画像形成装置
【課題】 2値パターンデータの保存量を大幅に削減できる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 原稿画像データを入力し、所定のサイズの画像領域を切り出して2値化する2値化部6と、2値パターンデータを保存しておく2値パターンデータ保存部7と、2値化した画像データと保存した2値パターンデータとで、それぞれ位置関係が対応する画素の値が一致する個数を算出する一致数算出部24と、算出した一致数を上限閾値と比較して2値化した画像データが網点か否かを判定する上限比較判定部9と、一致数を下限閾値と比較して2値化した画像データが網点か否かを判定する下限比較判定部10と、上限比較判定部及び下限比較判定部による判定結果を保存する判定結果保存部11と、保存した判定結果に基づいて、原稿画像データに対して補正を行う画像補正処理部5とを備える。
【解決手段】 原稿画像データを入力し、所定のサイズの画像領域を切り出して2値化する2値化部6と、2値パターンデータを保存しておく2値パターンデータ保存部7と、2値化した画像データと保存した2値パターンデータとで、それぞれ位置関係が対応する画素の値が一致する個数を算出する一致数算出部24と、算出した一致数を上限閾値と比較して2値化した画像データが網点か否かを判定する上限比較判定部9と、一致数を下限閾値と比較して2値化した画像データが網点か否かを判定する下限比較判定部10と、上限比較判定部及び下限比較判定部による判定結果を保存する判定結果保存部11と、保存した判定結果に基づいて、原稿画像データに対して補正を行う画像補正処理部5とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された原稿画像データ中の網点領域を検出し、補正処理を行う画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナで読み取った網点画像を画面表示したり印刷したりすると、2値化の際に網点の周期性に起因するモアレが発生し、印字品質を著しく低下させるため、画像処理装置においては、画面表示や印刷の前に網点画像を補正処理(平滑化処理)してモアレを除去することが行われている。
そして、係る網点画像の検出方法として、検出したい網点を表現した2値パターンデータを照合対象として用いるパターンマッチングという手法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−279352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、パターマッチングでは一般的に、検出したい全ての網点に対応する2値パターンデータを装置内に保存しておくため、保存データ量は膨大なものであり、画像処理装置にとって、データ保存のためのメモリ負担が極めて大きいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、網点領域を検出するためのパターンマッチングに用いる2値パターンデータの保存量を大幅に削減できる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、入力された原稿画像データ中の網点画素を検出して、モアレ除去のための補正処理を行う画像処理装置において、上記原稿画像データを入力し、所定のサイズの画像領域を切り出して2値化する2値化部と、2値パターンデータを保存しておく2値パターンデータ保存部と、上記2値化部で2値化した画像データと、上記2値パターンデータ保存部に保存している2値パターンデータとで、それぞれ位置関係が対応する画素の値が一致する個数を算出する一致数算出部と、上記一致数算出部で算出した一致数を予め設定した上限閾値と比較して上記2値化した画像データが網点か否かを判定する上限比較判定部と、上記一致数算出部で算出した一致数を予め設定した下限閾値と比較して、上記2値化した画像データが網点か否かを判定する下限比較判定部と、上記上限比較判定部及び上記下限比較判定部による判定結果を保存する判定結果保存部と、上記判定結果保存部が保存する判定結果に基づいて、入力した上記原稿画像データに対して補正を行う画像補正処理部とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、網点判定において、2値画像データと2値パターンデータの一致数を下限閾値と比較するようにしたので、保存しておく2値パターンデータの数を半分にすることが可能であり、これにより、データ保存のためのメモリサイズを大幅に縮減することができる。
これは、2値画像データの2値パターンデータに対する一致数を下限閾値と比較することが、2値画像データの2値反転パターンデータに対する一致数を上限値と比較した場合と同じ判定結果が得られるからである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1による網点判定部の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】画像データから所定サイズの画像領域を切り出す様子を示す模式図である。
【図4】2値パターンデータの一例とその反転パターンデータを示す図である。
【図5】2値パターンデータとその閾値の例を示す図である。
【図6】実施例1による網点判定部の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6の網点判定処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例2のシステム構成を示すブロック図である。
【図9】実施例2による網点判定部の構成を示すブロック図である。
【図10】2値パターン判定画素データの一例を示す図である。
【図11】2値パターンデータの例を示す図である。
【図12】2値パターン判定画素を2値パターンデータに重ねた状態を示す模式図である。
【図13】実施例2による網点判定部の動作を示すフローチャートである。
【図14】図13の網点判定処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図15】図14の一致数算出処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図16】所定の画像領域における各画素を指定するための番号付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像処理装置の実施形態につき、図1〜図16を用いて説明する。
尚、本実施形態では、システム構成として複合機(MPF)を例に説明する。
【実施例1】
【0010】
先ず、図2に基づいて、実施例1によるシステム構成を説明する。図2は、実施例1のシステム構成を示すブロック図である。
〔0000〕
図2に示すように、本実施例の複合機は、画像処理装置1と、該画像処理装置に接続された画像入力装置としてのスキャナ2と、画像出力装置としてのプリンタ3とで構成される。
【0011】
スキャナ2は、網点画像を含む原稿を読み取り、画像データを生成して画像処理装置1に出力する。
プリンタ3は、画像処理装置1から入力した画像データに基づいて印刷を行う。
【0012】
画像処理装置1は、網点判定部4と画像補正処理部5を備え、スキャナ2から入力した画像データ中の網点領域を検出して、モアレ除去のための補正処理を行う。
【0013】
網点判定部4は、スキャナ2から入力した画像データの画素値から各画素が網点であるか否かを判定する部分である。全画素についての網点判定結果は、画像データとともに画像補正処理部5に送られる。
【0014】
画像補正処理部5は、網点判定部4から入力した網点判定結果に基づいて、網点判定部4から入力した画像データの画素値を補正処理(例えば、平滑化処理)する部分である。補正処理された画像データは、プリンタ3に送られる。
【0015】
次に、図1に基づいて、上記した網点判定部4の構成を説明する。図1は、実施例1による網点判定部の構成を示すブロック図である。
本実施例の網点判定部4は、2値化部6、2値パターンデータ保存部7、一致数算出部8、上限比較判定部9、下限比較判定部10、判定結果保存部11を備える。
【0016】
2値化部6は、スキャナ2から入力した画像データより所定サイズの画像領域を切り出して2値化する部分である。2値化した画像データ(2値画像データ)は、元の画像データ(原稿画像データ)とともに一致数算出部8に送られる。
【0017】
図3は、画像データR1から所定サイズの画像領域(本例では、図中、太枠で囲まれた画素数が3×3ピクセルの領域)を切り出して2値化した様子を示し、R2はその2値画像データである。また、図3中、白は画素値1を表し、黒は画素値0を表している。
【0018】
2値パターンデータ保存部7は、パターンマッチングによる網点判定処理で用いる複数の2値パターンデータを予め保存しておくメモリである。
ここで、2値パターンデータとは、予め設定された画像サイズ(例えば、画素数が3×3ピクセル)の網点を表現する2値データのことであり、所定の画像サイズにおける全網点の内、検出したい複数の網点に対応する2値パターンデータが保持されている。
尚、画像サイズとして複数のサイズが用意されている。
【0019】
また、本実施例の2値パターンデータ保存部7は、検出したい網点に対応する全ての2値パターンデータの内、ある2値パターンデータに対して、一定領域内の全画素の画素値について、0と1が反転した2値パターンデータ(2値反転パターンデータ)にあっては、2値パターンデータか2値反転パターンデータの何れかを保存するようにしている。
【0020】
図4は、2値パターンデータP1の一例と、その2値反転パターンデータP2を示している。2値パターンデータ保存部7にP1を保存する場合は、その2値反転パターンデータであるP2は保存しない。従って、2値パターンデータ保存部7に保存される2値パターンデータの数は半減する。
【0021】
一致数算出部8は、2値化部6から入力した2値画像データと2値パターンデータ保存部7から取得した一つの2値パターンデータを照合して一致数を算出する部分である。算出した一致数は、上限比較判定部9と下限比較判定部10に送られる。
ここで、一致数とは、2値画像データと2値パターンデータとで位置関係が対応する画素同士の値(0と1)が一致している個数のことである。但し、この場合、照合する2値画像データと2値パターンデータの画像サイズは、同じサイズにしておく必要がある。
【0022】
上限比較判定部9と下限比較判定部10は、2値パターンデータ毎に判定用の閾値(上限閾値及び下限閾値)を保持し、一致数算出部8から入力した一致数と自己が保持する閾値を比較して、その大小関係により照合した2値画像データが網点であるか否かを判定する部分である。画像データ中の全画素に対する判定結果は、判定結果保存部11に送られる。
【0023】
図5は、2値パターンデータとその閾値の例を示している。図示のように、各2値パターンデータの閾値については、予め上限閾値と下限閾値が設定されており、上限比較判定部9が上限閾値を保持し、下限比較判定部10が下限閾値を保持している。
【0024】
判定結果保存部11は、上限比較判定部9と下限比較判定部10からの網点判定結果を保存するメモリである。全画素に対する網点判定結果は、2値化前の画像データ(原稿画像データ)とともに、画像補正処理部5に送られる。
【0025】
次に、図6に基づいて、上記構成による画像処理装置1の動作を説明する。図6は、実施例1による網点判定部の動作を示すフローチャートである。
ここでは、スキャナ2が出力した網点を含む画像データを画像処理装置1が入力して、網点判定を行う動作を説明する。
【0026】
図6において、2値化部6は、スキャナ2から入力した画像データ中の、ある一つの画素(注目画素)とその周辺画素で構成される領域(例えば、注目画素を中心に縦・横の画素数が3×3ピクセルの矩形領域)を切り出して公知の2値化処理を行い、注目画素とその周辺画素で構成される所定サイズの領域で2値画像データを生成する(S101)。
【0027】
網点判定部4は、先のS101で生成された2値画像データに対して網点判定を行い、注目画素が網点であるか否かを判定する(S102)。
【0028】
スキャナ2より入力した画像データの全画素に対して上記網点判定が終了したかを否かを判断し(S103)、終了していれば本処理を終了し、未終了であれば、S101に移行し、全ての画素に対する網点判定が終了するまで処理を繰り返し実行する。
【0029】
ここで、図7に基づいて、先のS2(図6)による網点判定処理の詳細を説明する。図7は、図6の網点判定処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0030】
図7において、一致数算出部8は、2値パターンデータ保存部7に保存されている複数の2値パターンデータの内一つを選択し、選択した2値パターンデータと先のS101(図6)で2値化部6が生成した2値画像データとを照合する。該照合において、両データ間で位置関係が対応する画素同士の値(1と0)が一致する個数を算出し、一致数nとする(S111)。
【0031】
上限比較判定部9は、先のS111で算出した一致数nとその際に使用した2次パターンデータの上限閾値th1を比較する(S112)。
比較の結果、一致数nが上限閾値th1以上であれば、その2値パターンデータの注目画素は網点であると判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S115)。
他方、S112で、一致数nが上限閾値th1未満であれば、処理をS113に移行する。
【0032】
S113において、下限比較判定部10は、先のS111で算出した一致数nとその際に使用した2値パターンデータの下限閾値th2を比較する。
比較の結果、一致数nが下限閾値th2以下であれば、その2値パターンデータの注目画素は網点であると判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S115)。
他方、S113で、一致数nが下限閾値th2より大きい場合は、処理をS114に移行する。
【0033】
S114では、2値パターンデータ保存部7に保存されている全ての2値パターンデータに対する網点判定処理が終了したか否かを判断する。
S114で、網点判定処理が終了と判断すると、その2値パターンデータの注目画素は網点ではないと判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S115)。
他方、S114で、網点判定処理が未終了と判断すると、処理をS111に移行すると共に、一致数算出部8は、2値パターンデータ保存部7より網点判定に使用されていない別の2値パターンデータを選択し、該2値パターンデータにより、新たに網点判定処理(一致数nの算出と一致数nと閾値の比較)を行う。
【0034】
係る処理は、2値パターンデータ保存部7に保存されている全ての2値パターンデータに対する網点判定処理が終了するまで繰り返し実行される。
【0035】
以上、S101からS103までの処理をスキャナ2から入力した画像データに対して行う。その網点判定結果は、判定結果保存部11より2値化部6からの画像データとともに画像補正処理部5に送られる。
画像補正処理部5は、網点と判定された画素データに対して、例えば、平滑化処理等の補正処理を行う。
プリンタ3は、補正処理された画像データを印刷することで、モアレのない高品質の印刷出力を得る。
【0036】
ところで、上述した網点判定処理(図7)において、S113のように、2値パターンデータ保存部7より選択したある2値パターンデータに対する一致数を下限閾値th2と比較することにより、2値パターンデータ保存部7に保存していない2値反転パターンデータに対する網点判定を行うことができる。
【0037】
何故なら、一致数の最大値(領域の画素数)から2値反転パターンデータに対する上限閾値を引いた値を2値パターンデータの下限閾値とした場合、2値パターンデータに対する一致数を下限閾値と比較判定することは、2値反転パターンデータに対する一致数を上限閾値と比較判定することと同じであるからである。
【0038】
その理由を、図3、図4を参照して具体的に説明する。図3は、画像データから所定サイズの画像領域を切り出す様子を示す模式図、図4は、2値パターンデータの一例とその反転パターンデータを示す図である。
【0039】
図3の2値画像データR2に対して、図4の2値パターンデータP1を用いて一致数を算出すると1となり、2値反転パターンデータP2を用いて一致数算出すると8になる。
【0040】
例えば、本例の2値パターンデータP1、P2の上限閾値th1をそれぞれ7として、上限比較判定部9で網点判定した場合、上述の通り、2値パターンデータP1に対する一致数は1であるから網点と判定されないが、2値反転パターンデータP2に対する一致数は8であるから網点と判定される。
【0041】
ここで、P2はP1の2値反転パターンデータであるから、P2に対する一致数は、一致数の最大値(本例では9)からP1に対する一致数(本例では1)を引いた値の8となる。
また、P1に対する下限閾値th2は、P1に対する一致数の最大値(本例では9)からP2に対する上限閾値th1(本例では7)を引いた値の2となる。
従って、先のS113において、2値パターンデータP1に対する一致数(本例では1)を下限閾値th2(本例では2)と比較すると、P1に対する一致数<下限閾値th2であるから、網点と判定される。
【0042】
以上、本実施例では、2値画像データと2値パターンデータの画像サイズを画素数が3×3ピクセルとしたが、それ以上の画素数(例えば、4×4ピクセル等)としても良く、或いは、このような正方形の画像領域ではなく、例えば、画素数が2×4ピクセル等の長方形や菱形の画像領域としても良い。
【0043】
以上のように、実施例1では、網点判定において、2値画像データと2値パターンデータの一致数を下限閾値と比較することで、2値パターンデータ保存部7に保存しておく2値パターンデータの数を半分にすることが可能であり、これにより、データ保存のためのメモリサイズを大幅に縮減することができる。
【実施例2】
【0044】
図8に示すように、実施例2のシステムが画像処理装置21と、該画像処理装置に接続された画像入力装置としてのスキャナ2と画像出力装置としてのプリンタ3とで構成される点は、実施例1(図2)と同様であるが、図9に示すように、画像処理装置21の網点判定部22が2値パターン判定画素データ保存部23を備える点で実施例1(図1)と相違している。図8は、実施例2のシステム構成を示すブロック図、図9は、実施例2による網点判定部の構成を示すブロック図である。
【0045】
以下、図9に基づいて、本実施例による網点判定部22の構成を説明する。但し、実施例1(図2)と同じ機能ブロックについては、同じ番号を付して説明は省略する。
【0046】
図9に示すように、本実施例の網点判定部22は、2値化部6、2値パターンデータ保存部7、一致数算出部24、上限比較判定部9、下限比較判定部10、判定結果保存部11、2値パターン判定画素データ保存部23を備える。
【0047】
2値パターン判定画素データ保存部23は、2値化部6が生成した2値画像データに対する網点判定を行う際に、判定に用いる2値画像データ中の画素を限定するための複数のマスクデータ(2値パターン判定画素データ)を保存しておく部分である。
但し、この2値パターン判定画素データの画像サイズは、2値化部6が生成する2値画像サイズと同サイズとする。
【0048】
一致数算出部24は、2値化部6から入力した2値画像データと2値パターンデータ保存部7から取得した2値パターンデータを照合して一致数を算出する部分である。
但し、本実施例では、一致判定を行う前に、先ず、2値パターン判定画素データ保存部23に保存されている2値パターン判定画素データを用いて、2値画像データの各画素につき、一致判定を行う画素であるか否かを判定する。そして、一致判定を行うと判断した画素についてのみ、一致判定を行うようにしている。
算出した一致数は、上限比較判定部9と下限比較判定部10に送られる。
【0049】
図10に、上記した2値パターン判定画素データの一例を示す。
一致数算出部24は、2値化部6から入力した2値画像データ中の全ての画素で一致数を算出するのではなく、図10に示す2値パターン判定画素を用い、該2値パターン判定画素データの画素値1(白)に対応する2値画像データの画素についてのみ一致判定を行い、2値パターン判定画素データの画素値0(黒)に対応する2値画像データの画素については一致判定を行わないようにしている。
【0050】
図11は、3種類の線数による網点(図の左から右に向けて高線数を表す)と3種類の濃度による網点(図11の下から上に向けて高濃度を表す)に対応する計5種類の2値パターンデータを示している。
例えば、図11のような2値パターンデータでは、図10の2値パターン判定画素データを用いることにより、これら2値パターンデータの内の何れか一つを用いることで、上述した一致判定は可能である。
【0051】
すなわち、図10の2値パターン判定画素データを用いて図11に示す5つの2値パターンデータで一致数を算出することは、2値パターン判定画素データを重ねた状態が全て同じ2値パターンデータとなる図12(一致判定を行わないマスク用画素については斜線で表現)で一致数を算出するのと同じことになる。
尚、図12は、2値パターン判定画素を2値パターンデータに重ねた状態を示す模式図である。
従って、図11の2値パターンデータの場合では、5種類の2値パターンデータの何れか1つを2値パターンデータ保存部7に保存しておけば良く、他の4種類の2値パターンデータについては、保存しておく必要はない。
【0052】
ここで、図10に示す2値パターン判定画素データは、図11に示す5種類の2値パターンデータに対応するように、画素値(白と黒)が設定されたものである。
従って、図11とは別の2値パターンデータに対応する2値パターン判定画素データを作成する場合は、図12に示すように、一致判定を行わない画素(図12の斜線部分の画素)を挟んで隣同士の画素の値が反転するよう、2値パターン判定画素データの各画素値を設定する必要がある。すなわち、使用する2値パターンデータの白の集合と黒の集合の境目がマスクされるように、パターン判定画素データの各画素値を設定する。
【0053】
このような要領で2値パターン判定画素データの画素値を設定することにより、2値画像データ中の一致判定を行わない画素は、白と黒の境目にあたることから、その部分の網点検出が行われないとしても、実用上画像品質への影響はなく、且つ、保存データ量の低減の点でメリットが大きいと言える。
【0054】
次に、図13に基づいて、上記構成の画像処理装置21の動作を説明する。図13は、実施例2による網点判定部の動作を示すフローチャートである。
ここでは、スキャナ2が出力した画像データ(網点を含む)を画像処理装置1が入力して、網点判定を行う動作を説明する。
【0055】
図13において、2値化部6は、スキャナ2から入力した画像データ中の、ある一つの画素(注目画素)とその周辺画素で構成される領域(例えば、注目画素を中心に縦・横の画素数が3×3ピクセルの矩形領域)を切り出して公知の2値化処理を行い、注目画素とその周辺画素で構成される所定サイズの領域での2値画像データを生成する(S201)。
【0056】
網点判定部22は、先のS201で生成された2値画像データに対して網点判定を行い、注目画素が網点であるか否かを判定する(S202)。
【0057】
スキャナ2より入力した画像データの全ての画素に対して上記網点判定が終了したかを否かを判断し(S203)、終了していれば本処理を終了し、未終了であれば、S201に移行し、全ての画素に対する網点判定が終了するまで処理を繰り返し実行する。
【0058】
ここで、図14に基づいて、先のS202(図13)による網点判定処理の詳細を説明する。図14は、図13の網点判定処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0059】
図14において、一致数算出部24は、2値パターンデータ保存部7に保存されている複数の2値パターンデータの内一つを選択すると共に、選択した2値パターンデータに対応する2値パターン判定画素データを2値パターン判定画素データ保存部23より選択する(S211)。
【0060】
一致数算出部24は、先のS201で取得した2値画像データと、S211で選択した2値パターンデータと、これに対応する2値パターン判定画素データを用いて一致数nを算出する(S212)。
【0061】
上限比較判定部9は、S212で算出した一致数nとその際に使用した2値パターンデータの上限閾値th1を比較する(S213)。
比較の結果、一致数nが上限閾値th1以上であれば、その2値パターンデータの注目画素が網点であると判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S216)。
他方、S213で、一致数nが上限閾値th2未満であれば、処理をS214に移行する。
【0062】
S214において、下限比較判定部10は、先のS212で算出した一致数nとその際に使用した2値パターンデータの下限閾値th2を比較する。
比較の結果、一致数nが下限閾値th2以下であれば、その2値パターンデータの注目画素は網点であると判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S216)。
他方、S214で、一致数nが下限閾値th2より大きい場合は、処理をS215に移行する。
【0063】
S215では、2値パターンデータ保存部7に保存されている全ての2値パターンデータに対する網点判定処理が終了したか否かを判断する。
S215で、網点判定処理が終了と判断すると、その2値パターンデータの注目画素は網点ではないと判定して、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S216)。
他方、S215で、網点判定処理が未終了と判断すると、処理をS211に移行すると共に、一致数算出部24は、2値パターンデータ保存部7より網点判定に使用されていない別の2値パターンデータを選択し、該2値パターンを用いて新たに網点判定処理(一致数nの算出と一致数nと閾値の比較)を行う。
【0064】
係る処理は、2値パターンデータ保存部7に保存されている全ての2値パターンデータに対する網点判定処理が終了するまで繰り返し実行される。
【0065】
以上、S201からS203までの処理をスキャナ2から入力した画像データに対して行う。終了後、その網点判定結果は、判定結果保存部11より2値化部6からの画像データとともに画像補正処理部5に送られる。
以降、実施例1と同様、画像補正処理部5は、網点と判定された画素データに対して補正処理を行い、プリンタ3は、補正処理された画像データを印刷し、モアレのない高品質の印刷出力を得る。
【0066】
次に、図15に基づいて、先のS212(図14)の処理の詳細を説明する。図15は、図14の一致数算出処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0067】
図15において、一致数算出部24は、先のS201で生成された2値画像データ中のある一つの画素(判定画素)を選択する(S221)。
【0068】
一致数算出部24は、S211で選択された2値パターン判定画素データを用いて、上記判定画素が一致判定に用いる画素であるか否かを判定する(S222)。
ここでは、2値パターン判定画素データの上記判定画素に対応する画素値が1であれば、判定画素は一致判定に用いる画素であると判定し、上記判定画素に対応する画素値が0であれば一致判定に用いない画素である判定する。一致判定に用いない画素であると判定された場合、S225に処理を移行する。
【0069】
S222で、判定画素が一致判定に用いる画素であると判定されると、一致数算出部24は、先のS211で選択した2値パターンデータとS201で生成された2値画像データにつき、それぞれ一致判定に用いる画素と判定された判定画素に対応する位置の画素値を比較する(S223)。
両者が一致していない場合は、S225に処理を移行する。両者が一致している場合、一致数算出部24は、一致数nのカウントをアップして(S224)、S225に処理を移行する。
【0070】
ここで、上記S222〜S224の処理につき、図10、図16を参照して具体的に説明する。図16は、2値画像データにおいて、所定の画像領域における各画素を指定するための番号付けを示す図であり、ここでは、画素数が6×6ピクセルの画像領域の場合を示している。
【0071】
例えば、図10に示す2値パターン判定画素データを用いた場合(図16の2値画像データと図10の2値パターン判定画素データを重ねる)、図16の画素(1,1)に注目すると、これに対応する2値パターン判定画素データの画素値が1(白)であるから、S222では、2値画像データの画素(1,1)は一致判定に用いる画素であると判定する。
一致判定に用いる画素であると判定されると、S223では、2値画像データと2値パターンデータの画素(1,1)の値が一致しているか否かを判定し、一致していると、S224で一致数nのカウントをアップする。
【0072】
また、図16の画素(1,2)に注目すると、これに対応する2値パターン判定画素データの画素値が0(黒)であるから、S222では、2値画像データの画素(1,1)は一致判定に用いる画素はないと判定し、2値画像パターンと2値パターンデータの画素(1,2)の値の一致、不一致に係わらず一致数nのカウントアップは行わない。
【0073】
ここで、再度、図15の処理に戻る。
S225では、先のS201で生成された2値画像データの全ての画素について、2値パターン判定画素データ保存部23に保存の2値パターン判定画素データによる判定が終了したか否かを判定する。
S225で、判定が未終了であると判断すると、S221に処理を移行し、一致数算出部24は、未判定の画素を新たに判定画素とし、全ての画素について2値パターン判定画素データによる判定が終了するまで上記同様の処理を繰り返し実行する。
【0074】
尚、本実施例では、2値パターン判定画素データの画像領域を画素数が6×6ピクセルの領域としたが、例えば、7×7ピクセル等のように、それ以上の画素数としても良く、或いは、長方形や菱形の画像領域としても良い。
【0075】
以上のように、実施例2では、2値パターン判定画素データを用い、一致数の算出に用いる画素を限定するように構成することで、例えば、図11に示すような複数の線数及び濃度に対応した網点を一つの2値パターンデータで検出することが可能である。これにより、保存しておく2値パターンデータの数を更に少なくすることができ、データ保存のためのメモリサイズを縮減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本実施形態では、システムとして複合機を例に説明したが、この他、FAXやコピー機などにも適用可能である。また、画像出力装置としてプリンタを例に説明したが、この他、PCやディスプレイ等、画像を表示するものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1、21 画像処理装置
5 画像補正処理部
6 2値化部
7 2値パタンデータ保存部
9 上限比較判定部
10 下限比較判定部
11 判定結果保存部
23 2値パターン判定画素データ保存部
24、48 一致数算出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された原稿画像データ中の網点領域を検出し、補正処理を行う画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナで読み取った網点画像を画面表示したり印刷したりすると、2値化の際に網点の周期性に起因するモアレが発生し、印字品質を著しく低下させるため、画像処理装置においては、画面表示や印刷の前に網点画像を補正処理(平滑化処理)してモアレを除去することが行われている。
そして、係る網点画像の検出方法として、検出したい網点を表現した2値パターンデータを照合対象として用いるパターンマッチングという手法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−279352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、パターマッチングでは一般的に、検出したい全ての網点に対応する2値パターンデータを装置内に保存しておくため、保存データ量は膨大なものであり、画像処理装置にとって、データ保存のためのメモリ負担が極めて大きいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、網点領域を検出するためのパターンマッチングに用いる2値パターンデータの保存量を大幅に削減できる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、入力された原稿画像データ中の網点画素を検出して、モアレ除去のための補正処理を行う画像処理装置において、上記原稿画像データを入力し、所定のサイズの画像領域を切り出して2値化する2値化部と、2値パターンデータを保存しておく2値パターンデータ保存部と、上記2値化部で2値化した画像データと、上記2値パターンデータ保存部に保存している2値パターンデータとで、それぞれ位置関係が対応する画素の値が一致する個数を算出する一致数算出部と、上記一致数算出部で算出した一致数を予め設定した上限閾値と比較して上記2値化した画像データが網点か否かを判定する上限比較判定部と、上記一致数算出部で算出した一致数を予め設定した下限閾値と比較して、上記2値化した画像データが網点か否かを判定する下限比較判定部と、上記上限比較判定部及び上記下限比較判定部による判定結果を保存する判定結果保存部と、上記判定結果保存部が保存する判定結果に基づいて、入力した上記原稿画像データに対して補正を行う画像補正処理部とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、網点判定において、2値画像データと2値パターンデータの一致数を下限閾値と比較するようにしたので、保存しておく2値パターンデータの数を半分にすることが可能であり、これにより、データ保存のためのメモリサイズを大幅に縮減することができる。
これは、2値画像データの2値パターンデータに対する一致数を下限閾値と比較することが、2値画像データの2値反転パターンデータに対する一致数を上限値と比較した場合と同じ判定結果が得られるからである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1による網点判定部の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】画像データから所定サイズの画像領域を切り出す様子を示す模式図である。
【図4】2値パターンデータの一例とその反転パターンデータを示す図である。
【図5】2値パターンデータとその閾値の例を示す図である。
【図6】実施例1による網点判定部の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6の網点判定処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例2のシステム構成を示すブロック図である。
【図9】実施例2による網点判定部の構成を示すブロック図である。
【図10】2値パターン判定画素データの一例を示す図である。
【図11】2値パターンデータの例を示す図である。
【図12】2値パターン判定画素を2値パターンデータに重ねた状態を示す模式図である。
【図13】実施例2による網点判定部の動作を示すフローチャートである。
【図14】図13の網点判定処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図15】図14の一致数算出処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図16】所定の画像領域における各画素を指定するための番号付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像処理装置の実施形態につき、図1〜図16を用いて説明する。
尚、本実施形態では、システム構成として複合機(MPF)を例に説明する。
【実施例1】
【0010】
先ず、図2に基づいて、実施例1によるシステム構成を説明する。図2は、実施例1のシステム構成を示すブロック図である。
〔0000〕
図2に示すように、本実施例の複合機は、画像処理装置1と、該画像処理装置に接続された画像入力装置としてのスキャナ2と、画像出力装置としてのプリンタ3とで構成される。
【0011】
スキャナ2は、網点画像を含む原稿を読み取り、画像データを生成して画像処理装置1に出力する。
プリンタ3は、画像処理装置1から入力した画像データに基づいて印刷を行う。
【0012】
画像処理装置1は、網点判定部4と画像補正処理部5を備え、スキャナ2から入力した画像データ中の網点領域を検出して、モアレ除去のための補正処理を行う。
【0013】
網点判定部4は、スキャナ2から入力した画像データの画素値から各画素が網点であるか否かを判定する部分である。全画素についての網点判定結果は、画像データとともに画像補正処理部5に送られる。
【0014】
画像補正処理部5は、網点判定部4から入力した網点判定結果に基づいて、網点判定部4から入力した画像データの画素値を補正処理(例えば、平滑化処理)する部分である。補正処理された画像データは、プリンタ3に送られる。
【0015】
次に、図1に基づいて、上記した網点判定部4の構成を説明する。図1は、実施例1による網点判定部の構成を示すブロック図である。
本実施例の網点判定部4は、2値化部6、2値パターンデータ保存部7、一致数算出部8、上限比較判定部9、下限比較判定部10、判定結果保存部11を備える。
【0016】
2値化部6は、スキャナ2から入力した画像データより所定サイズの画像領域を切り出して2値化する部分である。2値化した画像データ(2値画像データ)は、元の画像データ(原稿画像データ)とともに一致数算出部8に送られる。
【0017】
図3は、画像データR1から所定サイズの画像領域(本例では、図中、太枠で囲まれた画素数が3×3ピクセルの領域)を切り出して2値化した様子を示し、R2はその2値画像データである。また、図3中、白は画素値1を表し、黒は画素値0を表している。
【0018】
2値パターンデータ保存部7は、パターンマッチングによる網点判定処理で用いる複数の2値パターンデータを予め保存しておくメモリである。
ここで、2値パターンデータとは、予め設定された画像サイズ(例えば、画素数が3×3ピクセル)の網点を表現する2値データのことであり、所定の画像サイズにおける全網点の内、検出したい複数の網点に対応する2値パターンデータが保持されている。
尚、画像サイズとして複数のサイズが用意されている。
【0019】
また、本実施例の2値パターンデータ保存部7は、検出したい網点に対応する全ての2値パターンデータの内、ある2値パターンデータに対して、一定領域内の全画素の画素値について、0と1が反転した2値パターンデータ(2値反転パターンデータ)にあっては、2値パターンデータか2値反転パターンデータの何れかを保存するようにしている。
【0020】
図4は、2値パターンデータP1の一例と、その2値反転パターンデータP2を示している。2値パターンデータ保存部7にP1を保存する場合は、その2値反転パターンデータであるP2は保存しない。従って、2値パターンデータ保存部7に保存される2値パターンデータの数は半減する。
【0021】
一致数算出部8は、2値化部6から入力した2値画像データと2値パターンデータ保存部7から取得した一つの2値パターンデータを照合して一致数を算出する部分である。算出した一致数は、上限比較判定部9と下限比較判定部10に送られる。
ここで、一致数とは、2値画像データと2値パターンデータとで位置関係が対応する画素同士の値(0と1)が一致している個数のことである。但し、この場合、照合する2値画像データと2値パターンデータの画像サイズは、同じサイズにしておく必要がある。
【0022】
上限比較判定部9と下限比較判定部10は、2値パターンデータ毎に判定用の閾値(上限閾値及び下限閾値)を保持し、一致数算出部8から入力した一致数と自己が保持する閾値を比較して、その大小関係により照合した2値画像データが網点であるか否かを判定する部分である。画像データ中の全画素に対する判定結果は、判定結果保存部11に送られる。
【0023】
図5は、2値パターンデータとその閾値の例を示している。図示のように、各2値パターンデータの閾値については、予め上限閾値と下限閾値が設定されており、上限比較判定部9が上限閾値を保持し、下限比較判定部10が下限閾値を保持している。
【0024】
判定結果保存部11は、上限比較判定部9と下限比較判定部10からの網点判定結果を保存するメモリである。全画素に対する網点判定結果は、2値化前の画像データ(原稿画像データ)とともに、画像補正処理部5に送られる。
【0025】
次に、図6に基づいて、上記構成による画像処理装置1の動作を説明する。図6は、実施例1による網点判定部の動作を示すフローチャートである。
ここでは、スキャナ2が出力した網点を含む画像データを画像処理装置1が入力して、網点判定を行う動作を説明する。
【0026】
図6において、2値化部6は、スキャナ2から入力した画像データ中の、ある一つの画素(注目画素)とその周辺画素で構成される領域(例えば、注目画素を中心に縦・横の画素数が3×3ピクセルの矩形領域)を切り出して公知の2値化処理を行い、注目画素とその周辺画素で構成される所定サイズの領域で2値画像データを生成する(S101)。
【0027】
網点判定部4は、先のS101で生成された2値画像データに対して網点判定を行い、注目画素が網点であるか否かを判定する(S102)。
【0028】
スキャナ2より入力した画像データの全画素に対して上記網点判定が終了したかを否かを判断し(S103)、終了していれば本処理を終了し、未終了であれば、S101に移行し、全ての画素に対する網点判定が終了するまで処理を繰り返し実行する。
【0029】
ここで、図7に基づいて、先のS2(図6)による網点判定処理の詳細を説明する。図7は、図6の網点判定処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0030】
図7において、一致数算出部8は、2値パターンデータ保存部7に保存されている複数の2値パターンデータの内一つを選択し、選択した2値パターンデータと先のS101(図6)で2値化部6が生成した2値画像データとを照合する。該照合において、両データ間で位置関係が対応する画素同士の値(1と0)が一致する個数を算出し、一致数nとする(S111)。
【0031】
上限比較判定部9は、先のS111で算出した一致数nとその際に使用した2次パターンデータの上限閾値th1を比較する(S112)。
比較の結果、一致数nが上限閾値th1以上であれば、その2値パターンデータの注目画素は網点であると判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S115)。
他方、S112で、一致数nが上限閾値th1未満であれば、処理をS113に移行する。
【0032】
S113において、下限比較判定部10は、先のS111で算出した一致数nとその際に使用した2値パターンデータの下限閾値th2を比較する。
比較の結果、一致数nが下限閾値th2以下であれば、その2値パターンデータの注目画素は網点であると判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S115)。
他方、S113で、一致数nが下限閾値th2より大きい場合は、処理をS114に移行する。
【0033】
S114では、2値パターンデータ保存部7に保存されている全ての2値パターンデータに対する網点判定処理が終了したか否かを判断する。
S114で、網点判定処理が終了と判断すると、その2値パターンデータの注目画素は網点ではないと判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S115)。
他方、S114で、網点判定処理が未終了と判断すると、処理をS111に移行すると共に、一致数算出部8は、2値パターンデータ保存部7より網点判定に使用されていない別の2値パターンデータを選択し、該2値パターンデータにより、新たに網点判定処理(一致数nの算出と一致数nと閾値の比較)を行う。
【0034】
係る処理は、2値パターンデータ保存部7に保存されている全ての2値パターンデータに対する網点判定処理が終了するまで繰り返し実行される。
【0035】
以上、S101からS103までの処理をスキャナ2から入力した画像データに対して行う。その網点判定結果は、判定結果保存部11より2値化部6からの画像データとともに画像補正処理部5に送られる。
画像補正処理部5は、網点と判定された画素データに対して、例えば、平滑化処理等の補正処理を行う。
プリンタ3は、補正処理された画像データを印刷することで、モアレのない高品質の印刷出力を得る。
【0036】
ところで、上述した網点判定処理(図7)において、S113のように、2値パターンデータ保存部7より選択したある2値パターンデータに対する一致数を下限閾値th2と比較することにより、2値パターンデータ保存部7に保存していない2値反転パターンデータに対する網点判定を行うことができる。
【0037】
何故なら、一致数の最大値(領域の画素数)から2値反転パターンデータに対する上限閾値を引いた値を2値パターンデータの下限閾値とした場合、2値パターンデータに対する一致数を下限閾値と比較判定することは、2値反転パターンデータに対する一致数を上限閾値と比較判定することと同じであるからである。
【0038】
その理由を、図3、図4を参照して具体的に説明する。図3は、画像データから所定サイズの画像領域を切り出す様子を示す模式図、図4は、2値パターンデータの一例とその反転パターンデータを示す図である。
【0039】
図3の2値画像データR2に対して、図4の2値パターンデータP1を用いて一致数を算出すると1となり、2値反転パターンデータP2を用いて一致数算出すると8になる。
【0040】
例えば、本例の2値パターンデータP1、P2の上限閾値th1をそれぞれ7として、上限比較判定部9で網点判定した場合、上述の通り、2値パターンデータP1に対する一致数は1であるから網点と判定されないが、2値反転パターンデータP2に対する一致数は8であるから網点と判定される。
【0041】
ここで、P2はP1の2値反転パターンデータであるから、P2に対する一致数は、一致数の最大値(本例では9)からP1に対する一致数(本例では1)を引いた値の8となる。
また、P1に対する下限閾値th2は、P1に対する一致数の最大値(本例では9)からP2に対する上限閾値th1(本例では7)を引いた値の2となる。
従って、先のS113において、2値パターンデータP1に対する一致数(本例では1)を下限閾値th2(本例では2)と比較すると、P1に対する一致数<下限閾値th2であるから、網点と判定される。
【0042】
以上、本実施例では、2値画像データと2値パターンデータの画像サイズを画素数が3×3ピクセルとしたが、それ以上の画素数(例えば、4×4ピクセル等)としても良く、或いは、このような正方形の画像領域ではなく、例えば、画素数が2×4ピクセル等の長方形や菱形の画像領域としても良い。
【0043】
以上のように、実施例1では、網点判定において、2値画像データと2値パターンデータの一致数を下限閾値と比較することで、2値パターンデータ保存部7に保存しておく2値パターンデータの数を半分にすることが可能であり、これにより、データ保存のためのメモリサイズを大幅に縮減することができる。
【実施例2】
【0044】
図8に示すように、実施例2のシステムが画像処理装置21と、該画像処理装置に接続された画像入力装置としてのスキャナ2と画像出力装置としてのプリンタ3とで構成される点は、実施例1(図2)と同様であるが、図9に示すように、画像処理装置21の網点判定部22が2値パターン判定画素データ保存部23を備える点で実施例1(図1)と相違している。図8は、実施例2のシステム構成を示すブロック図、図9は、実施例2による網点判定部の構成を示すブロック図である。
【0045】
以下、図9に基づいて、本実施例による網点判定部22の構成を説明する。但し、実施例1(図2)と同じ機能ブロックについては、同じ番号を付して説明は省略する。
【0046】
図9に示すように、本実施例の網点判定部22は、2値化部6、2値パターンデータ保存部7、一致数算出部24、上限比較判定部9、下限比較判定部10、判定結果保存部11、2値パターン判定画素データ保存部23を備える。
【0047】
2値パターン判定画素データ保存部23は、2値化部6が生成した2値画像データに対する網点判定を行う際に、判定に用いる2値画像データ中の画素を限定するための複数のマスクデータ(2値パターン判定画素データ)を保存しておく部分である。
但し、この2値パターン判定画素データの画像サイズは、2値化部6が生成する2値画像サイズと同サイズとする。
【0048】
一致数算出部24は、2値化部6から入力した2値画像データと2値パターンデータ保存部7から取得した2値パターンデータを照合して一致数を算出する部分である。
但し、本実施例では、一致判定を行う前に、先ず、2値パターン判定画素データ保存部23に保存されている2値パターン判定画素データを用いて、2値画像データの各画素につき、一致判定を行う画素であるか否かを判定する。そして、一致判定を行うと判断した画素についてのみ、一致判定を行うようにしている。
算出した一致数は、上限比較判定部9と下限比較判定部10に送られる。
【0049】
図10に、上記した2値パターン判定画素データの一例を示す。
一致数算出部24は、2値化部6から入力した2値画像データ中の全ての画素で一致数を算出するのではなく、図10に示す2値パターン判定画素を用い、該2値パターン判定画素データの画素値1(白)に対応する2値画像データの画素についてのみ一致判定を行い、2値パターン判定画素データの画素値0(黒)に対応する2値画像データの画素については一致判定を行わないようにしている。
【0050】
図11は、3種類の線数による網点(図の左から右に向けて高線数を表す)と3種類の濃度による網点(図11の下から上に向けて高濃度を表す)に対応する計5種類の2値パターンデータを示している。
例えば、図11のような2値パターンデータでは、図10の2値パターン判定画素データを用いることにより、これら2値パターンデータの内の何れか一つを用いることで、上述した一致判定は可能である。
【0051】
すなわち、図10の2値パターン判定画素データを用いて図11に示す5つの2値パターンデータで一致数を算出することは、2値パターン判定画素データを重ねた状態が全て同じ2値パターンデータとなる図12(一致判定を行わないマスク用画素については斜線で表現)で一致数を算出するのと同じことになる。
尚、図12は、2値パターン判定画素を2値パターンデータに重ねた状態を示す模式図である。
従って、図11の2値パターンデータの場合では、5種類の2値パターンデータの何れか1つを2値パターンデータ保存部7に保存しておけば良く、他の4種類の2値パターンデータについては、保存しておく必要はない。
【0052】
ここで、図10に示す2値パターン判定画素データは、図11に示す5種類の2値パターンデータに対応するように、画素値(白と黒)が設定されたものである。
従って、図11とは別の2値パターンデータに対応する2値パターン判定画素データを作成する場合は、図12に示すように、一致判定を行わない画素(図12の斜線部分の画素)を挟んで隣同士の画素の値が反転するよう、2値パターン判定画素データの各画素値を設定する必要がある。すなわち、使用する2値パターンデータの白の集合と黒の集合の境目がマスクされるように、パターン判定画素データの各画素値を設定する。
【0053】
このような要領で2値パターン判定画素データの画素値を設定することにより、2値画像データ中の一致判定を行わない画素は、白と黒の境目にあたることから、その部分の網点検出が行われないとしても、実用上画像品質への影響はなく、且つ、保存データ量の低減の点でメリットが大きいと言える。
【0054】
次に、図13に基づいて、上記構成の画像処理装置21の動作を説明する。図13は、実施例2による網点判定部の動作を示すフローチャートである。
ここでは、スキャナ2が出力した画像データ(網点を含む)を画像処理装置1が入力して、網点判定を行う動作を説明する。
【0055】
図13において、2値化部6は、スキャナ2から入力した画像データ中の、ある一つの画素(注目画素)とその周辺画素で構成される領域(例えば、注目画素を中心に縦・横の画素数が3×3ピクセルの矩形領域)を切り出して公知の2値化処理を行い、注目画素とその周辺画素で構成される所定サイズの領域での2値画像データを生成する(S201)。
【0056】
網点判定部22は、先のS201で生成された2値画像データに対して網点判定を行い、注目画素が網点であるか否かを判定する(S202)。
【0057】
スキャナ2より入力した画像データの全ての画素に対して上記網点判定が終了したかを否かを判断し(S203)、終了していれば本処理を終了し、未終了であれば、S201に移行し、全ての画素に対する網点判定が終了するまで処理を繰り返し実行する。
【0058】
ここで、図14に基づいて、先のS202(図13)による網点判定処理の詳細を説明する。図14は、図13の網点判定処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0059】
図14において、一致数算出部24は、2値パターンデータ保存部7に保存されている複数の2値パターンデータの内一つを選択すると共に、選択した2値パターンデータに対応する2値パターン判定画素データを2値パターン判定画素データ保存部23より選択する(S211)。
【0060】
一致数算出部24は、先のS201で取得した2値画像データと、S211で選択した2値パターンデータと、これに対応する2値パターン判定画素データを用いて一致数nを算出する(S212)。
【0061】
上限比較判定部9は、S212で算出した一致数nとその際に使用した2値パターンデータの上限閾値th1を比較する(S213)。
比較の結果、一致数nが上限閾値th1以上であれば、その2値パターンデータの注目画素が網点であると判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S216)。
他方、S213で、一致数nが上限閾値th2未満であれば、処理をS214に移行する。
【0062】
S214において、下限比較判定部10は、先のS212で算出した一致数nとその際に使用した2値パターンデータの下限閾値th2を比較する。
比較の結果、一致数nが下限閾値th2以下であれば、その2値パターンデータの注目画素は網点であると判定し、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S216)。
他方、S214で、一致数nが下限閾値th2より大きい場合は、処理をS215に移行する。
【0063】
S215では、2値パターンデータ保存部7に保存されている全ての2値パターンデータに対する網点判定処理が終了したか否かを判断する。
S215で、網点判定処理が終了と判断すると、その2値パターンデータの注目画素は網点ではないと判定して、その網点判定結果を判定結果保存部11に保存する(S216)。
他方、S215で、網点判定処理が未終了と判断すると、処理をS211に移行すると共に、一致数算出部24は、2値パターンデータ保存部7より網点判定に使用されていない別の2値パターンデータを選択し、該2値パターンを用いて新たに網点判定処理(一致数nの算出と一致数nと閾値の比較)を行う。
【0064】
係る処理は、2値パターンデータ保存部7に保存されている全ての2値パターンデータに対する網点判定処理が終了するまで繰り返し実行される。
【0065】
以上、S201からS203までの処理をスキャナ2から入力した画像データに対して行う。終了後、その網点判定結果は、判定結果保存部11より2値化部6からの画像データとともに画像補正処理部5に送られる。
以降、実施例1と同様、画像補正処理部5は、網点と判定された画素データに対して補正処理を行い、プリンタ3は、補正処理された画像データを印刷し、モアレのない高品質の印刷出力を得る。
【0066】
次に、図15に基づいて、先のS212(図14)の処理の詳細を説明する。図15は、図14の一致数算出処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0067】
図15において、一致数算出部24は、先のS201で生成された2値画像データ中のある一つの画素(判定画素)を選択する(S221)。
【0068】
一致数算出部24は、S211で選択された2値パターン判定画素データを用いて、上記判定画素が一致判定に用いる画素であるか否かを判定する(S222)。
ここでは、2値パターン判定画素データの上記判定画素に対応する画素値が1であれば、判定画素は一致判定に用いる画素であると判定し、上記判定画素に対応する画素値が0であれば一致判定に用いない画素である判定する。一致判定に用いない画素であると判定された場合、S225に処理を移行する。
【0069】
S222で、判定画素が一致判定に用いる画素であると判定されると、一致数算出部24は、先のS211で選択した2値パターンデータとS201で生成された2値画像データにつき、それぞれ一致判定に用いる画素と判定された判定画素に対応する位置の画素値を比較する(S223)。
両者が一致していない場合は、S225に処理を移行する。両者が一致している場合、一致数算出部24は、一致数nのカウントをアップして(S224)、S225に処理を移行する。
【0070】
ここで、上記S222〜S224の処理につき、図10、図16を参照して具体的に説明する。図16は、2値画像データにおいて、所定の画像領域における各画素を指定するための番号付けを示す図であり、ここでは、画素数が6×6ピクセルの画像領域の場合を示している。
【0071】
例えば、図10に示す2値パターン判定画素データを用いた場合(図16の2値画像データと図10の2値パターン判定画素データを重ねる)、図16の画素(1,1)に注目すると、これに対応する2値パターン判定画素データの画素値が1(白)であるから、S222では、2値画像データの画素(1,1)は一致判定に用いる画素であると判定する。
一致判定に用いる画素であると判定されると、S223では、2値画像データと2値パターンデータの画素(1,1)の値が一致しているか否かを判定し、一致していると、S224で一致数nのカウントをアップする。
【0072】
また、図16の画素(1,2)に注目すると、これに対応する2値パターン判定画素データの画素値が0(黒)であるから、S222では、2値画像データの画素(1,1)は一致判定に用いる画素はないと判定し、2値画像パターンと2値パターンデータの画素(1,2)の値の一致、不一致に係わらず一致数nのカウントアップは行わない。
【0073】
ここで、再度、図15の処理に戻る。
S225では、先のS201で生成された2値画像データの全ての画素について、2値パターン判定画素データ保存部23に保存の2値パターン判定画素データによる判定が終了したか否かを判定する。
S225で、判定が未終了であると判断すると、S221に処理を移行し、一致数算出部24は、未判定の画素を新たに判定画素とし、全ての画素について2値パターン判定画素データによる判定が終了するまで上記同様の処理を繰り返し実行する。
【0074】
尚、本実施例では、2値パターン判定画素データの画像領域を画素数が6×6ピクセルの領域としたが、例えば、7×7ピクセル等のように、それ以上の画素数としても良く、或いは、長方形や菱形の画像領域としても良い。
【0075】
以上のように、実施例2では、2値パターン判定画素データを用い、一致数の算出に用いる画素を限定するように構成することで、例えば、図11に示すような複数の線数及び濃度に対応した網点を一つの2値パターンデータで検出することが可能である。これにより、保存しておく2値パターンデータの数を更に少なくすることができ、データ保存のためのメモリサイズを縮減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本実施形態では、システムとして複合機を例に説明したが、この他、FAXやコピー機などにも適用可能である。また、画像出力装置としてプリンタを例に説明したが、この他、PCやディスプレイ等、画像を表示するものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1、21 画像処理装置
5 画像補正処理部
6 2値化部
7 2値パタンデータ保存部
9 上限比較判定部
10 下限比較判定部
11 判定結果保存部
23 2値パターン判定画素データ保存部
24、48 一致数算出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された原稿画像データ中の網点画素を検出して、モアレ除去のための補正処理を行う画像処理装置において、
前記原稿画像データを入力し、所定のサイズの画像領域を切り出して2値化する2値化部と、
2値パターンデータを保存しておく2値パターンデータ保存部と、
前記2値化部で2値化した画像データと、前記2値パターンデータ保存部に保存している2値パターンデータとで、それぞれ位置関係が対応する画素の値が一致する個数を算出する一致数算出部と、
前記一致数算出部で算出した一致数を予め設定した上限閾値と比較して前記2値化した画像データが網点か否かを判定する上限比較判定部と、
前記一致数算出部で算出した一致数を予め設定した下限閾値と比較して、前記2値化した画像データが網点か否かを判定する下限比較判定部と、
前記上限比較判定部及び前記下限比較判定部による判定結果を保存する判定結果保存部と、
前記判定結果保存部が保存する判定結果に基づいて、入力した前記原稿画像データに対して補正を行う画像補正処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記2値パターンデータ保存部は、それぞれ位置関係が対応する画素の値が反転する2値反転パターンデータを除く2値パターンデータを保存していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
2値パターン判定画素データを保存する2値パターン判定画素データ保存部をさらに備え、
前記一致数算出部は、前記2値画像データと前記2値パターンデータの前記一致数を算出する際、前記2値パターン判定画素データ保存部が保存する前記2値パターン判定画素データにより、前記2値画像データ中の前記一致数の算出を行わない画素を指定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記2値パターン判定画素データは、前記2値パターンデータに重ねたときに前記一致数の算出を行わない画素を挟んで前記2値パターンデータの隣同士の画素値が反転するように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項1】
入力された原稿画像データ中の網点画素を検出して、モアレ除去のための補正処理を行う画像処理装置において、
前記原稿画像データを入力し、所定のサイズの画像領域を切り出して2値化する2値化部と、
2値パターンデータを保存しておく2値パターンデータ保存部と、
前記2値化部で2値化した画像データと、前記2値パターンデータ保存部に保存している2値パターンデータとで、それぞれ位置関係が対応する画素の値が一致する個数を算出する一致数算出部と、
前記一致数算出部で算出した一致数を予め設定した上限閾値と比較して前記2値化した画像データが網点か否かを判定する上限比較判定部と、
前記一致数算出部で算出した一致数を予め設定した下限閾値と比較して、前記2値化した画像データが網点か否かを判定する下限比較判定部と、
前記上限比較判定部及び前記下限比較判定部による判定結果を保存する判定結果保存部と、
前記判定結果保存部が保存する判定結果に基づいて、入力した前記原稿画像データに対して補正を行う画像補正処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記2値パターンデータ保存部は、それぞれ位置関係が対応する画素の値が反転する2値反転パターンデータを除く2値パターンデータを保存していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
2値パターン判定画素データを保存する2値パターン判定画素データ保存部をさらに備え、
前記一致数算出部は、前記2値画像データと前記2値パターンデータの前記一致数を算出する際、前記2値パターン判定画素データ保存部が保存する前記2値パターン判定画素データにより、前記2値画像データ中の前記一致数の算出を行わない画素を指定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記2値パターン判定画素データは、前記2値パターンデータに重ねたときに前記一致数の算出を行わない画素を挟んで前記2値パターンデータの隣同士の画素値が反転するように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−235284(P2012−235284A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101996(P2011−101996)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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