説明

画像形成装置

【課題】本発明の目的は、画像形成装置のスラスト方向の小型化が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】静電像が形成される感光体ドラム2と、前記静電像を現像する現像装置18a〜18dを支持し、該現像装置18a〜18dを現像位置18Xに向けて回転移動させるよう構成され、装置本体90に対して回転軸方向に移動可能に設けられたロータリー102と、前記ロータリー102を前記回転軸方向に押圧する圧縮バネ109と、該圧縮バネ109により押圧された前記ロータリー102の前記回転軸方向における位置を規制するフレーム101L,101Rと、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の現像装置を支持して、回転可能な回転支持体(ロータリー)を用いる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の現像装置を支持し、回転可能な回転支持体(ロータリー)を用いるカラー電子写真画像形成装置が知られている。前記画像形成装置においては、回転支持体を回転させることにより、回転支持体に支持している複数の現像装置のいずれかを、感光体ドラムと対向する現像位置へ順次移動させる。現像位置へ移動した現像装置は、装置本体に設置された給電手段、駆動伝達手段と係合し、給電、駆動力伝達が行われる(例えば特許文献1参照)。そして、現像位置に移動された現像装置によって、感光体ドラムに形成された静電潜像の現像が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−310302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、前述の回転支持体を用いる構成では、動作上の安定性の観点から、回転支持体とこれを支持する装置本体との間にスラスト方向の隙間を設けている。その理由は、部品交差や熱膨張によりスラスト方向の寸法が増えた場合、十分な隙間がないと、装置本体を強く押圧して干渉し、回転支持体の回転に支障をきたす恐れがあるためである。また、現像装置への給電、駆動伝達構成において、前述の隙間を見込んだスラスト方向の幅を持って構成する必要がある。
【0005】
しかしながら、近年、カラー電子写真画像形成装置の小型化が進み、その装置の小型化に伴って、装置のスラスト方向の大きさも小さくなり、上述のような十分な隙間を確保しておくと、装置の小型化が図りづらいという課題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、画像形成装置のスラスト方向の小型化が可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、静電像が形成される像担持体と、前記静電像を現像する現像装置を支持し、該現像装置を現像位置に向けて回転移動させるよう構成され、装置本体に対して回転軸方向に移動可能に設けられた回転支持体と、前記回転支持体を前記回転軸方向に押圧する押圧部材と、該押圧部材により押圧された前記回転支持体の前記回転軸方向における位置を規制する規制部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置のスラスト方向の小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】4つの現像装置を着脱可能に支持するロータリーを備えたカラー電子写真画像形成装置の概略構成を示す断面図
【図2】第1実施形態に係るロータリー構成の斜視図
【図3】第1実施形態に係るロータリー構成の断面図
【図4】第1実施形態に係るロータリー構成の左側面図
【図5】第1実施形態に係るロータリー構成の右側面図
【図6】第1実施形態に係る現像装置を搭載したロータリー構成の断面図
【図7】第2実施形態に係るロータリー構成の断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
〔第1実施形態〕
〔カラー電子写真画像形成装置〕
第1実施形態に係るカラー電子写真画像形成装置について説明する。ここでは、複数の現像装置を備えたカラー電子写真画像形成装置として、4つの現像装置を備えたカラーレーザビームプリンタを例示している。図1はカラーレーザービームプリンタの断面図である。
【0012】
まず、このカラーレーザービームプリンタの概略構成及び画像形成動作について説明する。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置Aは、ドラム形状の電子写真感光体(像担持体)(以下、感光体ドラムという)2を有している。感光体ドラム2の周囲には、帯電ローラ3、露光器4、4個の現像装置18a〜18d、クリーニング装置6が配置されている。帯電ローラ3は、感光体ドラム2を一様に帯電するための帯電手段である。露光器4は、感光体ドラム2に画像情報に応じたレーザー光を照射する露光手段である。帯電後の感光体ドラム2に前記レーザー光を照射することによって、感光体ドラム2に静電潜像(静電像)を形成する。現像装置18a〜18dは、感光体ドラム2に形成された前記潜像を対応する色の現像剤で現像して顕像化する現像手段である。クリーニング装置6は感光体ドラム2の表面に残留する現像剤を除去するクリーニング手段である。
【0014】
現像装置18aは、イエロー現像剤を収容しており、静電潜像をイエロー現像剤で現像するイエロー現像装置である。また、現像装置18bは、マゼンタ現像剤を収容しており、静電潜像をマゼンタ現像剤で現像するマゼンタ現像装置である。現像装置18cは、シアン現像剤を収容しており、静電潜像をシアン現像剤で現像するシアン現像装置である。現像装置18dは、ブラック現像剤を収容しており、静電潜像をブラック現像剤で現像するブラック現像装置である。即ち、現像装置18a〜18dは、感光体ドラム2に形成された静電潜像を現像する。4つの現像装置18a〜18dは、回転可能な回転支持体であるロータリー102に着脱可能に支持される。尚、後述するが、ロータリー102は、画像形成装置Aの装置本体90に回転可能に支持されている。
【0015】
まず、感光体ドラム2を、中間転写ベルト(中間転写体)7の回転と同期させて、図1の矢印方向(反時計回り)に回転させる。そして、この感光体ドラム2の表面を帯電ローラ3によって均一に帯電する。また、これとともに、露光器4によってイエロー画像の光照射を行い、感光体ドラム2にイエローの静電潜像を形成する。
【0016】
この静電潜像の形成と同時に、回転可能な回転支持体であるロータリー102を不図示の駆動伝達機構により回転して、イエロー現像装置18aを感光体ドラム2と対向する現像位置18Xに向けて回転移動した後に停止させる。現像位置18Xにおいて、現像装置18aが有する現像ローラ182aが感光体ドラム2と接触している。そして、感光体ドラム2上の静電潜像にイエロー現像剤が付着するように、感光体ドラム2の帯電極性と同極性でほぼ同電位の電圧を現像ローラ182aに印加する。これによって、静電潜像をイエロー現像剤で現像する。即ち、ロータリー102は、現像装置18a〜18dを複数個支持して矢印r1方向に回転することによって、支持している複数個の現像装置を一つずつ感光体ドラム2と対向する現像位置18Xへ順次移動させる。現像位置18Xに位置した現像装置は、収容している現像剤の色に応じて、感光体ドラム2に形成された静電潜像を現像する。
【0017】
ここで、本実施形態では、各現像装置の現像ローラ182a〜182dとして、金属製の軸の周りにゴムが被覆されている弾性ローラを用いている。尚、本実施形態では、現像位置18Xにおいて、各現像ローラ182a〜182dは、感光体ドラム2と接触している(接触現像方式)。各現像ローラ182a〜182dは、感光体ドラム2と接触した状態で、静電潜像の現像を行う。しかしながら、この構成に限定されるものではない。現像位置18Xにおいて、現像ローラ182a〜182dのいずれかと感光体ドラム2とが接触せずに、近接した状態で、潜像の現像を行うような構成にも適用できる。このような構成であっても、後述する効果を得ることができる。
【0018】
前述のようにして静電潜像を現像した後、中間転写ベルト7の内側に配置された一次転写ローラ81に現像剤と逆極性の電圧を印加する。これによって、感光体ドラム2に形成されたイエローの現像剤像を中間転写ベルト7に一次転写する。
【0019】
前述のようにしてイエロー現像剤像の一次転写が終了する。そして、マゼンダ、シアン、そしてブラックの各色の現像装置18b〜18dがロータリー102の回転により順次回転移動されて、感光体ドラム2に対向する現像位置18Xに停止する。そして、イエローの場合と同様にして、マゼンダ、シアン、そしてブラックの各色について、静電潜像の形成、現像、一次転写が順次行われる。これによって、中間転写ベルト7に4色の現像剤像を重ね合わせる。
【0020】
この間、二次転写ローラ82は、中間転写ベルト7とは接触してはいない。またこの時、中間転写ベルト7上の残留トナーを除去するクリーニングユニット9も中間転写ベルト7とは接触してはいない。
【0021】
一方、記録媒体としてのシートSは、装置本体90の下部に設けられたカセット51に収納されている。尚、記録媒体は、現像剤画像を形成されるものであって、例えば、記録紙、OHPシート等である。シートSは、給送ローラ52によってカセット51から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対(搬送ローラ)53に給送される。レジストローラ対53は、給送されたシートSを中間転写ベルト7と二次転写ローラ82との間に送り出す。ここで、二次転写ローラ82と中間転写ベルト7とは、圧接された状態にある(図1に示す状態)。
【0022】
更に、二次転写ローラ82には現像剤と逆極性の電圧が印加されており、中間転写ベルト7上に重ね合わせた4色の現像剤像は、搬送されてきたシートSの表面に一括して転写(二次転写)される。
【0023】
現像剤像が転写されたシートSは、定着器(定着手段)54に送られる。定着器54においては、シートSが加熱及び加圧され、現像剤像がシートS上に定着される。これにより、シートS上にカラー画像が形成される。そして、このシートSは、定着器54から装置本体90の外部の上カバー55の排出部へ排出される。
【0024】
〔ロータリー周りの構成〕
ここで、図2及び図3及び図6を用いて、ロータリー102周りの構成について説明する。図2はロータリー102近傍要部を表した斜視図であり、図3は図2から現像装置18a〜18dを不図示にした際のロータリー102近傍要部の断面図であり、図6は1つの現像装置を搭載した状態を表した図である。
【0025】
図2及び図3に示すように、回転支持体であるロータリー102は、スラスト方向に移動可能に複数の回転体により構成され、ここでは2つの回転体である左ディスク(第1回転体)102L、右ディスク(第2回転体)102Rにより構成される。左ディスク102Lと右ディスク102Rは、スラスト方向(ロータリーの回転軸102a方向(図3の矢印t方向))に移動自在に嵌め合っている。詳しくは、左ディスク102Lは、ロータリー102の回転軸102a方向における一端側に前記回転軸102a方向に移動可能に設けられている。右ディスク102Rは、ロータリー102の回転軸102a方向における他端側に前記回転軸102a方向に移動可能に設けられている。
【0026】
装置本体90に回転自在に支持された駆動軸104に左アーム(第1支持部材)103L、右アーム(第2支持部材)103Rが回動自在に支持されている。左アーム103Lは左ディスク102Lを回転可能に支持し、かつ左ディスク102Lを装置本体90に対して揺動可能に支持し、前記回転軸102a方向に移動可能に設けられている。右アーム103Rは、右ディスク102Rを回転可能に支持し、かつ右ディスク102Rを装置本体90に対して揺動可能に支持し、前記回転軸102a方向に移動可能に設けられている。
【0027】
また、左ディスク102Lは左アーム103Lにスラスト方向を規制されており、右ディスク102Rは右アーム103Rにスラスト方向を規制されている。さらに、左ディスク102Lを回転自在に支持している左アーム103L、右ディスク102Rを回転自在に支持している右アーム103Rは、駆動軸104にスラスト方向(軸方向)に移動可能に支持されている。
【0028】
一方、駆動軸104には、駆動軸104と一体となって回転する左駆動ギア105L、右駆動ギア105Rが取り付けられている。この左駆動ギア105Lは左ディスク102Lと噛み合い、右駆動ギア105Rは右ディスク102Rと噛み合う。よって、装置本体に設置された不図示の駆動源(例えばパルスモータ)の駆動力が駆動軸104に伝達されると、駆動軸104と一体となって左駆動ギア105L、右駆動ギア105Rが回転する。すると、左駆動ギア105Lと噛み合っている左ディスク102L、右駆動ギア105Rと噛み合っている右ディスク102Rが同期して回転し、ロータリー102が回転する。
【0029】
また、ロータリー102を構成する左ディスク102Lと右ディスク102Rの間には押圧手段(押圧部材)としての圧縮バネ109が設置されている。この圧縮バネ109は、左ディスク102Lを装置本体に設置された左フレーム(第1規制部)101L側へ、右ディスク102Rを装置本体に設置された右フレーム(第2規制部)101R側へと押圧する力を発している。すなわち、圧縮バネ109は、左ディスク102Lと右ディスク102Rを各々スラスト方向の一方側と他方側(逆方向)に押圧している。これにより、図3に示すように、左ディスク102Lと左アーム103Lは左フレーム101L側へ当接して隙間なく詰まることで回転軸方向の位置が規制される。また、この押圧により右ディスク102Rと右アーム103Rは右フレーム101R側へ当接して隙間なく詰まることで回転軸方向の位置が規制される。
【0030】
このような構成により、回転軸方向において、現像ロータリーと装置本体との間に交差や熱膨張などを見込んだ大きな隙間を事前に設ける必要がなくなり、画像形成装置の回転軸方向の小型化を図ることが可能となる。
【0031】
ところで、ロータリー102に装着される現像装置18a〜18dは、図6のような構成により、回転軸方向の位置が規制されている。図6において、右ディスク102Rには凸形状の位置決め部102Raが設けられ、この位置決め部102Raに現像装置の凹形状の被位置決め部18a1が係合することで、右ディスクに対して回転軸方向の位置が規制される。そして、この右ディスク102Rが圧縮バネ(押圧部材)109により右フレーム101R側に押圧されることで、右ディスク102Rの装置本体に対する回転軸方向の位置が決まる。そしてこれにより、現像装置18aの装置本体に対する回転軸方向の位置が決まることになる。
【0032】
〔現像装置への給電・駆動伝達構成〕
ここで、図4、図5を用いて、現像装置への給電、駆動伝達構成について説明する。図4は図3のロータリー102周りの左側面図であり、図5は図3のロータリー102周りの右側面図である。
【0033】
図4に示すように、現像装置18a〜18dはそれぞれ給電受け取り部としての接点183a〜183dを備えている。接点183a〜183dは、現像位置18Xにおいて、装置本体90に設置された給電部としての給電棒121と圧接(接触)し、各現像ローラ182a〜182dは給電される。ここでは、接点183a〜183dは、バネ性を持ったワイヤーを用いているが、これに限定されるものではない。給電部としての給電棒121は、装置本体90における前記回転軸102a方向の一端側に設けられている。
【0034】
一方、図5に示すように、現像装置18a〜18dはそれぞれ駆動受け取り部としての入力ギア184a〜184dを備えている。入力ギア184a〜184dは、現像位置18Xにおいて、装置本体90に回転自在に支持された駆動伝達軸122と一体となり回転する駆動伝達部としての駆動伝達ギア123と噛合(接続)する。現像位置18Xにおいて、噛合した駆動伝達ギア123から入力ギア184a〜184dに駆動力が伝わると、それぞれの現像ローラ182a〜182dが回転する。駆動伝達部としての駆動伝達ギア123は、装置本体90における前記回転軸102a方向の他端側に設けられている。
【0035】
よって、ロータリー102が回転し、各現像装置18a〜18dのいずれかが現像位置18Xに移動すると、現像位置18Xに移動した現像装置は、装置本体90から給電を受け、また、駆動力を受け、感光体ドラム2に形成された潜像を現像可能になる。
【0036】
通常のロータリー構成では、動作上の安定性の観点から、スラスト方向に隙間を設けるため、現像装置への給電、駆動伝達において、隙間を見込んだスラスト幅を持って構成する必要があった。しかし、上述したように、本構成では、左ディスク102L、右ディスク102Rは、それぞれ装置本体90を構成する左フレーム101L、右フレーム101Rに、左アーム103L、右アーム103Rを介して突き当たる。即ち、スラスト方向の隙間を廃した構成となる。そのため、ロータリー102とこれを支持する装置本体90との間の隙間を考慮せずに給電、駆動伝達構成を配置することができ、装置本体のスラスト長さを小さくすることができる。すなわち、画像形成装置Aの小型化に伴って装置本体90のスラスト方向の大きさが小さくなっても、省スペースで、精度良く現像装置18a〜18dに給電、駆動伝達を行うことができ、現像装置へ信頼性の高い給電、駆動伝達が可能になる。
【0037】
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係るカラーレーザービームプリンタについて説明する。図7は第2実施形態に係るカラーレーザープリンタのロータリー部を抽出した断面図であり、第1実施形態における図3と対比する図である。本実施形態は、前述した第1実施形態に対し、左棒(第3回転体)131L、右棒(第4回転体)131Rを追加し、2つの回転体により構成される回転支持体の間に挟持される部材を設けたものである。
【0038】
左棒131Lと右棒131Rは、ロータリー102を構成する2つの左ディスク102L、右ディスク102Rの間に挟持され、前記スラスト方向の一方側と他方側に移動可能な挟持部材である。左棒131Lは左ディスク102Lに着脱可能に嵌合され、右棒131Rは右ディスク102Rに着脱可能に嵌合される。また、左棒131Lと右棒131Rは、スラスト方向(図7の矢印t方向)に移動自在に嵌め合っている。
【0039】
この挟持部材としての左棒131L、右棒131Rの間に押圧手段としての圧縮バネ109が設けられている。圧縮バネ109の押圧力は左棒131Lを伝わり、左ディスク102Lをスラスト方向の一方側である左フレーム101L側へ押しやる。また、圧縮バネ109の押圧力は右棒131Rを伝わり、右ディスク102Rをスラスト方向の他方側である右フレーム101Rへ押しやる。すなわち、圧縮バネ109は、左棒131L、右棒131Rを介して左ディスク102Lと右ディスク102Rを各々スラスト方向の一方側と他方側(逆方向)に押圧している。これにより、前述した実施形態と同様に、左ディスク102Lと左アーム103Lは左フレーム101L側へ隙間なく詰まっており、右ディスク102Rと右アーム103Rは右フレーム101R側へ隙間なく詰まっている状態となる。
【0040】
ロータリー102とこれを支持する装置本体90との間の隙間を詰めることが可能である効果は、前述した第1実施形態と同じであるが、別部材である左棒131L、右棒131Rを設けることで衝撃を受けた場合や組み立て性において有利となる。
【0041】
前述した第1実施形態の場合は、左フレーム101Lと右フレーム101Rを組み立てる際に同時に左ディスク102L、右ディスク102Rを組み付けなければならない。もし、左フレーム101L、右フレーム101Rを組み立てた後に左ディスク102L、右ディスク102Rを組み立てるには、左アーム103L、右アーム103Rに組み付けるために、左ディスク102L、右ディスク102Rは内側にストロークしなければならない。この場合、スラスト方向に強い衝撃を受けると左ディスク102L又は右ディスク102Rがスラスト方向に動いてしまい、左駆動ギア105L又は右駆動ギア105Rとの係合が外れてしまう恐れがある。これらのギアの係合が一度外れると、元に戻すことを保証することは困難である。
【0042】
つまり、左棒131L、右棒131Rを設けることにより、第1実施形態に比べ、組に立ての自由度が増すことができ、スラスト方向の衝撃への柔軟性が増すことになる。
【0043】
〔他の実施形態〕
前述した第1実施形態では、装置本体90のスラスト方向一方側に給電部(給電棒121)、他方側に駆動伝達部(駆動伝達ギア123)を備えた構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えばスラスト方向のどちらか一方に給電部、駆動伝達部を備えた構成であっても良い。この場合、給電部及び駆動伝達部が設けられた側へ回転支持体(ロータリー102)を押圧すれば良い。その際、ロータリー102を構成する左ディスク102Lと右ディスク102Rの間に圧縮バネ(押圧手段)109を設けても良いが、例えば右ディスク102Rと右アーム103Rの間に押圧手段を設けても同様な効果が得られる。その際、ロータリー102(左ディスク102L、右ディスク102R)は別体である必要もなく、一体で構成されていても良い。
【0044】
また前述した実施形態では、回転支持体に対して着脱可能の現像装置を4つ使用しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
【0045】
また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。或いは、記録媒体担持体を使用し、該記録媒体担持体に担持された記録媒体に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。複数の現像装置を着脱可能に支持する回転支持体を備えた画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0046】
A …画像形成装置
S …シート
2 …感光体ドラム(像担持体)
18X …現像位置
18a,18b,18c,18d …現像装置
90 …装置本体
101L …左フレーム(第1規制部)
101R …右フレーム(第2規制部)
102 …ロータリー(回転支持体)
102L …左ディスク(第1回転体)
102R …右ディスク(第2回転体)
103L …左アーム(第1支持部材)
103R …右アーム(第2支持部材)
104 …駆動軸
105L …左駆動ギア
105R …右駆動ギア
109 …圧縮バネ(押圧部材)
121 …給電棒
122 …駆動伝達軸
123 …駆動伝達ギア
131L …左棒(第3回転体)
131R …右棒(第4回転体)
182a〜182d …現像ローラ
183a〜183d …接点
184a〜184d …入力ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電像が形成される像担持体と、
前記静電像を現像する現像装置を支持し、該現像装置を現像位置に向けて回転移動させるよう構成され、装置本体に対して回転軸方向に移動可能に設けられた回転支持体と、
前記回転支持体を前記回転軸方向に押圧する押圧部材と、
該押圧部材により押圧された前記回転支持体の前記回転軸方向における位置を規制する規制部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記回転支持体は、前記回転軸方向における一端側に前記回転軸方向に移動可能に設けられた第1回転体と、前記回転軸方向における他端側に前記回転軸方向に移動可能に設けられた第2回転体と、を有し、
前記押圧部材は、前記第1回転体と前記第2回転体との間に設けられ、前記第1回転体と前記第2回転体とが離れる方向に押圧することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1回転体に嵌合し前記回転軸方向に移動可能に設けられた第3回転体と、
前記第2回転体に嵌合し前記回転軸方向に移動可能に設けられた第4回転体と、
を有し、
前記押圧部材は、前記第3回転体と前記第4回転体との間に設けられ、前記第3回転体と前記第4回転体とが離れる方向に押圧することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
装置本体における前記一端側に設けられ、前記現像装置が有する給電受け取り部と接触し、該給電受け取り部を介して前記現像装置への給電を行う給電部と、
前記装置本体における前記他端側に設けられ、前記現像装置が有する駆動受け取り部と接続し、該駆動受け取り部を介して前記現像装置へ駆動を伝達する駆動伝達部と、
前記第2回転体に設けられ、前記現像装置の前記回転軸方向の位置を決める位置決め部と、
を有することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1回転体を回転可能に支持し、かつ前記第1回転体を前記装置本体に対して揺動可能に支持し、前記回転軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材と、
前記第2回転体を回転可能に支持し、かつ前記第2回転体を前記装置本体に対して揺動可能に支持し、前記回転軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材と、
を有し、
前記規制部は、前記第1支持部材に当接して前記第1支持部材の前記回転軸方向への移動を規制する第1規制部と、前記第2支持部材に当接して前記第2支持部材の前記回転軸方向への移動を規制する第2規制部と、を有することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−42626(P2012−42626A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182587(P2010−182587)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】