説明

画像形成装置

【課題】実際に画像の印刷が用紙に対して行われる前に用紙にカールが発生するか否かを判定することができる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】自動給紙カセット5は、印刷媒体を格納する。搬送ローラ対7a,7b,7c,7dは、印刷媒体を搬送する。制御部30は、所定条件が満たされた際に、搬送ローラ対7a,7b,7c,7dに印刷媒体をテスト搬送させる。検知部33は、テスト搬送された印刷媒体のカール状態を検知する。記憶部31は、検知部33による検知結果を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、より特定的には、電子写真法によってトナー画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、再生紙の使用比率が高まっており、画像形成装置における再生紙に対する印刷品位の重要性も高まっている。ところが、再生紙は排紙時にカールし易いので、後処理装置において整合ずれを起こしたり、トレイにおいて載置不良を引き起こしたりする。
【0003】
ところで、従来の画像形成装置では、用紙のカールの発生の判断は、ユーザにゆだねられていた。そのため、ユーザは、実際に、用紙に印刷を行うまで用紙にカールが発生しているか否かを判断することができなかった。
【0004】
なお、カール量を低減する発明としては、特許文献1に記載の印刷装置用スタッカ及び特許文献2に記載のカール補正装置が提案されている。特許文献1に記載の印刷装置用スタッカでは、カールした用紙をパドルで押し下げることにより、カール量を低減している。また、特許文献2に記載のカール補正装置では、用紙がカールする方向を検出し、ベルトにより挟持してカールを矯正している。
【特許文献1】特開平5−155516号公報
【特許文献2】特開平8−175732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、実際に画像の印刷が用紙に対して行われる前に用紙にカールが発生するか否かを判定することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、印刷媒体を格納するカセットと、前記印刷媒体を搬送する搬送手段と、所定条件が満たされた際に、前記搬送手段に前記印刷媒体をテスト搬送させる制御手段と、前記搬送手段によりテスト搬送された前記印刷媒体のカール状態を検知する検知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、制御手段は、テスト搬送により印刷媒体にカールが発生するか否かを検知することができる。そのため、画像形成装置は、印刷媒体に対して画像を印刷する前に、ユーザに対して、カールが発生しうることを通知することが可能となる。また、画像形成装置は、カールの発生を抑制する動作を、印刷媒体に対して画像を印刷する前に行うことができる。
【0008】
本発明において、前記搬送手段により形成される搬送経路上に設けられ、かつ、前記印刷媒体にトナー画像を定着する定着手段を、更に備え、前記検知手段は、前記定着手段の後段に配置されていてもよい。
【0009】
本発明によれば、定着装置を通過する際に印刷媒体にカールが発生する可能性が高いので、検知手段が定着装置の後段に配置されることにより、より確実に印刷媒体のカールの発生を検知することができるようになる。
【0010】
本発明において、前記搬送手段によりテスト搬送された前記印刷媒体を前記カセットに戻す逆搬送手段を、更に備えていてもよい。
【0011】
本発明によれば、テスト搬送された印刷媒体がカセットに戻されるので、テスト搬送に用いられた印刷媒体も画像の印刷に利用することができる。その結果、無駄に印刷媒体が消費されることが抑制される。
【0012】
本発明において、前記所定条件とは、電源が投入された場合、又は、前記カセットが開閉された場合のいずれかであってもよい。
【0013】
本発明によれば、電源が投入された場合、又は、カセットが開閉された場合のいずれかにおいてテスト搬送が実行される。これらの場合には、カセット内の印刷媒体の入れ替えが行われる可能性が高い。すなわち、これらの場合には、カセット内の印刷媒体の表裏の向きが変更される可能性が高いので、テスト搬送が行われて印刷媒体のカールの発生の有無が検知されることにより、画像形成装置は、印刷媒体に対して画像を印刷する前にカールの発生の有無をより確実に認識できる。
【0014】
本発明において、前記制御手段は、前記印刷媒体に画像を印刷する際に、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記搬送手段に前記印刷媒体を搬送させてもよい。
【0015】
本発明によれば、検知結果に基づいて搬送手段が印刷媒体を搬送するので、カールの発生を抑制した搬送が実現される。
【0016】
本発明において、前記搬送手段は、前記印刷媒体の表裏を反転させる反転手段を、含み、前記制御手段は、前記印刷媒体がカールしたことを示す前記検知結果である場合には、前記反転手段により前記印刷媒体の表裏を反転させてもよい。
【0017】
本発明によれば、検知結果が印刷媒体にカールが発生したことを示す場合には、反転手段が印刷媒体の表裏を反転させているので、印刷媒体にカールが発生することが抑制される。
【0018】
本発明において、前記検知手段による前記検知結果をユーザに通知する通知手段を、更に備えていてもよい。
【0019】
本発明によれば、通知手段が検知結果をユーザに通知するので、ユーザは、印刷媒体に画像を印刷する前に検知結果を知ることができる。そのため、ユーザは、カールが印刷媒体に発生しうる場合には、カセット内の印刷媒体の表裏を反転させてセットしなおすなどの対処を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
(画像形成装置の全体構成)
まず、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しながら説明する。図1は、該画像形成装置1の概略構成を示した図である。以下では、Y,yはイエロー、M,mはマゼンタ、C,cはシアン、K,kはブラックを示す。
【0021】
画像形成装置1は、タンデム方式で4色の画像を合成するカラープリンタである。該画像形成装置1は、画像形成ステーション2Y,2M,2C,2K、自動給紙カセット5、搬送ローラ対7a,7b,7c,7d、排紙部9、転写ベルト10、駆動ローラ11、従動ローラ12、定着装置15、排出ローラ対17、光走査装置20、逆搬送部21、反転部22、制御部30、記憶部31、タッチパネル32及び検知部33を備える。
【0022】
画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kは、転写ベルト10の直下に配置され、それぞれ、感光体ドラム3Y,3M,3C,3K、現像器4Y,4M,4C,4Kや図示しない帯電器、残留トナーのクリーナなどを含む。なお、黒色の画像を形成するための画像形成ステーション2Kは大型に構成され、使用頻度の高いモノクロ画像を高速で形成できるようにしている。
【0023】
光走査装置20は、画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kの直下に配置され、Y,M,C,Kの画像データに基づいてビームBy,Bm,Bc,Bkを各感光体ドラム3上に照射する。これにより、各感光体ドラム3の周面には、静電潜像が形成される。この静電潜像はトナーによって可視像化される。このような電子写真プロセスは周知であり、その説明は省略する。
【0024】
転写ベルト10は、駆動ローラ11及び従動ローラ12に無端状に張り渡され、矢印X方向へ回転させられる。転写ベルト10の表面には、各感光体ドラム3上に形成された各色のトナー画像が順次1次転写され、合成される。
【0025】
自動給紙カセット5は、再生紙等の印刷媒体を格納しており、1枚ずつ所定のタイミングで給紙する。搬送ローラ対7a,7b,7c,7dは、搬送経路Rを形成しており、給紙された印刷媒体を搬送する搬送手段としての役割を果たす。
【0026】
2次転写位置13及び定着装置15は、搬送経路R上に設けられている。2次転写位置13では、転写ベルト10から合成トナー画像が、印刷媒体に対して2次転写される。定着装置15は、印刷媒体にトナー画像の加熱定着を施す。排出ローラ対17は、トナー画像が定着した印刷媒体を排紙部9上に排出する。
【0027】
一方、両面プリントの際には、排出ローラ対17は、印刷媒体を画像形成装置1の外方に搬送し、スイッチバックさせる。逆搬送部21は、スイッチバックされてきた印刷媒体を2次転写位置13に戻す。2次転写位置13では、印刷媒体の裏面にトナー画像が2次転写される。排出ローラ対17は、この印刷媒体を排紙部9上に排出する。
【0028】
制御部30は、例えば、CPUにより構成され、画像形成装置1全体を制御する。記憶部31は、例えば、ハードディスクにより構成され、画像データや種々のデータを記憶する。タッチパネル32は、ユーザの入力を受付ける入力手段としての役割を果たすと共に、種々の画像を表示してユーザに情報を通知する通知手段としての役割を果たす。
【0029】
ところで、印刷媒体が再生紙であって、かつ、表裏が本来の方向とは逆の方向で自動給紙カセット5に印刷媒体がセットされている場合には、該印刷媒体は、定着装置15を通過した際にカール(丸まる)してしまう。そこで、制御部30は、テスト搬送を行って、カールの発生の有無を検知している。テスト搬送とは、画像を印刷することなく、印刷媒体を搬送ローラ対7a,7b,7c,7dにより搬送経路R上を搬送させることをいう。このテスト搬送は、例えば、電源が投入された場合、又は、自動給紙カセット5が開閉された場合等の所定条件下において実行される。これは、これらの所定条件下では、自動給紙カセット5にセットされている印刷媒体の表裏の向きが変更される可能性があるからである。
【0030】
そこで、検知部33は、定着装置15の後段に設けられ、搬送ローラ対7a,7b,7c,7dにより搬送経路Rをテスト搬送されてきた印刷媒体にカールが発生しているか否か(カール状態)を検知する検知手段としての役割を果たす。検知部33による検知結果は、記憶部31において記憶される。以下に、図2を参照しながら検知部33の構成の詳細について説明する。図2は、検知部33の構成図である。より詳細には、図2(a)は、検知部33の側面図であり、図2(b)は、検知部33を矢印αの方向から見た図である。
【0031】
図2に示すように、検知部33は、ガイド35,36、検知板37,38及びセンサ39,40を含む。ガイド35,36は、互いに略平行に配置され、金属板を折り曲げる等して作製され、印刷媒体の進行方向を規制する役割を果たす。ガイド35,36の一部は、図2(a)に示すように、外方に膨らんでいる。更に、図2(b)に示すように、ガイド35には、スリットSが形成されている。なお、図示はしないが、ガイド36にも、同様に、スリットSが形成されている。
【0032】
検知板37,38は、ガイド35,36の外方において、該ガイド35,36に対して垂直な面内において回転可能に設けられた部材である。該検知板37,38は、ガイド35,36の膨らんだ部分の内側に前記スリットSを介して挿入されている。センサ39,40は、検知板37,38の一端に設けられ、検知板37,38の状態を検知する。より詳細には、センサ39,40の受光部は、検知板37,38の一部が実線に示すようにガイド35,36の膨らんだ部分の内側にあるときには、検知板37,38に遮光されない。このとき、センサ39,40からは、ハイレベルの信号が出力される。一方、センサ39,40の受光部は、検知板37,38の一部が点線に示すようにガイド35,36の膨らんだ部分の外側にあるときには、検知板37,38に遮光される。このとき、センサ39,40からは、ローレベルの信号が出力される。
【0033】
以上のように構成された検知部33では、カールが発生した印刷媒体が通過するときには、印刷媒体が検知板37又は検知板38のいずれかに接触し、検知板37又は検知板38は、図2(a)の点線に示すように、センサ39又はセンサ40の受光部を遮光する。一方、カールが発生していない印刷媒体が通過するときには、印刷媒体が検知板37又は検知板38のいずれにも接触せず、検知板37又は検知板38は、図2(a)の実線に示すように、センサ39又はセンサ40の受光部を遮光しない。制御部30は、このときにセンサ39,40から出力される信号に基づいて、印刷媒体にカールが発生しているか否かを判定する。以上で、検知部33の構成の説明を終了する。
【0034】
排出ローラ対17は、検知部33がカールの発生の有無を検知した後、印刷媒体を画像形成装置1の外方に搬送しスイッチバックして、逆搬送部21へと搬送する。逆搬送部21は、この印刷媒体を自動給紙カセット5に戻す。これにより、テスト搬送が終了する。
【0035】
また、画像形成装置1において、画像の印刷が実行される場合には、制御部30は、記憶部31に記憶されている検知結果に基づいて、印刷媒体の搬送を、搬送ローラ対7a,7b,7c,7d及び反転部22に実行させる。より詳細には、カールが発生している場合には、反転部22は、制御部30の指示に従って、印刷媒体の表裏を反転部22において反転させる。この後、搬送ローラ対7a,7b,7c,7dは、表裏が反転された印刷媒体を搬送する。一方、カールが発生していない場合には、反転部22は、動作せず、搬送ローラ対7a,7b,7c,7dは、印刷媒体を搬送する。以下に、反転部22の構成について説明する。
【0036】
反転部22は、搬送手段の一部を構成しており、反転ローラ対23a,23b、切換爪24及び反転経路R1,R2,R3を含む。切換爪24は、制御部30からの指示により、自動給紙カセット5から給紙されてくる印刷媒体を搬送経路Rへ出力するか、反転経路R1へ出力するかを切り替える役割を果たす。反転経路R1に出力された印刷媒体は、反転ローラ対23aにより反転経路R3へと搬送される。これにより、印刷媒体の表裏が反転する。次に、反転ローラ対23aは、逆方向に回転して、印刷媒体を上方の反転経路R2へと搬送する。この後、反転ローラ対23bは、表裏が反転された印刷媒体を搬送経路Rへと搬送する。
【0037】
(画像形成装置の動作について)
以上のように構成された画像形成装置1について、以下にその動作について図面を参照しながら説明する。画像形成装置1では、テスト搬送と本印刷との2種類の動作が存在する。テスト搬送とは、前記の通り、印刷媒体にカールが発生するか否かを判定する動作である。本印刷とは、ユーザ等の指示により印刷媒体に画像を印刷する動作である。
【0038】
まず、テスト搬送について図面を参照しながら説明する。図3は、テスト搬送時に制御部30が行う処理を示したフローチャートである。
【0039】
制御部30は、画像形成装置1の電源が投入された直後であるか否かを判定する(ステップS1)。電源が投入された直後である場合には、本処理はステップS3に進む。電源が投入された直後でない場合には、本処理はステップS2に進む。
【0040】
電源が投入された直後である場合、制御部30は、自動給紙カセット5が開閉されたか否かを判定する(ステップS2)。自動給紙カセット5が開閉された場合には、本処理はステップS3に進む。自動給紙カセット5が開閉されていない場合には、本処理は終了する。すなわち、制御部30は、テスト搬送をすることなく、印刷指示の待機状態へと移行する。
【0041】
前記ステップS3において、制御部30は、自動給紙カセット5に1枚だけ印刷媒体を給紙させる(ステップS3)。なお、ステップS3において給紙される印刷媒体の枚数は、1枚に限らない。
【0042】
印刷媒体が給紙されると、制御部30は、搬送ローラ対7a,7b,7c,7dを回転させて、印刷媒体を搬送させる(ステップS4)。この際、印刷媒体は、2次転写位置13及び定着装置15を通過する。2次転写位置13では、トナー画像の2次転写は行われない。一方、定着装置15は、印刷媒体に対して加熱及び圧着処理を施す。これにより、印刷媒体が再生紙であって、該印刷媒体の自動給紙カセット5へのセット方向によっては、カールが発生する。
【0043】
次に、印刷媒体は、検知部33を通過する。この際、制御部30は、検知部33から出力されてくるローレベルの信号又はハイレベルの信号に基づいて、カールの発生の有無を検知する(ステップS5)。制御部30は、ローレベルの信号が出力されてきた場合には、印刷媒体にカールが発生したと判定する。一方、制御部30は、ハイレベルの信号が出力されてきた場合には、印刷媒体にカールが発生していないと判定する。そして、制御部30は、判定結果を検知結果として記憶部31に記憶する(ステップS6)。
【0044】
最後に、制御部30は、排出ローラ対17及び逆搬送部21を駆動して、印刷媒体を自動給紙カセット5に戻す(ステップS7)。なお、ステップS7において印刷媒体が戻されるときにおける印刷媒体の表裏の向きは、ステップS3において印刷媒体が給紙されるときにおける印刷媒体の表裏の向きと同じ向きである。以上の動作により、テスト搬送が終了する。
【0045】
次に、本印刷について図面を参照しながら説明する。図4は、本印刷時に制御部30が行う処理を示したフローチャートである。
【0046】
制御部30は、ユーザからの印刷指示があったか否かを判定する(ステップS11)。ユーザからの印刷指示は例えば、ユーザがタッチパネル32を操作することにより実行される。印刷指示があった場合には、本処理はステップS12に進む。印刷指示がない場合には、本処理はステップS11を繰り返し、制御部30は、印刷指示を待ち受ける。
【0047】
印刷指示があった場合、制御部30は、記憶部31に記憶されている検知結果を参照して、画像の印刷時に印刷媒体にカールが発生しうるか否かを判定する(ステップS12)。カールが発生しうる場合には、本処理はステップS13に進む。カールが発生しない場合には、本処理はステップS14に進む。
【0048】
カールが発生しうる場合、制御部30は、印刷媒体の表裏を反転させて反転部22及び搬送ローラ対7aに印刷媒体を搬送させる(ステップS13)。より詳細には、制御部30は、自動給紙カセット5から給紙される印刷媒体を反転経路R1側へと導くように、切換爪24の向きを制御する。そして、制御部30は、反転経路R1を搬送される印刷媒体を下方の反転経路R3へと反転ローラ対23aに搬送させる。この後、制御部30は、反転ローラ対23aの回転方向を反転させると共に反転ローラ対23bを回転させて、反転経路R3,R2の上方へと印刷媒体を搬送させる。これにより、印刷媒体は、表裏が反転された状態で搬送経路Rへと搬送される。この後、本処理はステップS15に進む。
【0049】
カールが発生しない場合、制御部30は、印刷媒体の表裏の反転をさせずに搬送ローラ対7aに印刷媒体を搬送させる(ステップS14)。より詳細には、制御部30は、自動給紙カセット5から給紙される印刷媒体を搬送経路R側へと導くように、切換爪24の向きを制御する。これにより、印刷媒体は、搬送経路Rへと搬送される。この後、本処理はステップS15に進む。
【0050】
前記ステップS15において、制御部30は、印刷媒体に対して画像を印刷する(ステップS15)。より詳細には、制御部30は、搬送ローラ対7b,7c,7dに印刷媒体を搬送させる。この際、2次転写位置13において、印刷媒体にトナー画像が2次転写され、2次転写されたトナー画像は、定着装置15において定着される。この後、画像が印刷された印刷媒体は、排出ローラ対17により排紙部9に排出される。以上で、本印刷を終了する。なお、前記本印刷では、1枚の印刷媒体に画像が印刷されたが、複数の印刷媒体に画像が印刷されてもよい。
【0051】
(効果)
以上のような画像形成装置1によれば、制御部30は、ユーザが印刷指示を行う前に、カールの発生の有無を検知している。そして、制御部30は、印刷媒体にカールが発生しうる場合には、自動的に印刷媒体の表裏を反転させて画像の印刷を行っている。そのため、画像形成装置1において、印刷媒体にカールが発生することを抑制することができる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、画像形成装置1の全体構成は、第1の実施形態の画像形成装置1と同様に図1に示される。
【0053】
本実施形態に係る画像形成装置1は、テスト搬送の際に、カールが発生したことを検知した場合には、その旨をタッチパネル32に表示して通知する点において、第1の実施形態に係る画像形成装置1と相違点を有する。以下に、該相違点を中心に説明を行う。なお、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成については、第1の実施形態に係る画像形成装置1と同じであるので説明を省略する。
【0054】
以下に、図5及び図6を参照しながら、画像形成装置1のテスト搬送について説明する。図5は、テスト搬送時に制御部30が行う処理を示したフローチャートである。図6は、タッチパネル32に表示される検知結果を示した図である。
【0055】
まず、ステップS1ないしステップS5において制御部30が行う動作は、第1の実施形態におけるこれらの動作と同じであるので説明を省略する。
【0056】
ステップS21において、制御部30は、印刷媒体にカールが発生したか否かを判定する(ステップS21)。カールが発生した場合には、本処理はステップS22に進む。カールが発生していない場合には、本処理はステップS6に進む。
【0057】
カールが発生した場合には、制御部30は、図6に示すカールが発生したことを示す画面をタッチパネル32に表示させる(ステップS22)。この後、本処理は、ステップS6に進む。ステップS6以降に行われる処理は、第1の実施形態におけるこれらの処理と同じであるので説明を省略する。
【0058】
(効果)
以上のような画像形成装置1によれば、印刷媒体にカールが発生した場合には、その旨がタッチパネル32に表示されるので、ユーザは、画像の印刷をする前にカールが印刷媒体に発生するおそれがあることを知ることができる。そのため、ユーザは、例えば、自動給紙カセット5内の印刷媒体の表裏を反転させることにより、カールの発生を抑制することができる。なお、本実施形態に係る画像形成装置1において、第1の実施形態に係る画像形成装置1が本印刷時において実行していた印刷媒体の表裏の反転は、実行されてもよいし、実行されなくてもよい。
【0059】
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る画像形成装置1において、印刷媒体の表とは、印刷媒体において、図1の自動給紙カセット5にセットされた状態における上側の面を示し、印刷媒体の裏とは、自動給紙カセット5にセットされた状態における下側の面をさす。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示した図である。
【図2】検知部の構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像形成装置において、テスト搬送時に制御部が行う処理を示したフローチャートである。
【図4】本印刷時に制御部が行う処理を示したフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る画像形成装置において、テスト搬送時に制御部が行う処理を示したフローチャートである。
【図6】タッチパネルに表示される検知結果を示した図である。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成装置
5 自動給紙カセット
7a,7b,7c,7d 搬送ローラ対
15 定着装置
17 排出ローラ対
21 逆搬送部
22 反転部
30 制御部
31 記憶部
32 タッチパネル
33 検知部
R 搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体を格納するカセットと、
前記印刷媒体を搬送する搬送手段と、
所定条件が満たされた際に、前記搬送手段に前記印刷媒体をテスト搬送させる制御手段と、
前記搬送手段によりテスト搬送された前記印刷媒体のカール状態を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送手段により形成される搬送経路上に設けられ、かつ、前記印刷媒体にトナー画像を定着する定着手段を、
更に備え、
前記検知手段は、前記定着手段の後段に配置されていること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送手段によりテスト搬送された前記印刷媒体を前記カセットに戻す逆搬送手段を、
更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定条件とは、電源が投入された場合、又は、前記カセットが開閉された場合のいずれかであること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記印刷媒体に画像を印刷する際に、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記搬送手段に前記印刷媒体を搬送させること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送手段は、
前記印刷媒体の表裏を反転させる反転手段を、
含み、
前記制御手段は、前記印刷媒体がカールしたことを示す前記検知結果である場合には、前記反転手段により前記印刷媒体の表裏を反転させること、
を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検知手段による前記検知結果をユーザに通知する通知手段を、
更に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−40597(P2009−40597A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210124(P2007−210124)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】