説明

画像形成装置

【課題】第2中間転写体を用い、3度の転写過程を経る方式の画像形成装置において、第1中間転写体及び第2中間転写体交換時の作業性を向上させるとともに、第1中間転写体と第2中間転写体の位置精度を向上させる。
【解決手段】1次転写のための中間転写ベルト130と、2次転写のための第2中間転写体106と、3次転写のための転写ローラ122と、を有する画像形成装置において、中間転写ベルト130及び第2中間転写体106とを有する転写ユニットであって、装置本体101に対して感光ドラム111〜114の並設方向に移動可能に設けられた転写ユニット125と、カートリッジドア140によって開閉される開口部であって、並設方向に移動する転写ユニット125を装置本体101に対して着脱可能とする開口部145と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー電子写真画像形成装置において、第2中間転写体を用い、3度の転写過程を経る方式が提案されている。
特許文献1では、2次転写時のトナー表面温度と3次転写時のトナー表面温度に関係をもたせ、高品質の画像を高速に形成する手段を開示している。
また、このような第2中間転写体を用いた構成にすることで、FPOT(First Print Out Time:一枚目の記録材が排紙されるまでの時間)を有利にするという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−142319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のプロセスカートリッジや中間転写体等は、メンテナンスや寿命のため、装置本体から取り出す必要がある。そこで、複数のプロセスカートリッジや中間転写体等を取り外しやすい構成が昨今のカラー画像形成装置に求められている。
また、第2中間転写体を用いた構成における画像形成工程は、像担持体から第1中間転写体(1次転写)、第1中間転写体から第2中間転写体(2次転写)、第2中間転写体から記録材(3次転写)と、3度の転写過程を経ることになる。したがって、第2中間転写体を用いた構成では、転写精度への要求が2度の転写過程を用いた方式と比較して一層厳しくなる。
特に、3度の転写過程を経る場合、回転軸が画像形成装置に対して固定される可能性が高い第1中間転写体と第2中間転写体の位置精度が非常に重要となる。
しかしながら、上記従来例では、第1中間転写体及び第2中間転写体の交換方法、及び位置精度に関しての記載がなく、これらの課題を解決するための手段が求められている。
本発明は、第2中間転写体を用い、3度の転写過程を経る方式の画像形成装置において、第1中間転写体及び第2中間転写体交換時の作業性を向上させるとともに、第1中間転写体と第2中間転写体の位置精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
並列に配設され、トナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、
前記複数の像担持体上にそれぞれ形成されたトナー像が1次転写される第1中間転写体と、
前記第1中間転写体上に転写されたトナー像が2次転写される第2中間転写体と、
前記第2中間転写体上に転写されたトナー像を記録材に3次転写するための転写部材と、
を有する画像形成装置において、
前記第1中間転写体及び前記第2中間転写体とを有する転写ユニットであって、
画像形成装置本体に対して前記複数の像担持体の並設方向に移動可能に設けられた転写ユニットと、
開閉部材によって開閉される開口部であって、前記並設方向に移動する前記転写ユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能とする開口部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第2中間転写体を用い、3度の転写過程を経る方式の画像形成装置において、第1中間転写体及び第2中間転写体交換時の作業性を向上させるとともに、第1中間転写体と第2中間転写体の位置精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の画像形成装置の外観斜視図
【図2】実施例1の画像形成装置の概略断面図
【図3】実施例1のカートリッジドアが開放された画像形成装置の概略断面図
【図4】実施例1のプロセスカートリッジの着脱方法について説明するための図
【図5】実施例1の転写ユニットの概略図
【図6】実施例1の転写ユニットと装置本体フレームの位置決め部との関係を示す図
【図7】実施例1の転写ユニットの着脱方法について説明するための図
【図8】実施例2の転写ユニットと装置本体の位置決め部との関係を示す図
【図9】実施例3の転写ユニットの着脱方法について説明するための図
【図10】実施例3の転写ユニットの着脱方法について説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0009】
以下に、実施例1について説明する。
本実施例においては、画像形成装置の全体構成、プロセスカートリッジの着脱方法、転写ユニットの構成、転写ユニットの位置決め構成、転写ユニットの着脱方法の順で説明を行う。また、本実施例では、画像形成装置として、レーザビームプリンタを例示している。また、像担持体としての感光ドラム上の各色のトナー(現像剤)像をベルトに順次転写した後、ベルト上のトナー像を記録材に一括転写する画像形成装置を例示している。
【0010】
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本実施例の画像形成装置の外観斜視図である。図2は、本実施例の画像形成装置の概略断面図である。給送トレイ102内に積載収納された記録材8は、図中時計回り方向に回転する給送ローラ103により給送され、搬送ローラ104に送られ、第2中間転写体106と、転写部材としての転写ローラ122との間に形成されたニップ部へ送られる。複数の画像形成部をそれぞれ構成する感光ドラム111,112,113,114は図中時計回り方向に回転する。
各画像形成部では、各感光ドラムの外周面に、レーザスキャナ120からのレーザ光により静電潜像が順次形成され、続いてその静電潜像が現像手段(現像ローラ)で現像され、トナー像が形成される。
【0011】
感光ドラム111,112,113,114(像担持体上)に形成されたトナー像は、第1中間転写体としての中間転写ベルト130に転写(1次転写)される。カラー画像を形成する場合は、感光ドラム111,112,113,114にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック各色のトナー像が現像され、それぞれに形成されたトナー像が、中間転写
ベルト130に順次転写される。
次に、中間転写ベルト130上(第1中間転写体上)に転写されたトナー像は、第2中間転写体106に一括転写(2次転写)される。そして、第2中間転写体106上(第2中間転写体上)に転写されたトナー像は、第2中間転写体106と転写ローラ122との間のニップ部に送られた記録材8に転写される(3次転写)。
【0012】
更に、トナー像が転写された記録材8は、定着フィルム107と加圧ローラ108のニップ部へ送られ、ここで加熱及び加圧されてトナー像が記録材8に定着される。トナー像が定着された記録材8は、排出ローラ109と排出コロ110により排出される。
ここで、感光ドラム111,112,113,114は、これに作用するプロセス手段と一体となったプロセスカートリッジC111,C112,C113,C114として、画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられている。プロセスカートリッジとは、像担持体(感光ドラム)と、これに作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段とが一体的にカートリッジ化されたものであって、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたものである。
そして、感光ドラム111〜114(プロセスカートリッジC111〜C114)は、図2に示すように、中間転写ベルト130のベルト面(転写面)に沿って並列(略一方向)に配設されている。
【0013】
(プロセスカートリッジの着脱方法)
次に、図3〜図4を用いて、プロセスカートリッジの着脱方法の概要について説明する。図3は、開閉部材としてのカートリッジドア140が開放された画像形成装置の概略断面図である。図4は、プロセスカートリッジの着脱(交換)方法について説明するための画像形成装置の概略斜視図である。
【0014】
本実施例の画像形成装置において、カートリッジの交換は、ユーザビリティ向上のために、カートリッジを引き出しトレイに乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。すなわち、本実施例の画像形成装置の前面側には、装置本体101内へカートリッジを挿入するため、及び、装置本体101からカートリッジを取り出すために、カートリッジを通過させる開口部145が設けられている。そして、この開口部145は、装置本体101に対して開閉可能に設けられたカートリッジドア140が、開放位置をとることで形成(構成)される。本実施例では、カートリッジドア140は、ドア下辺側の横軸141を中心に装置本体101に対して開閉回転可能に設けられている。
【0015】
また、図4に示すように、プロセスカートリッジC111,C112,C113,C114は、装置本体101に挿入され又は装置本体101から引き出されるカートリッジトレイ144に対して、着脱可能に装着されている。
このカートリッジトレイ144は、装置本体フレーム(枠体)を構成する装置本体の左右フレームに設けられた一対のトレイ保持部材143によって、前後方向に水平にスライド移動可能に保持されている。
【0016】
ここで、前方向とは、カートリッジトレイ144が装置本体101から引き出される方向であり、後方向とは、カートリッジトレイ144が装置本体101に挿入される方向である。また、カートリッジトレイ144が装置本体101から着脱される着脱方向(前後方向)は、中間転写ベルト130のベルト面(転写面)に沿って並設(配列)されている感光ドラム111〜114(プロセスカートリッジC111〜C114)の並設方向である。また、左右とは、前側から装置本体101を見た場合の左右であり、第2中間転写体106の長手方向(第2中間転写体106の軸方向、感光ドラム111〜114の軸方向)に相当する。第2中間転写体106の長手方向を、以下、単に長手方向という場合もある。また、装置本体101の設置状態における鉛直方向を上下方向とする。
【0017】
このトレイ保持部材143は、カートリッジドア140の開放動作に連動して、前方向と上方に所定量移動する。このトレイ保持部材143の移動により、カートリッジトレイ144も上方に移動する。これにより、感光ドラム111〜114が中間転写ベルト130より浮き上がり(中間転写ベルト130から離間し)、カートリッジトレイ144は装置本体101の開口部145より引き出し可能の状態となる。このように、感光ドラム111〜114と中間転写ベルト130とは、接離可能に構成されている。
【0018】
図4に示すように、カートリッジトレイ144を装置本体101より引き出すと、各プロセスカートリッジの上面が開放され、各プロセスカートリッジC111,C112,C113,C114が矢印方向(上方)に取り外し可能になる。また、プロセスカートリッジC111,C112,C113,C114を装置本体101に装着する際は、逆の手順をとる。
【0019】
(転写ユニットの構成)
転写ユニット125の構成について図5及び図6を用いて説明する。図5(a)は、転写ユニットの概略断面図であり、図5(b)は、転写ユニットの概略側面図である。図6は、転写ユニットと装置本体フレームの位置決め部との関係を示す概略斜視図である。
転写ユニット125は、1次転写部において、各感光ドラムのトナー像を記録材へ転写するための中間転写ベルト130を有している。また転写ユニット125は、中間転写ベルト130を駆動するためのベルト内駆動ローラ105及び、中間転写ベルト130の感光ドラムに対向する面を張架する手段としてのテンションローラ121を有している。また、転写ユニット125は、2次転写部を構成する第2中間転写体106を有している。
また、転写ユニット125は、プロセスカートリッジC111〜C114が装着されているカートリッジトレイ144同様、装置本体101に対して前後方向(感光ドラムの並設方向)に移動可能に設けられている。そして、プロセスカートリッジ同様、転写ユニット125は、開口部145を介して、装置本体101内へ挿入され、また、装置本体101から取り出される。
【0020】
ベルト内駆動ローラ105及び第2中間転写体106は、それぞれの軸受部105a,106aを介して第2中間転写体106の長手方向両端部で、転写ユニット本体を構成する転写フレーム124によって固定されている。
また、テンションローラ121は、中間転写ベルト130を張架する方向(図5(b)に示す矢印方向)に移動可能な状態で、軸受部121aを介して転写フレーム124によって保持されている。
【0021】
テンションローラ121を保持する転写フレーム124には、転写ユニット125の組み立て時に、第2中間転写体106及びベルト内駆動ローラ105がそれぞれの軸受部で、位置決め工具(不図示)により位置決め固定される。
このようにして、テンションローラ121を保持する転写フレーム124、第2中間転写体106及びベルト内駆動ローラ105は、装置本体101に着脱可能な転写ユニット125として、一体的にユニット化される。
【0022】
このように転写ユニット125を構成することにより、第2中間転写体106とベルト内駆動ローラ105の位置精度を高精度に確保することができるため、常に安定した転写動作が可能となる。また、テンションローラ121とベルト内駆動ローラ105の位置精度を確保できるため、より安定したベルト走行が可能となる。
【0023】
(転写ユニットの位置決め構成)
転写ユニット125の位置決め構成について図5(b)及び図6を用いて説明する。
転写ユニット125は、装置本体101のフレームを構成する装置本体フレーム126に位置決めされる。そして、転写ユニット125の装置本体フレーム126に対する位置決めは、次のように行われる。すなわち、転写ユニット125の第2中間転写体106の軸受部106aと、感光ドラムに対向する面を張架するテンションローラ121の軸受部121aとが、装置本体フレーム126の位置決め部126a,126bに係合することで位置決めされる。
これにより、第2中間転写体106とテンションローラ121の軸受部106a,121aを、装置本体フレーム126の位置決め部126a,126bに係合させる動作(操作、作業)をより容易に行うことができる。
【0024】
さらに転写フレーム124には、中間転写ベルト130に残った残余トナーを除去するクリーニング部127、中間転写ベルト130のトナー像を検知する検知部123がそれぞれ位置決め固定されている。
これにより、第2中間転写体106、テンションローラ121、クリーニング部127、及び検知部123の位置関係を保ったまま、第2中間転写体106とテンションローラ121の位置精度を確保できる。
【0025】
(転写ユニットの着脱方法)
転写ユニット125の着脱方法について図6及び図7を用いて説明する。図7は、転写ユニット125の着脱(交換)方法について説明するための画像形成装置の概略斜視図である。
【0026】
上述したように、転写ユニット125は、装置本体フレーム126に設けられた位置決め部126a,126bに係合することにより、装置本体101に位置決めされている。
転写ユニット125の交換は、カートリッジドア140を開き、図7に示すように、カートリッジトレイ144を装置本体101の開口部145から取り出した状態で行う。
カートリッジトレイ144を装置本体101から取り出した後、転写ユニット125の手前側を図7に示す矢印方向(上方)に持ち上げる。
これにより、装置本体フレーム126の位置決め部126a,126bから、第2中間転写体106とテンションローラ121の軸受部106a,121aを外す(係合状態を解除する)ことができる。
このようにして、プロセスカートリッジ同様、転写ユニット125を装置本体101の開口部145から前方に取り出すことができる。このとき、転写ユニット125は、前後方向(感光ドラムの並設方向、着脱方向)に移動することで、装置本体101から前方に取り出されることとなる。
【0027】
このように本実施例によれば、ベルト内駆動ローラ105、テンションローラ121、及び第2中間転写体106を一体的にユニット化することで、ユニット交換時の作業性をより向上させることが可能となる。さらに、このユニット化により、第2中間転写体106と、中間転写ベルト130(ベルト内駆動ローラ105及びテンションローラ121を含む)との位置精度をより高精度に確保できるため、常に安定した転写動作が可能となる。
本実施例では、3度の転写過程を経る方式の場合、第1中間転写体と第2中間転写体の間に記録材がジャムすることがないことに着目して、第1中間転写体と第2中間転写体を転写ユニットとして一体的にユニット化するものである。このような構成により、プロセスカートリッジと転写ユニットを一方向から取り外すことができるので、フロントアクセスのみでジャム処理を行うことが可能となり、ユーザビリティが向上する。
ここで、第2中間転写体106の長手方向両端部にある2つの転写フレーム124は、同一部品を用いても良い。同一部品を使用することで、第2中間転写体106、ベルト内駆動ローラ105及びテンションローラ121の位置精度をさらに高精度に確保できる。
【実施例2】
【0028】
以下に、実施例2について説明する。本実施例では、転写ユニット本体に対して、第2中間転写体106を着脱可能に構成した場合について説明するものである。なお、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
(転写ユニットの構成)
転写ユニット125の構成について図8を用いて説明する。図8は、転写ユニット125と装置本体101の位置決め部との関係を示す概略斜視図である。
【0029】
テンションローラ121を保持する転写フレーム224には、転写ユニット125の組み立て時に、第2中間転写体106及びベルト内駆動ローラ105がそれぞれの軸受部で、位置決め工具(不図示)により位置決め固定される。ここで、転写フレーム224は、実施例1の転写フレーム124に相当する。
本実施例においては、第2中間転写体106は、軸受部106aを介して転写フレーム224の切り欠き部224a(図中点線)に位置決め支持され、転写フレーム224(転写ユニット本体)に着脱可能に構成されている。そして、この軸受部106aは、押え部材231a及び付勢手段231bにより転写フレーム224に固定(保持、支持)されている。ここで、切り欠き部224a、押え部材231a及び付勢手段231bは、支持部を構成している。
【0030】
これにより、転写ユニット125として、第2中間転写体106とベルト内駆動ローラ105の位置精度をより高精度に確保することができるため、常に安定した転写動作が可能となる。また、テンションローラ121とベルト内駆動ローラ105の位置精度を確保できるため、より安定したベルト走行が可能となる。
【0031】
(転写ユニットの位置決め構成)
転写ユニット125の位置決め構成について図8を用いて説明する。
本実施例では、転写ユニット125のベルト内駆動ローラ105の軸受部105aと、テンションローラ121の軸受部121aとが、装置本体フレーム226の位置決め部226a,226bに係合することで位置決めされる。ここで、装置本体フレーム226は実施例1の装置本体フレーム126に相当する。また、軸受部105a及び軸受部121aは、装置本体101に対して位置決めされる位置決め部を構成している。
これにより、ベルト内駆動ローラ105とテンションローラ121の軸受部105a,121aを装置本体フレーム226の位置決め部226a,226bに係合させる動作をより容易に行うことができる。
【0032】
(第2中間転写体の着脱方法)
第2中間転写体106の着脱方法について図8を用いて説明する。
まず、実施例1で説明した方法で、転写ユニット125を装置本体101から取り出す。次に、押え部材231aを軸受部106aから解放する(取り外す)ことで、転写フレーム224の切り欠き部224aから第2中間転写体106及びその軸受部106aを取り出すことができる。第2中間転写体106を転写ユニット125に装着する際は、逆の手順をとる。
【0033】
このように、本実施例では、転写フレーム224における第2中間転写体106の支持部として切り欠き部224aを設け、第2中間転写体106の軸受部106aを押え部材231a及び付勢手段231bにより転写フレーム224に固定している。このことで、第2中間転写体106のみを交換する際の作業性を向上させることが可能となる。
【実施例3】
【0034】
以下に、実施例3について説明する。本実施例においては、転写ユニットの着脱方法に特徴を有するものであり、装置本体内にプロセスカートリッジが装着された状態のまま、転写ユニット125を着脱可能に構成したものである。なお、実施例1,2と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
転写ユニット125の着脱方法について図9及び図10を用いて説明する。図9は、転写ユニットの着脱方法について説明するための画像形成装置の概略断面図である。図10は、転写ユニットの着脱方法について説明するための画像形成装置の概略斜視図である。
【0035】
(転写ユニットの着脱方法)
転写ユニット125の交換は、ユーザビリティ向上のために、カートリッジを装着した状態で転写ユニット125を引き出しトレイに乗せ、転写ユニット125を手前に引き出すもので、上述の実施例同様、フロントアクセスにより交換する方式である。
本実施例においては、図10に示すように、転写ユニット125は、装置本体101に挿入され又は装置本体101から引き出される転写ユニットトレイ344に対して、着脱可能に装着されている。
【0036】
この際、転写ユニット125の装置本体101に対する位置決めは転写ユニットトレイ344を介さず、直接装置本体フレーム126に位置決めすることで、装置本体101に対する転写ユニット125の位置精度を実施例1,2同様に高精度に確保できる。
この転写ユニットトレイ344は、装置本体フレーム126を構成する装置本体の左右フレームに設けられた一対の転写ユニットトレイ保持部材343によって、前後方向に水平にスライド移動可能に保持されている。
【0037】
実施例1同様に、トレイ保持部材143は、カートリッジドア140の開放動作に連動して、前方向と上方に所定量移動する。このトレイ保持部材143の移動により、カートリッジトレイ144も上方に移動する。このときの移動量をT1とする。
また、転写ユニットトレイ保持部材343は、カートリッジドア140の開放動作に連動して、前方向と上方に所定量移動する。この転写ユニットトレイ保持部材343の移動により、転写ユニットトレイ344も上方に移動する。このときの移動量をT2とする。
【0038】
その際、T1>T2とすることで、感光ドラム111〜114が中間転写ベルト130よりも浮き上がるように構成することができる(中間転写ベルト130と感光ドラム111〜114とを離間させることができる)。これにより、転写ユニット125は、着脱方向(前後方向)に移動可能となり、開口部145から装置本体101に対して着脱可能となる。
さらにこの時、図9に示すように、第2中間転写体106を感光ドラム111〜114の下方に配置することで、転写ユニット125は、プロセスカートリッジを装着した状態の装置本体101から引き出し可能な状態となる。
【0039】
ここで、第2中間転写体106を感光ドラムの下方に配置するとは、図9に示す断面内で、転写ユニット125の着脱方向(移動方向、並設方向)に対して直交する方向において、感光ドラムよりも中間転写ベルト130側に配置することである。また、これは、転写ユニット125が着脱方向に移動して装置本体101に着脱される際に、感光ドラムに干渉しない位置に配設されているということである。
転写ユニット125を装置本体101に装着する際は、逆の手順をとる。
【0040】
このように、本実施例では、転写ユニット125の着脱を引き出し方式にしている。そして、転写ユニット125が着脱方向に移動可能な状態の時に第2中間転写体106が感光ドラムの下方に位置することで、カートリッジを装着した状態のまま装置本体101から転写ユニット125を着脱することが可能となり、ユーザビリティが更に向上する。
また、転写ユニット125が着脱方向に移動可能な状態の時に、第2中間転写体106が感光ドラムの下方に位置することで、装置本体101の高さ低減を行うことが可能となる。
なお、本実施例では転写ユニットの着脱時に転写ユニットを上方に移動させる構成で説明しているが、上下動を伴わない位置決め構成であっても良い。
【符号の説明】
【0041】
101…装置本体、106…第2中間転写体、111〜114…感光ドラム、122…転写ローラ、125…転写ユニット、130…中間転写ベルト、140…カートリッジドア、145…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配設され、トナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、
前記複数の像担持体上にそれぞれ形成されたトナー像が1次転写される第1中間転写体と、
前記第1中間転写体上に転写されたトナー像が2次転写される第2中間転写体と、
前記第2中間転写体上に転写されたトナー像を記録材に3次転写するための転写部材と、
を有する画像形成装置において、
前記第1中間転写体及び前記第2中間転写体とを有する転写ユニットであって、
画像形成装置本体に対して前記複数の像担持体の並設方向に移動可能に設けられた転写ユニットと、
開閉部材によって開閉される開口部であって、前記並設方向に移動する前記転写ユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能とする開口部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写ユニットは、画像形成装置本体に対して位置決めされる位置決め部を有すると共に、前記第2中間転写体が転写ユニット本体に対して着脱可能に構成され、
前記転写ユニット本体には、前記第2中間転写体を着脱可能に位置決め支持する支持部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1中間転写体と前記複数の像担持体とは接離可能に構成され、
前記第1中間転写体と前記複数の像担持体とが離間することで、前記転写ユニットが前記並設方向に移動可能となって画像形成装置本体に着脱可能となり、
前記第1中間転写体と前記複数の像担持体とが離間している場合、前記第2中間転写体は、前記転写ユニットが前記並設方向に移動して画像形成装置本体に着脱される際に、前記複数の像担持体に干渉しない位置に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−3519(P2013−3519A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137488(P2011−137488)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】