説明

画像形成装置

【課題】再搬送部で詰まったシートの除去作業を容易に実施できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】再搬送部50は、カセット収容空間2Aに装着されたシートカセット21の下部に配置され、シートカセット21がカセット収容空間2Aから取り外されるとカセット収容空間2A内に露出する。また、再搬送部50は、互いに接触しつつ回転して表裏を反転されたシート99をニップしながら搬送する駆動ローラ51A、52A、53A及びピンチローラ51B、52B、53Bを有する。駆動源M1と駆動ローラ51A、…との間には、駆動源M1から駆動ローラ51A、…に駆動力を伝達する伝達経路を有する駆動連結機構100が設けられている。駆動連結機構100は、シートカセット21の装着動作に伴って変位して伝達経路を接続状態とする一方、シートカセット21の取り外し動作に伴って変位して伝達経路を遮断状態とする作用部110を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像形成装置の例が開示されている。この画像形成装置は、装置本体、給紙トレイ、画像形成部、再搬送部及び駆動源を備える。給紙トレイ、画像形成部、再搬送部及び駆動源は、装置本体内に設けられている。再搬送部は、給紙トレイの下部に配置されている。再搬送部は、互いに接触しつつ回転する駆動ローラ及びピンチローラを有する。
【0003】
この画像形成装置は、給紙トレイに載置されたシートを搬送し、画像形成部により、そのシートに画像を形成する。そして、駆動源から駆動力が供給されて動作する再搬送部により、画像が形成されたシートの表裏を反転させた状態で、その反転されたシートを駆動ローラ及びピンチローラによりニップしながら、画像形成部に再搬送するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−179411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の画像形成装置では、一般的に、装置本体が有するカセット収容空間に対して着脱可能なシートカセットに、給紙トレイが設けられている。そして、この場合において、再搬送部でシート詰まりが発生すると、ユーザは、シートカセットをカセット収容空間から取り外すことにより、再搬送部をカセット収容空間内に露出させて、詰まったシートを除去するようになっている。
【0006】
しかしながら、この際、詰まったシートが駆動ローラ及びピンチローラにニップされていると、駆動源と連結されて自由に回転できない駆動ローラにより、シートに負荷がかかり易い。その結果、再搬送部で詰まったシートを取り除き難かったり、そのシートが破れたりするという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、再搬送部で詰まったシートの除去作業を容易に実施できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、カセット収容空間を有する装置本体と、
シートを収容し、前記カセット収容空間に対して着脱可能なシートカセットと、
前記装置本体内に設けられ、前記シートカセットから搬送される前記シートに画像を形成する画像形成部と、
前記装置本体内に設けられ、前記画像形成部により一方の面に画像が形成された前記シートの表裏を反転させた状態で、前記シートを前記画像形成部に再搬送する再搬送部と、
前記装置本体内に設けられ、前記再搬送部に駆動力を供給する駆動源とを備え、
前記再搬送部は、前記カセット収容空間に装着された前記シートカセットの下部に配置され、前記シートカセットが前記カセット収容空間から取り外されることにより前記カセット収容空間内に露出するように構成されている画像形成装置であって、
前記再搬送部は、互いに接触しつつ回転して、表裏を反転された前記シートをニップしながら搬送する駆動ローラ及びピンチローラを有し、
前記駆動源と前記駆動ローラとの間には、前記駆動源から前記駆動ローラに駆動力を伝達する伝達経路を有する駆動連結機構が設けられ、
前記駆動連結機構は、前記シートカセットの前記カセット収容空間に対する装着動作に伴って変位して前記伝達経路を接続状態とする一方、前記シートカセットの前記カセット収容空間に対する取り外し動作に伴って変位して前記伝達経路を遮断状態とする作用部を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の画像形成装置では、作用部は、シートカセットのカセット収容空間に対する取り外し動作に伴って変位して伝達経路を遮断状態とする。このため、再搬送部で詰まったシートを除去する際、シートが駆動ローラ及びピンチローラにニップされていても、駆動ローラが駆動源とは関係なく自由に回転できるので、シートに負荷がかかり難い。その結果、再搬送部で詰まったシートを取り除き易くなり、また、そのシートが破れ難くなる。
【0010】
したがって、本発明の画像形成装置は、再搬送部で詰まったシートの除去作業を容易に実施できる。
【0011】
本発明の画像形成装置において、駆動連結機構は、伝達経路を遮断状態に保持する付勢力を発揮する付勢部材を有することが望ましい。そして、作用部は、カセット収容空間に装着されるシートカセットに当接し、付勢力に抗しつつ変位することにより、伝達経路を接続状態に保持する一方、カセット収容空間から取り外されるシートカセットから離間し、付勢力に付勢されて変位することにより、伝達経路を遮断状態に保持するように構成されていることが望ましい。この構成によれば、付勢部材を設けることによって、伝達経路の接続状態と遮断状態とを確実に保持することができる。
【0012】
本発明の画像形成装置において、駆動ローラは、再搬送されるシートの幅方向の一端縁側に向かって延びる駆動軸を有することが望ましい。そして、駆動連結機構は、一端縁側に配置されて、駆動軸に連結されていることが望ましい。この構成によれば、装置本体の中央付近に駆動連結機構を設ける場合等と比較して、駆動連結機構が他の部材の邪魔になり難い。
【0013】
本発明の画像形成装置において、駆動連結機構は、駆動軸の一端縁側に固定されて駆動軸と一体回転する被連結部と、駆動軸と平行な方向から被連結部に対向し、作用部の変位により駆動軸と平行な方向に往復動作する連結部とを有することが望ましい。また、被連結部及び連結部により、伝達経路の一部が構成されていることが望ましい。そして、作用部は、連結部を被連結部に連結させることにより、伝達経路を接続状態とする一方、連結部を被連結部から離間させることにより、伝達経路を遮断状態とするように構成されていることが望ましい。この構成によれば、作用部の変位により、連結部が駆動軸と平行な方向に往復動作し、伝達経路が接続状態と遮断状態とに切り替わることにより、駆動連結機構は、駆動ローラ以外の部材にも駆動源からの駆動力を分配し易くなり、ひいては、駆動力分配の設計自由度が向上する。
【0014】
本発明の画像形成装置において、被連結部及び連結部は同軸に配置され、往復動作により、嵌合又は離間するカップリングであることが望ましい。この構成によれば、カップリングにより、簡素化や部品の形状の単純化を実現できる。
【0015】
本発明の画像形成装置において、作用部は、駆動軸に直交する方向に延びる第1揺動軸周りに揺動可能に装置本体に支持され、装着動作又は取り外し動作の際、シートカセットに当接又は離間して第1揺動軸周りに揺動することにより、連結部を駆動軸と平行な方向に往復動作させることが望ましい。この構成によれば、作用部が駆動軸に直交する方向に延びる第1揺動軸周りに揺動することにより、連結部を駆動軸と平行な方向に往復動作させ易い。
【0016】
本発明の画像形成装置において、駆動連結機構は、駆動軸の一端縁側に固定されて駆動軸と一体回転する第1ギヤと、駆動軸と平行な回転軸周りに回転可能とされ、駆動軸と垂直な面に沿って第1ギヤと駆動源とに連結される少なくとも1個の中間ギヤとを有することが望ましい。また、第1ギヤ及び中間ギヤにより、伝達経路の一部が構成されていることが望ましい。そして、作用部は、中間ギヤを駆動軸と垂直な面に沿って往復動作させて第1ギヤ又は他の中間ギヤと噛み合わせ、又は離間させることにより、伝達経路を接続状態又は遮断状態とするように構成されていることが望ましい。この構成によれば、中間ギヤが駆動軸と垂直な面に沿って移動することにより、上述した連結部が駆動軸と平行な方向に往復動作して伝達経路が接続状態と遮断状態とに切り替わる場合と比較して、装置幅方向において小型化できる。
【0017】
本発明の画像形成装置において、作用部は、駆動軸と平行な方向に延びる第2揺動軸周りに揺動可能に装置本体に支持され、装着動作又は取り外し動作の際、シートカセットに当接又は離間して第2揺動軸周りに揺動することにより、中間ギヤを駆動軸と垂直な面に沿って往復動作させることが望ましい。この構成によれば、作用部が駆動軸と平行な方向に延びる第2揺動軸周りに揺動することにより、中間ギヤを駆動軸と垂直な面に沿って往復動作させ易い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1の画像形成装置に係り、シートカセットが装着された状態を示す概略断面図である。
【図2】実施例1の画像形成装置に係り、シートカセットが取り外された状態を示す概略断面図である。
【図3】実施例1の画像形成装置に係り、シートカセットが装着された状態における再搬送部、駆動源及び駆動連結機構等を抜き出して示す模式上面図である。
【図4】実施例1の画像形成装置に係り、作用部、連結部、被連結部及び駆動軸等を抜き出して示す斜視図である。
【図5】実施例1の画像形成装置に係り、シートカセットが取り外された状態における再搬送部、駆動源及び駆動連結機構等を抜き出して示す模式上面図である。
【図6】実施例2の画像形成装置に係り、シートカセットが装着された状態における再搬送部、駆動源及び駆動連結機構等を抜き出して示す模式上面図である。
【図7】実施例2の画像形成装置に係り、シートカセットが装着された状態における駆動源及び駆動連結機構等を抜き出して示す模式側面図である。
【図8】実施例2の画像形成装置に係り、シートカセットが取り外された状態における駆動源及び駆動連結機構等を抜き出して示す模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(実施例1)
図1に示すように、本発明の画像形成装置の一例である実施例1のプリンタ1は、電子写真方式によりシート99(用紙やOHPシート等)に複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。図1では、紙面右側を装置の前側と規定し、装置を前側から見た場合に左手に来る側(紙面手前側)を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、プリンタ1が備える各構成要素について説明する。
【0021】
<全体構成>
図1に示すように、プリンタ1は、略箱状体であるハウジング2と、ハウジング2の内側に設けられた図示しないフレーム部材とを備えている。ハウジング2及びフレーム部材により、本発明の装置本体が構成されている。
【0022】
図1及び図2に示すように、ハウジング2内には、カセット収容空間2Aが形成されている。カセット収容空間2Aは、ハウジング2の前面側下方に開口し、ハウジング2の後面側近傍まで凹設された内部空間である。カセット収容空間2Aには、シートカセット21が着脱可能に設けられている。
【0023】
シートカセット21は、上方が開放されて、その内部に複数枚のシート99を積層状態で収容する略箱状体である。シートカセット21は、プリンタ1の手前からカセット収容空間2A内に挿入され、後方に向かって押されることにより、図1に示すように装置本体に装着され、その逆の動作により、図2に示すように装置本体から取り外されるようになっている。
【0024】
図1に示すように、ハウジング2内において、シートカセット収容空間2A及びシートカセット21の上方には、給紙部20、画像形成部10及び排出ローラ41、42等が設けられている。また、ハウジング2内において、シートカセット収容空間2A及びシートカセット21の下部には、再搬送部50が設けられている。さらに、図1〜図3に示すように、ハウジング2内において、再搬送部50の左側には、駆動源M1及び駆動連結機構100が設けられている。図1及び図2では、駆動源M1及び駆動連結機構100は、再搬送部50に対して紙面手前側に位置するので、二点鎖線で模式的に図示している。給紙部20、画像形成部10、排出ローラ41、42、駆動源M1及び駆動連結機構100等は、図示しないフレーム部材に組み付けられている。
【0025】
図1に示すように、ハウジング2の上面には、画像形成を終えたシート99が排出される排出トレイ2Cが設けられている。ハウジング2内には、搬送経路P1と、再搬送経路P2とが設けられている。
【0026】
搬送経路P1は、シートカセット21の前端部の上端縁側から給紙部20を経由して後方に向きを変えた後、略水平に延びて画像形成部10を経由し、さらに前方に向きを変えて、上方に位置する排出ローラ41、42等を経由して、排出トレイ2Cに至る経路である。
【0027】
再搬送経路P2は、排出ローラ41、42からハウジング2の後面側に設けられた第1再搬送ガイド2R、2Sに沿って下方に延びた後、前方に延びて再搬送部50を経由し、さらに、シートカセット21の前端部に内蔵された第2再搬送ガイド21Gを経由して上方に位置する給紙部20に至る経路である。
【0028】
給紙部20は、シートカセット21に収容されたシート99を給紙ローラ22、分離ローラ23及び分離パッド23Aにより1枚ずつ搬送経路P1に送り出す。そして、搬送経路P1の略U字状に後方に転向する部位に配設された搬送ローラ24、25及びレジストローラ26、27により、シート99を画像形成部10に向けて搬送する。
【0029】
画像形成部10は、カラー印刷が可能な、いわゆるダイレクトタンデム方式のものである。画像形成部10は、プロセスカートリッジ7、スキャナ部9及び定着器13等を有する周知のものである。プロセスカートリッジ7は、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンの4色のトナーに対応し、搬送経路P1の略水平部分に沿って直列する4つのカートリッジの集合体である。プロセスカートリッジ7は、各色のトナーにそれぞれ対応する4個の感光ドラム5や、図示しない現像ローラ、帯電器及びトナー収容部等を有する。スキャナ部9は、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等から構成されており、上方からレーザビームをプロセスカートリッジ7内の各感光ドラム5に照射する。定着器13は、プロセスカートリッジ7の下方を通過したシート99を加熱ローラ13Aと加圧ローラ13Bとにより加熱加圧する。
【0030】
加熱ローラ13A及び加圧ローラ13Bの後方には、搬送経路P1に臨む排出センサ43が設けられている。排出センサ43は、例えば、シート99に当接して揺動するアクチュエータの変位をフォトインタラプタ等の光学式センサ等により検出する周知のものが採用される。定着器13を通過するシート99を排出センサ43が検知すると、その検知結果が図示しない制御部に伝達される。そして、制御部は、その検知結果に基づいて、画像形成動作における上記の各構成要素の稼働や停止のタイミングを制御する。
【0031】
画像形成部10は、以下のようにして、搬送経路P1に沿って搬送されるシート99に画像を形成する。すなわち、各感光ドラム5の表面は、その回転に伴って、帯電器により一様に正帯電された後、スキャナ部9から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、各感光ドラム5の表面には、シート99に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。次に、トナー収容部からトナーが静電潜像に対応して各感光ドラム5の表面に供給される。シート99がシートカセット21に収容されている状態では、シート99の一方の面99Aは、下方を向いている。そして、シート99が搬送経路P1に沿って搬送されて画像形成部10を通過する際、一方の面99Aは、上方を向いて感光体ドラム5と対面する。そして、各感光ドラム5の表面上に担持されたトナーがシート99の一方の面99Aに転写され、定着器13で加熱加圧される。その結果、トナーがシート99に定着する。
【0032】
排出ローラ41、42は、搬送経路P1における最下流側に位置して、排出トレイ2Cに臨んでいる。排出ローラ41は、図示しない制御部に制御されて正回転又は逆回転する。排出ローラ42は、排出ローラ41に対して押圧されて従動回転する。
【0033】
ハウジング2内における排出ローラ41、42より後方かつ下方には、フラッパ49が設けられている。フラッパ49は、その下端側が図示しないフレーム部材に揺動可能に支持されている。フラッパ49は、図示しない制御部に制御されて、実線で示す位置と、二点鎖線で示す位置とに揺動可能とされている。シート99の一方の面99Aに対する画像形成動作の際、フラッパ49は、実線で示す位置にあって搬送経路P1に沿っている。この場合、フラッパ49は、搬送経路P1に沿って搬送されるシート99を排出ローラ41、42に確実にニップされるように案内する。
【0034】
排出ローラ41、42は、定着器13を通過したシート99をニップした状態で、排出ローラ41が正回転することにより、シート99を排出トレイ2Cに排出する。こうして、プリンタ1は、シート99の一方の面99Aに対する画像形成動作を終了する。
【0035】
<再搬送部>
さらに、このプリンタ1は、以下に説明するように、一方の面99Aに画像が形成されたシート99の表裏を反転させ、再搬送経路P2に沿って画像形成部10に再搬送することにより、一方の面99Aとは反対側の面に対しても上記画像形成動作を行うことができる。
【0036】
上述した排出ローラ41、42、排出センサ43及びフラッパ49は、シート99の反転機構を兼ねており、以下のようにして、一方の面99Aに画像が形成されたシート99を反転させる。すなわち、シート99を排出ローラ41、42がニップして、排出トレイ2Cに向けて排出する途中において、排出センサ43がシート99の後端縁を検知しなくなってから所定のタイミングで、図示しない制御部が排出ローラ41を正回転から逆回転に切り替える。それと同時に制御部がフラッパ49を二点鎖線で示す位置に揺動させる。これにより、フラップ49の上端側は、搬送経路P1を跨いで、再搬送経路P2に沿う状態となる。その結果、そのシート99は、排出ローラ41、42及びフラッパ49により、再搬送経路P2に送り出される。そして、そのシート99は、第1再搬送ガイド2R、2Sに案内されて下方に搬送されて、シートカセット21の下部に位置する再搬送部50に到達する。
【0037】
図1及び図3に示すように、再搬送部50は、再搬送部本体55と、駆動軸51S、52S、53Sと、駆動ローラ51A、52A、53Aと、ニップローラ支持部56と、ニップローラ51B、52B、53Bとを有する。
【0038】
再搬送部本体55は、上面側が略水平な平滑面とされたトレイ形状部材である。再搬送部本体55の上面は、前方の第2再搬送ガイド21Gの下端まで延びている。再搬送部本体55の上面により、再搬送経路P2の略水平部分が形成されている。
【0039】
本実施例では、再搬送されるシート99の幅方向は左右方向である。そして、再搬送部本体55の左右方向の長さは、シート99の左右方向の長さより大きくされている。つまり、図3に示す再搬送部本体55の左端面55Lは、再搬送されるシート99の幅方向の一端縁、すなわち、左端縁に対して左側に位置する。再搬送部本体55は、ハウジング2の底部に、ネジ等の締結手段等により組み付けられているが、メンテナンス時に取り外すこともできる。
【0040】
駆動軸51S、52S、53Sは、左右方向に延在する円柱軸体であり、再搬送部本体55内に回転可能に支持されている。駆動軸51S、52S、53Sは、再搬送経路P2の略水平部分の上流側から下流側、すなわち、後方から前方に向かってこの順序で並んでいる。図3に示すように、駆動軸53Sは、駆動軸51S、52Sよりも左側に向かって長く延びて、再搬送部本体55の左端面55Lよりも左側に突出している。
【0041】
図3及び図4に示すように、駆動軸53Sの左端には、被連結部111Bが一体回転可能に固定されている。被連結部111Bは、円盤に複数の凹部が形成された形状である。
【0042】
被連結部111Bの左方には、駆動軸53Sと同軸で左右方向に延びる伝達軸112が図示しないフレーム部材に回転可能に支持されている。また、伝達軸112は、図示しないフレーム部材により、図4に示すように、左右方向に進退可能に支持されている。
【0043】
図3及び図4に示すように、伝達軸112の右端には、連結部111Aが一体回転可能に固定されて、被連結部111Bと左右方向から対面している。連結部111Aは、円盤に複数の凸部が形成された形状である。連結部111Aと被連結部111Bとは、嵌合又は離間可能なカップリングを構成している。
【0044】
伝達軸112において、連結部111Aの右側には、フランジ部113A、113Bが一体回転可能に固定されている。フランジ部113A、113Bの間には、左右方向に隙間が形成されている。
【0045】
伝達軸112において、フランジ部113Bの右側には、伝達ギヤ134が一体回転可能に固定されている。
【0046】
図3に示すように、駆動源M1は周知の電動モータであり、ハウジング2内において、再搬送部本体55の左側面55Lに対して、左側に離間して配設されている。駆動源M1の左右方向を向く出力軸には、伝達ギヤ131が一体回転可能に固定されている。伝達ギヤ131は、伝達ギヤ134に対して後方に位置している。伝達ギヤ131と、伝達ギヤ134との間には、伝達ギヤ132、133が介在している。
【0047】
図3及び図4等に示すように、再搬送部本体55の左側面55Lと、伝達ギヤ131〜134との間には、作用部110が設けられている。作用部110は、中間部110Aと、入力部110Bと、出力部110Cとを有する。
【0048】
中間部110Aは、上下方向に延びる円筒形状とされている。中間部110Aは、駆動軸53Sに直交する方向である上下方向に延びる第1揺動軸X1周りに揺動可能に図示しないフレーム部材に支持されている。入力部110Bは、中間部110Aから後方に向けて細長い板状に延びている。出力部110Cは、中間部110Aから前方に向けて細長い板状に延びている。また、出力部110Cは、下方に向けてクランク状に屈曲している。
【0049】
図1に示すように、左右方向から見た場合、中間部110A及び入力部110Bは、シートカセット21と重なる位置に設けられている。また、中間部110Aは、伝達軸112に対して後方に位置し、入力部111Bは、伝達軸112に対して中間部111Aよりもさらに後方に位置している。その一方、出力部110Cの前端側は、伝達軸112と重なる位置まで延びている。
【0050】
図3に示すように、上方から見下ろした場合、入力部110Bの後端側は、シートカセット21に接近するように、中間部110Aに対して右側にずれている。その一方、出力部110Cの前端側は、中間部110Aに対してほぼ前方に延びて、フランジ部113A、113Bに左右方向から挟まれている。
【0051】
図3及び図4に示すように、出力部110Cの前端側には、貫通穴110Dが形成されている。貫通穴110Dには、伝達軸112が挿通されている。
【0052】
図3に示すように、入力部110Bと、図示しない内部フレームとの間には、圧縮コイルバネである付勢部材119が設けられている。付勢部材119は、入力部110Bを右方に変位させるように付勢する付勢力F1を発揮する。
【0053】
カセット収容空間2Aにシートカセット21が装着されている場合、付勢部材119の付勢力F1により、入力部110Bの後端は、シートカセット21の左側面21Lに押し付けられた状態で保持される。この場合、出力部110Cの前端側は、右側のフランジ部113Aに当接して、伝達軸112を右方に変位させた状態に保持するようになっている。この状態では、連結部111Aと被連結部111Bとが接近し、連結部111Aの凸部が被連結部111Bの凹部に嵌合する。その結果、伝達軸112と駆動軸53Sとは、連結部111Aと被連結部111Bとを介して一体回転可能となる。
【0054】
その一方、図5に示すように、カセット収容空間2Aからシートカセット21が取り外された場合、付勢部材119の付勢力F1により、作用部110が第1揺動軸X1周りに揺動し、入力部110Bの後端が図3に示す位置から右方に変位する。この場合、出力部110Cの前端側は、左方に変位し、左側のフランジ部113Bに当接して、伝達軸112を左方に変位させた状態に保持するようになっている。この状態では、連結部111Aと被連結部111Bとが離間して、伝達軸112と駆動軸53Sとが無関係に回転可能となる。
【0055】
また、図3に示すように、取り外された状態のシートカセット21がカセット収容空間2Aに装着される場合、入力部110Bの後端は、シートカセット21の左側面21Lに当接して、付勢部材119の付勢力F1に抗しつつ左方に変位し、シートカセット21の左側面21Lに押し付けられた状態で保持される。これにより、連結部111Aと被連結部111Bとが嵌合し、伝達軸112と駆動軸53Sとが一体回転可能な状態に復帰する。
【0056】
再搬送部本体55内には、駆動軸53Sの回転を駆動軸51S、52Sに伝達して、駆動軸51S、52S、53を同期回転させる回転伝達部59が設けられている。回転伝達部59は、例えば、駆動軸51S、52S、53に一体回転可能に固定されたプーリーと、それらに巻き掛けられたベルトからなる構成等を採用できる。
【0057】
図1及び図3に示すように、駆動ローラ51A、52A、53Aはそれぞれ、駆動軸51S、52S、53Sに一体回転可能に固定されている。図3に示すように、駆動ローラ51A、52A、53Aは、再搬送部本体55の左端面55L側に偏っている。また、図1に示すように、駆動ローラ51A、52A、53Aの外周面の最上部は、再搬送部本体55の上面に対してわずかに上方に露出している。このような構成により、駆動ローラ51A、52A、53Aは、再搬送部本体55上を通過するシート99の左端縁側に対して下方から当接可能となっている。
【0058】
図1及び図3に簡略して図示するが、ニップローラ支持部56は、再搬送部本体55の左端面55Lから上方に衝立状に突出し、さらに、再搬送部本体55の上面に対して上方に離間しつつ、再搬送部本体55の右方に向かって延びて、駆動ローラ51A、52A、53Aを上方から覆っている。つまり、再搬送部本体55の上面は、左端面55Lから駆動ローラ51A、52A、53A近傍までニップローラ支持部56に覆われるが、それ以外の範囲は、ニップローラ支持部56には覆われていない。このため、図2に示すように、カセット収容空間2Aからシートカセット21が取り外された場合、再搬送部本体55の上面のニップローラ支持部56には覆われていない領域がカセット収容空間2Aに露出することになる。
【0059】
ニップローラ51B、52B、53Bは、ニップローラ支持部56に回転可能に支持されている。ニップローラ51B、52B、53Bはそれぞれ、駆動ローラ51A、52A、53Aに対して上方から当接している。また、ニップローラ51B、52B、53Bは、図示しない付勢バネにより、駆動ローラ51A、52A、53Aに押圧されている。ニップローラ51B、52B、53Bの左端側は、駆動ローラ51A、52A、53Aの左端側に対して前方にずれている。このような構成により、ニップローラ51B、52B、53Bは、駆動ローラ51A、52A、53Aに対して斜行した状態で従動回転する。
【0060】
伝達ギヤ131から駆動軸51S〜53Sまでが、駆動ローラ51A〜53Aに駆動源M1の駆動力を伝達する伝達経路である。そして、伝達経路を形成する伝達ギヤ131〜134、伝達軸112、連結部111A、被連結部111B、駆動軸53S、回転伝達部59及び駆動軸51S、52Sと、伝達経路を接続状態と遮断状態とに切り替える作用部110及び付勢部材119とにより、駆動連結機構100が構成されている。
【0061】
シート99が再搬送されて再搬送部50に到達すると、そのシート99は、一方の面99Aを上方に向けた状態で、駆動ローラ51A、52A、53Aとニップローラ51B、52B、53Bとによりニップされる。ここで、入力部110Bの後端側がシートカセット21の左側面21Lに当接した状態で保持されていることにより、出力部110Cの前端側が伝達軸112を右方に変位させ、連結部111Aを被連結部111Bに嵌合させている。このため、伝達ギヤ131から駆動軸51S〜53Sまでの伝達経路が接続状態となっている。
【0062】
そうすると、駆動源M1の駆動力は、駆動ローラ51A、52A、53Aに伝達されて、駆動ローラ51A、52A、53Aが同期回転する。その結果、駆動ローラ51A、52A、53Aとニップローラ51B、52B、53Bとによりニップされたシート99は、再搬送部50の上面を摺接しながら再搬送経路P2に沿って搬送される。この際、斜行するニップローラ51B、52B、53Bにより、シート99が左側に寄せられ、シート99の左端縁が図示しないガイドに当接してシートの左右方向の位置決めがなされる。
【0063】
その後、再搬送されるシート99は、第2再搬送ガイド21G及び給紙部20を経由して、画像形成部10に再搬送される。この際、シート99は、略U字状に転向することにより、一方の面99Aとは反対側の面を上方に向いて画像形成部10を通過するので、一方の面99Aとは反対側の面に画像が形成される。こうして、両面に画像が形成されたシート99は、排出ローラ41、42により排出トレイ2Cに排出される。
【0064】
<作用効果>
実施例1のプリンタ1では、シート99の両面に画像形成を行う場合において、再搬送経路P2に沿って搬送されるシート99が再搬送部50で詰まることがある。この場合、詰まったシート99を除去するため、シートカセット21をカセット収容空間2Aから取り外して、再搬送部部本体50がカセット収容空間2Aに露出する状態とする。そして、カセット収容空間2Aに手を差し入れて、再搬送部部本体50上のシート99をつまんで引っ張ることにより、シート99を除去できる。
【0065】
ここで、図5に示すように、シートカセット21がカセット収容空間2Aから取り外された場合、入力部110Bの後端側がシートカセット21の左側面21Lから離間し、付勢部材119の付勢力F1により右方に変位する。このため、出力部110Cの前端側が伝達軸112を左方に変位させ、連結部111Aと被連結部111Bとを離間させるので、伝達ギヤ131から駆動軸51S〜53Sまでの伝達経路が伝達軸112と駆動軸53Sとの間で遮断状態となる。その結果、伝達軸112と駆動軸53Sとは、無関係に回転可能となる。
【0066】
このため、シート99が駆動ローラ51A〜53A及びピンチローラ51B〜53Bにニップされていても、駆動ローラ51A〜53Aが駆動源M1とは関係なく自由に回転できる。これにより、詰まったシート99を引っ張っても、シート99に負荷がかかり難い。その結果、再搬送部50で詰まったシート99を取り除き易くなり、また、そのシート99が破れ難くなる。
【0067】
したがって、実施例1のプリンタ1は、再搬送部50で詰まったシート99の除去作業を容易に実施できる。
【0068】
また、このプリンタ1において、入力部110Bの後端側がカセット収容空間2Aに装着されるシートカセット21の左側面21Lに当接して左方に変位した状態では、付勢部材119の付勢力F1により、入力部110Bの後端側が左側面21Lに押し付けられて作用部110の揺動が固定される。その結果、伝達経路が接続状態に確実に保持される。その一方、入力部110Bの後端側がカセット収容空間2Aから取り外されるシートカセット21の左側面21Lから離間して右方に変位した状態では、付勢部材119の付勢力F1により、出力部110Cの前端側がフランジ部113Bに押し付けられて、作用部110の揺動が固定される。その結果、伝達経路が遮断状態に確実に保持される。こうして、このプリンタ1は、付勢部材119を設けることによって、伝達経路の接続状態と遮断状態とを確実に保持することができる。
【0069】
さらに、このプリンタ1において、駆動ローラ53Aは、再搬送されるシート99の左端縁側に向かって延びて、再搬送部本体55の左側面55Lから左側に突出する駆動軸53Sを有する。そして、駆動連結機構100は、再搬送部本体55の左側面55Lより左側に配置されて、駆動軸53Sに連結されている。この構成により、このプリンタ1は、ハウジング2の中央付近に駆動連結機構を設ける場合等と比較して、駆動連結機構100が他の部材の邪魔になり難い。
【0070】
また、このプリンタ1によれば、作用部110の第1揺動軸X1周りの揺動により、連結部111Aが駆動軸53Sと平行な方向である左右方向に往復動作し、伝達経路が接続状態と遮断状態とに切り替わる。これにより、駆動連結機構100は、駆動ローラ51A〜53A以外の部材にも駆動源M1からの駆動力を分配し易くなる。具体的には、伝達ギヤ131〜134のいずれかに噛み合って、別の部材に駆動源M1の駆動力を分配可能な伝達ギヤを設けることができる。この場合、伝達経路が接続状態と遮断状態とに切り替わることにより、駆動ローラ51A〜53Bと同時に、又は駆動ローラ51A〜53Bとは無関係に、駆動源M1の駆動力を別の部材に分配できる。その結果、このプリンタ1は、駆動力分配の設計自由度が向上する。
【0071】
さらに、このプリンタ1において、被連結部111B及び連結部111Aがカップリングであるので、簡素化や部品の形状の単純化を実現でき、ひいては、製造コストの低廉化を実現できる。
【0072】
また、このプリンタ1によれば、作用部110が駆動軸53Sに直交する方向である上下方向に延びる第1揺動軸X1周りに揺動することにより、連結部111Aを駆動軸53Sと平行な方向に往復動作させ易い。
【0073】
(実施例2)
実施例2のプリンタは、実施例1のプリンタ1における駆動連結機構100の代わりに、図6〜図8に示す駆動連結機構200を採用している。実施例2のその他の構成は、実施例1と同一である。このため、実施例1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0074】
図6及び図7に示すように、駆動軸53Sの左端には、伝達ギヤ234が一体回転可能に固定されている。駆動源M1の出力軸に一体回転可能に固定された伝達ギヤ231は、伝達ギヤ234に対して後方に位置している。伝達ギヤ231と、伝達ギヤ234との間には、伝達ギヤ232、233が介在している。伝達ギヤ232は、駆動軸53Sと平行な回転軸212周りに回転可能とされている。伝達ギヤ233も、駆動軸53Sと平行な回転軸周りに回転可能とされている。図6に示すように、伝達ギヤ232、233は、駆動軸53Sと垂直な面S1に沿って並んで、伝達ギヤ234と駆動源M1側の伝達ギヤ231とに噛み合っている。伝達ギヤ234は、本発明の「第1ギヤ」の一例である。伝達ギヤ232は、本発明の「中間ギヤ」の一例である。
【0075】
再搬送部本体55の左側面55Lと、伝達ギヤ231〜234との間には、作用部210が設けられている。作用部210は、本体部210Aと、入力部210Bとを有する。
【0076】
本体部210Aは、前後方向に長く延びる柱状体である。本体部210Aの前端側は、駆動軸53Sと平行な方向である左右方向に延びる第2揺動軸X2周りに揺動可能に図示しないフレーム部材に支持されている。その一方、本体部210Aの後端側は、回転軸212の右端を支持している。すなわち、回転軸212及び伝達ギヤ231は、図7及び図8に示すように、第2揺動軸X2周りに揺動可能に本体部210Aに支持されている。
【0077】
入力部210Bは、本体部210Aの上面における前後方向の中間部から突出して、上側かつ右側に延在した後、屈曲して後方に向けて上り傾斜で延在している。
【0078】
図7に示すように、左右方向から見た場合、第2揺動軸X2及び本体部210Aは、伝達ギヤ231、233、234に対して上方に位置している。そして、入力部210Bは、本体部210Aから上方のシートカセット21に向かって延びている。
【0079】
図6に示すように、上方から見下ろした場合、入力部210Bの上端側は、シートカセット21の左側面21Lよりも右側に位置している。
【0080】
図6及び図7に示すように、入力部210Bにおける上下方向の中間部と、図示しない内部フレームとの間には、引っ張りコイルバネである付勢部材219が設けられている。付勢部材219は、入力部210Bの上端を上方に変位させるように付勢する付勢力F2を発揮する。
【0081】
カセット収容空間2Aにシートカセット21が装着されている場合、付勢部材219の付勢力F2により、入力部210Bの上端は、シートカセット21の下面に押し付けられた状態で保持される。この場合、作用部210が第2揺動軸X2周りに揺動し、本体部210Aの後端側が下方に変位する。そうすると、回転軸212に支持された伝達ギヤ232が駆動軸53Sと垂直な面S1に沿って下方に変位し、伝達ギヤ231、233に噛み合った状態に保持される。この状態では、駆動源M1の駆動力が伝達ギヤ231〜234を介して駆動軸53Sに伝達される。
【0082】
その一方、図8に示すように、カセット収容空間2Aからシートカセット21が取り外された場合、付勢部材219の付勢力F2により、入力部210Bの上端は、図7に示す位置から上方に変位する。この場合、作用部210が第2揺動軸X2周りに逆方向に揺動し、本体部210Aの後端側が上方に変位する。そうすると、回転軸212に支持された伝達ギヤ232が駆動軸53Sと垂直な面S1に沿って上方に変位し、伝達ギヤ231、233から離間した状態に保持される。この状態では、駆動源M1の駆動力は、伝達ギヤ231と伝達ギヤ234との間で伝達されなくなる。
【0083】
また、取り外された状態のシートカセット21がカセット収容空間2Aに装着される場合、入力部210Bの上端は、シートカセット21の下面に当接して、付勢部材219の付勢力F2に抗しつつ下方に変位する。その結果、図7に示すように、伝達ギヤ232が伝達ギヤ231、233に噛み合った状態に復帰する。
【0084】
伝達ギヤ231から駆動軸51S〜53Sまでが、駆動ローラ51A〜53Aに駆動源M1の駆動力を伝達する伝達経路である。そして、伝達経路を形成する伝達ギヤ231〜234、駆動軸53S、回転伝達部59及び駆動軸51S、52Sと、伝達経路を接続状態と遮断状態とに切り替える作用部210及び付勢部材219とにより、駆動連結機構200が構成されている。
【0085】
このような構成である実施例2のプリンタも、実施例1のプリンタ1と同様の作用効果を奏することができる。
【0086】
また、このプリンタによれば、伝達ギヤ232が駆動軸53Sと垂直な面S1に沿って移動することにより、左右方向に往復動する連結部111を採用する実施例1のプリンタ1と比較して、装置幅方向において小型化できる。
【0087】
また、このプリンタによれば、作用部210が駆動軸53Sと平行な方向である左右方向に延びる第2揺動軸X2周りに揺動することにより、伝達ギヤ232を駆動軸53Sと垂直な面S1に沿って往復動作させ易い。
【0088】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0089】
実施例1では、連結部111A及び被連結部111Bが同軸に配設されていたが、この構成に限定されない。例えば、連結部及び被連結部が平歯車等であって、連結部の回転軸が駆動軸及び被連結部に対してずれている構成も本発明に含まれる。
【0090】
また、被連結部がクラウンギヤであり、連結部が駆動軸と直交する方向である前後方向に延びる回転軸に一体回転可能に固定されたピニオンギヤであり、回転軸が前後に往復動することでクラウンギヤとピニオンギヤとが噛合又は離間する構成も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は画像形成装置又は複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0092】
1…画像形成装置(プリンタ)
2A…カセット収容空間
99…シート
21…シートカセット
10…画像形成部
99A…シートの一方の面
50…再搬送部
M1…駆動源
51A、52A、53A…駆動ローラ
51B、52B、53B…ピンチローラ
…伝達経路
100、200…駆動連結機構
110、210…作用部
119、219…付勢部材
51S、52S、53S…駆動軸
111B…被連結部(カップリング)
111A…連結部(カップリング)
X1…第1揺動軸
234…第1ギヤ
259…駆動軸と平行な回転軸
S1…駆動軸と垂直な面
232、233…中間ギヤ
X2…第2揺動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カセット収容空間を有する装置本体と、
シートを収容し、前記カセット収容空間に対して着脱可能なシートカセットと、
前記装置本体内に設けられ、前記シートカセットから搬送される前記シートに画像を形成する画像形成部と、
前記装置本体内に設けられ、前記画像形成部により一方の面に画像が形成された前記シートの表裏を反転させた状態で、前記シートを前記画像形成部に再搬送する再搬送部と、
前記装置本体内に設けられ、前記再搬送部に駆動力を供給する駆動源とを備え、
前記再搬送部は、前記カセット収容空間に装着された前記シートカセットの下部に配置され、前記シートカセットが前記カセット収容空間から取り外されることにより前記カセット収容空間内に露出するように構成されている画像形成装置であって、
前記再搬送部は、互いに接触しつつ回転して、表裏を反転された前記シートをニップしながら搬送する駆動ローラ及びピンチローラを有し、
前記駆動源と前記駆動ローラとの間には、前記駆動源から前記駆動ローラに駆動力を伝達する伝達経路を有する駆動連結機構が設けられ、
前記駆動連結機構は、前記シートカセットの前記カセット収容空間に対する装着動作に伴って変位して前記伝達経路を接続状態とする一方、前記シートカセットの前記カセット収容空間に対する取り外し動作に伴って変位して前記伝達経路を遮断状態とする作用部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動連結機構は、前記伝達経路を遮断状態に保持する付勢力を発揮する付勢部材を有し、
前記作用部は、前記カセット収容空間に装着される前記シートカセットに当接し、前記付勢力に抗しつつ変位することにより、前記伝達経路を接続状態に保持する一方、前記カセット収容空間から取り外される前記シートカセットから離間し、前記付勢力に付勢されて変位することにより、前記伝達経路を遮断状態に保持するように構成されている請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動ローラは、再搬送される前記シートの幅方向の一端縁側に向かって延びる駆動軸を有し、
前記駆動連結機構は、前記一端縁側に配置されて、前記駆動軸に連結されている請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記駆動連結機構は、前記駆動軸の前記一端縁側に固定されて前記駆動軸と一体回転する被連結部と、前記駆動軸と平行な方向から前記被連結部に対向し、前記作用部の変位により前記駆動軸と平行な方向に往復動作する連結部とを有し、
前記被連結部及び前記連結部により、前記伝達経路の一部が構成され、
前記作用部は、前記連結部を前記被連結部に連結させることにより、前記伝達経路を接続状態とする一方、前記連結部を前記被連結部から離間させることにより、前記伝達経路を遮断状態とするように構成されている請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記被連結部及び前記連結部は同軸に配置され、前記往復動作により、嵌合又は離間するカップリングである請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記作用部は、前記駆動軸に直交する方向に延びる第1揺動軸周りに揺動可能に前記装置本体に支持され、前記装着動作又は前記取り外し動作の際、前記シートカセットに当接又は離間して前記第1揺動軸周りに揺動することにより、前記連結部を前記駆動軸と平行な方向に往復動作させる請求項4又は5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記駆動連結機構は、前記駆動軸の前記一端縁側に固定されて前記駆動軸と一体回転する第1ギヤと、前記駆動軸と平行な回転軸周りに回転可能とされ、前記駆動軸と垂直な面に沿って前記第1ギヤと前記駆動源とに連結される少なくとも1個の中間ギヤとを有し、
前記第1ギヤ及び前記中間ギヤにより、前記伝達経路の一部が構成され、
前記作用部は、前記中間ギヤを前記駆動軸と垂直な面に沿って往復動作させて前記第1ギヤ又は他の前記中間ギヤと噛み合わせ、又は離間させることにより、前記伝達経路を接続状態又は遮断状態とするように構成されている請求項3記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記作用部は、前記駆動軸と平行な方向に延びる第2揺動軸周りに揺動可能に前記装置本体に支持され、前記装着動作又は前記取り外し動作の際、前記シートカセットに当接又は離間して前記第2揺動軸周りに揺動することにより、前記中間ギヤを前記駆動軸と垂直な面に沿って往復動作させる請求項4又は5記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−76805(P2013−76805A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216046(P2011−216046)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】