説明

画像形成装置

【課題】高い画像品質を維持しつつ、消費電力を低減させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、透明色のそれぞれに対応する5つの感光体ドラムと、マゼンタ及びブラックの各潜像を形成する光走査装置と、シアン、イエロー及び透明色の各潜像を形成する光走査装置2010Bなどを備えている。光走査装置2010Bでは、シアンに対応する光束と透明色に対応する光束は、ポリゴンミラー2104Bにおける同一の偏向反射面に入射する。このとき、シアンに対応する光束は水平入射され、透明色に対応する光束は斜入射される。そして、ポリゴンミラー2104Bで偏向されたシアンに対応する光束及び透明色に対応する光束は、同一の偏向器側走査レンズ2105Cを通過する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、多色のカラー画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置の進歩に伴って画質に対する要求も高くなり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色を用いた画像形成装置に対して、色数を増加させた電子写真方式の画像形成装置が提案された(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
【0003】
これは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色トナーに、淡色のトナー(例えば、ライトシアンやライトイエロー)や、透明度の高いトナー(例えば、透明トナー)などを加えたものである。なお、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色は基本色と呼ばれ、それ以外の色は補助色と呼ばれている。
【0004】
淡色のトナーは、出力画像の粒状性を低減させて高画質化を図るのに用いられ、透明度の高いトナーは、光沢性を向上させるのに用いられる。
【0005】
また、イエロー、マゼンタ、シアンの混色では再現が困難な色が補助色として用いられる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、環境対策の観点から、画像形成装置に対する低消費電力(省エネルギー)化への要求が高まってきた。
【0007】
特許文献1〜特許文献3に開示されている画像形成装置では、該補助色に対応する画像形成ステーションが増設された機器構成となり、増設された装置分、消費電力が増加していた。
【0008】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その目的は、高い画像品質を維持しつつ、消費電力を低減させることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本色及び前記4色以外の少なくとも1つの補助色のそれぞれに対応する複数の像担持体と、複数の偏向反射面を回転軸まわりに回転させて前記複数の色に対応する複数の光束を偏向する少なくとも1つの光偏向器と、該光偏向器で偏向された光束を対応する像担持体上に集光する走査光学系とを備える画像形成装置において、前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束と前記補助色に対応する光束は、同一の偏向反射面に入射し、そのときの前記補助色に対応する光束の入射角は、該同一の偏向反射面に入射する前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束の入射角よりも大きく、該同一の偏向反射面で偏向された前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束と前記補助色に対応する光束は、前記走査光学系に含まれる少なくとも1つの同一の光学素子を通過することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
これによれば、高い画像品質を維持しつつ、消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す図である。
【図2】光走査装置2010Aを説明するための図(その1)である。
【図3】光走査装置2010Aを説明するための図(その2)である。
【図4】光走査装置2010Aを説明するための図(その3)である。
【図5】光走査装置2010Aを説明するための図(その4)である。
【図6】光走査装置2010Bを説明するための図(その1)である。
【図7】光走査装置2010Bを説明するための図(その2)である。
【図8】光走査装置2010Bを説明するための図(その3)である。
【図9】光走査装置2010Bを説明するための図(その4)である。
【図10】画像形成領域を説明するための図である。
【図11】画角を説明するための図である。
【図12】図12(A)及び図12(B)は、それぞれ画素密度を説明するための図である。
【図13】光走査装置2010の変形例1を説明するための図(その1)である。
【図14】光走査装置2010の変形例1を説明するための図(その2)である。
【図15】光走査装置2010の変形例1を説明するための図(その3)である。
【図16】光走査装置2010の変形例2を説明するための図である。
【図17】光走査装置2010の変形例3を説明するための図である。
【図18】画素密度の変形例を説明するための図(その1)である。
【図19】図19(A)及び図19(B)は、それぞれ画素密度の変形例を説明するための図(その2)である。
【図20】偏向器前光学系の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0013】
このカラープリンタ2000は、4つの基本色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)と透明色とを重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、2つの光走査装置(2010A、2010B)、5つの感光体ドラム(2030K、2030M、2030Y、2030C、2030T)、5つのクリーニングユニット(2031K、2031M、2031C、2031Y、2031T)、5つの帯電装置(2032K、2032M、2032C、2032Y、2032T)、5つの現像装置(2033K、2033M、2033C、2033Y、2033T)、転写ベルト2040、定着装置2050、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、転写ベルトクリーニング装置2085、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0014】
カラープリンタ2000は、原稿の読取装置も備えており、コピー機能も有している。
【0015】
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、各感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0016】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0017】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
【0018】
感光体ドラム2030Kの表面近傍には、感光体ドラム2030Kの回転方向に沿って、帯電装置2032K、現像装置2033K、クリーニングユニット2031Kが配置されている。
【0019】
感光体ドラム2030K、帯電装置2032K、現像装置2033K、及びクリーニングユニット2031Kは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0020】
感光体ドラム2030Mの表面近傍には、感光体ドラム2030Mの回転方向に沿って、帯電装置2032M、現像装置2033M、クリーニングユニット2031Mが配置されている。
【0021】
感光体ドラム2030M、帯電装置2032M、現像装置2033M、及びクリーニングユニット2031Mは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0022】
感光体ドラム2030Yの表面近傍には、感光体ドラム2030Yの回転方向に沿って、帯電装置2032Y、現像装置2033Y、クリーニングユニット2031Yが配置されている。
【0023】
感光体ドラム2030Y、帯電装置2032Y、現像装置2033Y、及びクリーニングユニット2031Yは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0024】
感光体ドラム2030Cの表面近傍には、感光体ドラム2030Cの回転方向に沿って、帯電装置2032C、現像装置2033C、クリーニングユニット2031Cが配置されている。
【0025】
感光体ドラム2030C、帯電装置2032C、現像装置2033C、及びクリーニングユニット2031Cは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0026】
感光体ドラム2030Tの表面近傍には、感光体ドラム2030Tの回転方向に沿って、帯電装置2032T、現像装置2033T、クリーニングユニット2031Tが配置されている。
【0027】
感光体ドラム2030T、帯電装置2032T、現像装置2033T、及びクリーニングユニット2031Tは、組として使用され、透明色の画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Tステーション」ともいう)を構成する。
【0028】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0029】
光走査装置2010Aは、プリンタ制御装置2090からのブラック画像情報及びマゼンタ画像情報に基づいて各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。
【0030】
光走査装置2010Bは、プリンタ制御装置2090からのシアン画像情報、イエロー画像情報及び透明色が付加される色の画像情報に基づいて各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。
【0031】
なお、各光走査装置の構成については後述する。
【0032】
各現像装置は、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。なお、以下では、便宜上、トナーが付着した像を「トナー画像」という。
【0033】
各トナー画像は、対応する感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。そして、各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされる。
【0034】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ(不図示)が配置されており、該給紙コロは、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2041との間隙に向けて送り出す。
【0035】
そして、転写ベルト2040上で重ね合わされたトナー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
【0036】
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
【0037】
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去、回収する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
【0038】
転写ベルトクリーニング装置2085は、記録紙へのトナー画像の転写後に転写ベルト2040上に残っているトナーを除去する。
【0039】
次に、前記光走査装置2010Aの構成について説明する。
【0040】
光走査装置2010Aは、一例として図2〜図5に示されるように、2つの光源(2200M、2200K)、2つのカップリングレンズ(2201M、2201K)、2つの開口板(2202M、2202K)、2つの線像形成レンズ(2204M、2204K)、ポリゴンミラー2104A、2つの偏向器側走査レンズ(2105M、2105K)、2つの像面側走査レンズ(2107M、2107K)、4枚の折り返しミラー(2106M、2106K、2108M、2108K)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング(図示省略)の所定位置に組み付けられている。
【0041】
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0042】
光源2200M及び光源2200Kは、いずれも複数の発光部(例えば、32個)を有する面発光レーザアレイを含んでいる。
【0043】
カップリングレンズ2201Mは、光源2200Mから射出された光束(以下では、光束LBmともいう)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0044】
カップリングレンズ2201Kは、光源2200Kから射出された光束(以下では、光束LBkともいう)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0045】
各カップリングレンズは、各光源2から射出された光束に対する屈折率が約1.5である。
【0046】
開口板2202Mは、開口部を有し、カップリングレンズ2201Mを介した光束を整形する。
【0047】
開口板2202Kは、開口部を有し、カップリングレンズ2201Kを介した光束を整形する。
【0048】
各開口部は、主走査対応方向の幅が約5.5mm、副走査対応方向の幅が約1.18mmの矩形状である。そして、各開口板は、開口部の中心がカップリングレンズの焦点位置又はその近傍に位置するように配置されている。
【0049】
線像形成レンズ2204Mは、開口板2202Mの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0050】
線像形成レンズ2204Kは、開口板2202Kの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0051】
各線像形成レンズは、第1面(入射側の面)が副走査対応方向に関して屈折力を有し、第2面(射出側の面)が主走査対応方向に関して屈折力を有するアナモルフィックレンズである。
【0052】
カップリングレンズ2201Mと開口板2202Mと線像形成レンズ2204Mとからなる光学系は、Mステーションの偏向器前光学系である。
【0053】
カップリングレンズ2201Kと開口板2202Kと線像形成レンズ2204Kとからなる光学系は、Kステーションの偏向器前光学系である。
【0054】
ポリゴンミラー2104Aは、Z軸に平行な軸まわりに回転する4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。ここでは、4面鏡に内接する円の半径は約7mmである。
【0055】
線像形成レンズ2204Mからの光束はポリゴンミラー2104Aの−X側に偏向され、線像形成レンズ2204Kからの光束はポリゴンミラー2104Aの+X側に偏向される。
【0056】
偏向器側走査レンズ2105Mは、ポリゴンミラー2104Aの−X側に配置され、像面側走査レンズ2105Kは、ポリゴンミラー2104Aの+X側に配置されている。
【0057】
折り返しミラー2106Mは、走査レンズ2105Mを介した光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0058】
折り返しミラー2108Mは、折り返しミラー2106Mで反射された光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0059】
像面側走査レンズ2107Mは、折り返しミラー2108Mで反射された光束の光路上に配置されている。
【0060】
折り返しミラー2106Kは、走査レンズ2105Kを介した光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0061】
折り返しミラー2108Kは、折り返しミラー2106Kで反射された光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0062】
像面側走査レンズ2107Kは、折り返しミラー2108Kで反射された光束の光路上に配置されている。
【0063】
各像面側走査レンズは、副走査対応方向に関して正の屈折率を有するレンズである。
【0064】
そこで、ポリゴンミラー2104Aで偏向された線像形成レンズ2204Mからの光束は、偏向器側走査レンズ2105M、折り返しミラー2106M、折り返しミラー2108M、及び像面側走査レンズ2107Mを介して、感光体ドラム2030Mに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Aの回転に伴って感光体ドラム2030Mの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030M上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030Mでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030Mの回転方向が、感光体ドラム2030Mでの「副走査方向」である。
【0065】
また、ポリゴンミラー2104Aで偏向された線像形成レンズ2204Kからの光束は、偏向器側走査レンズ2105K、折り返しミラー2106K、折り返しミラー2108K、及び像面側走査レンズ2107Kを介して、感光体ドラム2030Kに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Aの回転に伴って感光体ドラム2030Kの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030K上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030Kでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030Kの回転方向が、感光体ドラム2030Kでの「副走査方向」である。
【0066】
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104Aから各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
【0067】
ポリゴンミラー2104Aと各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。ここでは、偏向器側走査レンズ2105Mと折り返しミラー2106Mと折り返しミラー2108Mと像面側走査レンズ2107MとからMステーションの走査光学系が構成されている。また、偏向器側走査レンズ2105Kと折り返しミラー2106Kと折り返しミラー2108Kと像面側走査レンズ2107KとからKステーションの走査光学系が構成されている。
【0068】
次に、前記光走査装置2010Bの構成について説明する。
【0069】
光走査装置2010Bは、一例として図6〜図9に示されるように、3つの光源(2200C、2200Y、2200T)、3つのカップリングレンズ(2201C、2201Y、2201T)、3つの開口板(2202C、2202Y、2202T)、3つの線像形成レンズ(2204C、2204Y、2204T)、ポリゴンミラー2104B、2つの偏向器側走査レンズ(2105C、2105Y)、3つの像面側走査レンズ(2107C、2107Y、2107T)、5枚の折り返しミラー(2106C、2106Y、2106T、2108C、2108Y)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング(図示省略)の所定位置に組み付けられている。
【0070】
光源2200C及び光源2200Yは、いずれも複数の発光部(例えば、32個)を有する面発光レーザアレイを含んでいる。また、光源2200Tは、複数の発光部(例えば、4個)を有するLD(Laser Diode)アレイを含んでいる。
【0071】
カップリングレンズ2201Cは、光源2200Cから射出された光束(以下では、光束LBcともいう)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0072】
カップリングレンズ2201Yは、光源2200Yから射出された光束(以下では、光束LByともいう)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0073】
カップリングレンズ2201Tは、光源2200Tから射出された光束(以下では、光束LBtともいう)の光路上に配置され、該光束を発散光束とする。
【0074】
開口板2202Cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201Cを介した光束を整形する。
【0075】
開口板2202Yは、開口部を有し、カップリングレンズ2201Yを介した光束を整形する。
【0076】
開口板2202Tは、開口部を有し、カップリングレンズ2201Tを介した光束を整形する。
【0077】
線像形成レンズ2204Cは、開口板2202Cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104Bの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0078】
線像形成レンズ2204Yは、開口板2202Yの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104Bの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0079】
線像形成レンズ2204Tは、開口板2202Tの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104Bの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0080】
カップリングレンズ2201Cと開口板2202Cと線像形成レンズ2204Cとからなる光学系は、Cステーションの偏向器前光学系である。
【0081】
カップリングレンズ2201Yと開口板2202Yと線像形成レンズ2204Yとからなる光学系は、Yステーションの偏向器前光学系である。
【0082】
カップリングレンズ2201Tと開口板2202Tと線像形成レンズ2204Tとからなる光学系は、Tステーションの偏向器前光学系である。
【0083】
ポリゴンミラー2104Bは、Z軸に平行な軸まわりに回転する4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。
【0084】
ポリゴンミラー2104Bに入射する3つの光束のうち、線像形成レンズ2204Tからの光束は、XY面に対して−Z側に傾斜した方向から入射される。すなわち、線像形成レンズ2204Tからの光束は、偏向反射面に斜入射される。なお、線像形成レンズ2204Tからの光束以外の2つの光束は、XY面に平行な方向から入射される。すなわち、線像形成レンズ2204Tからの光束以外の2つの光束は、偏向反射面に水平入射される。
【0085】
ここでは、線像形成レンズ2204Cからの光束、及び線像形成レンズ2204Tからの光束はポリゴンミラー2104Bの−X側に偏向され、線像形成レンズ2204Yからの光束はポリゴンミラー2104Bの+X側に偏向される。
【0086】
偏向器側走査レンズ2105Cは、ポリゴンミラー2104Bの−X側に配置され、像面側走査レンズ2105Yは、ポリゴンミラー2104Bの+X側に配置されている。
【0087】
折り返しミラー2106Cは、走査レンズ2105Cを介した線像形成レンズ2204Cからの光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0088】
折り返しミラー2108Cは、折り返しミラー2106Cで反射された光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0089】
像面側走査レンズ2107Cは、折り返しミラー2108Cで反射された光束の光路上に配置されている。
【0090】
折り返しミラー2106Tは、走査レンズ2105Cを介した線像形成レンズ2204Tからの光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0091】
像面側走査レンズ2107Tは、折り返しミラー2108Tで反射された光束の光路上に配置されている。
【0092】
折り返しミラー2106Yは、走査レンズ2105Yを介した光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0093】
折り返しミラー2108Yは、折り返しミラー2106Yで反射された光束の光路上に配置され、該光束を反射する。
【0094】
像面側走査レンズ2107Yは、折り返しミラー2108Yで反射された光束の光路上に配置されている。
【0095】
そこで、ポリゴンミラー2104Bで偏向された線像形成レンズ2204Cからの光束は、偏向器側走査レンズ2105C、折り返しミラー2106C、折り返しミラー2108C、及び像面側走査レンズ2107Cを介して、感光体ドラム2030Cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Bの回転に伴って感光体ドラム2030Cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030C上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030Cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030Cの回転方向が、感光体ドラム2030Cでの「副走査方向」である。
【0096】
また、ポリゴンミラー2104Bで偏向された線像形成レンズ2204Tからの光束は、偏向器側走査レンズ2105C、折り返しミラー2106T、及び像面側走査レンズ2107Tを介して、感光体ドラム2030Tに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Bの回転に伴って感光体ドラム2030Tの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030T上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030Tでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030Tの回転方向が、感光体ドラム2030Tでの「副走査方向」である。
【0097】
また、ポリゴンミラー2104Bで偏向された線像形成レンズ2204Yからの光束は、偏向器側走査レンズ2105Y、折り返しミラー2106Y、折り返しミラー2108Y、及び像面側走査レンズ2107Yを介して、感光体ドラム2030Yに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Bの回転に伴って感光体ドラム2030Yの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030Y上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030Yでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030Yの回転方向が、感光体ドラム2030Yでの「副走査方向」である。
【0098】
ここでは、ポリゴンミラー2104Bで偏向された線像形成レンズ2204Cからの光束は、偏向器側走査レンズ2105Cの中心付近を通過するのに対して、ポリゴンミラー2104Bで偏向された線像形成レンズ2204Tからの光束は、偏向器側走査レンズ2105Cの端部を通過する。
【0099】
ところで、光束LBtは、偏向反射面に斜入射しているため、感光体ドラム2030T表面の画像形成領域の端部近傍(図10参照)では、副走査方向に関する光スポットの位置のずれ(以下では、便宜上「スポットずれ」と略述する)が大きくなり、走査線曲がりを生じさせる。このスポットずれは、画像形成領域の端部に近づくにつれて大きくなる。そこで、本実施形態では、光束LBtを偏向反射面で偏向する際の画角を、他の光束に比べて小さくしている(図11参照)。
【0100】
この場合は、透明色の像面位置は、基本色の像面位置よりも後方となる。そこで、本実施形態では、4つの基本色に対応するカップリングレンズ(2201B、2201M、2201C、2201Y)は、入射した光束を略平行光束として射出するが、透明色に対応するカップリングレンズ2201Tは、入射した光束を発散光束として射出している。すなわち、カップリングレンズ2201Tの焦点距離を4つの基本色に対応するカップリングレンズの焦点距離よりも大きく設定している。これにより、透明色に対応する光束の集光位置を基本色に対応する光束の集光位置よりも後方にすることができる。
【0101】
ところで、副走査対応方向からみたときに、走査光学系を構成する走査レンズ、特に副走査対応方向に関して強い屈折力を持つ走査レンズの入射側の面の形状が、偏向反射面での反射位置を中心とする円弧形状でない限り、偏向反射面での反射位置から走査レンズにおける入射位置までの光路長は主走査対応方向の位置によって異なる。通常、走査レンズの入射側の面の形状を上記円弧形状にすることは、光学性能を維持する上で困難である。そこで、通常、ポリゴンミラーで偏向され走査レンズに入射する光束は、副走査対応方向からみたときに、光軸以外の位置では、光学面に対し垂直に入射することはなく、ある入射角を持って入射する。このとき、光束が斜入射されていると、光偏向器により偏向反射された光束は、主走査対応方向の位置によって偏向反射面での反射位置から走査レンズの入射面までの光路長は異なる。また、副走査対応方向に関して、走査レンズへの入射位置は、走査レンズの周辺に行くほど走査レンズの中心より高い位置、もしくは低い位置になる。この結果、副走査対応方向に屈折力を持つ面を通過する際に、主走査対応方向の位置によって副走査対応方向に受ける屈折力が異なり、走査線曲がりが発生する。通常の水平入射であれば、偏向反射面での反射位置から走査レンズの入射面までの距離が異なっても、光束は走査レンズに対し水平に進行するため、走査レンズ上での副走査対応方向に関する入射位置が異なることはなく、走査線曲がりは生じない。
【0102】
また、本実施形態では、4つの基本色に対応する像面側走査レンズ(2107B、2107M、2107C、2107Y)は、同一の光学特性を有しているが、透明色に対応する像面側走査レンズ2107Tは、4つの基本色に対応する像面側走査レンズとは異なる光学特性を有している。ここでは、透明色に対応する像面側走査レンズ2107Tとして、4つの基本色に対応する像面側走査レンズよりも安価なレンズを用いている。なお、透明色に対応する光束が、偏向器側走査レンズ2105Cの端を通ることによる光学特性の著しい劣化がある場合は、該劣化を補正するため、4つの基本色に対応する像面側走査レンズよりも高価なレンズを用いても良い。
【0103】
さらに、透明色に対応する像面側走査レンズ2107Tから被走査面までの距離は、4つの基本色に対応する像面側走査レンズから被走査面までの距離よりも長くなるように設定されている。これにより、透明色に対応する光束の光量を確保している。
【0104】
なお、感光体ドラム上での必要な露光エネルギQは、次の(1)式で得ることができる。ここで、Pは必要なLDパワー、Mはビーム数、Lは画像形成領域の幅、ηは光学系全体での光利用効率、νは線速度である。また、Eは有効走査期間率であり、画角をθ、偏向反射面の数をNとすると、θ/(360/N)である。
【0105】
【数1】

【0106】
ここでは、光束LBtを偏向反射面で偏向する際の画角を、他の光束(光束LBm、光束LBk、光束LBc、光束LBy)に比べて小さくしているため、光束LBtが被走査面上を1走査するのに要する時間(1走査時間)は、他の光束に比べて短い。なお、1走査時間は、ポリゴンミラーの回転速度をω、画角をθとすると、θ/ωで表される。そこで、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調する際のクロックの周波数を5つの光源(2200M、2200K、2200C、2200Y、2200T)で同一とし、感光体ドラム2030Tの表面に描かれる潜像の画素密度を、他の感光体ドラム(2030M、2030K、2030C、2030Y)の表面に描かれる潜像の画素密度よりも小さくすることにより、調整している(図12(A)及び図12(B)参照)。
【0107】
以上、説明したように、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、透明色のそれぞれに対応する5つの感光体ドラム(2030K、2030M、2030Y、2030C、2030T)と、マゼンタ及びブラックの各潜像を形成する光走査装置2010Aと、シアン、イエロー及び透明色の各潜像を形成する光走査装置2010Bなどを備えている。
【0108】
光走査装置2010Bでは、シアンに対応する光束と透明色に対応する光束は、ポリゴンミラー2104Bにおける同一の偏向反射面に入射する。このとき、シアンに対応する光束は水平入射され、透明色に対応する光束は斜入射される。そして、ポリゴンミラー2104Bで偏向されたシアンに対応する光束及び透明色に対応する光束は、同一の偏向器側走査レンズ2105Cを通過する。
【0109】
この場合は、透明色に対応する光束専用のポリゴンミラー及び偏向器側走査レンズが不要である。また、基本色に対応する4つの光束は、いずれも偏向器側走査レンズの光軸近傍を通過することができる。そこで、高い画像品質を維持しつつ、小型化、低コスト化及び消費電力の低減を図ることができる。
【0110】
また、光走査装置2010Bでは、色毎に像面側走査レンズを有しているため、結像性能を向上させることができる。
【0111】
なお、上記実施形態において、図13に示されるように、前記光走査装置2010Aと前記光走査装置2010Bとに代えて、それらが一体化された光走査装置2010を用いても良い。
【0112】
この場合は、光走査装置2010は1つのポリゴンミラー2104を有し、5つの光源から射出された光束は、一例として図14に示されるように、ポリゴンミラー2104における同一の偏向反射面に向かう。そして、すべての光束は、偏向反射面に斜入射する。このとき、5つの光束の中で光束LBtが最も斜入射角が大きくなるように設定されている。
【0113】
そして、図15に示されるように、ポリゴンミラー2104で偏向された線像形成レンズ2204Kからの光束は、偏向器側走査レンズ2105、折り返しミラー2106K、及び像面側走査レンズ2107Kを介して、感光体ドラム2030Kに照射され、光スポットが形成される。
【0114】
また、ポリゴンミラー2104で偏向された線像形成レンズ2204Yからの光束は、偏向器側走査レンズ2105、折り返しミラー2106Y、折り返しミラー2108Y、及び像面側走査レンズ2107Yを介して、感光体ドラム2030Yに照射され、光スポットが形成される。
【0115】
また、ポリゴンミラー2104で偏向された線像形成レンズ2204Mからの光束は、偏向器側走査レンズ2105、折り返しミラー2106M、折り返しミラー2108M、及び像面側走査レンズ2107Mを介して、感光体ドラム2030Mに照射され、光スポットが形成される。
【0116】
また、ポリゴンミラー2104で偏向された線像形成レンズ2204Cからの光束は、偏向器側走査レンズ2105、折り返しミラー2106C、折り返しミラー2108C、及び像面側走査レンズ2107Cを介して、感光体ドラム2030Cに照射され、光スポットが形成される。
【0117】
また、ポリゴンミラー2104で偏向された線像形成レンズ2204Tからの光束は、偏向器側走査レンズ2105、折り返しミラー2106T、折り返しミラー2108T、及び像面側走査レンズ2107Tを介して、感光体ドラム2030Tに照射され、光スポットが形成される。
【0118】
すなわち、偏向器側走査レンズ2105は、5つの画像形成ステーションで共用されている。
【0119】
そして、基本色に対応する4つの光束(LBk、LBy、LBm、LBc)は偏向器側走査レンズ2105の中央部を通過し、透明色に対応する光束LBtは偏向器側走査レンズ2105の端部を通過する。
【0120】
この場合、基本色に対応する4つの光束(LBk、LBy、LBm、LBc)における波面収差の増大を抑制することができる。なお、透明色に対応する光束LBtについては、波面収差が基本色に対応する4つの光束よりも大きくなるが、画像品質に対する影響はほとんどない。
【0121】
また、この場合に、ポリゴンミラー2104における一側に位置する偏向反射面と他側に位置する偏向反射面とで光束が偏向されても良い。図16には、光束LBk及び光束LBcが+X側に位置する偏向反射面で偏向され、光束LBt、光束LBm及び光束LByが−X側に位置する偏向反射面で偏向される場合の例が示されている。このとき、光束LBy及び光束LBmと比較して、光束LBtの斜入射角が大きい。
【0122】
さらに、この場合に、図17に示されるように、ポリゴンミラー2104における偏向反射面を2段構造とし、光束LBtのみを斜入射させても良い。
【0123】
また、上記実施形態では、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調する際のクロックの周波数を5つの光源で同一とする場合について説明したが、これに限らず、光源2200Tから射出される光束を変調する際のクロックの周波数を、他の光源よりも高くし、感光体ドラム2030Tの表面に描かれる潜像の副走査対応方向における画素密度を、他の感光体ドラムの表面に描かれる潜像の副走査対応方向における画素密度と同じとしても良い(図18〜図19(B)参照)。
【0124】
また、上記実施形態では、光源2200Tから射出される光束がXY平面に対して傾斜している場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図20に示されるように、光源2200Tから射出される光束をXY面に平行とし、線像形成レンズで、該光束をXY面に対して傾斜させても良い。また、反射ミラーを用いて該光束を偏向反射面に斜入射させても良い。
【0125】
また、上記実施形態では、シアンに対応する光束が、透明色に対応する光束と同一の偏向反射面に入射する場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、透明色に対応する光束が、他の光束と同一の偏向反射面に入射されれば良い。
【0126】
また、上記実施形態では、各走査光学系に含まれる走査レンズの数が2枚の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各走査光学系に含まれる走査レンズの数が1枚であっても良いし、3枚以上であっても良い。
【0127】
また、上記実施形態では、補助色が透明色の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー、ライトブラックなどの淡い色であっても良い。
【0128】
また、上記実施形態では、補助色が1色の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、補助色が、上記透明色に加えて、淡い色を含む複数の色であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0129】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、高い画像品質を維持しつつ、消費電力を低減させるのに適している。
【符号の説明】
【0130】
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2010A…光走査装置、2010B…光走査装置、2030C,2030K,2030M,2030T,2030Y…感光体ドラム(像担持体)、2104…ポリゴンミラー(光偏向器)、2104A…ポリゴンミラー(光偏向器)、2104B…ポリゴンミラー(光偏向器)、2105C,2105K,2105M,2105T,2105Y…偏向器側走査レンズ(第1の走査レンズ)、2107C,2107K,2107M,2107T,2107Y…像面側走査レンズ(第2の走査レンズ)、2201C,2201K,2201M,2201T,2201Y…カップリングレンズ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0131】
【特許文献1】特開2007−171498号公報
【特許文献2】特開2007−316313号公報
【特許文献3】特開2007−171493号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本色及び前記4色以外の少なくとも1つの補助色のそれぞれに対応する複数の像担持体と、複数の偏向反射面を回転軸まわりに回転させて前記複数の色に対応する複数の光束を偏向する少なくとも1つの光偏向器と、該光偏向器で偏向された光束を対応する像担持体上に集光する走査光学系とを備える画像形成装置において、
前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束と前記補助色に対応する光束は、同一の偏向反射面に入射し、そのときの前記補助色に対応する光束の入射角は、該同一の偏向反射面に入射する前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束の入射角よりも大きく、該同一の偏向反射面で偏向された前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束と前記補助色に対応する光束は、前記走査光学系に含まれる少なくとも1つの同一の光学素子を通過することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記補助色に対応する光束の前記光偏向器で偏向されるときの画角は、同一の偏向反射面で偏向される前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束の前記光偏向器で偏向されるときの画角よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
副走査方向に関して、前記補助色に対応する像担持体に形成される像の画素密度は、他の像担持体に形成される各像の画素密度よりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記補助色に対応する光束を変調する際のクロック周波数は、前記基本色に対応する各光束を変調する際のクロック周波数よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束及び前記補助色に対応する光束は、それぞれカップリングレンズを介して偏向反射面に入射し、
前記補助色に対応する光束が通過するカップリングレンズの焦点距離は、前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束が通過するカップリングレンズの焦点距離よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記走査光学系は、偏向器側に配置された少なくとも1つの第1の走査レンズと像面側に配置された複数の第2の走査レンズを含み、該複数の第2の走査レンズは、それぞれ前記複数の像担持体に対応していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記補助色に対応する第2の走査レンズと像担持体までの光路長は、前記基本色に対応する第2の走査レンズと像担持体までの光路長よりも長いことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記補助色に対応する第2の走査レンズと前記基本色に対応する第2の走査レンズは、互いに異なる結像特性を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記補助色に対応する光束と同一の偏向反射面に入射する前記基本色に対応する4つの光束のうちの少なくとも1つの光束は、前記回転軸に直交する面に平行な方向から該偏向反射面に入射することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの光偏向器は、第1の光偏向器と第2の光偏向器の2つの光偏向器であり、
前記補助色に対応する光束と前記基本色に対応する4つの光束のうちの1つの光束は、前記第1の光偏向器における一側に位置する偏向反射面に入射し、
前記基本色に対応する残り3つの光束のうちの1つの光束は、前記第1の光偏向器における他側に位置する偏向反射面にその回転軸に直交する方向から入射し、
前記基本色に対応する残り2つの光束は、前記第2の光偏向器における異なる偏向反射面にその回転軸に直交する面に平行な方向からそれぞれ入射することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記基本色に対応する4つの光束は、いずれも面発光レーザから射出された光束であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの補助色は、透明色、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー、ライトブラックのうちの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−3105(P2012−3105A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139005(P2010−139005)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】