説明

画像形成装置

【課題】冷却効率の高い画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、現像器350Y、350M、350C、350Kの各々へ補給するための現像剤を収納するトナーボトル301Y、301M、301C、301Kの各々と、現像剤を定着する定着器40を通過した用紙を搬送する中継搬送部71と、トナーボトル301Y、301M、301C、301Kの上であってトナーボトル301Y、301M、301C、301Kと中継搬送部71との間に設けられ、かつ空気を流通させる空気通路5とを備える。画像形成装置1は、好ましくは、現像剤が定着された用紙に対して後処理を施すフィニッシャ部3をさらに備え、中継搬送部71は現像剤が定着された用紙をフィニッシャ部3へ搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、より特定的には、電子写真方式を適用した画像形成装置であって、カラー/モノクロを問わず、複写機、プリンタ、FAX(ファクシミリ)等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー/モノクロを問わず、複写機、プリンタなどに用いられる画像形成装置として、トナーボトルから現像装置にトナーを補給して現像装置で現像を行い、用紙上に画像を形成する画像形成装置がある。画像形成装置は、主に画像形成部と用紙搬送部とを備えている。画像形成部は、像担持体上にトナー像を形成し、このトナー像を用紙に転写し定着することにより、用紙に画像を形成する。現像装置は、潜像が形成された像担持体上にトナーを供給することにより像担持体上でトナー像を現像する。用紙搬送部は、給紙トレイから1枚ずつ用紙を取り出して画像形成部へ送り出し、画像形成後の用紙を排紙トレイへ搬送する。
【0003】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、定着器の熱によって用紙上にトナーを定着させる方式が一般的であり、熱定着トナーは、周囲の温度が上昇した場合には、流動性の悪化や、トナーボトル内部での固化などの不具合を生じる恐れがある。トナーボトルは、特に熱源である定着器や、基板部(電源部)の近傍などに配置されると、それらの放熱にさらされて温度が上昇する。
【0004】
そこで、定着器や、基板部などから発生する熱の影響による、トナーボトルの温度上昇を防ぐための対策(熱対策)が必要である。たとえば下記特許文献1および2には、トナーボトルの温度上昇を防ぐための従来の技術が開示されている。
【0005】
下記特許文献1には、感光体上に書込みを行う書込み装置(プリントヘッド)の冷却に用いた外気を、トナーボトルに向けて流す構成の冷却装置が開示されている。この冷却装置は、書込み装置が内部に配置された光学箱を挟んで上側および下側のほぼ全体を被うように配置された上ダクトおよび下ダクトと、書込み装置を冷却する外気を上ダクトおよび下ダクトに取り込む吸気ダクトと、書込み装置の冷却に用いた下ダクトの外気をトナーボトルと定着装置との間に向けて流す排気口とを含んでいる。この冷却装置においては、トナーボトルの円筒軸線上に対し直行する方向であって、トナーボトルの回転に対しカウンタ方向へ向けて、書込み装置(プリントヘッド)の冷却に用いた外気を流している。
【0006】
また下記特許文献2には、色材の収容容器が加熱されることによる不具合を防ぐことのできる画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、電気回路基板類が集合された制御基板アッセンブリ(発熱構成部)と、制御基板アッセンブリの下側に設けられたトナー収容部とを備えている。トナー収容部の各色のトナーカートリッジと制御基板アッセンブリとの間には冷却空気通路が形成されおり、冷却空気通路に空気を流すことにより、トナーカートリッジの温度上昇が防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003―302892号公報
【特許文献2】特開2008―33052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、省電力などを目的として、低温度で定着可能なトナーの開発が進んでいる。低温で定着可能なトナーは、通常のトナーよりも熱による影響を受けやすい。すなわち、低温で定着可能なトナーは、トナーボトルの周囲温度がたとえば約50℃弱に達すると、流動性が悪化し、内部で固化するなどの不具合を生じる恐れがある。しかし、従来の画像形成装置において連続プリントでの通紙を行った場合には、トナーボトル上部の温度が高温(たとえば50℃以上)になる恐れがある。したがって、トナーボトルの冷却効率を現状よりもさらに向上することが求められている。
【0009】
トナーボトルの冷却効率を向上するためには、定着器や基板部から受ける熱によるトナーボトルの温度上昇を防止するとともに、定着後の用紙から受ける熱によるトナーボトルの温度上昇も防止する必要がある。
【0010】
しかしながら、特許文献1および2の技術では、定着後の用紙から受ける熱によるトナーボトルの温度上昇を防ぐことはできず、冷却効率は低かった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、冷却効率の高い画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の局面に従う画像形成装置は、現像装置へ補給するための現像剤を収納する収納部と、現像剤を定着する定着器を通過した用紙を搬送または積載する搬送積載部と、収納部の上であって収納部と搬送積載部との間に設けられ、かつ空気を流通させる空気通路とを備える。
【0013】
上記画像形成装置において好ましくは、現像剤が定着された用紙に対して後処理を施すフィニッシャ部をさらに備え、搬送積載部は、現像剤が定着された用紙をフィニッシャ部へ搬送する。
【0014】
上記画像形成装置において好ましくは、搬送積載部は画像形成装置の外部へ排出された用紙を積載する。
【0015】
上記画像形成装置において好ましくは、現像装置内に浮遊する現像剤を吸引することが可能な吸引部をさらに備え、空気通路は、吸引部から吸気する吸気口と、吸気口に設けられ、現像剤を補集するフィルタとを含む。
【0016】
上記画像形成装置において好ましくは、現像装置から用紙上に供給された現像剤を熱により定着する定着部に対し、冷却のための空気を送風する送風ファンをさらに備え、空気通路は送風ファンが設けられた排気口を含む。
【0017】
上記画像形成装置において好ましくは、空気通路内の温度を検知する温度検知部をさらに備え、温度検知部で検知された温度に基づいて、空気通路における空気の流通が制御される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、冷却効率の高い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を模式的に示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の空気通路付近の構成を詳細に示す斜視図である。
【図4】図1の空気通路付近の他の構成を詳細に示す斜視図である。
【図5】制御部が実行する空気通路の冷却の制御処理のフローチャートを示す図である。
【図6】空気通路が設けられていない画像形成装置におけるトナーボトル付近の構成を示す正面図である。
【図7】図6の画像形成装置において定着部を通過後の用紙が搬送された時の熱の発生を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の効果を説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の構成を模式的に示す正面図である。
【図10】空気通路が設けられていない画像形成装置におけるトナーボトル付近の構成を示す正面図である。
【図11】図10の画像形成装置において定着部を通過後の用紙が積載された時の熱の発生を模式的に示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を模式的に示す正面図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置1は、MFP(Multi Function Peripheral)であり、画像形成装置本体2と、フィニッシャ部3と、スキャナ部4と、空気通路5(冷却手段)とを備えている。画像形成装置本体2は、用紙(記録材)に画像を形成する部分であり、図1中右下に配置されている。フィニッシャ部3は、画像が形成された用紙に対してステープル処理、穴明け処理、または中綴じ処理などの後処理を行う部分であり、画像形成装置本体2の左側に配置されている。スキャナ部4はスキャナ機能を実行する部分であり、画像形成装置本体2の上に配置されている。フィニッシャ部3およびスキャナ部4は、オプションとして画像形成装置本体2に装着されている。
【0024】
画像形成装置本体2の内部には画像形成部が配置されており、画像形成装置本体2は胴内排紙構成を有している。画像形成部は、用紙搬送部10と、トナー像形成部30と、定着部40(定着手段)と、制御部50とを含んでいる。トナー像形成部30は、いわゆるタンデム方式で、必要に応じてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のYMCKの4色の画像を合成し、用紙にカラー画像を形成する。
【0025】
用紙搬送部10は、給紙ローラ101と、搬送ローラ102と、タイミングローラ(レジストローラ)103と、2つの排紙ローラ104a、104bとを含んでいる。給紙ローラ101、搬送ローラ102、タイミングローラ103、および2つの排紙ローラ104a、104bの各々は、通紙経路R1の用紙搬送方向上流側(図1中下側、以降、上流側と呼ぶことがある)から用紙搬送方向下流側(図1中上側、以降、下流側と呼ぶことがある)へ向かってこの順序で配置されている。タイミングローラ103と2つの排紙ローラ104a、104bとの間には、2次転写ローラ307および定着部40が配置されている。通紙経路R1は定着部40よりも下流側で2つに分岐しており、分岐した通紙経路R1の各々には、それぞれ排紙ローラ104aおよび104bが配置されている。
【0026】
画像形成装置1の下部に配置された給紙カセット60に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット60から給紙される。そして用紙は、給紙ローラ101、搬送ローラ102、およびタイミングローラ103によって2次転写ローラ307へ搬送され、トナー像が形成される。トナー像が形成された用紙は定着部40によってトナー像が定着され、排紙ローラ104aによって本体排出口63からフィニッシャ部3に搬送(排出)される。図1中矢印Eは、給紙カセット60に装てんされた用紙が画像形成されて画像形成装置本体2の外部へ排出されるまでの用紙搬送方向を示したものである。また用紙の両面に画像形成を行う場合には、一方の面に画像形成された用紙は排紙ローラ104bにおいてスイッチバックされ、反転経路R2を図1中下向きに進んで、2次転写ローラ307および定着部40へ再び搬送され、他方の面に画像形成される。なお、用紙搬送部10は、これら以外にも用紙を搬送するためなどに用いられるローラを有していてもよい。
【0027】
トナー像形成部30は、4色のトナーボトル301Y、301M、301C、301K(収納部の一例、以下、これらをまとめてトナーボトル301と呼ぶことがある。)と、1次転写ローラ303と、中間転写ベルト305と、2次転写ローラ307と、4組のプリントユニット(イメージングユニット)310Y、310M、310C、310K(以下、これらをまとめてプリントユニット310と呼ぶことがある。)と、レーザスキャンユニット320などで構成されている。
【0028】
イエロートナーボトル301Y、マゼンタトナーボトル301M、シアントナーボトル301C、およびブラックトナーボトル301Kは、YMCK各色のトナー(現像剤)を収納する。トナーボトル301Y、301M、301C、301Kは、それぞれの駆動モータ(図示無し)により回転駆動され、内部に保管されているトナーを各プリントユニット310の現像器350に補給する。トナーの補給動作は、現像器350内のトナーが少なくなると行われる。
【0029】
中間転写ベルト305は、環状であり、2つのローラ306a、306bの間に架けわたされている。中間転写ベルト305は、用紙搬送部10と連動して回転する。2次転写ローラ307は、中間転写ベルト305のローラ306bに接触している部分に対向するように配置されている。2次転写ローラ307と中間転写ベルト305との間隔は、圧接離間機構(図示無し)により調整される。用紙は、中間転写ベルト305と2次転写ローラ307との間で挟まれながら搬送される。
【0030】
プリントユニット310は、感光体ドラム311、現像器350、クリーナ、および帯電器などを含む。ここで、感光体ドラム311は、プリントユニット310Y、310M、310C、310Kにそれぞれ対応する感光体ドラム311Y、311M、311C、311Kである。現像器350は、感光体ドラム311Y、311M、311C、311Kにそれぞれ対応する現像器350Y、350M、350C、350Kである。イエロープリントユニット310Y、マゼンタプリントユニット310M、シアンプリントユニット310C、ブラックプリントユニット310Kは、それぞれY、M、C、Kの画像を形成するために配置されている。プリントユニット310は、中間転写ベルト305の直下に並置されている。レーザスキャンユニット320は、各感光体ドラム311上にレーザ光を走査可能に配置されている。
【0031】
トナー像形成部30において、レーザスキャンユニット320は、YMCKの各色別の画像データに基づいて、帯電器により一様に帯電した感光体ドラム311上に潜像を形成する。現像器350は、潜像が形成された各感光体ドラム311上に各色のトナーを付着させる(供給する)ことにより、各感光体ドラム311上にトナー像を形成する(現像)。1次転写ローラ303の各々は、各感光体ドラム311に形成されたトナー像を中間転写ベルト305に転写し、その中間転写ベルト305上に、用紙に形成する4色分のトナー像の鏡像を形成する(1次転写)。その後、高電圧が印加された2次転写ローラ307は、中間転写ベルト305に形成されたトナー像を用紙に転写し、用紙上にトナー像を形成する(2次転写)。
【0032】
定着部40は、加熱ローラ401と、加圧ローラ403と、IH(Induction Heating)コイル(加熱部の一例)405とを有している。加熱ローラ401は、IHコイル405により加熱される。定着部40は、加熱ローラ401と加圧ローラ403とでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行う。これにより、定着部40は、用紙に付着したトナーを熱に溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
【0033】
空気通路5は、空気を流通させることによりトナーボトル301を冷却するための通路であり、トナーボトル301の上であってトナーボトル301と中継搬送部71との間に設けられている。空気通路5の構成については後述する。
【0034】
フィニッシャ部3は、フィニッシャ部本体70(フィニッシャ部の一例)と、中継搬送部71(搬送積載部の一例)とを含んでいる。フィニッシャ部本体70は、画像が形成された用紙に対して後処理を行う部分であり、中継搬送部71は、本体排出口63から排出された用紙をフィニッシャ部本体70内へ搬送する部分である。フィニッシャ部本体70は搬送ローラ73aを含んでおり、中継搬送部71は搬送ローラ73b〜73dの各々を含んでいる。搬送ローラ73a〜73dの各々は、用紙を通紙経路R3に沿って排紙トレイ75へ搬送する。
【0035】
スキャナ部4は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャナ部4は、ADF(Auto Document Feeder)を有しており、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿を、ADFにより順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサによりその画像データを読み取る。読み取られた画像データは、たとえば、制御部50においてアプリケーションデータ形式に変換され、制御部50のHDDなどに記憶される。
【0036】
図2は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
図2を参照して、画像形成装置1の制御部50は、フィニッシャ部3、スキャナ部4、用紙搬送部10、トナー像形成部30、および定着部40などを制御する部分である。制御部50は、HDD(Hard disk drive)51と、CPU(Central Processing Unit)52と、ROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54と、ネットワークコントローラ55とを含んでいる。
【0038】
HDD51は、ネットワークコントローラ55を介して外部から送られたプリントデータなどのデータや、スキャナ部4で読み取った画像データなどを記憶する。
【0039】
CPU52は、スキャンジョブ、コピージョブ、およびプリントジョブなど、画像形成装置全体の制御を行う。CPU52は、所定の処理を行うことにより、ROM53、RAM54のデータの読み込みや、ROM53、RAM54へのデータの書き込みを行う。またCPU52は、温度検知センサ511で検知した温度に基づいて、ファン513および515の各々を制御する。
【0040】
ROM53は、たとえばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM53には、資料印刷処理のためのプログラムを含む画像形成装置1の動作を行うための各種プログラムと、各種固定データとが格納されている。ROM53は、書換え不可能なものであってもよい。
【0041】
RAM54は、CPU52のメインメモリである。RAM54は、CPU52が制御プログラムを実行するときに必要なデータを記憶するためなどに用いられる。
【0042】
ネットワークコントローラ55は、CPU52からの指示に従って、TCP/IPなどの通信プロトコルによって、LANなどを介して他のMFPやPCなどの外部機器との通信を行う。
【0043】
[空気通路の構成]
【0044】
図3は、図1の空気通路付近の構成を詳細に示す斜視図である。
【0045】
図3を参照して、空気通路5は、空気を吸い込むための吸気口501と、空気を排出するための排気口503とを含んでいる。吸気口501はたとえば画像形成装置の背面側を向いており、排気口503はたとえば画像形成装置の右側面側を向いている。吸気口501から吸い込まれた空気は、図3中矢印Aで示すように、その流通方向を正面側方向から右側面方向(トナーボトル301の回転軸に対して垂直な方向)に変えながら空気通路5内を流通し、排気口503から排気される。トナーボトル301の上部における、空気の流通方向(矢印Aで示す方向)に対して垂直な空気通路5の断面積は、下流側になるにつれて徐々に大きくなっている。
【0046】
吸気口501付近には、空気通路5の外部の空気を空気通路5へ吸い込むためのファン513が設けられている。排気口503付近には、空気通路5を流通した空気を排出するためのファン515(送風ファンの一例)が設けられている。ファン515は、空気通路5を流通した空気を、排気口503を通じてIHコイル405(または定着部40)へ向けて送風することにより、IHコイル405(または定着部40)を冷却する。ファン515は、空気通路5の内部に設けられていても空気通路5の外部に設けられていてもよい。空気通路5のたとえば上面には、空気通路5の温度を検知するための温度検知センサ511が設けられている。温度検知センサ511の個数および配置は任意である。
【0047】
本実施の形態における空気通路は、図3に示す構成の他、以下に示す構成を有していてもよい。
【0048】
図4は、図1の空気通路付近の他の構成を詳細に示す斜視図である。
【0049】
図4を参照して、空気通路5は、トナーを吸引する吸引部517(粉煙(トナー)吸引機構)に吸気口501が接続されている点において、図3に示す空気通路と異なっている。吸引部517は、装置の背面側においてプリントユニット310Y、310M、310C、310Kの各々と接続されており、プリントユニット310Y、310M、310C、310Kの各々の現像器350内に浮遊するトナーを吸引する。吸気口501にはトナーを捕集するためのフィルタ519(粉煙(トナー)フィルタ)が設けられており、空気通路5は図4中矢印Bで示すように、フィルタ519を介して吸引部517から空気を吸引する。これにより、イメージングユニット内部の粉煙を吸引する排気フローなどが空気通路5内部に導入され、空気通路5にはフィルタ519を通過した空気(エア)が流入する。
【0050】
なお、上述以外の空気通路5の構成は、図3に示す空気通路と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0051】
[空気通路の冷却の制御処理]
【0052】
制御部50(図1)は、温度検知センサ511を用いて検知した空気通路5の温度に基づいて、ファン513および515の動作を制御し、それにより、空気通路5を流通する空気による冷却を制御してもよい。続いて、制御部50が実行する、空気通路5の冷却の制御処理について説明する。
【0053】
図5は、制御部が実行する空気通路の冷却の制御処理のフローチャートを示す図である。
【0054】
図5を参照して、画像形成装置を用いた印刷ジョブが開始した場合(S1でYES)、制御部50はファン513および515を回転し、空気通路5内に空気を流通させる(S3)。これにより、空気通路5の温度が低下し、また通紙経路R3を通過する熱を持った用紙からの熱が、トナーボトル301へ伝わることが防止される。さらに、空気通路5と近接するトナーボトル301が冷却される。印刷ジョブが行われている間は、定着部40が動作中であると推測されるので、定着後の用紙からの放熱によるトナーボトル301の温度上昇を防止するために、ファン513および515は回転され続ける。続いて制御部50は、印刷ジョブが終了したか否かを判別する(S5)。印刷ジョブが終了した場合には(S5でYES)、制御部50は、温度検知センサ511の出力信号を温度(指標値)として取得し、その温度が所定の基準値(指標値)以下であるか否かを判別する(S7)。基準値は任意であり、たとえば40℃近傍に設定される。温度が基準値以下である場合には(S7でYES)、制御部50はファンの回転を停止し(S9)、処理を終了する。一方、ステップS7において、温度が基準値を超えている場合(S7でNO)、トナーボトルは冷却される必要がある。この場合制御部50は、温度が基準値以下となるまでファンを回転し続け、冷却を継続する。
【0055】
[実施の形態の効果]
【0056】
本実施の形態における画像形成装置1は、胴内排紙構成を有する画像形成装置であって、本体排出口63(本体排出部)とフィニッシャ部本体70(整合処理部)とを繋ぐ中継の通紙経路R3および搬送ローラ73b〜73d(搬送手段)を有し、通紙経路R3の下部に現像器350へ色材を補給する各色のトナーボトル301(色材収容容器)を有し、搬送ローラ73b〜73dと、トナーボトル301との間に冷却手段による空気通路5(空気流路)を形成することを特徴とするものである。
【0057】
本実施の形態における画像形成装置1によれば、定着後の排出用紙からの放熱に起因するトナーボトルの周囲の温度上昇を防止することが可能になる。また、別途新たな冷却手段を設けなくとも冷却が可能となり、装置が大型化することなく安価な構成を提供することができる。
【0058】
図6は、空気通路が設けられていない画像形成装置におけるトナーボトル付近の構成を示す正面図である。図7は、図6の画像形成装置において定着部を通過後の用紙が搬送された時の熱の発生を模式的に示す図である。なお、図6に示す画像形成装置は、空気通路が設けられていない以外は図1に示す本実施の形態における画像形成装置と同様の構成を有している。
【0059】
図6および図7を参照して、用紙は定着部40によってトナーが定着された後、中継搬送部71によってフィニッシャ部本体70へ搬送される。用紙は、定着部40によってトナーが定着される際に加熱されるので、トナー定着後に通紙経路R3を搬送される際に放熱する。その結果、トナーボトル上部の(周辺の)領域である領域REでは、用紙からの熱を受けて温度が上昇する問題が生じる。
【0060】
図8は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の効果を説明するための図である。
【0061】
図8を参照して、本実施の形態における画像形成装置1によれば、図8中矢印A1で示すように、吸気口501から吸い込んだ空気を空気通路5内に流通させることにより、中継搬送部71(水平搬送部)とトナーボトル301との間にエアーカーテンを構成することで、用紙からの放熱を遮断することができ、領域REの温度上昇を抑制することができる。その結果、トナーボトル301の冷却効率を向上することができる。
【0062】
加えて、空気通路5を流通した空気が、トナーボトル冷却を経てファン515に流入し、図8中矢印A2で示すようにIHコイル405へ流されるので、IHコイル405を冷却することができる。また空気通路5に流入した風をファン513とは異なるファン515にて機外へ排出できるため、本体手前側に風が吐き出されず、操作パネル前面に立ったユーザに不快感を与えることがない。
【0063】
さらに、機内の温度を検知して、検知した温度に基づいて空気通路の冷却の制御処理を行うことで、機内の温度が所定の温度(たとえば40℃)以下になるまで冷却を継続することができる。
【0064】
[第2の実施の形態]
【0065】
図9は、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の構成を模式的に示す正面図である。
【0066】
図9を参照して、本実施の形態における画像形成装置1は、主にフィニッシャ部を備えていない点において第1の実施の形態における画像形成装置と異なっている。本実施の形態における画像形成装置1は、トナーボトル301の上部に設けられた排紙トレイ61(搬送積載部の一例、積載トレイ)を備えている。排紙トレイ61は、本体排出口63から画像形成装置1の外部へ排出された用紙の各々を積載する。空気通路5は、トナーボトル301と排紙トレイ61との間に設けられている。
【0067】
なお、上述以外の画像形成装置1の構成は、図1に示す第1の実施の形態の画像形成装置の構成と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0068】
[実施の形態の効果]
【0069】
本実施の形態における画像形成装置1は、胴内排紙構成を有する画像形成装置であって、本体排出口63と排出された用紙を積載する排紙トレイ61を有し、排紙トレイ61(積載トレイ)の下部に、現像器350へ色材を補給する各色のトナーボトル301を有し、排紙トレイ61と、トナーボトル301との間に冷却手段による空気通路5を形成することを特徴とするものである。
【0070】
本実施の形態における画像形成装置1によれば、第1の実施の形態における画像形成装置と同様の効果を得ることができる。
【0071】
図10は、空気通路が設けられていない画像形成装置におけるトナーボトル付近の構成を示す正面図である。図11は、図10の画像形成装置において定着部を通過後の用紙が積載された時の熱の発生を模式的に示す図である。なお、図10に示す画像形成装置は、空気通路が設けられていない以外は図9に示す本実施の形態における画像形成装置と同様の構成を有している。
【0072】
図10および図11を参照して、用紙は定着部40によってトナーが定着された後、排紙ローラ104aによって本体排出口63から排紙トレイ61へ排出される。用紙は、定着部40によってトナーが定着される際に加熱されるので、排紙トレイ61に積載されている間に放熱する。その結果、トナーボトル上部の(周辺の)領域である領域REでは、積載されている用紙S(積載用紙)からの放熱を受けて温度が上昇する問題が生じる。
【0073】
図12は、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の効果を説明するための図である。
【0074】
図12を参照して、本実施の形態における画像形成装置1によれば、図12中矢印A1で示すように、吸気口501から吸い込んだ空気を空気通路5内に流通させることにより、排紙トレイ61とトナーボトル301との間にエアーカーテンを構成することで、用紙からの放熱を遮断することができ、領域REの温度上昇を抑制することができる。その結果、トナーボトル301の冷却効率を向上することができる。
【0075】
[その他]
【0076】
上述の実施の形態においては、空気通路の吸気口が吸引部に接続され、排気口がIHコイルに接続されている場合について示したが、吸気口および排気口の接続先は任意である。たとえば、空気通路の吸気口および排気口がそれぞれ装置外に面しており、空気通路は装置外の空気を吸い込み、装置外へ空気を排出してもよい。
【0077】
上述の実施の形態は適宜組み合わせることができる。たとえば、図5に示す空気通路の冷却の制御処理が図9に示す画像形成装置において実行されてもよい。この場合には、排紙トレイ上に用紙が積載されたままであっても、用紙がトナーボトルへ及ぼす放熱の影響を遮断することが可能となる。
【0078】
上述の実施の形態においては、画像形成装置がスキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFPである場合について示したが、本発明の画像形成装置は、MFPである場合の他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンタなどであってもよい。
【0079】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0080】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
3 フィニッシャ部
4 スキャナ部
5 空気通路
10 用紙搬送部
30 トナー像形成部
40 定着部
50 制御部
51 HDD
52 CPU
53 ROM
54 RAM
55 ネットワークコントローラ
60 給紙カセット
61 排紙トレイ
63 本体排出口
70 フィニッシャ部本体
71 中継搬送部
73a〜73d,102 搬送ローラ
75 排紙トレイ
101 給紙ローラ
103 タイミングローラ
104a,104b 排紙ローラ
301,301Y,301M,301C,301K トナーボトル
303 1次転写ローラ
305 中間転写ベルト
306a,306b ローラ
307 2次転写ローラ
310,310Y,310M,310C,310K プリントユニット
311,311Y,311M,311C,311K 感光体ドラム
320 レーザスキャンユニット
350,350Y,350M,350C,350K 現像器
401 加熱ローラ
403 加圧ローラ
405 IHコイル
501 吸気口
503 排気口
511 温度検知センサ
513,515 ファン
517 吸引部
519 フィルタ
R1,R3 通紙経路
R2 反転経路
RE 領域
S 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像装置へ補給するための現像剤を収納する収納部と、
現像剤を定着する定着器を通過した用紙を搬送または積載する搬送積載部と、
前記収納部の上であって前記収納部と前記搬送積載部との間に設けられ、かつ空気を流通させる空気通路とを備えた、画像形成装置。
【請求項2】
現像剤を定着する定着器を通過した用紙に対して後処理を施すフィニッシャ部をさらに備え、
前記搬送積載部は、現像剤が定着された用紙を前記フィニッシャ部へ搬送する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送積載部は画像形成装置の外部へ排出された用紙を積載する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像装置内に浮遊する現像剤を吸引することが可能な吸引部をさらに備え、
前記空気通路は、前記吸引部から吸気する吸気口と、前記吸気口に設けられ、現像剤を補集するフィルタとを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像装置から用紙上に供給された現像剤を熱により定着する定着部に対し、冷却のための空気を送風する送風ファンをさらに備え、
前記空気通路は前記送風ファンが設けられた排気口を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記空気通路内の温度を検知する温度検知部をさらに備え、
前記温度検知部で検知された温度に基づいて、前記空気通路における空気の流通が制御される、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−242635(P2011−242635A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115176(P2010−115176)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】