画像形成装置
【課題】筐体内空間の有効活用を図りつつ、操作部の視認性と操作性とを高め得る画像形成装置を提供する。
【解決手段】操作部11は、操作面を上方へ向けて画像読取部6の高さ位置に配置される。操作部11は、操作する側の最大引き出し位置まで水平に引き出された後に、下方へ回動されて、表示/入力ユニット101を垂直に起立させる。これにより、正面側から表示/入力ユニット101の液晶表示部102を視認可能になるとともに、低い位置から表示/入力ユニット101を通じた設定及び操作が可能になる。操作部11を回動しつつスライドさせる場合に比較して、操作部11の引き出し経路下に湾曲面が無い筐体を採用でき、筐体内空間における機器収納効率が高まる。
【解決手段】操作部11は、操作面を上方へ向けて画像読取部6の高さ位置に配置される。操作部11は、操作する側の最大引き出し位置まで水平に引き出された後に、下方へ回動されて、表示/入力ユニット101を垂直に起立させる。これにより、正面側から表示/入力ユニット101の液晶表示部102を視認可能になるとともに、低い位置から表示/入力ユニット101を通じた設定及び操作が可能になる。操作部11を回動しつつスライドさせる場合に比較して、操作部11の引き出し経路下に湾曲面が無い筐体を採用でき、筐体内空間における機器収納効率が高まる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成部が収納された筐体に操作面を上向きにした操作部が配置された画像形成装置、詳しくは操作面を操作する側へ向けるように操作部を起立させる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成部(電子写真方式又はインクジェット方式)が収納された筐体の上部に画像読取部(フラットベッドスキャナ)を配置し、液晶画面を備えた操作部を、画像読取部の高さ位置に配置した画像形成装置が実用化されている。このような画像形成装置では、操作する側から画像読取部の読取面へ原稿を載置する際の邪魔にならないように、操作部の上向きの操作面は、読取面よりも低い位置に配置されている。
【0003】
しかし、背丈の高い画像形成装置の筐体の上面に操作面を上向きにした操作部が配置されている場合、小児や車椅子使用者にとって、液晶画面の表示画像を見ながら操作部に各種の設定を行ったり操作したりすることが容易ではない。このため、通常は操作面が上向きに配置されている操作部を、起立させて操作する側の低い位置から容易に操作できるようにした画像形成装置が実用化されている。
【0004】
特許文献1には、画像形成装置の筐体上面に配置された操作部を、正面側へスライドさせて引き出しつつ、筐体の湾曲に沿って下方へ回動させるようにした画像形成装置が示される。
【0005】
特許文献2には、筐体の上面に配置された操作部を、その位置で回動させて起立させるようにした画像形成装置が示される。
【0006】
【特許文献1】特開2006−26924号公報
【特許文献2】特開2007−98752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示されるスライド機構の場合、画像形成装置の筐体上面に湾曲面を配置する必要があるが、湾曲面の内側空間は、湾曲面が無い直方体空間に比較して無駄なスペースとなり易い。大きな操作部を水平状態から起立状態までスライドさせるためには大きな曲率半径の湾曲面、長大な湾曲スライド機構が必要となり、部品コストの増大や、筐体内空間の機器収納効率の低下を招いてしまう。
【0008】
特許文献2の回動機構の場合、起立した操作部が画像形成装置の筐体上面に突出するため、後方の画像読取装置の読取面へ原稿を載置し辛くなる。また、水平状態だった操作部が起立すると、操作面の上部は、水平状態のときよりも高くなるため、小児や車椅子使用者にとって便利とは言いがたい。
【0009】
本発明は、筐体内空間の有効活用を図りつつ、操作部の視認性と操作性とを共に高め得る画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部を操作するために、操作面を上向きにして前記画像形成部の上方に配置された操作部とを備えたものである。そして、前記操作部は、操作する側へ引き出した位置で前記操作面を操作する側へ向けるように回動可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置では、操作部が、正面側へ引き出した位置で初めて操作面を正面向きにするように回動されるため、回動する操作部に干渉しない位置まで、湾曲の無い筐体内空間を確保できる。このため、操作部の引き出し経路下の筐体内空間における機器収納効率が高まる。筐体の外観の制約が減る分、筐体設計の自由度が増して、軽量小型化や部品コストの削減余地が生まれる。
【0012】
また、操作部を正面側へ引き出した位置で回動して操作面を正面向きにするため、操作部の視認性と操作性とを共に高め得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、操作部が引き出された後に回動される限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
【0014】
従って、電子写真方式の画像形成装置に限らず、インクジェット方式の画像形成装置でも実施できる。中間転写ベルトを用いる画像形成装置に限らず、記録材搬送ベルトに担持された記録材へトナー像を転写する画像形成装置でも実施できる。ベルト部材に沿って複数の感光ドラムを配置したタンデム型のみならず1個の感光ドラムを配置した1ドラム型でも実施できる。
【0015】
本実施形態では、操作部の引き出し動作に係る部分を重点的に説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
【0016】
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
【0017】
<画像形成装置>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
【0018】
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置1は、中間転写ベルト12に沿って画像形成部PY、PM、PC、PKを配置したタンデム型のフルカラー複合機である。
【0019】
本体3に収納された画像形成部PYでは、イエロートナー像が形成されて、中間転写ベルト12に一次転写される。画像形成部PMでは、マゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト12のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部PC、PKでは、それぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に中間転写ベルト12のトナー像に位置を重ねて順次一次転写される。
【0020】
中間転写ベルト12に担持された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送され、中間転写ベルト12に重ねて二次転写部T2を挟持搬送される記録材Pへ一括二次転写される。二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、縦パス部4に収納された定着装置14で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に、排出ローラ15によって排紙トレイ5へ排出される。
【0021】
本体3の下部に、給紙カセット2が正面側へ引き出し可能に配置される。給紙カセット2から1枚ずつ引き出された記録材Pは、二次転写部T2の手前で待機し、中間転写ベルト12のトナー像にタイミングを合わせて、二次転写部T2へ送り出される。
【0022】
本体3の上方には、縦パス部4を介して画像読取部(フラットベッドスキャナ)6が配置される。画像読取部6は、読取面(ガラス板)に載置された原稿の下面の画像を光学的に読み取って画像データに変換するもので、自動原稿給送装置(ADF)7を持ち上げた状態で、読取面6aに原稿が載置される。自動原稿給送装置7は、原稿トレイ8に積載した束原稿から1枚ずつを分離して読取面を通過させて、画像読取部6に原稿を流し読みさせる。
【0023】
操作部11は、画像読取部6の高さ位置に操作面を上向きにして配置されているが、操作する正面側へ引き出して下方へ回動させることにより、破線で示す位置に操作面を正面向きにして起立可能である。
【0024】
操作部11の直下の縦パス部4には、排紙ローラ15を含む記録材Pの搬送機構、各種センサ、送風ファン等が収納されている。
【0025】
積載部の一例である排紙トレイ5は、本体3と画像読取部6との間に配置されて、本体3で画像形成された記録材Pを操作する正面側から取り出し可能に積載する。
【0026】
<実施例1>
図2は実施例1の画像形成装置の斜視図、図3は操作部の斜視図、図4は操作部を引き出した状態の斜視図、図5は操作部を下方へ回動した状態の斜視図である。
【0027】
図2に示すように、操作部11は、画像読取部6の読取面以下の高さ位置の一例である読取面6aよりも低い位置で画像読取部6よりも正面側に配置される。操作部11の下方には、排紙トレイ5の上流側の縦パス部4を覆って縦パス部カバー10が配設されている。
【0028】
自動読取モードにおいては、自動原稿給送装置7の原稿トレイ8上に原稿をセットする。
【0029】
手動読取モードにおいては、自動原稿給送装置7を後側へ回動させて上方へ開放することで、画像読取部6の読取面6aにアクスセス可能となる。読取面6aに原稿をセットする操作のアクセス性を妨げないよう、操作部11は、常に読取面6aより低い位置に最上部を位置させている。
【0030】
そして、自動原稿給送装置7の原稿トレイ8(又は画像読取部6の読取面6a)に原稿をセットした後、操作部11を通じて、白黒又はカラーの読取モードや、コピー出力サイズ、記録材の種類、コピー枚数等の情報を入力する。
【0031】
操作部11に入力された情報に基づいて、画像読取部6において原稿の画像情報が読み取られる。そして、給紙カセット2内又は開放した手差しトレイ9上に積載された記録材Pが給紙され、本体3で画像形成がされ、縦パス部4を経由して排紙トレイ5に排出して積載される。
【0032】
図3に示すように、操作部11の表示/入力ユニット101には、画像形成装置1の動作状態を示したり、後述するキー類の代用となるタッチパネル機能を設けた液晶表示部102が配置される。また、表示/入力ユニット101には、コピー動作やプリント動作を開始するためのスタートキー103、動作を中止するためのストップキー104、プリント枚数やFAX番号、電子メールアドレス等を入力する数字/アルファベットキー105等が配置される。
【0033】
図4に示すように、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201によって正面側へ水平に引き出し可能に支持されている。支持ユニット201は、本体(3:図2)に固定されていることから、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に対して前後方向に自在に移動可能である。表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に対して、後方へ押し込んだ収納位置と正面側へ引き出した最大引き出し位置との間を水平の前後方向に移動可能である。
【0034】
支持ユニット201には、表示/入力ユニット101を引き出した際の外観品位を向上するために、外装カバーと同一又は類似の外観色、表面処理が施された左カバー206と右カバー207とを取り付けてある。
【0035】
図5に示すように、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に沿って正面側へ水平に引き出した位置で、下方へ80度まで回動して、液晶表示部102を正面側へ向けるように起立可能である。表示/入力ユニット101は、最大引き出し位置において、支持ユニット201に対して垂直面内で回動させて、液晶表示部102の向きを0度〜80度の範囲で自在に角度設定可能である。
【0036】
従って、操作部11が高い位置に設置されていても、低身長もしくは車椅子使用者等、視線が低いユーザは、操作部11を手前に引き出した後、下方へ回動させることにより、液晶表示部102を見易く設定できる。表示/入力ユニット101をチルトして角度を変更すれば、液晶表示102の視認性及び操作部11の操作性が向上する。
【0037】
また、表示/入力ユニット101は、その最大引き出し位置において後方の頂点位置は原稿読取部6の読取面6a以下の位置を保つように、表示/入力ユニット101の正面側が下方に倒れるように回動する。このため、図2に示すように、操作部11の後方でかつ操作部11より高い位置にある画像読取部6の読取面6aへのアクセス性が確保できる。
【0038】
また、表示/入力ユニット101は、画像読取部6よりも正面側でかつ排紙トレイ5より右側へ配置されるため、表示/入力ユニット101をチルトさせても、排紙トレイ5へのアクセス性は確保可能である。排紙トレイ5へ積載された記録材Pを正面側へ取り出す際に表示/入力ユニット101が邪魔になる場合は、一時的に、表示/入力ユニット101を上方へ回動させておけばよい。
【0039】
また、表示/入力ユニット101の収納状態では、図2に示すように、操作部11の正面側の側面と縦パス部カバー10の正面側の側面が同一面上にあるので、外観品位が向上する。
【0040】
また、表示/入力ユニット101を収納位置から最大引き出し位置まで引き出す場合、表示/入力ユニット101の底面は、縦パス部カバー10よりも外側位置まで移動する。このため、最大引き出し位置において表示/入力ユニット101の角度を変更したときに、縦パス部カバー10と干渉することがなく、縦パス部カバー10内側の空間を有効に活用できる。
【0041】
<自在ヒンジ機構及びスライド機構>
図6は最大引き出し位置で表示/入力ユニットを取り外した状態の斜視図、図7はスライド機構の説明図、図8はフリーストップヒンジの取り付け状態の説明図、図9は操作部を下方から見た斜視図である。
【0042】
図2を参照して図5に示すように、支持ユニット201は、固定部材202によって画像読取部6及び本体3に固定されている。操作部11は、操作する側へ引き出した位置で、操作する側から排紙トレイ5を遮蔽するように回動可能である。
【0043】
表示/入力ユニット101の最大引き出し位置において、表示/入力ユニット101は、任意の傾き角度を設定可能である。表示/入力ユニット101は、前後方向に円滑に移動すると共に、最大引き出し位置において所定の傾き角度に支持されるので、操作性の向上が図られる。
【0044】
図5を参照して図6に示すように、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に沿って正面側へ引き出した状態で初めて、フリーストップヒンジ111によって下方へ回動可能となる。表示/入力ユニット101は、フリーストップヒンジ111によって支持されるので、傾き角度を任意に設定可能である。
【0045】
自在ヒンジ機構の一例であるフリーストップヒンジ111は、固定側部材の一例である固定部112に対して、回動側部材の一例である可動部113が、ヒンジ軸114の周りで回動可能である。フリーストップヒンジ111は、操作部11の奥側端部に配置された回動軸で操作部11を下方へ回動可能に支持して可動範囲の中間位置で保持可能である。
【0046】
フリーストップヒンジ111は、ヒンジ軸114の周りに配置したねじりバネによって表示/入力ユニット101の重量を相殺しつつ、内蔵した摩擦板によって任意の回動位置で停止して、表示/入力ユニット101を支持可能である。フリーストップヒンジ111の固定部112は、支持ユニット201に沿って引き出し方向へ移動可能に支持されたスライダ116に固定されている。
【0047】
図7に示すように、スライダ116の両端は、支持ユニット201に形成された溝203a、204aによって垂直方向に拘束されている。スライダ116の左右に2個ずつを回転自在に取り付けたレールコロ115は、支持ユニット201に形成された左レール203と右レール204とに倣って回転して、スライダ116を水平方向に拘束している。
【0048】
スライド機構の一例であるスライダ116は、支持ユニット201に形成された左レール203と右レール204とに案内されて前後方向へ円滑に移動可能である。表示/入力ユニット101を前後に移動する場合は、スライダ116に一体的に回転支持されたレールコロ115が左レール203と右レール204とに案内される。
【0049】
収納位置と最大引き出し位置に対応させてスライダ116の表面には突起が形成されている。このため、表示/入力ユニット101の収納位置と最大引き出し位置とでは、突起をレールコロ115が乗り越える際にクリック感が得られる。
【0050】
図8に示すように、フリーストップヒンジ111の固定部112がスライダ116に固定され、フリーストップヒンジ111の可動部113が表示/入力ユニット101の金属シャーシ117の下面に固定されている。金属シャーシ117の上面には、図3に示す液晶表示部102、スタートキー103、ストップキー104、アルファベットキー105等を搭載した回路基板が配置されている。
【0051】
スライダ116に固定されたストッパ119は、図6に示す支持ユニット201の床面の正面側に形成された不図示の突起に当接するように配置され、スライダ116が正面側へ抜け落ちることを回避している。
【0052】
図9に示すように、表示/入力ユニット101を支持ユニット201に対し最大引き出し位置まで移動したときの状態で、表示/入力ユニット101の正面側の下面に引き出し操作用の凹所が形成されている。
【0053】
表示/入力ユニット101には、その中央部底面に把手部121が一体的に形成され、支持ユニット201には、把手部121に対応する配置と形状で切り欠き部211が形成されている。
【0054】
図2に示す縦パス部カバー10は、操作部11の操作する側の側面に連続するように筐体面を形成してあるが、ここにも、把手部121の凹所へ向かう手指の進入経路となる窪みが形成されている。
【0055】
従って、図3に示すように、表示/入力ユニット101が支持ユニット201の収納位置に保持されている場合、図9に示す把手部121にアクセスすることで、表示/入力ユニット101を支持ユニット201から容易に引き出し可能である。また、表示/入力ユニット101の最大引き出し位置において、把手部121に手指を引っ掛けて表示/入力ユニット101の傾き角度を任意に変更できる。
【0056】
従って、操作部11が高い位置に設置されていても、低身長もしくは車椅子使用者等、視線が低いユーザであっても、把手部121が操作部11の底面に設けられているため、容易にスライド操作及びチルト操作が可能となる。
【0057】
<束線の余長部分の移動空間>
図10は束線の移動溝の説明図、図11は操作部の引き出しに伴う束線の移動の説明図である。
【0058】
図9に示すように、操作部11の引き出し経路を塞ぐように配置された支持ユニット201の底面には、束線131を貫通させるための細長い開口部205が形成される。支持ユニット201の開口部205の先端205aは、支持ユニット201の前側面201aより後方に位置し、支持ユニット201の前側面201aは、図2に示す縦パス部カバー10と同一面に位置する。縦パス部カバー10の内側の支持ユニット201下には、表示/入力ユニット101から垂れ下がった束線131の余長部分を収納する空間が確保されている。
【0059】
画像形成装置(1)の制御部と表示/入力ユニット101とを電気的に接続する束線131の一端は、支持ユニット201の下方で画像形成装置(1)の制御部に接続されている。束線131の他端は、支持ユニット201の開口部205を下から貫通して、表示/入力ユニット101の金属シャーシ114上に保持された不図示のプリント基板のコネクタに接続されている。
【0060】
表示/入力ユニット101が支持ユニット201に対して水平移動して、最大引き出し位置で回動して傾き角度を変更する過程で、束線131は、開口部205内を自在に移動する。このとき、束線131が開口部205の縁に摺擦すると損傷を受ける可能性がある。
【0061】
図10の(a)に示すように、そこで、開口部205には一対の繊維ブラシ221、222を配置して、図9に示す束線131を挟み込むようになっている。
【0062】
図10の(b)に示すように、繊維ブラシ221、222は、アルミ板221a、222aを二つ折りにして繊維束221b、222bを挟み込んで固定している。
【0063】
アルミ板221a、222aは、開口部205より外側に位置させて、開口部205の縁へ対称に固定されている。繊維束221b、222bは、図10の(a)に示すように、開口部205の中心線上で先端が重なり合うよう内側に向けて配置され、取り付け状態で先端を突き合わせて開口部205を塞ぐ。
【0064】
従って、表示/入力ユニット101の水平移動動作とチルト動作とにおいて、束線131が開口部205の縁に直接触れることなく、弾性体である繊維束221b、222bの先端に常に摺擦して移動する。このため、束線131が損傷して断線することがなく、誤ってユーザがステイプラ針、クリップ、アクセサリ等の小物類を落としても、開口部205の繊維束221b、222bが小物類の落下を防止する。このため、画像形成装置(1)の安全性確保が容易になる。
【0065】
図11の(a)に示すように、表示/入力ユニット101を支持ユニット201に対して収納したとき、束線131の余長部分は、支持ユニット201下へ大きく垂れ下がる。
【0066】
図11の(b)に示すように、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に対して最大引き出し位置まで水平移動し、最大引き出し位置では、回動して傾き角度を変更する。このため、束線131を固定することは不可能で、束線131にU字状の余長部分を持たせて、表示/入力ユニット101の水平移動、チルト動作を妨げないようにしている。
【0067】
表示/入力ユニット101を最大引き出し位置まで移動したとき、束線131の余長部分は、引き上げられて短くなるとともに正面側へ移動する。その後、表示/入力ユニット101が回動されると、束線131の余長部分は、さらに引き上げられて短くなる。つまり、図11の(a)に示す表示/入力ユニット101の収納状態における束線131の余長部分は、図11の(b)に示す表示/入力ユニット101の最大引き出し位置で所定の長さ分だけ吸収される。そして、最大引き出し位置で表示/入力ユニット101の角度を変更した場合に残りの余長部分が吸収されるように、束線131の長さが規定されている。
【0068】
従って、表示/入力ユニット101の水平移動動作とチルト動作とにおいて、束線131に十分な余長部分があることから、水平移動動作とチルト動作とが円滑に行われて操作性の向上が図られる。また、縦パス部カバー10の裏側で束線131の余長部分を配置したことで、画像形成装置(1)の外観品位の向上も図れる。
【0069】
<自在ヒンジ機構の保護カバー>
図12はフリーストップヒンジの保護カバーの説明図、図13はフリーストップヒンジの保護カバーの動作の説明図である。
【0070】
表示/入力ユニット101を支持ユニット201に対して収納したとき、図6に示すフリーストップヒンジ111は、表示/入力ユニット101の後方のカバーと、支持ユニット201の後方の起立部分とで二重に覆い隠されている。表示/入力ユニット101を最大引き出し位置まで水平移動したとき、フリーストップヒンジ111は、表示/入力ユニット101の後方のカバーで覆い隠されている。
【0071】
しかし、その後、表示/入力ユニット101を最大引き出し位置で下方へ30度以上回動して傾けると、フリーストップヒンジ111は、表示/入力ユニット101の後方のカバーの下縁からはみ出して外からアクセス可能になる。
【0072】
図12に示すように、そこで、表示/入力ユニット101の操作部後カバー151と重なるように樹脂製シート部材141を取り付けて、操作部後カバー151の下縁からはみ出したフリーストップヒンジ111を覆うようにしている。
【0073】
樹脂製シート部材141は、湾曲自在な柔軟な樹脂板の弾性部材で形成され、スライダ116とフリーストップヒンジ111の固定部112との間に下端を挟持して固定される。樹脂製シート部材141には、スリット142、143が形成され、表示/入力ユニット101の操作部後カバー151には、スリット142、143が貫通するようにツメ部152、153が形成されている。
【0074】
樹脂製シート部材141は、操作部11の操作する反対側からの異物侵入を阻止するようにフリーストップヒンジ111の可動部113を覆う。
【0075】
表示/入力ユニット101の回動に伴って、フリーストップヒンジ111の可動部113と一体に操作部後カバー151が上方へ回動する。このとき、樹脂製シート部材141の下端部はスライダ116に固定されているため、上方へ持ち上がる操作部後カバー151に代わって、フリーストップヒンジ111を覆い隠し続けて、後方からのアクセスを遮る。
【0076】
図13の(a)に示すように、表示/入力ユニット101が支持ユニット201に対して収納位置から最大引き出し位置まで往復動作する。このとき、図12に示すように、樹脂製シート部材141のスリット142、143に対し、操作部後カバー151のツメ部152、153は下方に位置する。樹脂製シート部材141は、操作部後カバー151に対して殆ど目視できない位置にあるが、高トルクで回動するフリーストップヒンジ111の周囲にユーザが誤って指を入れたりしても、樹脂製シート部材141がその侵入を阻止する。
【0077】
図13の(b)に示すように、表示/入力ユニット101が最大引き出し位置でチルト動作を行う。このとき、樹脂製シート部材141のスリット142、143に対して、操作部後カバー151のツメ部152、153は上方に位置しており、樹脂製シート部材141は、操作部後カバー151に対して目視可能となる。この場合も、チルト動作する以前と同様に、高トルクで回動するフリーストップヒンジ111の周囲にユーザが誤って指を入れたりしても、樹脂製シート部材141がその侵入を阻止する。
【0078】
さらに、フリーストップヒンジ111の幅に対し樹脂製シート部材141の幅を十分確保しているため、フリーストップヒンジ111の両サイドからユーザが指を入れようとしても樹脂製シート部材141がその侵入を阻止する。
【0079】
従って、表示/入力ユニット101の水平移動動作とチルト動作とにおいて、高トルクで回動するフリーストップヒンジ111に対し、ユーザが誤って指を入れようとしても、樹脂製シート部材141がその侵入を阻止する。これにより、ユーザの怪我を防止して画像形成装置(1)の安全性の確保がさらに容易になる。
【0080】
実施例1では、操作部11を収納位置から最大引き出し位置まで水平方向に移動するときには、操作部11の前側底面に設けられた把手部121を持てばよい。また、最大引き出し位置で操作部11を傾けて所望の角度とする場合、液晶表示部102を搭載した表示/入力ユニット101が傾倒して操作部11の前側が下方に位置するが、操作部11の後方の頂点位置は変わらない。
【0081】
従って、操作部11が高い位置に設置されていても、低身長もしくは車椅子使用者等、視線が低いユーザは、操作部11を手前に引き出した後、チルトして液晶表示部102の角度を変更すれば、操作部11の視認性の向上が図れる。
【0082】
また、操作部11の後方の頂点位置は変わらず、操作部11の表示部のみが傾倒することで、操作部11の後方でかつ操作部11より高い位置にある画像読取部6の読取面へのアクセス性が確保できる。
【0083】
また、操作部11を胴内排紙形態の画像形成装置(1)に搭載し、操作部11を排紙トレイ5から可能な限り離れて配置することで、排紙トレイ5へのアクセス性が確保可能である。
【0084】
<実施例2>
図14は実施例2における操作部の構成及び動作の説明図である。
【0085】
図14の(a)に示すように、操作部11は、水平移動部11fの先端側に表示/入力ユニット11eを回動可能に取り付けてある。水平移動部11fは、紙面と垂直方向に一対配置されたスライドガイド204eによって矢印R3方向へ引き出し可能である。水平移動部11fの後方部分及びスライドガイド204eは、蛇腹カバー141eに覆われて、外部から隠されている。
【0086】
図14の(b)に示すように、スライドガイド204eによって操作部11を引き出しても、水平移動部11fの後方部分及びスライドガイド204eは、蛇腹カバー141eに覆われ続けている。最大引き出し位置へ引き出すことで、表示/入力ユニット11eが回動可能となり、水平移動部11fに対する傾き角度を任意に設定可能となる。
【0087】
図14の(c)に示すように、水平移動部11fに対して回動部11eを90度下方へ回動させると、表示/入力ユニット11eを正面側から視認及び操作可能となる。の傾き角度を任意に設定可能となる。
【0088】
縦パス部カバー10は、破線のように湾曲面を形成する場合に比較して、内部の機器配置の自由度が高まり、駆動用のギア列を含めて排出ローラ15の配置が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
【図2】実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図3】操作部の斜視図である。
【図4】操作部を引き出した状態の斜視図である。
【図5】操作部を下方へ回動した状態の斜視図である。
【図6】最大引き出し位置で表示/入力ユニットを取り外した状態の斜視図である。
【図7】スライド機構の説明図である。
【図8】フリーストップヒンジの取り付け状態の説明図である。
【図9】操作部を下方から見た斜視図である。
【図10】束線の移動溝の説明図である。
【図11】操作部の引き出しに伴う束線の移動の説明図である。
【図12】フリーストップヒンジの保護カバーの説明図である。
【図13】フリーストップヒンジの保護カバーの動作の説明図である。
【図14】実施例2における操作部の構成及び動作の説明図である。
【符号の説明】
【0090】
1 画像形成装置
4 縦パス部
5 排紙トレイ
6 画像読取部
10 縦パス部カバー
11 操作部
101 表示/入力ユニット
111 フリーストップヒンジ(自在ヒンジ機構)
116 スライダ
121 把手部
131 束線
141 樹脂製シート部材
201 支持ユニット
221、222 繊維ブラシ
PY、PM、PC、PK 画像形成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成部が収納された筐体に操作面を上向きにした操作部が配置された画像形成装置、詳しくは操作面を操作する側へ向けるように操作部を起立させる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成部(電子写真方式又はインクジェット方式)が収納された筐体の上部に画像読取部(フラットベッドスキャナ)を配置し、液晶画面を備えた操作部を、画像読取部の高さ位置に配置した画像形成装置が実用化されている。このような画像形成装置では、操作する側から画像読取部の読取面へ原稿を載置する際の邪魔にならないように、操作部の上向きの操作面は、読取面よりも低い位置に配置されている。
【0003】
しかし、背丈の高い画像形成装置の筐体の上面に操作面を上向きにした操作部が配置されている場合、小児や車椅子使用者にとって、液晶画面の表示画像を見ながら操作部に各種の設定を行ったり操作したりすることが容易ではない。このため、通常は操作面が上向きに配置されている操作部を、起立させて操作する側の低い位置から容易に操作できるようにした画像形成装置が実用化されている。
【0004】
特許文献1には、画像形成装置の筐体上面に配置された操作部を、正面側へスライドさせて引き出しつつ、筐体の湾曲に沿って下方へ回動させるようにした画像形成装置が示される。
【0005】
特許文献2には、筐体の上面に配置された操作部を、その位置で回動させて起立させるようにした画像形成装置が示される。
【0006】
【特許文献1】特開2006−26924号公報
【特許文献2】特開2007−98752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示されるスライド機構の場合、画像形成装置の筐体上面に湾曲面を配置する必要があるが、湾曲面の内側空間は、湾曲面が無い直方体空間に比較して無駄なスペースとなり易い。大きな操作部を水平状態から起立状態までスライドさせるためには大きな曲率半径の湾曲面、長大な湾曲スライド機構が必要となり、部品コストの増大や、筐体内空間の機器収納効率の低下を招いてしまう。
【0008】
特許文献2の回動機構の場合、起立した操作部が画像形成装置の筐体上面に突出するため、後方の画像読取装置の読取面へ原稿を載置し辛くなる。また、水平状態だった操作部が起立すると、操作面の上部は、水平状態のときよりも高くなるため、小児や車椅子使用者にとって便利とは言いがたい。
【0009】
本発明は、筐体内空間の有効活用を図りつつ、操作部の視認性と操作性とを共に高め得る画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部を操作するために、操作面を上向きにして前記画像形成部の上方に配置された操作部とを備えたものである。そして、前記操作部は、操作する側へ引き出した位置で前記操作面を操作する側へ向けるように回動可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置では、操作部が、正面側へ引き出した位置で初めて操作面を正面向きにするように回動されるため、回動する操作部に干渉しない位置まで、湾曲の無い筐体内空間を確保できる。このため、操作部の引き出し経路下の筐体内空間における機器収納効率が高まる。筐体の外観の制約が減る分、筐体設計の自由度が増して、軽量小型化や部品コストの削減余地が生まれる。
【0012】
また、操作部を正面側へ引き出した位置で回動して操作面を正面向きにするため、操作部の視認性と操作性とを共に高め得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、操作部が引き出された後に回動される限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
【0014】
従って、電子写真方式の画像形成装置に限らず、インクジェット方式の画像形成装置でも実施できる。中間転写ベルトを用いる画像形成装置に限らず、記録材搬送ベルトに担持された記録材へトナー像を転写する画像形成装置でも実施できる。ベルト部材に沿って複数の感光ドラムを配置したタンデム型のみならず1個の感光ドラムを配置した1ドラム型でも実施できる。
【0015】
本実施形態では、操作部の引き出し動作に係る部分を重点的に説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
【0016】
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
【0017】
<画像形成装置>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
【0018】
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置1は、中間転写ベルト12に沿って画像形成部PY、PM、PC、PKを配置したタンデム型のフルカラー複合機である。
【0019】
本体3に収納された画像形成部PYでは、イエロートナー像が形成されて、中間転写ベルト12に一次転写される。画像形成部PMでは、マゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト12のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部PC、PKでは、それぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に中間転写ベルト12のトナー像に位置を重ねて順次一次転写される。
【0020】
中間転写ベルト12に担持された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送され、中間転写ベルト12に重ねて二次転写部T2を挟持搬送される記録材Pへ一括二次転写される。二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、縦パス部4に収納された定着装置14で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に、排出ローラ15によって排紙トレイ5へ排出される。
【0021】
本体3の下部に、給紙カセット2が正面側へ引き出し可能に配置される。給紙カセット2から1枚ずつ引き出された記録材Pは、二次転写部T2の手前で待機し、中間転写ベルト12のトナー像にタイミングを合わせて、二次転写部T2へ送り出される。
【0022】
本体3の上方には、縦パス部4を介して画像読取部(フラットベッドスキャナ)6が配置される。画像読取部6は、読取面(ガラス板)に載置された原稿の下面の画像を光学的に読み取って画像データに変換するもので、自動原稿給送装置(ADF)7を持ち上げた状態で、読取面6aに原稿が載置される。自動原稿給送装置7は、原稿トレイ8に積載した束原稿から1枚ずつを分離して読取面を通過させて、画像読取部6に原稿を流し読みさせる。
【0023】
操作部11は、画像読取部6の高さ位置に操作面を上向きにして配置されているが、操作する正面側へ引き出して下方へ回動させることにより、破線で示す位置に操作面を正面向きにして起立可能である。
【0024】
操作部11の直下の縦パス部4には、排紙ローラ15を含む記録材Pの搬送機構、各種センサ、送風ファン等が収納されている。
【0025】
積載部の一例である排紙トレイ5は、本体3と画像読取部6との間に配置されて、本体3で画像形成された記録材Pを操作する正面側から取り出し可能に積載する。
【0026】
<実施例1>
図2は実施例1の画像形成装置の斜視図、図3は操作部の斜視図、図4は操作部を引き出した状態の斜視図、図5は操作部を下方へ回動した状態の斜視図である。
【0027】
図2に示すように、操作部11は、画像読取部6の読取面以下の高さ位置の一例である読取面6aよりも低い位置で画像読取部6よりも正面側に配置される。操作部11の下方には、排紙トレイ5の上流側の縦パス部4を覆って縦パス部カバー10が配設されている。
【0028】
自動読取モードにおいては、自動原稿給送装置7の原稿トレイ8上に原稿をセットする。
【0029】
手動読取モードにおいては、自動原稿給送装置7を後側へ回動させて上方へ開放することで、画像読取部6の読取面6aにアクスセス可能となる。読取面6aに原稿をセットする操作のアクセス性を妨げないよう、操作部11は、常に読取面6aより低い位置に最上部を位置させている。
【0030】
そして、自動原稿給送装置7の原稿トレイ8(又は画像読取部6の読取面6a)に原稿をセットした後、操作部11を通じて、白黒又はカラーの読取モードや、コピー出力サイズ、記録材の種類、コピー枚数等の情報を入力する。
【0031】
操作部11に入力された情報に基づいて、画像読取部6において原稿の画像情報が読み取られる。そして、給紙カセット2内又は開放した手差しトレイ9上に積載された記録材Pが給紙され、本体3で画像形成がされ、縦パス部4を経由して排紙トレイ5に排出して積載される。
【0032】
図3に示すように、操作部11の表示/入力ユニット101には、画像形成装置1の動作状態を示したり、後述するキー類の代用となるタッチパネル機能を設けた液晶表示部102が配置される。また、表示/入力ユニット101には、コピー動作やプリント動作を開始するためのスタートキー103、動作を中止するためのストップキー104、プリント枚数やFAX番号、電子メールアドレス等を入力する数字/アルファベットキー105等が配置される。
【0033】
図4に示すように、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201によって正面側へ水平に引き出し可能に支持されている。支持ユニット201は、本体(3:図2)に固定されていることから、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に対して前後方向に自在に移動可能である。表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に対して、後方へ押し込んだ収納位置と正面側へ引き出した最大引き出し位置との間を水平の前後方向に移動可能である。
【0034】
支持ユニット201には、表示/入力ユニット101を引き出した際の外観品位を向上するために、外装カバーと同一又は類似の外観色、表面処理が施された左カバー206と右カバー207とを取り付けてある。
【0035】
図5に示すように、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に沿って正面側へ水平に引き出した位置で、下方へ80度まで回動して、液晶表示部102を正面側へ向けるように起立可能である。表示/入力ユニット101は、最大引き出し位置において、支持ユニット201に対して垂直面内で回動させて、液晶表示部102の向きを0度〜80度の範囲で自在に角度設定可能である。
【0036】
従って、操作部11が高い位置に設置されていても、低身長もしくは車椅子使用者等、視線が低いユーザは、操作部11を手前に引き出した後、下方へ回動させることにより、液晶表示部102を見易く設定できる。表示/入力ユニット101をチルトして角度を変更すれば、液晶表示102の視認性及び操作部11の操作性が向上する。
【0037】
また、表示/入力ユニット101は、その最大引き出し位置において後方の頂点位置は原稿読取部6の読取面6a以下の位置を保つように、表示/入力ユニット101の正面側が下方に倒れるように回動する。このため、図2に示すように、操作部11の後方でかつ操作部11より高い位置にある画像読取部6の読取面6aへのアクセス性が確保できる。
【0038】
また、表示/入力ユニット101は、画像読取部6よりも正面側でかつ排紙トレイ5より右側へ配置されるため、表示/入力ユニット101をチルトさせても、排紙トレイ5へのアクセス性は確保可能である。排紙トレイ5へ積載された記録材Pを正面側へ取り出す際に表示/入力ユニット101が邪魔になる場合は、一時的に、表示/入力ユニット101を上方へ回動させておけばよい。
【0039】
また、表示/入力ユニット101の収納状態では、図2に示すように、操作部11の正面側の側面と縦パス部カバー10の正面側の側面が同一面上にあるので、外観品位が向上する。
【0040】
また、表示/入力ユニット101を収納位置から最大引き出し位置まで引き出す場合、表示/入力ユニット101の底面は、縦パス部カバー10よりも外側位置まで移動する。このため、最大引き出し位置において表示/入力ユニット101の角度を変更したときに、縦パス部カバー10と干渉することがなく、縦パス部カバー10内側の空間を有効に活用できる。
【0041】
<自在ヒンジ機構及びスライド機構>
図6は最大引き出し位置で表示/入力ユニットを取り外した状態の斜視図、図7はスライド機構の説明図、図8はフリーストップヒンジの取り付け状態の説明図、図9は操作部を下方から見た斜視図である。
【0042】
図2を参照して図5に示すように、支持ユニット201は、固定部材202によって画像読取部6及び本体3に固定されている。操作部11は、操作する側へ引き出した位置で、操作する側から排紙トレイ5を遮蔽するように回動可能である。
【0043】
表示/入力ユニット101の最大引き出し位置において、表示/入力ユニット101は、任意の傾き角度を設定可能である。表示/入力ユニット101は、前後方向に円滑に移動すると共に、最大引き出し位置において所定の傾き角度に支持されるので、操作性の向上が図られる。
【0044】
図5を参照して図6に示すように、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に沿って正面側へ引き出した状態で初めて、フリーストップヒンジ111によって下方へ回動可能となる。表示/入力ユニット101は、フリーストップヒンジ111によって支持されるので、傾き角度を任意に設定可能である。
【0045】
自在ヒンジ機構の一例であるフリーストップヒンジ111は、固定側部材の一例である固定部112に対して、回動側部材の一例である可動部113が、ヒンジ軸114の周りで回動可能である。フリーストップヒンジ111は、操作部11の奥側端部に配置された回動軸で操作部11を下方へ回動可能に支持して可動範囲の中間位置で保持可能である。
【0046】
フリーストップヒンジ111は、ヒンジ軸114の周りに配置したねじりバネによって表示/入力ユニット101の重量を相殺しつつ、内蔵した摩擦板によって任意の回動位置で停止して、表示/入力ユニット101を支持可能である。フリーストップヒンジ111の固定部112は、支持ユニット201に沿って引き出し方向へ移動可能に支持されたスライダ116に固定されている。
【0047】
図7に示すように、スライダ116の両端は、支持ユニット201に形成された溝203a、204aによって垂直方向に拘束されている。スライダ116の左右に2個ずつを回転自在に取り付けたレールコロ115は、支持ユニット201に形成された左レール203と右レール204とに倣って回転して、スライダ116を水平方向に拘束している。
【0048】
スライド機構の一例であるスライダ116は、支持ユニット201に形成された左レール203と右レール204とに案内されて前後方向へ円滑に移動可能である。表示/入力ユニット101を前後に移動する場合は、スライダ116に一体的に回転支持されたレールコロ115が左レール203と右レール204とに案内される。
【0049】
収納位置と最大引き出し位置に対応させてスライダ116の表面には突起が形成されている。このため、表示/入力ユニット101の収納位置と最大引き出し位置とでは、突起をレールコロ115が乗り越える際にクリック感が得られる。
【0050】
図8に示すように、フリーストップヒンジ111の固定部112がスライダ116に固定され、フリーストップヒンジ111の可動部113が表示/入力ユニット101の金属シャーシ117の下面に固定されている。金属シャーシ117の上面には、図3に示す液晶表示部102、スタートキー103、ストップキー104、アルファベットキー105等を搭載した回路基板が配置されている。
【0051】
スライダ116に固定されたストッパ119は、図6に示す支持ユニット201の床面の正面側に形成された不図示の突起に当接するように配置され、スライダ116が正面側へ抜け落ちることを回避している。
【0052】
図9に示すように、表示/入力ユニット101を支持ユニット201に対し最大引き出し位置まで移動したときの状態で、表示/入力ユニット101の正面側の下面に引き出し操作用の凹所が形成されている。
【0053】
表示/入力ユニット101には、その中央部底面に把手部121が一体的に形成され、支持ユニット201には、把手部121に対応する配置と形状で切り欠き部211が形成されている。
【0054】
図2に示す縦パス部カバー10は、操作部11の操作する側の側面に連続するように筐体面を形成してあるが、ここにも、把手部121の凹所へ向かう手指の進入経路となる窪みが形成されている。
【0055】
従って、図3に示すように、表示/入力ユニット101が支持ユニット201の収納位置に保持されている場合、図9に示す把手部121にアクセスすることで、表示/入力ユニット101を支持ユニット201から容易に引き出し可能である。また、表示/入力ユニット101の最大引き出し位置において、把手部121に手指を引っ掛けて表示/入力ユニット101の傾き角度を任意に変更できる。
【0056】
従って、操作部11が高い位置に設置されていても、低身長もしくは車椅子使用者等、視線が低いユーザであっても、把手部121が操作部11の底面に設けられているため、容易にスライド操作及びチルト操作が可能となる。
【0057】
<束線の余長部分の移動空間>
図10は束線の移動溝の説明図、図11は操作部の引き出しに伴う束線の移動の説明図である。
【0058】
図9に示すように、操作部11の引き出し経路を塞ぐように配置された支持ユニット201の底面には、束線131を貫通させるための細長い開口部205が形成される。支持ユニット201の開口部205の先端205aは、支持ユニット201の前側面201aより後方に位置し、支持ユニット201の前側面201aは、図2に示す縦パス部カバー10と同一面に位置する。縦パス部カバー10の内側の支持ユニット201下には、表示/入力ユニット101から垂れ下がった束線131の余長部分を収納する空間が確保されている。
【0059】
画像形成装置(1)の制御部と表示/入力ユニット101とを電気的に接続する束線131の一端は、支持ユニット201の下方で画像形成装置(1)の制御部に接続されている。束線131の他端は、支持ユニット201の開口部205を下から貫通して、表示/入力ユニット101の金属シャーシ114上に保持された不図示のプリント基板のコネクタに接続されている。
【0060】
表示/入力ユニット101が支持ユニット201に対して水平移動して、最大引き出し位置で回動して傾き角度を変更する過程で、束線131は、開口部205内を自在に移動する。このとき、束線131が開口部205の縁に摺擦すると損傷を受ける可能性がある。
【0061】
図10の(a)に示すように、そこで、開口部205には一対の繊維ブラシ221、222を配置して、図9に示す束線131を挟み込むようになっている。
【0062】
図10の(b)に示すように、繊維ブラシ221、222は、アルミ板221a、222aを二つ折りにして繊維束221b、222bを挟み込んで固定している。
【0063】
アルミ板221a、222aは、開口部205より外側に位置させて、開口部205の縁へ対称に固定されている。繊維束221b、222bは、図10の(a)に示すように、開口部205の中心線上で先端が重なり合うよう内側に向けて配置され、取り付け状態で先端を突き合わせて開口部205を塞ぐ。
【0064】
従って、表示/入力ユニット101の水平移動動作とチルト動作とにおいて、束線131が開口部205の縁に直接触れることなく、弾性体である繊維束221b、222bの先端に常に摺擦して移動する。このため、束線131が損傷して断線することがなく、誤ってユーザがステイプラ針、クリップ、アクセサリ等の小物類を落としても、開口部205の繊維束221b、222bが小物類の落下を防止する。このため、画像形成装置(1)の安全性確保が容易になる。
【0065】
図11の(a)に示すように、表示/入力ユニット101を支持ユニット201に対して収納したとき、束線131の余長部分は、支持ユニット201下へ大きく垂れ下がる。
【0066】
図11の(b)に示すように、表示/入力ユニット101は、支持ユニット201に対して最大引き出し位置まで水平移動し、最大引き出し位置では、回動して傾き角度を変更する。このため、束線131を固定することは不可能で、束線131にU字状の余長部分を持たせて、表示/入力ユニット101の水平移動、チルト動作を妨げないようにしている。
【0067】
表示/入力ユニット101を最大引き出し位置まで移動したとき、束線131の余長部分は、引き上げられて短くなるとともに正面側へ移動する。その後、表示/入力ユニット101が回動されると、束線131の余長部分は、さらに引き上げられて短くなる。つまり、図11の(a)に示す表示/入力ユニット101の収納状態における束線131の余長部分は、図11の(b)に示す表示/入力ユニット101の最大引き出し位置で所定の長さ分だけ吸収される。そして、最大引き出し位置で表示/入力ユニット101の角度を変更した場合に残りの余長部分が吸収されるように、束線131の長さが規定されている。
【0068】
従って、表示/入力ユニット101の水平移動動作とチルト動作とにおいて、束線131に十分な余長部分があることから、水平移動動作とチルト動作とが円滑に行われて操作性の向上が図られる。また、縦パス部カバー10の裏側で束線131の余長部分を配置したことで、画像形成装置(1)の外観品位の向上も図れる。
【0069】
<自在ヒンジ機構の保護カバー>
図12はフリーストップヒンジの保護カバーの説明図、図13はフリーストップヒンジの保護カバーの動作の説明図である。
【0070】
表示/入力ユニット101を支持ユニット201に対して収納したとき、図6に示すフリーストップヒンジ111は、表示/入力ユニット101の後方のカバーと、支持ユニット201の後方の起立部分とで二重に覆い隠されている。表示/入力ユニット101を最大引き出し位置まで水平移動したとき、フリーストップヒンジ111は、表示/入力ユニット101の後方のカバーで覆い隠されている。
【0071】
しかし、その後、表示/入力ユニット101を最大引き出し位置で下方へ30度以上回動して傾けると、フリーストップヒンジ111は、表示/入力ユニット101の後方のカバーの下縁からはみ出して外からアクセス可能になる。
【0072】
図12に示すように、そこで、表示/入力ユニット101の操作部後カバー151と重なるように樹脂製シート部材141を取り付けて、操作部後カバー151の下縁からはみ出したフリーストップヒンジ111を覆うようにしている。
【0073】
樹脂製シート部材141は、湾曲自在な柔軟な樹脂板の弾性部材で形成され、スライダ116とフリーストップヒンジ111の固定部112との間に下端を挟持して固定される。樹脂製シート部材141には、スリット142、143が形成され、表示/入力ユニット101の操作部後カバー151には、スリット142、143が貫通するようにツメ部152、153が形成されている。
【0074】
樹脂製シート部材141は、操作部11の操作する反対側からの異物侵入を阻止するようにフリーストップヒンジ111の可動部113を覆う。
【0075】
表示/入力ユニット101の回動に伴って、フリーストップヒンジ111の可動部113と一体に操作部後カバー151が上方へ回動する。このとき、樹脂製シート部材141の下端部はスライダ116に固定されているため、上方へ持ち上がる操作部後カバー151に代わって、フリーストップヒンジ111を覆い隠し続けて、後方からのアクセスを遮る。
【0076】
図13の(a)に示すように、表示/入力ユニット101が支持ユニット201に対して収納位置から最大引き出し位置まで往復動作する。このとき、図12に示すように、樹脂製シート部材141のスリット142、143に対し、操作部後カバー151のツメ部152、153は下方に位置する。樹脂製シート部材141は、操作部後カバー151に対して殆ど目視できない位置にあるが、高トルクで回動するフリーストップヒンジ111の周囲にユーザが誤って指を入れたりしても、樹脂製シート部材141がその侵入を阻止する。
【0077】
図13の(b)に示すように、表示/入力ユニット101が最大引き出し位置でチルト動作を行う。このとき、樹脂製シート部材141のスリット142、143に対して、操作部後カバー151のツメ部152、153は上方に位置しており、樹脂製シート部材141は、操作部後カバー151に対して目視可能となる。この場合も、チルト動作する以前と同様に、高トルクで回動するフリーストップヒンジ111の周囲にユーザが誤って指を入れたりしても、樹脂製シート部材141がその侵入を阻止する。
【0078】
さらに、フリーストップヒンジ111の幅に対し樹脂製シート部材141の幅を十分確保しているため、フリーストップヒンジ111の両サイドからユーザが指を入れようとしても樹脂製シート部材141がその侵入を阻止する。
【0079】
従って、表示/入力ユニット101の水平移動動作とチルト動作とにおいて、高トルクで回動するフリーストップヒンジ111に対し、ユーザが誤って指を入れようとしても、樹脂製シート部材141がその侵入を阻止する。これにより、ユーザの怪我を防止して画像形成装置(1)の安全性の確保がさらに容易になる。
【0080】
実施例1では、操作部11を収納位置から最大引き出し位置まで水平方向に移動するときには、操作部11の前側底面に設けられた把手部121を持てばよい。また、最大引き出し位置で操作部11を傾けて所望の角度とする場合、液晶表示部102を搭載した表示/入力ユニット101が傾倒して操作部11の前側が下方に位置するが、操作部11の後方の頂点位置は変わらない。
【0081】
従って、操作部11が高い位置に設置されていても、低身長もしくは車椅子使用者等、視線が低いユーザは、操作部11を手前に引き出した後、チルトして液晶表示部102の角度を変更すれば、操作部11の視認性の向上が図れる。
【0082】
また、操作部11の後方の頂点位置は変わらず、操作部11の表示部のみが傾倒することで、操作部11の後方でかつ操作部11より高い位置にある画像読取部6の読取面へのアクセス性が確保できる。
【0083】
また、操作部11を胴内排紙形態の画像形成装置(1)に搭載し、操作部11を排紙トレイ5から可能な限り離れて配置することで、排紙トレイ5へのアクセス性が確保可能である。
【0084】
<実施例2>
図14は実施例2における操作部の構成及び動作の説明図である。
【0085】
図14の(a)に示すように、操作部11は、水平移動部11fの先端側に表示/入力ユニット11eを回動可能に取り付けてある。水平移動部11fは、紙面と垂直方向に一対配置されたスライドガイド204eによって矢印R3方向へ引き出し可能である。水平移動部11fの後方部分及びスライドガイド204eは、蛇腹カバー141eに覆われて、外部から隠されている。
【0086】
図14の(b)に示すように、スライドガイド204eによって操作部11を引き出しても、水平移動部11fの後方部分及びスライドガイド204eは、蛇腹カバー141eに覆われ続けている。最大引き出し位置へ引き出すことで、表示/入力ユニット11eが回動可能となり、水平移動部11fに対する傾き角度を任意に設定可能となる。
【0087】
図14の(c)に示すように、水平移動部11fに対して回動部11eを90度下方へ回動させると、表示/入力ユニット11eを正面側から視認及び操作可能となる。の傾き角度を任意に設定可能となる。
【0088】
縦パス部カバー10は、破線のように湾曲面を形成する場合に比較して、内部の機器配置の自由度が高まり、駆動用のギア列を含めて排出ローラ15の配置が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
【図2】実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図3】操作部の斜視図である。
【図4】操作部を引き出した状態の斜視図である。
【図5】操作部を下方へ回動した状態の斜視図である。
【図6】最大引き出し位置で表示/入力ユニットを取り外した状態の斜視図である。
【図7】スライド機構の説明図である。
【図8】フリーストップヒンジの取り付け状態の説明図である。
【図9】操作部を下方から見た斜視図である。
【図10】束線の移動溝の説明図である。
【図11】操作部の引き出しに伴う束線の移動の説明図である。
【図12】フリーストップヒンジの保護カバーの説明図である。
【図13】フリーストップヒンジの保護カバーの動作の説明図である。
【図14】実施例2における操作部の構成及び動作の説明図である。
【符号の説明】
【0090】
1 画像形成装置
4 縦パス部
5 排紙トレイ
6 画像読取部
10 縦パス部カバー
11 操作部
101 表示/入力ユニット
111 フリーストップヒンジ(自在ヒンジ機構)
116 スライダ
121 把手部
131 束線
141 樹脂製シート部材
201 支持ユニット
221、222 繊維ブラシ
PY、PM、PC、PK 画像形成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を操作するために操作面を上向きにして前記画像形成部の上方に配置された操作部と、を備えた画像形成装置において、
前記操作部は、操作する側へ引き出した位置で前記操作面を操作する側へ向けるように回動可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
読取面に載置された原稿の画像を読み込むために前記画像形成部の上方に配置された画像読取部を備え、
前記操作部は、前記読取面以下の高さ位置に配置され、かつ操作する側へ引き出した位置で前記読取面以下の位置を保つように回動可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部で画像形成された記録材を操作する側から取り出し可能に積載するために前記画像形成部と前記画像読取部との間に配置された積載部を備え、
前記操作部は、操作する側へ引き出した位置で操作する側から前記積載部を遮蔽するように回動可能であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作部の奥側端部に配置された回動軸で前記操作部を下方へ回動可能に支持して可動範囲の中間位置で保持可能な自在ヒンジ機構と、
前記自在ヒンジ機構の固定側部材を操作する側へ引き出し可能に支持するスライド機構と、を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作部の操作する側の下面に引き出し操作用の凹所が形成され、
前記操作部の操作する側の側面に連続するように配置された前記画像形成部の筐体面に、前記凹所へ向かう手指の進入経路となる窪みが形成されていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部の筐体面の内側に、前記操作部に一端が接続されて下方へ垂れ下がる束線の余長部分の移動空間が形成され、
前記操作部の引き出し経路を塞ぐように配置された前記画像形成部の筐体面には、引き出し方向に移動可能に前記束線を貫通させる細長い開口部が形成されることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記自在ヒンジ機構の固定側部材に下端が固定されて、前記操作部の操作する反対側からの異物侵入を阻止するように前記自在ヒンジ機構の回動側部材を覆う柔軟な樹脂板を有することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を操作するために操作面を上向きにして前記画像形成部の上方に配置された操作部と、を備えた画像形成装置において、
前記操作部は、操作する側へ引き出した位置で前記操作面を操作する側へ向けるように回動可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
読取面に載置された原稿の画像を読み込むために前記画像形成部の上方に配置された画像読取部を備え、
前記操作部は、前記読取面以下の高さ位置に配置され、かつ操作する側へ引き出した位置で前記読取面以下の位置を保つように回動可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部で画像形成された記録材を操作する側から取り出し可能に積載するために前記画像形成部と前記画像読取部との間に配置された積載部を備え、
前記操作部は、操作する側へ引き出した位置で操作する側から前記積載部を遮蔽するように回動可能であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作部の奥側端部に配置された回動軸で前記操作部を下方へ回動可能に支持して可動範囲の中間位置で保持可能な自在ヒンジ機構と、
前記自在ヒンジ機構の固定側部材を操作する側へ引き出し可能に支持するスライド機構と、を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作部の操作する側の下面に引き出し操作用の凹所が形成され、
前記操作部の操作する側の側面に連続するように配置された前記画像形成部の筐体面に、前記凹所へ向かう手指の進入経路となる窪みが形成されていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部の筐体面の内側に、前記操作部に一端が接続されて下方へ垂れ下がる束線の余長部分の移動空間が形成され、
前記操作部の引き出し経路を塞ぐように配置された前記画像形成部の筐体面には、引き出し方向に移動可能に前記束線を貫通させる細長い開口部が形成されることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記自在ヒンジ機構の固定側部材に下端が固定されて、前記操作部の操作する反対側からの異物侵入を阻止するように前記自在ヒンジ機構の回動側部材を覆う柔軟な樹脂板を有することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−102143(P2010−102143A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273814(P2008−273814)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]