画像形成装置
【課題】簡易な構成にて被冷却体(ユニット)と受熱部との間の異物の侵入を防止し、冷却効率に影響を与えない画像形成装置を提供する。
【解決手段】発熱部もしくはこの発熱部により昇温する昇温部を有するユニット体Uと、ユニット体Uから熱を受ける受熱部44と、熱を外部へ放熱する放熱部38と、冷却媒体が循環可能なように受熱部44と放熱部38とを連結する冷却媒体循環路33とを有する冷却装置31を備え、ユニット体Uが画像形成装置本体に対して着脱自在に配置された画像形成装置である。ユニット体Uの画像形成装置本体から分離または装着する動作に連動して、冷却装置31の受熱部44表面44aに付着した異物を除去する清掃手段Cを備える。
【解決手段】発熱部もしくはこの発熱部により昇温する昇温部を有するユニット体Uと、ユニット体Uから熱を受ける受熱部44と、熱を外部へ放熱する放熱部38と、冷却媒体が循環可能なように受熱部44と放熱部38とを連結する冷却媒体循環路33とを有する冷却装置31を備え、ユニット体Uが画像形成装置本体に対して着脱自在に配置された画像形成装置である。ユニット体Uの画像形成装置本体から分離または装着する動作に連動して、冷却装置31の受熱部44表面44aに付着した異物を除去する清掃手段Cを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複合機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に、装置内の現像装置(現像ユニット)等を冷却する冷却装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらを備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置は、内部に書き込み装置、現像装置などの画像形成動作時に発熱を伴う複数のユニットを有している。すなわち、画像形成装置においては、書込ユニット、定着ユニット、及び現像ユニット等が発熱を伴うユニットとなる。
【0003】
例えば、現像ユニットにおいては、現像ユニット内の現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材を駆動した際に、現像剤攪拌搬送部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。また、現像剤を現像領域に搬送する前に現像剤担持体上に担持されている現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤規制部材による規制の際の現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。
【0004】
装置内の温度が上昇すると、トナーの帯電量が低下してトナー付着量が増加し、所定の画像濃度が得られなくなる。また、温度上昇によりトナーが溶融して現像剤規制部材や現像剤担持体、像担持体などに固着し、画像にスジ状の異常画像などが生じるおそれがある。特に、近年、定着エネルギーを小さくするために溶融温度の低いトナーを用いた場合は、トナーの固着による異常画像などが生じやすい。
【0005】
そのため、従来において空冷ファンで取り込んだ外気をダクトで現像ユニットの周辺に搬送し、気流を発生させ現像ユニットを空冷して、現像ユニットの温度が過度に上昇するのを抑制している。しかし、近年、画像形成装置の小型化のため、装置内が高密度化して現像ユニットの周囲に空間的余裕がなくなってきている。このため、現像ユニット周辺に空冷ファンの気流を搬送するためのダクトを設置するスペースの確保が難しくなっており、現像ユニットを強制空冷することが困難となっている。
【0006】
また、従来には、液体を循環させて発熱ユニットたる現像ユニットを冷却する液冷方式を用いた画像形成装置が記載されている(特許文献1)。この場合の液冷装置は、発熱ユニットたる現像ユニット壁面に接触して冷却液が現像ユニットの熱を受ける受熱部と、冷却液の熱を放熱するための放熱手段たるラジエータと、冷却液が受熱部とラジエータとを循環するように配管された循環パイプと、循環パイプ内の冷却液を受熱部へ搬送するための搬送手段たる搬送ポンプとを備えている。
【0007】
液冷装置は、空冷装置よりも効率良く冷却できるため、現像ユニットを効率よく冷却することができる。また、冷却液を循環させるための循環パイプは、ダクトよりも小さいため、現像ユニットの周囲の空間が狭くても、現像ユニットの周囲に循環パイプを配置することができる。よって、装置内が高密度化しても現像ユニットを冷却することができる。また、現像ユニットは、単体で装置本体から着脱可能に構成されていたり、プロセスカートリッジとして潜像担持体と一体で装置本体から着脱可能に構成されていたりする。また、現像ユニットを着脱する際は、受熱部を現像ユニットから離間させ、現像ユニットが装置本体に装着されると、受熱部が付勢手段によって現像ユニット側へ付勢され、受熱部が現像ユニットに密着する接離機構を備えている。このように構成することで、現像ユニットの着脱を容易に行うことができる。また、現像ユニット装着時には、受熱部が現像ユニットに密着するので、効率よく現像ユニットを冷却することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、機内にはトナー等の異物が舞っていることが多く、この異物が受熱部表面に付着すると、受熱部と現像ユニットとの密着度合いが減少し、冷却効率に悪影響を与えることになる。さらに、受熱部と現像ユニットとの間に熱伝導シートを使用している装置においては、挿入した異物によりシートの劣化を促進するおそれもある。またこれらのことは、現像のみでなく、機内の要冷却体とそれに接触して冷却する受熱部についても同様なことが言える。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑み、簡易な構成にて被冷却体(ユニット体)と受熱部との間の異物の侵入を防止し、冷却効率に影響を与えない画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、発熱部もしくはこの発熱部により昇温する昇温部を有するユニット体と、ユニット体から熱を受ける受熱部と、熱を外部へ放熱する放熱部と、冷却媒体が循環可能なように受熱部と放熱部とを連結する冷却媒体循環路とを有する冷却装置を備え、前記ユニット体が画像形成装置本体に対して着脱自在に配置された画像形成装置であって、前記ユニット体の画像形成装置本体から分離または装着する動作に連動して、前記冷却装置の受熱部表面に付着した異物を除去する清掃手段を備えたものである。ここで、異物とはトナー、ごみ、埃等である。
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、清掃手段にて、ユニット体の画像形成装置本体から分離または装着する際に、冷却装置の受熱部表面に付着した異物を除去することができる。
【0012】
受熱部とユニット体との間に熱伝導部材を配設したものであってもよい。熱伝導部材を介してユニット体からの熱を受熱部にて安定して受けることができる。
【0013】
前記清掃手段は前記ユニット体側に設けられ、画像形成装置本体に対してユニット体とともに着脱されるように設定できる。このように設定することによって、ユニット体を画像形成装置本体から分離させれば(取り出せば)、発熱部表面に付着した異物を除去することができるとともに、清掃手段も装置本体から取り出すことができる。
【0014】
前記清掃手段の異物除去部が、前記ユニット体の装着開始部側に設けられて、装着時には受熱部の装着方向上流側から装着方向下流側に移動するとともに、分離時には受熱部の装着方向下流側から装着方向上流側に移動するようにできる。このように構成することによって、ユニット体の分離時と装着時に、受熱部表面に付着したトナー等の異物を安定して掻き落とすことができる。
【0015】
前記清掃手段の異物除去部は分離または装着する動作時に生じる摩擦力にて異物を掻き落とすものであってもよい。前記清掃手段の異物除去部は回転体であって、分離または装着する動作時において受熱部表面との相対速度が大きくなる方向に回転するものであってもよい。
【0016】
前記清掃手段の異物除去部に異物が付着するものであってもよい。このように異物が付着するものであれば、除去された異物がこの異物除去部から落下せず、異物の他の部材への付着を防止できる。異物除去部の表面を粘着性を有するものとすることによって、異物が付着する構成とできる。
【0017】
前記清掃手段にて掻き落とされた異物を受ける受け部材を設けたものであってもよい。さらに、廃トナー回収経路と、前記受け部材に溜まった異物であるトナーを前記廃トナー回収経路に搬送する搬送手段を備えたものであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、清掃手段にて冷却装置の受熱部表面に付着した異物を除去することができるので、冷却装置による冷却効率の低下を防止できる。しかも、ユニット体の画像形成装置本体から分離または装着する際に、この清掃動作を行うことになって、清掃のための動作を別途行う必要がなく、メンテナンス性に優れる。
【0019】
熱伝導部材を有するものでは、熱を受熱部にて安定して受けることができ、しかも、熱伝導部材へのトナー等の異物の付着も防止され、冷却装置として冷却性能に優れたものとなる。
【0020】
画像形成装置本体に対してユニット体とともに着脱されるように設定することによって、ユニット体を画像形成装置本体から分離させれば(取り出せば)、清掃手段も装置本体から取り出すことができ、この清掃手段の清掃やメンテナンス等に対する作業性の向上を図ることができる。
【0021】
清掃手段の異物除去部がユニット体の装着開始部側に設けられているものでは、受熱部の表面全体を安定して清掃することができる。
【0022】
摩擦力にて異物を掻き落とすものであっても、回転体の回転でもって異物を掻き落とすものであってもよく、安定して異物を受熱部から除去することができる。また、清掃手段の異物除去部に異物が付着するものであれば、除去された異物が他の部材へ付着することを防止でき、装置全体としての清掃が容易となるとともに、形成される画像を高精度とすることができる。特に、異物除去部の表面を粘着性を有するものとすることによって、簡単な構成でしかも低コストでこのような異物が付着するものとできる。
【0023】
受け部材を設けたものでは、清掃手段にて受熱部表面から掻き落とした異物をこの受け部材にて受けることができ、より安定して他の部材へ付着することを防止でき、装置全体としての清掃が容易となるとともに、形成される画像を高精度とすることができる。
【0024】
廃トナー回収経路に搬送する搬送手段を備えたものであれば、画像形成装置本体の内部へのトナー等の飛散を防止することができ、しかも、受熱部表面から掻き落とした異物の回収作業を別途必要とせず、作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の画像形成装置の全体簡略図である。
【図2】本発明の画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【図3】前記画像形成装置のユニット体と清掃手段とを示す簡略図である。
【図4】前記画像形成装置のユニット体の着脱方法を示し、(a)は現像ユニットが本体に装着されている状態の簡略図であり、(b)は着脱動作を示す簡略図である。
【図5】清掃手段の第2の異物除去部を用いた画像形成装置のユニット体の着脱方向を示す簡略図である。
【図6】前記図5に示す異物除去部の簡略図である。
【図7】清掃手段の第3の異物除去部の簡略図である。
【図8】清掃手段の第4の異物除去部の簡略図である。
【図9】受け部材を備えた画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【図10】他の受け部材を備えた画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【図11】別の受け部材を備えた画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【図12】搬送手段を備えた画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図に示す実施例による本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例】
【0027】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置本は、タンデム型間接転写方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラー複写装置である。この画像形成装置は、像担持体としての感光体18Y,18M,18C,18Kを並列に配置し、それぞれ個別に現像装置(現像ユニット)19Y,19M,19C,19Kを備え、作像部1を形成している。作像部1の上方には、潜像形成手段としての露光装置(書込ユニット)9が設けられている。
【0028】
また、装置上部には、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査して読み取る読取装置(読取ユニット)10が設けられている。作像部1の下方には、中間転写体としての中間転写ベルト15を備えた転写ユニット2が設けられている。中間転写ベルト15は、複数の支持ローラに掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。中間転写ベルト15を挟んで作像部1の反対側には2次転写装置4が設けられている。
【0029】
2次転写装置4は、2次転写ローラ17を備えており、2次転写ローラ17は、中間転写ベルト15における転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルト15の回転方向における2次転写装置4よりも下流側には、中間転写ベルト15上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置が設けられている。
【0030】
2次転写装置4の図中左方には、シート上に転写されたトナー像を定着するために、内部に発熱体を備えた加熱ローラを有する定着装置(定着ユニット)7が設けられている。また、2次転写装置4と定着装置7との間には、トナー像転写後のシートを定着装置7へと搬送する搬送ベルト6が設けられている。また、装置下方には、図示しない給紙収容部から1枚ずつ分離して給送されたシートを2次転写装置4へ給紙する給紙ユニット3が設けられている。また、定着装置7を通過したシートを機外または両面ユニット5へ搬送する排紙ユニット8が設けられている。
【0031】
次に図1に示す画像成形装置の画像形成動作について簡単に説明する。読取ユニット10は従来周知なものと同様の構成であり、コンタクトガラス上に載置された原稿画像を読み取る。その読み取られた画像情報又は本装置をプリンタとして用いる場合は外部から供給された画像情報に基づいて、書込ユニット9が駆動される。作像部1においては、感光体ドラム18が図示しない駆動手段によって回転駆動され、その感光体表面が帯電手段によって所定の極性に一様に帯電される。
【0032】
帯電された感光体表面には、書込ユニット9からのレーザ光が照射され、これによって感光体ドラム18表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム18に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー,マゼンタ,シアン及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に現像装置19から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。
【0033】
また、中間転写ベルト15が図中時計回りに走行駆動され、一次転写手段の作用により感光体ドラム18から中間転写ベルト15に各色トナー像が順次重ね転写される。このようにして中間転写ベルト15はその表面にフルカラーのトナー像を担持する。なお、いずれか1つの感光体を使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの感光体により2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、4個の感光体ドラム18のうち、黒色トナーを用いる図の一番右側の感光体ドラムを用いて画像形成を行う。
【0034】
そして、トナー像を転写した後の感光体ドラム表面に付着する残留トナーは、クリーニング手段によって感光体ドラム表面から除去され、次いでその表面が除電器の作用を受けて表面電位が初期化されて次の画像形成に備える。一方、図示しない給紙カセットから用紙が給送され、レジストローラ対14によって、中間転写ベルト15上に担持されたトナー像とのタイミングを取って2次転写部に向けて送出される。2次転写ローラ17によって中間転写ベルト表面のトナー像が用紙上に一括して転写される。トナー像を転写された用紙は搬送ベルト6により定着装置7へと搬送され、定着装置7を通過するとき、熱と圧力によってトナー像が用紙に熔融定着される。定着された用紙は、排紙ユニット8により装置側面の図示しない排紙トレイに排出される。
【0035】
用紙両面にプリントを行う場合は、用紙片面にトナー像を定着した用紙を排紙ユニット8部で反転させ、両面ユニット5を介して用紙をレジストローラ14へと再給紙する。再給紙された用紙裏面に中間転写ベルト15からトナー像が転写され、その裏面画像を定着装置7で定着することにより、表裏両面に画像を担持する用紙を、排紙トレイに排出することで、両面コピー・両面プリントが完成する。
【0036】
ところで、本例のカラー複写機では、装置内における発熱源である定着装置7からの熱の影響を作像部1及び中間転写ユニット2に与えないように、定着装置7と作像部1及び中間転写ユニット2との間に断熱装置20を設けている。断熱装置20は、ダクトによる気流から成る場合も多いが、ここではヒートパイプを使った断熱装置について説明する。
【0037】
断熱装置20は、受熱板21と、ヒートパイプ22と、放熱板23と、ダクト24及び図示しない排気ファンとで構成される。受熱部材である受熱板21は熱を吸収しやすい材料で形成され、発熱源である定着装置7と、その熱の影響から保護したい保護対象部である作像部1及び中間転写ユニット2との間に配置されている。
【0038】
伝熱手段(熱輸送手段)としてのヒートパイプ22は、受熱板21の下面に装着され、その一端部(下端部)側が受熱部となっている。ヒートパイプ22の他端側は放熱部であり、受熱部よりも高い位置で放熱板23に装着されている。放熱部材である放熱板23は、熱を放出しやすい材料で形成され、必要に応じてヒートシンクを設けても良い。ダクト24は本例では画像形成装置本体の前面から背面に延設され、そのダクト内部に放熱板23が位置するように設けられる。ダクト24の装置前面側端部には空気流入口が設けられ、背面側端部には排気口が有り、その排気口部には図示しない排気ファンが設けられている。
【0039】
このように構成された断熱装置20は、発熱部(本例では定着装置7)からの熱を受熱板21で受け、その熱が伝熱手段であるヒートパイプ22によって放熱部(放熱板23)まで輸送される。そして、ダクト24内にある放熱板23から熱が放出され、放出された熱は図示しない排気ファンにより機外に排出される。なお、排気ファンを設けず、自然冷却とすることも可能である。このように、定着熱の影響を遮断し、保護対象である作像部1及び中間転写ユニット2を効果的に保護することにより、中間転写ベルト15の変形による色ズレ等の不具合や、トナー固化等による不具合の発生を未然に防止する。
【0040】
次に、発熱の大きい箇所、もしくは強制空冷用のダクトスペースを設けることができない箇所における冷却手段として有効となる液冷却方式に冷却装置31について説明する。
【0041】
この冷却装置31は、図2に示すように、受熱部44としての受熱板32と、冷却媒体が循環する循環径路33と、ポンプ34と、ラジエータ35aおよび冷却ファン35bからなる放熱部38としての冷却部35と、リザーブタンク36を備えている。
【0042】
受熱板32は、熱伝導性の高い部材で形成されており、冷却される被冷却体Aから熱を奪う冷却媒体(冷却液)が流動する流路が貼り付けまたは埋め込みにより形成されている。また、受熱板32自体が流路を形成する構成としても良い。受熱板32は、発熱源からの熱を受け、効率よく流路内の冷却媒体に伝達する。循環径路33は、熱を奪った冷却媒体を受熱板32から冷却部35へ移動させて冷却した後に再び受熱板32へ戻して、冷却媒体を受熱板32と冷却部35との間で循環させる管である。その使用場所により、適宜アルミ管、ゴムチューブ等を使用している。冷却部35では、循環経路33からの冷却媒体を内包する収容部(熱伝導率が高いアルミ等で構成)を介して冷却媒体を伝熱・放熱する放熱手段であるラジエータ35aを備え、放熱量に応じて冷却ファン35bによる強制空冷、または自然空冷がとられる。ポンプ34は冷却媒体を受熱板32と冷却部35とで循環させる駆動源であり、冷却媒体は図2中矢印のように循環させる。また、リザーブタンク36は冷却媒体保管用のタンクである。冷却媒体は、受熱板32で受けた熱をラジエータ35aまで輸送する熱輸送媒体であり、プロピレングリコール系不凍液等が用いられている。なお、このような冷却装置31においてリザーブタンク36を有さないものであってもよい。
【0043】
ところで、前記書込ユニット9、定着ユニット7、及び現像ユニット19等は、発熱部もしくはこの発熱部により昇温する昇温部を有するユニット体Uであり、装置内の温度を上昇させる。そこで、本発明では、これらのユニット体Uを前記冷却装置でもって冷却するものである。
【0044】
図3は画像形成装置本体に対して着脱自在に配置されたユニット体Uとしての現像ユニット41を示している。現像ユニット41の近傍には、感光体40が配置されている。現像ユニット41として、現像ローラ42、トナー搬送スクリュ43等を備える。
【0045】
そして、現像ユニット41を介して感光体40と反対側に冷却装置31の受熱部44が配置される。また、現像ユニット41は、図4(b)に示す矢印47A、47B方向に沿ってスライドさせることができる。すなわち、現像ユニット41を矢印47Aに沿ってスライドさせることによって、画像形成装置本体に装着できる。また、装着された状態から矢印47B方向に沿ってスライドさせることによって、画像形成装置本体から取り外すことができる。
【0046】
現像ユニット41に、清掃手段Cである清掃部材50(この場合、ブラシ部材45)が付設されている。清掃手段Cの異物除去部を構成するブラシ部材45は、前記現像ユニット41(ユニット体U)の装着開始部側に設けられている。また、清掃部材50は、図示省略のバネ部材によって、矢印46に示すように、受熱部44側へ弾性的に押圧されている。
【0047】
このため、装着時には、矢印47A方向に現像ユニット41がスライドして清掃部材50が受熱部44の表面44aを摺動しつつ、受熱部44の装着方向上流側から装着方向下流側に移動する。また、分離時(取り外し時)には、矢印47B方向に現像ユニット41がスライドして清掃部材50が受熱部44の表面44aを摺動しつつ、受熱部44の装着方向下流側から装着方向上流側に移動することになる。
【0048】
また、この場合の清掃部材50は、図4(a)に示すように、矢印E,Fのように、水平方向に移動(揺動)可能とされている。例えば、清掃部材50が揺動アーム70に支持され、清掃部材50は、揺動アーム70の基部(現像ユニット41側の枢支部)を中心に揺動する。このため、図4(a)に示すように、現像ユニット装着した状態では、清掃部材50は矢印Eのように揺動して、受熱部44から退避する状態となって、受熱部44を現像ユニット41に密着した状態となっている。そして、現像ユニット41の着脱動作時(装着したり取り外したりする動作時)には、図4(b)に示すように、受熱部44を現像ユニット41から離間させることになるが、この場合、清掃部材50が矢印Fのように揺動して受熱部44の表面44aに密着させることができる。
【0049】
このため、着脱動作時において、清掃部材50はこの動作の妨げにならず、しかも、清掃部材50が現像ユニット41を画像形成装置本体から分離または装着する時に現像ユニット41の着脱動作に連動して受熱部44表面44aを清掃する手段となっている。そのため現像ユニット41を取り外す際や装着する際に受熱部44表面44aに付着したトナー等の異物を除去できる。
【0050】
本発明では、清掃手段Cにて冷却装置31の受熱部44表面44aに付着した異物を除去することができるので、冷却装置31による冷却効率の低下を防止できる。しかも、ユニット体Uの画像形成装置本体から分離または装着する際に、この清掃動作を行うことになって、清掃のための動作を別途行う必要がなく、メンテナンス性に優れる。
【0051】
また、前記清掃手段Cは前記ユニット体U側に設けられ、画像形成装置本体に対してユニット体Uとともに着脱されるように設定できる。このように設定することによって、ユニット体Uを画像形成装置本体から分離させれば(取り出せば)、発熱部44表面44aに付着した異物を除去することができるとともに、清掃手段Cも装置本体から取り出すことができる。清掃手段C自体の清掃やメンテナンス性に優れる。
【0052】
前記清掃手段Cの異物除去部としての清掃部材50が、前記ユニット体Uの装着開始部側に設けられて、装着時には受熱部44の装着方向上流側から装着方向下流側に移動するとともに、分離時には受熱部44の装着方向下流側から装着方向上流側に移動するようにできる。これによって、ユニット体Uの分離時と装着時の2度、つまり往復での清掃が可能となって、クリーニング性の向上を図ることができる。これにより受熱部44表面44aに付着したトナー等の異物を効率的に除去し、冷却効率低下を防止することができる。
【0053】
ところで、現像ユニット41と受熱部44の間に熱伝導部材である熱伝導シートを配置することができる。このように熱伝導シートを配置すれば、熱伝導部材を介してユニット体Uからの熱を受熱部44にて安定して受けることができる。しかも、付着したトナー等の異物によって熱伝導シートが劣化してしまうことを防止できる。もちろんこのような伝導シートが配置されないものであってもよい。
【0054】
図5では、清掃部材50が図6に示すように、その表面に毛49を有する円柱状体のブラシ部材48からなり、その軸51廻りに回転しないように構成されている。このため、ユニット体Uの分離時及び装着時において、受熱部44の表面44aに対してブラシ部材48が摺動することになる。すなわち、清掃部材50表面と受熱部44表面44aの間に発生する摩擦力を利用してトナー等の異物をかき落とすことができる。以上より、冷却効率低下や熱伝導部材の劣化を防止することができる。
【0055】
これに対して、図7では、ユニット体Uの分離時及び装着時において、受熱部44表面44aに対する清掃部材50の表面の相対速度が大きくなる方向に回転するように設定される。すなわち、装着時には、矢印47A方向に沿ってスライドさせることになり、この場合、ブラシ部材48が矢印52方向に回転して受熱部44の表面44a上を転動する。また、分離時には、矢印47A方向と逆の矢印47B方向(図4や図5等参照)に沿ってスライドさせることになり、この場合、ブラシ部材48が矢印52方向と反対の方向に回転して受熱部44の表面44a上を転動する。
【0056】
これによって、受熱部44の表面44aに付着したトナー等の異物を効率的に掻き落とすことができる。
【0057】
次に、図8では、清掃部材50は、その表面に粘着層53が形成された円柱体乃至円筒体からなる回転体55である。このため、ユニット体Uの分離時及び装着時において、受熱部44の表面44aに対して回転体55がその軸56廻りに回転することになる。すなわち、装着時には、矢印47A方向に沿ってスライドさせることになり、この場合、回転体55が矢印54方向にその軸56廻りに回転して受熱部44の表面44a上を転動する。また、分離時には、矢印47A方向と逆の矢印47B方向(図4や図5等参照)に沿ってスライドさせることになり、この場合、回転体55が矢印54方向と反対の方向に回転して受熱部44の表面44a上を転動する。
【0058】
粘着層53に使用する粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の種々ものを用いることができる。この際、この装置の使用環境(温度、湿度等)、トナーに対する粘着性等を考慮して選択できる。
【0059】
このように、回転体55がその表面に粘着性を備えている場合、受熱部44の表面44aに付着しているトナー等の異物が、受熱部44の表面44a上を転動によってこの回転体55に付着することになる。このため、トナー等の異物を受熱部44の表面44aから除去することができる。
【0060】
しかも、除去された異物が他の部材へ付着することを防止でき、装置全体としての清掃が容易となるとともに、形成される画像を高精度とすることができる。特に、異物除去部の表面を粘着性を有するものとすることによって、簡単な構成でしかも低コストでこのような異物が付着するものとできる。
【0061】
図9においては、清掃手段Cにて掻き落とされた異物を受ける受け部材60を設けたものである。この場合、受け部材60は皿部材からなり、少なくとも、受熱部44と清掃部材50との下方に対応して設けている。
【0062】
このように受け部材60を設けることによって、受熱部44の表面44aから掻き落とされたトナー等の異物は、この受け部材60にて受けられることになる。このため、受熱部44表面44aからかき落とされたトナー等の異物が清掃後にベルト等へ落下することを防止する。これによって、形成される画像の乱れを発生させない。
【0063】
この受け部材60は現像ユニット41側に設置されていても画像形成装置本体側に設置されていても構わないが、可能ならば現像ユニット41に設置されていることが望ましい。このように、現像ユニット41側に設置されていれば、メンテナンス等でユニット体Uを画像形成装置本体から分離した際にトナーを廃棄することが可能となる。
【0064】
画像形成装置本体に設置されている場合、図10に示すように、受け部材60が現像ユニット41、及び受熱部44の長手方向全域に設置されているものであってもよい。また、スペース上の制約等がある場合は図11に示すように清掃部材50の下方のみに設置されていても構わない。
【0065】
次に図12は、受け部材60に溜まった異物であるトナーを廃トナー回収経路63に搬送する搬送手段66を備えたものである。現像ユニット41の着脱動作に伴って、搬送手段66であるトナー搬送用部材66aが受け部材60内を着脱方向に移動して、廃トナーを一時的に保管するためのボックス67へ受け部材60から運ばれる。そこからエアー等を用いて矢印64に示すように、廃トナー経路63へ搬送される。このボックス67より下流にはダクト63aが設置されており、トナーを画像形成装置内に飛散させることなく回収することが可能となる。
【0066】
廃トナー回収経路63に搬送する搬送手段66を備えたものであれば、画像形成装置本体の内部へのトナー等の飛散を防止することができ、しかも、受熱部44表面44aから掻き落とした異物の回収作業を別途必要とせず、作業性に優れる。
【0067】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。本発明に係る画像形成装置は、電子写真複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置等がある。前記実施例では、発熱部や昇温部を有するのもとして現像ユニット41としていたが、他のユニット体(書込ユニットや定着ユニット等)であってもよい。また、前記実施例における冷却媒体は、プロピレングリコール系不凍液等の冷却液を用いたが、冷却媒体としては空気などの気体である他の媒体を用いてもよい。
【符号の説明】
【0068】
31 冷却装置
33 循環径路
38 受熱部
44 受熱部
44a 表面
60 受け部材
63 廃トナー回収経路
66 搬送手段
C 清掃手段
U ユニット体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2005−164927号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複合機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に、装置内の現像装置(現像ユニット)等を冷却する冷却装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらを備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置は、内部に書き込み装置、現像装置などの画像形成動作時に発熱を伴う複数のユニットを有している。すなわち、画像形成装置においては、書込ユニット、定着ユニット、及び現像ユニット等が発熱を伴うユニットとなる。
【0003】
例えば、現像ユニットにおいては、現像ユニット内の現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材を駆動した際に、現像剤攪拌搬送部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。また、現像剤を現像領域に搬送する前に現像剤担持体上に担持されている現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤規制部材による規制の際の現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。
【0004】
装置内の温度が上昇すると、トナーの帯電量が低下してトナー付着量が増加し、所定の画像濃度が得られなくなる。また、温度上昇によりトナーが溶融して現像剤規制部材や現像剤担持体、像担持体などに固着し、画像にスジ状の異常画像などが生じるおそれがある。特に、近年、定着エネルギーを小さくするために溶融温度の低いトナーを用いた場合は、トナーの固着による異常画像などが生じやすい。
【0005】
そのため、従来において空冷ファンで取り込んだ外気をダクトで現像ユニットの周辺に搬送し、気流を発生させ現像ユニットを空冷して、現像ユニットの温度が過度に上昇するのを抑制している。しかし、近年、画像形成装置の小型化のため、装置内が高密度化して現像ユニットの周囲に空間的余裕がなくなってきている。このため、現像ユニット周辺に空冷ファンの気流を搬送するためのダクトを設置するスペースの確保が難しくなっており、現像ユニットを強制空冷することが困難となっている。
【0006】
また、従来には、液体を循環させて発熱ユニットたる現像ユニットを冷却する液冷方式を用いた画像形成装置が記載されている(特許文献1)。この場合の液冷装置は、発熱ユニットたる現像ユニット壁面に接触して冷却液が現像ユニットの熱を受ける受熱部と、冷却液の熱を放熱するための放熱手段たるラジエータと、冷却液が受熱部とラジエータとを循環するように配管された循環パイプと、循環パイプ内の冷却液を受熱部へ搬送するための搬送手段たる搬送ポンプとを備えている。
【0007】
液冷装置は、空冷装置よりも効率良く冷却できるため、現像ユニットを効率よく冷却することができる。また、冷却液を循環させるための循環パイプは、ダクトよりも小さいため、現像ユニットの周囲の空間が狭くても、現像ユニットの周囲に循環パイプを配置することができる。よって、装置内が高密度化しても現像ユニットを冷却することができる。また、現像ユニットは、単体で装置本体から着脱可能に構成されていたり、プロセスカートリッジとして潜像担持体と一体で装置本体から着脱可能に構成されていたりする。また、現像ユニットを着脱する際は、受熱部を現像ユニットから離間させ、現像ユニットが装置本体に装着されると、受熱部が付勢手段によって現像ユニット側へ付勢され、受熱部が現像ユニットに密着する接離機構を備えている。このように構成することで、現像ユニットの着脱を容易に行うことができる。また、現像ユニット装着時には、受熱部が現像ユニットに密着するので、効率よく現像ユニットを冷却することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、機内にはトナー等の異物が舞っていることが多く、この異物が受熱部表面に付着すると、受熱部と現像ユニットとの密着度合いが減少し、冷却効率に悪影響を与えることになる。さらに、受熱部と現像ユニットとの間に熱伝導シートを使用している装置においては、挿入した異物によりシートの劣化を促進するおそれもある。またこれらのことは、現像のみでなく、機内の要冷却体とそれに接触して冷却する受熱部についても同様なことが言える。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑み、簡易な構成にて被冷却体(ユニット体)と受熱部との間の異物の侵入を防止し、冷却効率に影響を与えない画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、発熱部もしくはこの発熱部により昇温する昇温部を有するユニット体と、ユニット体から熱を受ける受熱部と、熱を外部へ放熱する放熱部と、冷却媒体が循環可能なように受熱部と放熱部とを連結する冷却媒体循環路とを有する冷却装置を備え、前記ユニット体が画像形成装置本体に対して着脱自在に配置された画像形成装置であって、前記ユニット体の画像形成装置本体から分離または装着する動作に連動して、前記冷却装置の受熱部表面に付着した異物を除去する清掃手段を備えたものである。ここで、異物とはトナー、ごみ、埃等である。
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、清掃手段にて、ユニット体の画像形成装置本体から分離または装着する際に、冷却装置の受熱部表面に付着した異物を除去することができる。
【0012】
受熱部とユニット体との間に熱伝導部材を配設したものであってもよい。熱伝導部材を介してユニット体からの熱を受熱部にて安定して受けることができる。
【0013】
前記清掃手段は前記ユニット体側に設けられ、画像形成装置本体に対してユニット体とともに着脱されるように設定できる。このように設定することによって、ユニット体を画像形成装置本体から分離させれば(取り出せば)、発熱部表面に付着した異物を除去することができるとともに、清掃手段も装置本体から取り出すことができる。
【0014】
前記清掃手段の異物除去部が、前記ユニット体の装着開始部側に設けられて、装着時には受熱部の装着方向上流側から装着方向下流側に移動するとともに、分離時には受熱部の装着方向下流側から装着方向上流側に移動するようにできる。このように構成することによって、ユニット体の分離時と装着時に、受熱部表面に付着したトナー等の異物を安定して掻き落とすことができる。
【0015】
前記清掃手段の異物除去部は分離または装着する動作時に生じる摩擦力にて異物を掻き落とすものであってもよい。前記清掃手段の異物除去部は回転体であって、分離または装着する動作時において受熱部表面との相対速度が大きくなる方向に回転するものであってもよい。
【0016】
前記清掃手段の異物除去部に異物が付着するものであってもよい。このように異物が付着するものであれば、除去された異物がこの異物除去部から落下せず、異物の他の部材への付着を防止できる。異物除去部の表面を粘着性を有するものとすることによって、異物が付着する構成とできる。
【0017】
前記清掃手段にて掻き落とされた異物を受ける受け部材を設けたものであってもよい。さらに、廃トナー回収経路と、前記受け部材に溜まった異物であるトナーを前記廃トナー回収経路に搬送する搬送手段を備えたものであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、清掃手段にて冷却装置の受熱部表面に付着した異物を除去することができるので、冷却装置による冷却効率の低下を防止できる。しかも、ユニット体の画像形成装置本体から分離または装着する際に、この清掃動作を行うことになって、清掃のための動作を別途行う必要がなく、メンテナンス性に優れる。
【0019】
熱伝導部材を有するものでは、熱を受熱部にて安定して受けることができ、しかも、熱伝導部材へのトナー等の異物の付着も防止され、冷却装置として冷却性能に優れたものとなる。
【0020】
画像形成装置本体に対してユニット体とともに着脱されるように設定することによって、ユニット体を画像形成装置本体から分離させれば(取り出せば)、清掃手段も装置本体から取り出すことができ、この清掃手段の清掃やメンテナンス等に対する作業性の向上を図ることができる。
【0021】
清掃手段の異物除去部がユニット体の装着開始部側に設けられているものでは、受熱部の表面全体を安定して清掃することができる。
【0022】
摩擦力にて異物を掻き落とすものであっても、回転体の回転でもって異物を掻き落とすものであってもよく、安定して異物を受熱部から除去することができる。また、清掃手段の異物除去部に異物が付着するものであれば、除去された異物が他の部材へ付着することを防止でき、装置全体としての清掃が容易となるとともに、形成される画像を高精度とすることができる。特に、異物除去部の表面を粘着性を有するものとすることによって、簡単な構成でしかも低コストでこのような異物が付着するものとできる。
【0023】
受け部材を設けたものでは、清掃手段にて受熱部表面から掻き落とした異物をこの受け部材にて受けることができ、より安定して他の部材へ付着することを防止でき、装置全体としての清掃が容易となるとともに、形成される画像を高精度とすることができる。
【0024】
廃トナー回収経路に搬送する搬送手段を備えたものであれば、画像形成装置本体の内部へのトナー等の飛散を防止することができ、しかも、受熱部表面から掻き落とした異物の回収作業を別途必要とせず、作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の画像形成装置の全体簡略図である。
【図2】本発明の画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【図3】前記画像形成装置のユニット体と清掃手段とを示す簡略図である。
【図4】前記画像形成装置のユニット体の着脱方法を示し、(a)は現像ユニットが本体に装着されている状態の簡略図であり、(b)は着脱動作を示す簡略図である。
【図5】清掃手段の第2の異物除去部を用いた画像形成装置のユニット体の着脱方向を示す簡略図である。
【図6】前記図5に示す異物除去部の簡略図である。
【図7】清掃手段の第3の異物除去部の簡略図である。
【図8】清掃手段の第4の異物除去部の簡略図である。
【図9】受け部材を備えた画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【図10】他の受け部材を備えた画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【図11】別の受け部材を備えた画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【図12】搬送手段を備えた画像形成装置の冷却装置の簡略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図に示す実施例による本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例】
【0027】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置本は、タンデム型間接転写方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラー複写装置である。この画像形成装置は、像担持体としての感光体18Y,18M,18C,18Kを並列に配置し、それぞれ個別に現像装置(現像ユニット)19Y,19M,19C,19Kを備え、作像部1を形成している。作像部1の上方には、潜像形成手段としての露光装置(書込ユニット)9が設けられている。
【0028】
また、装置上部には、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査して読み取る読取装置(読取ユニット)10が設けられている。作像部1の下方には、中間転写体としての中間転写ベルト15を備えた転写ユニット2が設けられている。中間転写ベルト15は、複数の支持ローラに掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。中間転写ベルト15を挟んで作像部1の反対側には2次転写装置4が設けられている。
【0029】
2次転写装置4は、2次転写ローラ17を備えており、2次転写ローラ17は、中間転写ベルト15における転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルト15の回転方向における2次転写装置4よりも下流側には、中間転写ベルト15上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置が設けられている。
【0030】
2次転写装置4の図中左方には、シート上に転写されたトナー像を定着するために、内部に発熱体を備えた加熱ローラを有する定着装置(定着ユニット)7が設けられている。また、2次転写装置4と定着装置7との間には、トナー像転写後のシートを定着装置7へと搬送する搬送ベルト6が設けられている。また、装置下方には、図示しない給紙収容部から1枚ずつ分離して給送されたシートを2次転写装置4へ給紙する給紙ユニット3が設けられている。また、定着装置7を通過したシートを機外または両面ユニット5へ搬送する排紙ユニット8が設けられている。
【0031】
次に図1に示す画像成形装置の画像形成動作について簡単に説明する。読取ユニット10は従来周知なものと同様の構成であり、コンタクトガラス上に載置された原稿画像を読み取る。その読み取られた画像情報又は本装置をプリンタとして用いる場合は外部から供給された画像情報に基づいて、書込ユニット9が駆動される。作像部1においては、感光体ドラム18が図示しない駆動手段によって回転駆動され、その感光体表面が帯電手段によって所定の極性に一様に帯電される。
【0032】
帯電された感光体表面には、書込ユニット9からのレーザ光が照射され、これによって感光体ドラム18表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム18に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー,マゼンタ,シアン及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に現像装置19から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。
【0033】
また、中間転写ベルト15が図中時計回りに走行駆動され、一次転写手段の作用により感光体ドラム18から中間転写ベルト15に各色トナー像が順次重ね転写される。このようにして中間転写ベルト15はその表面にフルカラーのトナー像を担持する。なお、いずれか1つの感光体を使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの感光体により2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、4個の感光体ドラム18のうち、黒色トナーを用いる図の一番右側の感光体ドラムを用いて画像形成を行う。
【0034】
そして、トナー像を転写した後の感光体ドラム表面に付着する残留トナーは、クリーニング手段によって感光体ドラム表面から除去され、次いでその表面が除電器の作用を受けて表面電位が初期化されて次の画像形成に備える。一方、図示しない給紙カセットから用紙が給送され、レジストローラ対14によって、中間転写ベルト15上に担持されたトナー像とのタイミングを取って2次転写部に向けて送出される。2次転写ローラ17によって中間転写ベルト表面のトナー像が用紙上に一括して転写される。トナー像を転写された用紙は搬送ベルト6により定着装置7へと搬送され、定着装置7を通過するとき、熱と圧力によってトナー像が用紙に熔融定着される。定着された用紙は、排紙ユニット8により装置側面の図示しない排紙トレイに排出される。
【0035】
用紙両面にプリントを行う場合は、用紙片面にトナー像を定着した用紙を排紙ユニット8部で反転させ、両面ユニット5を介して用紙をレジストローラ14へと再給紙する。再給紙された用紙裏面に中間転写ベルト15からトナー像が転写され、その裏面画像を定着装置7で定着することにより、表裏両面に画像を担持する用紙を、排紙トレイに排出することで、両面コピー・両面プリントが完成する。
【0036】
ところで、本例のカラー複写機では、装置内における発熱源である定着装置7からの熱の影響を作像部1及び中間転写ユニット2に与えないように、定着装置7と作像部1及び中間転写ユニット2との間に断熱装置20を設けている。断熱装置20は、ダクトによる気流から成る場合も多いが、ここではヒートパイプを使った断熱装置について説明する。
【0037】
断熱装置20は、受熱板21と、ヒートパイプ22と、放熱板23と、ダクト24及び図示しない排気ファンとで構成される。受熱部材である受熱板21は熱を吸収しやすい材料で形成され、発熱源である定着装置7と、その熱の影響から保護したい保護対象部である作像部1及び中間転写ユニット2との間に配置されている。
【0038】
伝熱手段(熱輸送手段)としてのヒートパイプ22は、受熱板21の下面に装着され、その一端部(下端部)側が受熱部となっている。ヒートパイプ22の他端側は放熱部であり、受熱部よりも高い位置で放熱板23に装着されている。放熱部材である放熱板23は、熱を放出しやすい材料で形成され、必要に応じてヒートシンクを設けても良い。ダクト24は本例では画像形成装置本体の前面から背面に延設され、そのダクト内部に放熱板23が位置するように設けられる。ダクト24の装置前面側端部には空気流入口が設けられ、背面側端部には排気口が有り、その排気口部には図示しない排気ファンが設けられている。
【0039】
このように構成された断熱装置20は、発熱部(本例では定着装置7)からの熱を受熱板21で受け、その熱が伝熱手段であるヒートパイプ22によって放熱部(放熱板23)まで輸送される。そして、ダクト24内にある放熱板23から熱が放出され、放出された熱は図示しない排気ファンにより機外に排出される。なお、排気ファンを設けず、自然冷却とすることも可能である。このように、定着熱の影響を遮断し、保護対象である作像部1及び中間転写ユニット2を効果的に保護することにより、中間転写ベルト15の変形による色ズレ等の不具合や、トナー固化等による不具合の発生を未然に防止する。
【0040】
次に、発熱の大きい箇所、もしくは強制空冷用のダクトスペースを設けることができない箇所における冷却手段として有効となる液冷却方式に冷却装置31について説明する。
【0041】
この冷却装置31は、図2に示すように、受熱部44としての受熱板32と、冷却媒体が循環する循環径路33と、ポンプ34と、ラジエータ35aおよび冷却ファン35bからなる放熱部38としての冷却部35と、リザーブタンク36を備えている。
【0042】
受熱板32は、熱伝導性の高い部材で形成されており、冷却される被冷却体Aから熱を奪う冷却媒体(冷却液)が流動する流路が貼り付けまたは埋め込みにより形成されている。また、受熱板32自体が流路を形成する構成としても良い。受熱板32は、発熱源からの熱を受け、効率よく流路内の冷却媒体に伝達する。循環径路33は、熱を奪った冷却媒体を受熱板32から冷却部35へ移動させて冷却した後に再び受熱板32へ戻して、冷却媒体を受熱板32と冷却部35との間で循環させる管である。その使用場所により、適宜アルミ管、ゴムチューブ等を使用している。冷却部35では、循環経路33からの冷却媒体を内包する収容部(熱伝導率が高いアルミ等で構成)を介して冷却媒体を伝熱・放熱する放熱手段であるラジエータ35aを備え、放熱量に応じて冷却ファン35bによる強制空冷、または自然空冷がとられる。ポンプ34は冷却媒体を受熱板32と冷却部35とで循環させる駆動源であり、冷却媒体は図2中矢印のように循環させる。また、リザーブタンク36は冷却媒体保管用のタンクである。冷却媒体は、受熱板32で受けた熱をラジエータ35aまで輸送する熱輸送媒体であり、プロピレングリコール系不凍液等が用いられている。なお、このような冷却装置31においてリザーブタンク36を有さないものであってもよい。
【0043】
ところで、前記書込ユニット9、定着ユニット7、及び現像ユニット19等は、発熱部もしくはこの発熱部により昇温する昇温部を有するユニット体Uであり、装置内の温度を上昇させる。そこで、本発明では、これらのユニット体Uを前記冷却装置でもって冷却するものである。
【0044】
図3は画像形成装置本体に対して着脱自在に配置されたユニット体Uとしての現像ユニット41を示している。現像ユニット41の近傍には、感光体40が配置されている。現像ユニット41として、現像ローラ42、トナー搬送スクリュ43等を備える。
【0045】
そして、現像ユニット41を介して感光体40と反対側に冷却装置31の受熱部44が配置される。また、現像ユニット41は、図4(b)に示す矢印47A、47B方向に沿ってスライドさせることができる。すなわち、現像ユニット41を矢印47Aに沿ってスライドさせることによって、画像形成装置本体に装着できる。また、装着された状態から矢印47B方向に沿ってスライドさせることによって、画像形成装置本体から取り外すことができる。
【0046】
現像ユニット41に、清掃手段Cである清掃部材50(この場合、ブラシ部材45)が付設されている。清掃手段Cの異物除去部を構成するブラシ部材45は、前記現像ユニット41(ユニット体U)の装着開始部側に設けられている。また、清掃部材50は、図示省略のバネ部材によって、矢印46に示すように、受熱部44側へ弾性的に押圧されている。
【0047】
このため、装着時には、矢印47A方向に現像ユニット41がスライドして清掃部材50が受熱部44の表面44aを摺動しつつ、受熱部44の装着方向上流側から装着方向下流側に移動する。また、分離時(取り外し時)には、矢印47B方向に現像ユニット41がスライドして清掃部材50が受熱部44の表面44aを摺動しつつ、受熱部44の装着方向下流側から装着方向上流側に移動することになる。
【0048】
また、この場合の清掃部材50は、図4(a)に示すように、矢印E,Fのように、水平方向に移動(揺動)可能とされている。例えば、清掃部材50が揺動アーム70に支持され、清掃部材50は、揺動アーム70の基部(現像ユニット41側の枢支部)を中心に揺動する。このため、図4(a)に示すように、現像ユニット装着した状態では、清掃部材50は矢印Eのように揺動して、受熱部44から退避する状態となって、受熱部44を現像ユニット41に密着した状態となっている。そして、現像ユニット41の着脱動作時(装着したり取り外したりする動作時)には、図4(b)に示すように、受熱部44を現像ユニット41から離間させることになるが、この場合、清掃部材50が矢印Fのように揺動して受熱部44の表面44aに密着させることができる。
【0049】
このため、着脱動作時において、清掃部材50はこの動作の妨げにならず、しかも、清掃部材50が現像ユニット41を画像形成装置本体から分離または装着する時に現像ユニット41の着脱動作に連動して受熱部44表面44aを清掃する手段となっている。そのため現像ユニット41を取り外す際や装着する際に受熱部44表面44aに付着したトナー等の異物を除去できる。
【0050】
本発明では、清掃手段Cにて冷却装置31の受熱部44表面44aに付着した異物を除去することができるので、冷却装置31による冷却効率の低下を防止できる。しかも、ユニット体Uの画像形成装置本体から分離または装着する際に、この清掃動作を行うことになって、清掃のための動作を別途行う必要がなく、メンテナンス性に優れる。
【0051】
また、前記清掃手段Cは前記ユニット体U側に設けられ、画像形成装置本体に対してユニット体Uとともに着脱されるように設定できる。このように設定することによって、ユニット体Uを画像形成装置本体から分離させれば(取り出せば)、発熱部44表面44aに付着した異物を除去することができるとともに、清掃手段Cも装置本体から取り出すことができる。清掃手段C自体の清掃やメンテナンス性に優れる。
【0052】
前記清掃手段Cの異物除去部としての清掃部材50が、前記ユニット体Uの装着開始部側に設けられて、装着時には受熱部44の装着方向上流側から装着方向下流側に移動するとともに、分離時には受熱部44の装着方向下流側から装着方向上流側に移動するようにできる。これによって、ユニット体Uの分離時と装着時の2度、つまり往復での清掃が可能となって、クリーニング性の向上を図ることができる。これにより受熱部44表面44aに付着したトナー等の異物を効率的に除去し、冷却効率低下を防止することができる。
【0053】
ところで、現像ユニット41と受熱部44の間に熱伝導部材である熱伝導シートを配置することができる。このように熱伝導シートを配置すれば、熱伝導部材を介してユニット体Uからの熱を受熱部44にて安定して受けることができる。しかも、付着したトナー等の異物によって熱伝導シートが劣化してしまうことを防止できる。もちろんこのような伝導シートが配置されないものであってもよい。
【0054】
図5では、清掃部材50が図6に示すように、その表面に毛49を有する円柱状体のブラシ部材48からなり、その軸51廻りに回転しないように構成されている。このため、ユニット体Uの分離時及び装着時において、受熱部44の表面44aに対してブラシ部材48が摺動することになる。すなわち、清掃部材50表面と受熱部44表面44aの間に発生する摩擦力を利用してトナー等の異物をかき落とすことができる。以上より、冷却効率低下や熱伝導部材の劣化を防止することができる。
【0055】
これに対して、図7では、ユニット体Uの分離時及び装着時において、受熱部44表面44aに対する清掃部材50の表面の相対速度が大きくなる方向に回転するように設定される。すなわち、装着時には、矢印47A方向に沿ってスライドさせることになり、この場合、ブラシ部材48が矢印52方向に回転して受熱部44の表面44a上を転動する。また、分離時には、矢印47A方向と逆の矢印47B方向(図4や図5等参照)に沿ってスライドさせることになり、この場合、ブラシ部材48が矢印52方向と反対の方向に回転して受熱部44の表面44a上を転動する。
【0056】
これによって、受熱部44の表面44aに付着したトナー等の異物を効率的に掻き落とすことができる。
【0057】
次に、図8では、清掃部材50は、その表面に粘着層53が形成された円柱体乃至円筒体からなる回転体55である。このため、ユニット体Uの分離時及び装着時において、受熱部44の表面44aに対して回転体55がその軸56廻りに回転することになる。すなわち、装着時には、矢印47A方向に沿ってスライドさせることになり、この場合、回転体55が矢印54方向にその軸56廻りに回転して受熱部44の表面44a上を転動する。また、分離時には、矢印47A方向と逆の矢印47B方向(図4や図5等参照)に沿ってスライドさせることになり、この場合、回転体55が矢印54方向と反対の方向に回転して受熱部44の表面44a上を転動する。
【0058】
粘着層53に使用する粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の種々ものを用いることができる。この際、この装置の使用環境(温度、湿度等)、トナーに対する粘着性等を考慮して選択できる。
【0059】
このように、回転体55がその表面に粘着性を備えている場合、受熱部44の表面44aに付着しているトナー等の異物が、受熱部44の表面44a上を転動によってこの回転体55に付着することになる。このため、トナー等の異物を受熱部44の表面44aから除去することができる。
【0060】
しかも、除去された異物が他の部材へ付着することを防止でき、装置全体としての清掃が容易となるとともに、形成される画像を高精度とすることができる。特に、異物除去部の表面を粘着性を有するものとすることによって、簡単な構成でしかも低コストでこのような異物が付着するものとできる。
【0061】
図9においては、清掃手段Cにて掻き落とされた異物を受ける受け部材60を設けたものである。この場合、受け部材60は皿部材からなり、少なくとも、受熱部44と清掃部材50との下方に対応して設けている。
【0062】
このように受け部材60を設けることによって、受熱部44の表面44aから掻き落とされたトナー等の異物は、この受け部材60にて受けられることになる。このため、受熱部44表面44aからかき落とされたトナー等の異物が清掃後にベルト等へ落下することを防止する。これによって、形成される画像の乱れを発生させない。
【0063】
この受け部材60は現像ユニット41側に設置されていても画像形成装置本体側に設置されていても構わないが、可能ならば現像ユニット41に設置されていることが望ましい。このように、現像ユニット41側に設置されていれば、メンテナンス等でユニット体Uを画像形成装置本体から分離した際にトナーを廃棄することが可能となる。
【0064】
画像形成装置本体に設置されている場合、図10に示すように、受け部材60が現像ユニット41、及び受熱部44の長手方向全域に設置されているものであってもよい。また、スペース上の制約等がある場合は図11に示すように清掃部材50の下方のみに設置されていても構わない。
【0065】
次に図12は、受け部材60に溜まった異物であるトナーを廃トナー回収経路63に搬送する搬送手段66を備えたものである。現像ユニット41の着脱動作に伴って、搬送手段66であるトナー搬送用部材66aが受け部材60内を着脱方向に移動して、廃トナーを一時的に保管するためのボックス67へ受け部材60から運ばれる。そこからエアー等を用いて矢印64に示すように、廃トナー経路63へ搬送される。このボックス67より下流にはダクト63aが設置されており、トナーを画像形成装置内に飛散させることなく回収することが可能となる。
【0066】
廃トナー回収経路63に搬送する搬送手段66を備えたものであれば、画像形成装置本体の内部へのトナー等の飛散を防止することができ、しかも、受熱部44表面44aから掻き落とした異物の回収作業を別途必要とせず、作業性に優れる。
【0067】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。本発明に係る画像形成装置は、電子写真複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置等がある。前記実施例では、発熱部や昇温部を有するのもとして現像ユニット41としていたが、他のユニット体(書込ユニットや定着ユニット等)であってもよい。また、前記実施例における冷却媒体は、プロピレングリコール系不凍液等の冷却液を用いたが、冷却媒体としては空気などの気体である他の媒体を用いてもよい。
【符号の説明】
【0068】
31 冷却装置
33 循環径路
38 受熱部
44 受熱部
44a 表面
60 受け部材
63 廃トナー回収経路
66 搬送手段
C 清掃手段
U ユニット体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2005−164927号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部もしくはこの発熱部により昇温する昇温部を有するユニット体と、ユニット体から熱を受ける受熱部と、熱を外部へ放熱する放熱部と、冷却媒体が循環可能なように受熱部と放熱部とを連結する冷却媒体循環路とを有する冷却装置を備え、前記ユニット体が画像形成装置本体に対して着脱自在に配置された画像形成装置であって、
前記ユニット体の画像形成装置本体から分離または装着する動作に連動して、前記冷却装置の受熱部表面に付着した異物を除去する動作を行う清掃手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
受熱部とユニット体との間に熱伝導部材を配設したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記清掃手段は前記ユニット体側に設けられ、画像形成装置本体に対してユニット体とともに着脱されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記清掃手段の異物除去部が、前記ユニット体の装着開始部側に設けられて、装着時には受熱部の装着方向上流側から装着方向下流側に移動するとともに、分離時には受熱部の装着方向下流側から装着方向上流側に移動することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記清掃手段の異物除去部は分離または装着する動作時に生じる摩擦力にて異物を掻き落とすことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記清掃手段の異物除去部は回転体であって、分離または装着する動作時において受熱部表面との相対速度が大きくなる方向に回転することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記清掃手段の異物除去部に異物が付着することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記清掃手段の異物除去部の表面は粘着性を有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記清掃手段にて掻き落とされた異物を受ける受け部材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
廃トナー回収経路と、前記受け部材に溜まった異物であるトナーを前記廃トナー回収経路に搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
発熱部もしくはこの発熱部により昇温する昇温部を有するユニット体と、ユニット体から熱を受ける受熱部と、熱を外部へ放熱する放熱部と、冷却媒体が循環可能なように受熱部と放熱部とを連結する冷却媒体循環路とを有する冷却装置を備え、前記ユニット体が画像形成装置本体に対して着脱自在に配置された画像形成装置であって、
前記ユニット体の画像形成装置本体から分離または装着する動作に連動して、前記冷却装置の受熱部表面に付着した異物を除去する動作を行う清掃手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
受熱部とユニット体との間に熱伝導部材を配設したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記清掃手段は前記ユニット体側に設けられ、画像形成装置本体に対してユニット体とともに着脱されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記清掃手段の異物除去部が、前記ユニット体の装着開始部側に設けられて、装着時には受熱部の装着方向上流側から装着方向下流側に移動するとともに、分離時には受熱部の装着方向下流側から装着方向上流側に移動することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記清掃手段の異物除去部は分離または装着する動作時に生じる摩擦力にて異物を掻き落とすことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記清掃手段の異物除去部は回転体であって、分離または装着する動作時において受熱部表面との相対速度が大きくなる方向に回転することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記清掃手段の異物除去部に異物が付着することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記清掃手段の異物除去部の表面は粘着性を有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記清掃手段にて掻き落とされた異物を受ける受け部材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
廃トナー回収経路と、前記受け部材に溜まった異物であるトナーを前記廃トナー回収経路に搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−164477(P2011−164477A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29167(P2010−29167)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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