説明

画像表示装置、電子機器、測定治具、画像表示システム、画像表示方法、表示補正装置、表示補正方法、プログラム

【課題】表示素子の特性変化による個々の表示画素位置での輝度変化の影響を緩和する。
【解決手段】校正情報の取得時には、校正治具450を画像表示部10に表示面側から被せる。校正治具450の内面には、表示面と平行に配置される反射鏡452を有する。校正画像を画像表示部10で表示し、その校正画像を反射鏡452に写して画像表示部10の背面側から撮像装置20で撮像し、その撮像情報に基づいて補正情報を取得する。通常の画像表示時には、補正情報を参照して、表示素子の特性変動の影響を抑制するように、表示素子のそれぞれについて表示データを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、電子機器、測定治具、画像表示システム、画像表示方法、表示補正装置、表示補正方法、プログラムに関する。より詳細には、表示輝度の校正技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画素の表示素子として、印加される電圧や流れる電流によって輝度が変化する電気光学素子を用いた表示装置がある。たとえば、印加される電圧によって輝度が変化する電気光学素子としては液晶表示素子が代表例であり、流れる電流によって輝度が変化する電気光学素子としては、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescence, 有機EL, Organic Light Emitting Diode, OLED;以下、有機ELと記す) 素子が代表例である(特許文献1などを参照)。後者の有機EL素子を用いた有機EL表示装置は、画素の表示素子として、自発光素子である電気光学素子を用いたいわゆる自発光型の表示装置である。
【0003】
ところで、表示素子は経年劣化や連続点灯などにより、表示データに対応する本来の輝度に対して実際の輝度が低下する問題がある。そのため、その劣化の度合いが画素ごとに異なると、輝度むらや色むらとして視認され、表示画像の見栄えが悪くなる。
【0004】
たとえば、自発光型の表示装置を構成する発光体は、発光時間(通電時間)または発光量に依存して劣化し、表示効率(発光効率)が低下する特性がある。表示される画像の内容は、一様ではない。このため、発光体の劣化は一様に進行しない。従来は、この効率の低下により輝度が半減した状態になるまでの寿命が短かく、表示むらといった表示画質の問題だけでなく、表示装置を長期間に亘って使い続けることが困難になるという問題もある。たとえば、時刻表示領域の発光体は、他の表示領域の発光体に比して劣化の進行が速い。このため、時刻表示領域の発光体の輝度が他の表示領域の輝度に比して相対的に低下する。一般に、部分的な発光体の劣化を“焼き付き”と称している。
【0005】
「焼き付き」の改善策として様々な手法が検討されている。たとえば、特許文献1には、ダミー画素で劣化を測定する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−351403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、ダミー画素は表示画素とは違うので、あくまで劣化を予測するにすぎず、実際の各画素の輝度劣化量を正確には把握できない。
【0008】
その他にも、たとえば、映像信号の積算時間から輝度劣化を予測する方法も考えられる。しかしながら、映像信号の積算時間から予測する方法では、予測の元となる輝度劣化カーブにずれがあると、正確には輝度補正を行なえなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、表示素子の特性変化による表示画像に与える問題を緩和することのできる仕組みを提供することを目的とする。特に、個々の表示画素位置での輝度変化の影響を緩和できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、表示素子を含む画素が複数配列されており、背面側に画像表示部に設けられている光透過部を通して表示画像の反射光を検知する検知部が配置可能になっている画像表示部と、輝度測検知部で検知された情報に基づいて表示データを補正する表示補正部と、を備えるものとした。要するに、画像表示部の表示面の画像情報の反射光を画像表示部の背面側で検知し、その検知情報に基づいて表示データを補正してから表示を行なうものである。
【0011】
ここで、校正情報の取得時には、検知部は、画像表示部の表示面に対向する位置に配置された反射板で反射された校正画像の反射光を画像表示部に設けられている光透過部を通して検知する。表示補正部は、検知部で検知された校正画像の情報に基づいて表示素子の特性変動の影響を抑制するための補正情報を表示素子のそれぞれについて取得する。
【0012】
そして、通常の画像表示時には、表示補正部は、表示素子のそれぞれについて補正情報を参照して表示データを補正する。
【0013】
好ましくは、表示面側の被写体を撮像する撮像部(撮像装置)を画像表示部の背面側に設け、この撮像部を校正画像の情報を検知する検知部として利用するとよい。
【0014】
このような本発明の仕組みでは、校正情報の取得に当たっては、校正画像を反射面に写して画像表示部の背面側から検知し、その検知情報に基づいて補正情報を取得しておく。そして、通常の画像表示時には、補正情報を参照して、所望の画質となるように(表示素子の特性変動の影響を抑制するように)、表示素子のそれぞれについて表示データを補正できる。つまり、画像表示部に裏面まで光が到達するような光透過部を設けて、対応する位置に検知部(撮像装置など)を設置し、校正情報の取得時には校正画像を画像表示部で表示してその反射光を背面で検知することで、表示素子の特性変化に対しての校正を行なうことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、表示素子の特性変化による個々の表示画素位置での輝度変化の影響を緩和できる。すなわち、校正情報の取得時には、表示素子のそれぞれについて、表示素子の特性変化の状況を測定して補正情報を取得できるので、通常の画像表示時には、表示素子のそれぞれについて、表示素子の特性変化の影響が緩和されるように適正な補正ができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本実施形態の画像表示装置および画像表示システムの概念図である。
【図2】図2は、画像表示部を構成する複数の画素の最も典型的な配置の模式的図である。
【図3】図3は、画像表示部の詳細を説明する図である。
【図4】図4は、校正治具の一例を説明する図である。
【図5】図5は、校正治具の形状の一例を示す概念図である。
【図6】図6は、回折現象による撮像画像への影響を説明する模式図である。
【図7】図7は、撮像装置の手前にガラス板を配置して撮像した画像例を示す図である。
【図8】図8は、校正画像の一例と、その撮像画像の一例を示す図である。
【図9】図9は、本実施形態の画像表示装置のブロック図である。
【図10】図10は、本実施形態の画像表示システムのブロック図である。
【図11】図11は、輝度補正処理の一例を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、本実施形態の画像表示装置が適用される電子機器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。実施形態における種々の数値や材料は例示であり、それらに限定されるものではない。
【0018】
説明は以下の順序で行なう。
1.基本概念(全体概要、表示校正、画像表示部、光透過領域、撮像装置)
2.装置およびシステムの構成(全体概要、画像表示部の断面構造)
3.輝度補正に対応した構成(校正治具、回折現象とその対策手法、輝度校正装置・システム)
4.輝度補正処理
5.電子機器のモニタ装置の代替
【0019】
<基本概念>
[全体概要]
本実施形態の撮像装置付き画像表示装置(以下単に「画像表示装置」と記す)にあっては、画像表示部の背面に撮像装置(あるいは撮像部:以下同様)を配置し、画像表示部の撮像装置と対応する光透過領域部分に、微小な光透過部を設ける。好ましくは、光透過部を複数設ける。そして、光透過部を通して表示面側の被写体を撮像する。
【0020】
光透過部を通過した光が撮像装置に集光される。画像表示部の背面側に撮像装置が配置されているので、ディスプレイに正対している使用者の顔、目、動作などを撮像装置によって正確に撮像することができる。画像表示部(表示装置の表示パネル)に裏面まで光が到達するような光透過部を設けて、対応する位置に撮像装置を設置することにより、ディスプレイに正対している使用者の顔、目、動作などを撮像装置で撮像することで正確に把握することができるので、表示装置の付加価値を簡便かつ安価に高めることができる。
【0021】
必須ではないが、画像表示部と撮像装置との間に集光部を配置することで、光透過部を通過した光が撮像装置に確実に集光されるようにする。集光部を配置することで、正確に像を撮像装置に結ぶために高精度の微小レンズを必要とせず、画像表示装置の製造コストの増加を招くことがないし、撮像装置に十分な光量の光を集光させることができる。
【0022】
[表示校正]
本実施形態の画像表示装置は、画像表示部の背面に光検知部を配置し、画像表示部を通して表示面側に配置した校正治具の反射鏡に写った校正画像の輝度を測定して、その測定結果に基づいて画像表示部の表示輝度の補正(輝度校正)を行なう。表示素子の経年劣化などにより本来の輝度に対し実際の輝度が変化するが、校正画像を表示して測定し、所望の表示輝度となるように表示データを補正することで対処する輝度校正手法を採る。
【0023】
このための輝度校正測定に当たっては、画像表示部の背面に、表示面側の測定治具に写った校正画像の輝度を測定する輝度測定部を設ける。輝度測定部としては、たとえば、校正画像の輝度を測定可能な光検知部(センサ:たとえばいわゆるホワイトバランスセンサなど)を設け、画像表示部の光検知部と対応する光透過領域部分に微小な光透過部を設けることが考えられる。
【0024】
好ましくは、輝度測定部としては、画像表示部の背面に撮像装置(あるいは撮像部:以下同様)を配置し、画像表示部の撮像装置と対応する光透過領域部分に、微小な光透過部を設けることが考えられる。このような形態の画像表示装置では、画像表示部の光透過部を通して画像表示部10に表示された校正画像(詳しくは測定治具の反射鏡に写った校正画像)の輝度を測定する。換言すると、表示装置の背面に設けた撮像装置を、表示面側の被写体を撮像するというだけでなく、校正画像の輝度を測定するための光検知部として利用するという意味である。
【0025】
[画像表示部]
本実施形態の画像表示装置に用いる画像表示部は、画素(の表示部分)の隙間に光透過部を形成できればよく、印加される電圧や流れる電流によって輝度が変化する電気光学素子を画素の表示素子として用いたものであれば何でもよい。
【0026】
たとえば、印加される電圧によって輝度が変化する電気光学素子としては液晶表示素子が代表例であり、流れる電流によって輝度が変化する電気光学素子としては、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescence, 有機EL, Organic Light Emitting Diode, OLED;以下、有機ELと記す)素子が代表例である。後者の有機EL素子を用いた有機EL表示装置は、画素の表示素子として、自発光型の発光素子(自発光素子)を用いたいわゆる自発光型の表示装置である。一方、液晶表示装置を構成する液晶表示素子は、外部からの光(前面や背面からの光、前面の場合は外光でもよい)の通過を制御するものであり、画素が発光素子を含むものではない。
【0027】
たとえば、近年、フラットパネル表示装置(FP表示装置)として、有機EL表示装置に関心が高まっている。現在、FP表示装置として液晶表示装置(LCD)が主流を占めているが、自発光デバイスではなく、バックライトや偏光板などの部材を必要とする。それ故、FD表示装置の厚さが増す、輝度が不足するなどの問題点がある。一方、有機EL表示装置は自発光デバイスであり、バックライトなどの部材が原理的に不要であり、薄型化、高輝度であるなど、LCDと比較して多数の利点を有する。特に、各画素にスイッチング素子を配したアクティブマトリクス型有機EL表示装置は、各画素をホールド点灯させることで消費電流を低く抑えることができ、しかも、大画面化および高精細化が比較的容易に行なえることから、各社で開発が進められており、次世代FP表示装置の主流になると期待されている。
【0028】
自発光型の表示装置としては、有機EL表示装置の他に、プラズマ表示装置(PDP:Plasma Display Panel)、電界放出型表示装置(FED:Field Emission. Display )、表面伝導型電子放出素子表示装置(SED:Surface-conduction Electron-emitter Display )などがあり、これらも本実施形態の画像表示部に適用できる。
【0029】
ただし、本実施形態の画像表示装置としては、画像表示部の発光素子は自発光型の発光素子であることが望ましく、さらには有機EL素子からなる形態とすることがより好ましい。発光素子を有機EL素子から構成する場合、有機EL素子を構成する有機層(発光部)は有機発光材料からなる発光層を備えているが、具体的にはたとえば、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造、正孔輸送層と電子輸送層を兼ねた発光層との積層構造、正孔注入層と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と電子注入層との積層構造から構成することができる。
【0030】
電子輸送層、発光層、正孔輸送層および正孔注入層を「タンデムユニット」とする場合、有機層は、第1のタンデムユニット、接続層、および、第2のタンデムユニットが積層された2段のタンデム構造も有していてもよく、さらには、3つ以上のタンデムユニットが積層された3段以上のタンデム構造も有していてもよい。これらの場合、発光色を赤色、緑色、青色と各タンデムユニットで変えることで、全体として白色を発光する有機層を得ることができる。
【0031】
有機層の厚さの最適化を図ることで、たとえば、第1電極と第2電極との間で発光層において発光した光を共振させ、この光の一部を第2電極を介して外部に出射する構成とすることもできる。
【0032】
本実施形態の画像表示装置において画像表示部の発光素子を有機EL素子とする場合、第1基板、第1基板上に設けられた駆動回路、駆動回路を覆う層間絶縁層、層間絶縁層上に設けられた発光部、発光部上に設けられた保護層、保護層上に設けられた遮光層、および、保護層および遮光層を覆う第2基板、を備えている形態とすることができる。
【0033】
さらに、各画素は、駆動回路および発光部を備えており、遮光層には、開口部が設けられており、開口部、並びに、開口部の下方に位置する保護層の部分および層間絶縁層の部分によって光透過部が構成されており、第2基板と対向しない第1基板の面の側に、撮像装置が配置されている形態とすることができる。
【0034】
ここで、画素の配列として、たとえば、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、デルタ配列、レクタングル配列を挙げることができる。また、第1基板や第2基板として、高歪点ガラス基板、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)基板、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)基板、フォルステライト(2MgO・SiO2)基板、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)基板、表面に絶縁膜が形成された各種ガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成されたシリコン基板、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル,PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)に例示される有機ポリマー(高分子材料から構成された可撓性を有するプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板といった高分子材料の形態を有する)を挙げることができる。
【0035】
駆動回路は、たとえば、1または複数の薄膜トランジスタ(TFT)などから構成すればよい。層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミドなどの絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。画素を有機EL素子から構成する場合、発光部は上述した通りである。保護膜を構成する材料として、発光部で発光した光に対して透明であり、緻密で、水分を透過させない材料を用いることが好ましく、具体的には、たとえば、アモルファスシリコン(α−Si)、アモルファス炭化シリコン(α−SiC)、アモルファス窒化シリコン(α−Si1-xx)、アモルファス酸化シリコン(α−Si1-yy)、アモルファスカーボン(α−C)、アモルファス酸化・窒化シリコン(α−SiON)、Al23を挙げることができる。遮光膜(ブラックマトリクス)は周知の材料から構成すればよい。必要に応じて、カラーフィルタを設けてもよい。
【0036】
画像表示部は、表示素子(発光素子)を含む画素ユニットを複数配置してなるが、ここで、画素ユニットの数を(M,N)で表したとき、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(854,480)、(1280,960)など、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
【0037】
カラー表示を行なう画像表示部において、1つの画素ユニットは、たとえば、赤(R)色成分を表示する赤色画素、緑(G)色成分を表示する緑色画素、および、青(B)色成分を表示する青色画素の3種の画素から構成される。あるいは、これらの3種の画素に加え、輝度向上のために白色光を表示する画素、色再現範囲を拡大するために補色を表示する画素、色再現範囲を拡大するためにイエローを表示する画素、色再現範囲を拡大するためにイエローおよびシアンを表示する画素など、4種あるいはそれ以上の画素から構成することもできる。
【0038】
[光透過領域]
本実施形態の画像表示装置の画像表示部に設ける光透過領域は、校正画像を検知する光検知部(たとえば撮像装置)が配設される部分と対応した部分に形成されていればよい。そして、光透過領域には、表示面側の被写体像を表す光が通過する微小な開口部が形成された光透過部を好ましくは複数設ける。
【0039】
ここで、光透過領域は、光透過部が複数の画素に設けられている第1構成例とすることができる。また、光透過領域は、少なくとも1つ以上(好ましくは、少なくとも2つ以上)の画素の周囲に光透過部が設けられている第2構成例とすることもでき、この場合、光透過部は、画素の全ての周囲に設けられていてもよいし、画素の周囲の一部に(具体的には、画素の境界に相当する辺の内の連続する2辺以上に)設けられていてもよいが、後者の場合、画素の全周の1/4倍以上の長さ(連続する2辺にあっては、各一辺の長さの1/2倍以上)に亙り光透過領域が設けられていることが好ましい。
【0040】
このような構成にあっては、複数の画素に設けられた光透過部を通過した光が撮像装置に集光され、あるいは、少なくとも1つ以上の画素の周囲に設けられた光透過部を通過した光が撮像装置に集光される。したがって、正確に像を撮像装置に結ぶために高精度の微小レンズを必要とせず、撮像装置付き画像表示装置の製造コストの増加を招くことがないし、撮像装置に十分な光量の光を集光させることができる。
【0041】
第1構成例の場合、光透過部は複数の画素に設けられているが、たとえば(限定するものではないが)、3個以上の画素に設けられていることが望ましく、光透過領域を構成する光透過部の外形形状は、本質的には任意であり、長方形や正方形といった四角形を挙げることができる。
【0042】
第2構成例の場合、光透過領域は、少なくとも1つ以上の画素の周囲に光透過部が設けられているが、たとえば(限定するものではないが)、3個以上の画素の周囲に設けられていることが望ましく、光透過部の外形形状は、本質的には任意である。たとえば、「L」字形状(光透過部が画素の境界に相当する辺の内の連続する2辺に設けられている形態)、「コ」の字形状(光透過部が画素の境界に相当する辺の内の連続する3辺に設けられている形態)、「ロ」の字形状(光透過部が画素の境界に相当する辺の全てに設けられている形態)、井桁状の形状(光透過部が画素の境界に相当する辺の全てに設けられており、かつ隣接する画素の間に共通して設けられている形態)を例示することができる。あるいは、撮像装置に備えられたレンズの射影像が含まれる画素群の周囲に光透過部を設ける構成とすることも考えられる。
【0043】
[撮像装置]
本実施形態の画像表示装置において、撮像装置(撮像部)は、画像表示部の背面側に配置されていればよいが、画像表示部の中央部に配置されていることが好ましい。撮像装置は、1個であってもよいし、複数個であってもよい。撮像装置は、たとえば、CCD素子やCMOSセンサを備えた周知、市販の固体撮像素子を用いればよい。
【0044】
本実施形態の画像表示装置においては、画像表示部と撮像装置との間に、光透過領域の光透過部を通過した光を撮像装置に集光する集光部を設けることが好ましい。集光部としては、周知のレンズを挙げることができる。レンズとして、具体的には、両凸レンズ、平凸レンズ、メニスカス凸レンズの何れかから構成することができるし、反射鏡やフレネルレンズから構成してもよいし、これらの各種の凸レンズを組み合わせて構成することもできるし、凹レンズとこれらの各種の凸レンズとを組み合わせて構成することもできる。
【0045】
撮像装置としては、周知、市販のビデオカメラやウェブカメラといった固体撮像装置を用いることもでき、これらの場合には、集光部と撮像装置が一体化している。
【0046】
本実施形態の画像表示装置においては、画像表示部に入射し、光透過部を通過し、画像表示部から出射し、集光部に入射する光の光路には、カラーフィルタを配置しないことが好ましく、また、マイクロレンズなどの結像系を配置しないことが好ましい。
【0047】
本実施形態の画像表示装置は、電子機器の一例であり、表示パネル部分の裏面側に撮像装置などの光検知部を配置できるようになっていればよく、光検知部が着脱可能なものでもよいし、固定的に装着されたものでもよい。
【0048】
画像表示装置は、たとえば、パーソナルコンピュータを構成するモニタ装置の代替として使用することができるし、ノート型パーソナルコンピュータに組み込まれたモニタ装置の代替として使用することができる。さらには、携帯電話やPDA(携帯情報端末,Personal Digital Assistant)、ゲーム機器に組み込まれたモニタ装置、従来のテレビジョン受像機の代替として使用することもできる。
【0049】
<装置およびシステムの構成>
[全体概要]
図1〜図2は、本実施形態の画像表示装置および画像表示システムの概念を説明する図である。ここで、図1(1)は画像表示装置の概念図であり、図1(2)は画像表示システムの概念図である。図1(1−1)は画像表示装置を正面から眺めた概念図であり、図1(1−2)は画像表示装置を側面から眺めた概念図である。図1(2−1)は画像表示システムを正面から眺めた概念図であり、図1(2−2)は画像表示システムを側面から眺めた概念図である。図2は、画像表示部を構成する複数の画素の最も典型的な配置を模式的に示した図である。
【0050】
図1(1)に示すように、本実施形態の画像表示装置1は、画像表示部10、画像表示部10の背面側に配置された撮像装置20、画像表示部10に形成された光透過部30、光透過部30を通過した光を撮像装置20に集光する集光部21を有する。撮像装置20は画像表示装置1の背面に対して着脱可能に構成してもよい。画像表示部10の撮像装置20と対応する部分が光透過領域12とされる。たとえば、画像表示部10の少なくとも撮像装置20の有効撮像領域と対応する部分が光透過領域12とされる。撮像装置20の有効撮像領域よりも光透過領域12の方が狭い場合には、撮像装置20での実際の撮像領域が狭くなる。
【0051】
詳細は後述するが、画像表示部10の輝度校正時には、校正治具450を画像表示部10の表示面に被せる。校正治具450は、囲い451の内面の画像表示部10の表示面と対向する部分に反射鏡452が表示面と平行に配置されている。
【0052】
撮像装置20は、画像表示部10の背面側、より具体的には、画像表示部10の背面側の中央部に配置されており、備えられた撮像装置20は1つである。ここで、撮像装置20および集光部21は、これらが一体化された、すなわちCCD素子等を備えた周知、市販のビデオカメラからなってもよいし、また、画像表示部の背面に設けられるように最適化された構成をとるものでもよい。
【0053】
画像表示装置1は、たとえばパーソナルコンピュータを構成するモニタ装置の代替として使用される。すなわち、図1(2)に示すように、本実施形態の画像表示システム2は、画像表示装置1_2にパーソナルコンピュータ(電子計算機)の本体などの周辺機器70が接続されている。周辺機器70は電子機器の一例である。画像表示装置1_2は、周辺機器70のモニタ装置として機能するようになっている。画像表示装置1_2は、画像表示装置1から一部の機能部を取り外したものである。その取り外した機能部は周辺機器70に組み込まれている。周辺機器70と画像表示部10および撮像装置20とはケーブル72,73で接続されている。
【0054】
画像表示部10の画素11としては、自発光型の発光素子、具体的には、有機EL素子からなるものを使用する。画像表示部10は、カラー表示のXGAタイプの有機EL表示装置からなる。すなわち、画素ユニットの数を(M,N)で表したとき、(1024,768)である。
【0055】
図2に示すように、1つの画素ユニットは、赤色を発光する赤色発光画素11R、緑色を発光する緑色発光画素11G、および、青色を発光する青色発光画素11Bの3つの画素から構成されている。なお、画素の外縁を点線で示している(後述する他の例でも同様である)。
【0056】
画像表示部10には、表示素子を含む画素11(11R,11G,11B)が複数配置されており、画像表示部10の光透過領域12の複数の画素11には光透過部30が設けられている。この例では光透過部30は画素11ごとに各別のものとなっているが、このことは必須でなく、複数の画素11に跨っていてもよい。また、この例では光透過部30が画素11ごとに(光透過領域12の全ての画素11に)設けられているが、このことは必須でなく、少なくとも光透過領域12の複数の画素11に光透過部30が設けられていればよく、たとえば2画素おきなど光透過領域12の一部の画素11に光透過部30が設けられていないものがあってもよい。
【0057】
光透過部30は、限定するものではないが、たとえば6×3=18個の画素11に設けられている。1つの画素に1つの光透過部30が設けられている。集光部21は、これらの6×3=18個の画素11における光透過部30を通過した光を撮像装置20に集光する。各光透過部30の形状は長方形である。
【0058】
図示しないが、画像表示部10には、各走査線を駆動する走査信号供給IC、および、映像信号を供給する映像信号供給ICが配されている。そして、走査信号供給ICには走査線制御回路が、映像信号供給ICには信号線制御回路が、それぞれ、接続されている。画像表示部10に入射し、光透過部30を通過し、画像表示部10から出射し、集光部21に入射する光の光路には、カラーフィルタは配置されていないし、マイクロレンズなどの結像系も配置されていない。
【0059】
[画像表示部の断面構造]
図3は、画像表示部10の詳細を説明する図である。ここで、図3(1)は、画像表示部10の模式的な一部断面図である。図3(2)は、画像表示部10の発光素子の詳しい構成を纏めた図表である。
【0060】
画像表示部10は、第1基板40、第1基板40上に設けられた複数のTFTから構成される駆動回路、駆動回路を覆う層間絶縁層41、層間絶縁層41上に設けられた有機層63(発光部)、有機層63上に設けられた保護層64、保護層64上に設けられた遮光層65、保護層64および遮光層65を覆う第2基板67を備えている。
【0061】
各画素11は、駆動回路および発光部を備えており、遮光層65には、開口部65Aが設けられており、開口部65A、並びに、開口部65Aの下方に位置する保護層64の部分、第2電極62の部分、および、層間絶縁層41の部分などによって光透過部30が構成されている。集光部21および撮像装置20は、第2基板67と対向しない第1基板40の面の側に配置されている。
【0062】
より具体的には、ソーダガラスからなる第1基板40上には駆動回路が設けられている。駆動回路を構成するTFTは、第1基板40上に形成されたゲート電極51、第1基板40およびゲート電極51上に形成されたゲート絶縁膜52、ゲート絶縁膜52上に形成された半導体層に設けられたソース/ドレイン領域53、並びに、ソース/ドレイン領域53の間であって、ゲート電極51の上方に位置する半導体層の部分が相当するチャネル形成領域54から構成されている。図示した例にあっては、TFTをボトムゲート型としたが、トップゲート型であってもよい。
【0063】
TFTのゲート電極51は、走査線(図示せず)に接続されている。そして、層間絶縁層41(41A,41B)が、第1基板40および駆動回路を覆っている。また、有機EL素子を構成する第1電極61は、SiOXやSiNY、ポリイミド樹脂などからなる層間絶縁層41B上に設けられている。TFTと第1電極61とは、層間絶縁層41Aに設けられたコンタクトプラグ42、配線43、コンタクトプラグ44を介して電気的に接続されている。図においては、1つの有機EL素子駆動部につき、1つのTFTを図示した。
【0064】
層間絶縁層41上には、開口46を有し、開口46の底部に第1電極61が露出した絶縁層45が形成されている。絶縁層45は、平坦性に優れ、しかも、有機層63の水分による劣化を防止して発光輝度を維持するために吸水率の低い絶縁材料、具体的には、ポリイミド樹脂から構成されている。開口46の底部に露出した第1電極61の部分の上から、開口46を取り囲む絶縁層45の部分に亙り設けられ、有機発光材料からなる発光層を備えた有機層63が形成されている。有機層63は、たとえば、正孔輸送層、および、電子輸送層を兼ねた発光層の積層構造から構成されているが、図面では1層で表す。
【0065】
第2電極62上には、有機層63への水分の到達防止を目的として、プラズマCVD法に基づき、アモルファス窒化シリコン(α−Si1-xx)からなる絶縁性の保護層64が設けられている。保護層64の上には、黒色のポリイミド樹脂からなる遮光層65が形成されており、保護層64および遮光層65上にはソーダガラスからなる第2基板67が配されている。保護層64および遮光層65と第2基板67とは、アクリル系接着剤からなる接着層66によって接着されている。
【0066】
第1電極61をアノード電極として用い、第2電極62をカソード電極として用いる。具体的には、第1電極61は、厚さ0.2μm〜0.5μmのアルミニウム(Al)、銀(Ag)、あるいは、これらの合金で構成される光反射材料からなり、第2電極62は、厚さ0.1μmのITOやIZOといった透明導電材料や、厚さ5nm程度の銀(Ag)、マグネシウム(Mg)などの光をある程度透過する金属薄膜(半透明金属薄膜)からなる。第2電極62はパターニングされておらず、1枚のシート状に形成されている。場合によっては、有機層63と第2電極62との間に、厚さ0.3nmのLiFからなる電子注入層(図示せず)を形成してもよい。
【0067】
以上、纏めると、本実施形態の画像表示装置1における画像表示部10の発光素子の詳しい構成は、図3(2)に示す通りである。
【0068】
第1基板40から保護層64および遮光層65までが表示素子基板である。第2基板67は封止基板として機能する。ここで、第2基板67に設けられる光透過部30をなす開口部65Aは、表示素子基板の画素電極(第1電極61)、TFT(ゲート電極51を含む)および配線がない部分にある。また、封止剤として機能する保護層64、EL共通電極として機能する第2電極62、画素分離膜として機能する絶縁層45、平坦化絶縁膜として機能する層間絶縁層41(41A,41B)、ソース/ドレイン領域53、ゲート絶縁膜52は光透過性を持っている。したがって、表示面(第2基板67)側より入射する外光は、開口部65Aを通って裏面(第1基板40側)に到達することができる。
【0069】
パネル裏面に設置される撮像装置20は、光透過部30(開口部65A)があるパネル裏面に撮像面を近接するように(ただし本例では集光部21を介在させる)設置される。よって、表示面側より入射される外光は、撮像装置20のレンズ(図示せず)で結像され、CCDやCMOSなどの固体撮像素子に入るので、表示面側に存在する被写体を撮像することができる。
【0070】
このように、本実施形態の画像表示装置1では、表示素子に有機EL素子を使用しており、光透過部30を設けるだけで、裏面(第1基板40)側に撮像装置20を設置することで、表示面(第2電極62)側に存在する被写体を撮像できる。
【0071】
たとえば、撮像装置が画像表示部10の外側に固定されている場合、撮像装置は画像表示装置1の使用者を斜めから撮像することになり、画像を画像表示部10にて表示したとき、画像表示部10には、斜めから撮像された使用者の画像が表示される。したがって、使用者の顔を正確に表示することができないし、画像表示部10のどこを使用者が注視しているかを正確に判別することもできない。さらには、使用者が画像表示部10に近づいた場合には、撮像範囲外になってしまう可能性が大である。
【0072】
一方、本実施形態の画像表示装置1にあっては、撮像装置20が画像表示部10の背面側の中央部に配置されているので、画像表示装置1の使用者を、撮像装置20は正面から撮像することができ、画像を画像表示部10にて表示したとき、画像表示部10には、正面から撮像された使用者の画像が表示される。したがって、使用者の顔を正確に表示することができるし、画像表示部10のどこを使用者が注視しているかを容易に、しかも、正確に判別することができる。また、使用者が画像表示部10に近づいた場合でも、使用者の撮像を行なうことができる。
【0073】
画像表示装置1にあっては、光透過領域12の複数の画素11のそれぞれに設けられた光透過部30(複数の光透過部30)を通過した光が撮像装置20に集光される。したがって、正確に像を撮像装置20に結ぶために高精度の微小レンズを必要とせず、画像表示装置1の製造コストの増加を招くことがないし、撮像装置20に十分な光量の光を集光させることができる。
【0074】
たとえば、観察者(撮像装置20にとっての被写体)が画像表示部10の表示画像を見ながら、ペンで指示している状態の場合、表示面に正対している観察者の顔や目、および手やペンを撮像することができる。これにより、たとえば、観察者の視線を撮像画像から検出することができる。また、手やペンなどの向きから画像表示部10の対応する指示点を特定することができるので、いわゆるポインタ機能を画像表示装置1に容易に付加することができる。さらには、ポインタ機能以外にも、使用者の顔や目、手の動き、周辺の明るさなども撮像画像から分かるので、様々の情報を画像表示装置1から得て、種々のシステムに送出することができ、画像表示装置1の付加価値を高めることができる。
【0075】
ここで示したような簡便な構成は、いわゆるLCDでは不可能ではないが困難性があるし、また可視光波長も含めて透過させる構造はさらに困難である。これに対して本実施形態の画像表示装置1は、光透過部30を設けるだけであり、簡便な構成で裏面から表示面側にいる被写体を撮像できる。
【0076】
加えて、校正治具の反射境に映った校正画像(校正用の輝点画像)を撮像し、表示データを補正した上で表示を行なうことで、輝度校正がなされた好適な画像を表示できる。すなわち、画像表示部10の裏面まで光が到達するような光透過部を画像表示部10に設けて、対応する位置に光検知部として機能する撮像装置20を設置し、輝度校正時に内面に反射鏡を有し(好ましくは反射鏡以外が黒色である)校正治具を被せて校正画像を表示しながら撮像して輝度データを得ることで、表示装置の輝度校正を簡便に行なうことができる。これにより、表示素子の経時変化(劣化)や環境変化や連続点灯などによる輝度変動を抑制でき、輝度むらや色むらのない(少ない)高画質の画像を表示できる。
【0077】
なお、本実施形態の仕組みとは直接的には関係ないが、一般に、ある小さい光透過開口部を通して画像を撮像した場合、光透過開口部で、いわゆる照明光の映込み現象が発生する。すなわち、微小な光透過部30が所定ピッチで設けられた物体(画像表示部10)の背面に撮像装置20を設置して、光透過部30を通して撮像すると、光透過部30が光スリットとして作用する。このため、照明光の映込み現象によって、本来の画像と同じ偽画像が等ピッチで出現する結果、画像にボケが生じる。回折光の強度と分布は、光透過部の形状、大きさ、分布、入射光(外光)の波長に依存する。回折によるボケが小さい場合には、撮像画像に対して回折を補正(補償)する処理を行なう必要はないが、高品質な撮像画像を必要とする場合には、回折現象による影響を補正(補償)することが好ましい。
【0078】
<輝度校正に対応した構成>
本実施形態の画像表示装置1は画像表示部10の背面に撮像装置20を装着可能であり、表示面側の被写体を撮像できるようになっており、この特質を利用することで、校正治具を表示面側に被せることで輝度校正もできる。以下、輝度校正の仕組みについて具体的に説明する。
【0079】
[校正治具]
図4は、輝度校正を行なう際に使用する測定治具(校正治具)の一例を説明する図である。図4(1)は、画像表示部10の表示面側に校正治具450を被せる際の状態を示したの概念図(斜視図)であり、図4(2)は、校正治具450を側面から眺めた概念図である。図4(3)は、装着構造を説明する図である。
【0080】
校正治具450は、画像表示部10の表示面側が開放された囲い451(遮蔽体)を具備し、囲い451の内面の画像表示部10の表示面と対向する部分に平板状の反射鏡452(反射板、平板ミラー)が表示面と平行に配置されている。輝度校正時には、このような校正治具450を、その開放端側が表示面側となるようにして画像表示部10の表示面に被せる。本実施形態の輝度校正では、画像表示部10の表示面側の画像を校正治具450の反射鏡452に写して(反射させて)、その鏡像(反射像)を撮像装置20で撮像するので、輝度校正に用いる校正治具450は、いわゆる電気的な接続を必要としない簡便なものである。
【0081】
画像表示部10(の表示面)への校正治具450の取り付け(装着)は、たとえば嵌合構造を利用する。画像表示部10と校正治具450は、嵌合構造部として、凹凸の形状構成部を具備する。画像表示部10側に凹形状構成部と凸形状構成部の何れか一を設け、校正治具450側に凹形状構成部と凸形状構成部の他方を設ける。とえば、校正治具450の画像表示部10との装着部分(上辺や左右上部の隅など)には装着用(凸状)の突起462(引っ掛け用の出っ張り)が設けられており、突起462と対応する画像表示部10側には引っ掛け用(凹状)の溝464(窪み)が設けられている。つまり、画像表示部10において、校正治具450の装着時に、凸形状構成部である突起462の位置に対応する部分に凹形状構成部である溝464が設けられている。突起462と溝464は、画像表示部10に対する校正治具450の固定を行なうとともに、両者の位置合せを行なう。
【0082】
校正治具450は、好ましくは、不要な光成分が検知されないように、その内面の反射鏡452以外は非反射板となるようにするとよい。「反射」と「非反射」は相対的なもので絶対的なものではなく、反射鏡452以外の内面に光反射を防止する手段が施されていればよい。反射鏡452の方が非反射板よりも反射率が大きいという意味であり、たとえば囲い451の内面の反射鏡452以外の部分を黒色とすることで光反射を防止するようにすればよい。
【0083】
好ましくは、校正治具450は、コンパクトな構造にするべく、内面の反射鏡452は、その奥行きを短くして、アスペクト比が表示面と同一で大きさは表示面より小さいものとするのが好ましい。たとえば、図4(2)の例では、反射鏡452の大きさは表示面の1/M(たとえば1/2)に設定されている。校正治具450を置かずに、表示面(サイズV)と同一画面のパネルを撮像装置20で撮像したときの撮像装置20の視野全体に仮想画面(サイズV)が入るときの仮想画面(仮想発光面)と撮像装置20(詳しくは集光部21)の間の距離をLとする。校正治具450を表示面に被せた状態で、反射鏡452と撮像装置20(詳しくは集光部21)の間の距離(検知距離、撮像距離)がL/M(この例ではL/2)となっていれば、表示面で校正画像を表示した際、反射鏡452には表示面全体が映り込むことになる。このため、撮像装置20で反射鏡452(に写った画像)を撮像することで、表示面の輝度情報を取得することができ、かつ校正治具450の大きさを小さくできる。
【0084】
図5は、校正治具450の形状の一例を示す概念図(断面図)である。図5(1)に示す第1例は断面形状が台形形状のものであり、斜辺と長辺のなす角が45度に設定されている。図5(2)に示す第2例は断面形状が矩形(長方形)形状のものである。何れも、反射鏡452は、反射率がたとえば90%に設定されており、いわゆる鏡として機能する。校正治具450を画像表示部10に被せた状態で表示面10aと反射鏡452が平行状態であり、反射鏡452以外の治具内面が黒色であれば、形状は問わない。
【0085】
[回折現象とその対策手法]
図6〜図8は、回折現象とその対策を説明する図である。ここで、図6は、回折現象による撮像画像への影響を説明する模式図である。図7は、撮像装置20の手前にガラス板を配置して撮像して得られた画像の一例を示す図である。図8は、回折現象の影響を受けない(影響が小さくなる)ようにした校正画像の一例と、その撮像画像の一例を示す図である。
【0086】
校正画像は1点以上の連続していない(繋がっていない)多点画像が好ましい。以下に、その理由を説明する。本実施形態の画像表示装置1において、画像表示部10の背面に撮像装置20を設けて表示面側の被写体(輝度校正時には反射鏡452に写った鏡像)を撮像すると、画像表示部10に設けた光透過部30で回折が発生し、その影響で撮像画像が暈ける問題が起きる。図6〜図10にはその情況が示されている。
【0087】
一般に、ある小さい光透過開口部を通して画像を撮像した場合、光透過開口部で、いわゆる回折現象が発生する。すなわち、図6に示すように、微小な光透過部30が所定ピッチで設けられた物体(画像表示部10)の背面に撮像装置20を設置して、光透過部30を通して撮像すると、光透過部30が光スリットとして作用する。このため、回折現象によって、画像「C」と同じ画像が等ピッチで画像「A」および画像「B」として出現する結果、画像にボケが生じる。
【0088】
撮像装置20の手前に光透過部が設けられていない透明なガラス板を配置して撮像して得られた画像が図7(1)に示されている。撮像装置20の手前にある形状、大きさ、分布を有する光透過部を設けた透明なガラス板を配置して撮像して得られた画像が図7(2)に示されている。図7(2)に示す画像にはボケが認められる。一方、図7(1)に示す画像にはボケが認められない。
【0089】
回折光の強度と分布は、光透過部の形状、大きさ、分布、並びに、入射光(外光)の波長に依存する。回折によるボケが小さい場合には、撮像画像に対して回折を補正(補償)する処理を行なう必要はないが、高精度の測定画像を必要とする場合には、回折現象による影響を補正(補償)することが好ましい。信号処理でこのような回折現象に対する対処が採られていない場合には、回折光の影響が小さくなるような校正画像を表示することが好ましい。
【0090】
図8(1−1)には、回折光の影響が小さくなるような校正画像の第1例である1点画像が示されている。1点画像は、画像表示部10の表示面10aのある1点だけを表示(発光)させた画像である。輝度校正時には、撮像装置20で、1点画像の点の位置を1つ(1画素)ずつ変えながら反射鏡452(に写った鏡像)を撮像することで全画素の輝度情報を得る。このときには、図8(1−2)に示すように、撮像画像は回折光の成分も含むが、1点しか表示していないので、回折光の中心輝度さえ分かればよい。よって1点画像の点の表示位置を1つ(1画素)ずつ変えなが撮像することで全画素の輝度情報を正確に取得することができる。
【0091】
ただし、1点画像を用いた輝度校正は、画素数が多い場合には測定に時間が掛かる問題が発生する。この対策用の校正画面としては、多点画像を使用することが好ましい。
【0092】
図8(2−1)には、回折光の影響が小さくなるような校正画像の第2例である多点画像が示されている。図示した例は、中心のドットに対して、中心ドットを挟んで、上下(垂直方向)にそれぞれ2ドットを表示し、また、左右(水平方向)にそれぞれ2ドットを表示する例である。この例は一例に過ぎず、中心ドット以外にさらに幾つのドットを表示するかは任意である。ただし、表示位置を変えながら撮像する際の重複撮像を回避し易くするように位置と数を設定するとよい。
【0093】
ここで、校正画像としての多点画像の特徴は、連続していない複数の点で構成されており、かつ点ピッチの最小値(最小表示ピッチPm)は回折ピッチより大きく設定されていることである。これは、回折ピッチより最小表示ピッチPmを大きく設定することで、回折光と点灯光が混合しないようにして測定精度を高めるためである。この多点画像のドットの表示位置を変えながら反射鏡452(に写った鏡像)を撮像することで、全画素の輝度情報を正確に取得することができる。
【0094】
また、多点画像とすることで、撮像装置20への光量不足も解消でき、測定時間の短縮にも役立つ。たとえば、複数ドットを表示しているので1ドットを表示する場合よりも全体としては明るく観察されるので露光制御をし易くなり光量不足による測定精度不足の問題が解消される。また、ドットの表示位置を変えながら撮像する際に、それぞれの表示位置では各ドットの輝度を測定し、また、ドットの重複を避けるようにして表示位置を変えることで、測定時間の短縮を図ることができる。回折によって重なってしまわない範囲にあれば、複数の画素を同時に点灯させて撮像した後に、各々の輝度情報を分離(実際に写った位置の情報に基づいて)できるので、一度の点灯で複数画素の調整ができ、測定時間の短縮になる。たとえば、100×100=10000の画素があった場合に、1点画像を順次表示していく場合であれば1万回の測定動作が必要になるが、回折によって重ならない位置関係にある100個をそれぞれ選んで同時に点灯させて測定すれば100回の測定回数で済む。
【0095】
1点画像や多点画像の何れを用いた場合でも、画像表示装置1を使用する前に、一旦、画像表示部10に校正治具450を被せて、校正画像を撮像装置20で撮像して全画素の輝度情報を取得する。この輝度情報を校正画像の表示データと比較することで、本来得られるべき輝度量との差(輝度変化量、特に輝度劣化量)が分かるので、輝度校正することができる。
【0096】
輝度校正測定で取得した輝度変化量に基づく表示データに対する補正の仕組みは、輝度校正測定で取得した輝度変化量に基づき本来得られるべき輝度量となるように各表示素子の輝度を変化させるものであればよく、特許文献1など公知の種々の方法を適用できる。
【0097】
[輝度校正装置・システム]
図9は、輝度校正に対応した本実施形態の画像表示装置1のブロック図である。図10は、輝度校正に対応した本実施形態の画像表示システム2のブロック図である。
【0098】
図9に示す本実施形態の画像表示装置1は、装置全体の動作を制御する制御部90、画像表示部10の表示動作を制御する表示用タイミングコントローラ92、撮像装置20(撮像部20a)の撮像動作を制御する撮像用タイミングコントローラ94を有する。
【0099】
制御部90は、表示データやタイミング信号などを、表示用タイミングコントローラ92に供給する。制御部90は、撮像タイミング信号、シャッタ制御信号、ゲイン制御信号などを、撮像用タイミングコントローラ94へ供給する。
【0100】
表示用タイミングコントローラ92は、図示しない信号線制御回路を具備し、信号線制御回路は、表示データや水平タイミング信号を図示しない映像信号供給ICを介して画像表示部10に供給する。表示用タイミングコントローラ92は、図示しない走査線制御回路を具備し、走査線制御回路は垂直タイミング信号を図示しない走査信号供給ICを介して画像表示部10に供給する。
【0101】
本実施形態の画像表示装置1は、輝度校正測定時に撮像装置20を介して取得された測定画像に基づいて輝度変化の補正を表示データに対して施す表示補正部400を備えている。つまり、表示補正部400を備えた輝度補正装置(表示補正装置の一例)の機能を画像表示装置1が備える。
【0102】
撮像装置20(電子機器の一例)を画像表示装置1と別体にする場合には、図に一点破線で示すように、表示補正部400(場合によっては撮像用タイミングコントローラ94も)を撮像装置20側に配置することも考えられる。この場合は、表示補正部400を備えた輝度補正装置の機能を撮像装置20が備える構成になるし、輝度補正装置は、光検知部として機能する撮像装置20が備えられた構成になる。
【0103】
表示補正部400は、輝度計算部402と補正情報記憶部404を有する。制御部90は使用者から各種の指示を受付けて、表示補正部400やその他の各機能部の動作を制御する。制御部90は、タイミング信号(校正情報の取得時には校正画像用の表示データも)を表示用タイミングコントローラ92に供給し、また、表示データを表示補正部400に供給する。表示補正部400は、制御部90から受け取った表示データを補正して表示用タイミングコントローラ92に供給する。制御部90は、撮像タイミング信号、シャッタ制御信号、ゲイン制御信号などを、撮像用タイミングコントローラ94へ供給する。
【0104】
表示用タイミングコントローラ92は、図示しない信号線制御回路を具備し、信号線制御回路は、表示データや水平タイミング信号を図示しない映像信号供給ICを介して画像表示部10に供給する。表示用タイミングコントローラ92は、図示しない走査線制御回路を具備し、走査線制御回路は垂直タイミング信号を図示しない走査信号供給ICを介して画像表示部10に供給する。
【0105】
輝度計算部402は、輝度校正測定時に撮像装置20を介して取得された画像情報から、表示面の各位置の輝度の情報を計算する。補正情報記憶部404は、輝度計算部402で計算された輝度の情報を画像格納メモリに記憶する。表示補正部400の処理動作は制御部90により制御される。
【0106】
たとえば、撮像装置20を介して取得された画像情報が、表示補正部400を構成する輝度計算部402に送られる。輝度計算部402は、輝度校正測定時に撮像装置20で取得された撮像データを元にして、表示データに対する補正分(補正情報)を算出する。補正分は、本来得られるべき輝度量となるように表示素子の輝度を変化させる量である。
【0107】
画像表示部10における画像表示は、制御部90の制御によって行なわれる。すなわち、制御部90から表示データおよびタイミング信号などが表示用タイミングコントローラ92に送られ、表示用タイミングコントローラ92から表示データおよび水平タイミング信号が図示しない信号線制御回路に送られ、一方、垂直タイミング信号が図示しない走査線制御回路に送られる。そして、画像表示部10において、周知の方法に基づき画像表示がなされる。一方、制御部90から、撮像タイミング信号、シャッター制御信号、ゲイン制御信号などが撮像用タイミングコントローラ94に送られ、撮像用タイミングコントローラ94からこれらの信号が撮像装置20に送られ、撮像装置20の動作が制御される。
【0108】
図10には輝度校正に対応した本実施形態の画像表示システム2が示されている。図9に示した画像表示装置1との相違点は、画像表示装置1から、制御部90と表示補正部400を取り外して画像表示装置1_2とし、その取り外した制御部90と表示補正部400が周辺機器70(電子機器の一例)に組み込まれている。この場合は、表示補正部400を備えた輝度補正装置の機能を周辺機器70が備える構成になるし、光検知部として機能する撮像装置20は輝度補正装置と別体の構成になる。
【0109】
すなわち、制御部90は、画像表示装置1に備えられてもよいし、画像表示装置1_2に接続されたパーソナルコンピュータなどの周辺機器70に備えられてもよい。表示補正部400も、画像表示装置1に備えられてもよいし、画像表示装置1_2に接続されたパーソナルコンピュータなどの周辺機器70に備えられてもよい。
【0110】
画像表示装置1や画像表示システム2における表示補正部400や制御部90の制御機能(特に表示補正部400を制御する機能)は、ソフトウェアで実現することもでき、このためのプログラムやプログラムを格納した記録媒体を発明として抽出することもできる。すなわち、本実施形態において、輝度補正処理並びにこの処理に関わる制御処理を行なう制御構成の仕組みは、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)の仕組みを用いてソフトウェア的に実現され得る。ソフトウェアにより実行させる仕組みでは、ハードウェアの変更を伴うことなく処理手順などが容易に変更し得ることとなる。プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介した配信により提供されてもよい。
【0111】
輝度補正処理並びにこの処理に関わる制御処理の各機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて個別プログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0112】
また、輝度補正処理並びにこの処理に関わる制御処理の各機能を実現するための各部(機能ブロックを含む)の具体的手段は、ハードウェア、ソフトウェア、通信手段、これらの組み合わせ、その他の手段を用いることができ、このこと自体は当業者において自明である。また、機能ブロック同士が複合して1つの機能ブロックに集約されてもよい。また、コンピュータにプログラム処理を実行させるソフトウェアは、組合せの態様に応じて分散してインストールされる。
【0113】
ソフトウェアで行なう仕組みは、並列処理や連続処理に柔軟に対処し得るものの、処理が複雑になるに連れ、処理時間が長くなるため、処理速度の低下が問題となる。これに対して、ハードウェア処理回路で構築すると、処理が複雑であっても、処理速度の低下が防止され、高いスループットを得る高速化を図ったアクセラレータシステムが構築される。
【0114】
これらのソフトウェア処理に関する事項は、回折補正処理に関する処理を行なう場合や、外光の波長分布の測定結果を反映させることで撮像装置を介して取得された画像情報の精度の向上(たとえば色情報の精度向上)やMTF逆変換処理の精度向上を図る場合でも同様である。
【0115】
<輝度補正処理>
図11は、本実施形態の表示補正部400による輝度補正処理の一例を説明する図(フローチャート)である。本例の輝度補正処理は、輝度校正測定時に校正画像の輝度を測定し、その結果に基づいて表示データを補正するものである。
【0116】
輝度校正測定時(校正情報の取得時)には画像表示部10に校正治具450を被せる(S100)。この状態で、画像表示部10の表示面に校正画像を表示し、校正画像を校正治具450の反射鏡452に写して、画像表示部10の背面から撮像装置20で撮像し、撮像信号を記憶する(S102)。画像表示装置1がカラー対応の場合、R,G,Bの対で全体として無彩色のドットを表示するものとする。ドットの輝度レベルは不問であるが、たとえば測定感度を高くするには画像表示装置1で採用し得る最大輝度となるようにするとよい。
【0117】
たとえば、撮像装置20からは、反射鏡452に写った校正画像を撮像した撮像データとしてR,G,Bの色画像データ(撮像Rデータ、撮像Gデータ、撮像Bデータ:纏めて撮像RGBデータ)が表示補正部400の輝度計算部402に供給されるものとする。輝度計算部402は、撮像装置20から供給される撮像画像データ(校正画像の輝度を反映した撮像データ)を画像格納メモリに記憶する。
【0118】
輝度計算部402は、ステップS102で取得された測定画像を表わすRGB色空間の撮像Rデータ、撮像Gデータ、撮像Bデータおよび校正画像を表わす表示データを、他の色空間(たとえばXYZ色空間やYuv色空間)の画像データに変換する(S110)。このような色変換処理を行なうのは、カラー対応の場合に、R,G,Bの対で全体として無彩色のドットを表示して測定し、輝度変化の影響の補正を輝度成分と色成分の別に分けて行なうことを考慮したものである。
【0119】
輝度計算部402は、測定画像について色変換したデータに基づいて表示された校正画像を測定したドットの輝度を求めるとともに、校正画像の表示データについて色変換したデータに基づいて本来の校正画像のドットの輝度を求める(S130)。輝度計算部402は、測定画像のドットの輝度と校正画像の本来のドットの輝度とを比較して補正係数を算出する(S140)。たとえば、RGB色空間のデータをXYZ色空間やYuv色空間のデータに変換した場合は、色変換後のYデータを、ドットの輝度データとして使用すればよい。補正係数としては、たとえばそれぞれの輝度データの差分や比を使用する。輝度計算部402は、算出した補正係数を補正情報記憶部404に記憶する(S142)。
【0120】
このような処理を、校正画像で表示するドットの画素位置を変えながら繰返し行なうことで、全画素の輝度情報を得る(S144,S146)。なお、ステップS146後にはステップS102に戻る。
【0121】
通常の画像表示の際は、輝度計算部402は、補正前の本来の表示データに基づき表示面上での表示輝度を計算する。たとえば、画像表示部10には表示データとしてR,G,Bの色画像データ(表示Rデータ、表示Gデータ、表示Bデータ:纏めて表示RGBデータ)が表示補正部400の輝度計算部402に供給されるものとする(S150)。輝度計算部402は制御部90から供給される表示画像データを画像格納メモリに記憶する。
【0122】
輝度計算部402は、ステップS150で取得されたRGB色空間の表示Rデータ、表示Gデータ、表示Bデータを、他の色空間(たとえばXYZ色空間やYuv色空間)の画像データに変換する(S160)。このような色変換処理を行なうのは、カラー対応の場合に、R,G,Bの対で全体として無彩色のドットを表示して測定し、輝度変化の影響の補正を輝度成分と色成分の別に分けて行なうことを考慮したものである。
【0123】
輝度計算部402は、色変換した表示データに対して、補正情報記憶部404に記憶しておいた補正係数の情報を使って、元の表示データの輝度と対応する本来の輝度となるように(表示むらが起きないように)データ補正を行なう(S180)。そして、このデータ補正後の表示データを表示用タイミングコントローラ92に供給して画像表示部10で表示する(S190)。
【0124】
ステップS150に戻って同様の処理を繰り返すことで、輝度校正測定時に取得した校正画像の各ドットの補正係数の情報を元にして、本来の輝度で表示されるように表示データを補正することで、常に表示素子の輝度特性変動の影響を抑制した画像を表示できる。
【0125】
このような仕組みによれば、表示素子の特性変化(たとえば劣化による)があっても、最終画像の色度座標は入力データから得られる色度座標と等しく、表示素子の特性変化の影響を受けない。また、表示面内の各画素に対して補正を行なうため、表示素子のそれぞれの特性変化に対応して補正することができ、輝度むらや色むらが視認されない(視認され難い)、見栄えのよい高品位な表示画像を提示できる。
【0126】
なお、ここで示した輝度補正の方向は、輝度低下が起きたときに、表示素子の輝度を増大させるようになっている。特性劣化があっても表示効率の低下が補償されるため、効率低下を補償できなくなるまで表示素子の寿命を長くすることができ、画像表示装置1をより長期間に亘って利用することができる。
【0127】
ただしこのような輝度補正の方向は、長期間に亘って使用できる(表示素子の寿命をより長くできる)とはいっても、実体としては、表示素子の劣化の進行を早めていることになる。このような仕組みは、“焼き付き”の出現の遅延、あるいは、出現した輝度差の拡大防止に効果的であるが、依然として、時間が経過すれば“焼き付き”が出現し、輝度差が拡大するのを避け得ない。
【0128】
この対策としては、劣化の進んでいる素子の表示輝度は低下させ、逆に劣化の進んでいない素子の表示輝度は増加させることで、表示むらを抑制しつつ実体的な寿命も延ばすことができると考えられる。すなわち、各画素に対応する表示素子の劣化度(寿命)が画素単位で等しくなるように補正する趣旨である。こうすることで、部分的な表示能力の劣化を回復することで焼き付き現象を解消できる。
【0129】
この手法の具体的な態様としては、補正量を何を基準として如何様にして求めるかや、その補正量を使って如何様にして入力される表示データに対して焼き付き補正に資するようにデータ変換するかは、種々の方法が考えられる。たとえば、累積発光量が最も大きい画素の累積発光量を基準値として補正値を求め、その補正値を、対応する本来の入力表示データに加算する。基準値に対する累積発光量の乖離度が大きい画素ほど、補正値は大きな値を持つ。つまり、発光頻度の低く発光量の少ない画素では補正値が大きくなり、逆に、発光頻度が高く発光量の多い画素では補正値が小さくなる。また、これとは逆に、累積発光量が最も小さい画素の累積発光量を基準値として補正値を求め、その補正値を、対応する本来の入力表示データから減算する。基準値に対する累積発光量の乖離度が大きい画素ほど、補正値は大きな値を持つ。つまり、発光頻度の低く発光量の少ない画素では補正値が小さくなり、逆に、発光頻度が高く発光量の多い画素では補正値が大きくなる。何れでも、本実施形態の輝度校正処理において校正画像のドットを測定して得た輝度データを累積発光量の代替え値として使用できる。各画素に対応する発光体の劣化度(寿命)が、画素単位で等しくなるように補正できるだけでなく、焼き付き補正に必要な演算(補正量の算出処理および補正量を使ってのデータ変換処理)は加算や減算でよいので非常に簡単であり、複雑な演算やメモリを必要としないし、高性能のCPUや大規模ロジック回路も必要としない。
【0130】
<電子機器のモニタ装置の代替>
図12は、本実施形態の画像表示装置1が適用される電子機器の一例を示す図である。本実施形態の画像表示装置1は、たとえばパーソナルコンピュータを構成するモニタ装置の代替に限らず、各種の電子機器のモニタ装置の代替として使用できる。たとえば、ノート型パーソナルコンピュータ(図12(1)参照)に組み込まれたモニタ装置の代替として使用することができる。また、携帯電話(図12(2)参照)や、図示しないが、PDA(携帯情報端末,Personal Digital Assistant)、ゲーム機器に組み込まれたモニタ装置、従来のテレビジョン受像機などの代替として使用することができる。何れも、画像表示部10には、図示しない光透過部30が形成されている光透過領域12が設けられ、表示面側と反対側の裏面には撮像装置20が設けられる。
【0131】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で前記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0132】
また、前記の実施形態は、クレーム(請求項)に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0133】
たとえば、画像表示部10の背面側で、画像表示部10に被せた校正治具450の反射鏡452に写った校正画像のドットの輝度を測定する光検知部の具体的な手段として、背面側から表示面側の被写体を撮像する撮像装置20を利用する例を具体的に説明したが、光検知部はこれに限らない。ホワイトバランスセンサなどの光検知部を画像表示部10の背面に設けて測定することも考えられる。
【0134】
輝度校正測定時には校正治具450を画像表示部10に被せて測定を行なう例で示したが、このことは必須でなく、表示面に表示された画像を反射する反射板(鏡など)を使用して測定することが考えられる。
【0135】
前記実施形態では、カラー対応の場合に、R,G,Bの対で全体として無彩色のドットを表示して測定し、色変換処理を行なって、輝度変化の影響の補正を輝度成分と色成分の別に分けて行なったが、このことは必須でない。たとえば、R,G,Bの色画像データのまま補正することも考えられる。この場合、R,G,Bの対で全体として無彩色のドットを表示して測定するのではなく、白黒対応の画像表示装置1の場合と同様の考え方を適用して、R画素、G画素、B画素の別に有彩色のドットを表示して測定を行なうとよい。
【0136】
前記実施形態では、輝度計算部402が表示データの補正を行なう例で示したが、このことは必須でない。たとえば、制御部90にてデータ補正を行なうことが考えられる。この場合、制御部90は、画像表示の際に、補正情報記憶部404に記憶されている補正係数の情報を取り込んで、見た目上も元の表示データの輝度や色度と対応するように(表示むらが起きないように)データ補正を行なう。
【0137】
さらには、前記の実施形態で説明した画像表示装置1や画像表示システム2は、さらなる変形を加えることができ、さらなる発明を抽出することもできる。たとえば、撮像装置20を介して取得された画像情報に基づき被写体の位置情報を求める位置検出部を備えるようにしてもよい。位置検出部によって被写体(たとえば、手や指、眼球、棒状の物体(たとえば、ペンや鉛筆など))の位置情報を時系列に連続して求めれば、被写体の動きを求めることができる。このため、被写体の動きに対応した各種の処理(たとえば、パーソナルコンピュータのモニタ装置における画像の上下、左右への移動、画面を閉じる処理、別の画面を開く処理など)を行なうことができる。
【0138】
また、画像表示部10の裏面側に複数(典型的には2つ)の撮像装置20を配置し、撮像装置20のそれぞれからの画像情報に基づき画像表示部10から使用者までの距離を位置検出部が求めるようにしてもよい。観察者の位置情報を、観察者の両眼の位置データとすることができるし、画像表示部10から観察者までの距離データとすることもできる。また、観察者の位置情報を、複数の撮像装置を介して撮像された画像データの観察者の両眼に基づき求めることができる。観察者の位置情報を画像表示部10に表示する構成とすることができ、これによって、観察者が3次元画像を容易に観察できるように、最適な3次元画像観察位置を観察者に明確に指示し、あるいは最適な3次元画像観察位置に観察者を誘導することができる。あるいは、画像表示部10に表示する画像を観察者の位置情報に基づいて最適化する構成とすることができる。
【0139】
また、前記実施形態の仕組みをいわゆるテレビジョン電話会議システム(テレビ電話装置)に適用することも考えられる。撮像装置20が画像表示部10の背面側に配置されているので、画像表示部10の正面に位置する使用者の顔を撮像することができ、画像表示部10に映し出される相手側の使用者の顔が自分の方を向いているため、従来のTV電話システムにあった互いの視線が合わないといった違和感を与えることがない。表示補正部400を備えた構成による作用効果も享受できるので、照明光の影響が抑制された状態の使用者の顔などの画像が相手側の画像表示部10に映し出される。
【0140】
また、前記実施形態の画像表示装置1をいわゆるデジタルミラーとして機能させることも考えられる。この機能の実現には、撮像装置20を介して取得された画像情報を記憶する画像情報記憶部と、撮像装置20を介して取得された(取得されている状態も含み得る)画像情報および画像情報記憶部に記憶された画像情報に基づく画像を画像表示部10に表示する表示制御部をさらに備えるものとする。デジタルミラー機能では、画像表示部10において、過去と現在の使用者の比較結果を、別々のウインドウに表示することができる。表示補正部400を備えた構成による作用効果も享受できるので、照明光の影響が抑制された状態の使用者の顔などの画像が画像表示部10に映し出される。
【符号の説明】
【0141】
1…画像表示装置、2…画像表示システム、10…画像表示部、11…画素、12…光透過領域、20…撮像装置、20a…撮像部(照明光分布測定部の光検知部として機能)、21…集光部、30…光透過部、68…光拡散シート、70…周辺機器、90…制御部、400…表示補正部、402…輝度計算部、404…補正情報記憶部、450…校正治具、452…反射鏡、462…突起(嵌合構造部の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示素子を含む画素が複数配列されており、表示された画像を検知する検知部が背面側に配置可能になっているとともに、前記検知部と対応する領域に光透過部が設けられている画像表示部と、
前記検知部で検知された画像の情報に基づいて表示データを補正する表示補正部と、
を備え、
前記検知部は、校正情報の取得時に、前記画像表示部の表示面に対向する位置に配置された反射板で反射された校正画像の反射光を前記画像表示部に設けられている前記光透過部を通して検知し、
前記表示補正部は、前記校正情報の取得時には、前記検知部で検知された校正画像の情報に基づいて前記表示素子の特性変動の影響を抑制するための補正情報を前記表示素子のそれぞれについて取得し、通常の画像表示時には、前記表示素子のそれぞれについて前記補正情報を参照して表示データを補正する
画像表示装置。
【請求項2】
前記表示補正部は、前記画像表示部で表示される画像における前記表示素子の特性変動の影響を抑制するように表示データを補正する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記画像表示部に設けられている前記光透過部を通して前記画像表示部の表示面に表示された画像の反射光を検知する前記検知部
をさらに備えている請求項1または請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記画像表示部は、背面側に画像を撮像する撮像部が配置可能になっているとともに、前記撮像部と対応する領域に光透過部が設けられており、
前記検知部は、前記撮像部を使用して前記画像表示部の表示面に表示された画像の反射光を検知する
請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記画像表示部は、前記校正情報の取得時には、前記表示素子のうちの連続しない少なくとも1つを選択して前記校正画像の表示を行なう
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記画像表示部は、前記校正情報の取得時には、前記表示素子のうちの連続しない複数であって、表示を行なう前記表示素子の最小間隔が前記光透過部によって発生する回折のピッチよりも大きくなるように前記表示素子を選択して前記校正画像の表示を行なう
請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記画像表示部は、前記画像表示部の表示領域の全ての前記表示素子に関して前記補正情報が取得されるように、表示を行なう前記表示素子の位置を順次変更し、
前記表示補正部は、前記校正情報の取得時には、前記表示素子の位置が順次変更される都度前記検知部で検知された前記校正画像の各情報に基づいて、前記表示領域の全ての前記表示素子に関して前記補正情報を取得する
請求項5または請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記表示素子は、発光素子である
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子である
請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記光透過部を通過した光を前記検知部に集光する集光部
を備えた請求項1から請求項9の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
表示素子を含む画素が複数配列されており、表示された画像を検知する検知部が背面側に配置可能になっているとともに、前記検知部と対応する領域に光透過部が設けられている画像表示部と、
前記画像表示部の表示面に対向する位置に配置された反射板で反射された校正画像の反射光を前記画像表示部に設けられている前記光透過部を通して検知する前記検知部と、
前記検知部で検知された画像の情報に基づいて表示データを補正する表示補正部と、
を備え、
前記検知部は、校正情報の取得時に、前記画像表示部の表示面に対向する位置に配置された反射板で反射された校正画像の反射光を前記画像表示部に設けられている前記光透過部を通して検知し、
前記表示補正部は、前記校正情報の取得時には、前記検知部で検知された校正画像の情報に基づいて前記表示素子の特性変動の影響を抑制するための補正情報を前記表示素子のそれぞれについて取得し、通常の画像表示時には、前記表示素子のそれぞれについて前記補正情報を参照して表示データを補正する
電子機器。
【請求項12】
画像表示を行なう画像表示部の表示面側に着脱可能であり、前記表示面に対向する位置に前記表示面と平行に配置された反射板を具備するとともに前記表示面側が開放端となっている囲いを備えた
測定治具。
【請求項13】
前記囲いの内面は、前記反射板以外の部分に光反射を防止する手段が施されている
請求項12に記載の測定治具。
【請求項14】
前記画像表示部の表示サイズをV、前記反射板の前記検知部とは反対側の前記表示サイズと同じサイズの仮想画面と前記検知部との距離をLとしたとき、
前記反射板は、アスペクト比が表示のアスペクト比と同じであり、サイズはV/Mに設定されており、前記検知部との間の距離はL/Mに設定されている
請求項12または請求項13に記載の測定治具。
【請求項15】
前記囲いには、前記画像表示部に着脱するとともに位置決めをするための嵌合構造部が設けられている
請求項12〜請求項14の何れか一項に記載の測定治具。
【請求項16】
表示素子を含む画素が複数配列されている画像表示部を具備した画像表示装置と、
前記画像表示部の表示面に対向する位置に配置された反射板で反射された校正画像の反射光を前記画像表示部に設けられている光透過部を通して検知する検知装置と、
前記検知装置で検知された画像の情報に基づいて表示データを補正する表示補正部を具備した機器と、
を備え、
前記検知装置は、校正情報の取得時に、前記画像表示部の表示面に対向する位置に配置された反射板で反射された校正画像の反射光を前記画像表示部に設けられている前記光透過部を通して検知し、
前記表示補正部は、前記校正情報の取得時には、前記検知部で検知された校正画像の情報に基づいて前記表示素子の特性変動の影響を抑制するための補正情報を前記表示素子のそれぞれについて取得し、通常の画像表示時には、前記表示素子のそれぞれについて前記補正情報を参照して表示データを補正する
画像表示システム。
【請求項17】
校正情報の取得時には、
表示素子を含む画素が複数配列されており、表示された画像を検知する検知部が背面側に配置可能になっているとともに、前記検知部と対応する領域に光透過部が設けられている画像表示部で校正画像を表示し、
前記画像表示部の表示面に対向する位置に配置された反射板で反射された校正画像の反射光を前記画像表示部に設けられている前記光透過部を通して検知し、
検知された校正画像の情報に基づいて前記表示素子の特性変動の影響を抑制するための補正情報を前記表示素子のそれぞれについて取得し、
通常の画像表示時には、前記表示素子のそれぞれについて前記補正情報を参照して表示データを補正し、
この補正後の表示データを前記画像表示部に供給して画像表示を行なう
画像表示方法。
【請求項18】
画像表示を行なう表示素子を含む画素が複数配列されており背面側に表示画像の反射光を検知する検知部が配置可能になっている画像表示部の光透過部を通して前記検知部で検知された情報に基づいて表示データを補正する表示補正部を備え、
前記表示補正部は、校正情報の取得時には、前記検知部で検知された校正画像の情報に基づいて前記表示素子の特性変動の影響を抑制するための補正情報を前記表示素子のそれぞれについて取得し、通常の画像表示時には、前記表示素子のそれぞれについて前記補正情報を参照して表示データを補正する
表示補正装置。
【請求項19】
校正情報の取得時には、
画像表示を行なう表示素子を含む画素が複数配列されており背面側に表示画像の反射光を検知する検知部が配置可能になっている画像表示部で校正画像を表示させて、前記画像表示部の表示面に対向する位置に配置された反射板により反射された校正画像の反射光を前記画像表示部に設けられている前記光透過部を通して検知たた校正画像の情報に基づいて、前記表示素子の特性変動の影響を抑制するための補正情報を前記表示素子のそれぞれについて取得し、
通常の画像表示時には、前記表示素子のそれぞれについて前記補正情報を参照して表示データを補正する
表示補正方法。
【請求項20】
画像表示を行なう表示素子を含む画素が複数配列されており背面側に表示画像の反射光を検知する検知部が配置可能になっている画像表示部の光透過部を通して前記検知部で検知された情報に基づいて表示データを補正する表示補正処理を行なうとともに、
前記表示補正処理では、校正情報の取得時に、前記検知部で検知された校正画像の情報に基づいて前記表示素子の特性変動の影響を抑制するための補正情報を前記表示素子のそれぞれについて取得し、通常の画像表示時に、前記表示素子のそれぞれについて前記補正情報を参照して表示データを補正する処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−8169(P2012−8169A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141341(P2010−141341)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】