説明

画像形成装置

【課題】露光装置の照射面への異物の付着を防止しつつ,現像装置を機内に残してドラムユニットのみを交換可能とした画像形成装置を提供すること。
【解決手段】カラープリンタ1は,感光体21と,帯電部22と,露光部23と,現像部24とを有し,装置に対して着脱可能であるとともに,感光体21と帯電部22とを含み,露光部23と現像部24とを含まないドラムユニット51と,現像部24を感光体21に形成された静電潜像を現像可能な配置である現像位置と感光体21から離れた離隔位置との間で移動させる現像部移動部(カム65,リンク66)と,現像部移動部による現像部24の移動に連動して,露光部23の照射面を覆う遮蔽位置と覆わない露出位置との間で移動し,現像部24が現像位置にあるときには露出位置となり,現像部24が離隔位置にあるときには遮蔽位置となるシャッタ67とを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電子写真方式の画像形成装置に関する。さらに詳細には,着脱可能なドラムユニットを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より,電子写真方式の画像形成装置では,感光体を有し,その表面を帯電し,露光することによって静電潜像を形成する。さらに,形成された静電潜像に現像装置によってトナーを供給してトナー像を形成している。一般に,感光体,帯電装置,現像装置は,画像形成装置の他の部分に比較して寿命が短いため,交換可能に取り付けられている。例えば,これらを一体として本体から着脱可能にし,イメージングユニットとして製品化されている。その一方で,露光装置は寿命が長く,通常の使用程度では交換されることはない。
【0003】
露光装置は,感光体に光を照射することにより静電潜像を形成する装置である。そのため,感光体の近傍に配置されるとともに,その照射領域は開放されている。この露光装置と感光体との間の光路上に異物があると,画質の低下となって現れるおそれがある。特に,イメージングユニットの交換時には,内部に溜まったホコリ等の異物が舞いやすく,これが露光装置の照射面に付着することは好ましくない。これに対し,例えば特許文献1には,イメージングユニットの着脱時等に,露光装置の防塵ガラスや反射ミラーを清掃するようにした画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−129060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年,現像装置の寿命を,感光体の寿命に比較してかなり長くすることが可能になり,これらを同時には交換しないことが望まれるようになってきた。すなわち,イメージングユニットとして交換するのではなく,現像装置を残して,感光体と帯電装置とを含むドラムユニットのみを交換すればよいのである。しかしながら,ドラムユニットのみを交換するとなると,感光体と現像装置との間に設けられているトナー飛散防止のための構成が,その交換作業中には機能しないという問題点があった。
【0006】
例えば,感光体と現像装置との間に,トナーによる粉煙を防止するためのシールが設けられているものがある。現像装置と感光体とを離すと,シールによる封止ができなくなるだけでなく,シールによって捕集されていたトナーが装置内に散乱するおそれがある。トナーが散乱して露光装置の照射面等に付着することは好ましくない。イメージングユニットとして機外へ取り出してから,現像装置と感光体とを分離するという方法も考えられるが,作業が煩雑となるため好ましくない。
【0007】
本発明は,前記した従来の画像形成装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,露光装置の照射面への異物の付着を防止しつつ,現像装置を機内に残してドラムユニットのみを交換可能とした画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,感光体と,感光体の表面を一様に帯電させる帯電部と,帯電された感光体の表面に照射面から光を照射して静電潜像を形成する露光部と,形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像部とを有する画像形成装置であって,画像形成装置に対して着脱可能であるとともに,感光体と帯電部とを含み,露光部と現像部とを含まないドラムユニットと,現像部を感光体に形成された静電潜像を現像可能な配置である現像位置と感光体から離れた離隔位置との間で移動させる現像部移動部と,現像部移動部による現像部の移動に連動して,露光部の照射面を覆う遮蔽位置と覆わない露出位置との間で移動し,現像部が現像位置にあるときには露出位置となり,現像部が離隔位置にあるときには遮蔽位置となるシャッタとを有するものである。
【0009】
本発明の画像形成装置によれば,現像部移動部を有しているので,現像部は,現像位置と離隔位置との間で移動される。ドラムユニットの交換時には,現像部を離隔位置とすることにより,現像部を機内に残してドラムユニットのみを取り出すことができる。さらに,この現像部の移動に連動してシャッタが移動し,現像部が離隔位置にあるときには露光部の照射面が遮蔽されるので,ドラムユニットの交換に伴って舞う異物が照射面に付着することは防止されている。
【0010】
さらに本発明では,シャッタは,現像部が現像位置から離隔位置へ移動する際にはそれに先立ち露出位置から遮蔽位置へ移動するとともに,現像部が離隔位置から現像位置へ移動する際にはその後で遮蔽位置から露出位置へ移動するものであることが望ましい。
現像部を離隔させると,現像部と感光体との間から異物が舞う可能性がある。このようになっていれば,現像部を少しでも感光体から離隔させている間は,必ず照射面を遮蔽しているので,照射面への異物の付着を確実に防止することができる。
【0011】
さらに本発明では,露光部が現像部による感光体の現像箇所より下方に配置されるものであって,シャッタは,上方が開放した箱形状であることが望ましい。
このようになっていれば,箱形状の内部に異物を受け止めて,溜めておくことができる。
【0012】
さらに本発明では,シャッタには,露光部を清掃する清掃具を案内する案内形状が形成されていることが望ましい。
このようになっていれば,露光部の清掃が容易なものとなる。
【0013】
さらに本発明では,現像部移動部は,操作者の操作により動いて現像部を押して移動させるカム部と,カム部により現像部とともに押されてシャッタを移動させるリンクとを有することが望ましい。
このようになっていれば,現像部の移動に伴って,シャッタが移動される。従って,異物が照射面に付着することは,確実に防止されている。
【0014】
あるいは本発明では,シャッタは,現像部移動部に固定されているものであってもよい。
このようになっていても,適切にシャッタを移動できるようにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像形成装置によれば,露光装置の照射面への異物の付着を防止しつつ,現像装置を機内に残してドラムユニットのみを交換可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本形態に係るカラープリンタを示す概略構成図である。
【図2】第1の形態の画像形成部を示す概略構成図である。
【図3】第1の形態の画像形成部を示す概略構成図である。
【図4】第2の形態の画像形成部を示す概略構成図である。
【図5】第2の形態の画像形成部を示す概略構成図である。
【図6】第2の形態の画像形成部を示す概略構成図である。
【図7】シャッタの別の例を示す斜視図である。
【図8】照射面を清掃する配置の例を示す説明図である。
【図9】清掃ブラシの例を示す斜視図である。
【図10】カムの別の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
「第1の形態」
以下,本発明を具体化した第1の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,いわゆるタンデム方式の画像形成装置に本発明を適用したものである。
【0018】
本形態のカラープリンタ1は,その概略構成を図1に示すように,カラー画像の形成が可能ないわゆるタンデム方式の画像形成装置である。図中で中段には,4色の画像形成部が,図中左から右へ,イエロー10Y,マゼンタ10M,シアン10C,ブラック10Kの順に中間転写ベルト11に沿って配置されている。また,カラープリンタ1の図中左下部には,着脱可能な給紙カセット13が,図中右下部には,手差しユニット14がそれぞれ装着されている。
【0019】
イエローの画像形成部10Yは,図1に示すように,感光体21を中心に,帯電部22,現像部24,1次転写部25,クリーナ26を有している。図では,イエローの画像形成部10Yのみに符号を付して説明したが,他の色についても同様の構成となっている。また,露光部23は,各色の画像形成部の下部に設けられ,各色で共通のものとなっている。さらに,中間転写ベルト11の図中で上方には,各色のトナーを貯留するホッパ28Y,28M,28C,28Kが備えられている。
【0020】
さらに,図1中で右側には,用紙搬送経路31,32が設けられている。図中で下から上向きに用紙を搬送する用紙搬送経路31と,図中で上から下向きに用紙を搬送する用紙搬送経路32とが,並べて設けられている。用紙搬送経路32は,両面印刷を行う場合に使用されるものである。用紙搬送経路31,32には,それぞれ複数の搬送ローラ33が設けられている。本形態のカラープリンタ1は,これらの搬送ローラ33を制御することにより,各搬送路31,32に沿って用紙の搬送または停止等を必要に応じて行うことができるようになっている。
【0021】
用紙搬送経路31には,図1に示すように,2次転写部35と定着部36とが配置されている。定着部36は,互いに対向する2つのローラ(加熱ローラ37と加圧ローラ38)によるローラ対を有している。2次転写部35は,2次転写ローラ41を有している。2次転写ローラ41は,中間転写ベルト11を間に挟んで,ベルトローラ42と対向している。さらに,本形態のカラープリンタ1は,各部を制御するための制御部40を有している。
【0022】
次に,このカラープリンタ1によってカラー画像が形成される際の,各部の動作を説明する。各色の感光体21にはそれぞれ,タイミングを合わせてトナー像が形成される。すなわち,帯電部22によって一様に帯電され,続いて露光部23によって露光される。これにより,各色の感光体21の表面には,各色の画像データに基づいた静電潜像が形成される。次に,現像部24によって,その静電潜像にトナーが供給され,感光体21上にトナー像が形成される。
【0023】
一方,画像形成時には,中間転写ベルト11は,図1中に矢印gで示すように,図中反時計回りに回転される。各色の感光体21上にそれぞれ形成されたトナー像は,それぞれの1次転写部25によってタイミングを合わせて中間転写ベルト11上に転写され,互いに重ね合わせられる。これによって,中間転写ベルト11にカラーのトナー像が形成される。なお,1次転写領域を通過した後も感光体21に残留しているトナーは,クリーナ26によって掻き取られる。
【0024】
画像形成されるための記録部材である用紙は,図1中の下方に矢印hで示すように,給紙カセット13または手差しユニット14から1枚ずつ用紙搬送経路31へと引き出される。そして,用紙搬送経路31を2次転写部35へ向かって搬送される。中間転写ベルト11上に重ね合わせられたトナー像は,2次転写部35において,搬送されてきた用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は,さらに上方へ搬送されて定着部36に至り,加熱されるとともに加圧される。これにより,トナーが用紙に定着される。そして,画像形成された用紙は,機外に排出される。
【0025】
画像形成が繰り返されることにより,感光体21や帯電部22は次第に劣化する。そのまま使い続けると,画質の劣化が進行するため,適切なタイミングで交換することが推奨される。一方,現像部24は,対応するホッパ28から現像剤が追加されるため,感光体21よりかなり長命である。そこで本形態では,図2に示すように,感光体21と帯電部22とクリーナ26とを合わせてドラムユニット51としている。このドラムユニット51は,現像部24とは切り離して,カラープリンタ1の本体に対して着脱可能にされている。
【0026】
さらに,本形態の現像部24は,図2と図3に示すように,感光体21に対して接離する。図2に示すのは,ドラムユニット51も現像部24もカラープリンタ1に取り付けられ,画像形成可能となっている配置である。画像形成時には,感光体21へ,露光部23の照射面53からレーザ光54が射出される。図3に示すのは,ドラムユニット51の取り外しのために,現像部24を移動させた状態である。
【0027】
現像部24は,図2に示すように,一部が開口したハウジング56によって覆われており,その開口部57から現像ローラ58の一部が露出している。現像部24のハウジング56は,図中で右下の回転軸61を中心にある程度の範囲内で回転可能にされている。ハウジング56の図中で左上には,機内の固定された箇所との間にバネ62が設けられ,これによって現像部24は図中で右向きに押圧されている。この結果,図2に示す状態では,現像ローラ58は,感光体21の表面に接触あるいはごく近接して配置されている。また,ハウジング56の開口部57には,シール部材63が設けられている。これによって,現像ローラ58と感光体21との間からトナー等の粉煙が飛散することは防止されている。
【0028】
本形態の現像部24は,さらに,図2と図3に示すように,レバー64,カム65,リンク66,シャッタ67を有している。レバー64は,回転軸64aを中心に回転可能であり,カム65はレバー64に固定されている。カム65は,現像部24のハウジング56とリンク66とに当接している。リンク66はその中央付近の回転軸66aを中心に回転可能であり,図中下側の一端には,シャッタ67が取りつけられている。なお,図2の状態では照射面53は露出されており,レーザ光54の光路を遮るものはない。この図2に示しているレバー64は,レーザ光54の光路より図中で手前側にあり,レーザ光54を遮るものではない。なお,シャッタ67は,図2の状態と図3の状態との間で,水平に維持されるようになっている。
【0029】
図2の配置から,レバー64を図中で反時計回りに約半回転させることにより,図3に示す配置となる。レバー64は,ドラムユニット51の交換に先だって,作業者によって回転される。すると,レバー64に連動するカム65によって,ハウジング56とリンク66の上部とが図中で左向きに押される。これにより,ハウジング56は,バネ62の押圧力に抗して回転軸61を中心に図中で反時計回りに回転する。また,リンク66は,上部が押されることによって図中で反時計回りに回転され,シャッタ67を図中で右向きにスライドさせる。その結果,図3に示すように,露光部23の照射面53がシャッタ67で覆われる。
【0030】
また,ハウジング56が回転されることにより,現像ローラ58と感光体21とが離れる。その結果,図3に示す配置では,シール部材63が感光体21から離れるため,これらの間に捕獲されていたトナー等がその周辺に飛散する可能性がある。本形態では,この配置では,照射面53がシャッタ67によって覆われているので,トナー等が飛散したとしても照射面53に付着するおそれはない。作業者は,この状態でドラムユニット51を引き出し,新しいドラムユニット51と交換する。ドラムユニット51の交換が終了したら,レバー64を元の位置に戻すことにより,図2の配置となるので,画像形成が可能となる。本形態では,レバー64の操作により移動されるカム65とリンク66とが,現像部移動部を構成している。
【0031】
以上詳細に説明したように,本形態のカラープリンタ1によれば,ドラムユニット51の交換時に,作業者にレバー64を回転させる。すると,レバー64に連動するカム65によって,現像部24のハウジング56とリンク66とがそれぞれ回転される。その結果,現像ローラ58と感光体21とが離れ,露光部23の照射面53がシャッタ67で覆われる。従って,露光装置の照射面への異物の付着を防止しつつ,現像装置を機内に残してドラムユニットのみを交換可能となっている。
【0032】
「第2の形態」
次に,本発明を具体化した第2の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,第1の形態のうち,現像部24と感光体21とを離隔させるための構成が異なるのみであり,共通の部分については同一の符号を付し,説明を省略する。
【0033】
本形態の画像形成部は,図4〜図6に示すように,スライドレバー71とそれに取り付けられたシャッタ72とを有している。本形態では,現像部24は回転軸を有していない。スライドレバー71には,図中手前面にツマミ73が設けられている。スライドレバー71の左上の斜面部71aは,現像部24のハウジング56の右下面56aと平行な斜面となっている。
【0034】
また,シャッタ72は,奥行き方向に照射面53を覆い隠すことができる程度の長さであり,スライドレバー71に固定されている。シャッタ72とスライドレバー71とは,図中手前側と奥側との両端部にそれぞれ設けられたつなぎ棒74によって連結されている。従って,このスライドレバー71とシャッタ72とは,露光部23の側面に沿って,図中左右方向に一体的にスライドさせることができる。つなぎ棒74は,画像形成領域の外部に設けられており,レーザ光54の光路を遮ることはない。
【0035】
本形態の画像形成部において,図4に示す配置は,感光体21と現像ローラ58とが互いに接触しており,通常の画像形成が可能な配置である。本形態の装置において,ドラムユニット51の交換を行う場合には,作業者は,まずツマミ73を図中で左向きにスライドさせる。図4の位置から図5の位置を経て図6の位置までスライドさせる。図5の位置では,現像部24は図4の位置から移動していないが,露光部23の照射面53はシャッタ72によって覆われている。このような順序とすることにより,照射面53への異物の付着を確実に回避できる。
【0036】
図6の位置では,バネ62を押し縮めて,現像部24は図4に示す配置より図中で左側に移動している。すなわち,スライドレバー71の斜面部71aが現像部24のハウジング56の右下面56aに接触した後もさらに,スライドレバー71と現像部24とをともにスライドさせることにより,この配置となる。これにより,現像部24は感光体21から離れた位置となっている。この配置で,作業者は,ドラムユニット51のみを取り出して交換することができる。この配置においても,シャッタ72によって照射面53は覆われているので,照射面53への異物の付着を確実に回避できる。
【0037】
交換が終了したら,ツマミ73を右方向へスライドして図4の位置に戻す。この場合,図6の位置から図5の位置を経て図4の位置となる。すなわち,まず現像部24を移動させて,開口部57をシール部材63で覆ってから,露光部23の照射面53を露出させる。従って,この工程でも,照射面53を汚すおそれはない。図4の位置に戻すことにより,再び画像形成が可能になる。本形態では,スライドレバー71が現像部移動部に相当する。
【0038】
以上詳細に説明したように本形態のカラープリンタにおいても,第1の形態と同様に,現像ローラ58と感光体21とを離す際には,照射面53がシャッタ72で覆われる。従って,露光装置の照射面53への異物の付着を防止しつつ,現像装置を機内に残してドラムユニットのみを交換可能となっている。さらに本形態であれば,現像部24と感光体21とを離すより前に,照射面53を覆うことができる。そして,現像部24を所定の位置に戻してから,照射面53の覆いを取り去ることができる。
【0039】
なお,第1の形態または第2の形態において,シャッタ67,72として,図7に示すような箱形状のものとすることもできる。このようなものであれば,落ちてくる異物を受け止めることができるので,さらに効果的である。
【0040】
さらに,ドラムユニット51の交換や装置内部の清掃等のメンテナンス時には,たとえシャッタ67,72で覆っていたとしても,多少はホコリ等が照射面53に付着してしまうこともある。そのため,メンテナンス作業の最後に,照射面53の清掃を行うことが望まれる。そのために,例えば第1の形態のシャッター67として,図8に示すように,清掃具81をガイドするための凸部82のような案内形状を形成したものとするとよい。この案内形状は,レーザ光54の光路を遮らない範囲内に設けられている。
【0041】
本形態ではメンテナンス要員用に,図9に示すように,長手方向に沿ってこの凸部82に合う溝83が形成され,長手方向の一端部にブラシ84が設けられた清掃具81が用意されている。そして,全ての作業が終了し,現像部24やシャッタ67を図2に示す所定の配置に戻した後,図8に示したように,ブラシ84の側を下向きにして,凸部82に溝83を合わせる。そのまま凸部82に沿って図中奥行き方向に清掃具81を前後させれば,照射面53を確実に奥まで清掃することができる。清掃が終了したら,清掃具81を取り去る。第2の形態のシャッタ72については,図4中で左端面に同様の凸部を形成しておけばよい。なお,凸部と溝とは,逆でもよい。
【0042】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,第1の形態において,現像部24の離隔より先に照射面の遮蔽を行うようにすることもできる。その場合には,例えば,図10に示すように,カム91として,その機能部分を軸方向に分割して形成したものとすればよい。このカム91では,レバー66を移動させるカム部分92とハウジング56を移動させるカム部分93とを有している。このようになっていれば,レバー64の回転に連動して,カム部分92,カム部分93の順に時間差をおいて機能させることができる。あるいは単に,シャッタ67の大きさやリンク66のレバー比の調整によってもよい。
【0043】
また,これらの形態では,現像ローラが感光体に接触するとしたが,接触せず,ごく近接した配置で現像を行うものにも適用可能である。また,各色に共通の露光部23とする代わりに,各色ごとにそれぞれの露光部を有するものにも適用可能である。また,モノクロの画像形成装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 カラープリンタ
21 感光体
22 帯電部
23 露光部
24 現像部
51 ドラムユニット
64 レバー
65 カム
66 リンク
67,72 シャッタ
71 スライドレバー
82 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と,前記感光体の表面を一様に帯電させる帯電部と,帯電された前記感光体の表面に照射面から光を照射して静電潜像を形成する露光部と,形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像部とを有する画像形成装置において,
画像形成装置に対して着脱可能であるとともに,前記感光体と前記帯電部とを含み,前記露光部と前記現像部とを含まないドラムユニットと,
前記現像部を前記感光体に形成された静電潜像を現像可能な配置である現像位置と前記感光体から離れた離隔位置との間で移動させる現像部移動部と,
前記現像部移動部による前記現像部の移動に連動して,前記露光部の前記照射面を覆う遮蔽位置と覆わない露出位置との間で移動し,前記現像部が現像位置にあるときには露出位置となり,前記現像部が離隔位置にあるときには遮蔽位置となるシャッタとを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において,
前記シャッタは,
前記現像部が現像位置から離隔位置へ移動する際にはそれに先立ち露出位置から遮蔽位置へ移動するとともに,
前記現像部が離隔位置から現像位置へ移動する際にはその後で遮蔽位置から露出位置へ移動するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において,
前記露光部が前記現像部による前記感光体の現像箇所より下方に配置されるものであって,
前記シャッタは,上方が開放した箱形状であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記シャッタには,前記露光部を清掃する清掃具を案内する案内形状が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記現像部移動部は,
操作者の操作により動いて前記現像部を押して移動させるカム部と,
前記カム部により前記現像部とともに押されて前記シャッタを移動させるリンクとを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記シャッタは,前記現像部移動部に固定されているものであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−63378(P2012−63378A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205066(P2010−205066)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】