説明

画像形成装置

【課題】カラー用の画像形成装置をモノクロ機へリサイクル際、第二トナー供給ユニットをリサイクルすることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】第二トナー供給ユニット32Y,32C,32Mは、それぞれ、第一搬送経路を構成する第一搬送チューブ511Y,511C,511Mと、第二搬送経路を構成する第二搬送チューブ512Y,512C,512Mとを有している。各第一搬送チューブ511Y,511C,511Mの一端は、ボトル設置台50Y,50M,50Cの第一接続口に接続され、他端は、搬送経路結合部54に接続されている。また、各第二搬送チューブ512Y,512C,512Mの一端は、ボトル設置台50Y,50C,50Mの第二接続口に接続され、他端は、それぞれ対応するスクリューポンプに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保全のために省資源化やCO低排出量化が求められている。これらに対する企業の果たす役割は大きい。メーカーとしては製品の省資源化やリサイクルなどにより地球環境保全に大きく貢献することができる。
【0003】
事務機器分野においては、プリンタや複写機の買い替えやリース契約の周期は短く、一度メーカーに回収されるものの部品がほとんどリサイクルされず廃棄されるのが現状である。この背景として、事務機器の技術革新が著しく、1世代前の製品と新製品とでは大きく構成が異なり、筐体や作像ユニットなどを再利用できない現状がある。また、情報伝達の効率化や豊かな視覚効果のためにモノクロ機からカラー機への切り替えや、経費削減のためにカラー機からモノクロ機への切り替えがなされるが、その構成の違いから同じ筐体や作像ユニットを利用して製品として再生することは難しい。その上、一般にモノクロ機の方が、像形成スピードが速く、生産性が良い。このため、カラー機をモノクロ機へとリサイクルするよりも、新たにモノクロ機を用意することの方が当然の成り行きであった。
【0004】
特許文献1、2には、中間転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置の筐体をモノクロ機へとリサイクルする方法が記載されている。具体的には、カラー機のときは、ブラック(B)色のトナー像を担持するB色像担持体を備えたB色の画像形成ユニット、イエロー(Y)のトナー像を担持するY色像担持体を備えたY色の画像形成ユニット、マゼンタ(M)トナー像を担持するM色像担持体を備えたM色の画像形成ユニット、シアン(C)トナー像を担持するC色像担持体を備えたC色の画像形成ユニットが水平方向に並列配置されている。各画像形成ユニットの下方には、中間転写ベルトなどを備えたカラー機用の中間転写ユニットが配設されている。中間転写ベルトは、3つの支持ローラに張架されており、中間転写ベルトの第1の支持ローラと第2の支持ローラとの張架領域に各画像形成ユニットの像担持体が、順次接触している。特許文献1では、中間転写ベルト移動方向にY、M、C、Bの順に画像形成ユニットが配置されており、特許文献2においては、中間転写ベルト移動方向にC、M、B、Yの順に画像形成ユニットが配置されている。
【0005】
カラー機をモノクロ機へとリサイクルする際は、第二作像ユニットであるカラー用の画像形成ユニット(Y,M,C色の画像形成ユニット)を装置から取り外す。また、中間転写ユニットを装置から取り外し、モノクロ機に対応する中間転写ユニットを、第一作像ユニットたるB色の画像形成ユニットの下方に取り付ける。このモノクロ機の中間転写ユニットに備えられた中間転写ベルトも3つの支持ローラにより張架されている。そして、中間転写ベルトの第1支持ローラと第2支持ローラとの張架領域にB色の像担持体が接触するようモノクロ機に対応する中間転写ユニットが取り付けられる。また、特許文献2においては、モノクロ機に対応する中間転写ユニットは、中間転写ベルトのB色の像担持体との接触位置(一次転写位置)からベルト搬送下流側の支持ローラまでの距離が、カラー機に対応する中間転写ユニットに比べて短くなっている。よって、B色の一次転写位置から二次転写位置までの中間転写ベルトの長さが短くなり、カラー機からモノクロ機へリサイクルした装置のファーストプリントタイムをカラー機よりも短くしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載の画像形成装置においては、カラー用のトナー(Y,M,C色)を収容する3つのトナー収容部を有し、カラー用の画像形成ユニット(Y,M,C色の画像形成ユニット)にカラー用トナーをそれぞれ供給する第二トナー供給ユニットたるカラー用トナー供給ユニットと、ブラックトナーを収容するトナー収容部を有し、B色の画像形成ユニットにブラックトナーを供給する第一トナー供給ユニットたるブラック用トナー供給ユニットとを有している。そして、カラー機をモノクロ機にリサイクルする際、上記カラー用供給ユニットは、カラー用の画像形成ユニットとももに装置から取り外され、廃棄されており、製品の省資源化やリサイクルに十分貢献できていなかった。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、カラー用の画像形成装置をモノクロ機へリサイクル際、第二トナー供給ユニットをリサイクルすることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ブラックトナー像を作像する第一作像ユニットと、カラートナー像を作像する第二作像ユニットと、第一トナー収容部を備え、該第一トナー収容部に収容されたトナーを上記第一作像ユニットへ供給する第一トナー供給ユニットと、第二トナー収容部を備え、該第二トナー収容部に収容されたトナーを上記第二作像ユニットへ供給する第二トナー供給ユニットと、少なくとも上記第二作像ユニットを装置本体から取り外すことで、カラー画像が形成可能なカラー画像形成装置からモノクロ画像のみが形成可能なモノクロ画像形成装置に変更可能な画像形成装置において、上記第二トナー収容部のトナーを上記第一作像ユニットへ搬送する第一搬送経路と、上記第二トナー収容部のトナーを上記第二作像ユニットへ搬送する第二搬送経路とを選択的に取りうるよう、上記第二トナー供給ユニットを構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記第一トナー供給ユニットの搬送経路に、上記第二トナー供給ユニットの上記第一搬送経路が合流する合流部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記第二トナー供給ユニットは、上記第二トナー収容部のトナーが搬送される搬送管を有し、該搬送管の一端を、上記第二トナー収容部に固定し、他端を、上記合流部および上記第二作像ユニットに対して着脱可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記第二トナー供給ユニットは、一端が上記合流部に固定された第一搬送管と、一端が上記第二作像ユニットに固定された第二搬送管とを有し、上記第二トナー収容部のトナーを、上記第一搬送管に供給するか、上記第二搬送管に供給するかを切り替え可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記第二トナー収容部は、上記第一搬送管の他端が取り付けられる第一トナー供給口と、上記第二搬送管の他端が取り付けられる第二トナー供給口と、上記第一トナー供給口および上記第一トナー供給口とを開閉するシャッター機構とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記トナー収容部は、上記第一搬送管の他端および上記第二搬送管の他端のいずれか一方が接続されるトナー供給口と、該トナー供給口に接続されていない方の搬送管を保持する保持部とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、上記第二作像ユニットは、トナー像を担持する第二像担持体と、該第二像担持体にトナー像を作像する第二作像手段と、上記第二像担持体上のトナー像が一次的に転写される中間転写体と、上記作像手段から上記中間転写体上にトナー像を一次転写する一次転写手段と、上記中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段とを備え、上記第一作像ユニットは、上記中間転写体上から記録媒体上にトナー像が二次転写される二次転写位置よりも記録媒体搬送方向上流側または下流側に設けられ、トナー像を担持する第一像担持体と、該第一像担持体にトナー像を作像する第一作像手段と、上記第一像担持体上のトナー像を記録媒体上に直接転写する直接転写手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、第二トナー収容部のトナーを第一作像ユニットへ搬送する第一搬送経路と、第二トナー収容部のトナーを第二作像ユニットへ搬送する第二搬送経路とを取りうるよう、第二トナー供給ユニットを構成している。これにより、画像形成装置をカラー機として用いる場合は、第二トナー収容部にカラー用トナーを収容し、第二トナー収容部のトナーを第二作像ユニットへ搬送する第二搬送経路を取るよう第二トナー供給ユニットを構成することによって、第二作像ユニットにカラー用のトナーを供給することができる。一方、画像形成装置をモノクロ機としてリサイクルする場合は、第二トナー収容部にブラックトナーを収容し、第二トナー収容部のトナーを第一作像ユニットへ搬送する第一搬送経路を取るよう第二トナー供給ユニットを構成する。これにより、カラー機からモノクロ機へリサイクルするとき、第二トナー供給ユニットを装置から取り外すことなく、ブラックトナーを第一作像ユニットへ供給するトナー供給ユニットとしてリサイクルすることができ、製品の省資源化に貢献することができる。
また、モノクロ機としてリサイクルした場合、トナー供給ユニットが複数となり、一方のトナー供給ユニットに不具合が生じても、他方のトナー供給ユニットで第一作像ユニットへトナーを供給することができる。その結果、装置のダウンタイムが生じるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置をモノクロ機へリサイクル際、第二トナー供給ユニットをリサイクルすることができ、製品の省資源化やリサイクルに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図。
【図2】ブラック色のトナー補給装置の概略構成図。
【図3】各色のトナー供給ユニットとその周囲構成とを示す概略構成図。
【図4】イエロー色のボトル設置台の概略構成図。
【図5】搬送経路結合部の一例を示す概略構成図。
【図6】搬送経路結合部の他の例を示す概略構成図。
【図7】モノクロ機のときのイエロー色トナー供給ユニット32Yの第一変形例の要部概略構成図。
【図8】カラー機のときのイエロー色トナー供給ユニット32Yの第一変形例の要部概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0013】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。なお、図1に示す画像形成装置は、第一作像ユニットたるブラック(以下、Bと略す)の画像形成ユニット100と、第二作像ユニットたるカラー画像形成ユニット101とを備えている。カラー画像形成ユニット101は、イエロー、シアン、マゼンタ(以下、Y、C、Mと略す)の3つの第二作像手段たるプロセスユニット30Y,C,Mと、中間転写ベルトなどを備えた中間転写ユニットとを備え、上記3つのプロセスユニット30Y,C,Mが中間転写ベルト6に沿って直列に配置されたタンデム方式である。一方、B色の画像形成ユニット100は、タンデム配列より記録紙移動方向の上流位置に独立して設けられ、B色の画像形成ユニット100の第一作像手段たるプロセスユニット30Bで形成された黒画像が記録紙に直接転写されるように配置されている。
【0014】
中間転写ユニットは、中間転写ベルトのほかに、一次転写手段としての一次転写ローラ14Y、14C、14M、中間転写クリーニング手段7などを有している。中間転写ベルト6は、駆動ローラ17a、従動ローラ17bにより支持されており、中間転写ベルト6の内側には、各感光体1に対向して一次転写手段としての一次転写ローラ14Y、14C、14Mが設けられている。一次転写ローラ14Y,C,Mは、プロセスユニット30Y,C,Mに設けられた感光体1Y,C,Mに中間転写ベルト6を介して対向して中間転写ベルト回転方向の若干下流側に設けられている。クリーニング対向ローラ20に対向して中間転写ベルト6の外側には、中間転写ベルト6上の残留トナーを除去する中間転写クリーニング手段7が設けられている。
【0015】
二次転写手段たる二次転写ローラ16は中間転写ベルト6の駆動ローラ17aに対向して配置されており、転写搬送ベルト8を介して中間転写ベルト6と二次転写ローラ16とにより二次転写ニップが形成されている。
【0016】
中間転写ベルト6の図中右側方で、定着装置10の下方のスペースには、紙搬送手段たる紙搬送装置102が設けられている。紙搬送装置102は、略水平に延びる中間転写ベルト6に対して略垂直に交差するように配置され、複数の張架ローラにより回転可能に張架された転写搬送ベルト8を備えている。
【0017】
ブラックの画像形成ユニット100は、プロセスユニット30B、直接転写手段たる直接転写ローラ15などで構成されている。B色のプロセスユニット30Bは、二次転写ニップよりも記録紙移動方向の上流位置にY,M,C色のプロセスユニット30Y,M,Cとは独立して設けられており、プロセスユニット30Bのトナー像が記録紙に直接転写されるよう配置されている。さらに詳述すると、Bのプロセスユニット30Bは、記録紙の略垂直搬送パスの近傍にこれに沿って配置されている。転写搬送ベルト8を介して感光体1Bに対向する位置に、直接転写ローラ15Bが設けられており、転写搬送ベルト8を介して感光体1Bと直接転写ローラ15Bとにより直接転写ニップが形成されている。
【0018】
図1に示す各色のプロセスユニット30Y,30M,30C,30Bは、像担持体である感光体1Y,C,M,Bを備えている。また、各感光体1Y,C,M,Bの周りには、感光体1Y,C,M,Bの表面を帯電せしめる帯電装置2Y,C,M,B、感光体1Y,C,M,B上の潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置3Y,C,M,B、感光体1Y,C,M,B表面に付着したトナーなどの付着物を除去するクリーニング装置4Y,M,C,Bを備えている。本実施形態ではクリーニング装置4Y,M,C,Bとしてブレードタイプのものを用いたが、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。また、各プロセスユニット30Y、30C、30M、30Bは、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとしてなる。
【0019】
カラー画像形成ユニット101の下部には、潜像形成手段である露光装置5が設けられており、帯電せしめられた感光体1Y,C,M,Bの表面にレーザーにより潜像を形成する。露光装置5については、レーザー方式に限定するものではなく、LED方式などの方式であっても良い。
【0020】
本実施形態の画像形成装置は、記録紙上にY,C,M,Bのトナー像からなるフルカラー画像を作成する第一の画像形成モードであるフルカラーモードと、記録紙上にBのトナー像だけからなるモノクロ画像を作成する第二画像形成モードであるモノクロモードとを有している。これらのモードは、不図示の画像形成装置の制御部で、画像データに基づいて、切替えられる。
【0021】
まず、記録紙上にY,C,M,Bのトナー像からなるフルカラー画像を作成するフルカラーモードについて説明する。
スキャナで読み取られた原稿、ファクシミリなどの受信データ、またはコンピュータから送信されるカラー画像情報は、各色に色分解され、各色の版のデータが形成され、露光装置5に送られる。均一に帯電された感光体1Y,C,M,Bは、露光装置5によって、画像部を露光され、現像装置3Y,C,M,Bによってトナー像が作られる。
【0022】
一次転写ローラ14Y,C,Mに、トナーと逆極性の高電圧が印加されており、この電圧による電界で感光体1Y,C,M上の各色トナー像は中間転写ベルト6上に各色トナー像が重なり合うように順次転写され、中間転写ベルト6上にY,M,Cの三色からなるカラー画像が形成される。
【0023】
中間転写ベルト6上のカラー画像は、中間転写ベルト6を介して二次転写ローラ16と対向ローラ17aとで形成される二次転写ニップで、二次転写ローラ16と対向ローラ17a間に印加された電圧により、転写搬送ベルト8によって二次転写ニップまで搬送された記録紙に転写される。この際、二次転写ローラ16にトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧を印加しても良いし、対向ローラ17aにトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加しても良い。
【0024】
二次転写ローラ16にトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧を印加する場合は、直接転写ローラ15Bへの電圧印加のための高圧電源を利用することが可能となり、二次転写ローラ16に電圧を印加するため専用の電源を設ける必要が無い分、コスト削減や画像形成装置の小型化を図ることができる。一方、対向ローラ17aにトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する場合は、中間転写ベルト6を介してトナーに電圧がかかるため、記録紙が吸湿して抵抗が低下していても良好な転写が可能となる。
【0025】
給紙トレイ40には出力画像が形成される記録媒体である記録紙がセットされており、記録紙は給紙トレイ40から、転写搬送ベルト8へ搬送され、転写搬送ベルトによって直接転写ニップへ搬送される。そして、感光体1B上に作られたブラックトナー像が、直接転写ニップで、記録紙に直接転写される。直接転写ニップで、ブラックトナー像が転写された記録紙は、転写搬送ベルト8によって二次転写ニップへ搬送され、中間転写ベルト上に作られた3色トナー像が、二次転写ニップで、記録紙のブラックトナー像上に二次転写される。
【0026】
このようにして、Y,C,M,Bのトナー像が転写された記録紙は、二次転写ニップよりも転写搬送ベルト回転方向下流側で転写搬送ベルト8を張架するローラの曲率によって転写搬送ベルト8の回転方向が急激に変化した屈曲部で、記録紙の腰により転写搬送ベルト8から曲率分離して定着装置10に到達する。そして、記録紙上のY,C,M,Bのトナー像を最後に定着装置10により定着され、記録紙上にカラー画像が形成される。定着を終えた記録紙は排紙経路Rを搬送され、不図示の排紙ローラ対により排紙トレイ31にフェイスダウン状態で排出されてスタックされる。
【0027】
次に、モノクロモードについて、説明する。モノクロモードにおけるモノクロ画像作成時においては、スキャナで読み取られた原稿、ファクシミリなどの受信データ、または、コンピュータから送信される画像情報などに基づいて形成されたブラック画像のデータにより、露光装置5から、感光体1B上の画像部を露光され、現像装置3Bによってブラックトナー像が作られ、転写搬送ベルト8によって搬送される記録紙上に感光体1B上からブラックトナー像が直接転写され、記録紙上のブラックトナー像が定着装置10により記録紙上に定着され、モノクロ画像が形成される。
【0028】
また、モノクロモードでは、中間転写ベルト6と転写搬送ベルト8との接触部(二次転写ニップ)を離間手段たる離間機構により離間させる。これにより、プロセスユニット30Y,30C,30M及び中間転写ベルト6を動作させなくてもモノクロ画像の作像に影響が生じない。そのため、モノクロモード時にプロセスユニット30Y,C,M及び中間転写ベルト6を動作させなければ、その分、プロセスユニット30Y,C,M及び中間転写ベルト6などの劣化を抑えられ、プロセスユニット30Y,C,M及び中間転写ベルト6の長寿命化を図ることができるというメリットが得られる。
【0029】
なお、本実施形態で用いたブラックトナー像の転写は記録紙への直接転写であるが、この直接転写は、構成部品を少なくすることと、露光装置5から露光するブラック画像のレーザー書込み像が、Y,C,M画像のレーザー書込み像と同じ方向に書込みができるというメリットがある。さらに、黒色の画像形成部で感光体1B上に形成したブラック画像を記録紙上に直接転写することで、Y,C,M画像のように中間転写ベルトを介して感光体1B上から記録紙上にブラック画像を転写する場合よりも転写効率が高くなる。そのため、感光体1B上から記録紙上にブラック画像を直接転写するほうが、中間転写ベルトを介して感光体1Bから記録紙上にブラック画像を転写するよりも、黒色の画像形成部で感光体1B上に黒画像を形成する際の黒色のトナーの消費量を抑えることができる。
【0030】
また、本実施形態においては、4色のトナー像の記録紙上への転写が終了した位置よりも転写搬送ベルト回転方向下流側、または、中間転写ベルト6の回転方向下流側に、転写搬送ベルト8のループ外側面であるおもて面、または、中間転写ベルト6のループ外側面であるおもて面に対向させて光センサ11、18を配置している。そして、画像形成装置本体に設けられ装置内で行われる種々の制御を行う、CPUやメモリーなどからなる図示しない制御部によって、紙間などでプロセスコントロールを行ない、感光体1Y,C,M,B上に形成した画像濃度測定用のパターン画像を最終的に転写搬送ベルト8上または中間転写ベルト6上に転写させ、光センサで反射による画像濃度検知を行う。そして、その検知結果に基づいて上記制御部により画像形成条件を調整する制御を行うことによって、記録紙上に形成される画像の濃度を適切な濃度に維持することができる。
【0031】
また、転写搬送ベルト8上または中間転写ベルト6上に色合わせ(位置ずれ)検知用のパターン画像を作成して、そのパターン画像を光センサによって検知する。これにより、Y,C,M,Bの各画像間の位置ずれ量を検出することができる。よって、光センサによる検知結果に基づいて上記制御部により各色作像位置の調整や画像形成条件の調整を行うことで、Y,C,M,Bの画像の位置合わせを行うことができる。
【0032】
なお、符号9は転写搬送ベルト8のおもて面に付着したトナーなどの付着物を除去する転写搬送ベルトクリーニング装置である。
【0033】
中間転写ベルト6の上方にはトナー供給ユニット32B,32Y,32C,32Mが配設されている。各トナー供給ユニットにはボトル設置台50B,50Y,50C,50Mを有しており、各ボトル設置台50B,50Y,50C,50Mには、ブラックトナーボトル12B、イエロトナーボトル12Y、シアントナーボトル12C、マゼンタトナーボトル12Mが設置されている。各トナーボトルに収納されているトナーは、搬送チューブを介して各現像装置3に供給される。本実施形態においては、ブラックトナーボトル12Bがセットされるボトル設置台50Bが、第一トナー収容部として機能し、カラー用のトナーボトル12Y,12C,12Mがセットされるボトル設置台50Y,50C,50Mが、第二トナー収容部として機能する。また、トナー供給ユニット32Bが、第一トナー供給ユニットとして機能し、トナー供給ユニット32Y,32C,32Mが第二トナー供給ユニットとして機能する。
【0034】
次に、図2にて、トナーボトル12B内のトナーを現像装置3Bに導くトナー補給装置300Bの基本的な構成について説明する。
【0035】
トナー補給装置300Bは、トナー供給ユニット32Bと、トナー搬送手段たるスクリューポンプ52B(モーノポンプ)とを有している。スクリューポンプ52Bは、B色の画像形成ユニット100の一構成部品である。
トナー供給ユニット32Bは、トナー収容部たるトナーボトル12B、トナーボトル12Bがセットされるボトル設置台50B、トナーボトル12Bの容器本体122Bを回転駆動させる不図示の駆動部などで構成されている。
【0036】
トナー供給ユニット32Bのボトル設置台50Bにトナーボトルのキャップ部121Bを接続することで、トナーボトル12Bがトナー供給ユニット32Bにセットされる。トナー供給ユニット32Bのボトル設置台50Bにトナーボトルのキャップ部121Bを接続すると、トナーボトル12Bの口栓部材124Bは、キャップ部121Bのトナー排出口Bを開放する。トナーボトル12Bの容器本体122Bがトナー供給ユニット32Bに設けられた図示しない駆動部によって図中矢印方向に回転する。また、容器本体122Bの内周面には、螺旋状の突起123Bが設けられている(外周面側から見ると螺旋状の溝となっている)。そのため、容器本体122Bを図中矢印方向に回転駆動することで、容器本体122B内に収容されたトナーが螺旋状の突起123Bによって容器本体122Bの不図示の開口部に向かうようにガイドされ開口部からキャップ部121Bへ排出される。キャップ部121Bへ排出されたトナーは、トナー排出口Bを介してボトル設置台50Bの不図示の吸引口からノズル501内に搬送されることになる。なお、キャップ部121Bは、容器本体122Bの回転には連動せずに、トナー供給ユニット32Bのボトル設置台50Bに非回転で保持される。
【0037】
一方、ボトル設置台内のノズル501の接続口は、搬送管としての搬送チューブ51Bの一端に接続されている。搬送チューブ51Bは、耐トナー性に優れたフレキシブルな材料からなり、その他端がトナー搬送手段たるスクリューポンプ52B(モーノポンプ)に接続されている。
【0038】
トナー搬送手段たるスクリューポンプ52Bは、吸引型一軸偏心スクリューポンプであって、ロータ521B、ステータ522B、吸引口523B、ユニバーサルジョイント524B、モータ525B、等で構成される。ロータ521B、ステータ522B、ユニバーサルジョイント524B等は、不図示のケース内に収納されている。ステータ522Bは、ゴム等の弾性材料からなる雌ねじ状部材であって、その内部にはダブルピッチの螺旋溝が形成されている。ロータ521Bは、金属等の剛性材料からなる軸が螺旋状にねじれて形成された雄ねじ状部材であって、ステータ522B内に回動自在に嵌挿されている。ロータ521Bの一端は、ユニバーサルジョイント524Bを介して、モータ525Bに回転自在に連結されている。
【0039】
このように構成されたスクリューポンプ52Bは、モータ525Bによってステータ522B内のロータ521Bを所定方向(トナー搬送方向上流側からみて反時計方向である。)に回転駆動させることで、吸引口523Bに吸引力を発生させる(搬送チューブ51B内の空気を送出して搬送チューブ51B内に負圧を発生させる)。これによって、トナーが空気とともに搬送チューブ51Bを介して吸引口523Bに吸引される。吸引口523Bまで吸引されたトナーは、ステータ522Bとロータ521Bとの隙間に送入されて、ロータ521Bの回転に沿って他端側に送出される。送出されたトナーは、スクリューポンプ52Bの送出口526Bから排出されて、トナー搬送パイプ53Bを介して現像装置3B内に補給される。
【0040】
なお、上述では、B色のトナー補給装置300Bについて説明したが、Y色のトナー補給装置300Y、M色のトナー補給装置300M、C色のトナー補給装置300Cも同様な基本的な構成を有している。
【0041】
また、本実施形態の画像形装置では、前記二次転写ニップが前記直接転写ニップよりも記録紙搬送方向下流側に位置しているが、上述したようなブラックトナーに他色のトナーが混色してしまう虞があるものの、二次転写ニップが直接転写ニップよりも記録紙搬送方向上流側に位置している構成でもよい。
【0042】
本実施形態の画像形成装置は、モノクロ機へのリサイクルが可能となっている。本実施形態の画像形成装置をモノクロ機へリサイクルする場合は、カラー画像形成ユニット101(プロセスユニット30Y,30C,30M、中間転写ユニット、二次転写ローラ、スクリューポンプ)と、プロセスユニット30Y,30C,30M、中間転写ユニット、二次転写ローラなどを駆動させるカラー駆動ユニットとを装置本体から取り除く。本実施形態においては、B色のプロセスユニット30Bが記録紙に直接転写するように、Y,C,Mのプロセスユニットや中間転写ベルトと独立した構成となっている。このため、この画像形成装置をモノクロ機へとリサイクルした場合でも、ブラックの画像形成ユニット100(プロセスユニット30B、直接転写ローラ、スクリューポンプ)、紙搬送経路、露光装置、定着装置、B色のトナー供給ユニットなどを変えずに、一般的なモノクロ機と同様の生産性を確保できる。また、この画像形成装置をモノクロ機へリサイクルする場合、上述したように、ブラックの画像形成ユニット100(プロセスユニット、直接転写ローラ、スクリューポンプ)、紙搬送経路、露光装置、定着装置、B色のトナー供給ユニットなどをそのまま再利用するため、ユーザーコストを抑えることができる。
【0043】
また、本実施形態の画像形成装置においては、カラー機からモノクロ機へリサイクルするときに、第二トナー供給ユニット32Y、32C、32MをB色のトナーを現像装置3Bへ供給するトナー供給ユニット32B−Y、32B−C、32B−Mとして用いることができるように、装置を構成している。以下に、各色のトナー供給ユニット32Y、32C、32M、32Bの特徴的な構成について具体的に説明する。
【0044】
図3は、各色のトナー供給ユニット32Y,32C32M,32Bとその周囲構成とを示す概略構成図である。
図に示すように、第一トナー供給ユニット32Bのトナー搬送経路には、第二トナー供給ユニット32Y,32C,32Mの第一搬送経路が合流する合流部たる搬送経路結合部54が設けられている。一端がB色のボトル設置台50Bのノズル501Bの接続口に接続された搬送チューブ51Bの他端が、搬送経路結合部54に接続されている。搬送経路結合部54には、共通チューブ55の一端が接続されており、共通チューブ55の他端は、スクリューポンプ52Bに接続されている(図3参照)。
【0045】
第二トナー供給ユニット32Y,32C,32Mは、それぞれ、第一搬送経路を構成する第一搬送チューブ511Y,511C,511Mと、第二搬送経路を構成する第二搬送チューブ512Y,512C,512Mとを有している。各第一搬送チューブ511Y,511C,511Mの一端は、後述するボトル設置台50Y,50M,50Cの第一接続口に接続され、他端は、搬送経路結合部54に接続されている。また、各第二搬送チューブ512Y,512C,512Mの一端は、後述するボトル設置台50Y,50C,50Mの第二接続口に接続され、他端は、それぞれ対応するスクリューポンプ52Y,52C,52Mに接続されている。
【0046】
図4は、Y色のボトル設置台50Yの概略構成図であり、(a)は、ボトル設置台50Yの正面図であり、(b)は、ボトル設置台50Yの下面図である。
図に示すようにボトル設置台50Y内に設けられたノズル501B(図2参照)は、第一トナー供給口たる第一接続口501aYと、第二トナー供給口たる第二接続口501bYとを有している。第一接続口501aYには、第一搬送チューブ511Yの一端が接続されており、第二接続口501bYには、第二搬送チューブ512Yの一端が接続されている。
【0047】
図4(b)に示すように、ボトル設置台50Yの下面には、シャッター機構が取り付けられている。シャッター機構は、第一接続口501aYを開閉するための第一シャッター502Yと、第二接続口501bYを開閉するための第二シャッター503Yとを有している。これらシャッター502,503は、ボトル設置台の下面に回転自在に取り付けられている。なお、シャッター機構は、上記構成に限られず、種々変更可能である。例えば、第一接続口と第二接続口との間をスライド可能に構成したシャッターを備え、シャッターがいずれか一方の接続口を塞ぐようにシャッター機構を構成してもよい。
【0048】
なお、M色のボトル設置台50M、C色のボトル設置台50CもY色のボトル設置台50Yと同様な構成を有している。
【0049】
図5は、搬送経路結合部54の概略構成図であり、(a)は、斜視図、(b)は、正面図である。
図に示すように、合流部である搬送経路結合部54の上面には、4つの搬入口が設けられており、搬送チューブ51B、第一搬送チューブ511Y,511C,511Mが、互いに異なる搬入口に接続されている。図5(b)の点線で示すように、各トナー供給ユニットの経路は、搬送経路結合部54内で、経路が一つに結合される構成となっている。搬送経路結合部54の内部は、下方にすぼまっていて、そのすぼまった部分の底面に搬出口が設けられており、この搬出口に共通チューブ55が接続されている。このように、搬送経路結合部54の内部が、搬出口に向けてすぼまる形状であるので、どの搬入口から搬送されたトナーも滞ることなく、搬出口から搬出される。なお、搬送経路結合部54は、図5に示した構成に限られず、図6に示すように、搬入口が並列に並んだ構成としてもよい。また、搬送経路結合部54の外形や内部形状は、図5、図6に示す形状に限られない。
【0050】
なお、各チューブ51B、511Y,511M,511C,512Y,512M,512C,55は、外径10[mm]、内径6[mm]のシリコンチューブとなっている。
【0051】
本実施形態の画像形成装置をカラー機として用いる場合は、ボトル設置台50Y,50M,50Cの第一シャッター502で、第一接続口を閉じ、第二シャッター503を図5の点線の姿勢をとらせ、第二接続口を開く。そして、図3に示すように各ボトル設置台50Y,50M,50Cに対応する色のトナーが収容されたトナーボトルをセットする。
【0052】
これにより、ボトル設置台50Yにセットされたトナーボトル12Yに収容されたY色のトナーは、ボトル設置台50Y内のノズル501Yを通って、第二接続口から第二搬送経路を構成する第二搬送チューブ512Y内を移動し、Y色のプロセスユニット30Yの現像装置3Yへ供給される。同様に、ボトル設置台50C、50Mにそれぞれセットされたトナーボトル12C,12Mに収容されたC色、M色のトナーは、ボトル設置台50C、50M内のノズルを通って、第二接続口から第二搬送経路を構成する第二搬送チューブ512C,512M内を移動し、C色の現像装置3C、M色の現像装置3Mへ供給される。
【0053】
また、ボトル設置台50Bにセットされたトナーボトル12Bに収容されたB色のトナーは、搬送チューブ51B内を通って、搬送経路結合部54へ搬送され、搬送経路結合部54から共通チューブ55を通ってK色のプロセスユニット30Bの現像装置3Bへ供給される。
【0054】
本実施形態の画像形成装置をカラー機からモノクロ機へリサイクルする場合は、カラー画像形成ユニット101、不図示のカラー駆動ユニットを取り外すが、第二トナー供給ユニット32Y,32C,32Mは、装置本体に残し、B色のトナーを供給するトナー供給ユニットにリサイクルする。具体的には、各第二トナー供給ユニット32Y,32C,32Mのボトル設置台50Y,50M,50Cの第二シャッター503Y,503C,503Mで、第二接続口を閉じ、第一シャッター502Y,502C,502Mを図4の点線の姿勢をとらせ、第一接続口を開く。そして、各ボトル設置台50Y,50C,50Mに対応するB色トナーが収容されたトナーボトル12Bをセットする。
【0055】
これにより、ボトル設置台50Yにセットされたトナーボトル12Bに収容されたB色のトナーは、ボトル設置台50Y内のノズルを通って、第一接続口から第一搬送経路を構成する第一搬送チューブ511Y内を移動し、搬送経路結合部54へ搬送される。そして、搬送経路結合部54から共通チューブ55を通ってB色のプロセスユニット30Bの現像装置3Bへ供給される。同様に、ボトル設置台50C、50Mにセットされたトナーボトル12Bに収容されたB色トナーは、ボトル設置台50C、50M内のノズルを通って、第一接続口から第一搬送経路を構成する第一搬送チューブ511C,511M内を移動し、搬送経路結合部54へ搬送される。そして、搬送経路結合部54から共通チューブ55を通ってB色のプロセスユニット30Bの現像装置3Bへ供給される。
【0056】
なお、スクリューポンプ52Y,52C,52Mに接続されていた第二搬送チューブ512Y,512C,512Mの他端は、装置本体に設けられた不図示の保持部にそれぞれ保持させる。もしくは、第二搬送チューブ512Y,512C,512Mは、装置本体から取り外す。
【0057】
このように、本実施形態の画像形成装置においては、カラー機をモノクロ機にリサイクルするとき、第二トナー供給ユニット32Y,32M,32Cが、それぞれB色の現像装置3Bにトナーを供給するトナー供給ユニット32B−Y、32B−C、32B−Mに切り替えることができ、第二トナー供給ユニットをリサイクルできる。これにより、製品の省資源化やリサイクルに貢献することができる。
【0058】
また、この場合、次のようにして、各トナー供給ユニット32B,32B−Y、32B−C、32B−Mを制御している。すなわち、まず、トナー供給ユニット32Bを制御して、トナー供給ユニット32Bにセットされているトナーボトル12Bの容器本体122Bを回転させ、トナー供給ユニット32Bにセットされているトナーボトルのトナーを、B色の現像装置3Bへ供給する。そして、トナー供給ユニット32Bにセットされたトナーボトル12Bのトナーエンドを検知したら、トナー供給ユニット32B−Yを制御して、トナー供給ユニット32B−Yにセットされたトナーボトル12Bの容器本体122Bを回転させ、トナー供給ユニット32B−Yにセットされているトナーボトル12Bのトナーを、B色の現像装置3Bへ供給する。トナー供給ユニット32B−Yにセットされたトナーボトル12Bのトナーエンドを検知したら、トナー供給ユニット32B−Cの制御に切り替える。そして、トナー供給ユニット32B−Cにセットされたトナーボトル12Bのトナーエンドを検知したら、トナー供給ユニット32B−Mの制御に切り替える。これにより、あるトナー供給ユニットにセットされたトナーボトルのトナーが切れても、他のトナー供給ユニットにセットされたトナーボトルのトナーが供給されるので、例えば、連続印刷動作中にトナーがなくなり、トナーボトルを交換するために連続印刷動作が停止してしまうなどの問題が起こらない。また、トナー供給ユニットの一つが故障しても他のトナー供給ユニットを制御して、トナーを供給することができるので、故障してからサービスマンによる修理が行われるまでの間も、印刷を行うことができる。これにより、ユーザーのダウンタイムを無くすことができる。
【0059】
次に、本実施形態の変形例について、説明する。
【0060】
[変形例1]
図7、Y色トナー供給ユニット32Yの第一変形例の要部概略構成図である。
図に示すように、この変形例は、ボトル設置台50Yは、B色のボトル設置台50Bと同様、ノズルの接続口は、一つである。そして、図に示すように、ボトル設置台50Yの図中左下方に、第一搬送チューブ511Yを保持する第一保持部522Yが設けられており、ボトル設置台50Yの図中右下方に第二搬送チューブ512Yを保持する第二保持部523Yが設けられている。
【0061】
画像形成装置をカラー機として用いる場合は、図8に示すように、第二搬送チューブ512Yの一端をノズル接続口に接続し、第一搬送チューブ511Yの一端側は、第一保持部522Yに保持させ、キャップ524で第一搬送チューブの511Y一端を閉じる。
【0062】
一方、画像形成装置をカラー機からモノクロ機へリサイクルする場合、第二搬送チューブ512Yの一端をノズル接続口から取り外して、第二保持部523Yに保持させる。また、第二搬送チューブ512Yの一端をキャップ524で閉める。また、第二搬送チューブ512Yの他端は、図示してないが、放置本体に設けた保持部に保持させる。そして、第一保持部522Yに保持されている第一搬送チューブ511Yの一端側を第一保持部522Yから取り外して、キャップ524を外し、第一搬送チューブ511Yの一端をボトル設置台50Yのノズル接続口に接続する(図7参照)。そして、ボトル設置台50Yに、B色のトナーが収容されたトナーボトル12Bをセットする。これにより、Y色の現像装置3YにY色トナーを供給するY色のトナー供給ユニット32Yが、B色の現像装置3BにB色のトナーを供給するB色のトナー供給ユニット32B−Yとしてリサイクルすることができる。
【0063】
なお、この変形例1においては、第二保持部523Yを有し、カラーからモノクロ機へリサイクルした際、第二搬送チューブ512Yを装置本体に保持しているが、第二保持部523Yを無くして、カラーからモノクロ機へリサイクルした際、第二搬送チューブ512Yをスクリューポンプ52Yとともに、装置本体から取り外してもよい。
なお、C色のトナー供給ユニット32C、M色のトナー供給ユニット32Mにも、上述の変形例を適用することができる。
【0064】
また、上述では、第一搬送チューブ511Y、第二搬送チューブ512Yをそれぞれ有しているが、搬送チューブは、ひとつでもよい。すなわち、カラー機からモノクロ機へリサイクルする場合、スクリューポンプ52の吸引口523に接続されている搬送チューブの他端を、搬送経路結合部54の搬入口の付け替えるのである。これにより、ひとつの搬送チューブで、第二トナー供給ユニット32Y,32C,32Mをカラー用の供給ユニットからB用の供給ユニットにリサイクルすることができる。また、この場合、Y,M,C色のスクリューポンプ52を、搬送経路結合部54に近接配置されるように装置を構成すれば、カラー機からモノクロ機へ切り替える場合に、搬送チューブの配回しを大幅に変更させる必要がないのでこのましい。
【0065】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、ブラックトナー像を作像する第一作像ユニットたるB色の画像形成ユニット100と、カラートナー像を作像する第二作像ユニットたるカラー画像形成ユニット101を有している。また、第一トナー収容部たるボトル設置台を備え、ボトル設置台にセットされたトナーボトル内のブラックトナーをB色の画像形成ユニット100へ供給する第一トナー供給ユニットたるB色のトナー供給ユニットと、第二トナー収容部たるボトル設置台を備え、ボトル設置台にセットされたトナーボトルに収容されたのカラートナー(Y、C、M)をカラー画像形成ユニット101へ供給する第二トナー供給ユニット32Y,32C,32Mとを備えている。この画像形成装置は、少なくとも上記カラー画像形成ユニット101を装置本体から取り外すことで、カラー画像が形成可能なカラー画像形成装置から、モノクロ画像のみが形成可能なモノクロ画像形成装置に変更可能となっている。また、第二トナー供給ユニット32Y,32C,32Mは、ボトル設置台にセットされたトナーボトルのトナーを上記B色の画像形成ユニット100へ搬送する第一搬送経路と、上記カラー画像形成ユニット101へ搬送する第二搬送経路とを選択的に取りうるよう構成されている。
かかる構成を有しているので、画像形成装置をカラー機として用いる場合は、ボトル設置台にカラー用トナーを収容したトナーボトルをセットし、ボトル設置台にセットしたトナーボトルのトナーをカラー画像形成ユニット101へ搬送する第二搬送経路を取るよう第二トナー供給ユニットを構成することによって、カラー画像形成ユニット101にカラー用のトナーを供給することができる。一方、画像形成装置をモノクロ機としてリサイクルする場合は、ボトル設置台にブラックトナーを収容したトナーボトルをセットし、ボトル設置台にセットされたトナーボトルからブラックトナーをB色の画像形成ユニット100へ搬送する第一搬送経路を取るよう第二トナー供給ユニットを構成する。これにより、カラー機からモノクロ機へリサイクルするとき、第二トナー供給ユニットを装置から取り外すことなく、ブラックトナーをB色の画像形成ユニット100へ供給するトナー供給ユニットとしてリサイクルすることができ、製品の省資源化に貢献することができる。
【0066】
また、B色のトナー供給ユニットの搬送経路に、上記第二トナー供給ユニットの上記第一搬送経路が合流する合流部たる搬送経路結合部54を設けた。これにより、B色の画像形成ユニットに、第二トナー供給ユニットの第一搬送経路が接続される接続口を設ける必要がなくなり、B色の画像形成ユニットを小型化することができる。また、接続口が一つですむため、B色の画像形成ユニットの構成が複雑化するのを抑制することができる。
【0067】
また、上記第二トナー供給ユニットは、上記ボトル設置台にセットされたトナーボトル内のトナーが搬送される搬送管たる搬送チューブを有し、搬送チューブの一端を、上記ボトル設置台に固定し、他端を、上記搬送経路結合部54および上記カラー画像形成ユニット101に対して着脱可能に構成した。これにより、搬送チューブが一つで済み、マシンコストを抑えることができる。また、省資源化に繋がる。
【0068】
また、上記第二トナー供給ユニットは、一端が上記搬送経路結合部54に固定された第一搬送管たる第一搬送チューブと、一端が上記カラー画像形成ユニット101に固定された第二搬送管たる第二搬送チューブとを有している。そして、上記ボトル設置台にセットされたトナーボトル内のトナーを、上記第一搬送チューブに供給するか、上記第二搬送チューブに供給するかを切り替え可能に構成している。
具体的には、ボトル設置台に、第一搬送チューブの他端が取り付けられる第一トナー供給口たる第一接続口と、上記第二搬送チューブの他端が取り付けられる第二トナー供給口たる第二接続口と、第一接続口および第二接続口を開閉するシャッター機構とを備えている。画像形成装置をカラー機として用いる場合は、シャッター機構の第二シャッターを開け、第一シャッターを閉めることで、上記ボトル設置台にセットされたトナーボトル内のトナーを、上記第二搬送チューブに供給することができる。一方、モノクロ機として用いる場合は、シャッター機構の第一シャッターを開け、第二シャッターを閉めることで、上記ボトル設置台にセットされたトナーボトル内のトナーを、第一搬送チューブに供給することができる。このように、第一、第二シャッターを開閉させるだけで、第二トナー供給ユニットをカラー用からモノクロ用に切り替えることができ、リサイクルを容易に行うことができる。よって、カラー機として購入・リースしたユーザー自身で、この画像形成装置をカラー機からモノクロ機へ切り替えることができる。また、工場でリサイクル場合は、メーカーでの作業時間を短縮することができ、装置のリサイクルコストを削減することができる。
【0069】
また、変形例1に示したように、上記ボトル設置台のトナー供給口たる接続口は、一つにし、接続口に接続されていない方の搬送チューブを保持する保持部を備えた構成でもよい。このように構成することで、接続口が一つですみ、マシンコストを抑制することができる。また、搬送チューブを付け替えるだけで、第二トナー供給ユニットをカラー用からモノクロ用に切り替えることができ、切り換え作業を短縮することができ、装置のリサイクルコストを削減することができる。
【0070】
また、B色の画像形成ユニット100は、カラー画像形成ユニットが形成した画像が二次転写される二次転写位置よりも記録紙搬送方向上流側または下流側に設けられ、B色の感光体に形成されたトナー像を記録紙上に転直接転するため、一般的なモノクロ機と同様の生産性を確保している。よって、モノクロ機へリサイクルしても、一般的なモノクロ機と同等のファーストプリントタイムを実現することができる。
【符号の説明】
【0071】
1Y,C,M,B:感光体
3Y,C,M,B:現像装置
12Y,C,M,B:トナーボトル
32B:トナー供給ユニット(第一トナー供給ユニット)
32Y,C,M;トナー供給ユニット(第二トナー供給ユニット)
50B:ボトル設置台(第1トナー収容部)
50Y,50C,50M;ボトル設置台(第2トナー収容部)
51B:搬送チューブ
52B:スクリューポンプ
54:搬送経路結合部
55:共通チューブ
100:B色の画像形成ユニット
101:カラー画像形成ユニット
501aY:第一接続口
501bY:第二接続口
502:第一シャッター
503:第二シャッター
511Y,511C,511M:第一搬送チューブ
512Y,512C,512M:第二搬送チューブ
532Y:第一保持部
533Y:第二保持部
534:キャップ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2003−66685号公報
【特許文献2】特開2003−66686号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラックトナー像を作像する第一作像ユニットと、
カラートナー像を作像する第二作像ユニットと、
第一トナー収容部を備え、該第一トナー収容部に収容されたトナーを上記第一作像ユニットへ供給する第一トナー供給ユニットと、
第二トナー収容部を備え、該第二トナー収容部に収容されたのトナーを上記第二作像ユニットへ供給する第二トナー供給ユニットと、
少なくとも上記第二作像ユニットを装置本体から取り外すことで、カラー画像が形成可能なカラー画像形成装置から、モノクロ画像のみが形成可能なモノクロ画像形成装置に変更可能な画像形成装置において、
上記第二トナー収容部のトナーを上記第一作像ユニットへ搬送する第一搬送経路と、上記第二トナー収容部のトナーを上記第二作像ユニットへ搬送する第二搬送経路とを選択的に取りうるよう、上記第二トナー供給ユニットを構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記第一トナー供給ユニットの搬送経路に、上記第二トナー供給ユニットの上記第一搬送経路が合流する合流部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記第二トナー供給ユニットは、上記第二トナー収容部のトナーが搬送される搬送管を有し、該搬送管の一端を、上記第二トナー収容部に固定し、他端を、上記合流部および上記第二作像ユニットに対して着脱可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2の画像形成装置において、
上記第二トナー供給ユニットは、一端が上記合流部に固定された第一搬送管と、一端が上記第二作像ユニットに固定された第二搬送管とを有し、
上記第二トナー収容部のトナーを、上記第一搬送管に供給するか、上記第二搬送管に供給するかを切り替え可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
上記第二トナー収容部は、上記第一搬送管の他端が取り付けられる第一トナー供給口と、上記第二搬送管の他端が取り付けられる第二トナー供給口と、
上記第一トナー供給口および上記第一トナー供給口を開閉するシャッター機構とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4の画像形成装置において、
上記トナー収容部は、上記第一搬送管の他端および上記第二搬送管の他端のいずれか一方が接続されるトナー供給口と、該トナー供給口に接続されていない方の搬送管を保持する保持部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、
上記第二作像ユニットは、トナー像を担持する第二像担持体と、該第二像担持体にトナー像を作像する第二作像手段と、上記第二像担持体上のトナー像が一次的に転写される中間転写体と、上記作像手段から上記中間転写体上にトナー像を一次転写する一次転写手段と、上記中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段と、を備え、
上記第一作像ユニットは、上記中間転写体上から記録媒体上にトナー像が二次転写される二次転写位置よりも記録媒体搬送方向上流側または下流側に設けられ、トナー像を担持する第一像担持体と、該第一像担持体にトナー像を作像する第一作像手段と、上記第一像担持体上のトナー像を記録媒体上に直接転写する直接転写手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−64778(P2011−64778A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213232(P2009−213232)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】