説明

画像形成装置

【課題】後処理の機能設定において、煩雑な操作を不要にできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】デジタル複合機100は、原稿がセットされたことを検知する原稿載置検知部51と、原稿を読取る原稿読取部50と、原稿読取部50によって読み出された画像データを記録用紙上に画像形成するデジタル複合機本体10と、画像形成された記録用紙への綴じ穴開け機能または複数の記録用紙綴じ機能を有する後処理部70と、原稿載置検知部51に原稿がセットされたことが検知された場合に、起動され、後処理部70の機能を選択するまたは後処理部70を使用しないことを選択する表示を行う操作表示部40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、FAX、プリンタ機能等を有する画像形成装置に関する後処理機能の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複数枚の原稿から多数部のコピーを作成するとき、コピー後の用紙を一部ずつ丁合い、綴じ、折り、穴あけなど一連の後処理作業を自動的に処理する装置であるフィニッシャが広く利用されている。
【0003】
このようなフィニッシャは、印刷処理を行った用紙に対し、パンチやステープルといった処理を行うことで、印刷後の文書に対する手間を軽減することが目的となっている。フィニッシャの性能向上に伴い、単なる作業の軽減という観点から、通常のステーショナリーで行えるステープル、パンチ以上の、フィニッシャでしか行えないような用紙位置や、厚さに対する処理が可能になってきている。また、フィニッシャにより後処理を行うためには表示部にて後処理機能画面を選択し、後処理機能を選ぶことによって後処理の設定を行っている。従来のMFP(Multi Function Peripherals)において複数の部数をコピーする場合、自動原稿送り装置に原稿をセットし、操作パネル上で、部数セットもしくは後処理設定モードキーを選択し、モード設定を行い、コピー処理を実行している。
【特許文献1】特開2006-352205号公報
【特許文献2】特開平11-143301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ユーザーが他の画像処理装置において利用した機能の履歴を使用し、所定の条件を満たしていると判断した場合に、所定の条件に対応した組合せの機能設定を実現させるための設定を表示させることが開示されている。
しかし、ユーザー認証や他の画処理装置とネットワークで接続されていなければならないなど、使用環境の実現が困難であった。また、印刷を行うたびに毎回の設定操作を行わなければならないため、ユーザーにとって、ユーザー認証の複雑な操作が非常に煩わしく、また操作時間も必要とした。
すなわち、従来技術では、後処理の機能設定において、煩雑な操作が必要となるという課題があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、後処理の機能設定において、煩雑な操作を不要にできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのような課題を解決するために請求項1に係る本発明の画像形成装置は、原稿がセットされたことを検知する原稿載置検知部と、原稿を読取る原稿読取部と、前記原稿読取部によって読み出された画像データを記録用紙上に画像形成する画像形成部と、画像形成された記録用紙への綴じ穴開け機能または複数の記録用紙綴じ機能を有する後処理部と、前記原稿載置検知部に原稿がセットされたことが検知された場合に、起動され、前記後処理部の機能を選択するまたは後処理部を使用しないことを選択する表示を行う表示部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、原稿載置検知部に原稿がセットされたことが検知された場合に、後処理部の機能を選択するまたは後処理部を使用しないことを選択する表示を行うので、後処理の機能設定において、煩雑な操作を不要にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機100を示す斜視図である。図1に示されるように、デジタル複合機100は、複写機能、FAX機能、およびプリンタ機能等を有するデジタル複合機本体10(画像形成部)と、給紙カセット20と、操作部30と、操作表示部40と、原稿読取部50、原稿載置検知部51、および原稿サイズ検知部52および後処理部70を少なくとも備えている。
給紙カセット20は、デジタル複合機本体10へ供給すべき記録用紙を収納している。
【0008】
操作部30には、ユーザーにより指示が入力される。
【0009】
操作表示部40は、タッチパネル等からなり、ユーザーへ伝えるべき情報が表示されるとともに、ユーザーにより指示が入力される。
【0010】
原稿載置検知部51は、原稿により移動されるアクチュエーター(図示しない)を有し、このアクチュエーターにより、原稿がセットされたことを検知する。
【0011】
原稿サイズ検知部52は、原稿載置検知部51のアクチュエーターより上流側に位置し、原稿載置検知部51に原稿がセットされたことを検知された場合に、原稿のサイズを検知する。すなわち、デジタル複合機100においては、サイズの異なる複数種類の記録用紙を、それぞれの給紙カセット20に収容して装着し、原稿サイズ検知部52により検知された原稿のサイズや、縮倍率等の情報に応じて、任意の用紙サイズのものを選択するようにしている。
【0012】
原稿読取部50は、原稿を読み取る。
【0013】
デジタル複合機本体10は、原稿読取部50によって読み出された画像データを記録用紙上に画像形成する。
【0014】
後処理部70は、デジタル複合機本体10に連結されており、デジタル複合機本体10によって画像形成された記録用紙への綴じ穴(パンチ穴)開け機能および複数の記録用紙綴じ機能(ステープル機能)を有している。
【0015】
図2は、デジタル複合機100の原稿サイズ検知部52の詳細を表す斜視図である。図2に示されるように、原稿サイズ検知部52は、原稿サイズ検知センサ53を有しており、原稿サイズ検知センサ53が通電状態にあるか否かの組み合わせによって原稿のサイズを検出することができる。
図3〜5は、一般的なデジタル複合機の操作表示部の設定画面を示す図である。一般的なデジタル複合機は、一部の機能を停止させることで消費電力を低減する省電力モードを設定する省電力設定部と、省電力モードから通常モードへ復帰させる省電力復帰部とを少なくとも備えている。そして、原稿載置検知部に原稿がセットされたことが検知された場合等には、省電力復帰部により省電力モードから通常モードへ復帰し、操作表示部が起動され、図3に示されるように、基本設定画面が表示される。図3の基本設定画面において、ユーザーが、ユーザー機能を選択するタブにタッチすると、図4に示されるように、ユーザー機能設定画面が表示される。図4のユーザー機能設定画面において、ユーザーが、後処理を選択するタブにタッチユーザー、図5に示されるように、後処理設定画面が表示される。ユーザーは、この後処理設定画面を操作することにより、後処理部70の機能を選択するまたは後処理部70を使用しないことを選択することができる。なお、図4においては、“ソート/仕分け”タブが示されているが、ソートや仕分けに限らず、パンチ穴開けやステープルに関する設定を行うタブであってもよい。
従って、一般的なデジタル複合機においては、後処理設定画面を表示するために、ユーザーが操作表示部のタブを複数回操作する必要があるので、後処理の機能設定において、煩雑な操作が必要となる。
【0016】
一方、本実施形態に係るデジタル複合機100は、原稿載置検知部51に原稿がセットされたことが検知された場合には、操作表示部40が、起動され、図3の基本設定画面および図4のユーザー機能設定画面を表示することなく図5の後処理設定画面を表示する。従って、後処理設定画面を表示するために、ユーザーが操作表示部40のタブを複数回操作する必要がないので、煩雑な操作を不要にできるという効果を奏する。
なお、上述においては、省電力モードから通常モードへ復帰した場合を例にとり説明したが、これに限らず、電源が立ち上げられた場合等であってもよい。
また、上述においては、原稿載置検知部51が、原稿により移動されるアクチュエーターを用いて検知を行う場合について説明したが、アクチュエーターに限らず、他の手段を用いて検知を行ってもよい。
また、上述においては、原稿載置検知部51に原稿がセットされたことが検知された後、引き続き、後処理設定画面を表示する場合について説明したが、これに限らず、原稿載置検知部51に原稿がセットされたことが検知され、原稿サイズ検知部52に原稿のサイズが検知された後に、後処理設定画面を表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るデジタル複合機を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係るデジタル複合機の原稿サイズ検知部の詳細を表す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るデジタル複合機の表示部の初期設定画面を示す図である。
【図4】本実施形態に係るデジタル複合機の表示部の機能設定画面を示す図である。
【図5】本実施形態に係るデジタル複合機の表示部の後処理設定画面を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
10 デジタル複合機本体、20 給紙カセット、30 操作部、40 操作表示部、50 原稿読取部、51 原稿載置検知部、52 原稿サイズ検知部、53 原稿サイズ検知センサ、70 後処理部、100 デジタル複合機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿がセットされたことを検知する原稿載置検知部と、
原稿を読取る原稿読取部と、
前記原稿読取部によって読み出された画像データを記録用紙上に画像形成する画像形成部と、
画像形成された記録用紙への綴じ穴開け機能または複数の記録用紙綴じ機能を有する後処理部と、
前記原稿載置検知部に原稿がセットされたことが検知された場合に、起動され、前記後処理部の機能を選択するまたは後処理部を使用しないことを選択する表示を行う表示部と
を備える画像形成装置。

【請求項2】
一部の機能を停止させることで消費電力を低減する省電力モードを設定する省電力設定部と、
前記省電力モードにおいて、前記原稿載置検知部に原稿がセットされたことが検知された場合に、前記省電力モードから復帰させる省電力復帰部と
をさらに備える請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿載置検知部は、原稿により移動されるアクチュエーターを有し、
前記アクチュエーターより上流側に位置し、前記原稿載置検知部に原稿がセットされたことが検知された場合に、原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知部をさらに備え、
前記表示部は、前記原稿サイズ検知部に原稿のサイズが検知された後に、起動され、前記後処理部の機能を選択するまたは後処理部を使用しないことを選択する表示を行う請求項1乃至2のいずれかに記載の画像形成装置。


【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−197875(P2010−197875A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44661(P2009−44661)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】