説明

画像形成装置

【課題】ソレノイドのサイズアップをすることなく、確実にシート給送ローラの回転制御を行うことのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】ストッパ部材21を、シート給送ローラ2の軸14に固定された欠歯部分13aを有する欠歯ギア13と一体に回転するカム17に係止させ、欠歯ギア13を、欠歯部分13aがシート給送ローラを回転させるための駆動ギア15に臨む位置で停止させる。そして、規制レバー22により、画像形成装置本体の状態が、シートに対する画像形成が可能となる状態までストッパ部材21をカム17と係止する位置に保持する。また、画像形成が可能な状態とするときの画像形成装置本体の状態の変化に伴って規制レバー22によるストッパ部材21の保持を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、画像形成装置を搬送するときの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、シートをシート給送ローラにより画像形成部に向けて送り出すシート給送装置を備えている。ここで、このようなシート給送装置としては、例えば欠歯ギア及びトリガー部材によりシート給送ローラを1回転制御してシートを1枚ずつ給送し、この後、シート搬送ローラによりシートを画像形成部へと搬送するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、このような従来のシート給送装置のシート給送ローラ駆動伝達機構の一例を示す図である。
【0004】
図10において、113は外周の一箇所において複数歯が取り除かれた欠歯ギア、114は欠歯ギア113の軸であり、この軸114には不図示のシート給送ローラが取り付けられており、これによりシート給送ローラは欠歯ギア113と一体に回転する。115は欠歯ギア113を駆動する欠歯駆動ギア、116は欠歯ギア113を回転方向(反時計回り方向に)に付勢する欠歯ギア始動バネである。
【0005】
119はソレノイド118のストッパ部材であり、このストッパ部材119は、シートの給送を行う前の待機状態のとき、バネ133により付勢されて欠歯ギア113と一体に設けられたカム117の係止部117aに係止している。
【0006】
また、待機状態のとき、欠歯ギア113は、その欠歯部分113aが欠歯駆動ギア115に対向する姿勢で保持されており、この状態のとき、欠歯駆動ギア115の駆動が欠歯ギア113に伝達されることはない。
【0007】
ところで、この後、ソレノイド118に通電すると、図11の(a)に示すようにストッパ部材119は、バネ133の付勢力に抗して吸引され、カム117の係止部117aから外れる。これに伴い、欠歯ギア始動バネ116により回転方向に付勢された欠歯ギア113は、外周に歯を有する部分が欠歯駆動ギア115に対向する姿勢まで回転し、回転している欠歯駆動ギア115と噛合する。
【0008】
このように欠歯ギア113が欠歯駆動ギア115と噛合すると、欠歯駆動ギア115と一体にシート給送ローラが回転し、シートの給送を開始する。やがて、シート給送ローラが約1回転すると、図11の(b)に示すように、欠歯ギア113が、欠歯部分113aと欠歯駆動ギア115とが対向する位置に達し、欠歯駆動ギア115からの駆動が伝達されない状態となる。
【0009】
なお、このときまでにソレノイド118の通電は停止し、ソレノイド118のストッパ部材119はバネ133により、カム117の周面に圧接している。また、欠歯ギア113は、欠歯ギア始動バネ116により付勢されている。
【0010】
このため、欠歯駆動ギア115からの駆動が伝達されない状態となっても、この後、欠歯ギア113は欠歯ギア始動バネ116の付勢により回転し、やがてソレノイド118のストッパ部材119がカム117の係止部117aに係止する位置まで回転する。この結果、再び図10に示す待機位置に戻る。このような一連の動作により、シート給送ローラが1回転駆動され、シートが給送される。
【0011】
【特許文献1】特開平6−50406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、このような駆動伝達機構を採用したシート給送装置を備えた従来の画像形成装置において、画像形成装置を搬送する過程で、衝撃が与えられると、ソレノイドのストッパ部材が、カムの係止部から外れてしまうことがある。
【0013】
この場合、ユーザが搬送されてきた画像形成装置を設置して電源を入れると、前回転時に欠歯ギアが駆動され、シート給送ローラがシートを給送し、白紙の用紙を排出してしまう。
【0014】
なお、衝撃が与えられてもストッパ部材が外れてしまうことがないように、ストッパ部材のバネの付勢力を大きく設定した場合、ソレノイドの吸引力も大きくする必要が生じる。この場合、ソレノイドのサイズアップ(コストアップ)につながる。
【0015】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、ソレノイドのサイズアップをすることなく、確実にシート給送ローラの回転制御を行うことのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、シート給送ローラにより送り出されたシートに画像を形成する画像形成装置において、前記シート給送ローラを回転させるための駆動ギアと、前記シート給送ローラの軸に固定され、前記駆動ギアと噛合する欠歯ギアと、前記欠歯ギアと一体に回転する係止部材と、前記係止部材と係止し、前記欠歯ギアを、前記欠歯ギアの欠歯部が前記駆動ギアに臨む位置で停止させるストッパ部材と、画像形成装置本体が、シートに対する画像形成が可能となる状態まで前記ストッパ部材を前記係止部材と係止する位置に保持し、画像形成が可能な状態にするための操作に伴って前記ストッパ部材の保持を解除する保持部材と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、保持部材により、画像形成装置本体の状態が、シートに対する画像形成が可能となる状態までストッパ部材を係止部材と係止する位置に保持し、画像形成が可能な状態とするときストッパ部材の保持を解除することができる。この結果、ソレノイドのサイズアップをすることなく、確実にシート給送ローラの回転制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【0020】
この画像形成装置20は、画像形成装置本体20Aと、画像形成部20Bと、画像形成部20Bに記録紙等のシートを給送するシート給送装置20C等を備えている。
【0021】
画像形成部20Bは、感光体ドラム(像担持体)7等を備え、画像形成装置本体20Aに着脱可能なプロセスユニットであるプロセスカートリッジ5と、感光体ドラム7の表面を露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成するレーザスキャナ6等を備えている。なお、プロセスカートリッジ5は、画像形成装置本体20Aに着脱自在に装着されている。
【0022】
また、シート給送装置20Cは、シートを収納すると共に画像形成装置本体20Aに対して引き出し可能なシート収納部である給紙カセット20Dと、給紙カセット上のシートを1枚ずつ給送するシート給送ローラ2とを備えている。
【0023】
なお、1は給紙カセット20Dに上下方向に回動可能に設けられたシート積載台であり、このシート積載台1の上に積載されたシートPは、シート積載台1の下方に設けられた不図示のシート積載台バネにより、シート給送ローラ2に圧接されている。
【0024】
3aは分離パッドであり、この分離パッドは、回動自在な分離パッドホルダ3によりシート給送ローラ2に圧接している。8は感光体ドラム7と共に、転写部を構成する転写ローラ、9は定着ローラ対である。
【0025】
次に、このように構成された画像形成装置20の画像形成動作を説明する。
【0026】
不図示のパソコン等から画像情報が送られ、この画像情報を画像形成処理した不図示のコントローラがプリント信号を発すると、レーザスキャナ6からの画像露光によりプロセスカートリッジ5内の感光体ドラム7に潜像が形成される。この後、感光体ドラム上の潜像が、プロセスカートリッジ5内の不図示の現像器によりトナーによって現像され、感光体ドラム上にトナー像が形成される。
【0027】
一方、不図示のコントローラがプリント信号を発すると、シート給送ローラ2が後述する図2に示す駆動伝達機構から駆動を伝達されて回転し、最上位のシートP1が給送される。なお、この際、シート給送ローラ2によりシートPが複数枚給紙されても、シート給送ローラ2に圧接する分離パッド3aによりシートPは捌かれ、最上位のシートP1が搬送ローラ対4に送られる。
【0028】
次に、シートP1は、搬送ローラ対4により感光体ドラム7と転写ローラ8とにより構成される転写部に搬送される。そして、この転写部において、感光体ドラム上に形成されたトナー像がシートP1に転写され、この後、定着ローラ対8にて熱、圧力が加えられることにより、トナー像がシートPに定着される。この後、画像が定着されたシートは、定着後搬送ローラ対10、排紙ローラ対11により画像形成装置本体上面に設けられた積載トレイ12へと排出される。
【0029】
図2は、シート給送ローラ2の駆動伝達機構を示す図であり、図2において、13は外周の一箇所において複数歯が取り除かれた欠歯部分13aを有する欠歯ギア、14はシート給送ローラ2(図1参照)の軸である。そして、このシート給送ローラ2の軸14には、欠歯ギア13が取り付けられており、これにより欠歯ギア13が回転すると、シート給送ローラ2は欠歯ギア13と一体に回転する。
【0030】
15は欠歯ギア13を駆動する駆動ギアである欠歯駆動ギア、16は欠歯ギア13を回転方向(反時計回り方向)に付勢する欠歯ギア始動バネである。21はソレノイド18のストッパ部材であり、このストッパ部材21は、シートの給送を行う前の待機状態のとき、バネ33により付勢されて欠歯ギア13と一体に設けられた係止部材であるカム17に設けられた係止部17aに係止している。
【0031】
そして、ストッパ部材21をカム17の係止部17aに係止することにより、欠歯ギア13を、欠歯部分13aが欠歯駆動ギア15に対向する姿勢で保持することができる。この結果、欠歯駆動ギア15の駆動が欠歯ギア13に伝達されることはなく、待機状態となる。
【0032】
なお、カム17の係止部17aに係止して欠歯ギア13を停止させるストッパ部材21は、実線で示すカム17の係止部17aに係止する位置と、破線で示す係止部17aから外れる位置との間で移動可能となっている。
【0033】
シートを給送する場合には、ソレノイド18に通電すると、ストッパ部材21がバネ33の付勢力に抗して吸引され、カム17の係止部17aから外れる。これに伴い、欠歯ギア始動バネ16により回転方向に付勢された欠歯ギア13は、外周に歯を有する部分が欠歯駆動ギア15に対向する姿勢まで回転し、回転している欠歯駆動ギア15と噛合する。
【0034】
そして、このように欠歯ギア13が欠歯駆動ギア15と噛合すると、欠歯駆動ギア15と一体にシート給送ローラ2が回転し、シートの給送を開始する。シート給送ローラ2が約1回転すると、欠歯ギア13が、欠歯部分13aと欠歯駆動ギア15とが対向する位置に達し、欠歯駆動ギア15からの駆動が伝達されない状態となる。
【0035】
なお、このときまでにソレノイド18の通電は停止し、ソレノイド18のストッパ部材21は欠歯ギア始動バネ16により、カム17の周面に圧接している。また、欠歯ギア13は、欠歯ギア始動バネ16により付勢されている。
【0036】
このため、欠歯駆動ギア15からの駆動が伝達されない状態となっても、この後、欠歯ギア13は欠歯ギア始動バネ16の付勢により回転し、やがてソレノイド18のストッパ部材21がカム17の係止部17aに係止する位置まで回転する。この結果、再び図2に示す待機位置に戻る。このような一連の動作により、シート給送ローラが1回転駆動され、シートが給送される。
【0037】
ところで、図2において、25はプロセスカートリッジ5を画像形成装置本体内に収納する際、プロセスカートリッジ5をガイドするプロセスカートリッジガイドである。22は規制レバーであり、この規制レバー22は揺動軸23を支点として揺動すると共にバネ24により反時計回りに付勢されている。
【0038】
ここで、この規制レバー22の一端には、ストッパ部材21が破線で示すカム17の係止部17aから外れる位置に移動するのを規制する規制部22aが設けられている。また、規制レバー22の他端にはプロセスカートリッジ5がプロセスカートリッジガイド25にガイドされる際、プロセスカートリッジ5と当接する当接部22bが設けられている。
【0039】
なお、図2は、画像形成装置20を搬送する際のシート給送ローラ2の駆動伝達機構の状態を示しており、本実施の形態においては、画像形成装置20の搬送時は、プロセスカートリッジ5は画像形成装置本体20Aに装着されていない。そして、このとき、規制レバー22は、ストッパ部材21を規制し、ストッパ部材21が破線で示すカム17の係止部17aから外れる位置に移動するのを阻止する位置(保持位置)にある。
【0040】
なお、本実施の形態において、規制レバー22は、このようなプロセスカートリッジ5の着脱状態に応じてストッパ部材21と係止する位置に保持する保持位置と、後述するストッパ部材21の保持を解除する解除位置とに位置する。
【0041】
ここで、画像形成装置20の搬送時に衝撃が加わったときにストッパ部材21が矢印方向Yに回転しようとする力により、規制レバー22を図2中の時計回りに回動させるモーメントが発生する。そこで、この時計回りに回動させるモーメントよりも、バネ24による規制レバー22に加わる図2中の反時計回りのモーメントを大きく設定してある。これにより、画像形成装置20の搬送時に衝撃が加わった場合でも、ストッパ部材21がカム17の係止部17aから外れることを規制することが可能である。
【0042】
図3は、画像形成装置20が搬送された後、画像形成装置本体20Aの状態が、シートに対する画像形成が可能となる状態とするようプロセスカートリッジ5を画像形成装置本体20に装着操作をするときの状態を示す図である。
【0043】
プロセスカートリッジ5は、図3の(a)に示すようにプロセスカートリッジガイド25にガイドされながら画像形成装置本体20に装着される。なお、画像形成装置本体20に装着される際、プロセスカートリッジ5は、プロセスカートリッジ5の側面に設けられたリブ5aをプロセスカートリッジガイド25の溝25aに沿わせてプロセスカートリッジガイド25に挿入される。
【0044】
ここで、このようにプロセスカートリッジ5を挿入する操作をする際、図3の(b)に示すようにリブ5aがストッパ部材21を保持する保持部材である規制レバー22の当接部22bを押圧し、規制レバー22を時計回りに揺動させる。
【0045】
この結果、プロセスカートリッジ5が画像形成装置本体20Aに装着されると、規制レバー22は、ストッパ部材21がカム17の係止部17aから外れる位置に移動するのを規制する保持位置からストッパ部材21の保持を解除する解除位置に移動する。そして、このように規制レバー22が解除位置に移動すると、この後、画像形成装置20を使用する際には、規制レバー22が、ストッパ部材21の動きを妨げることはないので、シート給送ローラの1回転制御によるシートの給送が可能となる。
【0046】
以上説明したように、プロセスカートリッジ5と連動する規制レバー22により、プロセスカートリッジ5が画像形成装置本体20Aに装着されるまでストッパ部材21を、カム17の係止部17aに係止する位置に保持するようにしている。この結果、画像形成装置20の搬送時に衝撃が加わっても、ソレノイド18のストッパ部材21が、欠歯ギア13に備えられたカム17の係止部17aから外れることを防止することができるため、従来の不具合の発生を防止することができる。
【0047】
また、プロセスカートリッジ5を装着し、画像形成装置20を画像形成が可能な状態とするとき、規制レバー22によるストッパ部材21の保持を解除するようにしているので、シート給送ローラによるシートの給送が可能となる。
【0048】
このように、本実施の形態によれば、画像形成装置20が搬送されて、画像形成が可能となる状態までは規制レバー22により、ストッパ部材21を、カム17の係止部17aに係止する位置に保持することができる。また、画像形成が可能な状態とするときの画像形成装置本体20Aの状態の変化、本実施の形態においては、プロセスカートリッジ5の装着に伴って規制レバー22によるストッパ部材21の保持を解除することができる。
【0049】
この結果、搬送時の衝撃によりストッパ部材21が、欠歯ギア13に備えられたカム17の係止部17aから外れてしまう不具合の発生を低減することができ、ソレノイド18をサイズアップすることなく、シート給送ローラ2の回転制御を行うことができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0051】
図4は、本実施の形態に係るシート給送装置のシート給送ローラの駆動伝達機構の搬送時の状態を示す図である。なお、図4において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0052】
ここで、本実施の形態においては、プロセスカートリッジ5を画像形成装置本体20Aに装着した状態で搬送を行う。これにより、プロセスカートリッジ5と画像形成装置本体20Aとを別々に梱包して一つに梱包する場合に比べて製品の梱包サイズを小さくし、搬送効率を上げることが可能となる。
【0053】
図4において、28は装着されたプロセスカートリッジ5を押えてプロセスカートリッジ5が、画像形成装置本体内部で移動することを規制する規制部材であり、画像形成装置20を搬送する際、この規制部材28を画像形成装置本体20Aに取り付ける。29はプロセスカートリッジ5を着脱する際に開閉する開閉扉である。
【0054】
そして、画像形成装置20の搬送の際、規制部材28により開閉扉29とのプロセスカートリッジ5間の空間を埋めることにより、プロセスカートリッジ5が搬送時に移動し、破損するのを防ぐことができる。
【0055】
また、図4に示すように、ストッパ部材21の規制部材側には規制部材28が装着された際、規制部材28が圧接する保持部材21aが一体に設けられている。そして、装着された際、保持部材21aに圧接することにより、規制部材28は、ストッパ部材21が破線で示すカム17の係止部17aから外れる位置に移動するのを阻止することができる。
【0056】
ここで、規制部材28の弾性強度は、画像形成装置20の搬送時の衝撃によりストッパ部材21が矢印方向Yに回転しようとしても、ストッパ部材21が破線で示す位置には達することのない強度としている。これにより、ストッパ部材21がカム17の係止部17aから外れることを規制することができ、画像形成装置20の搬送時の衝撃によりストッパ部材21がカム17の係止部17aから外れてしまう不具合の発生を低減することができる。
【0057】
なお、画像形成装置20を画像形成が可能な状態とする際には、図5の(a)に示すように、開閉扉29を開き、規制部材28を画像形成装置本体20Aから取り外す操作を行う。この後、図5の(b)に示すように、開閉扉29を閉じる。
【0058】
ここで、このように規制部材28を取り出す操作を行なうことにより、この後、画像形成装置20を使用する際には、規制部材28がストッパ部材21の動きを妨げることはないので、シート給送ローラによるシートの給送が可能となる。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態では、画像形成装置20を搬送するときに、プロセスカートリッジ5を画像形成装置本体内部で押える規制部材28を取り付けている。そして、この規制部材28が、保持部材21aを規制することにより、画像形成装置の搬送時に衝撃が加わってもソレノイド18のストッパ部材21が、欠歯ギア13に備えられたカム17の係止部17aから外れることを防止することができる。
【0060】
言い換えれば、本実施の形態では、ストッパ部材21を保持する保持位置と、ストッパ部材21の保持を解除する解除位置に移動可能な保持部材21aをストッパ部材21と一体に設けている。そして、規制部材28の装着に伴って保持部材21aによりストッパ部材21を保持し、画像形成装置本体20Aの状態が変化する規制部材28の取り出しに伴って保持部材21aによりストッパ部材21の保持を解除するようにしている。これにより、ソレノイドのサイズアップをすることなく、確実にシート給送ローラ2の回転制御を行うことができる。
【0061】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0062】
図6は、本実施の形態に係るシート給送装置のシート給送ローラの駆動伝達機構の搬送時の状態を示す図。なお、図6において、既述した図4と同一符号は、同一又は相当部分を示している。なお、本実施の形態においても、プロセスカートリッジ5を画像形成装置本体20Aに装着した状態で搬送を行うようにしている。
【0063】
図6において、32はプロセスカートリッジ5に設けられた感光体ドラム7と、転写ローラ8のローラ部8aとを離間するための離間部材である転写ローラ離間部材である。画像形成装置20の搬送の際には、この転写ローラ離間部材32を画像形成装置本体20Aに装着する。これにより、画像形成装置20の搬送時に、感光体ドラム7との衝突により、転写ローラ8のローラ部8aがつぶれるのを防ぐことができる。
【0064】
また、図6に示すように、転写ローラ離間部材32の一端には、画像形成装置本体20Aに装着された際、ストッパ部材21が破線で示すカム17の係止部17aから外れる位置に移動するのを規制する規制部32aが設けられている。
【0065】
さらに、図6に示すように、ストッパ部材21の転写ローラ離間部材側には転写ローラ離間部材32が装着された際、転写ローラ離間部材32が圧接する保持部材21bが一体に設けられている。そして、装着された際、規制部32aが保持部材21bに圧接することにより、転写ローラ離間部材32は、ストッパ部材21が破線で示すカム17の係止部17aから外れる位置に移動するのを阻止することができる。
【0066】
なお、画像形成装置20を画像形成が可能な状態とする際には、図7の(a)に示すように開閉扉29を開き、プロセスカートリッジ5を画像形成装置本体20Aから取り外した後、転写ローラ離間部材32を画像形成装置本体20Aから取り外す操作を行う。この後、図7の(b)に示すように、プロセスカートリッジ5を画像形成装置本体20Aに再び装着し、開閉扉29を閉じる。
【0067】
ここで、このように転写ローラ離間部材32を取り出す操作を行なうことにより、この後、画像形成装置20を使用する際には、転写ローラ離間部材32がストッパ部材21の動きを妨げることはないので、シート給送ローラによるシートの給送が可能となる。
【0068】
以上説明したように、感光体ドラム7と転写ローラ8とを離間する転写ローラ離間部材32により、画像形成装置20の搬送時の衝撃でソレノイド18のストッパ部材21が、欠歯ギア13に備えられたカム17の係止部17aから外れることを防止する。
【0069】
言い換えれば、本実施の形態においては、ストッパ部材21を保持する保持位置と、ストッパ部材21の保持を解除する解除位置に移動可能な保持部材21bをストッパ部材21と一体に設けている。そして、転写ローラ離間部材32の装着に伴って保持部材21bによりストッパ部材21を保持し、画像形成装置本体20Aの状態が変化する転写ローラ離間部材32の取り出しに伴って保持部材21bによりストッパ部材21の保持を解除するようにしている。これにより、ソレノイドのサイズアップをすることなく、確実にシート給送ローラ2の回転制御を行うことができる。
【0070】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0071】
図8は、本実施の形態に係るシート給送装置のシート給送ローラの駆動伝達機構の搬送時の状態を示す図。なお、図8において、既述した図4と同一符号は、同一又は相当部分を示している。なお、本実施の形態においても、プロセスカートリッジ5を画像形成装置本体20Aに装着した状態で搬送を行うようにしている。
【0072】
図8において、42は画像形成装置本体20Aのストッパ部材21に近接する側面、例えば底面を形成する底面部材であり、43は画像形成装置本体20Aを落下や振動などの搬送上の衝撃より守る弾性を有する保護部材である緩衝性梱包部材である。21cは、ストッパ部材21の先端を伸ばして形成された保持部材である固定力受け部であり、43aは緩衝性梱包部材43に一体に設けられた凸部である固定部である。
【0073】
ここで、図8に示す製品個装梱包状態においては、固定部43aが、底面部材42のストッパ部材21の固定力受け部21cに対応する位置に形成された開口部42aに差し込まれて固定力受け部21cに当接している。
【0074】
そして、このように固定部43aに当接することにより、固定力受け部21aは、弾性を持つ固定部43aにより所定の範囲の力でガタ無く、押えられている。ここで、このように固定部43aにより固定力受け部21cを押えることにより、搬送の際、ストッパ部材21がカム17の係止部17aから外れることを規制することができる。
【0075】
図9は画像形成装置20を画像形成が可能な状態とするよう、緩衝性梱包部材43を取り外す操作をしたときの画像形成装置本体20Aの状態を示す図である。緩衝性梱包部材43を取り外すと、特有の操作を行うことなく、固定部43aは固定力受け部21cより引き離される。
【0076】
このように緩衝性梱包部材43を取り外す操作を行うことにより、画像形成装置20を使用する際には、緩衝性梱包部材43の固定部43aがストッパ部材21の動きを妨げることはないので、シート給送ローラ2の1回転制御によるシートの給送が可能となる。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態では、緩衝性梱包部材43により、画像形成装置20の搬送時に衝撃が加わってもソレノイド18のストッパ部材21が、欠歯ギア13に備えられたカム17の係止部17aから外れることを防止することができる。
【0078】
また、画像形成装置本体20Aの状態が変化する緩衝性梱包部材43の取り外しに伴って固定力受け部21cによりストッパ部材21の保持を解除するようにしている。そして、このように構成することにより、ユーザやサービスにより、画像形成装置20に電源を入れた際に、自動的に白紙が排出されることはなく、かつ緩衝性梱包部材43の外し忘れなどによる初期動作不良の発生を防ぐことができる。
【0079】
なお、本実施の形態においては、緩衝性梱包部材43が直接ストッパ部材21の固定力受け部21cに当接する構成を説明した。しかし、画像形成装置内に設けられた別の部品が緩衝性梱包部材43に当接・移動し、この結果、この別の部品がソレノイド18のストッパ部材21を固定する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】上記画像形成装置に設けられたシート給送ローラ駆動伝達機構の搬送時の状態を示す図。
【図3】上記シート給送ローラ駆動伝達機構のプロセスカートリッジ挿入時の状態を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置に設けられたシート給送ローラ駆動伝達機構の搬送時の状態を示す図。
【図5】上記画像形成装置本体に着脱可能に取り付けられた規制部材を取り外す際の状態を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置に設けられたシート給送ローラ駆動伝達機構の搬送時の状態を示す図。
【図7】上記画像形成装置本体に着脱可能に取り付けられた転写ローラ離間部材を画像形成装置本体から取り外す際の状態を示す図。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置に設けられたシート給送ローラ駆動伝達機構の搬送時の状態を示す図。
【図9】上記画像形成装置本体に着脱可能に取り付けられた緩衝性梱包部材を取り外したときの状態を示す図。
【図10】従来のシート給送ローラ駆動伝達機構の構成を説明する図。
【図11】従来のシート給送ローラ駆動伝達機構の動作を説明する図。
【符号の説明】
【0081】
2 シート給送ローラ
5 プロセスカートリッジ
7 感光体ドラム
8 転写ローラ
13 欠歯ギア
13a 欠歯部分
14 シート給送ローラの軸
15 欠歯駆動ギア
17 カム
17a 係止部
18 ソレノイド
20 画像形成装置
20A 画像形成装置本体
20B 画像形成部
20C シート給送装置
21 ストッパ部材
21a 保持部材
21b 保持部材
21c 固定力受け部
22 規制レバー
28 規制部材
32 転写ローラ離間部材
42 底面部材
42a 開口部
43 緩衝性梱包部材
43a 固定部
P シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート給送ローラにより送り出されたシートに画像を形成する画像形成装置において、
前記シート給送ローラを回転させるための駆動ギアと、
前記シート給送ローラの軸に固定され、前記駆動ギアと噛合する欠歯ギアと、
前記欠歯ギアと一体に回転する係止部材と、
前記係止部材と係止し、前記欠歯ギアを、前記欠歯ギアの欠歯部が前記駆動ギアに臨む位置で停止させるストッパ部材と、
画像形成装置本体が、シートに対する画像形成が可能となる状態まで前記ストッパ部材を前記係止部材と係止する位置に保持し、画像形成が可能な状態にするための操作に伴って前記ストッパ部材の保持を解除する保持部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記ストッパ部材を前記係止部材と係止する位置に保持する保持位置と、前記ストッパ部材の保持を解除する解除位置とに移動可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像が形成される像担持体を有し、前記画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットを備え、
前記画像形成装置本体の状態が画像形成が可能な状態となるように前記プロセスユニットを前記画像形成装置本体へ装着する際、前記プロセスユニットを装着する操作に伴って前記保持部材を前記保持位置から前記解除位置に移動させ、前記プロセスユニットの取り出しに伴って前記解除位置から前記保持位置に移動させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像が形成される像担持体を有し、前記画像形成装置本体に装着されるプロセスユニットと、
前記画像形成装置本体に装着された前記プロセスユニットの移動を規制するように前記画像形成装置本体に着脱可能に取り付けられ、前記画像形成装置本体の状態を画像形成が可能な状態とする際に取り外される規制部材と、を備え、
前記保持部材を前記ストッパ部材に一体に設け、前記規制部材の装着に伴って前記規制部材を前記保持部材に圧接させて前記ストッパ部材を保持し、前記規制部材の取り出し操作に伴ってストッパ部材の保持を解除することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
トナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体に形成されたトナー像をシートに転写する転写ローラと、
前記像担持体から前記転写ローラを離間させるように前記画像形成装置本体に着脱可能に取り付けられ、前記画像形成装置本体の状態を画像形成が可能な状態とする際に取り外される離間部材と、を備え、
前記保持部材を前記ストッパ部材に一体に設け、前記離間部材の装着に伴って前記離間部材を前記保持部材に圧接させて前記ストッパ部材を保持し、前記離間部材の取り出し操作に伴ってストッパ部材の保持を解除することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置本体の前記保持部材に近接する側面を保護するよう前記画像形成装置本体に着脱可能に取り付けられ、前記画像形成装置本体の状態を画像形成が可能な状態とする際に取り外される保護部材を備え、
前記保持部材を前記ストッパ部材に一体に設け、前記保護部材の装着に伴って前記保護部材を前記保持部材に圧接させて前記ストッパ部材を保持し、前記保護部材の取り出し操作に伴ってストッパ部材の保持を解除することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置本体の前記保持部材に近接する側面の前記保持部材に対応する位置に開口部を設け、
前記保護部材を装着する際、前記保護部材に設けられた凸部を前記開口部に差し込むことにより前記保護部材を前記保持部材に圧接させることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−91061(P2009−91061A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261031(P2007−261031)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】