説明

画像表示制御装置および方法

【課題】3次元メニューを選択する場合における誤操作を抑制する。
【解決手段】コントロールスティックを、x軸、y軸、およびz軸の3方向に操作可能とする。x軸とy軸を、それぞれディスプレイの左右方向と縦方向に対応させ、z軸方向をディスプレイの奥行き方向に対応させる。コントロールスティックがz軸方向に操作された場合、より下の階層の(Z軸方向に配列されている)メニューを順次表示させる。本発明は、EPG(Electrical Program Guide)を表示する画像表示制御装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示制御装置および方法に関し、特に、操作性を改善した画像表示制御装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、衛星などを介して、デジタルテレビジョン放送が行われるようになり、100チャンネルといったような、極めて多い数のチャンネルの番組を楽しむことができるようになってきた。その結果、多くの番組の中から所望の番組を選択するのに、例えば、チャンネル番号の若い順から順番に、各チャンネルの画像を見ていくようなことでは、迅速に所望の番組を選択することが困難になる。そこで、放送側において、EPG(Electrical Program Guide)として、番組選択のための画像を伝送し、受信側において、これを受信して、このEPG画面から所望の番組を選択することができるようになってきた。
【0003】
従来、このようなEPG画面から、所望の番組を選択する場合の操作は、リモートコマンダにより行われることが多かった。図13は、このような従来のリモートコマンダの構成例を示している。
【0004】
すなわち、この例においては、リモートコマンダ1には、複数のキー2とコントロールスティック3が設けられており、これらの操作に対応する赤外線信号(IR信号)が、IR送信部4より、図示せぬチューナなどに出力されるようになされている。
【0005】
コントロールスティック3は、例えば図14に示すように、上下左右方向、あるいは斜め方向に操作することができるようになされており、EPGに表示されているカーソルを、上下左右、あるいは斜め方向に移動させることができるようになされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のこのような装置では、所望の番組を迅速に選択することができない課題があった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、迅速かつ確実に、所望の画像を表示させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面の画像表示制御装置は、番組の画像および前記番組を選択するためのメニューの画像を受信する受信手段と、前記番組の画像を表示し、相互に垂直なx軸およびy軸から構成される平面上に所定の項目が配置された2次元メニューの画像が、前記平面と垂直なz軸の方向に階層的に複数配列されるとともに、2次元メニューの画像上の項目が選択された場合、選択された項目と関連付けられた項目が平面上に配置された他の階層の2次元メニューの画像が配列される3次元メニューの画像を表示する表示手段と、前記2次元メニューの画像上の項目を選択するためのカーソルを、前記x軸、前記y軸、または前記z軸のいずれかの方向に移動させる場合に操作される第1の操作手段と、前記カーソルが位置する項目を選択する場合に操作される第2の操作手段と、前記第1の操作手段の操作に応じて、前記x軸、前記y軸、または前記z軸方向への前記カーソルの移動を制御し、前記第2の操作手段の操作に応じて、前記カーソルが位置する項目の選択を制御する制御手段とを備える。
【0009】
前記3次元メニューの画像を循環的な階層構造とし、前記表示手段には、前記カーソルが、前記2次元メニューの画像のうち、最も下の階層に表示される2次元メニューの画像上の項目に位置している状態において、前記カーソルが前記z軸方向に移動されるように前記第1の操作手段が操作された場合、最も上の階層に表示される2次元メニューの画像だけを表示させることができる。
【0010】
本発明の一側面の画像表示制御方法は、番組の画像および前記番組を選択するためのメニューの画像を受信し、前記番組の画像を表示し、相互に垂直なx軸およびy軸から構成される平面上に所定の項目が配置された2次元メニューの画像が、前記平面と垂直なz軸の方向に階層的に複数配列されるとともに、2次元メニューの画像上の項目が選択された場合、選択された項目と関連付けられた項目が平面上に配置された他の階層の2次元メニューの画像が配列される3次元メニューの画像を表示し、前記2次元メニューの画像上の項目を選択するためのカーソルを、前記x軸、前記y軸、または前記z軸のいずれかの方向に移動させる場合に操作される第1の操作手段が操作されたとき、その操作に応じて前記x軸、前記y軸、または前記z軸方向への前記カーソルの移動を制御し、前記カーソルが位置する項目を選択する場合に操作される第2の操作手段が操作されたとき、その操作に応じて前記カーソルが位置する項目の選択を制御するステップを含む。
【0011】
前記3次元メニューの画像を循環的な階層構造とし、前記カーソルが、前記2次元メニューの画像のうち、最も下の階層に表示される2次元メニューの画像上の項目に位置している状態において、前記カーソルが前記z軸方向に移動されるように前記第1の操作手段が操作された場合、最も上の階層に表示される2次元メニューの画像だけを表示するようにすることができる。
【0012】
本発明の一側面においては、番組の画像および前記番組を選択するためのメニューの画像が受信され、前記番組の画像が表示され、相互に垂直なx軸およびy軸から構成される平面上に所定の項目が配置された2次元メニューの画像が、前記平面と垂直なz軸の方向に階層的に複数配列されるとともに、2次元メニューの画像上の項目が選択された場合、選択された項目と関連付けられた項目が平面上に配置された他の階層の2次元メニューの画像が配列される3次元メニューの画像が表示され、前記2次元メニューの画像上の項目を選択するためのカーソルを、前記x軸、前記y軸、または前記z軸のいずれかの方向に移動させる場合に操作される第1の操作手段が操作されたとき、その操作に応じて前記x軸、前記y軸、または前記z軸方向への前記カーソルの移動が制御され、前記カーソルが位置する項目を選択する場合に操作される第2の操作手段が操作されたとき、その操作に応じて前記カーソルが位置する項目の選択が制御される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、迅速かつ確実に、所望の画像を表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、特許請求の範囲に記載の発明の各手段と以下の実施の形態との対応関係を明らかにするために、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但し一例)を付加して本発明の特徴を記述すると、次のようになる。但し勿論この記載は、各手段を記載したものに限定することを意味するものではない。
【0015】
本発明の一側面の画像表示制御装置は、番組の画像および前記番組を選択するためのメニューの画像を受信する受信手段(例えば、図8のチューナ81)と、前記番組の画像を表示し、相互に垂直なx軸およびy軸から構成される平面上に所定の項目が配置された2次元メニューの画像が、前記平面と垂直なz軸の方向に階層的に複数配列されるとともに、2次元メニューの画像上の項目が選択された場合、選択された項目と関連付けられた項目が平面上に配置された他の階層の2次元メニューの画像が配列される3次元メニューの画像を表示する表示手段(例えば、図8のディスプレイ82)と、前記2次元メニューの画像上の項目を選択するためのカーソルを、前記x軸、前記y軸、または前記z軸のいずれかの方向に移動させる場合に操作される第1の操作手段(例えば、図1のコントロールスティック12)と、前記カーソルが位置する項目を選択する場合に操作される第2の操作手段(例えば、図1の実行ボタン13)と、前記第1の操作手段の操作に応じて、前記x軸、前記y軸、または前記z軸方向への前記カーソルの移動を制御し、前記第2の操作手段の操作に応じて、前記カーソルが位置する項目の選択を制御する制御手段(例えば、図9のステップS5の処理乃至ステップS8の処理を実行するCPU84)とを備える。
【0016】
本発明の一側面の画像表示制御方法は、番組の画像および前記番組を選択するためのメニューの画像を受信し、前記番組の画像を表示し、相互に垂直なx軸およびy軸から構成される平面上に所定の項目が配置された2次元メニューの画像が、前記平面と垂直なz軸の方向に階層的に複数配列されるとともに、2次元メニューの画像上の項目が選択された場合、選択された項目と関連付けられた項目が平面上に配置された他の階層の2次元メニューの画像が配列される3次元メニューの画像を表示し、前記2次元メニューの画像上の項目を選択するためのカーソルを、前記x軸、前記y軸、または前記z軸のいずれかの方向に移動させる場合に操作される第1の操作手段が操作されたとき、その操作に応じて前記x軸、前記y軸、または前記z軸方向への前記カーソルの移動を制御し、前記カーソルが位置する項目を選択する場合に操作される第2の操作手段が操作されたとき、その操作に応じて前記カーソルが位置する項目の選択を制御する(例えば、図9のステップS5乃至ステップS8)ステップを含む。
【0017】
図1は、本発明の画像表示制御装置を応用したテレビジョン受像機の構成例を表している。この構成例においては、テレビジョン受像機21が、IR受信部22を有し、リモートコマンダ11のIR送信部14が出力したIR信号(赤外線信号)を受信するようになされている。リモートコマンダ11は、コントロールスティック12と実行ボタン13の他、各種のボタン(図示せず)を有している。
【0018】
図2は、コントロールスティック12の外観の構成を示している。同図に示すように、コントロールスティック12は、ベース31上に、3次元現実空間の相互に垂直な3軸方向に操作可能とされている。ここでは、x軸とy軸とで、水平面が構成されている。また、z軸方向は、水平面と垂直な鉛直方向とされている。
【0019】
図3は、ベース31の内部の構成例を表している。同図に示すように、ベース31の内部には、可撓性の材料により構成されているダイヤフラム41が基板42上に取り付けられている。このダイヤフラム41には、その中央にスティック43が設けられ、図2に示すコントロールスティック12の操作に対応して、力が加えられるようになされている。
【0020】
ダイヤフラム41の基板42と対向する面には、図4に示すように、電極C0が形成されており、基板42のダイヤフラム41と対向する面には、図5に示すように、5つの電極C1乃至C5が形成されている。電極C5は、中央に形成されており、その左右のx軸方向には、電極C1とC2が形成されており、その上下のy軸方向には、電極C3とC4が形成されている。従って、電極C0と電極C1乃至C5とが対向して配置されており、それらは、実質的に、一種のコンデンサを形成するようになされている。
【0021】
図6は、ダイヤフラム41が、コントロールスティック12を操作した結果、変形した状態を表している。同図に示すように、ダイヤフラム41が変形すると、電極C0とその他の電極C1乃至C5との距離が変化し、その結果、ダイヤフラム41が変形しない状態における場合と静電容量の値が変化する。
【0022】
図7は、ゲームパッド11の内部の構成例を表している。電極C1乃至C5は、共通の電極C0とともに、センサ部51を構成している。差動回路52は、電極C1と電極C0による静電容量と、電極C2と電極C0による静電容量の差を検出し、その検出結果をアナログ化回路53に出力するようになされている。アナログ化回路53は、差動回路52より入力された信号をアナログ信号に変換し、A/D変換回路54に出力するようになされている。A/D変換回路54は、アナログ化回路53より入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、インタフェース55を介して、CPU61に出力するようになされている。
【0023】
同様に、電極C3と電極C0の間の静電容量と、電極C4と電極C0の間の静電容量の差を差動回路56が検出し、アナログ化回路57に出力するようになされている。アナログ化回路57は、入力された信号をアナログ信号にしてA/D変換回路58に出力している。A/D変換回路58は、入力されたアナログ信号をA/D変換して、インタフェース55を介して、CPU61に出力している。
【0024】
電極C5と電極C0の間の静電容量は、アナログ化回路59でアナログ信号に変換され、A/D変換回路60でA/D変換された後、インタフェース55を介して、CPU61に出力されている。
【0025】
CPU61は、ROM62に記憶されているプログラムに従って、各種の処理を実行するようになされている。RAM63には、CPU61が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶されるようになされている。
【0026】
図8は、図1のテレビジョン受像機21の内部の構成例を示している。チューナ81は、アンテナを介して受信した画像をディスプレイ82に表示するようになされている。CPU84は、ROM85に記憶されているプログラムに従って、テレビジョン受像機21における各種の処理を実行するようになされている。RAM86には、CPU84が各種の処理を実行する上において必要な各種のデータなどが適宜記憶される。IR受信部22で受信した信号は、インタフェース83を介して、CPU84に供給されるようになされている。
【0027】
ここで、リモートコマンダ11の操作について説明する。例えば、テレビジョン受像機21に表示されているカーソルをテレビジョン受像機21の左右方向に移動させたい場合、使用者は、コントロールスティック12をx軸方向に操作する。例えば、右方向に移動させる場合、使用者は、コントロールスティック12を右方向に回動し、左方向に移動させたい場合には、左方向に回動する。図6は、コントロールスティック12が左方向に回動された状態を表している。同図に示すように、コントロールスティック12が左方向に回動されると、電極C1と電極C0の距離が、電極C0と電極C2の距離より短くなる。従って、電極C1と電極C0の間の静電容量が、電極C0と電極C2の間の静電容量より大きくなる。逆に、コントロールスティック12が右方向に回動された場合には、ダイヤフラム41が、図6における場合とは逆方向に変形し、電極C2と電極C0の間の距離が、電極C1と電極C0の間の距離より短くなる。その結果、電極C2と電極C0の間の静電容量が、電極C1と電極C0の間の静電容量より大きくなる。
【0028】
差動回路52は、このような電極C1とC2の間の静電容量の差を検出しているので、例えば、コントロールスティック12が左方向に回動されたとき、正の信号を発生するものとすると、コントロールスティック12が右方向に回動された場合には、負の信号を出力する。
【0029】
コントロールスティック12がy軸に沿って自分に近付く方向に回動されたとき、電極C4と電極C0の距離が、電極C3と電極C0の距離より短くなり、その静電容量が大きくなる。これに対して、コントロールスティック12が使用者から遠ざかる方向に操作された場合には、電極C3と電極C0の距離が、電極C4と電極C0の距離より短くなり、その静電容量が大きくなる。従って、例えば、コントロールスティック12が使用者に近付く方向に操作された場合に、差動回路56が正の信号を出力すると、コントロールスティック12が反対側に操作された場合には、差動回路56は、負の信号を出力することになる。
【0030】
このように、x軸方向またはy軸方向に、コントロールスティック12が操作された場合には、電極C5とC0の距離、従って、その静電容量は、殆ど変化しない。
【0031】
一方、使用者が、コントロールスティック12をz軸方向に操作する(ベース31の方向に押圧する)と、電極C1乃至C5と電極C0の距離が押圧される前の状態より短くなり、電極C1乃至C5と電極C0の間の静電容量、特に電極C5と電極C0の静電容量が増加する。アナログ化回路59は、このうちの、特に電極C5と電極C0の間の静電容量に対応するアナログ信号を出力する。
【0032】
以上のように、コントロールスティック12が、x軸、y軸またはz軸方向に操作された場合における静電容量の変化をまとめると表1に示すようになる。
【0033】
【表1】

【0034】
なお、図7においては、コントロールスティック12のz軸方向の操作を、電極C5と電極C0の間の静電容量の変化として検出するようにしているが、電極C1乃至C4と電極C0の間の静電容量の変化と、まとめて合計5つの静電容量をアナログ化回路59で検出するようにすることもできる。
【0035】
アナログ化回路53、アナログ化回路57、またはアナログ化回路59の出力は、それぞれA/D変換器54、A/D変換器58、またはA/D変換器60でA/D変換された後、インタフェース55を介して、CPU61に入力される。CPU61は、このようにコントロールスティック12の操作を検出したとき、IR送信部14を制御し、その操作に対応する信号をIR信号として送信させる。
【0036】
テレビジョン受像機21においては、このようにリモートコマンダ11から送信されたIR信号をIR受信部22で受信する。CPU84は、IR受信部22からの信号をインタフェース83を介して受け取り、コントロールスティック12の操作を検出する。そして、検出結果に対応して、CPU84は、図9のフローチャートに示すような処理を実行する。
【0037】
次に、図9のフローチャートを参照して、EPGから所望の番組を選択する場合の動作について説明する。いま、テレビジョン受像機21には、図10に示すように、EPGが表示されているものとする。このEPGは、仮想的に、図11に示すように、その第1面に、各曜日と時間帯の表からなる2次元メニューが配置されており、その裏側に、CBS,ABC,CNN(いずれも商標)といった放送局を選択する2次元メニューが配置されており、さらにその裏に、各放送局において放送されている個々の番組を選択する2次元メニューが配置されているものとする。すなわち、これらのEPGは、2次元メニューを階層的に配列することで、3次元メニューとされている。
【0038】
使用者は、このEPGから所望の番組を選択するとき、コントロールスティック12と実行ボタン13を適宜操作する。CPU84は、これらの操作を検知して、検知した結果に対応する処理を実行する。
【0039】
そこで、CPU84は、ステップS1乃至S4において、リモートコマンダ11の実行ボタン13の操作、コントロールスティック12のx軸方向の操作、y軸方向の操作、またはz軸方向の操作がなされたか否かを判定する。
【0040】
図11に示すように、曜日と時間帯が示されているメニューにおいて、所望の曜日と時間帯を選択するとき、使用者は、図中矢印で示すカーソルを、所望の曜日の所望の時間帯に移動させる。この移動は、コントロールスティック12をx軸方向とy軸方向に操作することで行われる。
【0041】
CPU84は、ステップS2において、コントロールスティック12がx軸方向に操作されたと判定された場合、ステップS5に進み、カーソルをX軸方向(テレビジョン受像機21の左右方向)に移動させる。そして、ステップS3において、y軸方向の操作が検知されたと判定された場合、ステップS6に進み、CPU84は、Y軸方向にカーソルを移動させる。すなわち、テレビジョン受像機21の縦方向(鉛直方向)に移動させる。
【0042】
このように、カーソルを所望の曜日の所望の時間帯に移動させたとき、使用者は、次に、実行ボタン13を操作する。CPU84は、ステップS1において、実行ボタン13の操作が検知されたと判定された場合、ステップS8に進み、そのときカーソルが位置する状態に対応する処理を実行する。例えば、図11に示すように、日曜日の7時から9時までの時間帯の欄にカーソルが位置する状態において、実行ボタン13が操作されると、CPU84は、日曜日の7時から9時までの間に放送を行っている放送局を選択する画面を、テレビジョン受像機21に表示させる。図11の表示例の場合、CBS,ABC,CNNといった放送局を選択する2次元メニューが表示される。
【0043】
このように、放送局(チャンネル)を選択する2次元メニューが表示された状態において、所望の放送局(チャンネル)を選択する場合にも、使用者は、コントロールスティック12をx軸方向またはy軸方向に適宜操作する。そして、カーソルを所望の放送局(チャンネル)の位置まで移動させる。所望の位置までカーソルが移動されたとき、再び使用者は、実行ボタン13を操作する。例えば、図11に示すように、ABCの放送局が選択された状態において、実行ボタン13が操作されると、CPU84は、日曜日の7時から9時までの間にABCが放送している番組の情報を、テレビジョン受像機21に表示させる。図11の表示例においては、日曜日の7時から9時の時間帯には、ABCでは「Musical Stage」が放送されているので、その画像が表示される。
【0044】
その画像が表示されている状態において、さらに実行ボタン13が操作されたとステップS1において判定された場合、ステップS8に進み、CPU84は、チューナ81を制御し、その選択されたABCのチャンネルの7時から9時の番組「Musical Stage」を受信させる。チューナ81は、この放送を受信したとき、その画像をディスプレイ82に出力し、表示させる。
【0045】
以上の処理は、図13に示したような従来のリモートコマンダ1においても、同様になし得る操作である。この実施の形態のリモートコマンダ11においては、以上のような操作の他、次のような操作が実行可能である。
【0046】
すなわち、使用者は、図11に示すように、曜日と時間帯の2次元メニューが表示された状態において、コントロールスティック12をz軸方向に操作することができる。図9のステップS4で、z軸方向の操作が検知されたと判定された場合、CPU84は、ステップS7に進み、Z軸方向の移動処理を実行する。すなわち、図11の表示例の場合、CPU84は、曜日と時間帯の2次元メニューの次の階層に配置されているCBS,ABC,CNNといった放送局を選択するための2次元メニューを表示させる。また、これらの放送局を選択する2次元メニューが表示されている状態において、さらにコントロールスティック12がz軸方向に操作されたとステップS4において判定された場合には、ステップS7において、CPU84は、さらにその裏の階層の番組のタイトルが表示されている2次元メニューを表示させる。
【0047】
従来のリモートコマンダ1によっても操作できる方法によると、上位の階層の2次元メニューで所定の項目を選択しないと、次の下位の階層の2次元メニューに進むことができない。これに対して、本実施の形態においては、コントロールスティック12がz軸方向に操作されると、上位の階層において所定の項目を選択しなくても、下位の階層に直ちに移動することができる。従って、使用者は、試験的にコントロールスティック12をz軸方向に操作するだけで、2次元メニューがどのような階層構造となっているのかを簡単に知ることができる。
【0048】
階層構造は、サイクリックなものとされ、図11の表示例において、1番最後の番組のタイトルが表示されている2次元メニューが表示されている状態において、さらにコントロールスティック12がz軸方向に操作された場合には、再び曜日と時間帯の2次元メニューの表示状態に戻るようになされている。
【0049】
従って、本実施の形態においては、例えば曜日と時間帯に拘らず、とにかく所定の放送局(例えば、ABC)の番組を知りたいような場合には、曜日と時間帯の2次元メニューが表示されている状態において、実行ボタン13を操作せず、コントロールスティック12をz軸方向に操作して、放送局を選択するための2次元メニューに直ちに移動して、所望の放送局を選択することができる。
【0050】
図12は、EPGの他の表示例を示している。この表示例においては、最初の階層の2次元メニューは、SPORTS,Entertainment,Politicsといったジャンルを選択するメニューとされている。そして、各ジャンル毎に、異なる3次元メニューが、下位の2次元メニューとして用意されている。例えば、SPORTSのメニューの下位メニューとしては、Golf,Tennis,Football,Baseballといった2次元メニューが用意されている。従って、使用者が、SPORTSの欄にカーソルが移動されている状態において、コントロールスティック12をz軸方向に操作すると、そのジャンルの下位のGolf,Tennis,Football,Baseballといった2次元メニューが順次表示される。
【0051】
なお、このようなz軸方向の操作をデジタル的に検知し、1回操作されたとき、1つだけ下位の2次元メニューに移行し、さらにもう1回操作されたとき、さらに1つだけ下位の2次元メニューに移行するようにすることができる。あるいはまた、z軸方向の操作量をアナログ的にアナログ化回路59で検知しているので、その最大のアナログ量を、最も下位のメニュー(図12の表示例の場合、Baseballのメニュー)に対応させ、z軸方向のアナログ的な変位量に対応して、その途中の2次元メニューを表示させるようにすることもできる。この場合、コントロールスティック12のz軸方向の操作が解除されたとき、1番上の階層の2次元メニューに表示を戻すようにし、所定の時間以上z軸方向の変位が検出されない場合には、そのときの変位量に対応する階層の2次元メニューが選択されたものとして、以後、コントロールスティック12のz軸方向の操作が解除されたとしても、2次元メニューをそのままの状態にしておき、1番上の階層の2次元メニューに戻さないようにすることができる。
【0052】
なお、x軸方向の操作に対応して、表示(カーソル)をX軸方向(テレビジョン受像機21の左右方向)に移動させるようにするが、y軸方向をディスプレイのZ軸方向(奥行き方向)に対応させ、z軸をディスプレイのY軸方向(ディスプレイの縦方向)に対応させることも可能である。しかしながら、メニューは、基本的に3次元画像ではなく、2次元画像であることが多いので、そのような対応関係にすると、階層構造となっていない(1階層だけの)2次元メニューにおいて、所望の項目を選択する場合の操作(この場合の操作は、従来よりz軸の操作ができないリモートコマンダにおいても行われていたが、その方向の対応付けは、x軸方向とy軸方向が、それぞれディスプレイのX軸方向とY軸方向に対応されている)ので、従来のリモートコマンダにおける場合との操作の整合性を確保し、誤操作を防止する意味で、本実施の形態において説明したような対応関係とするのが好ましい。
【0053】
以上においては、EPGから所望の番組を選択する場合を例として、本発明を説明したが、本発明は、この他、各種の2次元メニューから所望の階層の2次元メニューを選択する場合に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の画像表示制御装置の構成を示す図である。
【図2】図1のリモートコマンダ11のコントロールスティック12の外観構成を示す斜視図である。
【図3】図2のベース31内の構成を示す断面図である。
【図4】図3のダイヤフラム41の電極を説明する図である。
【図5】図3の基板42の電極を説明する図である。
【図6】図3のダイヤフラム41が変形した状態を示す図である。
【図7】図1のリモートコマンダ11の内部の構成例を示すブロック図である。
【図8】図1のテレビジョン受像機21の内部の構成例を示すブロック図である。
【図9】図1の構成例の動作を説明するフローチャートである。
【図10】図1のテレビジョン受像機21の表示例を示す図である。
【図11】メニューの選択を説明する図である。
【図12】メニューの選択を説明する図である。
【図13】従来のリモートコマンダの構成例を示す図である。
【図14】図13のコントロールスティックの操作を説明する図である。
【符号の説明】
【0055】
11 リモートコマンダ, 12 コントロールスティック, 13 実行ボタン, 14 IR送信部, 21 テレビジョン受像機, 22 IR受信部, 41 ダイヤフラム, 42 基板, 81 チューナ, 82 ディスプレイ, 84 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組の画像および前記番組を選択するためのメニューの画像を受信する受信手段と、
前記番組の画像を表示し、相互に垂直なx軸およびy軸から構成される平面上に所定の項目が配置された2次元メニューの画像が、前記平面と垂直なz軸の方向に階層的に複数配列されるとともに、2次元メニューの画像上の項目が選択された場合、選択された項目と関連付けられた項目が平面上に配置された他の階層の2次元メニューの画像が配列される3次元メニューの画像を表示する表示手段と、
前記2次元メニューの画像上の項目を選択するためのカーソルを、前記x軸、前記y軸、または前記z軸のいずれかの方向に移動させる場合に操作される第1の操作手段と、
前記カーソルが位置する項目を選択する場合に操作される第2の操作手段と、
前記第1の操作手段の操作に応じて、前記x軸、前記y軸、または前記z軸方向への前記カーソルの移動を制御し、前記第2の操作手段の操作に応じて、前記カーソルが位置する項目の選択を制御する制御手段と
を備える画像表示制御装置。
【請求項2】
前記3次元メニューの画像は循環的な階層構造とされ、
前記表示手段は、前記カーソルが、前記2次元メニューの画像のうち、最も下の階層に表示される2次元メニューの画像上の項目に位置している状態において、前記カーソルが前記z軸方向に移動されるように前記第1の操作手段が操作された場合、最も上の階層に表示される2次元メニューの画像だけを表示する
請求項1に記載の画像表示制御装置。
【請求項3】
番組の画像および前記番組を選択するためのメニューの画像を受信し、
前記番組の画像を表示し、相互に垂直なx軸およびy軸から構成される平面上に所定の項目が配置された2次元メニューの画像が、前記平面と垂直なz軸の方向に階層的に複数配列されるとともに、2次元メニューの画像上の項目が選択された場合、選択された項目と関連付けられた項目が平面上に配置された他の階層の2次元メニューの画像が配列される3次元メニューの画像を表示し、
前記2次元メニューの画像上の項目を選択するためのカーソルを、前記x軸、前記y軸、または前記z軸のいずれかの方向に移動させる場合に操作される第1の操作手段が操作されたとき、その操作に応じて前記x軸、前記y軸、または前記z軸方向への前記カーソルの移動を制御し、
前記カーソルが位置する項目を選択する場合に操作される第2の操作手段が操作されたとき、その操作に応じて前記カーソルが位置する項目の選択を制御する
ステップを含む画像表示制御方法。
【請求項4】
前記3次元メニューの画像は循環的な階層構造とされ、
前記カーソルが、前記2次元メニューの画像のうち、最も下の階層に表示される2次元メニューの画像上の項目に位置している状態において、前記カーソルが前記z軸方向に移動されるように前記第1の操作手段が操作された場合、最も上の階層に表示される2次元メニューの画像だけを表示する
請求項3に記載の画像表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−166435(P2006−166435A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340087(P2005−340087)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【分割の表示】特願平9−67699の分割
【原出願日】平成9年3月21日(1997.3.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】