説明

画像形成装置

【課題】写真調の画像を得る場合において、滑らかな表面性を確保する画像形成装置を提供する。
【解決手段】給紙部4aから記録媒体20を搬送して、この記録媒体20上に画像を形成する画像形成部1Yを備え、写真画質の画像を得る画像形成装置において、前記記録媒体20の少なくとも1部分に透明部分20bを有し、この透明部分20bに元画像を反転させた画像を転写した時、排紙コロ対21は、前記画像の定着直後に、前記記録媒体20への圧力を軽減する方向に作動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙部から搬送されてきた記録媒体上に写真画質の画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真式の画像形成装置によって光沢のある写真画質の画像を得るために、特殊なトナー、特殊な記録媒体、特殊な定着装置等を使用して所望の光沢のある写真画質の画像を得る試みがなされている(特許文献1乃至3参照)。
例えば、特許文献1では、光沢を出すための特殊なトナーを用いている。用紙上に通常の画像形成を実施した後、定着ユニットに搬送する前に記録媒体全面に透明なトナーを均一に形成し、定着することで写真画質が得られるとしている。
また、特許文献2を始めとする技術では、光沢を出すために特殊な記録媒体を用いている。記録媒体の表や裏に熱可塑性樹脂層を設け、画像を通常に定着した後でさらに圧力と熱を加えることで表面の均一な光沢を実現できるとしている。
さらに、特許文献3では、光沢を出すために特殊な定着装置を用いている。通常の定着処理(第1定着)後に、平滑性の高いベルトから構成される第2定着手段を設けて再度トナーを溶かした後で冷却と剥離を行い、ベルトの平滑性を利用して均一な光沢を得ることができるとしている。
【特許文献1】特開2002−341623公報
【特許文献2】特開2004−191678公報
【特許文献3】特開2003−270991公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術は常に記録媒体全面に均一な透明トナーを供給することや、画像部と非画像部でのトナー厚みの違いにより定着ユニットへの負荷が高くなる等の課題がある。また、特許文献2の技術を用いるためには特許文献3に記載されるような特殊な定着装置を用いて初めてその効果が実現できるものであり、構成やコスト、消費電力等の点で問題がある。
そこで、本発明の目的は、写真調の画像を得る場合において、滑らかな表面性を確保する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも一部に透明部分を有した記録媒体を給送する給紙部と、該給紙部から搬送されてきた前記記録媒体の前記透明部分に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部から搬送されてきた前記記録媒体を排紙する排紙部材対と、制御部と、を備えた画像形成装置であって、前記排紙部材対を構成する2つの排紙部材の外周端面は軸方向位置をずらして配置され、且つ該排紙部材のうちの少なくとも一方は他方に対して進退自在に構成されており、前記制御部は、前記記録媒体の透明部分に元画像を反転させた画像が転写された場合に、前記各排紙部材を前記記録媒体への圧力を軽減する方向に作動させることを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、少なくとも一部に透明部分を有した記録媒体を給送する給紙部と、該給紙部から搬送されてきた前記記録媒体の前記透明部分に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部から搬送されてきた前記記録媒体を排紙する排紙部材対と、制御部と、を備えた画像形成装置であって、前記排紙部材対を構成する2つの排紙部材の外周端面は軸方向位置をずらして配置され、且つ該排紙部材のうちの少なくとも一方は他方に対して進退自在に構成されており、前記制御部は、前記画像形成部からの記録媒体の排出直後に、前記排紙部材の間隔を広げる方向に作動させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記排紙部材対の少なくとも一方は、外周面に凹凸部を有したキャプスタンローラであり、前記キャプスタンローラを他方の排紙部材の下方に配置し、該キャプスタンローラを駆動側としたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3において、前記画像形成部は、電子写真式の画像形成部、或いはインクジェット式の印字部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、少なくとも1部分に透明部分を有した記録媒体上に、元画像を反転させた画像を形成する際に、定着直後の排紙コロから記録媒体への圧力を軽減することにより、透明部分上に凹凸のコロ痕が形成されなくなる。このことにより、記録媒体の非透明部分もしくは非透明の別の記録媒体を重ね合わせて得られる写真調画質の表面性の質感を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は一般的な電子写真式の画像形成装置の構成を示す概略図である。
画像形成装置Aは、給紙部A1、画像形成部A2、排紙部A3、及び制御部(CPU)を有した画像形成装置本体と、排紙部A3から排出されてきた用紙に後処理を施す後処理装置(中折り装置)Fと、を有している。
給紙部A1は、転写紙20が載置された給紙カセット4a、4bを備えている。また、画像形成装置側面から手差しで給紙を行う手差しトレイMFが備えられている。
画像形成部A2は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、転写ユニット6、定着ユニット7等を備えている。なお、Y、M、C、Kの色順は、図1に図示した配置例に限るものでなく、他の並び順であっても構わない。
【0008】
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと、帯電手段、現像手段、クリーニング手段とを備えている。また、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの回転軸が平行になるように、かつ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように設定されている。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの上方には、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する光書込ユニット3が、下方には転写紙を担持して各画像形成ユニットの転写部を通過するように搬送する転写搬送ベルト9を有するベルト駆動装置としての転写ユニット6が配置されている。
【0009】
転写搬送ベルト9の外周面には、ブラシローラとクリーニングブレードから構成されたクリーニング装置19が接触するように配置されている。このクリーニング装置19により転写搬送ベルト9上に付着したトナー等の異物が除去される。
転写ユニット6の側方にはベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8、排紙コロ対(排紙部材対)21、22等が備えられている。画像形成部A2の下部には、給紙部A1が備えられている。
この他、トナー補給容器TCが備えられ、図示していない廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども1点鎖線で示したスペースSの中に備えられている。
【0010】
現像手段としての現像装置10Y、10M、10C、10Kは、いずれも同様の構成からなり、それらは使用するトナーの色のみが異なる2成分現像方式の現像装置10Y、10M、10C、10Kであり、トナーと磁性キャリアからなる現像剤が収容されている。
現像装置10Y、10M、10C、10Kは感光体ドラム11に対向した現像ローラ、現像剤を搬送・撹拌するスクリュー、トナー濃度センサ等から構成される。現像ローラは外側の回転自在のスリーブと内側に固定された磁石から構成されている。トナー濃度センサの出力に応じて、トナー補給容器TCよりトナーが補給される。
排紙部A3を構成する排紙コロ対(排紙部材対)21は、画像形成部A2から搬送されてきた記録媒体をフェイスアップ(画像面を上向きにした)状態で機外に排紙する手段である。排紙トレイ8はフェイスダウン(画像面を下向きにした)状態で排紙コロ対(排紙部材対)22によって排紙されてくる記録媒体を受ける手段である。
本発明においては、排紙コロ対21、22は、何れか一方が他方に対して進退(接近離間)自在に構成されることにより排紙される記録媒体への圧力を調整可能となっている。
前記の各構成要素は、図示しない制御部からの制御信号に基づいて動作する。
【0011】
画像形成の流れについて説明する。先ず、帯電ローラに図示しない電源より所定の電圧が印加されて、対向する感光体ドラム11(Y、M、C、K)表面を帯電する。所定の電位に帯電した感光体ドラム11(Y、M、C、K)表面には、引き続いて光書き込みユニット3により画像データに基づくレーザ光が走査され、静電潜像が書き込まれる。
静電潜像を担持した感光体ドラム11(Y、M、C、K)表面が現像装置10(Y、M、C、K)に到達すると、感光体ドラム11(Y、M、C、K)と対向配置される現像ローラにより、感光体ドラム11(Y、M、C、K)表面の静電潜像にトナーが供給されて、トナー像が形成される。
上記の動作が感光体ユニット2Y、2M、2C、2K全てに同様にして所定のタイミングで行われ、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K表面にはそれぞれ所定の色のトナー像が形成される。
【0012】
転写紙20は、給紙カセット4a、4b、もしくは手差しトレイMFのいずれかから搬送され、レジストローラ5に到達したところで一旦停止する。そして、感光体ユニット2Y、2M、2C、2Kの上記の画像形成動作にタイミングを合わせて、転写紙20がレジストローラ5により送り出され、転写搬送ベルト9によって搬送されながら、各感光体ドラム11(Y、M、C、K)上のトナー像を順次転写されていく。
この転写紙へのトナー像の転写は、転写搬送ベルト9を挟んで各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと対向配置されている1次転写ローラ16Y、16M、16C、16Kから、図示しない電源より感光体ドラム11(Y、M、C、K)上のトナーの極性と逆極性の電圧が印加されることで行われる。
感光体ドラム11Kとの対向位置を通過し、4色のトナー像が重ね合わされた転写紙20は引き続いて定着ユニット7に搬送され、かつ熱と圧力を受けて画像が定着される。
【0013】
本実施の形態に用いた画像形成部は特別にこの構成を特徴としているわけではなく、例えば、書き込み方式としてレーザではなくLEDを使用する場合や、現像手段として2成分ではなく1成分であっても構わないし、定着手段としてベルトではなくローラや誘導加熱方式であっても構わない。或いは、画像形成部としてインクジェット式の印字部を用いてもよい。
また、本発明の画像形成部A2は、普通紙のみならず、OHP紙のような透明な樹脂シートに対する画像形成も同時に可能とする構成を備えている。また、記録媒体上に写真画質の画像を形成する機能をも有している。
OHP用紙のように定着時に多くの熱量を奪う記録媒体については、定着ユニット7によって定着処理した際における加熱ローラの温度低下量が多くなるため、搬送速度を遅くする必要がある。このため、OHP用紙に画像形成を行う場合には、画像形成装置内での搬送速度を普通紙の約半分程度に減速している。このため、熱定着後に排紙されてくるOHP用紙は余熱によって柔らかくなっており、排紙部に設けた排紙コロ(腰付け用コロ)からの加圧によってコロ跡が付きやすい。
【0014】
図2は本発明による画像形成装置に使用する記録媒体の構成を示す概略図である。
図2中、矢印は記録媒体搬送方向を示している。記録媒体20は、例えば、図2(a)のように、記録媒体搬送方向に対して記録媒体の半分を超える範囲が非透明部分20aで、残りが透明部分20bから構成されている。
また、記録媒体20は、例えば、図2(b)のように、全て透明部分20aで構成されてもよい。さらに、図2(c)のように、記録媒体搬送方向に対して左右半分ずつが非透明部分20aと、残りが透明部分20bから構成されてもよい。もちろん、図2(d)のように、記録媒体搬送方向に対して僅かな範囲の非透明部分20aと、残りの大半が透明部分20bから構成されてもよい。
【0015】
なお、非透明部分20aとは白色、その他の不透明を含み、透明部分20bとは、完全な透明な状態のみを指称する訳ではなく、半透明、その他の透明に準ずる状態を広く含むものである。
また、透明部分20bをOHP用紙にて構成し、非透明部分20aを普通紙等によって構成してもよいが、全体をOHP用紙にて構成する一方で、非透明部分20aに相当する部分に非透明シートを貼着することによって構成してもよい。
この少なくとも1部分が透明部分20bである記録媒体20を通紙するという条件を画像形成装置に設定する方法としては、ユーザが操作部や給紙手段からの設定により予め指示する方法や、特定サイズの透明領域を画像形成装置に予め登録しておく方法等がある。
【0016】
制御部は、透明領域が確定された後、少なくともこの確定された透明部分20bに画像が形成されると判断した際には、自動的に画像を反転させて形成する。その結果、定着ユニット7(図1)を通り抜けた後の記録媒体20の片面上には、少なくとも透明部分20bについては反転した画像が形成されることになる。
上記の手法により画像形成が行われた記録媒体20を、白色の媒体の上に画像形成面を下向きにして重ねることで、簡単に写真調の画像を得ることができる。画像形成面が下になり、白色の媒体に挟まれることにより外部から画像形成面を直接傷つけることが無くなるために保存性が良好となる。
【0017】
図3は図1に示した中折り装置における処理の詳細を説明する概略斜視図である。記録媒体20の透明部分20bに対して画像を転写し、かつこの画像を定着する。この時、透明部分20bにはミラー反転した画像(図5)を印刷する。
記録媒体20は定着ユニット7を通過した後に画像形成装置Aから後処理装置(この場合、中折り装置F)へと搬送される。すなわち、定着後の適所に分岐爪Eが配置されており、この分岐爪Eを切り換えることで排紙コロ22を介して排紙トレイ8へと排紙するか、或いは排紙コロ21を介して中折り装置F(C方向)へと排紙するかを切り換える。
通常の中折り装置Fにおいては、複数ページからなる用紙を順番に重ねるために、中折り装置Fに入る前に反転させる構成となっている。本実施の形態では、この部分に図示しない分岐装置を設けることで、反転させずに用紙を中折り装置Fに送ることができるようになっている。つまり、通常の中折り装置の使い方とは逆の折り方を、分岐装置を設けるのみで実現できる。
中折り装置Fは通常複数枚の出力を重ねて、中央部をステープルして折り曲げるような使い方が一般的であるが、本実施の形態である保存性良好の写真調画像については1つの写真調画像を得る毎に折り曲げ動作を実施するので、反転動作が不要となる。
【0018】
図1及び図3に示すように中折り装置Fはローラ対23、24、25から構成されており、定着ユニット7を通過後に画像形成装置Aから中折り装置Fへと搬送された図2(a)に示す記録媒体20はローラ対23を通ってローラ対24へ搬送される(図3(a)及び図3(b))。
この場合に、ローラ対23を通ってローラ対24へ搬送される記録媒体20の先端は一旦図1のH方向へ搬送され、非透明部分20aと透明部分20bの境界が図3(b)に示すようにほぼローラ対25上に達した時にローラ対24を逆転させて記録媒体20をローラ対25に向かってたるませて(図3(c))、たるんだ記録媒体20がローラ対25のニップに挟まれて記録媒体20の非透明部分20aと透明部分20bが重ね合わされ、次いでJ方向に排出される((d)(e))。
【0019】
図4(a)乃至(d)、及び(a)(e)は、夫々本実施形態の画像形成装置、及び中折り装置により作成される写真調画像形成の流れ(画像のミラーリング印刷)を示す概略図である。図5は折り返し又は白色重ね時の本実施の形態で作成された画像の断面部の構成を示す概略断面図である。図6は本発明による印刷画像と比較のための通常の印刷画像を示す概略断面図である。
まず図4(a)乃至(d)の画像形成手順においては、図4(a)の元画像が、図4(b)に示すように記録媒体20の透明部分20b上に形成される。次いで、図4(c)に示すように非透明部分20aをその中央部clから2つに折り曲げ、且つ表裏を反転し、更に図4(d)に示すように前後が逆になるように回転させて転写画像を元画像と同じ向きの画像とする。次いで、(e)のように転写画像を保持した透明部分20bの画像転写面に白色媒体を重ねて固定することにより、すなわち、非透明の別の記録媒体を重ね合わせることにより、後から書き込み記入できる非透明部分の範囲を多く有する写真調画像の印刷物が形成される。
【0020】
このようにして出力された画像は図5に示すように記録媒体20の透明部分20bと不透明部分20aとの間にトナー層Tが存在するような形態で出力される。即ち、図5には折り返し又は白色重ねにより得た画像の断面部の構成を示しており、記録媒体20の透明部分20bに反転画像が形成されている、すなわち、画像構成要素(反転トナー)は透明基材(透明部分20b)側に密着している。画像は折り曲げることを前提に図4(a)(b)(c)(d)の手順でミラーリングされて印刷されているので、図5のように透明部分20bを介してトナー像面を裏側から見る形になる。
図5との比較のためにここで示す図6の通常の印刷画像は凹凸のあるトナー面を直接見るため滑らかさがない。しかし、本発明の画像形成装置で作成したように、透明部分20bを介してトナー像を見ると、視線方向には凹凸のないトナー面があることから、滑らかな画像に見える。さらに、透明部分20bの表面の反射光も目で拾うため、トナー像の平面性と透明部分20bの反射光により写真調の画像に見える。
【0021】
次に、図7は中折り処理する場合の画像面割り付けを示す概略図である。中折り処理する場合に、作像面の割り付けは図7(a)に示すように、通常は中折りに対して外側に第1面P1がくるように割り付けている。しかし、本発明の実施形態では反転せずに中折りするために、図7(b)に示すように第1面P1が内側になる。すなわち、写真調プリントの記録媒体に対する画像面の割り付けは画像面が記録媒体の透明な部分側とする。
図8は一般的な電子写真後処理での中折り動作開始前の記録媒体の面を示す概略図である。図9は一般的な電子写真後処理での中折り動作の流れを示す概略図である。
第1面が外側になるように反転排紙された記録媒体20がローラ対23によって中折り処理部であるローラ対25と中折りプレート26へ搬送され(図9(a))、記録媒体20の中央部を中折りプレート26によって外から押して(図9(b))折りローラ25間を通すことで、1枚または複数枚の媒体を折り曲げることができる。中折り処理後は図7で示したような画像面の割り付けとなる。
【0022】
図10は記録媒体の透明な部分が搬送方向に対して下流にある場合の本発明による中折り処理前後の様子を示す概略図である。図11は記録媒体の透明な部分が搬送方向に対して上流にある場合の本発明による中折り処理前後の様子を示す概略図である。
本実施形態では、比較として示した図8及び図9の一般的な使い方と異なり、折りの内側に画像が形成される。搬送方向に対して下流(図10)又は上流(図11)にある画像を有する記録媒体20の透明部分20bは反転させずにローラ対23によって中折り処理部であるローラ対25と中折りプレート26へ搬送される。次いで、記録媒体20の中央部を中折りプレート26によって外から押して折りローラ25間を通すことで、1枚の記録媒体を折り曲げることができる。
記録媒体20の画像を有する面が透明部分20bであることにより、記録媒体の裏面から見ると光沢が均一な写真調の画像となる。また画像面に直接触れない構成となることで保存性が良好である。さらに対向面が不透明白色であるので、画像の色彩が鮮明となり、より好ましい画像を得ることができる。
【0023】
非透明白色の、画像対向面に形成されている感熱性粘着剤層について以下に述べる。感熱性粘着剤は、固体可塑剤と熱可塑性樹脂エマルジョンを必須成分とし、これらに粘着付与剤等を混合したもので、これらの混合物を支持体上に塗工することにより感熱性粘着材料が得られる。
感熱性粘着材料の粘着剤層表面は、常温では全く粘着性を示さないが、加熱することにより粘着性が発現し、熱源を取り去った後でも暫くの間、粘着性を維持するものであり(貼り付いた状態では半永久的に接着状態を維持)、加熱により、まず固体可塑剤が融解し、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を溶解することにより粘着性が発現すると考えられている。
このタイプの感熱性粘着材料は、前記の一般的な粘着材料のように剥離紙を使用しないため、省資源、環境問題の点から有利である。さらに、感熱性粘着材料は被着体に当接させてから感熱性粘着材料を加熱すれば接着できるため、貼付ミスを防止できる。
【0024】
固体可塑剤に用いられる化合物として、とくにベンゾエート基、ベンゾフェノン基、フェニレンジアミン基、ベンゾチアゾール基を有する化合物を少なくとも1種以上用いることで低温粘着力がいっそう促進されることを見出した。
具体例としては、ベンゾエート基を有する化合物では化合物1、ベンゾフェノン基を有する化合物では化合物2、化合物3、化合物4、フェニレンジアミン基を有する化合物では化合物5、化合物6、ベンゾチアゾ−ル基を有する化合物では化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11などが挙げられるが、必ずしもこの限りではない。
とくに、ベンゾエート基を有する化合物1、ベンゾフェノン基を有する化合物2、フェニレンジアミン基を有する化合物5、ベンゾチアゾ−ル基を有する化合物7は中でも熱可塑性樹脂や粘着付与剤との相溶性が高いため、低温環境下において高粘着性を示す。
【0025】
感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂エマルジョンを以下に列挙するが必ずしもこの限りではない。熱可塑性樹脂エマルジョンの種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。
感熱性粘着剤層の熱可塑性樹脂エマルジョンとして、アクリル酸エステル共重合体を用いると高粘着化を図ることができ、その中でも、2−エチルヘキシルアクリレートが粘着力を高める樹脂であることが見出された。
【0026】
感熱性粘着剤層には、粘着力を向上するために、粘着付与剤を添加することができる。粘着付与剤の具体例としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いられる。これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂1.0部に対し2.0部以下、好ましくは0.2〜1.5部の範囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加部数が2.0部を越えるとブロッキングを生じ易くなる。
感熱性粘着剤層中にブロッキング防止剤を添加することで、高温環境におけるブロッキングがいっそう向上する。ブロッキング防止剤として、ワックス、無機フィラーなどが挙げられ、以下に列挙するがこの限りではない。
【0027】
ワックスとしては、例えば、動植物性ワックス、合成ワックスなどのワックス類や高級脂肪酸、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド以外の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳香族アミンのアセチル化物、パラフィンワックス、木ろう、カルナウバろう、シェラック、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等が、高級脂肪酸アミドとしては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が、高級脂肪酸アニリドとしては、例えば、ステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が、芳香族アミンのアセチル化物としては、例えば、アセトトルイジド等が、各々例示される。
【0028】
また、ワックス以外の熱溶融性素材を補足すると、一般に感熱記録材料で用いられるロイコ染料、顕色剤等を挙げることができる。これらワックス含めた熱溶融性素材は粘着力に極力影響を与えないために極力高融点のものが望ましい。
無機フィラーとして、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、及び天然シリカ、ゼオライト、カリオン、焼成カリオン等の粘土類を含む無機系顔料が挙げられる。これら無機フィラーは粘着力に極力影響を与えないために極力低吸油量を持つものが望ましい。
これらブロッキング防止剤は、熱可塑性樹脂1.0部に対し1.5部以下、好ましくは、0.6〜1.0部の範囲で混合して用いられる。ブロッキング防止剤の添加部数が1.5部を超えると粘着力が低下し易くなる。
【0029】
感熱性粘着剤層には、感熱性粘着剤層と支持体との接着又は感熱性粘着剤層内の凝集力を高める目的で、水性高分子バインダ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を添加することができる。
上記水性高分子バインダの混合比率は、感熱性粘着シートの本来の粘着力を損なわない範囲で添加され、具体的には、感熱性粘着剤層の全固形分に対し30重量%以下、より好ましくは、10重量%以下の範囲で用いられる。本発明に係わる感熱性粘着剤層には上記成分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、顕色剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤を添加することができる。
感熱粘着剤層の固体可塑剤と熱可塑性樹脂の融点は、トナーの融点よりも低くなっており、前記の加熱をそれらの融点の間の温度で行えば、トナーが解けて画像が乱れることなく接着できる。
【0030】
これまで示してきたように、本発明を実施することにより、図5に記載したように、凹凸のない印刷面を記録媒体の透明な部分を介して見ることができる画像を得ることができる。
このため、従来複雑な構成もしくは複雑な手順を必要としてきた保存性が良好な写真調画像を、記録媒体の不透明な部分と透明な部分を画像形成装置に供給するだけで簡単に得ることができる。また、本実施の形態によれば後処理装置での中折り機能を用いることが可能となるため、写真調の画像を自動的に得ることができる。
【0031】
次に、本発明の他の実施形態に係るシート材貼着装置を備えた画像形成装置について図12乃至21に基づいて説明する。
本実施の形態にかかるシート材貼着装置Gは、図12に示すように、電子写真方式の画像形成装置(フルカラー対応)Aに後付けされるものを例示している。
画像形成装置Aは図1に示したものと同様の構成を有しているため各構成要素についての重複した説明は省略する。
シート材貼着装置Gは、図12及び図13に示すように、筐体101と、搬送部102と、繰出部103と、圧着ローラ対104(圧着部)とを備えて構成されている。なお、貼着手段は、その搬送部102と繰出部103とで構成され、可変手段は、繰出部103の一構成部材である分離板134(後述する)を備えて構成される。
【0032】
筐体101は、シート材貼着装置Gの外観形状を形成させるもので、内部に以下の各機能部が内装可能な箱状に形成されると共に、その筐体101上部の一側面に、外部装置接続用排紙部122と連通可能な記録紙受入口101aと、電気的な接続部及び機械的な接続部(共に図示せず)とが設けられており、画像形成装置Aに着脱可能に接続されるようになっている。
搬送部102は、記録紙受入口101a近傍に回動可能に設けられた第1ローラ対121と、第1ローラ対121より左下方に回動可能に設けられた第2ローラ対122と、第2ローラ対122よりやや左方となるように第2ローラ対122の下方に回動可能に設けられた第3ローラ対123と、図示しないガイド壁とを備え、外部装置接続用排紙部122から記録紙受入口101aに向かって略水平方向に排紙された透明シートS1(鏡像画像P記録済み)を屈曲させて下方へ向かって搬送させるように構成されている。また、この搬送部102は、画像形成装置Aの制御部からの制御指令に基づいて、夫々のローラ対121…の回動が制御可能になっている。
【0033】
繰出部103は、第1ローラ対121の配設位置から略真下で第2ローラ対122の配設位置から右横となる所要の位置に回動の制御が可能な巻取軸131と、その巻取軸131の配設位置から略真下で後述する圧着ローラ対104より上位となる所要の位置に回動可能に設けられた原反支持軸132と、その原反支持軸132と巻取軸131との間でその左方の所要の位置に回動可能に設けられたアイドル軸133と、長手方向一方の側縁部から対向する側縁部に向かって漸次幅狭となる帯板状に形成されると共にその幅狭の側縁部が第2ローラ対122と第3ローラ対123とを結ぶシート搬送路に向かって所要の角度で向くように斜設された分離板134とを備えて構成されている。
また、この分離板134は、図13及び図14に示すように、剥離紙S3のスムーズな折り返しが可能、且つ、剥離紙S3から不透明シートS2の曲率分離が可能なように、幅狭の側縁部の先端が丸みを帯びるように形成されている。一方、対向する他方の側縁部は、ロータリーソレノイド135の回動軸135aが挿嵌されており、図16に示すように、その回動軸135aの回動によって、分離板134が所要の角度揺動可能になっている。
【0034】
なお、このロータリーソレノイド135は、所謂ON/OFFタイプでも良いものであるが、揺動速度や揺動角度の制御が容易なパルス駆動のラッチングタイプ(自己保持型)が好ましい。
また、本実施の形態では、ロータリーソレノイド135を用いた分離板134の揺動を例示しているが、このものに限定されず、例えば、上記した他方の側縁部を機枠等の固定部に枢支し、分離板134と機枠等の固定部とをリニアソレノイドを介して接続して、リニアソレノイドの伸縮で分離板134を揺動するように構成しても良い。
また、図17に示すように、上記した他方の側縁部を機枠等の固定部に枢支し、その側縁部から延設したアーム134aに外観が球体の両端を切欠したような所要幅の略球形のナット136を遊嵌し、そのナット136にモーター137で駆動するネジ棒138を螺合して、ネジ棒138の回動によって分離板34を揺動するように構成しても良い。なお、この場合、ナット136がネジ棒138の回動で共廻りしないように、ナット136は廻り止めされ、また、モーター137の基部は、機枠等の固定部に揺動可能に支持される。このように、分離板134の揺動させる駆動手段は、特に限定されない。
【0035】
また、繰出部103は、帯板状の剥離紙S3に所要長さの白色の不透明シートS2が連なるように複数貼着され、その不透明シートS2が内側となるように巻回されてなる原反を用いる。なお、不透明シートS2の片面には、透明シートS1を貼着させる粘着層S2aが形成されており、その不透明シートS2の片面に形成された粘着層S2aと、剥離紙S3に形成された剥離層とが貼り合わされている。
その原反のセット状態を説明すると、図13に示すように、反時計方向の回動でシート(剥離紙S3と不透明シートS2とで構成)が繰り出されるように原反が原反支持軸132にセットされ、引き出されたシートのうち剥離紙S3のみが分離板134で折り返され、さらに、その折り返された剥離紙S3はアイドル軸133に掛架され、反時計方向の回動で剥離紙S3が巻かれるように巻取軸31にセットされている。
【0036】
このように原反がセットされた繰出部103は、画像形成装置Aの制御部からの制御指令に基づいて巻取軸131が回動し、原反支持軸132にセットした原反からシートが繰り出し、分離板134によってシートが折り返すと同時に、剥離紙S3から不透明シートS2が剥離して、搬送部102で搬送中の透明シートS1に貼着可能に、その透明シートS1の搬送方向に向かって斜めに繰り出すようになっている。本実施の形態では、搬送部102と繰出部103とで、透明シートS1と不透明シートS2とが斜交可能に搬送するように構成される。一方、不透明シートS2が剥離した剥離紙S3は巻取軸131が巻き取って回収するようになっている。
【0037】
なお、分離板134は、接触前の不透明シートS2と透明シートS1とのなす角度が、不透明シートS2と透明シートS1との接触時、衝撃を抑えた確実な貼着が可能な角度となるような初期位置(角度)になっており、その後、所定のタイミングでもって可変される。
圧着ローラ対104は、第2ローラ対122と第3ローラ対123とを結ぶシート搬送路中で、透明シートS1と不透明シートS2とが交わる位置より僅かに搬送方向下流となる所要の位置に回動可能に設けられた一対のローラからなり、貼り合わされた透明シートS1と不透明シートS2とを向かい入れ更に押圧させて、強固に貼着させるようになっている。
【0038】
以上のように構成された実施の形態1にかかるシート材貼着装置Gは、画像形成装置Aに着脱可能に接続して、以下の一連の動作をする。
まず、画像形成装置Aの操作パネル等を用いて、シート材貼着装置Gを用いた出力モードを選択して透明シートS1への鏡像画像Pの形成を開始する。このとき、画像形成の元となる画像は、当該画像形成装置Aの頂部に設けられたスキャナ装置からの取り込み画像や、パーソナルコンピュータやデジタルカメラ等の電子機器から送信された電子画像からなる。なお、画像形成装置Aへの透明シートS1の供給手段は、装置内に設けられた用紙トレイからの供給や、所謂手挿しによる供給等、特に限定されない。
そして、周知の電子写真プロセスでもって、小粒径重合トナーで形成したトナー像(鏡像)を透明シートS1に転写し、定着し、外部装置接続用排紙部122から排紙する。このとき、画像形成装置A内の定着ユニット7を通過して外部装置接続用排紙部122へ向かう透明シートS1は、鏡像画像Pを記録した画像面が下向きになっており、その下向きの透明シートS1は、外部装置接続用排紙部122を通過し記録紙受入口101aからシート材貼着装置G内に入っていく。
【0039】
透明シートS1を受け入れた搬送部102は、透明シートS1を下方に向かって搬送する。このとき、画像形成装置Aの制御部からの制御指令に基づいて、所定のタイミングでもって巻取軸131が回動し、原反支持軸132にセットした原反からシートが繰り出し、分離板134によって剥離紙S3から不透明シートS2が剥離し、搬送中の透明シートS1に重畳するように斜めに繰り出す。なお、透明シートS1の搬送速度と不透明シートS2の搬送速度は同じである。
搬送を開始した不透明シートS2は、図13及び図14に示すように、搬送部102と繰出部103とのレイアウトと分離板134の初期位置で決定される所要の貼着角度θ0でもって、透明シートS1の先端と接触して貼りつく。このようにして、透明シートS1と不透明シートS2とが最初に交わる際の衝撃を抑えて確実な貼着開始を確保する。
【0040】
貼着開始直後、または、貼着開始から所定長さに亘って貼着した後に、制御部からの制御信号によってロータリーソレノイド135が作動して、図15及び図16に示すように、分離板134が反時計方向に揺動してシート(剥離紙S3と不透明シートS2)を押し広げ、その角度に基づいた角度で不透明シートS2が繰り出し、貼着角度θ1でもって、透明シートS1と不透明シートS2とが貼着する。このようにして、初期の貼着角度θ0より大きい貼着角度θ1にすることで、気泡の入り込みを抑止する。
また、貼着角度θ0から貼着角度θ1へ可変するタイミングとして、貼着したシート先端が圧着ローラ対に到達した時点としても良い。この場合も含めて、可変タイミングの取り方は、タイムカウント等による時間的な制御によるタイミング取りや、センサーを用いて、透明シートS1の先端と不透明シートS2の先端との衝合状態や、貼着したシート先端が圧着ローラ対に到達したか否か等を検出し、その検出結果によるタイミング取り等、特に限定されない。
【0041】
このようにして、透明シートS1の後端と不透明シートS2の後端とが重畳するまでこの両者は貼りつく。この間、両者の貼り合せ後、即座に圧着ローラ対104が両者を強固に貼着していく。
そして、透明シートS1の後端と不透明シートS2の後端とが第3ローラ対123を通過して、この両者の貼着が完了すると、分離板134は初期位置に戻り、巻取軸131の回動が停止し、筐体101内下部に設けた胴内排紙部に画像記録シートとして排紙する。排紙が完了すると、搬送部102の搬送動作が停止して、次の貼着動作の開始まで待機する。以上をもって、実施の形態1にかかるシート材貼着装置Gの一連の動作が完了する。
なお、貼着角度θ0から貼着角度θ1に可変する際の速度は、シート(剥離紙と不透明シートS2)の繰り出しがスムーズに行われる所要の速度であるが、上記の貼着角度θ0から貼着角度θ1に至るまで、徐々に可変するような速度にし、貼着終了時または間際で貼着角度θ1となるような速度としても良い。
【0042】
この気泡の入り込みと貼着角度との関係は、例えば10〜45度程度の貼着角度の場合、両者の接触時、衝撃を抑えた貼着が確保できるが、その反面、図18に示すように、粘着層S2a表面の凹凸やシートの僅かな揺れなどの原因で気泡Cを取り込みやすい。僅かにでも微細な気泡を取り込んでしまうと、図19に示すように、その気泡Cの部分が乱反射してしまい、画像記録シートとしては甚だ不都合なものになる。
その逆に、例えば30度を越えて90度以内までの貼着角度の場合、衝撃を抑えた貼着は極めて難しくなる反面、既に貼着されていれば、気泡Cの取り込みが極めて減少することが知見されている。本実施の形態では、分離板134の動作により、貼着角度θ0から貼着角度θ1に可変するため、気泡が発生することなく確実に貼着できる。
そして、透明シートS1の後端と不透明シートS2の後端とが第3ローラ対123を通過して、この両者の貼着が完了すると、筐体101内下部に設けた胴内排紙部に画像記録シートとして排紙し、搬送部102の搬送動作が停止して、次の貼着動作の開始まで待機する。以上をもって、本実施の形態にかかるシート材貼着装置Gの一連の動作が完了する。
【0043】
このように本実施の形態にかかるシート材貼着装置Gは、分離板134の作動によって、鏡像画像Pを形成した透明シートS1と不透明シートS2との貼着角度を貼着角度θ0から貼着角度θ1へ大きくして、鏡像画像Pを挟み込むように透明シートS1と不透明シートS2とを貼り合わせる。このようして、図20に示すように、外観視、正像となった写真調の画像記録シートを得る。特に、トナー像を小粒径重合トナーで形成したことで、トナー画像の部位による高さ段差を低減し、透明シートS1と不透明シートS2との間の気泡を発生しにくくし、且つ、画像自体の質感を高め、より高画質を得ることができる。
なお、本実施の形態で例示した透明シートS1は、図21(a)に示すように、そのシート全領域が透明になっているが、図21(b)〜(d)に示すように、部分的に不透明(例えば白色)とした透明シートでも良い。なお、図21中、平行斜線で示されている領域が不透明部分であり、その他の部分が透明の領域である。
【0044】
以上、本実施の形態にかかるシート材貼着装置Gを説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
例えば、本実施の形態では、貼着角度を可変するにあたり、分離板134を作動させたが、このものに限定されず、第1シート材または第2シート材を屈曲可能に押圧させて移送方向を可変させる制御動可能なガイド板でも良い。この場合の具体的な構造としては、上記した分離板134と同じ構造がシンプルであることから好ましい。
さらに、このガイド板や分離板134による貼着角度の可変手段に替えて、移送部や繰出部の配設位置をずらして可変させても良い。この場合、これら移送部や繰出部をユニット化し、そのユニット自体を作動するように構成することが好ましい。
【0045】
また、本実施の形態では、透明シートS1に鏡像画像Pを形成させて、例えば白色の不透明シートS2と、その透明シートS1とを貼着させたものを例示したが、不透明シートS2に画像Pを形成させて、その不透明シートS2と透明シートS1とを貼着させても良い。
本実施の形態では、画像形成装置Aと連係させるシート材貼着装置Gを例示したが、本発明は、これらの画像記録シートを出力するものに限らず、シート同士を貼着するものであれば適用可能である。
また、本実施の形態では、シート材貼着装置Gを例示したが、第1シート材と第2シート材とのいずれか一方、または、双方のシート材の搬送方向を変えて、貼着角度を可変して貼着するとした、シート材貼着方法でも良い。この場合においても、上記の実施の形態で例示した貼着角度θ0、θ1、可変タイミングが好適である。
加えて、第1シート材と第2シート材とで画像Pを挟み込むように貼着して画像記録シートを得る方法でも良い。なお、この画像記録シートを得る方法の場合、上記の実施の形態で例示したように、小粒径重合トナーを用いて透明シートS1に鏡像画像Pを形成し、例えば白色の不透明シートS2とその透明シートS1とを貼着することが好ましいものである。
【0046】
本発明によれば、第1シート材と第2シート材とを斜交可能に搬送して、その斜交する位置で第1シート材と第2シート材とが交わって貼着可能にすると共に、シート材の搬送方向を可変させて貼着角度を可変させる(例えば、貼着時に貼着角度を適宜大きくさせる)ことで、貼着開始時の貼着角度と、貼着中の貼着角度とを最適化して、第1シート材と第2シート材とが交わる際の衝撃を抑えつつ気泡の入り込みを抑止可能に貼着できる。
特に、電子写真方式の画像形成装置によって形成した画像(小粒径重合トナーを用いて形成することが極めて好適)を、透明シートと、白色紙等の不透明シートとで挟み込むように貼着した画像記録シートの場合、気泡の入り込みのない、写真画質に迫る極めて高画質を得ることができる。
【0047】
次に、図22は写真調画像以外の画像形成時における排紙コロ対の状態を示す斜視図であり、図23は図22の排紙コロ対の正面図である。図24は写真調画質の画像形成時に排紙コロ対間隔が拡大した状態を示す斜視図であり、図25は図24の排紙コロ対の正面図である。
画像形成を受けた用紙を後処理装置F、又はGに排出する排紙コロ対(排紙部材対)21は、複数の腰付けコロ(排紙部材)21aと複数の排紙コロ(排紙部材)21bとを有している。各腰付けコロ21aは、軸21Aによって軸心を支持された状態で所定の間隔で配置されている。各排紙コロ21bは、軸21Bによって軸心を支持された状態で所定の間隔で配置されている。各腰付けコロ21aは、外周にギヤ状の凹凸部を有し且つ大径の凹凸コロ部(キャプスタンローラ部)21a−1と、凹凸部を有しない小径の平坦コロ部21a−2とから成る。各排紙コロ21bは、凹凸を有しない平坦な構成を有しており、腰付けコロ21aの平坦コロ部21a−2と対応する位置関係に配置されている。
各コロ21a、21bの表層を構成する材質としては、POM(ポリアセタール)等の樹脂や、ゴムを使用することができる。
【0048】
図22及び図23に示すように、写真調画質以外の画像を形成した腰の弱い普通紙等を排紙する場合には、腰付けコロ21aを排紙コロ21bに接触、或いは近接させることにより、普通紙を各コロ間で十分に加圧させて普通紙等に十分な波打ち形状の変形を付与することにより、垂れ下がりのない安定した軌跡にて排紙されるように構成する。一方、このように両コロ間の距離を近接させた状態で、写真調画質の画像を形成した用紙を排紙すると、腰付けコロ21aの圧力を解除してないので、記録媒体20にダメージを与える。特に、凹凸コロ部(凹凸部)21a−1は画像面に擦った後を残すために写真画質(質感)を著しく劣化させる原因となる。OHP用紙に写真調画像を形成した場合には、定着直後の余熱によって軟化して損傷し易くなっているために、画像面のみならず非画像面にも腰付けコロ部の凹凸部の擦った傷痕が残りやすくなる。
そこで本発明では、図24及び図25に示すように、写真調画質の画像形成の場合には、何れか一方のコロを他方のコロから所定距離離間させることによって排紙コロ対21の腰付けコロ21aから記録媒体20に対する圧力を解除(低減)して、記録媒体20にダメージを与えないようにする。
【0049】
圧力解除、すなわち、排紙コロ21bと腰付けコロ21aの間隔を広げる機構(圧力軽減機構、排紙コロ対間隔拡開機構)は、図24に略示するように、何れか一方のコロ、この例では、腰付けコロ対21aを支えている軸21Aをソレノイド27等により進退移動させることにより、排紙コロ21bに腰付けコロ21aを接離させるように構成する。即ち、何れか一方の排紙コロ21を構成する何れか一方のコロ21a、21bを他方のコロに対して接離自在に構成することによりコロ間距離を調整自在にして、記録媒体に対する加圧力を調整可能としている。
少なくとも1部分が透明である記録媒体20上に元画像を反転させた画像を形成した場合に、定着直後の排紙コロ21による記録媒体20への圧力を軽減することにより、透明部分20bを有する記録媒体20上に凹凸のコロ痕が付かない。
このことにより、透明部分20b上に、非透明部分20a、もしくは非透明の別の記録媒体を重ね合わせて得られる写真調画質の表面性の質感を向上することができる。また、単に、排紙コロ圧を軽減するだけではなく、薄紙対応用の腰付けコロ21aを解除することにより、画像の表面性の質感向上のみならず、波うちを防止することができる。
【0050】
上述のように定着ユニットから排出されてきた時のOHP用紙は熱によって柔らかくなっておりコロ跡が付きやすい状態にあるため、記録媒体の透明部分20bの非画像形成面側にもコロ跡が付き易く、このコロ跡は写真画像の画質を著しく低下させる原因となる。
一方、OHP用紙(厚さ0.2mm程度)は元々腰があるため、普通紙用の腰付け手段(排紙コロ)は不要である。
本実施形態のように排紙コロ対21としては、一方を外周に凹凸コロ部21a−1を有したキャプスタンローラから成る腰付けコロ21aとし、他方を非凹凸状の排紙コロ21bとするのが好ましい。特にキャプスタンローラから成る腰付けコロ21aを下側に配置し、非凹凸状の排紙コロ21bを上側に配置することによって、記録媒体の後端部を腰付けコロ21aの凹凸部21a−1によって確実に押し出す(蹴り出す)排紙効果を期待することができる。また、下側に配置した腰付けコロ21aを駆動側とし、上側に配置した非凹凸状の排紙コロ21bを従動側とすることにより、記録媒体20に対する加圧力を必要最小限とした搬送が実現でき、記録媒体への傷痕形成を防止できる。
【0051】
図26は本出願人による実験結果を示しており、凹凸部を有した腰付けコロと排紙コロの上下位置関係を変更した場合と、両コロ間の離間距離を変更した場合と、更に駆動するコロを変更した場合の搬送性の良否を対比して示した図表である。
図26(1)は、腰付けコロ21aを上側に配置した場合に、下側の排紙コロ21bとの間に通紙される記録媒体20がほぼ直線状(非波打ち状)となるように両コロ21a、21b(排紙コロ21aの外周部と平坦コロ部21a−2の外周部)間の離間距離を広く設定している。上側の腰付けコロ21aを駆動側とした場合には、記録媒体20が少しでも撓みを起こすと、腰付けコロ21aが空回りし易く、搬送が極めて困難となる(×印)。一方、下側に位置する搬送コロ21bを駆動側とした場合には、腰付けコロを駆動側とした場合よりは搬送性はよいが安定しない(△印)。
【0052】
次に、同図(2)では、腰付けコロ21aを上側に配置し、且つ記録媒体20に波打ち状の腰付けが行われるように両コロ間の離間距離を近接させている。このため、排紙コロ21bの外周部が凹凸コロ部21a−1の外周部よりも上方に入り込り込んでいる。この場合、上側の腰付けコロ21aを駆動側とした場合には、搬送不可ではないが搬送良好とは言えない状態となる(△印)。一方、下側に位置する搬送コロ21bを駆動側とした場合には、搬送性は良好となる(○印)。
同図(3)では、腰付けコロ21aを下側に配置し、且つ記録媒体20がほぼ直線状(非波打ち状)となるように両コロ21a、21b間の離間距離を広く設定している。上側の排紙コロ21bを駆動側とした場合には、記録媒体20が少しでも撓みを起こすと、排紙コロ21bが空回りし易く搬送が極めて困難となる(×印)。一方、下側に位置する腰付け21aを駆動側とした場合には、排紙コロ21bを駆動側とした場合よりも搬送性はよいが安定しない(△印)。
同図(4)では、排紙コロ21bを上側に配置し、且つ記録媒体20に波打ち状の腰付けが行われるように両コロ21a、21b間の離間距離を近接させている。上側の排紙コロ21bを駆動側とした場合には、搬送不可ではないが搬送良好とは言えない状態となる(△印)。一方、下側に位置する腰付けコロ21aを駆動側とした場合には、搬送性は良好となる(○印)。
【0053】
図26(1)(2)のように、上側の腰付けコロ21aを凹凸コロ部21a−1を有したキャプスタンローラとし、下側の排紙コロ21bを非凹凸状のコロとした場合、何れのコロ21a、21bを駆動側とするかによって両排紙コロ間の最適な位置関係(離間距離、記録媒体に対する圧力)が異なってくる。
即ち、上側の腰付けコロ21aを駆動側とした場合にOHP用紙を良好に排紙するためには、記録媒体に対する給紙圧(P1)が十分に強くなるようにコロ間の間隔を狭く設定しない限り、搬送性(排紙性)を確保することができない。
一方、上側の腰付けコロ21aを従動側とした場合には、上記給紙圧(P1)よりも弱い給紙圧(P2)となるようにコロ間距離を少し離間させることによってOHP用紙をある程度は搬送できるようになるが、安定しない状態となる。
【0054】
次に、図26(3)(4)のように上側を排紙コロ21bとし、下側を腰付けコロ21aとした場合も、何れのコロ21a、21bを駆動側とするかによって両コロ21a、21b間の最適な位置関係(離間距離、記録媒体に対する圧力)が異なってくる。
即ち、下側の腰付けコロ21aを駆動ローラとした場合にOHP用紙を良好に排紙するためには、両コロ21a、21b間の距離を最大の離間距離とすることによって給紙圧(P3)を最小とすることができる。この場合には、記録媒体後端部(重力により下方へ撓む)を下側に位置する腰付けコロ21aの凹凸部によって係止して排紙方向へ確実に押し出す効果を期待できるため、両排紙コロ間の距離を最大限に離間させることが可能となる。従って、コロ間距離を適正に設定することによって、記録媒体表面に形成されるコロ跡を最少限に抑えることができる。
【0055】
一方、上側の排紙コロ21bを駆動側とし、下側の排紙コロ21aを従動側とする場合には、両コロ21a、21b間の距離を、下側を駆動する場合よりも近接させて給紙圧(P4)を最大とする必要がある。この場合は、給紙圧(P4)を最大としない限り安定した排紙を実現することが難しくなる。この場合には、停止している凹凸部上に記録媒体面を押し付けて擦りつけることとなるので、記録媒体表面にコロ跡が最も強く形成され易くなる。
従って、図26の各場合における給紙圧は、P4>P1>P2>P3 という関係になる。
【0056】
次に、図26の実験結果から判明した他の事項は以下の如くである。
(a)凹凸コロ部の有無と関係なく下側に配置するコロを駆動側とした方が搬送性が高まる。
(b)下側に凹凸コロ部を有した腰付けコロ21aを配置した場合には、重力によって下方に撓んだ記録媒体の後端縁を凹凸コロ部によって蹴り出す排紙効果を期待できるため、搬送性が高まる。
(c)凹凸コロ部の有無と関係なく上側に配置したコロを駆動側にすると、上側のコロの周面が記録媒体面を摺擦する結果として記録媒体面に擦った跡が付き易くなる。つまり、上側のコロを駆動すると記録媒体面を擦って跡を付け易くなるが、下側に配置したコロを駆動しても記録媒体面を強く摺擦して擦った後を付けることがない。凹凸コロ部の有無と関係なく下側のコロを駆動することが記録媒体へのダメージ防止という観点からは好ましい。
【0057】
次に、搬送性を確保するための上記の配慮とは別に、少なくとも一部に透明部分(OHP部分)20bを有した記録媒体20の面に対するコロからのダメージを緩和、或いは解消するための対策について以下に説明する。
定着ユニット7から排出された直後の記録媒体20の透明部分20bの一方の面には画像が形成されており、画像形成装置から排出された後で、中折り装置F、或いはシート材貼着装置Gによって、透明部分20bの画像形成面には非透明部分20a、或いは不透明シートS2が貼着される。このため、透明部分20bの画像部分がコロによって浅く削られる程度のコロ跡であれば、表面側から視認することできないことも多々ある。
一方、透明部分20bの表面側(非画像形成面)は定着熱によって損傷し易い状態となっているため、コロ跡(特に腰付けコロの凹凸部跡)が形成され易い。
上述のように搬送性を高めるためには両コロ間の距離を近接させて記録媒体に対する給紙圧を高める必要があるが、給紙圧を高めることにより記録媒体面にコロ跡が形成され易くなる。従って、透明部分20bに形成された画像や表面側(非画像面)を傷つけない程度の給紙圧に設定することが好ましい。具体的には、十分な搬送性を確保できる必要最小限の給紙圧よりも若干弱い給紙圧とすることにより、記録媒体面への損傷を防止できる。
【0058】
次に、排紙コロ対21によって排紙する記録媒体20に対して両コロによる給紙圧を付与したり、解除するタイミングは、記録媒体20の構成(透明部分と非透明部分の面積比率、位置関係)によって異なってくる。即ち、まず、オペレータによって使用する用紙としてOHP用紙が選定、入力された時点で排紙コロ対21の給紙圧を高く設定すると、画像形成スタート直前に中止された場合に給紙圧を普通紙用に戻す必要がでてくるので、画像形成動作が開始した時点で給紙圧を高く設定する。
記録媒体20の全面がOHP用紙から成る透明部分から構成されている場合には、制御部は、一連のジョブに係る全記録媒体の排紙が完了した時点で給紙圧を普通紙用に戻す。排紙完了したか否かは、排紙専用フィラー、フォトセンサ等で検知してもよいし、定着ユニットの排出口近傍に設けた他の通紙センサによる検知タイミングに基づいて排紙完了を判定し、次のジョブがなければ給紙圧を元に戻す。
【0059】
非透明部分20aを有した記録媒体20の透明部分20bに写真調画像を形成する場合には、全面がOHP用紙である場合と同様のタイミングで加圧、圧解除を行ってもよいし、或いは透明部分20bの先端部分が排紙コロ対21のニップ部(コロ間の対向部)に進入するタイミングで給紙圧を付与し、透明部分が離脱するタイミングで給紙圧を解除するようにしてもよい。
このように透明部分が進入する直前に排紙コロ対による圧力を低減させるか、或いはコロ間距離を拡大する一方で、非透明部分(非写真帳画像部分)がニップ部に進入するタイミングで加圧力を低減させるか、或いはコロ間距離を近接させることによって搬送性の低下を防止する。
或いは、図27(a)に示したように排紙コロ対21を構成する各排紙コロ(排紙部材)21cを非凹凸状のローラとしてもよい。
なお、排紙部材対21としては、一方をコロ(ローラ)21cとし、他方を固定した突起状の排紙部材(固定ガイド)21dとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明を適用した電子写真式の画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明による画像形成装置に使用する記録媒体を示す概略図である。
【図3】図1に示した中折り装置における処理の詳細を説明する概略斜視図である。
【図4】本実施の形態で作成される写真調画像の流れを示す概略図である。
【図5】折り返し又は白色重ね時の本実施の形態で作成された画像の断面部の構成を示す概略断面図である。
【図6】本発明による印刷画像と比較のための通常の印刷画像を示す概略断面図である。
【図7】中折り処理する場合の画像面割り付け手順を示す概略図である。
【図8】一般的な電子写真後処理での中折り動作開始前の記録媒体の面を示す概略図である。
【図9】一般的な電子写真後処理での中折り動作の流れを示す概略図である。
【図10】記録媒体の透明な部分が搬送方向に対して下流にある場合の本発明による中折り処理前後の様子を示す概略図である。
【図11】記録媒体の透明な部分が搬送方向に対して上流にある場合の本発明による中折り処理前後の様子を示す概略図である。
【図12】本実施の形態にかかるシート材貼着装置に画像形成装置を接続させた状態の概略図である。
【図13】本実施の形態にかかるシート材貼着装置の、分離板の動作前の概略図である。
【図14】図13における分離板廻りの拡大図である。
【図15】本実施の形態にかかるシート材貼着装置の、分離板の動作後の概略図である。
【図16】図15における分離板廻りの拡大図である。
【図17】分離板廻りの他の例を示した一概切欠した側面図である。
【図18】透明シートと不透明シートとの間に気泡が取り込まれる状態を示した縦断面図である。
【図19】透明シートと不透明シートとの間に気泡が取り込まれた状態の縦断面図である。
【図20】透明シートと不透明シートとが貼着した状態の縦断面図である。
【図21】透明シートのバリエーション例を示した平面図である。
【図22】写真調画像以外の画像形成時の排紙コロ対間を広げて、腰付けコロ解除前後を示す斜視図である。
【図23】図22の排紙コロ対の正面図である。
【図24】写真調画質の画像形成時に排紙コロ対間隔を広げて、腰付けコロを解除する状態を示す斜視図である。
【図25】図24の排紙コロ対の正面図である。
【図26】凹凸部を有した腰付けコロと排紙コロの上下位置関係を変更した場合と、両コロ間の離間距離を変更した場合と、更に駆動するコロを変更した場合の搬送性の良否を対比して示した図である。
【図27】本発明の他の実施形態に係る搬送部材対の構成説明図である。
【符号の説明】
【0061】
A 画像形成装置
F 中折り装置
G シート材貼着装置
1Y 画像形成部(画像形成ユニット)
4a 給紙部(給紙カセット)
7 定着ユニット
20 記録媒体
20a 非透明部分
20b 透明部分
21 排紙コロ対
21a 腰付けコロ(排紙コロ対)
21b 排紙コロ(排紙コロ対)
27 圧力軽減機構(排紙コロ対間隔拡開機構、ソレノイド)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に透明部分を有した記録媒体を給送する給紙部と、該給紙部から搬送されてきた前記記録媒体の前記透明部分に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部から搬送されてきた前記記録媒体を排紙する排紙部材対と、制御部と、を備えた画像形成装置であって、
前記排紙部材対を構成する2つの排紙部材の外周端面は軸方向位置をずらして配置され、且つ該排紙部材のうちの少なくとも一方は他方に対して進退自在に構成されており、
前記制御部は、前記記録媒体の透明部分に元画像を反転させた画像が転写された場合に、前記各排紙部材を前記記録媒体への圧力を軽減する方向に作動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
少なくとも一部に透明部分を有した記録媒体を給送する給紙部と、該給紙部から搬送されてきた前記記録媒体の前記透明部分に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部から搬送されてきた前記記録媒体を排紙する排紙部材対と、制御部と、を備えた画像形成装置であって、
前記排紙部材対を構成する2つの排紙部材の外周端面は軸方向位置をずらして配置され、且つ該排紙部材のうちの少なくとも一方は他方に対して進退自在に構成されており、
前記制御部は、前記画像形成部からの記録媒体の排出直後に、前記排紙部材の間隔を広げる方向に作動させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排紙部材対の少なくとも一方は、外周面に凹凸部を有したキャプスタンローラであり、前記キャプスタンローラを他方の排紙部材の下方に配置し、該キャプスタンローラを駆動側としたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部は、電子写真式の画像形成部、或いはインクジェット式の印字部であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−13366(P2008−13366A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56451(P2007−56451)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】