説明

画像形成装置

【課題】ノイズ発生を低減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、開口部を有する装置本体2と、開口部を開閉するアッパーカバーと、アッパーカバーに設けられ、装置本体内の複数の感光体ドラムを露光する複数のLEDユニット40と、を備えている。アッパーカバーは、アッパーカバーの面に沿って設けられたカバー側板金100を有している。複数のLEDユニット40は、カバー側板金100に面して見て、カバー側板金100の内側に設けられている。そして、カバー側板金100は、アッパーカバー3が閉じられた状態において、複数のLEDユニット40を囲う少なくとも4箇所が電気的に接地されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の露光部材を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置として、装置本体に形成されている開口を開閉するアッパーカバーと、複数の感光体ドラムを露光する複数のLEDユニット(露光部材)と、装置本体に設けられている金属製のサイドフレームと、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的に、アッパーカバーは、各LEDユニットを支持するとともに、板金からなるアッパーパネル(カバー側板金)を有している。このアッパーパネルは、アッパーカバーと装置本体を繋ぐヒンジ付近において、導電ケーブルを介してサイドフレーム(本体側板金)に電気的に接続され、接地された状態となっている。そして、各LEDユニットは、板バネを介して、サイドフレームに電気的に接続され、接地された状態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−157001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した画像形成装置においては、板金からなるアッパーパネルが、ヒンジ付近でのみ接地されているので、アッパーパネルのヒンジとは反対側の接地されていない部分がアンテナとして作用し、LEDユニット等から発生する電磁波をノイズとして放射し、アッパーパネルがノイズの発生源となる可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、ノイズの発生を低減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、開口を有する装置本体と、開口を開閉するカバーと、カバーに設けられ、装置本体内の複数の感光体を露光する複数の露光部材と、を備えている。
カバーは、カバーの面に沿って設けられたカバー側板金を有している。
複数の露光部材は、カバー側板金に面して見て、カバー側板金の内側に設けられている。
そして、カバー側板金は、カバーが閉じられた状態において、複数の露光部材を囲う少なくとも4箇所が電気的に接地されている。
【0008】
このように構成された画像形成装置によれば、複数の露光部材を囲う少なくとも4箇所でカバー側板金を接地するので、カバー側板金がアンテナとして作用するのを低減し、カバー側板金が露光部材から発生する電磁波をノイズとして放射するのを低減することができる。
【0009】
そして、前記した画像形成装置は、カバーに設けられ、複数の露光部材を支持する支持部材をさらに備えていてもよい。
また、装置本体は、支持部材が位置決めされる本体側板金を有していてもよい。
この場合、支持部材に、カバーが閉じられた状態においてカバー側板金と本体側板金に接触するアース部材が設けられていることが望ましい。
【0010】
このように構成された画像形成装置によれば、露光部材を支持する支持部材は、本体側板金に対して、位置決めされる部材であるので、この支持部材にアース部材を設けることで、アース部材と本体側板金を確実に接続することができる。
【0011】
また、前記した支持部材を備えた画像形成装置において、装置本体は、被位置決め部を有し、支持部材は、被位置決め部に係合して、支持部材を本体側板金に対して位置決めする位置決め部を有していてもよい。
この場合、アース部材は、位置決め部に隣接して設けられていることが望ましい。
【0012】
このように構成された画像形成装置によれば、より確実にアース部材と本体側板金を接続することができる。
【0013】
そして、前記した支持部材を備えた画像形成装置は、露光部材を制御する制御基板をさらに備えていてもよい。
この場合、カバー側板金は、複数の露光部材と制御基板の間に配置されていることが望ましい。
【0014】
このように構成された画像形成装置によれば、制御基板と露光部材の間に接地されたカバー側板金が設けられているので、制御基板から発生するノイズが露光部材に影響するのを低減することができる。
【0015】
また、前記した支持部材を備えた画像形成装置において、アース部材は、支持部材に設けられている状態で支点となる点から延出し、カバー側板金と接触する第1アームと、前記支点となる点から延出し、本体側板金と接触する第2アームと、を有していてもよい。
この場合、第1アームのカバー側板金と接触する部分と、第2アームの本体側板金と接触する部分とは、前記支点となる点を通り、カバーの開閉方向に反って延びる面に対し、同じ側に配置されていることが望ましい。
【0016】
このように構成された画像形成装置によれば、第1アームがカバー側板金と接触することでアース部材に働く力によって、第2アームを本体側板金に強く当てることができる。
【0017】
そして、前記した支持部材を備えた画像形成装置において、アース部材は、板バネであることが望ましい。
【0018】
このように構成された画像形成装置によれば、アース部材のカバー側板金と本体側板金に接触する面積を大きくすることができるので、より確実にカバー側板金の接地をすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ノイズ発生源となる露光部材を囲む4箇所でカバー側板金を接地するので、ノイズ発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタを示す側断面図である。
【図2】本体側板金、支持部材、カバー側板金、アッパーカバー、アース部材および制御基板を示す斜視図である。
【図3】支持部材の位置決め部と、本体側板金の被位置決め部を示す斜視図である。
【図4】支持部材の位置決め部と装置本体の被位置決め部が係合している状態を示す図である。
【図5】支持部材に配置されたアース部材を示す断面図であって、アッパーカバーが開いた状態を示す図(a)と、アッパーカバーが閉じた状態を示す図(b)である。
【図6】アース部材を示す斜視図である。
【図7】本体フレームと本体側板金を示す斜視図である。
【図8】LEDユニット、支持部材、カバー側板金およびアース部材の配置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、カラープリンタ1(画像形成装置)の全体構成を簡単に説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することにする。
【0022】
また、以下の説明においては、カラープリンタ1の使用時におけるユーザを基準にした方向で説明することにする。すなわち、図1においては、左側を「前(手前)側」とし、右側を「後(奥)側」とし、紙面垂直方向のうち奥側を「左側」とし、紙面垂直方向のうち手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0023】
<レーザプリンタの全体構成>
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体2内に、用紙Sを供給する給紙部20と、給紙された用紙Sに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Sを排出する排紙部90とを備えている。
【0024】
装置本体2の上部には、開口部(開口)2Aが形成されている。そして、この開口部2Aは、装置本体2に回動可能に支持されるカバーの一例としてのアッパーカバー3によって開閉されるようになっている。アッパーカバー3の上面は、装置本体2から排出された用紙Sを蓄積する排紙トレイ4となっている。
【0025】
給紙部20は、装置本体2内の下部に設けられ、装置本体2に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Sを画像形成部30へ搬送する用紙供給機構22を備えている。用紙供給機構22は、給紙トレイ21の前側に設けられ、給紙ローラ23、分離ローラ24および分離パッド25を備えている。
【0026】
このように構成される給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Sが、一枚ずつ分離されて上方へ送られ、紙粉取りローラ26とピンチローラ27の間を通過する過程で紙粉が除去された後、図示しない搬送経路を通って後ろ向きに方向転換され、画像形成部30に供給される。
【0027】
画像形成部30は、4つ(複数)の露光部材の一例としてのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。
【0028】
LEDユニット40は、アッパーカバー3の下部に設けられる支持部材200(図2参照)に対して揺動可能に連結されており、装置本体2に設けられる図示しない位置決め部材によって適宜位置決めされて支持されている。
【0029】
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー3と給紙部20との間で前後方向に並んで配置され、4つ(複数)のドラムカートリッジ58と、このドラムカートリッジ58に着脱可能となる現像カートリッジ56とを備えている。
【0030】
ドラムカートリッジ58は、感光体の一例としての感光体ドラム51や、帯電器52などを備えている。なお、ドラムカートリッジ58は、装置本体2に着脱可能であってもよいし、装置本体2に固定されていてもよい。
【0031】
現像カートリッジ56は、現像ローラ53と、供給ローラ54と、層厚規制ブレード57と、トナーを収容するトナー収容室55とを主に備えている。
【0032】
現像カートリッジ56は、ブラック用、イエロー用、マゼンダ用およびシアン用の各色のトナーが入った56K,56Y,56M,56Cの符号で示すものが用紙Sの搬送方向の上流側からこの順で並んで配置されている。
【0033】
転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73および転写ローラ74を備えている。
【0034】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間に無端状のベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光体ドラム51に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光体ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光体ドラム51に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によってトナーの帯電極性とは異なる極性の転写バイアス(転写電圧)が掛けられる。
【0035】
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0036】
このように構成される画像形成部30では、例えば、カラー印刷モードの場合、まず、各感光体ドラム51の表面が、各帯電器52により一様に帯電された後、各LEDユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光体ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容室55内のトナーは、供給ローラ54を介して現像ローラ53に供給され、現像ローラ53と層厚規制ブレード57の間に進入して一定の厚さの薄層として現像ローラ53上に担持される。
【0037】
現像ローラ53上に担持されたトナーは、現像ローラ53から感光体ドラム51上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム51上にトナー像が形成される。
【0038】
搬送ベルト73上に供給された用紙Sが各感光体ドラム51と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光体ドラム51上に形成されたトナー像が用紙S上に転写される。そして、用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙S上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0039】
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、前方に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Sを搬送する複数対の搬送ローラ92を備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Sは、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、装置本体2の外部に排出されて排紙トレイ4に蓄積される。
【0040】
<アッパーカバー周辺の詳細構成>
次に、アッパーカバー3周辺の構成について詳しく説明する。
【0041】
アッパーカバー3は、図2に示すように、カバー本体3Aと、カバー側板金100と、左右一対の支持部材200と、各支持部材200の前端と後端に設けられる4つのアース部材300とを備えている。
【0042】
カバー本体3Aは、樹脂で形成されており、カバー側板金100と支持部材200を保持している。このカバー本体3Aは、後端が図示しないヒンジによって装置本体2に回動可能に支持されている。
【0043】
カバー側板金100は、カバー本体3Aの下面に沿って設けられる金属板であり、カバー側板金100に面して見て、4つのLEDユニット40が当該カバー側板金100の内側に設けられるような大きさで形成されている(図8参照)。具体的に、カバー側板金100は、4つのLEDユニット40の上方に配置される矩形状の中央部110と、中央部110の右端に配置され、前後方向に長い長尺状の右側部120と、中央部110の左端に配置され、前後方向に長い長尺状の左側部130とを有している。
【0044】
左側部130の上面には、LEDユニット40を制御する制御基板Pが固定されている。つまり、カバー側板金100は、4つのLEDユニット40と制御基板Pの間に配置されている。
【0045】
左右一対の支持部材200は、4つのLEDユニット40を支持する部材であり、カバー側板金100の下側に配置されている。具体的に、各支持部材200は、前後方向に並ぶ4つのLEDユニット40の配列方向に沿って延びており(図8参照)、右側の支持部材200は、カバー側板金100の右側部120の下側に配置され、左側の支持部材200は、カバー側板金100の左側部130の下側に配置されている。
【0046】
支持部材200は、図2および図3に示すように、LEDユニット保持部210と、位置決め部220と、アース部材支持部230とを有している。
【0047】
LEDユニット保持部210は、各支持部材200の左右方向内側の面、つまり、LEDユニット40と対向する面に、前後方向にそれぞれ4つずつ並んで設けられている(図では3つのみ図示)。支持部材200は、このLEDユニット保持部210で各LEDユニット40の左右端を保持することで、4つのLEDユニット40を揺動可能に支持している(図8参照)。
【0048】
位置決め部220は、後述する装置本体2の被位置決め部510に係合して、支持部材200を本体フレーム500に対して位置決めする部分であり、各支持部材200の前端、より詳細には、各支持部材200の最も前側に配置されるLEDユニット保持部210よりも前方に設けられている。
【0049】
位置決め部220は、図3および図4に示すように、支持部材200の下面から下方へ向けて突出する第1位置決め突起221と、第1位置決め突起221よりも後側に配置される第2位置決め突起222とから構成されている。
【0050】
アース部材支持部230は、アース部材300を支持する部分であり、各支持部材200の前後端、より詳細には、各LEDユニット保持部210よりも前後方向外側の2箇所に形成されている(図8参照)。
【0051】
アース部材支持部230は、図5(a)に示すように、アース部材300の形状に倣った形に形成されている。具体的に、アース部材支持部230は、支持部材200の上面から一段下がった位置において左右方向に延び、右端が下方へ延びる第1支持部231と、第1支持部231の下端から右方へ向かって延び、右端が下方へ延びる第2支持部232と、第2支持部232の左端部の上面に形成される穴233とを有している。
【0052】
アース部材300は、金属板を折り曲げることで形成される板バネであり、屈曲部301から延びる第1アーム310と第2アーム320を有している。
【0053】
第1アーム310は、上下方向に延びる第1延出部311と、第1延出部311の上端から右方へ延び略U字状に屈曲して左斜め上方へ向けて延びる第1屈曲部312を有している。第1屈曲部312の先端は、上下方向から見て、第1アーム310と第2アーム320の接続部分となる屈曲部301よりも左方まで延びており、カバー側板金100と接触する部分である第1接触部313となっている。
【0054】
第2アーム320は、第1アーム310の第1延出部311の下端(屈曲部301)から左方へ延びる第2延出部321と、第2延出部321の左端から下方へ延び、略U字状に屈曲する第2屈曲部322を有している。第2屈曲部322の下端部(U字状の底の部分)は、本体側板金400と接触する部分である第2接触部323であり、アッパーカバー3を開いた状態において、支持部材200の下面から突出している。
【0055】
また、このアース部材300は、第1アーム310と第2アーム320の接続部分を切り起こすことで形成され、第2延出部321から下側に突出して穴233に係合する固定部330を有している。
【0056】
なお、図2に示すように、4つのアース部材300は、それぞれ多少の形状の違いはあるが、基本的な構造は図5(a)に示す構造と略同じである。すなわち、図5(a)のアース部材300は、左後側のアース部材300Cであり、他のアース部材300もこのアース部材300Cと同様に構成されている。
【0057】
例えば、左前側のアース部材300Bも、図6に示すように、第1アーム310、第2アーム320および第1アーム310と第2アーム320の接続部分に形成される固定部330を有している。具体的に、第1アーム310は、上下方向に延びる第1延出部311と、第1延出部311の上端から右方へ延び略U字状に屈曲した第1屈曲部312とを有している。第2アーム320は、第1延出部311の下端から左方へ延びる第2延出部321と、第2延出部321の左端から下方へ延び、略U字状に屈曲する第2屈曲部322を有している。
【0058】
このように形成された各アース部材300は、図5(a)に示すように、固定部330が穴233に挿入され、第2アーム320の第2延出部321が第2支持部232に載るようにして支持部材200のアース部材支持部230に配置されている。そして、屈曲部301を通り、アッパーカバー3が閉じる直前におけるアッパーカバー3の開閉方向、つまり、上下方向に沿って延びる面Lに対し、第1アーム310の第1接触部313と第2アーム320の第2接触部323は、同じ側に配置されている。
【0059】
また、支持部材200の前側に設けられるアース部材300は、支持部材200のアース部材支持部230に配置されることで、位置決め部220に隣接して設けられている。より詳細には、図4に示すように、第2アーム320の第2接触部323は、支持部材200の第1位置決め突起221と第2位置決め突起222の間に配置されている。
【0060】
そして、4つのアース部材300を各支持部材200のアース部材支持部230に設けることで、図8に示すように、上下方向から見て、各アース部材300を結んだ線が4つのLEDユニット40を囲うようになっている。
【0061】
図2および図7に示すように、装置本体2は、左右一対の本体フレーム500と、本体側板金400とを備えている。
【0062】
一対の本体フレーム500は、樹脂から形成されており、右側の本体フレーム500は、右側の支持部材200の下方に、左側の本体フレーム500は、左側の支持部材200の下方に配置されている。
【0063】
本体フレーム500は、図3に示すように、前端部に、支持部材200の位置決め部220が挿入されるようになっている。
【0064】
具体的に、本体フレーム500の前端部には、上方へ向けて延びる第1被位置決め突起511と、第1被位置決め突起511よりも後方において上方へ向けて延びる第2被位置決め突起512が形成されている。そして、第1被位置決め突起511と第2被位置決め突起512の間に、位置決め部220が嵌るようになっている。
【0065】
具体的には、図4に示すように、第1被位置決め突起511と第2被位置決め突起512の間隔は、アッパーカバー3が閉じられた状態で、第1被位置決め突起511が第1位置決め突起221に接触し、第2被位置決め突起512が第2位置決め突起222に接触するような距離で設定されている。これにより、第1被位置決め突起511と第2被位置決め突起512は、位置決め部220と係合し、本体フレーム500に対する支持部材200の前後方向の位置を決める被位置決め部510となっている。
【0066】
本体側板金400は、略矩形の枠状に形成された金属板である。本体側板金400は、図2および図7に示すように、右側の本体フレーム500の上面に重ねられる右枠辺410と、左側の本体フレーム500の上面に重ねられる左枠辺420と、右枠辺410と左枠辺420の前側を連結する前枠辺430と、右枠辺410と左枠辺420の後側を連結する後枠辺440とを有している。この本体側板金400は、図示しない接地手段により接地されている。
【0067】
右枠辺410と左枠辺420の前側には、図3に示すように、上下方向から見て本体フレーム500の第1被位置決め突起511と第2被位置決め突起512と重なる位置に、前後方向に並ぶ2つの孔411,412が形成されている。前側の孔411には本体フレーム500の第1被位置決め突起511が挿通され、後側の孔412には本体フレーム500の第2被位置決め突起512が挿通されている。そして、アッパーカバー3を閉じたときには、前側の孔411に支持部材200の第1位置決め突起221が挿入され、後側の孔412に支持部材200の第2位置決め突起222が挿入されるようになっている。
【0068】
また、前側の孔411と後側の孔412の間は、アース部材300の第2アーム320が当接する接触面413となっている。
【0069】
このように構成された本体側板金400は、図示しない位置決め手段によって、本体フレーム500に対して位置決めされている。これにより、位置決め部220と被位置決め部510の係合により本体フレーム500に対して位置決めされた支持部材200は、本体フレーム500を介して本体側板金400に対しても位置決めされるようになっている。
【0070】
次に、以上のように構成されたカラープリンタ1の作用および効果について説明する。
図5(a)に示すように、カバー側板金100と支持部材200を組み付けると、第1アーム310が撓んでカバー側板金100に接触する。そして、アッパーカバー3が開いた状態では、第2アーム320の第2接触部323は本体側板金400とは接触していない。
【0071】
アッパーカバー3を閉じると、図5(b)に示すように、アース部材300は、第2アーム320の第2接触部323が本体側板金400の上面(支持部材200の前側に設けられているアース部材300においては、本体側板金400の接触面413)と接触する。これにより、第2接触部323が本体側板金400に接触することで押し上げられ、アース部材300が撓む。
【0072】
このとき、第2延出部321は、第2支持部232から浮いて、屈曲部301だけが第2支持部232に接触するので、屈曲部301は、アース部材300の支点となる。ここで、第1アーム310の第1接触部313と第2アーム320の第2接触部323とは、支点となる屈曲部301を通り、アッパーカバー3の開閉方向に沿って延びる面Lに対し、同じ側に配置されているので、アース部材300に働くモーメントを考えると、第2アーム320が押し上げられることによって、第1アーム310の第1接触部313に上へ向かう力が働き、第1接触部313がカバー側板金100に強く押し当てられる。また、第1アーム310には、第1接触部313がカバー側板金100に強く押し当てられることによって、下方へ向かう力が働く。これにより、第2アーム320の第2接触部323にも下方へ向かう力が働き、第2接触部323が本体側板金400に強く押し当てられる。これにより、アース部材300をカバー側板金100と本体側板金400に確実に接触させることができる。
【0073】
このようにアース部材300がカバー側板金100と本体側板金400と接触することにより、図8に示すように、カバー側板金100の4つのLEDユニット40を囲う4箇所が電気的に接地される。つまり、カバー側板金100の接地点を結んだ線が、4つのLEDユニット40を囲んでいる。これにより、カバー側板金100がアンテナとして作用するのを低減し、カバー側板金100がLEDユニット40から発せられる電磁波をノイズとして放射するのを低減することができる。
【0074】
また、アース部材300は、本体フレーム500を介して本体側板金400に対して位置決めされる支持部材200に支持されているので、アッパーカバー3を閉じたときに、アース部材300を確実に本体側板金400に接触させることができる。
【0075】
そして、支持部材200の前端部に設けられているアース部材300は、支持部材200の位置決め部220に隣接して設けられているので、より確実にアース部材300を本体側板金400に接触させることができる。
【0076】
また、アース部材300は、板バネから構成されているので、アース部材300をワイヤ等から構成する場合に比べて、カバー側板金100との接触点と本体側板金400との接触点の面積を大きくすることができ、より確実にカバー側板金100を接地することができる。
【0077】
そして、LEDユニット40の制御基板Pと4つのLEDユニット40との間にはカバー側板金100が配置されているので、制御基板Pから発せられるノイズがLEDユニット40に影響するのを防止することができる。また、4つのLEDユニット40から発せられたノイズが制御基板Pに影響するのも防止することができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0079】
前記実施形態では、カバー側板金100は、アッパーカバー3が閉じられた状態において、4つのLEDを囲う4箇所がアース部材300によって接地されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、5つ以上のアース部材300を設け、4つのLEDユニット40を囲うようにカバー側板金100を5箇所以上で接地してもよい。
【0080】
前記実施形態では、支持部材200の位置決め部220と係合する被位置決め部510を本体フレームに設けたが、本発明はこれに限定されず、支持部材200の位置決め部が係合する被位置決め部を本体側板金400に設けてもよい。このように被位置決め部を本体側板金400に設けることにより、より精度良く支持部材200を本体側板金400に対して位置決めすることができる。
【0081】
前記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタを例示したが、複合機やコピー機に本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0082】
1 カラープリンタ
2 装置本体
2A 開口部
3 アッパーカバー
3A カバー本体
40 LEDユニット
51 感光体ドラム
100 カバー側板金
200 支持部材
220 位置決め部
300 アース部材
301 屈曲部
310 第1アーム
313 第1接触部
320 第2アーム
323 第2接触部
400 本体側板金
413 接触面
500 本体フレーム
510 被位置決め部
L 面
P 制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する装置本体と、
前記開口を開閉するカバーと、
前記カバーに設けられ、前記装置本体内の複数の感光体を露光する複数の露光部材と、を備えた画像形成装置であって、
前記カバーは、前記カバーの面に沿って設けられたカバー側板金を有し、
前記複数の露光部材は、前記カバー側板金に面して見て、前記カバー側板金の内側に設けられ、
前記カバー側板金は、前記カバーが閉じられた状態において、前記複数の露光部材を囲う少なくとも4箇所が電気的に接地されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カバーに設けられ、前記複数の露光部材を支持する支持部材をさらに備え、
前記装置本体は、前記支持部材が位置決めされる本体側板金を有し、
前記支持部材に、前記カバーが閉じられた状態において前記カバー側板金と前記本体側板金に接触するアース部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体は、被位置決め部を有し、
前記支持部材は、前記被位置決め部に係合して、前記支持部材を前記本体側板金に対して位置決めする位置決め部を有し、
前記アース部材は、前記位置決め部に隣接して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記露光部材を制御する制御基板をさらに備え、
前記カバー側板金は、前記複数の露光部材と前記制御基板の間に配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記アース部材は、前記支持部材に設けられている状態で支点となる点から延出し、前記カバー側板金と接触する第1アームと、前記支点となる点から延出し、前記本体側板金と接触する第2アームと、を有し、
前記第1アームの前記カバー側板金と接触する部分と、前記第2アームの前記本体側板金と接触する部分とは、前記支点となる点を通り、前記カバーの開閉方向に沿って延びる面に対し、同じ側に配置されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記アース部材は、板バネであることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−73072(P2013−73072A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212685(P2011−212685)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】