説明

画像形成装置

【課題】第1のトナー帯電部材から排出されたトナーと第2のトナー帯電部材から排出されたトナーとの両方を効率的に転写媒体へ移転して、帯電性能が低下したトナーを効率的に除去できる画像形成装置を提供することを目的としている。
【解決手段】異なる極性の電圧が印加されるトナー補助帯電ブラシ24aとトナー帯電ブラシ15aとの堆積トナーの排出制御を、感光ドラム11a上の異なる位置で実行する。トナー補助帯電ブラシ24aから排出した領域とトナー帯電ブラシ15aから排出した領域とに対して一次転写部Taに逆方向の転写電界を作用させて、感光ドラム11aに排出したそれぞれのトナーを中間転写ベルト16へ効率的に転写する。その結果、ダウンタイムを抑えることで生産性が高まり、現像装置13aへの回収を抑制することで画像形成再開時の画質低下を抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成時の感光体上の転写残トナーを現像装置で回収するクリーナレス方式の画像形成装置、詳しくは非画像形成時に第1のトナー帯電部材と第2のトナー帯電部材とからトナーを感光体へ排出させる制御に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成時の感光体上の転写残トナーを現像装置で回収するクリーナレス方式の画像形成装置が実用化されている。クリーナレス方式の画像形成装置は、感光体の移動方向における転写手段の下流側で、トナーの正規帯電極性と逆極性の電圧を印加した第1のトナー帯電部材を接触させて、転写残トナーの帯電極性を揃える。そして、第1のトナー帯電部材の下流側で、トナーの正規帯電極性と同極性の電圧を印加した第2のトナー帯電部材を接触させて、転写残トナーを現像装置で再利用可能な極性に帯電させる。
【0003】
クリーナレス方式の画像形成装置では、画像形成の累積に伴って第1のトナー帯電部材及び第2のトナー帯電部材に転写残トナーが蓄積して、次第に正常な除電及び帯電の機能を発揮できなくなる。このため、非画像形成時に、第1のトナー帯電部材及び第2のトナー帯電部材から転写残トナーを感光体へ排出させる制御が実行される。
【0004】
特許文献1には、非画像形成時に感光体の逆転と正転を繰り返して、接触する帯電ブラシから、堆積したトナーを感光体へ排出させる制御が示される。また、非画像形成時に帯電ブラシを振動させて、堆積したトナーを感光体へ排出させる制御も示される。
【0005】
特許文献2には、第1及び第2のトナー帯電部材を用いて、画像形成時に、転写残トナーを現像装置へ効率的に回収させるタンデム型中間転写方式の画像形成装置が示される。ここでは、非画像形成時に、画像形成時とは異なる電圧を印加して、第1及び第2のトナー帯電部材から感光体へ、堆積したトナーを排出させた後、感光体から中間転写体へ転写している。
【0006】
【特許文献1】特開2004−184934号公報
【特許文献2】特開2007−65475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
平均的な帯電性能を有するトナーであれば、第1及び第2のトナー帯電部材に捕捉されても、捕捉されている間に第1及び第2のトナー帯電部材に印加された電圧の極性に帯電して再び感光体へ排出される。従って、画像形成の累積に伴って第1及び第2のトナー帯電部材に蓄積したトナーは、正常な帯電性能を持たないトナーの割合が増えている。
【0008】
このため、非画像形成時に第1及び第2のトナー帯電部材から感光体へ排出したトナーを現像装置で回収して再利用すると、画像形成を再開した直後に画像濃度の再現性が低下する可能性がある。また、帯電性能が低すぎて現像装置で回収できないトナーが感光体に連れ回ってかぶりトナーとなり、画像形成を再開した直後に白画像を濁らせる可能性がある。
【0009】
そこで、非画像形成時に、第1及び第2のトナー帯電部材から感光体へ排出したトナーは、転写媒体上(中間転写ベルト、記録材搬送ベルト、記録材)に移転させて現像装置へは回収させないことが望ましい。転写手段では、排出したトナー像に転写媒体を接触させた状態で、現像時よりも高い電圧を印加できるため、現像装置では回収できないような帯電性能の低いトナーでも回収できる。
【0010】
しかし、特許文献2に示される制御では、第1及び第2のトナー帯電部材から同時にトナーを排出させるので、第1及び第2のトナー帯電部材からそれぞれ排出されたトナーが感光体上に混在する。
【0011】
このため、帯電手段を用いて中間転写体へ効率的に転写することが難しい。後述するように、第1のトナー帯電部材から排出されたトナーは、トナーの正規帯電極性に帯電したものが多い一方で、第2のトナー帯電部材から排出されたトナーは、トナーの正規帯電極性とは逆極性に帯電したものが多いからである。
【0012】
本発明は、第1のトナー帯電部材から排出されたトナーと第2のトナー帯電部材から排出されたトナーとの両方を効率的に転写媒体へ移転して、帯電性能が低下したトナーを効率的に除去できる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像形成装置は、トナー像が形成される感光体と、前記感光体上のトナー像を転写媒体へ転写する転写手段と、前記感光体上の転写残トナーをトナーの正規帯電極性とは逆極性に帯電する第1のトナー帯電部材と、前記第1のトナー帯電部材により帯電された前記感光体上の転写残トナーをトナーの正規帯電極性と同極性に帯電する第2のトナー帯電部材とを有するものである。そして、前記感光体上で互いに重ならないように前記第1のトナー帯電部材と前記第2のトナー帯電部材から転写残トナーを排出させるタイミングを制御する制御手段と、前記第1のトナー帯電部材から排出された転写残トナーを転写媒体へ転写する際と前記第2のトナー帯電部材から排出された転写残トナーを転写媒体へ転写する際とで前記転写手段に印加するバイアスを切替える切替え手段とを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像形成装置では、第1のトナー帯電部材から排出されたトナーと前記第2のトナー帯電部材から排出されたトナーとが感光体上の別々の位置に担持される。このため、バイアスを切替えて転写手段と感光体との間に形成される転写電界を逆方向に作用させることによって、感光体に排出された両方の位置のトナーを、それぞれ高い転写効率で転写媒体へ転写できる。
【0015】
従って、第1のトナー帯電部材から排出されたトナーと第2のトナー帯電部材から排出されたトナーとの両方を効率的に転写媒体上へ移転して、帯電性能が低下したトナーを効率的に除去できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、第1のトナー帯電部材からトナーを排出する位置とは別の位置に第2のトナー帯電部材からトナーが排出される限りにおいて、実施形態の構成の一部又は全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
【0017】
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
【0018】
本実施形態では、感光体に吐き出したトナーを中間転写体に転写する実施形態を説明するが、本発明は、感光体に吐き出したトナーを記録材搬送体又は記録材へ転写する実施形態でも実施できる。
【0019】
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。また、請求項で用いた構成名に括弧を付して示した参照記号は、発明の理解を助けるための例示であって、実施形態中の該当する部材等に構成を限定する趣旨のものではない。
【0020】
<像形成手段>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図2は画像形成部の構成の説明図である。
【0021】
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト16に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配置したタンデム型フルカラー複写機である。また、画像形成装置100は、帯電同時クリーニング方式のクリーナレスシステム、帯電ローラを用いた接触帯電方式を採用し、第1及び第2のトナー帯電部材には固定系の導電性ブラシ材を用いた例である。
【0022】
画像形成部Paでは、感光ドラム11aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト16に一次転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム11bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト16のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム11c、11dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて同様に中間転写ベルト16のトナー像に位置を重ねて順次一次転写される。
【0023】
中間転写ベルト16に一次転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送され、レジストローラ33によって二次転写部T2へ給送された記録材へ一括二次転写される。二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材は、分離装置18において中間転写ベルト16から分離され、定着装置21で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に、外部へ排出される。
【0024】
中間転写ベルト16は、厚さ75μmのポリイミド樹脂で無端状に形成され、表面抵抗効率が1×1011〜1013Ω/□、体積低効率が1×10〜1010Ω・cmである。材料としては、PVDF、PET、PBT、EPDM、NBR、ウレタンゴム、シリコンゴム等でもよい。中間転写ベルト16は、テンションローラ31、駆動ローラ32、及びバックアップローラ30に掛け渡して支持され、駆動モータM1に駆動されて、所定のプロセススピードで矢印R2方向に回転する。
【0025】
二次転写ローラ17は、中間転写ベルト16を介してバックアップローラ30に圧接して、中間転写ベルト16と二次転写ローラ17との間に二次転写部T2を形成する。バックアップローラ30は、金属円筒で形成されて、接地電位に接続されている。
【0026】
電源D2は、正極性の定電圧を二次転写ローラ17へ印加して、中間転写ベルト16に担持されたトナー像を記録材へ静電的に移動させる。
【0027】
ベルトクリーニング装置19は、二次転写部T2を通過した中間転写ベルト16に付着したトナーを除去する。
【0028】
<画像形成部>
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、付設された現像装置13a、13b、13c、13dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
【0029】
図2に示すように、画像形成部Paは、感光ドラム11aの周囲に、帯電ローラ12a、露光装置23a、現像装置13a、一次転写ローラ14a、トナー帯電ブラシ15a、トナー補助帯電ブラシ24aを配置する。
【0030】
感光ドラム11a(感光体)は、外径30mmのアルミニウム製シリンダの外周面に、帯電極性が負極性の有機光導電体層(OPC)を形成してある。感光層は、アモルファスシリコン、CdS、Se等からなる光導電体で構成してもよい。感光ドラム11aは、駆動モータ(M1:図1)から駆動力を分配されて、140mm/secのプロセススピードで矢印R1方向に回転する。
【0031】
帯電ローラ12a(帯電部材)は、外径16mm、感光ドラム11aに圧接して従動回転する。帯電ローラ12aは、金属製の中心軸の周囲にイオン導電剤や電子導電性材料を分散したEPDM、NBR等のゴム材料の弾性層を形成し、表面にフッ素樹脂材料の離型層を形成してある。抵抗値(常温常湿の初期抵抗)は、1.0×10〜10Ωに調整してある。ただし、材料は、レーヨン、ナイロン系のものを使用してもよく、形状については、ブラシローラやブレード型のものでもよい。
【0032】
電源D12aは、帯電ローラ12aに直流電圧と交流電圧とを重畳した振動電圧を印加して、感光ドラム11aの表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電させる。
【0033】
帯電電圧の交流電圧は、感光ドラム11aの表面を所定電位(帯電電圧の直流電圧と同電位)に収束させられる電圧である。
【0034】
露光装置23aは、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム11aの表面に画像の静電像を書き込む。
【0035】
現像装置13aは、トナーを磁性キャリアに混合した二成分現像剤を攪拌して、トナーを負極性に磁性キャリアを正極性にそれぞれ帯電させる。二成分現像剤は、マグネット41の周囲で感光ドラム11aとカウンタ方向に回転する現像スリーブ42(現像剤担持体)に穂立ち状態で担持されて、感光ドラム11aの静電像に供給される。現像容器内のトナーの帯電量は、25〜35μC/mgであり、平均粒径20nmのオイル処理シリカを主成分とする外添剤の含有率を30%以下にして、トナーの流動性を上げ過ぎないようにしている。
【0036】
電源D13aは、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブ42に印加して、現像スリーブ42よりも相対的に正極性となった感光ドラム11aの静電像へトナーを供給して、静電像を反転現像する。
【0037】
一次転写ローラ14aは、外径16mm、中間転写ベルト16を介して感光ドラム11aに圧接して、感光ドラム11aと中間転写ベルト16との間にトナー像の一次転写部Taを形成する。
【0038】
電源D14aは、一次転写ローラ14aに正極性の直流電圧を印加して、負極性に帯電して感光ドラム11aに担持されたトナー像を、一次転写部Taを通過する中間転写ベルト16へ一次転写させる。
【0039】
<第1及び第2トナー帯電部材>
近年、画像形成装置は小型化が進んできたが、帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニング等の作像プロセスの各手段・機器が夫々小型になるだけでは、画像形成装置の全体的な小型化には限界がある。また、転写後の感光体上の転写残トナーはクリーニング装置によって回収されて廃トナーとなるが、この廃トナーは、環境保護の面からも出ないことが好ましい。
【0040】
そこで、クリーニング装置を取り外して、現像装置を用いた「現像同時クリーニング」を行って、感光体上の転写残トナーを現像装置に回収して再利用する「クリーナレスシステム」が実用化されている。現像同時クリーニングでは、転写手段を通過した感光体上に残留したトナーを、次工程以後の現像時に、かぶり取り電圧Vback(現像剤担持体に印加する直流電圧と感光体の白画像部との電位差)によって、現像装置の現像剤担持体に回収する。
【0041】
現像同時クリーニングによれば、転写残トナーは、現像装置に回収されて再利用されるため、廃トナーを無くしてメンテンナンスに手を煩わせることも少なくなる。クリーナレスであることで、スペース面での利点が大きく、画像形成装置を大幅に小型化できる。
【0042】
現像同時クリーニングでは、現像装置で効率良く残留トナーを回収するために、転写手段と帯電手段との間の感光体に接触させて、第1及び第2のトナー帯電部材(帯電ブラシ、ファーブラシ、帯電ローラ等)が配置される。そして、第1のトナー帯電部材にトナーの正規帯電極性と逆極性の電圧、第2のトナー帯電部材にトナーの正規帯電極性と同極性の電圧を印加する。これにより、感光体上の転写残トナーは、第1のトナー帯電部材を通過する際に除電された後、第2のトナー帯電部材を通過する際に正規帯電極性に帯電されるので、現像装置での回収性が向上する。
【0043】
図2に示すように、画像形成部Paは、感光ドラム11aに独立したクリーニング装置が付設されないクリーナレスシステムを採用している。
【0044】
一次転写ローラ14aによって行われた一次転写において、中間転写ベルト16へ転写されずに、感光ドラム11aに残留した転写残トナーは、第1のトナー帯電部材の一例であるトナー補助帯電ブラシ24を通過する。
【0045】
トナー補助帯電ブラシ24は、固定系ブラシであって、導電性繊維である導電性のレーヨン繊維が使用され、繊維の太さは6デニール、パイル長は5mm、繊維密度は10万本/inchである。他の導電性繊材料としては、導電性のナイロン繊維やポリエステル繊維を利用できる。繊維の太さは2〜10デニール、パイル長は3〜8mm、繊維密度は5万本/inch〜50万本/inchの範囲のものが望ましい。また、形状については固定系ブラシに限定されず、往復移動するブラシ材や回転するブラシローラ材でも良い。
【0046】
電源D24aは、トナーの正規帯電極性と逆極性の直流電圧をトナー補助帯電ブラシ24に印加する。これにより、トナー補助帯電ブラシ24は、感光ドラム11aの表面に転写残トナーを分散させるとともに除電(又は弱く逆極性に帯電)させる。また、前回の静電像に起因する感光ドラム11a上の電位ムラを解消し、メモリ等のゴースト画像発生を防止する役割も果たす。なお、トナー補助帯電ブラシ24aには、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を印加してもよい。
【0047】
トナー補助帯電ブラシ24aを通過して除電・拡散された転写残トナーは、続いて第2のトナー帯電部材の一例であるトナー帯電ブラシ15aを通過する。
【0048】
トナー帯電ブラシ15aは、トナー補助帯電ブラシ24aと同じものを用いた。しかし、トナー補助帯電ブラシ24aとは異なる材料、形状のものでもよく、回転する帯電ローラ、ロールブラシ等としてもよい。
【0049】
電源D15aは、トナーの正規帯電極性と同極性の直流電圧をトナー帯電ブラシ15aに印加する。これにより、感光ドラム11a表面の転写残トナーは、トナー帯電ブラシ15aとの接触部を通過する過程で正規極性の電荷(電子)を注入されて、現像装置13a内のトナーと同極性に帯電する。
【0050】
<排出制御>
異なる極性の電圧が印加される第1及び第2のトナー帯電部材を有する画像形成装置では、第1及び第2のトナー帯電部材からそれぞれ排出されるトナーの極性が異なるため、複雑な排出制御が要求される。つまり、画像形成時に使用されるトナーと同じ極性のトナーを排出することに偏った排出制御では、画像形成時に使用されるトナーと逆極性のトナーを排出した場合に、帯電手段の汚染や、下流側の第2のトナー帯電部材へ再度付着する課題がある。
【0051】
また、フルカラー画像形成装置の場合、第1及び第2のトナー帯電部材から排出されるトナーの全てを現像装置で回収することは、現像装置内の混色の原因となり、画像形成の累積に伴う色再現性への課題がある。
【0052】
すなわち、一次転写部Taで転写されずに感光ドラム11aに残留するトナーは、トナーの正規帯電極性(負極性)を持たない場合が多く、反転トナー(正極性)が支配的である。このような反転トナーに対しては、トナー帯電ブラシ15aに正規帯電極性(負極性)の電圧を印加することで、トナー帯電ブラシ15aとの間である一定以上の放電を発生させることで、正規帯電極性(負極性)の電荷を付与する。このような帯電処理によって、通常のトナーと同極性に帯電された転写残トナーは、帯電ローラ12aを通過して、現像装置13aに回収される。
【0053】
しかし、感光ドラム11aとトナー帯電ブラシ15aとの接触部で、放電による十分な負電荷の付与が行われなかった場合、正極性の反転トナーが負極性のトナー帯電ブラシ15aに付着する。このことは、一次転写ローラ14aに印加された正極性の電圧が過剰だった場合、転写残トナー量が多い場合、低温低湿環境下で現像装置13a内に反転トナーが多く発生した場合等に発生し易い。
【0054】
そして、このような状況が継続すると、トナー帯電ブラシ15aに反転トナーが堆積し続けて、トナー帯電ブラシ15による帯電付与能力が徐々に低下し、トナー帯電ブラシ15を通過する反転トナーや未帯電トナーが増えてしまう。この結果、トナー帯電ブラシ15を通過した転写残トナーが、帯電ローラ12aに付着、堆積して帯電ムラを発生させ、帯電ムラによるかぶりや画像不良に至ってしまう。
【0055】
また、トナー補助帯電ブラシ24a及びトナー帯電ブラシ15aにトナーが大量に堆積すると、画像形成時に、小さなきっかけで大量のトナーが感光ドラム11aへ排出されて、画像汚れが発生する可能性がある。
【0056】
そこで、非画像形成時に、トナー補助帯電ブラシ24a及びトナー帯電ブラシ15aから機械的又は電気的にトナーを感光ドラム11aへ排出させて、現像装置13aへ回収させることが従来から行われている。
【0057】
しかし、トナー帯電ブラシ15に付着蓄積したトナーは、劣化したトナーや不良トナーである場合が多いので、現像装置13aで回収して再利用した場合に、画質低下などを引き起こす課題を残していた。
【0058】
そこで、画像形成装置100では、非画像形成時において、トナー補助帯電ブラシ24a及びトナー帯電ブラシ15aから感光ドラム11aへ、間隔を形成して重ならないようにトナーを排出する。そして、一次転写部Taに印加するバイアスを切替えて、逆方向の転写電界を作用させることにより、トナー補助帯電ブラシ24a及びトナー帯電ブラシ15aから排出したトナーを、別々に中間転写ベルト16へ転写して、画像形成部Paから排除する。これにより、感光ドラム11aから中間転写ベルト16へ効率良くトナーを転移させて、上述のような問題を解決している。
【0059】
<実施例1>
図3は実施例1の排出制御の説明図、図4は実施例1の排出制御のタイムチャート、図5は比較例の排出制御の説明図、図6は実施例1の排出制御の効果の説明図である。
【0060】
実施例1の排出制御の実施タイミングは、非画像形成時である。すなわち、電源スイッチの投入後の起動回転時、記録紙ジャムや通信障害の復旧後のJAM復帰時、1枚目の記録材への画像形成開始前の前回転時、連続画像形成中の所定累積枚数ごとに形成される拡大された紙間等である。
【0061】
図3の(a)に示すように、実施例1の排出制御では、トナー補助帯電ブラシ24aとトナー帯電ブラシ15aとから堆積したトナーを感光ドラム11a上の異なる位置に間隔を形成して排出する。これにより、トナー補助帯電ブラシ24aから排出したトナーとトナー帯電ブラシ15aから排出したトナーとの混合を避けて、効率的に中間転写ベルト16へ転写して、ベルトクリーニング装置19で回収する。
【0062】
図3の(b)に示すように、実施例1の排出制御では、トナー補助帯電ブラシ24aから排出させたトナーの転写時とトナー帯電ブラシ15aから排出させたトナーの転写時とでは一次転写ローラ14aに印加するバイアスを切替えて逆転させる。これにより、中間転写ベルト16へ効率良く排出トナーを転写させて、排出トナーがトナー補助帯電ブラシ24a及びトナー帯電ブラシ15aに再回収されないようにしている。
【0063】
図2を参照して図4に示すように、実施例1の排出制御では、まず、トナー補助帯電ブラシ24aから感光ドラム11aへ堆積トナーを排出させる。
【0064】
画像形成時のトナー補助帯電ブラシ24aには正極性の電圧が印加されているため、トナー補助帯電ブラシ24aに付着蓄積している堆積トナーは、概ね負極性に帯電している。負極性に帯電した堆積トナーをトナー補助帯電ブラシ24aから感光ドラム11aへ排出するために、制御部110は、電源D24aを制御して、トナー補助帯電ブラシ24aに正極性の矩形波電圧を多数回印加する。トナー補助帯電ブラシ24aに、短い周期の直流電圧が繰り返し印加されると、正極性の電圧が低下する毎にトナー補助帯電ブラシ24aから堆積トナーが排出される。
【0065】
具体的には以下のような電圧条件を用いた。
画像形成時の印加電圧 : 400V
排出時のピーク電圧 : 400V
排出時のボトム電圧 : 150V
矩形波の周波数 : 10Hz
排出期間中の感光ドラム回転回数 : 1.0回転
【0066】
このような電圧パターンを印加することで、感光ドラム11aの表面が+150Vに帯電し、負極性に帯電した堆積トナーが、トナー補助帯電ブラシ24aから感光ドラム11aへ移転して電気的に保持される。
【0067】
図5の(a)に示すように、トナー補助帯電ブラシ24aから排出されたトナーは、感光ドラム11aに回転に伴ってトナー帯電ブラシ15aを通過する。
【0068】
図5の(b)に示すように、このとき、トナー帯電ブラシ15aが接地電位に接続されていると、トナー帯電ブラシ15aの正極性の堆積トナーがトナー補助帯電ブラシ24aから排出された負極性のトナーに引き込まれて混合してしまう。
【0069】
図6の(a)に示すように、そこで、実施例1では、トナー補助帯電ブラシ24aから排出されたトナーが通過するまでの間、トナー帯電ブラシ15aに負極性の電圧を印加している。
【0070】
図6の(b)に示すように、トナー帯電ブラシ15aに負極性の電圧を印加することによって、トナー帯電ブラシ15aの正極性の堆積トナーがトナー補助帯電ブラシ24aから排出された負極性のトナーに引き込まれにくくなる。
【0071】
ここで注意しなければならないのは、負極性の電圧を印加することで、トナー帯電ブラシ15に付着蓄積したトナーが感光ドラム11aに吐き出されることである。これに対しては印加する電圧の大きさを調節することで、この問題を回避している。
【0072】
具体的には以下のような電圧条件を用いた。
画像形成時の印加電圧 : −800V
排出時の印加電圧 : −500V
【0073】
図2を参照して図4に示すように、制御部110は、トナー補助帯電ブラシ24aから排出されたトナーが帯電ローラ12aを通過する過程では、帯電ローラ12aに負極性の直流電圧を印加させる。これにより、トナー補助帯電ブラシ24aから排出された負極性のトナーが帯電ローラ12aに電気的に転移しないようにしている。
【0074】
具体的には以下のような電圧条件を用いた。
画像形成時の印加電圧 : −700VDC+1600VppAC
排出時の印加電圧 : −500VDC
【0075】
制御部110は、現像装置13aへの劣化トナーの回収を最小限に抑えるように、排出制御中は、現像スリ−ブ42を回転させる駆動モ−タM13を停止させて、現像スリ−ブ42の回転を停止させている。これにより、トナー補助帯電ブラシ24aから排出されたトナーが現像装置13aを通過する際に、現像装置13a内へ劣化トナーが混入しない。
【0076】
図3の(b)に示すように、トナー補助帯電ブラシ24aから排出されたトナーが一次転写部Taを通過する間、制御部110は、一次転写ローラ14aに通常画像形成時と同じ正極性の直流電圧を印加させる。これにより、負極性に帯電して感光ドラム11aに担持された排出トナーが中間転写ベルト16へ移転し、中間転写ベルト16の回転に伴ってベルトクリーニング装置(19:図1)へ搬送されて回収される。
【0077】
具体的には以下のような電圧条件を用いた。
画像形成時の印加電圧 : +500V
排出時の印加電圧 : +500V。
【0078】
なお、図1に示す二次転写部T2を排出トナーが通過する過程では、二次転写ローラ17に負極性の直流電圧を印加して、二次転写ローラ17へ排出トナーが転写されないようにしている。
【0079】
次に、トナー補助帯電ブラシ24aから排出されたトナーがトナー帯電ブラシ15aを通過した後に、制御部110は、トナー帯電ブラシ15aから堆積トナーを排出させる。
【0080】
トナー帯電ブラシ15には、画像形成時に、トナーの正規帯電極性と同極性(負極性)の電圧を印加しているため、付着蓄積したトナーは、現像装置13a内のトナーとは逆極性に帯電している。トナー補助帯電ブラシ24aに付着蓄積したトナーは、トナー補助帯電ブラシ24aと同様に、画像形成時の印加電圧と同極性の矩形波を多数回印加する方法で感光ドラム11a上に排出する。排出されたトナーは、矩形波の印加によって−150Vに帯電された感光ドラム11aの表面に電気的に保持される。
【0081】
具体的には以下のような電圧条件を用いた。
画像形成時の印加電圧 : −800V
排出時のピ−ク電圧 : −500V
排出時のボトム電圧 : −150V
矩形波の周波数 : 10Hz
排出期間中の感光ドラム回転回数 : 1.0回転。
【0082】
また、感光ドラム11a上に排出したトナーが帯電ローラ12aを汚染しないために、トナー帯電ブラシ15aから排出されたトナーに接するタイミングでは、帯電ローラ12aへ電圧を印加しない。電源D15aによる直流電圧を印加しないことで、帯電ローラ12aへのトナーの付着を抑える。
【0083】
また、排出されたトナーが現像装置13aを通過する際には、現像スリ−ブ42を回転させる駆動モ−タM13を停止させておくことで、現像装置13a内への劣化トナーの混入を防止する。
【0084】
最終的に、トナー帯電ブラシ15aから排出されたトナーが一次転写部Taを通過する際は、一次転写ローラ14aに画像形成時と逆極性の直流電圧を印加する。これにより、トナー帯電ブラシ15aから排出されたトナーを、感光ドラム11aから中間転写ベルト16へ効率的に転写させる。
【0085】
具体的には以下のような電圧条件を用いた。
画像形成時の印加電圧 : +500V
排出時の印加電圧 : −500V
【0086】
その後、二次転写ローラ17に正極性の直流電圧を印加した二次転写部T2を通過させてベルトクリーニング装置19で回収することにより、堆積トナーの排出制御が完了する。
【0087】
以上のように、実施例1では、異なる極性の電圧が印加されるトナー補助帯電ブラシ24aとトナー帯電ブラシ15aとの堆積トナーの排出制御を、感光ドラム11a上の異なる位置で実行する。感光ドラム11aに排出したトナーを中間転写ベルト16へ効率的に転写して現像装置13aへの回収を阻止している。その結果、ダウンタイムを抑えることで生産性が高く、且つ画像形成再開時の画質低下を抑える画像形成装置100を実現している。
【0088】
<実施例2>
図7は実施例2の排出制御のタイムチャート、図8は比較例の排出制御の説明図、図9は実施例2の排出制御の効果の説明図である。
【0089】
図7に示すように、実施例2の排出制御は、画像形成装置100において、トナー帯電ブラシ15から先にトナーを排出させる以外は、実施例1と同様に構成して、同様に制御される。従って、重複する説明を省略して、実施例1との相違点を説明する。
【0090】
実施例2の排出制御は、第1及び第2のトナー帯電部材に付着堆積したトナーの量が多い場合、例えば、印字率の高い画像形成が続いた場合や、排出制御の頻度が少ない場合に有効である。
【0091】
図8の(a)に示すように、印字率の高い画像形成が続いた場合、あるいは生産性を高めるべく排出制御の頻度をぎりぎりまで抑えた場合、下流側のトナー帯電ブラシ15aには相当量のトナーが堆積している。そして、この状態で上流側のトナー補助帯電ブラシ24aからトナーを排出させると、図8の(b)に示すように、感光ドラム11aに排出されたトナーがトナー帯電ブラシ15aを通過する際にトナーを引き込んでしまう。実施例1で説明したように、感光ドラム11aの別々の位置にトナーを排出させているにもかかわらず、トナー補助帯電ブラシ24aから排出された負極性のトナーにトナー帯電ブラシ15aに保持された正極性のトナーが混在してしまう。この結果、一次転写ローラ14aに正極性の電圧を印加した一次転写部Taでは、正極性のトナーが感光ドラム11aに残って転写効率が低下する。
【0092】
そこで、実施例2の排出制御では、下流側のトナー帯電ブラシ15aの堆積トナーを最初に感光ドラム11aに排出完了させてしまう。これにより、上流側のトナー補助帯電ブラシ24aから排出させたトナーがトナー帯電ブラシ15aを通過する際には、トナー帯電ブラシ15aに引き込むべきトナーが既に無くなっている。
【0093】
図9の(a)に示すように、実施例2の排出制御では、最初に、感光ドラム11aの回転方向の下流位置に配置されたトナー帯電ブラシ15aの堆積トナーを感光ドラム11aへ排出させる。そして、下流側のトナー帯電ブラシ15aに堆積したトナーを排出し終えた後に、上流側のトナー補助帯電ブラシ24aからトナーを排出させる。トナー補助帯電ブラシ24aでの排出制御によるトナーが、下流側のトナー帯電ブラシ15aに到達するよりも以前に、トナー帯電ブラシ15aの排出制御を終了させる。
【0094】
図9の(b)に示すように、トナー補助帯電ブラシ24aからの排出トナーがトナー帯電ブラシ15aを通過する際に、トナー帯電ブラシ15aに付着蓄積しているトナーの電気的引き込みを防止している。また、逆に、トナー補助帯電ブラシ24aから排出されたトナーがトナー帯電ブラシ15aに付着堆積したトナーに取り込まれる現象も同時に防止している。
【0095】
このため、感光ドラム11aの表面における負極性のトナーと正極性のトナーの混在が少なくなって、一次転写部Taでは、中間転写ベルト16へ高い転写効率で転写して排出トナーを回収できる。
【0096】
実施例2の排出制御によれば、補助帯電ブラシ24aに付着蓄積したトナー量が多い、特に印字率の高い画像形成が続いた場合にも対応し、且つ吐き出し制御の頻度を抑えることのできる画像形成装置100となっている。
【0097】
<実施例3>
実施例1、2では、イエロ−の画像形成部Paにおける堆積トナーの排出制御を説明したが、実際には、堆積トナーの排出制御は、複数の画像形成部(Pa、Pb、Pc、Pd:図1)で並行に実施される。
【0098】
実施例3では、複数の画像形成部(Pa、Pb、Pc、Pd:図1)で並行に実施される個別の排出制御の開始及び終了のタイミングを説明する。なお、タイミングの違い以外は、個別の排出制御は、実施例1と同様に構成して、同様に制御される。従って、重複する説明を省略して、実施例1との相違点を説明する。
【0099】
中間転写体や記録材搬送体に複数の(2色以上の)画像形成部を付設した画像形成装置においては、上流側に位置する画像形成部で形成されるトナー像が下流側に位置する画像形成部の感光体に再転写してしまう。このため、上流側に位置する感光体に排出して中間転写体等に転写した排出トナーが、下流側に位置する感光体に再転写して現像装置に回収される可能性がある。そして、このことは、排出トナーの中間転写体等への転写効率の悪化、現像装置内への混色、かぶりトナーのよる画像汚れ等の問題を引き起こす可能性がある。
【0100】
そこで、実施例3では、図1に示すように、複数の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにおける吐き出し制御のタイミングを、中間転写ベルト16上に反対極性の排出トナーが転写されないように設定している。感光ドラム11aから排出トナーを転写した中間転写ベルト16の領域へ、感光ドラム11bから排出トナーが転写されないように画像形成部Pbが制御される。感光ドラム11a、11bから排出トナーを転写した中間転写ベルト16の領域へ、感光ドラム11cから排出トナーが転写されないように画像形成部Pcが制御される。感光ドラム11a、11b、11cから排出トナーを転写した中間転写ベルト16の領域へ、感光ドラム11dから排出トナーが転写されないように画像形成部Pdが制御される。感光ドラム11a、11b、11c、11dから中間転写ベルト16上のそれぞれ異なる位置へ排出トナーを順次転写させる。
【0101】
実施例3の排出制御は、さらなる生産性の高い画像形成装置100を実現するとともに、画像形成の累積を通して画質を高いレベルで維持可能な画像形成装置100を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
【図2】画像形成部の構成の説明図である。
【図3】実施例1の排出制御の説明図である。
【図4】実施例1の排出制御のタイムチャートである。
【図5】比較例の排出制御の説明図である。
【図6】実施例1の排出制御の効果の説明図である。
【図7】実施例2の排出制御のタイムチャートである。
【図8】比較例の排出制御の説明図である。
【図9】実施例2の排出制御の効果の説明図である。
【符号の説明】
【0103】
11a、11b、11c、11d 感光体(感光ドラム)
12a、12b、12c、12d 帯電手段(帯電ローラ)
13a、13b、13c、13d 現像手段(現像装置)
14a、14b、14c、14d 転写手段(一次転写ローラ)
15a、15b、15c、15d 第2のトナー帯電部材(トナー帯電ブラシ)
16 搬送体(中間転写ベルト)
17 二次転写ローラ
19 ベルトクリーニング装置
21 定着装置
23a、23b、23c、23d 露光装置
24a、24b、24c、24d 第1のトナー帯電部材(トナー補助帯電ブラシ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される感光体と、前記感光体上のトナー像を転写媒体へ転写する転写手段と、前記感光体上の転写残トナーをトナーの正規帯電極性とは逆極性に帯電する第1のトナー帯電部材と、前記第1のトナー帯電部材により帯電された前記感光体上の転写残トナーをトナーの正規帯電極性と同極性に帯電する第2のトナー帯電部材と、を有する画像形成装置において、
前記感光体上で互いに重ならないように前記第1のトナー帯電部材と前記第2のトナー帯電部材から転写残トナーを排出させるタイミングを制御する制御手段と、前記第1のトナー帯電部材から排出された転写残トナーを転写媒体へ転写する際と前記第2のトナー帯電部材から排出された転写残トナーを転写媒体へ転写する際とで前記転写手段に印加するバイアスを切替える切替え手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1のトナー帯電部材からトナーを排出させる前記感光体上の領域と前記第2のトナー帯電部材からトナーを排出させる前記感光体上の領域との間に間隔を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2のトナー帯電部材から前記感光体へトナーを排出した後に前記第1のトナー帯電部材から前記感光体へトナーを排出させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1のトナー帯電部材から排出させた領域が前記第2のトナー帯電部材を通過する際に、トナーの正規帯電極性と同極性の電圧を印加するように、前記第2のトナー帯電部材を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成時に、前記第2のトナー帯電部材を通過した前記感光体に接触して、トナーの正規帯電極性と同極性に帯電させる帯電手段を有し、
前記制御手段は、前記第1のトナー帯電部材から排出させた領域に対しては画像形成時と同極性の直流電圧を印加し、前記第2のトナー帯電部材から排出させた領域に対しては接地電位を印加するように、前記帯電手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成時に、トナーを担持して回転して前記感光体にトナーを供給する現像剤担持体を有し、
前記制御手段は、少なくとも前記第1のトナー帯電部材からトナーを排出させた領域に対しては回転を停止させるように、前記現像剤担持体を制御することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写媒体の移動方向に複数の前記感光体が配置され、
非画像形成時に複数の前記感光体から前記転写媒体へ転写されるトナーが前記転写媒体上で重ならないことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−39308(P2010−39308A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203504(P2008−203504)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】