画像形成装置
【課題】トナー消費量を抑えつつ、弾性層を有する弾性中間転写ベルトの表面のグロス段差を低減できる構造を実現する。
【解決手段】弾性中間転写ベルトの表面全体の反射光量値を光学センサにより測定する(S7)。測定した反射光量値から、反射光量が低い部分ほどトナー量が多くなるようなグロス復帰用トナー像を決定し(S8)、ベルト1周分、このトナー像を形成する(S9)。この際、このトナー像をベルトクリーニング装置まで搬送し、清掃する。これにより、ベルト表面のグロスが低下している部分ほどトナー量を多く供給して、ベルトクリーニング装置での清掃によりグロスを回復させ、グロス段差を低減できる。また、グロスの低下が少ない部分のトナー量を少なくでき、トナー消費量が抑えられる。
【解決手段】弾性中間転写ベルトの表面全体の反射光量値を光学センサにより測定する(S7)。測定した反射光量値から、反射光量が低い部分ほどトナー量が多くなるようなグロス復帰用トナー像を決定し(S8)、ベルト1周分、このトナー像を形成する(S9)。この際、このトナー像をベルトクリーニング装置まで搬送し、清掃する。これにより、ベルト表面のグロスが低下している部分ほどトナー量を多く供給して、ベルトクリーニング装置での清掃によりグロスを回復させ、グロス段差を低減できる。また、グロスの低下が少ない部分のトナー量を少なくでき、トナー消費量が抑えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ、これらの複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静電プロセスを用いている画像形成装置では、多種多様な紙への高画質な画像を求めるニーズから、中間転写ベルト(中間転写体)が広く用いられている。中間転写ベルトとしては、一般的にポリイミド等に代表される樹脂ベルトが高画質品位、高寿命、高安定的な特性からも広く用いられている。また、中間転写ベルトを清掃するクリーニング装置としても、樹脂ベルトの表面性等を考慮して、クリーニング能力が高い、ブレード方式が広く用いられている(特許文献1参照)。なお、ブレード方式とは、クリーニングブレードを中間転写ベルトの表面に当接させて、中間転写ベルト上のトナーなどを清掃する構造である。
【0003】
一方、最近では、さらなる高画質化、およびブレード方式によるクリーニング能力の安定化等から、トナーが小粒径化およびトナー形状の非球形化へと変化してきている。ところが樹脂からなる中間転写ベルトでは、トナーの変化に伴って転写の際に生じる、中抜け現象が問題となってきている。中抜け現象とは、画像が転写される際、画像に大きな圧力が加わることで、トナーが応力変形し、トナー同士の凝集力が増大し、画像の一部分が転写されずに像担持体上に残留してしまう現象で、特に文字やライン画像などで顕著に現れる。樹脂ベルトの場合、転写時の画像への圧力が大きい為に特にこの中抜け現象が問題となっている。
【0004】
そこで、このような中抜け現象を解消するために、樹脂を用いた中間転写ベルトに変わって、層構成に少なくとも一層の弾性層を用いた中間転写ベルト(以下弾性中間転写ベルトと称す)を採用する事例がある。弾性中間転写ベルトは、層構成に少なくとも一層の弾性層を有すため、柔らかく、転写部でのトナーに作用する圧力が低減できることから、中抜け現象に効果があることが知られている。また、二次転写部において紙との密着性がよいことから、一般的な紙に対しての転写効率の向上のみならず、厚紙に対する転写性や、凹凸を有する紙への転写性にも効果があることが知られている。
【0005】
なお、中間転写ベルトが新品の時に、画像形成動作時以外の動作時に、トナー像を中間転写ベルト上に形成し、二次転写部で転写材に転写することなく、クリーニング装置によりクリーニングする構造が知られている(特許文献2参照)。この構造の場合、新品時のベルト表面に付着している酸化被膜を取り除いて、中間転写ベルトの表面状態を通常時と同様に状態できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−305878号公報
【特許文献2】特開2004−117597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の弾性層を有する弾性中間転写ベルトをブレード方式によりクリーニングすると、ベルト表面に付着したトナーやトナーの外添剤、紙粉などを十分に除去できず、ベルトの表面状態が変化して、ベルト表面のグロス低下が生じ易い。即ち、弾性層を有するベルトは、ブレードを当接させると弾性変形してしまうため、ブレードにより紙粉などの付着物をかきとりにくく、かえってベルト表面に紙粉などをこすりつけてしまい、ベルト表面のグロス低下が生じ易い。
【0008】
特に、形成した画像のトナー濃度の分布や、その際に紙が記録材表面を通過したか否かによって、ベルト表面のグロスの変動は異なる。このため、弾性中間転写ベルトのトナー像搬送方向(進行方向)と直角な方向(幅方向)に関してトナー濃度の異なる画像を連続で画像形成した場合、弾性中間転写ベルトの表面性に偏り、つまりグロス段差が生じてしまう。このグロス段差は、パッチ検知精度や転写性、特にハーフトーン均一性、転写電界制御であるATVCの制御精度に影響を及ぼす。
【0009】
なお、特許文献2に記載された構造を応用して、ベルト表面の画像形成が可能な領域全面に均一なトナー量のトナー像を形成し、クリーニングすることが考えられる。但し、この構造の場合、ベルト表面のグロスを全体的に回復させることはできるが、ベルト表面に生じたグロス段差自体をなくすことはできない。また、ベルト表面の画像形成が可能な領域全面に均一なトナー量のグロス復帰用のトナー像を形成する場合、グロスの下がっていない部分にも供給することになり、トナーを必要以上に多く消費量してしまうことになる。
【0010】
本発明は、上述のような事情に鑑み、トナー消費量を抑えつつ、弾性層を有する中間転写体の表面のグロス段差を低減できる構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、トナー像を形成する画像形成部と、弾性層を有し、前記画像形成部から転写されたトナー像を担持搬送する中間転写体と、前記中間転写体に担持されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置において、前記転写手段よりも前記中間転写体のトナー像搬送方向下流に位置し、前記中間転写体の表面に当接して前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードと、トナー像が担持されていない状態での前記中間転写体の表面状態を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果から導き出せる前記中間転写体の表面のグロスが小さい部分ほど、トナー量が多くなるように、前記画像形成部にグロス復帰用トナー像を形成させ、前記中間転写体に担持された前記グロス復帰用トナー像を、記録材に転写せずに、前記クリーニングブレードにより清掃するグロス復帰モードを実行させる制御手段と、を有する、ことを特徴とする画像形成装置にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中間転写体の表面のグロスが小さい部分ほど、グロス復帰用トナー像のトナー量を多くしているため、グロスが小さい部分ほどグロスを回復させられ、グロス段差を低減できる。また、グロスに応じてトナー量を変えるため、グロス段差を低減するためのトナー消費量を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】中間転写ベルトの断面模式図。
【図3】光学センサを説明するための模式図。
【図4】パッチとセンサ出力との関係を示す模式図。
【図5】ベルトクリーニング装置を説明する図で、(A)は概略構成図、(B)は動作状態を示す拡大図、(C)は(A)の右斜め上方から見た図。
【図6】光学センサの設置状態を示す概略構成斜視図。
【図7】第1の実施形態の制御ブロック図。
【図8】ベルト反射光量の減少度とトナー量との関係を示す図。
【図9】第1の実施形態の制御のフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る光学センサの配置を説明するための模式図。
【図11】第2の実施形態の制御ブロック図。
【図12】(A)は画像形成装置で形成する画像の1例を示す模式図で、(B)はこの画像の通紙枚数とグロス値との関係を示す図。
【図13】第2の実施形態の制御のフローチャート。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る光学センサの配置を説明するための模式図。
【図15】第3の実施形態の制御ブロック図。
【図16】第3の実施形態の制御のフローチャート。
【図17】本発明の効果を確認するために行った実験で使用した画像の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図9を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置について、図1を用いて説明する。
【0015】
[画像形成装置]
本実施例の画像形成装置は、図1に示すように4つの画像形成ステーション(画像形成部)を備えたタンデム方式である。即ち、中間転写体であるベルト状弾性中間転写体、即ち、無端状の弾性中間転写ベルト181を備え、このベルト181に沿って、4個の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdが直列状に配設されている。これら画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、それぞれがイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像形成部であり、各画像形成部を構成する部材には、それぞれ対応する添え字を付している。但し、各画像形成部の構成は同様であるため、以下の説明では添え字を省略して説明する。
【0016】
画像形成部Pは、回転可能に配置された像担持体であるドラム状の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)101を備えている。感光ドラム101の周囲には、一次帯電器122、現像器123、及びクリーニング装置112等のプロセス機器が配置されている。なお、各画像形成部Pa〜Pdに配置した現像器123a〜123dには、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーが収納されている。
【0017】
感光ドラム101の表面は、一次帯電器122によって一様に帯電され、露光装置111から原稿の該当する色の成分による画像信号がポリゴンミラー等を介して投射されて静電潜像が形成される。
【0018】
ついで、現像器123からトナーが供給されて静電潜像がトナー像として現像される。このトナー像は感光ドラム101の回転に伴って、感光ドラム101と弾性中間転写ベルト181とが当接する一次転写部T1に搬送される。そして、一次転写部T1では、一次転写部材(第1の転写手段)、即ち、本実施形態では転写ローラ124から第1の転写バイアスが印加され、トナー像が中間転写ベルト181へ転写される。トナー像を担持した弾性中間転写ベルト181は、つぎの画像形成部Pに搬送され、このときまでに、次の画像形成部で同様に形成されたトナー像が、前の画像形成部で形成されたトナー像上へ転写される。
【0019】
そして、各画像形成部で形成されたトナー像が、弾性中間転写ベルト181に重畳転写され、ベルト181は、転写されたトナー像を担持搬送する。その後、このときまでに、給紙カセット160から送り出された記録材Pが二次転写部T2に達し、転写手段である二次転写部材(第2の転写手段)140に印加される転写バイアスによって上述の4色のトナー像は記録材P上に転写される。トナー像が転写された記録材Pは定着部211に搬送される。定着部211では熱と圧力によってトナー像を記録材P上に固着させる。このような画像形成のプロセスは、制御手段である制御部300により制御される。
【0020】
一次転写部材によって転写しきれなかった感光ドラム上の転写残トナーはドラムクリーニング装置112によって清掃される。また、二次転写部材によって転写しきれなかった中間転写ベルト181上の転写残トナーは、ベルトクリーニング装置116によってかきとられて(清掃されて)、次の画像形成に供される。
【0021】
次に各部の構成について、順次説明する。像担持体としての感光ドラム101は、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導電体層(OPC)を塗布して構成したものである。感光ドラム101は、その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達することにより、図の反時計回り方向に回転駆動される。
【0022】
一次帯電器122は、ローラ状に形成された導電性ローラで、このローラを感光ドラム101表面に当接させるとともに、不図示の電源によって帯電バイアス電圧を印加することにより、感光ドラム101表面を一様に負極性に帯電させるものである。帯電バイアスは、不図示の駆動回路により画像信号に応じて点灯制御される。
【0023】
現像器123は、トナー収納部、現像ローラなどから構成される。各現像器のトナー収納部には、それぞれ負帯電特性のブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のトナーを収納している。本実施形態では、非磁性のトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を使用している。したがって、トナー収納部には、それぞれ各色のトナーとキャリアとが収納され、搬送スクリューにより搬送されつつ攪拌され、トナーは負極性に、キャリアは正極性にそれぞれ帯電される。また、現像ローラは、感光ドラム101表面に隣接し、不図示の駆動部により回転駆動される。また、現像ローラ内にはマグネットが配置され、上述のように帯電されたトナーとキャリアとを現像ローラ表面に担持させる。現像ローラ表面に担持されたトナーは、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧を印加することにより感光ドラム101表面の静電潜像を現像する。なお、現像剤には、トナーの離型性を上げるための外添剤が添加されている。
【0024】
弾性中間転写ベルト181は、支持体として駆動ローラ125、テンションローラ126、及びバックアップローラ129に巻回されている。また、中間転写ベルト181の内側には、4個の感光ドラム101a,101b,101c,101dに対向して中間転写ベルト181に当接する一次転写部材である、転写ローラ124a,125b,125c,125dがそれぞれ並設されている。これら転写ローラは不図示の転写バイアス用電源に接続されており、転写ローラから正極性の電圧が印加され、この電界により、感光ドラム101に接触中の中間転写体181に、感光ドラム101上の負極性の各色トナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。また、中間転写ベルト181の内側には、中間転写ベルトの位置を検知するホームポジション検知シールが貼られており、ベルトホームポジション検知センサ201によって中間転写ベルトの位置をモニタする。本実施形態において、弾性中間転写ベルト表面の反射光量の位置モニタに用いている。
【0025】
また、弾性中間転写ベルト181は、少なくとも2層以上の異なる弾性率を有する複数層で構成された、無端状のベルトである。即ち、図2に示すように、樹脂層181a,弾性層181b,表層181cの3層構造からなる。樹脂層181aを構成する樹脂材料としては、ポリカーボネート,フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体。更には、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体。更には、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体。更には、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)。更には、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂。更には、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン。更には、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂。更には、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、変性ポリカーボネート等が挙げられ、これらからなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0026】
また、弾性層181bを構成する弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)としては、ブチルゴム,フッ素系ゴム,アクリルゴム,EPDM,NBR,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム。更には、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム。更には、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム。更には、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア,ポリエステル系、フッ素樹脂系)等が挙げられる。そして、これらからなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0027】
また、表層181cの材料は特に制限は無いが、中間転写ベルト181表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン,ポリエステル,エポキシ樹脂等の1種類の樹脂材料か、弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)、ブチルゴム,フッ素系ゴム,アクリルゴム,EPDM,NBR,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム。更には、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムの弾性材料が挙げられる。そして、これらのうち、2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。潤滑性を高める材料としては、例えばフッ素樹脂,フッ素化合物,フッ化炭素,2酸化チタン,シリコンカーバイト等の粉体、粒子が挙げられる。また、ブレードクリーニングを行うため、中間転写ベルト181表面は耐磨耗性が要求される。上記材料にフィラーを添加させ、磨耗性が上げたベルトを使用してもよい。
【0028】
樹脂層181aや弾性層181bには、抵抗値調節用導電剤が添加される。この抵抗値調節用導電剤は特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫,酸化チタン,酸化アンチモン,酸化インジウム,チタン酸カリウム,酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)。更には、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物などが挙げられる。導電性金属酸化物は、硫酸バリウム,ケイ酸マグネシウム,炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではない。
【0029】
本実施形態での弾性中間転写ベルトは、画像性を保つため3層での表面抵抗率は、例えば、12Log・Ω/□、体積抵抗率9Log・Ω・cmとする。また、表面十点平均粗さは0.1μm以上2.0μm以下を用いることが好ましい。表面十点平均粗さに関しては、ブレードクリーニングを行う際、2.0μmを越える場合、ベルト表面の粗さによる凹凸により、トナーがすり抜けてしまう。また、0.1μm以下であるとクリーニングブレードとベルトとの接触面積が大きくなり、密着性が増し、クリーニングブレードがめくれやすくなる。
【0030】
弾性中間転写ベルト181の製造方法としては、例えば、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法などがある。更には、内型,外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け加硫研磨を行う方法があるがこれに限定されるものではなく複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができる。
【0031】
一次転写部で中間転写ベルト181に担持されたカラー画像は、中間転写ベルト181に当接する二次転写部材である二次転写ローラ140で記録材Pにさらに転写される。二次転写ローラは、不図示の転写バイアス用電源に接続されており、転写ローラから正極性の電圧が印加され、この電界により、中間転写181ベルトに接触中の記録材Pに、中間転写ベルト181上の負極性のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。この転写電界の決定はATVC制御によって決定される。ATVC制御が行われるベルト表面と、実際に記録材が二次転写部に搬送されるベルト表面に大きな隔たりがあると、実際の転写電界が異なり、所望の転写性を得ることができない。そのためベルトの表面性は同じベルト内においてはほぼ均一になっている必要がある。
【0032】
また、この二次転写ローラ140は、弾性中間転写ベルト181に当接する作動状態と、弾性中間転写ベルト181から離間された非作動状態とを選択的に切替え可能に構成されている。本実施形態においては、切替え手段として、弾性中間転写ベルト181に対して選択的に当接及び離間させる接離機構であるソレノイドを使用している(不図示)。
【0033】
また、弾性中間転写ベルト181の表面と対向して、弾性中間転写ベルト181の表面状態を検知する検知手段である光学センサ200を配置している。なお、本実施形態では、後述する図6に示すように、複数の光学センサを並べたラインセンサ200−1を配置している。この光学式センサ200について、図3を用いて説明する。光学センサ200は、発光部200aと受光部200bとを有する。発光部200aから発せられる光が弾性中間転写ベルト181や、ベルト181上に形成された位置検出用パッチ200cに照射されると、その反射光が受光部200bに入り、光電変換される。そして光量に応じた出力電圧が得られる。発光部200a及び受光部200bと、弾性中間転写ベルト181など被検出物との間にはレンズ200dがある。レンズ200dは、発光部200aにおいては光を収束させ、受光部200bにおいては反射光を効率よく受光するために設置している。
【0034】
上記の光学センサ200は、弾性中間転写ベルト181の表面からの反射光量を受光部200bで受けた時の出力電圧を元に、ある適切な出力電圧となるよう光量調整を行うことができる構成である。光学センサ200は、光量変化などがあるため、光量を変化させて出力電圧が規定値になるよう光量調整を行う。
【0035】
この光量調整は、一般的に弾性中間転写ベルト181上に位置検出用パッチ200cが無い状態、つまり弾性中間転写ベルト181の表面で行う。光量調整後、位置検出用パッチ200cを読み取った時の出力波形(アナログ)200eは図3のようになる。弾性中間転写ベルト表面のセンサ出力電圧は出力波形値から、光量調整後ある規定値(例えば5V)となっている。正反射型のパッチセンサの場合、位置検出用パッチ200cを検出した時の出力電圧は弾性中間転写ベルト表面の出力電圧よりも低くなり、通常デジタル化可能なしきい値255以下になるように、しきい値255と出力電圧を調整してある。
【0036】
このデジタル化した出力波形200fの立ち上がり、立下りの重心を取り、位置検出用パッチ200cの位置検出データとして用いる。上記ステーションによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの位置検出用パッチ200cを検出した時のセンサ出力(波形200g)は図4のようになる。トナーの反射率はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれ異なるため、パッチ検出時の出力電圧は各色異なる。トナーの色や濃度により反射率が変化するためである。
【0037】
色ずれ補正を行うための位置検出用パッチ200cの濃度を調整するが、その前に、まず、上記光量調整を、弾性中間転写ベルト181の表面を搬送している間に行う。そして、出力電圧が規定値になったら、以後、次の光量調整時まで光量は一定とする。光量調整を行うタイミングは、起動時やある印刷枚数ごとなどでよい。この光学センサ200で任意のトナーパッチを読み取ることで、前述の各色の色ずれを補正するだけでなく、記録材への書き出し位置を検知し、二次転写部での記録材の搬送タイミングを決定したりするのに用いられる。この光量調整を行うベルト上の点と実際にパッチが打たれるベルト上の点が同じになることはほとんどなく、そのためベルトの表面性は同じベルト内において偏りをできるだけ小さくする必要がある。
【0038】
次に、図5を用いて、二次転写後に弾性中間転写ベルト181上に残留する転写残トナーのベルトクリーニング部116について詳細を述べる。ベルトクリーニング装置116は、二次転写ローラ140よりも弾性中間転写ベルト181のトナー像搬送方向下流(回転方向下流)に位置する。そして、ブレード状のクリーニング部材であるクリーニングブレード116aを弾性中間転写ベルト181の表面に当接させて、ベルト181の表面を清掃する。
【0039】
このクリーニングブレード116aは、例えば、ゴム硬度77°(JIS A)、反発弾性率45%(23℃)、板厚2mm、自由長8mmで構成され、例えばポリウレタンゴムなどの弾性材料を用いることができる。また、ブレード116aの当接角度θは、ベルト181に当接する方向を正とした場合、0°以上25°以下に構成されている。本実施形態では、揺動角度0°、当接角度25°、転写ベルト181に対しての総圧0.8Kgfで構成されている。
【0040】
また、ベルトクリーニング装置116は、図5(b)に示すように、作動状態と非作動状態とを選択的に切替え可能に構成されている。作動状態とは、ブレード116aを弾性中間転写ベルト181に当接させベルト181の回転駆動に伴ってベルト181表面をクリーニングする状態である。非作動状態とは、弾性中間転写ベルト181から離間され弾性中間転写ベルト181表面のクリーニングを停止する状態である。本実施形態においては、切替え手段として、弾性中間転写ベルト181に対して選択的に当接及び離間させる接離機構であるカム機構を使用している。
【0041】
カム機構は、モータ116iによりギア機構116hを介して回転駆動するカム116bと、カム116と当接して、カム116bの回転により支点116cを中心に揺動する揺動板116dと、揺動板にブレード116aを固定する中間部材116eとを有する。なお、図5(c)に示すように、カム116aは回転軸上に3個並べて配置しているが、この数は任意である。カム116の回転により揺動板116dを図5(b)の矢印方向に揺動させると、同図の実線で示すように、ブレード116aがベルト181に当接する作動状態となる。一方、カム116の回転により揺動板116dが、同図の破線で示す位置まで揺動すると、ブレード116aがベルト181から離間する非作動状態となる。
【0042】
また、クリーニングブレード116aが弾性中間転写ベルト181に当接される先端角部分には、予め潤滑剤が塗布されている。この潤滑剤としては、例えば、球形を有する平均粒径3μm、円形度0.93のシリコーン樹脂粒子と、不定形、具体的には鱗片形状を有する平均粒径2μmのフッ化黒鉛と、を所定の割合で混合したものを用いる。シリコーン樹脂粒子としては、例えば商品名トスパール(東芝シリコーン社製)がある。また、フッ化黒鉛としては、例えば商品名セフボン(セントラル硝子社製)がある。このように潤滑剤を塗布するのは、初期動作時に、ベルトとブレードの間の滑り性をよくし、めくれを発生させないためである。なお、クリーニングブレード116aのエッジ先端からの塗布幅としては、概ね1mmとした。
【0043】
ベルトクリーニング装置116は、クリーニングブレード116aによって除去された残留トナーや紙粉等の付着物を収容する収容部116fを備えている。収容部116fの内部には、残留トナーや紙粉等の付着物を、クリーニング装置116の外部へと搬送する回動スクリュー116gが配置されている。したがって、作動状態でクリーニングしたトナーは、図5(a)に示すように、収容部116fに収容され、回動スクリュー116gにより搬送回収される。
【0044】
[グロス復帰モード]
前述したように、上述の弾性層を有する弾性中間転写ベルト181をブレード方式のベルトクリーニング装置116によりクリーニングすると、ベルト表面のグロス低下が生じ易い。特に、画像のトナー濃度の分布によってベルト表面のグロスの変動は異なるため、弾性中間転写ベルトの表面性に偏り、つまりグロス段差が生じてしまう。本実施形態では、制御部300は、このようなグロス段差を抑えるべく、グロス復帰モードを実行する。このグロス復帰モードについて説明する。
【0045】
まず、グロス復帰モードでは、光学センサ200の検知結果から導き出せる弾性中間転写ベルト181の表面のグロスが小さい部分ほど、トナー量が多くなるように、画像形成部にグロス復帰用トナー像を形成させる。即ち、光学センサ200によりベルト181の全面を検知する。そして、制御部300が、光学センサ200により検知した反射光量に基づいて、ベルト181の表面の反射光量が低い部分ほど、トナー量が多くなるように露光装置111などを制御して、感光ドラム101上にグロス復帰用トナー像を形成する。この反射光量の低い部分ほどグロスが低下している。したがって、制御部300は、このグロスが低下している部分に多くのトナーが供給されるように、トナーの供給量及び供給位置を決定する。
【0046】
このグロス復帰用トナー像は、感光ドラム101から弾性中間転写ベルト181上に転写される。このグロス復帰モードでは、二次転写ローラ140はベルト181から離間している。このため、ベルト181に担持されたグロス復帰用トナー像は、二次転写部を通過して、ベルトクリーニング装置116により清掃される。なお、二次転写ローラ140を離間させずに、グロス復帰用トナー像が二次転写部T2を通過する際に、通常の二次転写バイアスと逆方向のバイアスを印加してもよい。これにより、ベルト181に担持されたトナー像が二次転写ローラ140に転写されずに、ベルトクリーニング装置116に搬送され、清掃される。
【0047】
また、このようなグロス復帰モードは、次のようなタイミングで実行される。まず、本実施形態では、図7に示すように、光学センサ200により検知した弾性中間転写ベルト181の表面の反射光量の最大値を記憶する記憶手段である記憶部301を有する。制御部300は、記憶部301が記憶した前回のグロス復帰モードの反射光量の最大値に対して、光学センサ200により検知した反射光量が所定の値以上減少する部分が、ベルト181の表面に存在する場合に、グロス復帰モードを実行する。
【0048】
以下、このようなグロス復帰モードについて、より具体的に説明する。本実施形態では、複数の光学センサ200を、図6に示すように、ベルト181のトナー像搬送方向(回転方向)に直交する方向(幅方向、長手方向)に並べて配置したラインセンサ200−1を使用している。そして、ラインセンサ200−1により、弾性中間転写ベルト181の表面状態(反射光量値)を幅方向全てでモニタできるようにしている。ラインセンサ200−1は、例えば、光学センサ200を幅方向に60〜70個並べたものである。
【0049】
このようなラインセンサ200−1は、図2及び図6に示すように、各画像形成部のベルト181の回転方向下流で、二次転写部T2よりも上流に、ベルト181の幅方向全域に亙って対向配置させている。そして、トナー像が担持されていない状態、即ち、非画像形成時でのベルト181の反射光量値を測定する。なお、反射光量値測定は、弾性中間転写ベルトの表面にトナー像がのっていない状態で測るため、弾性中間転写ベルトにベルトクリーニング装置が作動し、且つ現像スリーブが止まっている状態(感光ドラムを弾性中間転写ベルトから離間した状態でもよい)で行う。
【0050】
次に、グロス復帰モードの流れに沿って、図7ないし図9を用いて説明する。図9に示すように、電源ON或いはスリープ状態が終了すると、弾性中間転写ベルト181が新しいか否かを判断する(S1)。そして、初期の弾性中間転写ベルト181が画像形成装置に設置されると、弾性中間転写ベルト181の反射光量測定が行われ、初期値として記憶部301に記憶される(S2)。一方、初期のベルトでない場合には、記憶部301に記憶されている反射光量値を参照する(S3)。
【0051】
その後、画像形成前後の調整時間や紙間に、弾性中間転写ベルト181上にトナー像が形成されていないタイミング(S4)で、弾性中間転写ベルト181の表面の反射光量値を測定する(S5)。なお、このような測定は、毎回行ってもよいが、例えば、画像形成枚数が所定枚数(例えば1000枚)となったタイミングなどに行うようにしてもよい。その測定値と前述の反射光量初期値との差分をモニタし、所定の値X以上になると、グロス復帰モードを作動させる。本実施形態では、初期の弾性中間転写ベルトの反射光量値を100%としたとき、20%以上減少した反射光量値を幅方向で1箇所以上確認した際に、グロス復帰モードを実行する(S6)。2度目以降は、後述するように、その直前のグロス復帰モードで記憶した反射光量値の最大値(S13)から20%以上減少した反射光量値を幅方向で1箇所以上確認した際に、グロス復帰モードを実行する(S6)。なお、本実施形態では、本発明者が実験などにより検討した結果、所定の値を20%としたが、任意に設定可能である。
【0052】
反射光量値が初期または記憶値から20%以上減少したことが確認されると、ベルトホームポジション検知センサ201によってベルトの周方向の位置をモニタしながら、ベルト1周分の反射光量値が測定される。そのときの幅方向全てのベルト反射光量値が、ベルトホームポジション検知センサ201から得た周方向の位置と合せて記憶される(S7)。なお、ここで記憶するデータは、S5で測定したデータであっても良い。即ち、S7を省略して、S5で測定したデータを利用するようにしてもよい。何れにしても、その結果とあらかじめ決めておいた反射光量値減少分とそのときのトナー帯量の関係(図8)から、グロス復帰用トナー画像の濃度分布が決定される(S8)。図8のトナー量は単色ベタ画像をFFとして換算される。
【0053】
濃度分布が決定されたグロス復帰用トナー像は弾性中間転写ベルト表面に合せて、ベルト1周分供給される(S9)。即ち、制御部300が、決定された濃度分布に基づいて画像形成部を駆動し、グロス復帰用トナー像を形成する。グロス復帰モードで使用するトナーはどの色でもよいが、本実施形態では補給用トナーの多い色、現像器カウンタが少ない色から使用し、ベルト1周分の長さが長い場合は複数色を使用する方が望ましい。また、本実施形態での単色ベタ画像のFFとは、トナー載り量0.5mg/cm2に相当する。
【0054】
グロス復帰用トナー像供給後、ベルトの反射光量が復帰していれば(S10)、トナー像供給を停止し、通常ジョブ(job)に戻る(S11)。トナー帯供給後もベルト上反射光量値が初期値または記録値から20%減少しているようであれば(S10)、再度ベルト1周分グロス復帰用トナー像を形成し(S12)、通常ジョブに戻る(S11)。その際、S10で測定した反射光量値の最大値が次のグロス復帰モード作動判断のために記憶される(S13)。ジョブが終了すれば、待機或いはスリープ状態となる。
【0055】
グロス復帰モードでは、二次転写ローラ140は弾性中間転写ベルト181から離間され、グロス復帰用トナー像がベルトクリーニング装置116のクリーニングブレード116aにより摺擦されつつクリーニングされる。ベルト181の表面に付着したトナーやトナーの外添剤、紙粉などは、トナーがクリーニングブレード116aによりかきとられる際に、トナーと共に削り取られる。
【0056】
本実施形態によれば、弾性中間転写ベルト181の表面のグロスが小さい部分ほど、グロス復帰用トナー像のトナー量を多くしているため、グロスが小さい部分ほどグロスを回復させられ、グロス段差を低減できる。また、グロスに応じてトナー量を変えるため、グロス段差を低減するためのトナー消費量を抑えられる。即ち、グロスが低下している部分には、トナーやトナーの外添剤、紙粉などが多く付着していると考えられる。このため、このような部分にはトナーを多く供給して、このような付着物を除去し易くすることによりグロスを復帰させ、グロス段差を低減できる。一方、グロスの低下が少ない部分は、付着物が少ないと考えられるため、供給するトナー量を少なくして、トナーの消費量を抑えられる。本実施形態の場合、このようにグロス段差を低減できるため、パッチ検知精度や転写性、特にハーフトーン均一性、転写電界制御であるATVCの制御精度を良好にできる。
【0057】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図10ないし図13を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、弾性中間転写ベルトの表面状態を確認するために、弾性中間転写ベルト上の幅方向全ての反射光量値をモニタした。これに対して、本実施形態では、図10に示すように、光学センサ200を弾性中間転写ベルト181の幅方向に複数個(本実施形態では9個)配置し、ベルト181の表面状態(反射光量値)を9点でモニタする。即ち、本実施形態の場合には、光学センサ200が、ベルト181の表面をトナー像搬送方向に直交する幅方向に関して9個に分割した領域毎に1個ずつ配置されている。そして、領域毎に1個所、反射光量値を測定する。
【0058】
また、本実施形態の場合、図11に示すように、原稿読み取り装置や外部端末から入力される画像信号に基づいて、積算手段であるビデオカウンタ302がビデオカウント値を積算する。即ち、弾性中間転写ベルト181に担持されたトナー像を記録材に転写する画像形成モードで、入力信号に基づいて、ビデオカウンタ302が画素毎の出力値を積算する。
【0059】
また、このような出力値は、第2の記憶手段でもある記憶部301に記憶される。また、記憶部301には、光学センサ200によりベルト181の表面をトナー像搬送方向全体に亙って測定した反射光量を、測定部分に対応する画素のビデオカウンタ302により積算した出力値と関連付けて記憶する。即ち、9個の光学センサ200によりベルト1周分、それぞれの位置の反射光量を測定し、その測定した位置の積算した出力値と対応させて、それぞれの位置の反射光量値を記憶する。この状態で、光学センサ200により測定した測定部分は、全周に亙って、測定した反射光量値と積算した出力値とのデータが対応した状態で存在することになる。
【0060】
これに対して、光学センサ200が配置されていない非測定部分は、積算した出力値のデータはあるが、測定値はない。本実施形態では、この被測定部分の反射光量値を、測定部分のデータから予測する。即ち、光学センサ200が配置された9点の部分の積算ビデオカウント値(出力値)から、全弾性中間転写ベルト表面の反射光量値を予測する。そして、グロス復帰モード動作のタイミングとグロス復帰用トナー像の供給量、供給位置を決定する。
【0061】
このために、制御部300は、上述の各領域の非測定部分の反射光量を、同じ領域の記憶部301が記憶した出力値のうち、非測定部分に対応する画素の出力値に近い出力値と関連付けて記憶した反射光量であると想定して、前記グロス復帰モードを実行する。即ち、非測定部分のビデオカウンタ302が積算した出力値と、測定部分の同じく積算した出力値とを比較し、最も出力値が近い測定部分のデータを選択する。そして、非測定部分の反射光量値として、選択した測定部分のデータを利用する。
【0062】
以下、より具体的に説明する。まず、光学センサ200の配置は、図10に示すように、(1)〜(9)の位置となる。これは、記録材、特に紙の填料(タルク、炭酸カルシウム、白土など)や紙粉が弾性中間転写ベルト表面に付着することによって、ベルトの表面性に影響を与えるために紙サイズに応じた配置をとっている。例えば、真ん中の(5)のセンサはどのサイズの記録材が通紙されてもその影響を踏まえたベルトの表面状態を知ることができる。逆に(1)のセンサはA3サイズの記録材のみで、A3サイズより小さい記録材を通紙した場合の紙なしの影響を踏まえたベルトの表面状態を知ることができる。上記のように、(1)〜(9)のような配置にすることで、A3、B4、A4R、B5、ハガキサイズの記録材の影響と、弾性中間転写ベルトの幅方向のムラの影響を踏まえたベルトの表面状態を知ることができる。
【0063】
次に、ベルトの表面性に影響を与えるトナー濃度の影響について述べる。図2の画像形成装置を用いて、図12(A)に示すような幅方向でトナー濃度が異なる画像を連続で印刷した時の弾性中間転写ベルトのグロス値の推移を、図12(B)に示す。このようにトナーの濃度によって、弾性中間転写ベルトの表面への影響は大きく変わってくる。そこで本実施形態では、弾性中間転写ベルト表面にどれだけトナーが形成されたかをビデオカウント方式を用いてモニタしている。
【0064】
このビデオカウント方式について、説明する。CCDセンサ(不図示)に結像された原稿画像は、CCDセンサによりアナログ電気信号に変換される。変換された画像情報は、アナログ信号処理部に入力されてサンプル&ホールド、ダークレベルの補正等が行われた後、A/D・SH処理部でアナログ・デジタル変換(A/D変換)され、更に、デジタル化された信号に対してシェーディング補正が行われる。シェーディング補正では、CCDセンサが持つ画素ごとのばらつきに対する補正、及び原稿照明ランプの配光特性に基づく位置による光量のばらつきに対する補正を行う。
【0065】
その後、RGBライン間補正部においてRGBライン間補正を行う。ある時点でCCDセンサのRGB各受光部に入力した光は、原稿上ではRGB各受光部の位置関係に応じてずれているために、ここでRGB信号間の同期をとる。
【0066】
その後、入力マスキング部で入力マスキング処理を行い、輝度データから濃度データへの変換を行う。CCDセンサから出力されたままのRGB値はCCDセンサに取り付けられた色フィルタの影響を受けているため、その影響を補正して純粋なRGB値に変換する。
【0067】
その後、画像は変倍部において所望の変倍率で変倍処理され、変倍された画像データは画像メモリ部に送られて、画像蓄積される。蓄積された画像は、まず画像データを画像メモリ部からγ補正部に送られる。γ補正部では、操作部で設定された濃度値に応じた出力にするために、プリンタの特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)に基づいて、元の濃度データから所望の出力濃度対応した濃度データに変換する。次に、濃度データは二値化部に送られる。二値化部では、8ビットの多値信号を2値信号に変換される。例えば、この変換方法としてはディザ法、誤差拡散法、誤差拡散の改良したもの等が使われる。二値化されたデータは、ビデオカウント部に送られ、各色画像毎に二値化データのカウントが行われる。
【0068】
次にビデオカウンタの詳細を示す。ビデオカウンタでは、各色について出力値をカウントする。二値化部から送られてくる1色分の画像信号は、1画像(画素)分の画像信号を8bit毎にパラレルにそれぞれ29bitカウンタ(各色)によってカウントする。そして、それらの結果を32bit加算器によって加算して1画像分のビデオカウントを32bitデータとして得る。
【0069】
つまり、ビデオカウント値は、画像処理部における、リーダ部から読み取られた画像信号処理において、1画像分の画像信号の数をカウントしたものである。又、このビデオカウント値から、画像処理部にて求められた濃度データの二値化データが引き出され、中間転写ベルト181上に形成されたトナー像の画像濃度が求められる。
【0070】
本実施形態では、先に述べた光学センサ(1)〜(9)の位置に対応するビデオカウント値の積算値を記憶部301に記憶させ、ベルトの反射光量の予測に使用する。次に、グロス復帰モードについて、図13のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態のフローは、前述の第1の実施形態のフロー(図9)に対し、S7とS8との間に、S71とS72とが入った点が異なる。その他の点は、実質的に図9と同様であるため、S71とS72及びその周辺のフローについて説明する。
【0071】
S7では、光学センサ200が配置された位置でベルト1周分の反射光量値を測定する。例えば、ベルト1周分を1150等分(約10mm間隔)で光学センサ200により測定する。そして、そのときの幅方向のベルト反射光量値が、ベルトホームポジション検知センサ201から得た周方向の位置と合せて記憶される。即ち、1個のセンサについて1150個の測定データが記憶される。
【0072】
本実施形態では、各光学センサ200は、前述したように紙の有無を加味して配置されている。具体的には、(1)の領域はベルト中央から手前128.5〜165mmである。(2)の領域は105〜128.5mmである。(3)の領域は手前91〜105mmである。(4)の領域は手前74〜91mmである。(5)の領域は手前0〜74mmである。(6)の領域は奥に74〜91mmである。(7)の領域は奥に91〜105mmである。(8)の領域は奥に105〜128.5mmである。(9)の領域は奥に128.5〜165mmである。そして、これら各領域に配置された光学センサ200の情報をもとに全ベルトの予想反射光量値を算出する。
【0073】
予想反射光量値の算出の仕方は、測定部分と非測定部分とのビデオカウント値を、それぞれ記憶部301から読み込む(S71)。そして、非測定部分のビデオカウント値と近いビデオカウント値の測定部分の反射光量値を、その非測定部分の反射光量値であると予想する(S72)。これにより、ベルト181全域の反射光量値を求めることができるため、この反射光量値に基づいてグロス復帰用トナー像の濃度分布を決定する(S8)。それ以降は、第1の実施形態と同様である。
【0074】
このように構成される本実施形態の場合、光学センサ200の数を第1の実施形態と比べて少なくできるため、低コスト化を図れる。その他の構造及び作用は、第1の実施形態と同様である。
【0075】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図14ないし図16を用いて説明する。上述の第2の実施形態では、弾性中間転写ベルトの表面状態を確認するために、弾性中間転写ベルト上の幅方向に9個の光学センサでベルトの反射光量値をモニタした。これに対して、本実施形態では、光学センサ200を弾性中間転写ベルト181の幅方向に1点でモニタし、その1点の部分の積算ビデオカウント値と、記録材のサイズ、通紙枚数情報から、グロス復帰用トナー像のトナー供給量及び供給位置を決定する。グロス復帰モードは所定のジョブカウント毎に動作させる。本実施形態においては、例えばジョブカウント200枚毎に行う。
【0076】
即ち、制御部300は、記録材のサイズと通紙枚数を検知し、センサが配置された領域の非測定部分の反射光量として想定した値を、非測定部分の通紙枚数が同じ領域の前記測定部分の通紙枚数よりも少ないほど、反射光量が小さくなるように補正する。なお、記録材のサイズは、ユーザの選択或いは装置による自動選択により検知でき、通紙枚数は記録材の搬送経路に配置された記録材の通過を検知するセンサの信号を積算するなどして検知可能である。
【0077】
本実施形態では、上述のように、光学センサ200を1点配置して、弾性中間転写ベルト181の表面の反射光量値を測定しているが、この光学センサ200は、図14の(10)の位置に配置されている。これは、記録材、特に紙の填料(タルク、炭酸カルシウム、白土など)や紙粉が弾性中間転写ベルト表面に付着することによって、ベルトの表面性に影響を与えるために紙サイズに応じた配置をとっている。(10)の位置はどのサイズの記録材が通紙されてもその影響を踏まえたベルトの表面状態を知ることができる。
【0078】
また、第2の実施形態と同様に、光学センサ200の位置に対応するビデオカウント値(デジタル画像信号の出力レベルの積算値)を記憶部301に記憶させておく。さらに、弾性中間転写ベルト181の幅方向の表面性を予測するため、図15に示すように、記録材のサイズと通紙枚数を制御部300により取得し、記憶部301に記録させておく。
【0079】
次に、グロス復帰モードについて、図16のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態のフローのS1〜S3は、前述の第1の実施形態のフロー(図9)と同様である。本実施形態では、初期状態或いは前回のグロス復帰モード作動時から通紙枚数200枚となった時点でグロス復帰モードを作動させる(S104)。グロス復帰モード作動タイミングになると、ベルトホームポジション検知センサ201によってベルトの周方向の位置をモニタしながら、ベルト1周分の反射光量値が測定される。そのときの幅方向のベルト反射光量値が、ベルトホームポジション検知センサ201から得た周方向の位置と合せて記憶される(S105)。次に、第2の実施形態のS71及びS72と同様に、積算ビデオカウント値を用いて、幅方向の予想反射光量値を算出する。本実施形態では光学センサは1つなので、ベルト幅方向全ての範囲を(10)に配置された光学センサ200を用いて算出する(S106、S107)。
【0080】
次に、記録材のサイズと枚数の情報から上記で算出した予想反射光量値を、下記の式を用いて補正する(S108、S109)。
α=A(光学センサ位置)+{(Ps−Px)/Ps}×25
α:補正後の予想反射光量値
A(光学センサ位置):光学センサ位置の反射光量値
Ps:光学センサ位置の通紙枚数
Px:算出したい位置の通紙枚数
【0081】
なお、{(Ps−Px)/Ps}は、算出した位置の光学センサ位置に対する通紙枚数の減少割合であるが、これを25倍するのは、紙の有無でベルトの反射光量値が減少割合に対して25倍変化するためである。また、本実施形態の場合、算出した位置は、例えば、ベルト1周分に1150等分し、幅方向に10mm間隔で区切った位置とする。上記で求められた予想反射光量値から、実施の形態1のS8及びS9と同様に、あらかじめ決めておいた反射光量値減少分とそのときのトナー帯量の関係(図8)から、グロス復帰用トナー像の濃度分布を決定する(S110)。濃度分布が決定されたトナー像は弾性中間転写ベルト表面に合せて、ベルト1周分供給される(S111)。トナー像供給後、通常ジョブに戻り(S112)、さらに200枚通紙されるとグロス復帰モードが作動する。
【0082】
このように構成される本実施形態の場合、光学センサ200の数を第1及び第2の実施形態と比べて少なくできるため、より低コスト化を図れる。その他の構造及び作用は、第2の実施形態と同様である。
【0083】
<他の実施形態>
なお、上述の各実施形態では、タンデム型の構造について説明したが、本発明は、感光ドラムが1個の1ドラム型の構造にも適用可能である。また、上述の各実施形態は、適宜組み合わせて実施可能である。例えば、第3の実施形態で紙の有無を考慮して補正する制御を、第1或いは第2の実施形態にも適用できる。また、第3の実施形態では、グロス復帰モードを200枚通紙毎に行っているが、第1及び第2の実施形態と同様、前回のグロス復帰モードの反射光量値の最大値との関係でモード実行を行うようにしても良い。
【0084】
更に、上述の各実施形態では、ベルト181の表面状態を検知する検知手段として光学センサを使用した構造について説明した。但し、このような検知手段は、光学センサに限定されず、例えば、ベルト181の表面粗さに関する値を検知するものでも良い。例えば、ベルト181にコロを当接させ、このコロのトルクを検知するようにすれば、ベルト181の表面粗さを検知できる。グロスは表面粗さによっても変化するため、この点からグロス復帰用トナー像の濃度分布を導き出すことができる。
【0085】
<実施例>
次に、第1〜第3の実施形態の効果を確認するため、図2に示すような画像形成装置で、上記各実施形態のそれぞれの制御を入れた時と、制御を入れなかった時の、弾性中間転写ベルトの表面状態の観察、及び画像形成装置の動作の確認の実験を行った。この実験は、フルカラーモードで、弾性中間転写ベルト181の移動速度であるプロセススピードを150mm/secに設定し、普通紙100枚連続モードA4R送りで繰り返して通紙試験を行った。画像は、今回のベルトのグロス段差がより生じやすいように図17に示すような幅方向でトナー濃度の異なる画像を使用した。実験環境は、ベルト表面に付着物がつきやすいとされる温度30℃、湿度80RH%の高温高湿環境下で行った。
【0086】
ベルトの表面のグロス値を、日本電色工業株式会社製、HANDY GROSSMETER PG−1を用いて、ベルト幅方向に35ポイント、幅方向に20ポイント測定し、全グロス値の平均値と標準偏差を比較した。測定は、初期、1万枚通紙後、50万枚通紙後、100万枚通紙後で確認した。表1に上記実験の結果を示す。なお、表1で、実施例1が第1の実施形態の構成に、実施例2が第2の実施形態の構成に、実施例3が第3の実施形態の構成に、それぞれ対応する。
【0087】
【表1】
【0088】
表1はグロス値の平均と括弧内に標準偏差値を記してある。一般に、グロス値はセンサで読み取るために40以上、転写性確保、ATVC制御精度の確保のために標準偏差10以内であると良好に作動する。表1に示すように、何も制御を入れていないベルトはグロス低下の度合いも大きく、また面内バラツキを表す標準偏差値も16.2とかなり大きくなっている。それに対して、本実施形態の制御を入れたものはどれもグロス低下の度合いも小さく面内バラツキも小さく抑えられていることが確認できた。
【符号の説明】
【0089】
101a、101b、101c、101d・・・感光ドラム、111a、111b、111c、111d・・・露光装置、116・・・ベルトクリーニング装置、116a・・・クリーニングブレード、122a、122b、122c、122d・・・一次帯電器、123a、123b、123c、123d・・・現像機、181・・・弾性中間転写ベルト(中間転写体)、181b・・・弾性層、140・・・二次転写ローラ(転写手段)、200・・・光学センサ(検知手段)、200−1・・・ラインセンサ(検知手段)、300・・・制御部(制御手段)、301・・・記憶部(記憶手段、第2の記憶手段)、302・・・ビデオカウンタ(積算手段)、Pa、Pb、Pc、Pd・・・画像形成部、P・・・記録材
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ、これらの複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静電プロセスを用いている画像形成装置では、多種多様な紙への高画質な画像を求めるニーズから、中間転写ベルト(中間転写体)が広く用いられている。中間転写ベルトとしては、一般的にポリイミド等に代表される樹脂ベルトが高画質品位、高寿命、高安定的な特性からも広く用いられている。また、中間転写ベルトを清掃するクリーニング装置としても、樹脂ベルトの表面性等を考慮して、クリーニング能力が高い、ブレード方式が広く用いられている(特許文献1参照)。なお、ブレード方式とは、クリーニングブレードを中間転写ベルトの表面に当接させて、中間転写ベルト上のトナーなどを清掃する構造である。
【0003】
一方、最近では、さらなる高画質化、およびブレード方式によるクリーニング能力の安定化等から、トナーが小粒径化およびトナー形状の非球形化へと変化してきている。ところが樹脂からなる中間転写ベルトでは、トナーの変化に伴って転写の際に生じる、中抜け現象が問題となってきている。中抜け現象とは、画像が転写される際、画像に大きな圧力が加わることで、トナーが応力変形し、トナー同士の凝集力が増大し、画像の一部分が転写されずに像担持体上に残留してしまう現象で、特に文字やライン画像などで顕著に現れる。樹脂ベルトの場合、転写時の画像への圧力が大きい為に特にこの中抜け現象が問題となっている。
【0004】
そこで、このような中抜け現象を解消するために、樹脂を用いた中間転写ベルトに変わって、層構成に少なくとも一層の弾性層を用いた中間転写ベルト(以下弾性中間転写ベルトと称す)を採用する事例がある。弾性中間転写ベルトは、層構成に少なくとも一層の弾性層を有すため、柔らかく、転写部でのトナーに作用する圧力が低減できることから、中抜け現象に効果があることが知られている。また、二次転写部において紙との密着性がよいことから、一般的な紙に対しての転写効率の向上のみならず、厚紙に対する転写性や、凹凸を有する紙への転写性にも効果があることが知られている。
【0005】
なお、中間転写ベルトが新品の時に、画像形成動作時以外の動作時に、トナー像を中間転写ベルト上に形成し、二次転写部で転写材に転写することなく、クリーニング装置によりクリーニングする構造が知られている(特許文献2参照)。この構造の場合、新品時のベルト表面に付着している酸化被膜を取り除いて、中間転写ベルトの表面状態を通常時と同様に状態できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−305878号公報
【特許文献2】特開2004−117597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の弾性層を有する弾性中間転写ベルトをブレード方式によりクリーニングすると、ベルト表面に付着したトナーやトナーの外添剤、紙粉などを十分に除去できず、ベルトの表面状態が変化して、ベルト表面のグロス低下が生じ易い。即ち、弾性層を有するベルトは、ブレードを当接させると弾性変形してしまうため、ブレードにより紙粉などの付着物をかきとりにくく、かえってベルト表面に紙粉などをこすりつけてしまい、ベルト表面のグロス低下が生じ易い。
【0008】
特に、形成した画像のトナー濃度の分布や、その際に紙が記録材表面を通過したか否かによって、ベルト表面のグロスの変動は異なる。このため、弾性中間転写ベルトのトナー像搬送方向(進行方向)と直角な方向(幅方向)に関してトナー濃度の異なる画像を連続で画像形成した場合、弾性中間転写ベルトの表面性に偏り、つまりグロス段差が生じてしまう。このグロス段差は、パッチ検知精度や転写性、特にハーフトーン均一性、転写電界制御であるATVCの制御精度に影響を及ぼす。
【0009】
なお、特許文献2に記載された構造を応用して、ベルト表面の画像形成が可能な領域全面に均一なトナー量のトナー像を形成し、クリーニングすることが考えられる。但し、この構造の場合、ベルト表面のグロスを全体的に回復させることはできるが、ベルト表面に生じたグロス段差自体をなくすことはできない。また、ベルト表面の画像形成が可能な領域全面に均一なトナー量のグロス復帰用のトナー像を形成する場合、グロスの下がっていない部分にも供給することになり、トナーを必要以上に多く消費量してしまうことになる。
【0010】
本発明は、上述のような事情に鑑み、トナー消費量を抑えつつ、弾性層を有する中間転写体の表面のグロス段差を低減できる構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、トナー像を形成する画像形成部と、弾性層を有し、前記画像形成部から転写されたトナー像を担持搬送する中間転写体と、前記中間転写体に担持されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置において、前記転写手段よりも前記中間転写体のトナー像搬送方向下流に位置し、前記中間転写体の表面に当接して前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードと、トナー像が担持されていない状態での前記中間転写体の表面状態を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果から導き出せる前記中間転写体の表面のグロスが小さい部分ほど、トナー量が多くなるように、前記画像形成部にグロス復帰用トナー像を形成させ、前記中間転写体に担持された前記グロス復帰用トナー像を、記録材に転写せずに、前記クリーニングブレードにより清掃するグロス復帰モードを実行させる制御手段と、を有する、ことを特徴とする画像形成装置にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中間転写体の表面のグロスが小さい部分ほど、グロス復帰用トナー像のトナー量を多くしているため、グロスが小さい部分ほどグロスを回復させられ、グロス段差を低減できる。また、グロスに応じてトナー量を変えるため、グロス段差を低減するためのトナー消費量を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】中間転写ベルトの断面模式図。
【図3】光学センサを説明するための模式図。
【図4】パッチとセンサ出力との関係を示す模式図。
【図5】ベルトクリーニング装置を説明する図で、(A)は概略構成図、(B)は動作状態を示す拡大図、(C)は(A)の右斜め上方から見た図。
【図6】光学センサの設置状態を示す概略構成斜視図。
【図7】第1の実施形態の制御ブロック図。
【図8】ベルト反射光量の減少度とトナー量との関係を示す図。
【図9】第1の実施形態の制御のフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る光学センサの配置を説明するための模式図。
【図11】第2の実施形態の制御ブロック図。
【図12】(A)は画像形成装置で形成する画像の1例を示す模式図で、(B)はこの画像の通紙枚数とグロス値との関係を示す図。
【図13】第2の実施形態の制御のフローチャート。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る光学センサの配置を説明するための模式図。
【図15】第3の実施形態の制御ブロック図。
【図16】第3の実施形態の制御のフローチャート。
【図17】本発明の効果を確認するために行った実験で使用した画像の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図9を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置について、図1を用いて説明する。
【0015】
[画像形成装置]
本実施例の画像形成装置は、図1に示すように4つの画像形成ステーション(画像形成部)を備えたタンデム方式である。即ち、中間転写体であるベルト状弾性中間転写体、即ち、無端状の弾性中間転写ベルト181を備え、このベルト181に沿って、4個の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdが直列状に配設されている。これら画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、それぞれがイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像形成部であり、各画像形成部を構成する部材には、それぞれ対応する添え字を付している。但し、各画像形成部の構成は同様であるため、以下の説明では添え字を省略して説明する。
【0016】
画像形成部Pは、回転可能に配置された像担持体であるドラム状の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)101を備えている。感光ドラム101の周囲には、一次帯電器122、現像器123、及びクリーニング装置112等のプロセス機器が配置されている。なお、各画像形成部Pa〜Pdに配置した現像器123a〜123dには、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーが収納されている。
【0017】
感光ドラム101の表面は、一次帯電器122によって一様に帯電され、露光装置111から原稿の該当する色の成分による画像信号がポリゴンミラー等を介して投射されて静電潜像が形成される。
【0018】
ついで、現像器123からトナーが供給されて静電潜像がトナー像として現像される。このトナー像は感光ドラム101の回転に伴って、感光ドラム101と弾性中間転写ベルト181とが当接する一次転写部T1に搬送される。そして、一次転写部T1では、一次転写部材(第1の転写手段)、即ち、本実施形態では転写ローラ124から第1の転写バイアスが印加され、トナー像が中間転写ベルト181へ転写される。トナー像を担持した弾性中間転写ベルト181は、つぎの画像形成部Pに搬送され、このときまでに、次の画像形成部で同様に形成されたトナー像が、前の画像形成部で形成されたトナー像上へ転写される。
【0019】
そして、各画像形成部で形成されたトナー像が、弾性中間転写ベルト181に重畳転写され、ベルト181は、転写されたトナー像を担持搬送する。その後、このときまでに、給紙カセット160から送り出された記録材Pが二次転写部T2に達し、転写手段である二次転写部材(第2の転写手段)140に印加される転写バイアスによって上述の4色のトナー像は記録材P上に転写される。トナー像が転写された記録材Pは定着部211に搬送される。定着部211では熱と圧力によってトナー像を記録材P上に固着させる。このような画像形成のプロセスは、制御手段である制御部300により制御される。
【0020】
一次転写部材によって転写しきれなかった感光ドラム上の転写残トナーはドラムクリーニング装置112によって清掃される。また、二次転写部材によって転写しきれなかった中間転写ベルト181上の転写残トナーは、ベルトクリーニング装置116によってかきとられて(清掃されて)、次の画像形成に供される。
【0021】
次に各部の構成について、順次説明する。像担持体としての感光ドラム101は、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導電体層(OPC)を塗布して構成したものである。感光ドラム101は、その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達することにより、図の反時計回り方向に回転駆動される。
【0022】
一次帯電器122は、ローラ状に形成された導電性ローラで、このローラを感光ドラム101表面に当接させるとともに、不図示の電源によって帯電バイアス電圧を印加することにより、感光ドラム101表面を一様に負極性に帯電させるものである。帯電バイアスは、不図示の駆動回路により画像信号に応じて点灯制御される。
【0023】
現像器123は、トナー収納部、現像ローラなどから構成される。各現像器のトナー収納部には、それぞれ負帯電特性のブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のトナーを収納している。本実施形態では、非磁性のトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を使用している。したがって、トナー収納部には、それぞれ各色のトナーとキャリアとが収納され、搬送スクリューにより搬送されつつ攪拌され、トナーは負極性に、キャリアは正極性にそれぞれ帯電される。また、現像ローラは、感光ドラム101表面に隣接し、不図示の駆動部により回転駆動される。また、現像ローラ内にはマグネットが配置され、上述のように帯電されたトナーとキャリアとを現像ローラ表面に担持させる。現像ローラ表面に担持されたトナーは、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧を印加することにより感光ドラム101表面の静電潜像を現像する。なお、現像剤には、トナーの離型性を上げるための外添剤が添加されている。
【0024】
弾性中間転写ベルト181は、支持体として駆動ローラ125、テンションローラ126、及びバックアップローラ129に巻回されている。また、中間転写ベルト181の内側には、4個の感光ドラム101a,101b,101c,101dに対向して中間転写ベルト181に当接する一次転写部材である、転写ローラ124a,125b,125c,125dがそれぞれ並設されている。これら転写ローラは不図示の転写バイアス用電源に接続されており、転写ローラから正極性の電圧が印加され、この電界により、感光ドラム101に接触中の中間転写体181に、感光ドラム101上の負極性の各色トナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。また、中間転写ベルト181の内側には、中間転写ベルトの位置を検知するホームポジション検知シールが貼られており、ベルトホームポジション検知センサ201によって中間転写ベルトの位置をモニタする。本実施形態において、弾性中間転写ベルト表面の反射光量の位置モニタに用いている。
【0025】
また、弾性中間転写ベルト181は、少なくとも2層以上の異なる弾性率を有する複数層で構成された、無端状のベルトである。即ち、図2に示すように、樹脂層181a,弾性層181b,表層181cの3層構造からなる。樹脂層181aを構成する樹脂材料としては、ポリカーボネート,フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体。更には、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体。更には、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体。更には、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)。更には、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂。更には、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン。更には、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂。更には、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、変性ポリカーボネート等が挙げられ、これらからなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0026】
また、弾性層181bを構成する弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)としては、ブチルゴム,フッ素系ゴム,アクリルゴム,EPDM,NBR,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム。更には、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム。更には、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム。更には、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア,ポリエステル系、フッ素樹脂系)等が挙げられる。そして、これらからなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0027】
また、表層181cの材料は特に制限は無いが、中間転写ベルト181表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン,ポリエステル,エポキシ樹脂等の1種類の樹脂材料か、弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)、ブチルゴム,フッ素系ゴム,アクリルゴム,EPDM,NBR,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム。更には、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムの弾性材料が挙げられる。そして、これらのうち、2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。潤滑性を高める材料としては、例えばフッ素樹脂,フッ素化合物,フッ化炭素,2酸化チタン,シリコンカーバイト等の粉体、粒子が挙げられる。また、ブレードクリーニングを行うため、中間転写ベルト181表面は耐磨耗性が要求される。上記材料にフィラーを添加させ、磨耗性が上げたベルトを使用してもよい。
【0028】
樹脂層181aや弾性層181bには、抵抗値調節用導電剤が添加される。この抵抗値調節用導電剤は特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫,酸化チタン,酸化アンチモン,酸化インジウム,チタン酸カリウム,酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)。更には、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物などが挙げられる。導電性金属酸化物は、硫酸バリウム,ケイ酸マグネシウム,炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではない。
【0029】
本実施形態での弾性中間転写ベルトは、画像性を保つため3層での表面抵抗率は、例えば、12Log・Ω/□、体積抵抗率9Log・Ω・cmとする。また、表面十点平均粗さは0.1μm以上2.0μm以下を用いることが好ましい。表面十点平均粗さに関しては、ブレードクリーニングを行う際、2.0μmを越える場合、ベルト表面の粗さによる凹凸により、トナーがすり抜けてしまう。また、0.1μm以下であるとクリーニングブレードとベルトとの接触面積が大きくなり、密着性が増し、クリーニングブレードがめくれやすくなる。
【0030】
弾性中間転写ベルト181の製造方法としては、例えば、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法などがある。更には、内型,外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け加硫研磨を行う方法があるがこれに限定されるものではなく複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができる。
【0031】
一次転写部で中間転写ベルト181に担持されたカラー画像は、中間転写ベルト181に当接する二次転写部材である二次転写ローラ140で記録材Pにさらに転写される。二次転写ローラは、不図示の転写バイアス用電源に接続されており、転写ローラから正極性の電圧が印加され、この電界により、中間転写181ベルトに接触中の記録材Pに、中間転写ベルト181上の負極性のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。この転写電界の決定はATVC制御によって決定される。ATVC制御が行われるベルト表面と、実際に記録材が二次転写部に搬送されるベルト表面に大きな隔たりがあると、実際の転写電界が異なり、所望の転写性を得ることができない。そのためベルトの表面性は同じベルト内においてはほぼ均一になっている必要がある。
【0032】
また、この二次転写ローラ140は、弾性中間転写ベルト181に当接する作動状態と、弾性中間転写ベルト181から離間された非作動状態とを選択的に切替え可能に構成されている。本実施形態においては、切替え手段として、弾性中間転写ベルト181に対して選択的に当接及び離間させる接離機構であるソレノイドを使用している(不図示)。
【0033】
また、弾性中間転写ベルト181の表面と対向して、弾性中間転写ベルト181の表面状態を検知する検知手段である光学センサ200を配置している。なお、本実施形態では、後述する図6に示すように、複数の光学センサを並べたラインセンサ200−1を配置している。この光学式センサ200について、図3を用いて説明する。光学センサ200は、発光部200aと受光部200bとを有する。発光部200aから発せられる光が弾性中間転写ベルト181や、ベルト181上に形成された位置検出用パッチ200cに照射されると、その反射光が受光部200bに入り、光電変換される。そして光量に応じた出力電圧が得られる。発光部200a及び受光部200bと、弾性中間転写ベルト181など被検出物との間にはレンズ200dがある。レンズ200dは、発光部200aにおいては光を収束させ、受光部200bにおいては反射光を効率よく受光するために設置している。
【0034】
上記の光学センサ200は、弾性中間転写ベルト181の表面からの反射光量を受光部200bで受けた時の出力電圧を元に、ある適切な出力電圧となるよう光量調整を行うことができる構成である。光学センサ200は、光量変化などがあるため、光量を変化させて出力電圧が規定値になるよう光量調整を行う。
【0035】
この光量調整は、一般的に弾性中間転写ベルト181上に位置検出用パッチ200cが無い状態、つまり弾性中間転写ベルト181の表面で行う。光量調整後、位置検出用パッチ200cを読み取った時の出力波形(アナログ)200eは図3のようになる。弾性中間転写ベルト表面のセンサ出力電圧は出力波形値から、光量調整後ある規定値(例えば5V)となっている。正反射型のパッチセンサの場合、位置検出用パッチ200cを検出した時の出力電圧は弾性中間転写ベルト表面の出力電圧よりも低くなり、通常デジタル化可能なしきい値255以下になるように、しきい値255と出力電圧を調整してある。
【0036】
このデジタル化した出力波形200fの立ち上がり、立下りの重心を取り、位置検出用パッチ200cの位置検出データとして用いる。上記ステーションによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの位置検出用パッチ200cを検出した時のセンサ出力(波形200g)は図4のようになる。トナーの反射率はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれ異なるため、パッチ検出時の出力電圧は各色異なる。トナーの色や濃度により反射率が変化するためである。
【0037】
色ずれ補正を行うための位置検出用パッチ200cの濃度を調整するが、その前に、まず、上記光量調整を、弾性中間転写ベルト181の表面を搬送している間に行う。そして、出力電圧が規定値になったら、以後、次の光量調整時まで光量は一定とする。光量調整を行うタイミングは、起動時やある印刷枚数ごとなどでよい。この光学センサ200で任意のトナーパッチを読み取ることで、前述の各色の色ずれを補正するだけでなく、記録材への書き出し位置を検知し、二次転写部での記録材の搬送タイミングを決定したりするのに用いられる。この光量調整を行うベルト上の点と実際にパッチが打たれるベルト上の点が同じになることはほとんどなく、そのためベルトの表面性は同じベルト内において偏りをできるだけ小さくする必要がある。
【0038】
次に、図5を用いて、二次転写後に弾性中間転写ベルト181上に残留する転写残トナーのベルトクリーニング部116について詳細を述べる。ベルトクリーニング装置116は、二次転写ローラ140よりも弾性中間転写ベルト181のトナー像搬送方向下流(回転方向下流)に位置する。そして、ブレード状のクリーニング部材であるクリーニングブレード116aを弾性中間転写ベルト181の表面に当接させて、ベルト181の表面を清掃する。
【0039】
このクリーニングブレード116aは、例えば、ゴム硬度77°(JIS A)、反発弾性率45%(23℃)、板厚2mm、自由長8mmで構成され、例えばポリウレタンゴムなどの弾性材料を用いることができる。また、ブレード116aの当接角度θは、ベルト181に当接する方向を正とした場合、0°以上25°以下に構成されている。本実施形態では、揺動角度0°、当接角度25°、転写ベルト181に対しての総圧0.8Kgfで構成されている。
【0040】
また、ベルトクリーニング装置116は、図5(b)に示すように、作動状態と非作動状態とを選択的に切替え可能に構成されている。作動状態とは、ブレード116aを弾性中間転写ベルト181に当接させベルト181の回転駆動に伴ってベルト181表面をクリーニングする状態である。非作動状態とは、弾性中間転写ベルト181から離間され弾性中間転写ベルト181表面のクリーニングを停止する状態である。本実施形態においては、切替え手段として、弾性中間転写ベルト181に対して選択的に当接及び離間させる接離機構であるカム機構を使用している。
【0041】
カム機構は、モータ116iによりギア機構116hを介して回転駆動するカム116bと、カム116と当接して、カム116bの回転により支点116cを中心に揺動する揺動板116dと、揺動板にブレード116aを固定する中間部材116eとを有する。なお、図5(c)に示すように、カム116aは回転軸上に3個並べて配置しているが、この数は任意である。カム116の回転により揺動板116dを図5(b)の矢印方向に揺動させると、同図の実線で示すように、ブレード116aがベルト181に当接する作動状態となる。一方、カム116の回転により揺動板116dが、同図の破線で示す位置まで揺動すると、ブレード116aがベルト181から離間する非作動状態となる。
【0042】
また、クリーニングブレード116aが弾性中間転写ベルト181に当接される先端角部分には、予め潤滑剤が塗布されている。この潤滑剤としては、例えば、球形を有する平均粒径3μm、円形度0.93のシリコーン樹脂粒子と、不定形、具体的には鱗片形状を有する平均粒径2μmのフッ化黒鉛と、を所定の割合で混合したものを用いる。シリコーン樹脂粒子としては、例えば商品名トスパール(東芝シリコーン社製)がある。また、フッ化黒鉛としては、例えば商品名セフボン(セントラル硝子社製)がある。このように潤滑剤を塗布するのは、初期動作時に、ベルトとブレードの間の滑り性をよくし、めくれを発生させないためである。なお、クリーニングブレード116aのエッジ先端からの塗布幅としては、概ね1mmとした。
【0043】
ベルトクリーニング装置116は、クリーニングブレード116aによって除去された残留トナーや紙粉等の付着物を収容する収容部116fを備えている。収容部116fの内部には、残留トナーや紙粉等の付着物を、クリーニング装置116の外部へと搬送する回動スクリュー116gが配置されている。したがって、作動状態でクリーニングしたトナーは、図5(a)に示すように、収容部116fに収容され、回動スクリュー116gにより搬送回収される。
【0044】
[グロス復帰モード]
前述したように、上述の弾性層を有する弾性中間転写ベルト181をブレード方式のベルトクリーニング装置116によりクリーニングすると、ベルト表面のグロス低下が生じ易い。特に、画像のトナー濃度の分布によってベルト表面のグロスの変動は異なるため、弾性中間転写ベルトの表面性に偏り、つまりグロス段差が生じてしまう。本実施形態では、制御部300は、このようなグロス段差を抑えるべく、グロス復帰モードを実行する。このグロス復帰モードについて説明する。
【0045】
まず、グロス復帰モードでは、光学センサ200の検知結果から導き出せる弾性中間転写ベルト181の表面のグロスが小さい部分ほど、トナー量が多くなるように、画像形成部にグロス復帰用トナー像を形成させる。即ち、光学センサ200によりベルト181の全面を検知する。そして、制御部300が、光学センサ200により検知した反射光量に基づいて、ベルト181の表面の反射光量が低い部分ほど、トナー量が多くなるように露光装置111などを制御して、感光ドラム101上にグロス復帰用トナー像を形成する。この反射光量の低い部分ほどグロスが低下している。したがって、制御部300は、このグロスが低下している部分に多くのトナーが供給されるように、トナーの供給量及び供給位置を決定する。
【0046】
このグロス復帰用トナー像は、感光ドラム101から弾性中間転写ベルト181上に転写される。このグロス復帰モードでは、二次転写ローラ140はベルト181から離間している。このため、ベルト181に担持されたグロス復帰用トナー像は、二次転写部を通過して、ベルトクリーニング装置116により清掃される。なお、二次転写ローラ140を離間させずに、グロス復帰用トナー像が二次転写部T2を通過する際に、通常の二次転写バイアスと逆方向のバイアスを印加してもよい。これにより、ベルト181に担持されたトナー像が二次転写ローラ140に転写されずに、ベルトクリーニング装置116に搬送され、清掃される。
【0047】
また、このようなグロス復帰モードは、次のようなタイミングで実行される。まず、本実施形態では、図7に示すように、光学センサ200により検知した弾性中間転写ベルト181の表面の反射光量の最大値を記憶する記憶手段である記憶部301を有する。制御部300は、記憶部301が記憶した前回のグロス復帰モードの反射光量の最大値に対して、光学センサ200により検知した反射光量が所定の値以上減少する部分が、ベルト181の表面に存在する場合に、グロス復帰モードを実行する。
【0048】
以下、このようなグロス復帰モードについて、より具体的に説明する。本実施形態では、複数の光学センサ200を、図6に示すように、ベルト181のトナー像搬送方向(回転方向)に直交する方向(幅方向、長手方向)に並べて配置したラインセンサ200−1を使用している。そして、ラインセンサ200−1により、弾性中間転写ベルト181の表面状態(反射光量値)を幅方向全てでモニタできるようにしている。ラインセンサ200−1は、例えば、光学センサ200を幅方向に60〜70個並べたものである。
【0049】
このようなラインセンサ200−1は、図2及び図6に示すように、各画像形成部のベルト181の回転方向下流で、二次転写部T2よりも上流に、ベルト181の幅方向全域に亙って対向配置させている。そして、トナー像が担持されていない状態、即ち、非画像形成時でのベルト181の反射光量値を測定する。なお、反射光量値測定は、弾性中間転写ベルトの表面にトナー像がのっていない状態で測るため、弾性中間転写ベルトにベルトクリーニング装置が作動し、且つ現像スリーブが止まっている状態(感光ドラムを弾性中間転写ベルトから離間した状態でもよい)で行う。
【0050】
次に、グロス復帰モードの流れに沿って、図7ないし図9を用いて説明する。図9に示すように、電源ON或いはスリープ状態が終了すると、弾性中間転写ベルト181が新しいか否かを判断する(S1)。そして、初期の弾性中間転写ベルト181が画像形成装置に設置されると、弾性中間転写ベルト181の反射光量測定が行われ、初期値として記憶部301に記憶される(S2)。一方、初期のベルトでない場合には、記憶部301に記憶されている反射光量値を参照する(S3)。
【0051】
その後、画像形成前後の調整時間や紙間に、弾性中間転写ベルト181上にトナー像が形成されていないタイミング(S4)で、弾性中間転写ベルト181の表面の反射光量値を測定する(S5)。なお、このような測定は、毎回行ってもよいが、例えば、画像形成枚数が所定枚数(例えば1000枚)となったタイミングなどに行うようにしてもよい。その測定値と前述の反射光量初期値との差分をモニタし、所定の値X以上になると、グロス復帰モードを作動させる。本実施形態では、初期の弾性中間転写ベルトの反射光量値を100%としたとき、20%以上減少した反射光量値を幅方向で1箇所以上確認した際に、グロス復帰モードを実行する(S6)。2度目以降は、後述するように、その直前のグロス復帰モードで記憶した反射光量値の最大値(S13)から20%以上減少した反射光量値を幅方向で1箇所以上確認した際に、グロス復帰モードを実行する(S6)。なお、本実施形態では、本発明者が実験などにより検討した結果、所定の値を20%としたが、任意に設定可能である。
【0052】
反射光量値が初期または記憶値から20%以上減少したことが確認されると、ベルトホームポジション検知センサ201によってベルトの周方向の位置をモニタしながら、ベルト1周分の反射光量値が測定される。そのときの幅方向全てのベルト反射光量値が、ベルトホームポジション検知センサ201から得た周方向の位置と合せて記憶される(S7)。なお、ここで記憶するデータは、S5で測定したデータであっても良い。即ち、S7を省略して、S5で測定したデータを利用するようにしてもよい。何れにしても、その結果とあらかじめ決めておいた反射光量値減少分とそのときのトナー帯量の関係(図8)から、グロス復帰用トナー画像の濃度分布が決定される(S8)。図8のトナー量は単色ベタ画像をFFとして換算される。
【0053】
濃度分布が決定されたグロス復帰用トナー像は弾性中間転写ベルト表面に合せて、ベルト1周分供給される(S9)。即ち、制御部300が、決定された濃度分布に基づいて画像形成部を駆動し、グロス復帰用トナー像を形成する。グロス復帰モードで使用するトナーはどの色でもよいが、本実施形態では補給用トナーの多い色、現像器カウンタが少ない色から使用し、ベルト1周分の長さが長い場合は複数色を使用する方が望ましい。また、本実施形態での単色ベタ画像のFFとは、トナー載り量0.5mg/cm2に相当する。
【0054】
グロス復帰用トナー像供給後、ベルトの反射光量が復帰していれば(S10)、トナー像供給を停止し、通常ジョブ(job)に戻る(S11)。トナー帯供給後もベルト上反射光量値が初期値または記録値から20%減少しているようであれば(S10)、再度ベルト1周分グロス復帰用トナー像を形成し(S12)、通常ジョブに戻る(S11)。その際、S10で測定した反射光量値の最大値が次のグロス復帰モード作動判断のために記憶される(S13)。ジョブが終了すれば、待機或いはスリープ状態となる。
【0055】
グロス復帰モードでは、二次転写ローラ140は弾性中間転写ベルト181から離間され、グロス復帰用トナー像がベルトクリーニング装置116のクリーニングブレード116aにより摺擦されつつクリーニングされる。ベルト181の表面に付着したトナーやトナーの外添剤、紙粉などは、トナーがクリーニングブレード116aによりかきとられる際に、トナーと共に削り取られる。
【0056】
本実施形態によれば、弾性中間転写ベルト181の表面のグロスが小さい部分ほど、グロス復帰用トナー像のトナー量を多くしているため、グロスが小さい部分ほどグロスを回復させられ、グロス段差を低減できる。また、グロスに応じてトナー量を変えるため、グロス段差を低減するためのトナー消費量を抑えられる。即ち、グロスが低下している部分には、トナーやトナーの外添剤、紙粉などが多く付着していると考えられる。このため、このような部分にはトナーを多く供給して、このような付着物を除去し易くすることによりグロスを復帰させ、グロス段差を低減できる。一方、グロスの低下が少ない部分は、付着物が少ないと考えられるため、供給するトナー量を少なくして、トナーの消費量を抑えられる。本実施形態の場合、このようにグロス段差を低減できるため、パッチ検知精度や転写性、特にハーフトーン均一性、転写電界制御であるATVCの制御精度を良好にできる。
【0057】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図10ないし図13を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、弾性中間転写ベルトの表面状態を確認するために、弾性中間転写ベルト上の幅方向全ての反射光量値をモニタした。これに対して、本実施形態では、図10に示すように、光学センサ200を弾性中間転写ベルト181の幅方向に複数個(本実施形態では9個)配置し、ベルト181の表面状態(反射光量値)を9点でモニタする。即ち、本実施形態の場合には、光学センサ200が、ベルト181の表面をトナー像搬送方向に直交する幅方向に関して9個に分割した領域毎に1個ずつ配置されている。そして、領域毎に1個所、反射光量値を測定する。
【0058】
また、本実施形態の場合、図11に示すように、原稿読み取り装置や外部端末から入力される画像信号に基づいて、積算手段であるビデオカウンタ302がビデオカウント値を積算する。即ち、弾性中間転写ベルト181に担持されたトナー像を記録材に転写する画像形成モードで、入力信号に基づいて、ビデオカウンタ302が画素毎の出力値を積算する。
【0059】
また、このような出力値は、第2の記憶手段でもある記憶部301に記憶される。また、記憶部301には、光学センサ200によりベルト181の表面をトナー像搬送方向全体に亙って測定した反射光量を、測定部分に対応する画素のビデオカウンタ302により積算した出力値と関連付けて記憶する。即ち、9個の光学センサ200によりベルト1周分、それぞれの位置の反射光量を測定し、その測定した位置の積算した出力値と対応させて、それぞれの位置の反射光量値を記憶する。この状態で、光学センサ200により測定した測定部分は、全周に亙って、測定した反射光量値と積算した出力値とのデータが対応した状態で存在することになる。
【0060】
これに対して、光学センサ200が配置されていない非測定部分は、積算した出力値のデータはあるが、測定値はない。本実施形態では、この被測定部分の反射光量値を、測定部分のデータから予測する。即ち、光学センサ200が配置された9点の部分の積算ビデオカウント値(出力値)から、全弾性中間転写ベルト表面の反射光量値を予測する。そして、グロス復帰モード動作のタイミングとグロス復帰用トナー像の供給量、供給位置を決定する。
【0061】
このために、制御部300は、上述の各領域の非測定部分の反射光量を、同じ領域の記憶部301が記憶した出力値のうち、非測定部分に対応する画素の出力値に近い出力値と関連付けて記憶した反射光量であると想定して、前記グロス復帰モードを実行する。即ち、非測定部分のビデオカウンタ302が積算した出力値と、測定部分の同じく積算した出力値とを比較し、最も出力値が近い測定部分のデータを選択する。そして、非測定部分の反射光量値として、選択した測定部分のデータを利用する。
【0062】
以下、より具体的に説明する。まず、光学センサ200の配置は、図10に示すように、(1)〜(9)の位置となる。これは、記録材、特に紙の填料(タルク、炭酸カルシウム、白土など)や紙粉が弾性中間転写ベルト表面に付着することによって、ベルトの表面性に影響を与えるために紙サイズに応じた配置をとっている。例えば、真ん中の(5)のセンサはどのサイズの記録材が通紙されてもその影響を踏まえたベルトの表面状態を知ることができる。逆に(1)のセンサはA3サイズの記録材のみで、A3サイズより小さい記録材を通紙した場合の紙なしの影響を踏まえたベルトの表面状態を知ることができる。上記のように、(1)〜(9)のような配置にすることで、A3、B4、A4R、B5、ハガキサイズの記録材の影響と、弾性中間転写ベルトの幅方向のムラの影響を踏まえたベルトの表面状態を知ることができる。
【0063】
次に、ベルトの表面性に影響を与えるトナー濃度の影響について述べる。図2の画像形成装置を用いて、図12(A)に示すような幅方向でトナー濃度が異なる画像を連続で印刷した時の弾性中間転写ベルトのグロス値の推移を、図12(B)に示す。このようにトナーの濃度によって、弾性中間転写ベルトの表面への影響は大きく変わってくる。そこで本実施形態では、弾性中間転写ベルト表面にどれだけトナーが形成されたかをビデオカウント方式を用いてモニタしている。
【0064】
このビデオカウント方式について、説明する。CCDセンサ(不図示)に結像された原稿画像は、CCDセンサによりアナログ電気信号に変換される。変換された画像情報は、アナログ信号処理部に入力されてサンプル&ホールド、ダークレベルの補正等が行われた後、A/D・SH処理部でアナログ・デジタル変換(A/D変換)され、更に、デジタル化された信号に対してシェーディング補正が行われる。シェーディング補正では、CCDセンサが持つ画素ごとのばらつきに対する補正、及び原稿照明ランプの配光特性に基づく位置による光量のばらつきに対する補正を行う。
【0065】
その後、RGBライン間補正部においてRGBライン間補正を行う。ある時点でCCDセンサのRGB各受光部に入力した光は、原稿上ではRGB各受光部の位置関係に応じてずれているために、ここでRGB信号間の同期をとる。
【0066】
その後、入力マスキング部で入力マスキング処理を行い、輝度データから濃度データへの変換を行う。CCDセンサから出力されたままのRGB値はCCDセンサに取り付けられた色フィルタの影響を受けているため、その影響を補正して純粋なRGB値に変換する。
【0067】
その後、画像は変倍部において所望の変倍率で変倍処理され、変倍された画像データは画像メモリ部に送られて、画像蓄積される。蓄積された画像は、まず画像データを画像メモリ部からγ補正部に送られる。γ補正部では、操作部で設定された濃度値に応じた出力にするために、プリンタの特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)に基づいて、元の濃度データから所望の出力濃度対応した濃度データに変換する。次に、濃度データは二値化部に送られる。二値化部では、8ビットの多値信号を2値信号に変換される。例えば、この変換方法としてはディザ法、誤差拡散法、誤差拡散の改良したもの等が使われる。二値化されたデータは、ビデオカウント部に送られ、各色画像毎に二値化データのカウントが行われる。
【0068】
次にビデオカウンタの詳細を示す。ビデオカウンタでは、各色について出力値をカウントする。二値化部から送られてくる1色分の画像信号は、1画像(画素)分の画像信号を8bit毎にパラレルにそれぞれ29bitカウンタ(各色)によってカウントする。そして、それらの結果を32bit加算器によって加算して1画像分のビデオカウントを32bitデータとして得る。
【0069】
つまり、ビデオカウント値は、画像処理部における、リーダ部から読み取られた画像信号処理において、1画像分の画像信号の数をカウントしたものである。又、このビデオカウント値から、画像処理部にて求められた濃度データの二値化データが引き出され、中間転写ベルト181上に形成されたトナー像の画像濃度が求められる。
【0070】
本実施形態では、先に述べた光学センサ(1)〜(9)の位置に対応するビデオカウント値の積算値を記憶部301に記憶させ、ベルトの反射光量の予測に使用する。次に、グロス復帰モードについて、図13のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態のフローは、前述の第1の実施形態のフロー(図9)に対し、S7とS8との間に、S71とS72とが入った点が異なる。その他の点は、実質的に図9と同様であるため、S71とS72及びその周辺のフローについて説明する。
【0071】
S7では、光学センサ200が配置された位置でベルト1周分の反射光量値を測定する。例えば、ベルト1周分を1150等分(約10mm間隔)で光学センサ200により測定する。そして、そのときの幅方向のベルト反射光量値が、ベルトホームポジション検知センサ201から得た周方向の位置と合せて記憶される。即ち、1個のセンサについて1150個の測定データが記憶される。
【0072】
本実施形態では、各光学センサ200は、前述したように紙の有無を加味して配置されている。具体的には、(1)の領域はベルト中央から手前128.5〜165mmである。(2)の領域は105〜128.5mmである。(3)の領域は手前91〜105mmである。(4)の領域は手前74〜91mmである。(5)の領域は手前0〜74mmである。(6)の領域は奥に74〜91mmである。(7)の領域は奥に91〜105mmである。(8)の領域は奥に105〜128.5mmである。(9)の領域は奥に128.5〜165mmである。そして、これら各領域に配置された光学センサ200の情報をもとに全ベルトの予想反射光量値を算出する。
【0073】
予想反射光量値の算出の仕方は、測定部分と非測定部分とのビデオカウント値を、それぞれ記憶部301から読み込む(S71)。そして、非測定部分のビデオカウント値と近いビデオカウント値の測定部分の反射光量値を、その非測定部分の反射光量値であると予想する(S72)。これにより、ベルト181全域の反射光量値を求めることができるため、この反射光量値に基づいてグロス復帰用トナー像の濃度分布を決定する(S8)。それ以降は、第1の実施形態と同様である。
【0074】
このように構成される本実施形態の場合、光学センサ200の数を第1の実施形態と比べて少なくできるため、低コスト化を図れる。その他の構造及び作用は、第1の実施形態と同様である。
【0075】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図14ないし図16を用いて説明する。上述の第2の実施形態では、弾性中間転写ベルトの表面状態を確認するために、弾性中間転写ベルト上の幅方向に9個の光学センサでベルトの反射光量値をモニタした。これに対して、本実施形態では、光学センサ200を弾性中間転写ベルト181の幅方向に1点でモニタし、その1点の部分の積算ビデオカウント値と、記録材のサイズ、通紙枚数情報から、グロス復帰用トナー像のトナー供給量及び供給位置を決定する。グロス復帰モードは所定のジョブカウント毎に動作させる。本実施形態においては、例えばジョブカウント200枚毎に行う。
【0076】
即ち、制御部300は、記録材のサイズと通紙枚数を検知し、センサが配置された領域の非測定部分の反射光量として想定した値を、非測定部分の通紙枚数が同じ領域の前記測定部分の通紙枚数よりも少ないほど、反射光量が小さくなるように補正する。なお、記録材のサイズは、ユーザの選択或いは装置による自動選択により検知でき、通紙枚数は記録材の搬送経路に配置された記録材の通過を検知するセンサの信号を積算するなどして検知可能である。
【0077】
本実施形態では、上述のように、光学センサ200を1点配置して、弾性中間転写ベルト181の表面の反射光量値を測定しているが、この光学センサ200は、図14の(10)の位置に配置されている。これは、記録材、特に紙の填料(タルク、炭酸カルシウム、白土など)や紙粉が弾性中間転写ベルト表面に付着することによって、ベルトの表面性に影響を与えるために紙サイズに応じた配置をとっている。(10)の位置はどのサイズの記録材が通紙されてもその影響を踏まえたベルトの表面状態を知ることができる。
【0078】
また、第2の実施形態と同様に、光学センサ200の位置に対応するビデオカウント値(デジタル画像信号の出力レベルの積算値)を記憶部301に記憶させておく。さらに、弾性中間転写ベルト181の幅方向の表面性を予測するため、図15に示すように、記録材のサイズと通紙枚数を制御部300により取得し、記憶部301に記録させておく。
【0079】
次に、グロス復帰モードについて、図16のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態のフローのS1〜S3は、前述の第1の実施形態のフロー(図9)と同様である。本実施形態では、初期状態或いは前回のグロス復帰モード作動時から通紙枚数200枚となった時点でグロス復帰モードを作動させる(S104)。グロス復帰モード作動タイミングになると、ベルトホームポジション検知センサ201によってベルトの周方向の位置をモニタしながら、ベルト1周分の反射光量値が測定される。そのときの幅方向のベルト反射光量値が、ベルトホームポジション検知センサ201から得た周方向の位置と合せて記憶される(S105)。次に、第2の実施形態のS71及びS72と同様に、積算ビデオカウント値を用いて、幅方向の予想反射光量値を算出する。本実施形態では光学センサは1つなので、ベルト幅方向全ての範囲を(10)に配置された光学センサ200を用いて算出する(S106、S107)。
【0080】
次に、記録材のサイズと枚数の情報から上記で算出した予想反射光量値を、下記の式を用いて補正する(S108、S109)。
α=A(光学センサ位置)+{(Ps−Px)/Ps}×25
α:補正後の予想反射光量値
A(光学センサ位置):光学センサ位置の反射光量値
Ps:光学センサ位置の通紙枚数
Px:算出したい位置の通紙枚数
【0081】
なお、{(Ps−Px)/Ps}は、算出した位置の光学センサ位置に対する通紙枚数の減少割合であるが、これを25倍するのは、紙の有無でベルトの反射光量値が減少割合に対して25倍変化するためである。また、本実施形態の場合、算出した位置は、例えば、ベルト1周分に1150等分し、幅方向に10mm間隔で区切った位置とする。上記で求められた予想反射光量値から、実施の形態1のS8及びS9と同様に、あらかじめ決めておいた反射光量値減少分とそのときのトナー帯量の関係(図8)から、グロス復帰用トナー像の濃度分布を決定する(S110)。濃度分布が決定されたトナー像は弾性中間転写ベルト表面に合せて、ベルト1周分供給される(S111)。トナー像供給後、通常ジョブに戻り(S112)、さらに200枚通紙されるとグロス復帰モードが作動する。
【0082】
このように構成される本実施形態の場合、光学センサ200の数を第1及び第2の実施形態と比べて少なくできるため、より低コスト化を図れる。その他の構造及び作用は、第2の実施形態と同様である。
【0083】
<他の実施形態>
なお、上述の各実施形態では、タンデム型の構造について説明したが、本発明は、感光ドラムが1個の1ドラム型の構造にも適用可能である。また、上述の各実施形態は、適宜組み合わせて実施可能である。例えば、第3の実施形態で紙の有無を考慮して補正する制御を、第1或いは第2の実施形態にも適用できる。また、第3の実施形態では、グロス復帰モードを200枚通紙毎に行っているが、第1及び第2の実施形態と同様、前回のグロス復帰モードの反射光量値の最大値との関係でモード実行を行うようにしても良い。
【0084】
更に、上述の各実施形態では、ベルト181の表面状態を検知する検知手段として光学センサを使用した構造について説明した。但し、このような検知手段は、光学センサに限定されず、例えば、ベルト181の表面粗さに関する値を検知するものでも良い。例えば、ベルト181にコロを当接させ、このコロのトルクを検知するようにすれば、ベルト181の表面粗さを検知できる。グロスは表面粗さによっても変化するため、この点からグロス復帰用トナー像の濃度分布を導き出すことができる。
【0085】
<実施例>
次に、第1〜第3の実施形態の効果を確認するため、図2に示すような画像形成装置で、上記各実施形態のそれぞれの制御を入れた時と、制御を入れなかった時の、弾性中間転写ベルトの表面状態の観察、及び画像形成装置の動作の確認の実験を行った。この実験は、フルカラーモードで、弾性中間転写ベルト181の移動速度であるプロセススピードを150mm/secに設定し、普通紙100枚連続モードA4R送りで繰り返して通紙試験を行った。画像は、今回のベルトのグロス段差がより生じやすいように図17に示すような幅方向でトナー濃度の異なる画像を使用した。実験環境は、ベルト表面に付着物がつきやすいとされる温度30℃、湿度80RH%の高温高湿環境下で行った。
【0086】
ベルトの表面のグロス値を、日本電色工業株式会社製、HANDY GROSSMETER PG−1を用いて、ベルト幅方向に35ポイント、幅方向に20ポイント測定し、全グロス値の平均値と標準偏差を比較した。測定は、初期、1万枚通紙後、50万枚通紙後、100万枚通紙後で確認した。表1に上記実験の結果を示す。なお、表1で、実施例1が第1の実施形態の構成に、実施例2が第2の実施形態の構成に、実施例3が第3の実施形態の構成に、それぞれ対応する。
【0087】
【表1】
【0088】
表1はグロス値の平均と括弧内に標準偏差値を記してある。一般に、グロス値はセンサで読み取るために40以上、転写性確保、ATVC制御精度の確保のために標準偏差10以内であると良好に作動する。表1に示すように、何も制御を入れていないベルトはグロス低下の度合いも大きく、また面内バラツキを表す標準偏差値も16.2とかなり大きくなっている。それに対して、本実施形態の制御を入れたものはどれもグロス低下の度合いも小さく面内バラツキも小さく抑えられていることが確認できた。
【符号の説明】
【0089】
101a、101b、101c、101d・・・感光ドラム、111a、111b、111c、111d・・・露光装置、116・・・ベルトクリーニング装置、116a・・・クリーニングブレード、122a、122b、122c、122d・・・一次帯電器、123a、123b、123c、123d・・・現像機、181・・・弾性中間転写ベルト(中間転写体)、181b・・・弾性層、140・・・二次転写ローラ(転写手段)、200・・・光学センサ(検知手段)、200−1・・・ラインセンサ(検知手段)、300・・・制御部(制御手段)、301・・・記憶部(記憶手段、第2の記憶手段)、302・・・ビデオカウンタ(積算手段)、Pa、Pb、Pc、Pd・・・画像形成部、P・・・記録材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成する画像形成部と、
弾性層を有し、前記画像形成部から転写されたトナー像を担持搬送する中間転写体と、
前記中間転写体に担持されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置において、
前記転写手段よりも前記中間転写体のトナー像搬送方向下流に位置し、前記中間転写体の表面に当接して前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードと、
トナー像が担持されていない状態での前記中間転写体の表面状態を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果から導き出せる前記中間転写体の表面のグロスが小さい部分ほど、トナー量が多くなるように、前記画像形成部にグロス復帰用トナー像を形成させ、前記中間転写体に担持された前記グロス復帰用トナー像を、記録材に転写せずに、前記クリーニングブレードにより清掃するグロス復帰モードを実行させる制御手段と、を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記中間転写体の表面に光を照射し、その反射光量を測定する光学センサであり、
前記制御手段は、前記グロス復帰モードで、前記光学センサが検知した前記中間転写体の表面の反射光量が低い部分ほど、トナー量が多くなるように、前記画像形成部にトナー像を形成させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記グロス復帰モードで、前記光学センサにより検知した前記中間転写体の表面の反射光量の最大値を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記記憶手段が記憶した前回のグロス復帰モードの反射光量の最大値に対して、前記光学センサにより検知した反射光量が所定の値以上減少する部分が、前記中間転写体の表面に存在する場合に、前記グロス復帰モードを実行する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記中間転写体に担持されたトナー像を記録材に転写する画像形成モードで、画素毎の出力値を積算する積算手段と、
前記光学センサにより前記中間転写体の表面をトナー像搬送方向全体に亙って測定した反射光量を、測定部分に対応する画素の前記積算手段により積算した出力値と関連付けて記憶する第2の記憶手段と、を有し、
前記光学センサは、前記中間転写体の表面をトナー像搬送方向に直交する幅方向に関して1個又は複数に分割した領域毎に1個ずつ配置され、
前記制御手段は、前記領域の前記光学センサが配置されていない非測定部分の反射光量を、同じ領域の前記第2の記憶手段が記憶した出力値のうち、前記非測定部分に対応する画素の前記積算手段により積算した出力値に近い出力値と関連付けて記憶した反射光量であると想定して、前記グロス復帰モードを実行する、
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、記録材のサイズと通紙枚数を検知し、前記領域の非測定部分の反射光量として想定した値を、前記非測定部分の通紙枚数が同じ領域の前記測定部分の通紙枚数よりも少ないほど、反射光量が小さくなるように補正する、
ことを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記中間転写体は、少なくとも2層以上の異なる弾性率を有する複数層で構成された、無端状のベルトである、
ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナー像を形成する画像形成部と、
弾性層を有し、前記画像形成部から転写されたトナー像を担持搬送する中間転写体と、
前記中間転写体に担持されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置において、
前記転写手段よりも前記中間転写体のトナー像搬送方向下流に位置し、前記中間転写体の表面に当接して前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードと、
トナー像が担持されていない状態での前記中間転写体の表面状態を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果から導き出せる前記中間転写体の表面のグロスが小さい部分ほど、トナー量が多くなるように、前記画像形成部にグロス復帰用トナー像を形成させ、前記中間転写体に担持された前記グロス復帰用トナー像を、記録材に転写せずに、前記クリーニングブレードにより清掃するグロス復帰モードを実行させる制御手段と、を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記中間転写体の表面に光を照射し、その反射光量を測定する光学センサであり、
前記制御手段は、前記グロス復帰モードで、前記光学センサが検知した前記中間転写体の表面の反射光量が低い部分ほど、トナー量が多くなるように、前記画像形成部にトナー像を形成させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記グロス復帰モードで、前記光学センサにより検知した前記中間転写体の表面の反射光量の最大値を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記記憶手段が記憶した前回のグロス復帰モードの反射光量の最大値に対して、前記光学センサにより検知した反射光量が所定の値以上減少する部分が、前記中間転写体の表面に存在する場合に、前記グロス復帰モードを実行する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記中間転写体に担持されたトナー像を記録材に転写する画像形成モードで、画素毎の出力値を積算する積算手段と、
前記光学センサにより前記中間転写体の表面をトナー像搬送方向全体に亙って測定した反射光量を、測定部分に対応する画素の前記積算手段により積算した出力値と関連付けて記憶する第2の記憶手段と、を有し、
前記光学センサは、前記中間転写体の表面をトナー像搬送方向に直交する幅方向に関して1個又は複数に分割した領域毎に1個ずつ配置され、
前記制御手段は、前記領域の前記光学センサが配置されていない非測定部分の反射光量を、同じ領域の前記第2の記憶手段が記憶した出力値のうち、前記非測定部分に対応する画素の前記積算手段により積算した出力値に近い出力値と関連付けて記憶した反射光量であると想定して、前記グロス復帰モードを実行する、
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、記録材のサイズと通紙枚数を検知し、前記領域の非測定部分の反射光量として想定した値を、前記非測定部分の通紙枚数が同じ領域の前記測定部分の通紙枚数よりも少ないほど、反射光量が小さくなるように補正する、
ことを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記中間転写体は、少なくとも2層以上の異なる弾性率を有する複数層で構成された、無端状のベルトである、
ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−155284(P2012−155284A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16763(P2011−16763)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]