3の制御部6の処理内容を示していて、図9のS1はタイマカウント値を初期化して0にし、S3は所定の用紙搬送速度Vで図2の用紙4を搬送させたときに図2のBの位置に用紙4が達するタイミングを検出している。
【0033】
S3は図2のBの位置に用紙4が達するとタイマー信号のタイマカウントを開始する。S4は図2のセンサレバー1を通じて透過型センサ3が用紙4を検出するタイミングを検出している。S5は図2のセンサレバー1によって透過型センサ3が用紙4を検出したらタイマカウントを終了しそのときのタイマカウント値TcをTsに代入する。
【0034】
S6は図2のB-A'問の距離、すなわち、距離Xを求めていてXは、
X=Ts×tb×V … 式1
で計算される。ここで、
X:反射型センサ3の用紙検出位置から透過型センサ3の用紙検出位置までの距離
Ts:タイマカウント終了時タイマカウント値
tb:タイマ1カウント時間
V:用紙搬送速度
【0035】
前述したように図2の反射型センサ3の用紙検出位置Bは反射型センサ3の信号が変化するタイミング(図7のTb1)により正確に求められる。透過型センサ3の信号が変化するタイミング(図7のTa1)は用紙4が図2のBの位置からX進んだ位置である。同一の装置であれば、図2のセンサレバー1の機械的動作時間、センサレバー1及び反射型センサの取り付け誤差は変化することがないので、一度基準となる用紙を用いてXの値を算出しておけば、それ以降は図2の透過型センサ3のセンサ信号が変化するタイミングを検出することのみで、用紙4の位置(BからX進んだ位置)を正確に把握することができる。
【0036】
このようなX算出処理は、パワーオン時、初めての印刷時や、算出モードが指示された場合に、用紙カセットから用紙を給紙して行うことが考えられる。
【0037】
また、同様に、用紙4の後端も図7のTb3からTa3タイミングまでの間に図1の用紙4が搬送された距離を求めれば、図7のTa3のタイミングでの図1の用紙4の後端の位置を正確に把握することができる。
【0038】
図10は上記で求めた図2の反射型センサ3の位置から透過型センサ3の用紙検出位置までの距離Xを用いて、センサレバー1と透過型センサ3で構成される用紙センサのみを用いて用紙4の位置を求める処理を示していて、S7では透過型センサ3のセンサ信号が変化するのを監視し、センサ信号が変化したらその時点で用紙は、反射型センサ3検出位置からX進んだ位置にあると判断することができる。
【0039】
このようにして、一度Xの値を求めて、センサ位置情報を図3の記億部7のメモリ10内にセンサ位置38して記憶しておくことにより、センサレバー1と透過型センサ3で構成される用紙センサのみを用いて用紙4の位置を正確に検出することができる。
【0040】
以上のように第1実施の形態によれば、搬送制御部6Aを備えているので、検出精度の高い光学的な反射型センサ3の用紙検出結果と、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサ2の用紙検出結果と、用紙搬送速度Vを用いて、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサ2の検出結果をタイマー信号を用いて補正する。これにより、用紙検出センサ2の機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出の取付け位置がばらついても、精度よく用紙位置を検出できるという効果が期待できる。
【0041】
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態は、図1のモータ制御部36をパルスモータ制御部とした場合であるので、同一の構成についは説明を省略する。
【0042】
図1を参照して、本発明の第2実施の形態における動作遅れ補正部48−3では、第1印刷媒体検出部2の機械的動作遅れをタイマー信号の代わりに駆動パルス信号で補正する。そして、図10の透過型センサ2で用紙位置検出結果(S7及びS8)及び図11の反射型センサ3の用紙位置検出結果によって、センサレバー1による用紙位置検出結果を補正する処理を詳細に示すフローチャートで、S9、S10、S11、S12、S13、S14で構成される。
【0043】
図1の制御部6は図2のセンサレバー1に接続されている透過型センサ2のセンサ信号及び、反射型センサ3のセンサ信号が入力されているので、これらのセンサ信号が変化するのを監視することができ、CPU8はタイマ部37により反射型センサ3の信号が変化してから透過型センサ2の信号が変化するまでの時間を計測することができる。
【0044】
また制御部6は後述する反射型センサ3の用紙検出位置から透過型センサ2の用紙検出位置までの距離を記憶部7のメモリ10内にセンサ位置38として記憶する。図1の制御部6はパルスモータ制御部としてのモータ制御部36と接続されているので、パルスモータ駆動パルスを与える。ここでは図示しないパルスモータは、図8のレジストローラ5と接続されていて、パルスモータを回転駆動するとレジストローラ8が回転し用紙4を図2の矢印Dの方向に搬送する。
【0045】
図11は制御部6における図示しないパルスモータの駆動パルスの処理内容を示している。図11のS9はパルスモータ駆動カウント値を初期化して0にし、S11はパルスモータで図2の用紙4を搬送させたときに図2のBの位置に用紙4が達するタイミングを検出している。S11は図1のBの位置に用紙4が達するとパルスモータ駆動パルスをカウント開始する。S12は図2のセンサレバー1を通じて透過型センサ2が用紙4を検出するタイミングを検出している。S13は図2のセンサレバー1によって透過型センサ2が用紙4を検出したらパルスモータ駆動パルスのカウントを終了しそのときのパルスモータ駆動パルス値PcをPsに代入する。
【0046】
S14は図1のB-A'間の距離、すなわち距離Xを求めており、Xは、
X=Ps×pb … 式2
で計算される。ここで、
X:反射型センサ3の用紙検出位置から透過型センサ2の用紙検出位置までの距離
Ps:パルスモータ駆動パルスのカウント終了時のパルスモータ駆動パルス値
pb:パルスモータ1パルスの用紙搬送距離
【0047】
前述したように図2の反射型センサ3の用紙検出位置Bは反射型センサ3の信号が変化するタイミング(図7のTb1)により正確に求められる,透過型センサ2の信号が変化するタイミング(図7のTa1)は用紙4が図2のBの位置からX進んだ位置である。同一の装置であれば、図2のセンサレバー1の機械的動作時間、センサレバー1及び反射型センサ3の取り付け誤差は変化することがないので、一度基準となる用紙を用いてXの値を算出しておけば、それ以降は図2の透過型センサ2のセンサ信号が変化するタイミングを検出することのみで、用紙4の位置(BからX進んだ位置)を正確に把握することができる。
【0048】
また同様に用紙4の後端4−2も図7のTb2のタイミングからTa2のタイミングまで間に図2の用紙4が搬送された距離Xを求めれば、図7のTa2のタイミングでの図2の用紙4の後端4−2の位置を正確に把握することができる。
【0049】
以上のように第2実施の形態によれば、搬送制御部6Aを備えるので、検出精度のよい光学的な反射型センサ3の用紙検出結果と、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサ2の用紙検出結果と、用紙搬送量を用いて、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出センサ2の検出結果をパルスモータを駆動するパルス信号を用いて補正したので、機械的動作にて用紙位置を検出する用紙検出の取付け位置がばらついても精度よく用紙位置を検出できるという効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の第1実施例及び第2実施の形態では、プリンタに適用した例を説明したが、ファクシミリ、MFP、コピー装置にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1の印刷媒体の周辺を詳細に示す図である。
【図3】図2の要部であって、印刷媒体の検出前の状態を示す。
【図4】図3の印刷媒体の検出時を示す図である。
【図5】図3の場合に、反射型センサの印刷媒体の検出前の状態を示す図である。
【図6】図4の場合に、反射型センサの印刷媒体の検出時の状態を示す図である。
【図7】図1の用紙の位置とセンサ信号とのタイミングチャートである。
【図8】図1の画像形成装置の全体構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第1実施の形態における画像記憶装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】図9の続き動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施の形態における画像記憶装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1 センサレバー
1−1 一端
1−2 他端
2 透過型センサ
2−1 透過部
3 反射型センサ
4 印刷媒体(用紙)
4−1 印刷媒体4の先端
5 レジストローラ
6 制御部
6A 搬送制御部
8 CPU
9 プログラムメモリ
10 メモリ
20 プリンタ
21 給紙部
22 画像形成部
23 定着部
24 用紙排出部
25 用紙カセット
26 給紙ローラ
27 リタードローラ
31 排出ローラ(排紙部)
33 排出部
35 軸
36 モータ制御部(パルスモータ制御部)
37 タイマ部
38 センサ位置情報
47 搬送量制御部
47−1 搬送速度測定部
48 印刷媒体決定部
48−1 種類判定部
48−2 誤差補正部
48−3 動作遅れ補正部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体搬送部により搬送された印刷媒体に画像を形成する画像形成装置において、
搬送中の前記印刷媒体の端部を検出する第1の印刷媒体検出手段及び第2の印刷媒体検出手段と、
前記第1の印刷媒体検出手段と前記第2の印刷媒体検出手段によって得られた印刷媒体検出情報、及び前記第2の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出してから前記第1の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出する間の前記印刷媒体の搬送量に基づいて前記印刷媒体の位置を決定する印刷媒体位置決定手段とを備えること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の印刷媒体検出手段は、前記第1の印刷媒体検出手段より高精度に印刷媒体位置を検出すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の印刷媒体検出手段は、透過型センサ及びセンサレバー部材を備えること、
を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の媒体検出手段は、反射型センサを備えること、
を特徴とする請求項1乃至請求項2の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記反射型センサは、前記印刷媒体の反射率により前記印刷媒体の種類を判定するセンサであること、
を特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷媒体位置決定手段は、前記第1の印刷媒体検出手段の取付け位置の誤差を補正すること、
を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷媒体位置決定手段は、前記第1の印刷媒体検出手段の機械的動作遅れを補正すること、
を特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷媒体位置決定手段は、前記印刷媒体の搬送速度に基づいて、前記第2の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出してから前記第1の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出する間の前記印刷媒体の搬送量を求めること、
を特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項1】
印刷媒体搬送部により搬送された印刷媒体に画像を形成する画像形成装置において、
搬送中の前記印刷媒体の端部を検出する第1の印刷媒体検出手段及び第2の印刷媒体検出手段と、
前記第1の印刷媒体検出手段と前記第2の印刷媒体検出手段によって得られた印刷媒体検出情報、及び前記第2の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出してから前記第1の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出する間の前記印刷媒体の搬送量に基づいて前記印刷媒体の位置を決定する印刷媒体位置決定手段とを備えること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の印刷媒体検出手段は、前記第1の印刷媒体検出手段より高精度に印刷媒体位置を検出すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の印刷媒体検出手段は、透過型センサ及びセンサレバー部材を備えること、
を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の媒体検出手段は、反射型センサを備えること、
を特徴とする請求項1乃至請求項2の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記反射型センサは、前記印刷媒体の反射率により前記印刷媒体の種類を判定するセンサであること、
を特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷媒体位置決定手段は、前記第1の印刷媒体検出手段の取付け位置の誤差を補正すること、
を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷媒体位置決定手段は、前記第1の印刷媒体検出手段の機械的動作遅れを補正すること、
を特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷媒体位置決定手段は、前記印刷媒体の搬送速度に基づいて、前記第2の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出してから前記第1の印刷媒体検出手段が前記印刷媒体を検出する間の前記印刷媒体の搬送量を求めること、
を特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかの項記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−261721(P2007−261721A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87120(P2006−87120)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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