説明

画像形成装置

【課題】ベルトユニットの下方に感光ドラムを設けても、感光ドラムをベルトに対して安定して接触させることができる、画像形成装置を提供する。
【解決手段】板ばね66は、プロセスユニット17が内側位置にあるときに、プロセスカートリッジ31におけるプロセスユニット17のユニット開口部84から露出した部分を上方に押圧する。これにより、プロセスカートリッジ31が全体的に上方に押し上げられ、プロセスカートリッジ31に保持された感光ドラム32をベルトユニット15の中間転写ベルト22に接触させることができる。また、プロセスカートリッジ31にユニット開口部84が設けられているので、簡素な構成でプロセスカートリッジ31に対する板ばね66の押圧を達成することができ、かつ、板ばね66からの押圧力を、プロセスカートリッジ31に対して効率よく伝達することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーレーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラーレーザプリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光ドラムを並列に配置した、タンデム型のカラーレーザプリンタが知られている。
【0003】
このようなタンデム型のカラーレーザプリンタとして、無端状のベルトを有するベルトユニットの上方に、複数の感光ドラムが並列に配置され、各感光ドラムがベルトに対して上方から接触する構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
この提案に係る構成では、各感光ドラムを保持するプロセスカートリッジは、カートリッジトレイに着脱可能に装着される。そして、カートリッジトレイは、装置本体に設けられたドアが開放された状態で、装置本体内に挿入され、ベルトの上方に配置される。その後、ドアが閉止されると、その閉止動作に連動して、各プロセスカートリッジの上方に設けられた押圧部材が回動し、各プロセスカートリッジの上端部を上方から下方へ押圧する。これにより、各プロセスカートリッジが全体的に下方へ押し下げられ、感光ドラムがベルトに接触するとともに、各感光ドラムのベルトや画像形成装置本体に対する位置決めが達成される。
【0005】
一方、タンデム型のカラーレーザプリンタとしては、無端状の中間転写ベルトを有するベルトユニットの下方に、感光ドラムが配置され、感光ドラムが中間転写ベルトに対して下方から接触する構成が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。
【0006】
この提案に係る構成では、感光ドラムを保持する複数のプロセスカートリッジが、ベルトユニットの下方に配置されている。感光ドラムの周面の一部は、プロセスカートリッジから上方に露出している。これにより、感光ドラムがベルトユニットの中間転写ベルトに対して下方から接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−92914号公報
【特許文献2】特開2010−244071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載されるように、感光ドラムがベルトに対して相対的に下側に配置されていると、特許文献1に記載されるように、プロセスカートリッジをベルトや画像形成装置本体に設けられた位置決め部に対して押圧して位置決めしようとすると、プロセスカートリッジを重力に抗して押し上げる必要がある。
【0009】
そのため、鉛直方向において、押圧部材がプロセスカートリッジを押圧する点とベルト等とが離れていると、ベルトに対する感光ドラムの接触および位置決めが不安定となるおそれがある。具体的には、画像形成時の振動やベルトとの摺擦などの外的要因によって、ベルトに対する感光ドラムの接触および位置決め状態が不安定となり、画像の乱れを生じるおそれがある。
【0010】
本発明の目的は、ベルトユニットの下方に感光ドラムを設けても、感光ドラムをベルトや画像形成装置本体に設けられた位置決め部等に対して安定して接触させることができる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、装置本体と、保持部材と、無端状のベルトを有するベルトユニットと、保持部材に対して上下動可能に保持部材に保持される複数のドラムユニットと、装置本体内に設けられた複数の押圧部材とを備える。
【0012】
ベルトユニットは、装置本体内に設けられる。また、保持部材は、装置本体内の内側位置と、装置本体外の外側位置とに移動可能に設けられる。また、複数のドラムユニットは、略水平方向に並列配置される。
【0013】
また、保持部材には、第1開口部が形成されている。第1開口部は、略水平方向に延び、感光ドラムの軸線方向における各ドラムユニットの少なくとも両端部を露出させる。そして、押圧部材は、保持部材が内側位置にあるときに、ドラムユニットにおける第1開口部から露出した部分を上方に押圧して、感光ドラムをベルトユニットに対して接触させる。
【0014】
(2)また、画像形成装置は、複数の押圧部材を連結する連結部材をさらに備えていてもよい。この場合、連結部材は、各押圧部材が各ドラムユニットを押圧する押圧位置と、各押圧部材の各ドラムユニットに対する押圧を解除する退避位置とに移動可能に設けられる。
【0015】
(3)また、装置本体内には、本体側基部が連結部材と対向するように設けられていてもよい。この場合、連結部材は、ジョイント部材により、本体側基部に対して揺動可能に連結される。
【0016】
(4)また、ジョイント部材は、各押圧部材に対応して複数設けられていてもよい。
【0017】
(5)また、装置本体は、装置本体の内外を連通する第2開口部と、第2開口部を開放する開放位置と第2開口部を閉鎖する閉鎖位置とに揺動可能な開閉部材と、開閉部材の開放位置から閉鎖位置への揺動に連動して、連結部材を退避位置から押圧位置へ移動させる連動部材とを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
(1)本発明の画像形成装置によれば、押圧部材は、保持部材が内側位置にあるときに、ドラムユニットにおける保持部材の第1開口部から露出した部分を上方に押圧する。これにより、ドラムユニットが全体的に上方に押し上げられ、ドラムユニットに保持された感光ドラムをベルトユニットのベルトに接触させることができる。
【0019】
また、保持部材に第1開口部が設けられているので、簡素な構成でドラムユニットに対する押圧部材の押圧を達成することができ、かつ、押圧部材からの押圧力を、ドラムユニットに対して効率よく伝達することができる。
【0020】
その結果、ベルトユニットの下方に感光ドラムが設けられる構成において、感光ドラムをベルトに対して安定して接触させることができる。
【0021】
(2)また、複数の押圧部材を連結する連結部材と、連結部材を押圧位置と退避位置とに移動させるように構成されたリンク機構とを備えていると、各押圧部材を一括して移動させることができる。
【0022】
(3)また、リンク機構が連結部材と対向するように設けられた本体側基部と、連結部材を本体側基部に対して揺動可能に連結するジョイント部材とを備えていると、簡素な構成で連結部材を押圧位置と退避位置との間で移動させることができる。
【0023】
(4)また、ジョイント部材が各押圧部材に対応して複数設けられていると、各感光ドラムの近傍でリンク部材が撓むことを確実に防止できるので、連結部材が押圧位置に配置されたときに、押圧部材により、ドラムユニットを確実に押圧することができる。
【0024】
(5)また、開閉部材の開放位置から閉鎖位置への揺動に連動して、連結部材を退避位置から押圧位置へ移動させる連動部材が備えられていると、開閉部材を閉鎖位置に移動させるという簡易な動作により、連結部材を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るカラープリンタの側断面図である。
【図2】図2は、図1に示すカラープリンタのA−A断面図である。
【図3】図3は、図1に示すカラープリンタのリンク機構を説明するための側断面図である。
【図4】図4は、図1に示すプロセスユニットの側断面図である。
【図5】図5は、図4に示すプロセスユニットの正面図である。
【図6】図6は、プロセスカートリッジの着脱動作を説明するための側断面図である。
【図7】図7は、プロセスユニットの収容動作を説明するための側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
1.カラープリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、横置きタイプの中間転写型カラープリンタである。
【0027】
カラープリンタ1は、装置本体としての本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2内には、画像形成部3と、画像形成部3に用紙Pを給紙するための給紙部4とが備えられている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、側面視略矩形状のボックス形状に形成されている。また、本体ケーシング2は、画像形成部3を保持する内側ケーシング51を有している。本体ケーシング2の一方側壁には、本体ケーシング2の内外を連通する本体開口部6が形成されている。また、本体ケーシング2の一方側壁には、開閉部材の一例としてのフロントカバー5が設けられている。フロントカバー5は、下端部を支点として、上端部が本体ケーシング2から離間して、本体開口部6を開放する開放位置と、上端部が本体ケーシング2に接触して本体開口部6を閉鎖する閉鎖位置とに揺動可能に設けられている。
【0028】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられている側(図1における左側)をカラープリンタ1の前側(正面側)とし、その反対側(図1における右側)を後側(背面側)とする。また、カラープリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部4は、用紙Pを収容する給紙トレイ7を備えている。
【0029】
給紙トレイ7は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。また、本体ケーシング2内には、給紙トレイ7の後端部から画像形成部3(後述するベルトユニット15と2次転写ローラ24との間)に向けて延びる給紙パス8が形成されている。
【0030】
給紙トレイ7に収容されている用紙Pは、各種ローラにより1枚ずつに捌かれた後、給紙パス8に送られる。そして、給紙パス8に沿って案内されつつ、画像形成部3に送られる。
(3)画像形成部
画像形成部3は、給紙部4の上方に配置されており、保持部材の一例としてのプロセスユニット17、ベルトユニット15および定着ユニット16を備えている。
(3−1)プロセスユニット
プロセスユニット17は、本体ケーシング2内において、ベルトユニット15の下方、かつ、給紙部4の上方において区画される収容領域30に配置される。
【0031】
プロセスユニット17は、各色に対応するドラムユニットの一例としての4つのプロセスカートリッジ31を保持している。そして、プロセスユニット17は、収容領域30に配置される内側位置(図1および図7参照)と、フロントカバー5が開放位置にあるときに、本体ケーシング2外に引き出される外側位置(図6参照)とに、前後方向に沿ってスライド移動可能に設けられている。
【0032】
各プロセスカートリッジ31は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、ブラックのプロセスカートリッジ31K、イエローのプロセスカートリッジ31Y、マゼンタのプロセスカートリッジ31Mおよびシアンのプロセスカートリッジ31Cが、前側から後側に向かって順次配置されている。
【0033】
また、各プロセスカートリッジ31は、感光ドラム32、スコロトロン型帯電器33、現像ユニット34を備えている。
【0034】
感光ドラム32は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、プロセスカートリッジ31に回転可能に支持されている。
【0035】
スコロトロン型帯電器33は、対応する感光ドラム32の後下側に、感光ドラム32と間隔を隔てて対向配置されている。
【0036】
現像ユニット34は、対応する感光ドラム32の前下側に配置されている。また、現像ユニット34は、現像ローラ36を備えている。
【0037】
現像ローラ36は、現像ユニット34の上端において、上側(後上側)から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム32に対して下側から接触されている。
【0038】
なお、現像ユニット34は、現像ローラ36にトナーを供給する供給ローラ37、現像ローラ36に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード38を備えている。また、現像ユニット34は、供給ローラ37の下側において、各色に対応するトナーを収容するトナー収容部39を備えている。
【0039】
また、プロセスユニット17には、4つのLEDユニット35が各プロセスカートリッジ31に対応して設けられている。
【0040】
LEDユニット35は、対応する現像ユニット34の後側において、対応する感光ドラム32に下方から対向するように設けられている。LEDユニット35は、画像データに基づいて、対応する感光ドラム32の表面を露光する。
【0041】
詳しくは、各LEDユニット35は、図2に示すように、LEDアレイ収容部46と、LEDアレイ45とを備えている。
【0042】
LEDアレイ収容部46は、左右方向に長手の有底略矩形枠形状に形成されている。
【0043】
LEDアレイ45は、左右方向に延びる略杆形状に形成され、左右方向に並列配置される多数のLEDを一体的に保持している。LEDアレイ45は、その下端部において、LEDアレイ収容部46の上端部に相対移動可能に収容され、LEDアレイ収容部46の底壁とLEDアレイ45との間に介在される左右1対の圧縮ばね47により、LEDアレイ収容部46の底壁に弾性的に支持されている。
【0044】
また、LEDアレイ45の左右方向両端部には、LEDアレイ45を感光ドラム32に対して位置決めするLED位置決め部材48が設けられている。
【0045】
LED位置決め部材48は、側面視略矩形平板状に形成され、LEDアレイ45の左右方向両端縁において、上側に向かってわずかに突出するように設けられている。LED位置決め部材48は、圧縮ばね47の付勢力によって、カートリッジフレーム91(後述)の後側開口部を介して、感光ドラム32に下側から当接されている。これにより、LED位置決め部材48は、後述するように感光ドラム32が上下方向に移動しても、LEDアレイ45を感光ドラム32に対して常に一定間隔(LED位置決め部材48の突出長さに相当する間隔)を隔てて対向するように位置決めしている。
(3−2)ベルトユニット
ベルトユニット15は、図1に示すように、本体ケーシング2内の最上方に配置されている。
【0046】
ベルトユニット15は、駆動ローラ20、従動ローラ21、ベルトの一例としての中間転写ベルト22および4つの一次転写ローラ23を備えている。
【0047】
駆動ローラ20および従動ローラ21は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0048】
中間転写ベルト22は、無端状のベルトであり、駆動ローラ20と従動ローラ21との間に張架されている。また、中間転写ベルト22は、駆動ローラ20の駆動により、その下側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動される。
【0049】
各一次転写ローラ23は、前後方向に沿って互いに間隔を隔てて並列配置され、各感光ドラム32と、それぞれ中間転写ベルト22の下側部分を挟んで対向するように設けられている。
【0050】
また、ベルトユニット15の後方には、二次転写ローラ24が設けられている。
【0051】
二次転写ローラ24は、ベルトユニット15の駆動ローラ20と、中間転写ベルト22を挟んで対向するように配置されている。
(3−2)定着ユニット
定着ユニット16は、二次転写ローラ24の上方に配置され、加熱ローラ25および加熱ローラ25に対向する加圧ローラ26を備えている。
(3−4)画像形成動作
(3−4−1)現像動作
現像ユニット34内のトナーは、供給ローラ37に供給され、さらに、供給ローラ37から現像ローラ36に供給される。
【0052】
現像ローラ36に供給されたトナーは、現像ローラ36の回転に伴なって、層厚規制ブレード38によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ36の表面に担持される。また、現像ローラ36に供給されたトナーは、層厚規制ブレード38と現像ローラ36との間で正極性に摩擦帯電される。
【0053】
一方、感光ドラム32の表面は、感光ドラム32の回転に伴なって、スコロトロン型帯電器33により一様に正帯電された後、LEDユニット35により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム32の表面に形成される。
【0054】
感光ドラム32がさらに回転すると、現像ローラ36の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム32の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム32の静電潜像が可視像化され、感光ドラム32の表面に、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−4−2)転写・定着動作
各感光ドラム32の表面に反転現像により担持された各色のトナー像は、前側から後側へ移動される中間転写ベルト22の下側部分に順次、一次転写される。これにより、中間転写ベルト22にカラー画像が形成される。
【0055】
中間転写ベルト22の周回移動に伴なって、カラー画像が中間転写ベルト22と二次転写ローラ24との対向部分に到達すると、そのカラー画像の移動にタイミングを合わせて、給紙部4から中間転写ベルト22と二次転写ローラ24との対向部分に用紙Pが供給される。そして、中間転写ベルト22がさらに周回移動することにより、中間転写ベルト22から用紙Pにカラー画像が二次転写される。
【0056】
そして、用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット16において、用紙Pが加熱ローラ25と加圧ローラ26との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって、用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
定着ユニット16においてトナー像が定着された用紙Pは、本体ケーシング2の上部に設けられている排紙ローラ40によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ41上に排紙される。
2.本体ケーシング
(1)フロントカバー
フロントカバー5の内側面には、連動部材53が設けられている。連動部材53は、フロントカバー5が閉鎖位置にあるときに、フロントカバー5の下端部において、その左右方向の両端部にそれぞれ設けられ、フロントカバー5の内側面から後方に向けて突出する略三角形状に形成されている。
【0057】
具体的には、連動部材53は、フロントカバー5の内側面から後方に向かうに従って幅狭となり、その上下方向の中央部が最も後方に突出するように形成されている。すなわち、連動部材53の後端面は、その上下方向の中央部を頂点として、後方に向かうに従って、上方および下方へ傾斜するカム面54をなしている。そして、連動部材53の後端面における頂部(上下方向の中央部)は、丸みを帯びた形状に形成されている。
(2)本体ケーシングの詳細
本体ケーシング2の内側には、図2に示すように、たとえば、鉄板などの剛性の高い材料からなるボックス形状の内側ケーシング51が備えられている。内側ケーシング51内には、第1フレーム55、第2フレーム56、連結部材の一例としての可動リンク部材64およびリンク機構62が備えられている。
(2−1)第1フレーム
第1フレーム55は、本体ケーシング2内の上端部において、ベルトユニット15の左右方向両側に1対設けられている。各第1フレーム55は、前後方向に延びる略矩形平板形状に形成されている。
【0058】
第1フレーム55は、各感光ドラム32の通紙領域(用紙Pが接触する領域)よりも左右方向の外側において、各感光ドラム32と上下方向において対向するように、ベルトユニット15を挟んで互いに間隔を隔てて配置され、その上端部において、内側ケーシング51の上壁に固定されている。
【0059】
また、各第1フレーム55の下端部には、各感光ドラム32に対応するように、4つのドラム位置決め溝59(図3参照)が形成されている。
【0060】
各ドラム位置決め溝59は、第1フレーム55の下端縁から上側へ向かって切り欠かれ、下側へ開放される側面視U字形状に形成され、前後方向に互いに間隔を隔てて並列に配置されている。各ドラム位置決め溝59は、感光ドラム32の左右方向両端部の上端部を受け入れる。
(2−2)第2フレーム
第2フレーム56は、内側ケーシング51の左右両側壁に沿って前後方向に延びる略平板形状に形成され、内側ケーシング51の上端部から、感光ドラム32よりも下方の位置まで延びている。
【0061】
各第2フレーム56には、プロセスユニット17のスライド移動を案内するガイド溝61が設けられている。
【0062】
ガイド溝61は、プロセスユニット17の案内部の一例としてのころ部材85(後述)を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、第2フレーム56の前後方向ほぼ全幅にわたって、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。
【0063】
また、図3に示されるように、ガイド溝61の前端部には、その下側部分が上方に膨出することにより、ころ部材85(後述)よりも上下方向に幅狭な抜け止め部60と、本体側ころ50とが設けられている。
(2−3)可動リンク部材
可動リンク部材64には、4つの押圧部材の一例としての板ばね66が備えられている。4つの板ばね66は、前後方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。
【0064】
また、板ばね66は、前後方向に延びる板状の押圧部67と、押圧部67の前後方向両端部を可動リンク部材64の上面に固定する脚部68とを一体的に備えている。これにより、押圧部67は、可動リンク部材64の上面に間隔を隔てて対向配置され、上方から力が加えられたときに、その力に抗して、上方に向けて作用する弾性的な押圧力を有する。
【0065】
また、可動リンク部材64は、後述する固定リンク部材63の上方において、本体ケーシング2内の左右方向両端部に1対設けられ、本体ケーシング2の前後方向ほぼ全幅にわたって、前後方向に延びる杆状に形成されている。
(2−4)リンク機構
リンク機構62は、図2および図3に示されるように、プロセスユニット17が収容される収容領域30の下方に設けられ、本体側基部の一例としての固定リンク部材63と、ジョイント部材65とを備えている。
【0066】
固定リンク部材63は、本体ケーシング2内の内側ケーシング51の両側壁間に架設され、本体ケーシング2の前後方向ほぼ全幅にわたって、左右方向に延びる平板形状に形成されている。
【0067】
ジョイント部材65は、各可動リンク部材64に対応して前後方向に間隔を隔てて6つ設けられている。ジョイント部材65は、側面視略楕円形状に形成され、その長手方向の一端部が固定リンク部材63に相対回転可能に連結され、他端部が可動リンク部材64に相対回転可能に連結されている。これにより、ジョイント部材65は、その長手部分が上下方向に沿って延び、固定リンク部材63に対して起立する起立姿勢(図1参照)と、起立姿勢から前側に傾倒する傾倒姿勢(図3参照)とに変位可能とされる。
【0068】
そして、各ジョイント部材65における固定リンク部材63との接続部分と、各ジョイント部材65における可動リンク部材64との接続部分とは、互いに等間隔で配置されている。これにより、可動リンク部材64は、固定リンク部材63に対して、常に平行関係を維持したまま揺動可能とされている。
【0069】
具体的には、ジョイント部材65が起立姿勢のときに、可動リンク部材64は、固定リンク部材63に対して平行を維持しつつ間隔を隔てて対向し、板ばね66がプロセスカートリッジ31のカートリッジフレーム91を押圧する押圧位置に配置される。
【0070】
ジョイント部材65が前側に傾倒していくと、固定リンク部材63に対して平行を維持したまま、可動リンク部材64が前側下方に移動し、固定リンク部材63と可動リンク部材64との間の隙間が小さくなる。
【0071】
そして、ジョイント部材65がさらに前側に傾倒し、傾倒姿勢をなすと、固定リンク部材63に対して平行を維持したまま、板ばね66がプロセスカートリッジ31のカートリッジフレーム91の押圧を解除する退避位置に配置される。これにより、可動リンク部材64およびリンク機構62は、平行リンク機構を構成している。
【0072】
また、6つのジョイント部材65は、前後方向に沿って間隔を隔てて配置されている。最も前側のジョイント部材65は、その他端部(可動リンク部材64側の端部)が可動リンク部材64の前端部に連結されている。また、最も後側のジョイント部材65は、その他端部が可動リンク部材64の後端部に連結されている。そして、その他の4つのジョイント部材65は、その他端部が可動リンク部材64における途中部において互いに間隔を隔てて連結され、板ばね66に対してその前方の近傍位置に配置されている。
【0073】
そして、最も前側のジョイント部材65の他端部(可動リンク部材64側の端部)には、左右方向外側に突出する円筒状のボス69が設けられている。ボス69は、左右方向において、フロントカバー5に設けられた連動部材53と対向可能な位置まで突出している。そして、ボス69は、対応する連動部材53のカム面54に対して後側から常に当接している。
3.プロセスユニット
プロセスユニット17は、各プロセスカートリッジ31および各LEDユニット35を一体的に保持するプロセスフレーム71を備えている。
(1)プロセスフレーム
プロセスフレーム71は、図2および図5に示されるように、有底略矩形枠形状に形成されており、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置される側板の一例としての1対のフレーム側板72と、各フレーム側板72の下端縁をそれぞれ連結するフレーム底板73と、各フレーム側板72の前端縁をそれぞれ連結するフレーム前板74と、各フレーム側板72の後端縁をそれぞれ連結するフレーム後板75とを一体的に備えている。
【0074】
各フレーム側板72は、第1側板81、第2側板82および連結板88を備えている。
【0075】
第1側板81は、前後方向および上下方向に延びる平板状に形成されている。第1側板81には、各プロセスカートリッジに保持される感光ドラム32に対応する位置に、その上端縁から側面視略U字状に切り欠かれた形状の受入部の一例としてのドラム受入溝83が形成されている(図4参照)。
【0076】
第2側板82は、第1側板81の上側部分に対して左右方向の外側から対向し、前後方向および上下方向に延びる平板状に形成されている。より具体的には、第2側板82は、第1側板81とほぼ同じ前後方向の長さで、第1側板81よりも短い上下方向の長さを有している。そして、第2側板82は、その上端縁が第1側板81の上端縁と上下方向において同一位置とされ、その下端縁が第1側板81のドラム受入溝83の下端部よりも上方に配置されている。
【0077】
また、第2側板82には、ころ部材85が設けられている。ころ部材85は、第2側板82の外側面において、後端部上側に設けられ、第2側板82から左右方向外側に延びるころ軸(図示せず)を中心に相対回転可能に設けられている。
【0078】
また、第2側板82の上端部には、左右方向外側に向けて突出するガイドリブ87が、前後方向のほぼ全幅にわたって形成されている。
【0079】
連結板88は、第2側板82の下端部および前後方向の両端部から第1側板81に向けて左右方向内側に延びる平板状に形成されており、第1側板81と第2側板82とを連結している。
【0080】
フレーム前壁74には、略U字状の把持部86が設けられている。把持部86は、U字の各遊端部がフレーム前壁74の前側面に接続され、その途中部が前方に向けて延びている。(図4参照。なお、図5において省略されている。)
また、プロセスフレーム71には、第1開口部の一例としてのユニット開口部84が形成されている。
【0081】
ユニット開口部84は、プロセスフレーム71の下端部の左右方向両端部において、前後方向の全幅にわたって矩形状に切り欠かれた形状に形成されている。より具体的には、各フレーム側板72の下端縁は、フレーム底板73よりも上方の位置に配置されている。また、フレーム底板73の左右方向両端縁は、フレーム側板72よりも左右方向内側に配置されている。そして、フレーム前板74およびフレーム後板75の下側の角部(下端部における左右方向両端部)は、フレーム側板72の下端縁およびフレーム底板73の左右方向両端縁に対応して切り欠かれた形状に形成されている。
【0082】
また、プロセスユニット17が本体ケーシング2内に収容された状態で、各ユニット開口部84には、可動リンク部材64およびリンク機構62が下方から対向する。
(2)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ31は、上方が開放されるボックス形状のカートリッジフレーム91を備え、カートリッジフレーム91内において、感光ドラム32、スコロトロン型帯電器33(図1参照)および現像ユニット34(図1参照)を備えている。
【0083】
また、カートリッジフレーム91の両側壁には、感光ドラム32と左右方向に対向する位置に、ドラム保持孔90が貫通形成されている。
【0084】
感光ドラム32は、図2に示されるように、円筒状のドラム本体92と、ドラム本体92の両端部にそれぞれ相対回転不能に嵌合されるフランジ部材93とを備えている。
【0085】
ドラム本体92は、その最表層が正帯電性の感光層により形成される。
【0086】
フランジ部材93は、ドラム本体92内に圧入される円柱状の挿入部94と、挿入部94と同一の軸線を有し、挿入部94よりも小径であり、カートリッジフレーム91のドラム保持孔90とほぼ同じ外径を有する円柱状の軸部95とを一体的に備えている。軸部95は、各カートリッジフレーム91のドラム保持孔90に相対回転可能に支持される。
【0087】
これにより、感光ドラム32は、カートリッジフレーム91から上方へ露出するように、フランジ部材93の軸部95を介して、カートリッジフレーム91に相対回転可能に保持されている。
【0088】
また、図5に示されるように、ブラックのプロセスカートリッジ31Kには、現像ユニット34の前側において、中間転写ベルト22をクリーニングするためのベルトクリーニングユニット96が一体的に保持されている。
4.プロセスユニットに対するプロセスカートリッジの装着動作
図6に示されるように、プロセスユニット17に対するプロセスカートリッジ31の装着は、プロセスユニット17が本体ケーシング2外に引き出された外側位置に配置された状態で実施される。
【0089】
このとき、フロントカバー5は、その上端部(遊端部)が本体ケーシング2から離間して前側に傾倒した開放位置に配置されている。
【0090】
また、ジョイント部材65は、傾倒姿勢をなしている。これにより、可動リンク部材64は、退避位置に配置されている。
【0091】
そして、まず、プロセスユニット17の上方に、プロセスカートリッジ31を配置する。プロセスカートリッジ31は、感光ドラム32が相対的に上側に配置され、トナー収容部39が相対的に下側に配置される姿勢をなしている。
【0092】
その後、プロセスカートリッジ31を下方に移動させる。これにより、プロセスカートリッジ31がプロセスフレーム71の両フレーム側板72間に進入する。そして、プロセスカートリッジ31をさらに下方に移動させると、感光ドラム32のフランジ部材93の軸部95が、フレーム側板72における第1側板81のドラム受入溝83に受け入れられ、ドラム受入溝83の下端部に当接する。これにより、それ以上のプロセスカートリッジ31の下方への移動が規制され、プロセスユニット17に対するプロセスカートリッジ31の装着が完了する。
【0093】
また、図2に示されるように、プロセスユニット17に対するプロセスカートリッジ31の装着が完了した状態で、フランジ部材93の軸部95は、その先端部が左右方向において、第1側板81と第2側板82との間に配置される。
【0094】
また、プロセスカートリッジ31は、プロセスフレーム71の下端部における左右方向両端部が、プロセスユニット17のユニット開口部84から下方に向けて露出している。
5.本体ケーシングに対するプロセスユニットの収容動作
プロセスユニット17が外側位置に配置されている状態では、プロセス側板72における第2側板82のころ部材85が、内側ケーシング51のガイド溝61の前端部に配置されている。
【0095】
そして、まず、プロセスユニット17の把持部86を把持して、プロセスユニット17を後方に移動させる。これにより、ころ部材85がガイド溝61に沿って後方へと案内される。また、ガイドリブ87が本体側ころ50の上で後方へと案内される。その後、ころ部材85がガイド溝61の後端部に達するまでプロセスユニット17が移動すると、それ以上のプロセスユニット17の後方への移動が規制され、プロセスユニット17の内側位置への移動が完了する。
【0096】
また、各プロセスカートリッジ31のプロセスフレーム71において、ユニット開口部84から露出した部分は、ユニット開口部84を介して、対応する板ばね66の押圧部67に対して上方から対向するように配置される。
【0097】
また、感光ドラム32のフランジ部材93は、第1フレーム55のドラム位置決め溝59に対して下方に間隔を隔てて配置されている。
6.リンク機構による押圧動作
次いで、フロントカバー5を開放位置から閉鎖位置に向けて移動(回動)させる。これにより、連動部材53のカム面54から、カム面54に当接しているボス69に対して後側上方へ向かう力が伝達され、フロントカバー5の移動に伴なって、ボス69がカム面54に沿って上方に移動する。このとき、ジョイント部材65は、ボス69が設けられている他端部(可動リンク部材64側の端部)よりも一端部(固定リンク部材63側の端部)が後側に配置されているので、一端部を中心に後側に回動し、ボス69が可動リンク部材64とともに、全体として後側上方に移動する。
【0098】
また、可動リンク部材64の後側上方への移動に伴なって、板ばね66の押圧部67が、ユニット開口部84を介して、対応するプロセスカートリッジ31のカートリッジフレーム91に当接する。そして、可動リンク部材64のさらなる移動に伴なって、カートリッジフレーム91が板ばね66に押圧されて上方へ移動する。これにより、プロセスカートリッジ31が全体的に上方へ持ち上げられる。
【0099】
その後、フロントカバー5が閉鎖位置に配置されると、ボス69がカム面54の頂部に到達する。このとき、ジョイント部材65は、起立姿勢をなし、可動リンク部材64は、押圧位置に配置される。
【0100】
また、フランジ部材93は、第1フレーム55のドラム位置決め溝59内に入り込み、第1フレーム55に対して下側から当接する。
【0101】
これにより、感光ドラム32の周面がベルトユニット15の中間転写ベルト22に対して下側から当接し、感光ドラム32のベルトユニット15に対する位置決めが達成される。
【0102】
なお、リンク機構62によるカートリッジフレーム91の押圧の解除は、上記した手順とは逆の手順により実施することができる。すなわち、フロントカバー5を閉鎖位置から開放位置に向けて移動させると、ボス69がカム面54に沿って下方に移動する。これにより、可動リンク部材64が前側下方に全体的に移動する。プロセスカートリッジ31のカートリッジフレーム91が板ばね66上に配置されているので、可動リンク部材64の移動に伴なって、感光ドラム32が下方に移動して、第1フレーム55から離間する。
【0103】
その結果、カートリッジフレーム91に対する板ばね66による押圧が解除される。リンク機構62によって板ばね66の押圧が解除された後は、プロセスユニット17の把持部86を把持して、プロセスユニット17を外側位置に引き出すことが可能となる。
7.作用効果
(1)このカラープリンタ1によれば、板ばね66は、プロセスユニット17が内側位置にあるときに、リンク機構62による押圧によって、プロセスカートリッジ31におけるプロセスユニット17のユニット開口部84から露出した部分を上方に押圧する。これにより、プロセスカートリッジ31が全体的に上方に押し上げられ、プロセスカートリッジ31に保持された感光ドラム32をベルトユニット15の中間転写ベルト22に接触させることができる。
【0104】
また、プロセスフレーム71にユニット開口部84が設けられているので、簡素な構成でプロセスカートリッジ31に対する板ばね66の押圧を達成することができ、かつ、板ばね66からの押圧力を、プロセスカートリッジ31に対して効率よく伝達することができる。
【0105】
また、板ばね66を本体ケーシング2内におけるプロセスユニット17の下方に設けることが可能となるため、本体ケーシング2内の下方の位置(板ばね66に接する部分)に剛性の高い部材を配置することにより、重力に抗してプロセスカートリッジ31を持ち上げる板ばね66の強い反作用に耐えることができる。
【0106】
その結果、ベルトユニット15の下方に感光ドラム32が設けられる構成において、感光ドラム32を中間転写ベルト22に対して安定して接触させることができる。
【0107】
(2)また、各板ばね66を連結する可動リンク部材64と、可動リンク部材64を押圧位置と退避位置とに移動させるように構成されたリンク機構とを備えているので、各板ばね66を一括して移動させることができる。その結果、各板ばね66により各プロセスカートリッジ31を一括して押圧し、または、押圧解除できる。
【0108】
(3)また、リンク機構は、可動リンク部材64と対向するように設けられた固定リンク部材63と、可動リンク部材64を固定リンク部材63に対して揺動可能に連結するジョイント部材65とを有しているので、簡素な構成で可動リンク部材64を押圧位置と退避位置との間で移動させることができる。
【0109】
(4)また、ジョイント部材65が各板ばね66に対応して設けられているので、各感光ドラム32の近傍で可動リンク部材64が撓むことを確実に防止でき、可動リンク部材64が押圧位置に配置されたときに、板ばね66により、すべてのプロセスカートリッジ31を確実に押圧することができる。
【0110】
(5)また、フロントカバー5の開放位置から閉鎖位置への揺動に連動して、可動リンク部材64を退避位置から押圧位置へ移動させる連動部材53が備えられているので、フロントカバー5を閉鎖位置に移動させるという簡易な動作により、可動リンク部材64を移動させることができる。
【0111】
また、従来では、プロセスユニット17の感光ドラム32が中間転写ベルト22に擦れないように、プロセスユニット17はベルトユニット15の下方を移動し、プロセスユニット17が内側位置に到達してからプロセスユニット17を全体的に上方に押し上げることにより、感光ドラム32を中間転写ベルト22に接触させる方法がある。
【0112】
しかしながら、この場合、重力に抗してプロセスユニット17全体的に上方に押し上げるために、大きな力が必要となり、操作性が非常に悪い。
【0113】
これに対して本実施形態では、プロセスユニット17は水平方向に移動させた後、プロセスカートリッジ31のみを上方へ持ち上げることにより、感光ドラム32を中間転写ベルト22に接触させている。そのため、ベルトユニット15の下方にプロセスユニット17が配置される構成において、感光ドラム32の位置決め時の操作性を大きく向上させることができる。
【0114】
また、特許文献1では、プロセスユニットの挿入時に、プロセスカートリッジを常時上方に付勢しておかないと、感光ドラムがベルトユニットに摺擦するという不具合がある。これに対して本実施形態では、重力によってプロセスカートリッジ31がベルトユニット15に接触しない位置(ベルトユニット15に対して相対的に下方の位置)に配置されるので、プロセスカートリッジ31を常時上方へ向けて付勢する付勢手段を省略することが可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 カラープリンタ
2 本体ケーシング
5 フロントカバー
6 本体開口部
15 ベルトユニット
17 プロセスユニット
22 中間転写ベルト
30 収容領域
31 プロセスカートリッジ
32 感光ドラム
53 連動部材
63 固定リンク部材
64 可動リンク部材
65 ジョイント部材
66 板ばね
84 ユニット開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体内の内側位置と、前記装置本体の外側位置とに略水平方向に移動可能に構成される保持部材と、
前記内側位置にある前記保持部材の上方に設けられ、無端状のベルトを有するベルトユニットと、
感光ドラムを有するとともに、前記保持部材に対して上下動可能に前記保持部材に保持され、前記略水平方向に並列配置される複数のドラムユニットと、
前記装置本体内に設けられ、各前記感光ドラムに対向する複数の押圧部材と、を備え、
前記保持部材には、前記略水平方向に延び、少なくとも前記感光ドラムの軸線方向における各前記ドラムユニットの両端部を露出させる第1開口部が形成され、
前記複数の押圧部材は、前記保持部材が前記内側位置にあるときに、前記ドラムユニットにおける前記第1開口部から露出した部分を上方に押圧して、前記感光ドラムを前記ベルトに対して接触させることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の押圧部材を連結する連結部材をさらに備え、
各前記押圧部材が各前記ドラムユニットを押圧する押圧位置と、各前記押圧部材の各前記ドラムユニットに対する押圧を解除する退避位置とに前記連結部材を移動させるように構成されたリンク機構と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記リンク機構は、
前記装置本体内に前記連結部材と対向するように設けられた本体側基部と、
前記連結部材を前記本体側基部に対して揺動可能に連結するジョイント部材と、をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ジョイント部材は、前記複数の押圧部材に対応して複数設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体は、前記装置本体の内外を連通する第2開口部と、
前記第2開口部を開放する開放位置と前記第2開口部を閉鎖する閉鎖位置とに揺動可能に設けられた開閉部材と、
前記開閉部材の前記開放位置から前記閉鎖位置への揺動に連動して、前記連結部材を前記退避位置から前記押圧位置へ移動させる連動部材と、を備えることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−7947(P2013−7947A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141601(P2011−141601)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】