説明

画像表示装置及び画像表示方法

【課題】光漏れを低減して、画像の品位を損なうおそれを低減する画像表示装置及び画像表示方法を提供する。
【解決手段】カラーフィルタを介して表示部に光を照射する複数色のR−LED11a、G−LED11b、B−LED11cそれぞれの発光率を、画像データの階調度に基づいて独立に制御する画像表示装置において、画像が表示された表示部に生じるハロー現象を検出する。ハロー現象が検出された場合、LED11a,11b,11cの発光が白色光に近づくよう、液晶表示装置が備える全LED11a,11b,11cの発光率を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示させるための光を照射する光源を駆動する画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶パネルがバックライトから照射された光を透過又は遮断させることによって画像を表示する。液晶表示装置における色の再現性、コントラスト性能及び消費電力は、主に液晶パネル及びバックライトの性能又は制御によって左右される。近年では、バックライトを複数の領域に分割し、領域毎に発光率を制御する駆動方法(以下、エリアアクティブ駆動と言う)が提案されている。
【0003】
エリアアクティブ駆動では、表示される画像の一部が低輝度である場合、その部分に対応するバックライトの領域の発光率を下げ、その発光率に応じて液晶パネルの透過率を設定する。このように、バックライトの発光率を領域毎に最適にすることができるため、バックライト全体の消費電力を低減することができる。また、領域毎に発光率を下げることにより、液晶表示における黒浮き(例えば、照明を消した際の画面上の黒がほのかに明るく映る状態)を軽減することができ、またコントラスト及び画質を向上することができる。
【0004】
このエリアアクティブ駆動は、バックライトに、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色のLED(Light-Emitting Diode)からなるRGB−LED光源を用いることも可能である。この場合、領域毎に発光率を高低させるのみではなく、領域内の3色のLEDそれぞれを制御する必要がある。具体的には、ある領域に対応する表示画像が青色のみから構成されている場合、赤(R)のLED(以下、R−LEDと言う)及び緑(G)のLED(以下、G−LEDと言う)をオフ、青(B)のLED(以下、B−LEDと言う)のみをオンとし、B−LEDの発光率に応じて液晶表示パネルの透過率を設定する。これにより、青色のみの色純度の高い画像が表示される。このように、領域内にあるLEDの中から必要なLEDのみを制御することから、白色光源の場合よりもより消費電力削減効果を高くすることができる。さらに、各原色の色純度が高くなることで、表示画像の色域を高くすることができる。
【0005】
上述のようなエリアアクティブ駆動において、特許文献1には、バックライトの局部的な輝度制御及び色特性制御ができる装置及び方法が記載されている。特許文献1に記載の装置及び方法では、液晶表示パネルを複数の領域に分割し、バックライトを各領域に光を照射する複数のLEDにより構成している。そして、液晶表示パネルの各領域における階調度のピーク値に応じて、LEDの発光率を制御している。
【特許文献1】特開2005−338857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、RGB−LED光源を用いたエリアアクティブ駆動では、液晶パネルのカラーフィルタの特性によっては不具合が発生する場合がある。図8は、液晶パネルのカラーフィルタの透過特性及びRGBそれぞれのLEDの波長の関係を示す模式図である。例えば、青(B)のカラーフィルタ(以下、B−CFと言う)の特性は、G−LEDの波長と重なる部分が存在する。このため、B−CFによりB−LEDの光のみを透過させたい場合であっても、G−LEDの光がB−CFを透過し、余分なLEDの光漏れが発生する。各LEDの発光率が同一で固定の場合には、B−CFに対してB−LEDの光の透過量と
G−LEDの光の透過量の比は常に一定であるため、設計時にB−CFに対するG−LEDの漏れ量を織り込むことで光漏れは発生しない。
【0007】
ところが、各LEDの発光率が動的に変化する場合、光漏れ量も動的に変化する。図9は、発光率が変化することで生じる光漏れを説明するための模式図である。図9では、画面に、青色の背景画像100に緑色の矩形画像101が表示されている。また、画面は、エリアA及びエリアBを含む複数の領域に分割されており、矩形画像101は、エリアA内に表示され、エリアAの大きさよりひと回り小さい大きさとする。また、画面の各領域に対応するようバックライトも分割され、領域毎に発光制御される。
【0008】
この場合において、エリアBでは、青色の背景画像100のみが表示されるため、B−LEDのみが発光される。このため、エリアBではB−LED以外からの光がB−CFを通過することはなく、光漏れは発生せず、純度の高い青色が表示される。一方、エリアAでは、青色の背景画像100と緑色の矩形画像101とが表示されるため、B−LED及びG−LEDが発光される。従って、G−LEDからの光がB−CFを通過するようになるため、エリアAでは光漏れが発生する。この色漏れ量が多い場合、青色の画像は、本来よりも著しく高い輝度で表示される。このため、画面上では、矩形画像101の輪郭に沿った輪郭部102及びその周囲は、緑色の光漏れにより、青色が明るくなる現象(周りにぼんやりと光の輪が見える現象。以下、ハロー現象と言う)が発生し、画像の品位を損ねることとなる。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光漏れを低減して、画像の品位を損なうおそれを低減する画像表示装置及び画像表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像表示装置は、カラーフィルタを含む表示部に光を照射する複数色の光源それぞれの発光率を、前記表示部に表示させる画像の階調度に基づいて独立に制御する画像表示装置において、画像が表示された前記表示部に生ずるカラーフィルタに対応する光源以外の光源からの光漏れに起因する輝度ムラ又は色ムラを検出する検出手段と、前記光源それぞれの発光率を取得する取得手段と、前記検出手段の検出結果及び取得手段の取得結果に基づいて、全ての光源から発光され、合成される光の色を白色に近づけるべく前記光源の発光率を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像表示装置は、前記制御手段は、前記光源からの光を加法混色して白色に近づけるべく前記光源の発光率を制御するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像表示装置は、前記制御手段は、前記取得手段が取得した発光率が最大である光源の発光率を維持し、他の光源の発光率を制御するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像表示装置は、前記検出手段は、前記画像のフレーム毎に輝度ムラ又は色ムラを検出し、前記制御手段は、前記検出手段が輝度ムラ又は色ムラを複数フレーム連続で検出した場合に、前記光源の発光率を制御するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像表示装置は、前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づく速度で、合成される光の色を白色に近づけるようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像表示装置は、前記制御手段は、前記光源により合成される色を段階的に白色に近づけるようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る画像表示装置は、前記制御手段が前記光源の発光率を制御しているときに、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記制御手段の制御を終了させるか否かを判定する判定手段と、前記制御手段は、前記判定手段が終了させると判定した場合、合成された光の色を、白色に近づけた速度より遅い速度で白色から遠ざけるべく前記光源の発光率を制御するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る画像表示方法は、カラーフィルタを含む表示部に光を照射する複数色の光源それぞれの発光率を、前記表示部に表示させる画像の階調度に基づいて独立に制御する画像表示方法において、画像が表示された前記表示部に生ずるカラーフィルタに対応する光源以外の光源からの光漏れに起因する輝度ムラ又は色ムラを検出するステップ、複数色の前記光源が発光している場合、該光源の発光率をそれぞれ取得するステップ、及び、検出した輝度ムラ又は色ムラ及び取得した発光率に基づいて、前記光源から発光され、合成される光の色を白色に近づけるべく前記光源の発光率を制御するステップを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明では、表示部に表示された画像に、輝度ムラ又は色ムラが発生した場合、複数の光源により合成された光の色が白色に近づくよう光源それぞれを制御する。その合成された光を白色光に近づけた場合、液晶パネルは、表示色を保持するために等価率を低くする。この結果、光源からの不要な光が透過し、表示部に表示される画像の品位を損なうおそれを低減することができる。
【0019】
本発明では、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色の光源を用いて、各色の光を等量で混ぜ合わせることで、白色とすることができる。
【0020】
本発明では、発光率が最大の光源の発光率を維持するように制御することで、本来の色純度を低下させることなく輝度ムラ又は色ムラを無くすことができ、表示される画像の品位を損なうおそれを低減することができる。
【0021】
本発明では、複数の領域から構成される画像を表示する際に、複数フレーム連続で輝度ムラ又は色ムラが生じた場合に、光源それぞれを制御する。これにより、必要以上に光源を制御することで、色純度が低下し、画像の品位を損なうおそれを低減することができる。なお、フレームは、一画面に表示される画像をいい、例えば2つのフィールドを順次表示する方式であれば、3つのフィールドによるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色を合成した画像である。また、インターレース方式であれば、奇数行目の走査画像と偶数行目の走査画像とを合成した画像をいい、ノンインターレース方式であれば、垂直走査による表示される画像をいう。
【0022】
本発明では、輝度ムラ又は色ムラを検出した結果に基づく速度で白色に近づけることで、画像の内容に応じて色を変更することができる。例えば、輝度ムラが気にならないような画像が表示され、検出程度が低い場合、少しだけ白色に近づけることで、表示部に表示された画像を視聴している視聴者に、色が変化したことの違和感を抱かせないようにすることができる。また、必要以上に光源を制御することで、色純度が低下し、画像の品位を損なうおそれを低減できる。また、輝度ムラ又は色ムラが気になる画像が表示された場合、ほぼ白色光にすることで、輝度ムラ又は色ムラをすぐに無くすことができ、画像の品位を損なわないようにできる。
【0023】
本発明では、合成された光の色を段階的に白色に近づけるようにすることで、視聴者に、色が変化したことの違和感を抱かせないようにすることができる。
【0024】
本発明では、発光率の制御を終了させる際、白色にしたときよりも遅い速度で、合成された色を白色から遠ざけるように光源を制御する。これにより、色が急激に変化することで、視聴者に違和感を抱かせないようにすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明では、画像が表示された表示部にカラーフィルタに対応する光源以外の光源からの光漏れに起因する輝度ムラ又は色ムラが発生した場合、複数の光源により合成された光の色が白色に近づくよう光源それぞれを制御する。その合成された光を白色光に近づけることで、表示部の透過率を低減し、光源からの不要な光が透過し、表示部に表示される画像の品位を損なうおそれを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、本発明の画像表示装置であって、外部から入力したRGB映像信号に基づいて画像を表示する。RGB映像信号は、テレビジョン電波により受信したものであってもよいし、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から読み取ったものであってもよいし、ネットワークを介して入力されるものであってもよい。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
液晶表示装置は、制御部1、映像処理部2、エリアアクティブ処理部3、表示パネル部10及びバックライト11を駆動する駆動部4を備えている。表示パネル部10は、背面側にバックライト11が配設されており、入力されたRGB映像信号に基づく画像を表示する表示部を正面側に備えている。表示パネル部10は、画面表示解像度に応じた画素数を有する表示素子を有している。表示素子は、必要な光(波長)のみを透過させ、その他の光(波長)を遮断するカラーフィルタが有しており、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の何れかの光を透過させる。光が表示素子を透過することにより表示部にカラー画像が表示される。なお、表示素子を透過する光の透過量は、表示素子の透過率によって決定される。透過率とは、液晶パネルがバックライト11により照射された光を通過できる割合である。
【0029】
バックライト11は、表示パネル部10の背面側から光を照射する光源である。図2は、バックライト11の構成を模式的に示す図である。バックライト11は、矩形状の複数の領域110に全体が分割されており、各領域110にはR−LED11a、G−LED11b及びB−LED11cが設けられている。バックライト11は、領域110毎に発光制御される。なお、図2では、領域110には、LED11a,11b,11cをそれぞれ1個ずつ設けられているが、複数設けてもよい。例えば、光量が必要な場合は同じ色のLEDを2個以上設けるようにしてもよい。
【0030】
映像処理部2は、入力されたRGB映像信号に対して各種信号処理を行う。例えば、映像処理部2は、RGB映像信号から一定の時間間隔で抽出した画像データ(以下、フレームとも言う)の取得、画像データの階調度の取得、及び画像データのサイズ調整等を行い、取得した各種情報を制御部1及びエリアアクティブ処理部3へ出力する。また、映像処理部2は、RGB信号を生成する処理、デジタル変換処理、色空間変換処理、スケーリング処理、色補正処理、同期検出処理、ガンマ補正処理、及びOSD(On-Screen Display)表示処理等の信号処理を適宜実行する。
【0031】
エリアアクティブ処理部3は、映像処理部2から入力される画像データの階調度及び、制御部1から入力される後述のミックス率に基づいて、領域110に対応する1フレーム
の各色成分のピーク値に合わせて、各LED11a,11b,11cの最適な発光率を決定する。例えば、エリアアクティブ処理部3は、1フレームのRGB各色成分のピーク値が、ダイナミックレンジに比べ、赤(R)成分が10%、緑(G)成分が60%、青(B)成分が30%である場合、各LED11a,11b,11cの発光率も10%、60%、30%とする。エリアアクティブ処理部3は、この発光率を、フレーム単位で全ての領域110について決定する。
【0032】
また、エリアアクティブ処理部3は、画像データの階調度及び決定した発光率に基づいて、表示パネル部10の表示素子の透過率を制御する透過率制御値(電圧値)をフレーム毎に決定する。エリアアクティブ処理部3は、決定した発光率及び透過率制御値(電圧値)を制御部1及び駆動部4に出力する。
【0033】
なお、表示パネル部10の表示素子からの光の透過量は、表示素子に対応する色のLEDの発光率に、その表示素子の透過率を乗じたものである。画像データの階調度に基づいて、発光率及び透過率制御値を決定することで、例えば、表示パネル部10のある領域内の画像データの階調度が小さい場合、その領域に対応する領域110内のLEDの発光率を小さくすることにより、バックライト11の消費電力を低減することができる。
【0034】
駆動部4は、パネル駆動部41及びバックライト駆動部42を有している。パネル駆動部41は、表示パネル部10の駆動回路であって、エリアアクティブ処理部3から入力される透過率制御値により、表示パネル部10の表示素子の透過率を制御する。パネル駆動部41から出力された透過率制御値(電圧値)は、表示パネル部10の各表示素子内の電極にチャージされる。そして、表示素子に係る液晶の傾き量がチャージされた電圧に応じて変化し、その結果表示素子の透過率が制御される。バックライト駆動部42は、バックライト11の駆動回路であって、エリアアクティブ処理部3から入力される発光率に基づき、バックライト11の各LED11a,11b,11cの発光率を制御する。バックライト駆動部42は、領域110毎に各LED11a,11b,11cを制御する。
【0035】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)等からなるマイクロコンピュータであって、液晶表示装置が備える各部それぞれを制御することで、液晶表示装置全体の制御を行う。例えば、制御部1は、エリアアクティブ処理部3から透過率制御値(電圧値)、及び各LED11a,11b,11cの発光率等を取得する。制御部1は、映像処理部2及びエリアアクティブ処理部3から取得した情報に基づいて、各領域110にハロー現象(輝度ムラ又は色ムラ)が発生している可能性を判定する。ハロー現象が発生している可能性がある場合、制御部1は、ハロー現象を軽減するために、ミックス率を変更する。
【0036】
次に、ハロー現象の発生の有無を判定する方法について説明する。
【0037】
ハロー現象とは、上述のように、LEDからの光が、対応していない色のフィルタを通過する光漏れにより発生する、画像の輪郭及びその周囲にぼんやりと光の輪が見える現象である。制御部1は、各LED11a,11b,11cの発光率のバランス及び表示素子の透過率のバランスによりこのハロー現象の発生を検出する。具体的に説明するために、前提として、図9のエリアAにおいて、各LED11a,11b,11cの発光率を、0%、80%、20%とし、エリアBでは、0%、0%、20%とし、表示素子の透過率を100%とする。また、G−LED11bからの青(B)に対する光漏れをG−LED11bの10%とし、光漏れの許容値は、青(B)の透過量に対して20%未満とする。光漏れの許容値とは、画像の品位を損なうおそれのある光漏れ量の限界値である。
【0038】
この場合において、G−LED11bの発光率は80%であるので、光漏れ量は8%と
なる。また、B−LED11cの発光率は20%であるので、光漏れ量の許容値は4%となる。G−LED11bの光漏れ量は8%であることから、B−LED11cの光漏れ量の許容値より大きくなる。即ち、輪郭部102及びその周囲では、B−LED11cからの光に、G−LED11bからの光が混色するため、輪郭部102及びその周囲の青色の画像は、本来よりも明るい青として表示される。そこで、映像処理部2は、光漏れ量を算出し、その結果に基づいて、ハロー現象が発生している可能性を判定する。
【0039】
映像処理部2は、上述のハロー現象の可能性の判定を、1フレーム毎に表示素子の一画素単位で実行する。次に、映像処理部2は、ハロー現象の可能性がある画素の縦横に隣接する画素についても判定を実行し、ハロー現象の可能性がある画素の連続性を検出する。映像処理部2は、縦横の複数の画素にハロー現象発生の可能性がある場合、換言すれば、1フレーム内に所定面積(例えば、1フレームの50%の面積)のハロー現象が発生する可能性がある場合には、そのフレームには、ハロー現象発生の可能性があると判定する。そして、制御部1は、ハロー現象の可能性があると判定したフレームの連続性を判定し、例えば4フレーム連続でハロー現象の可能性があると判定した場合には、ハロー現象を低減する処理の実行を決定する。
【0040】
なお、本実施形態では、ハロー現象発生の可能性を判定する方法の一例を示したにすぎず、ハロー現象の検出方法、ハロー現象が発生したと判定する条件等は適宜変更可能である。
【0041】
次に、発生したハロー現象を低減させる方法について説明する。
【0042】
エリアアクティブ処理部3は、ハロー現象を低減させる場合、LED11a,11b,11cの発光の合成を加法混色により白色光に近づける。白色光は各色のLEDの発光率が等しいため、白色光に近づけるために、エリアアクティブ処理部3は、各LED11a,11b,11cの発光率が同じになるように制御する。本実施形態では、発光率が最大のLEDは制御せず、他のLEDの発光率を最大の発光率に近づける制御を行う。例えば、G−LED11bの発光率が最大である場合、エリアアクティブ処理部3は、R−LED11a及びB−LED11cの発光率をG−LED11bの発光率に近づける。
【0043】
制御部1は、LED11a,11b,11cの発光の合成を白色光に近づけるためにミックス率を決定する。ミックス率とは、各LED11a,11b,11cの発光率を変更する際の比率である。例えば、各LED11a,11b,11cの発光率が、エリアアクティブ処理部3により決定された、画像データの各色成分に最適な発光率である場合、ミックス率は0である。換言すれば、ミックス率が0の場合、制御部1は、LED11a,11b,11cの発光率の制御は行わない。また、LED11a,11b,11cの発光率を最大の発光率に合わせた場合、即ち、バックライト11を白色光源とする場合、ミックス率は1である。
【0044】
ミックス率は、所定の関数によって決定することができる。例えば、ミックス率「0」の各発光率をr1、g1、b1、白色光源の各発光率をr2、g2、b2、ミックス率をm(0≦m≦1)とした場合、ミックス率による発光率rm、gm、bmは、それぞれ以下のようになる。
rm=(r2−r1)×m+r1
gm=(g2−g1)×m+g1
bm=(b2−b1)×m+b1
【0045】
図3は、異なるミックス率における各色のLEDの発光率を示す模式図であり、(a)はミックス率が0、(b)はミックス率が1、(c)はミックス率が0.4の場合を示す
。ミックス率が0の場合、各LED11a,11b,11cの発光率は、10%、60%、30%となる(図3(a)参照)。ミックス率が1の場合、各LED11a,11b,11cの発光率は、全て60%となる(図3(b)参照)。ミックス率が0.4の場合、各LED11a,11b,11cの発光率は、30%、60%、42%となる(図3(c)参照)。
【0046】
制御部1が、映像処理部2の検出結果に応じて最適なミックス率を決定することで、ある色のLEDの光漏れ量が、他の色のLEDの光漏れ量の許容値以下となり、ハロー現象を低減することができる。例えば、上述した図9を用いた例の場合、ミックス率を33%に決定する。
【0047】
図4は、LED11a,11b,11cの発光率をミックス率33%で変更する場合の発光率を示す模式図であり、(a)は変更前、(b)は変更後の場合を示す。エリアAの場合、LED11a,11b,11cの発光率は、26%、80%、40%となり、エリアBの場合、6%、6%、20%となる。この場合、発光率が80%のG−LED11bの光漏れ量は8%となる。また、発光率が40%のB−LED11cの光漏れ量は4%となり、その許容値は2倍の8%となる。G−LED11bの光漏れ量は8%であることから、B−LED11cの光漏れ量の許容値以下となる。その結果、輪郭部102及びその周囲に発生したハロー現象は軽減される。
【0048】
なお、制御部1は、決定したミックス率に基づいて、ハロー現象が発生している領域110に含まれるLED11a,11b,11cのみを制御するようにしてもよいし、全ての領域110のLED11a,11b,11cを制御するようにしてもよい。ハロー現象が発生している領域110のLED11a,11b,11cのみを制御する場合、ハロー現象が発生していない領域110のLED11a,11b,11cを制御することで、その領域110に対応する表示画面の色純度が低下することを防止できる。また、発光率を低く抑えることで、バックライト11の消費電力を低減することができる。一方、全ての領域110のLED11a,11b,11cを制御する場合、画面全体の色純度を一様にすることができ、また、処理が単純にできるため、回路規模の大きさを小さくすることができる。
【0049】
また、制御部1は、決定したミックス率の変更を行う場合、LED11a,11b,11cの発光を連続的に白色光に近づけるようにしてもよいし、段階的に近づけるようにしてもよい。例えば、連続的に変化させることで、スムーズに色純度を変更することができ、また、視聴者が気付かないタイミングで段階的に変化させることで、違和感なく色純度を変更することができる。また、制御部1は、白色光に近づける速度を適宜変更するようにしてもよい。例えば、ハロー現象の発生位置又は発生サイズによっては、視聴者はハロー現象を気にならない場合がある。この場合、ゆっくり白色に近づけることで、視聴者に、表示パネル部10に表示された画像の色が変化したことを気付かせないようにすることができる。また、より早く白色に近づけることでハロー現象を無くす場合、画像の品位を損なわない画像を表示することができる。
【0050】
以上のように構成される液晶表示装置において、入力されるRGB映像信号を画面表示する際の動作について説明する。図5は、制御部1及び映像処理部2が実行する処理を示すフローチャートである。
【0051】
映像処理部2は、外部から入力されるRGB映像信号を取得し(S1)、RGB映像信号の1フレームにおける発光率及び透過率制御値を取得する(S2)。映像処理部2は、エリアアクティブ処理部3により決定された発光率及び透過率制御値を取得するか、若しくは、映像処理部2内部で推定する。映像処理部2は、表示素子の一画素でのハロー現象
発生の可能性の有無を検出し(S3)、ハロー現象発生の可能性のある画素の連続が、所定の値となったか否かを検出する(S4)。その結果から、フレームにおけるハロー現象発生の可能性の有無を検出する(S5)。具体的には、映像処理部2は、上述したように、LEDの光漏れ量を算出し、算出結果に基づいて有無を検出する。
【0052】
制御部1は、S5の検出結果からフレームにおけるハロー現象発生の可能性があるか否かを判定する(S6)。ハロー現象発生の可能性がない場合(S6:NO)、制御部1は、本フレームでの処理を終了し、次のフレームに対しては同様の処理を実行する。ハロー現象発生の可能性がある場合(S6:YES)、制御部1は、ハロー現象発生の可能性があると判定したフレームが、4フレーム以上連続したか否かを判定する(S7)。連続していない場合(S7:NO)、制御部1は、本フレームでの処理を終了し、次のフレームに対しては同様の処理を実行する。
【0053】
4フレーム以上連続した場合(S7:YES)制御部1は、ハロー現象を低減する処理を実行する(S8)。具体的には、制御部1は、最適なミックス率を決定し、ある色のLEDの光漏れ量が、他の色のLEDの光漏れ量の許容値以下とすることで、ハロー現象を低減する。このとき、制御部1は、ハロー現象が発生している領域110に含まれるLED11a,11b,11cのみを制御するようにしてもよいし、全ての領域110のLED11a,11b,11cを制御するようにしてもよい。その後、制御部1は、本処理を終了する。
【0054】
なお、制御部1は、LED11a,11b,11cのミックス率を制御している場合に、ハロー現象発生の可能性がなくなった場合、LEDのミックス率の制御を終了する。即ち、制御部1は、白色光に近づけたLED11a,11b,11cの発光を、白色光から遠ざける制御を行う。
【0055】
以上のように、本実施形態に係る液晶表示装置は、RGB映像信号をフレーム単位でハロー現象発生の可能性を判定し、ハロー現象発生の可能性のあるフレームが連続した場合、LED11a,11b,11cの発光を白色光に近づける。これにより、バックライト11からの光漏れ量を低減することができる。その結果、バックライト11からの不要な光が透過し、表示パネル部10に表示される画像の品位を損なうおそれを低減することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、4フレーム連続してハロー現象発生の可能性のあると判定した場合に、ハロー現象を低減させる処理を行っているが、フレームの連続数は適宜変更可能である。例えば、フレームを抽出した時間間隔によって連続数を決定するようにしてもよい。また、上述のように、ハロー現象が発生している領域110についてのみLED11a,11b,11cを制御するようにしてもよいし、全ての領域110のLED11a,11b,11cを制御するようにしてもよい。
【0057】
(実施形態2)
次に、本発明に係る実施形態2について説明する。実施形態1では、ハロー現象発生の可能性があるか否かだけを判定しているが、本実施形態では、ハロー現象発生の可能性の程度を判定する。そして、その程度に応じて、LEDのミックス率を制御する速度を変更する。以下、その相違点についてのみ説明する。
【0058】
本実施形態に係る液晶表示装置の制御部1は、光漏れ量に基づいて、ハロー現象発生の可能性を10段階に分けて評価し、評価結果に基づく速度で、LED11a,11b,11cのミックス率を変化させる。ここで、ミックス率の変化とは、LED11a,11b,11cの発光を白色光に近づける場合と、白色光から遠ざける場合とを含む。また、白
色光から遠ざける場合とは、あるミックス率でLED11a,11b,11cのミックス率を制御した結果ハロー現象がなくなった(低減した)後、ミックス率を0に戻して(近づけて)制御する場合をいう。制御部1は、光漏れがなく、ハロー現象発生がない場合をレベル0、例えば光漏れ量の許容値の2倍の光漏れ量がある場合をレベル10とし、光漏れ量に応じたレベルを決定する。
【0059】
LED11a,11b,11cの発光を白色光に近づける場合、制御部1は、レベルを1段階遷移させるのに約60msecの時間を費やす。例えば、ハロー現象発生の可能性がレベル4の場合、ハロー現象を低減させるために決定したミックス率の制御に移行するため、制御部1は、240(60×4)msecをかけて、LED11a,11b,11cの発光を白色光に近づける。
【0060】
LED11a,11b,11cの発光を白色光から遠ざける場合、制御部1は、レベルを1段階遷移させるのに約250msecの時間を費やす。例えば、ハロー現象発生の可能性がレベル4と評価した後、ハロー現象がなくなった(レベル0となった)場合、制御部1は、ミックス率を0とした制御に移行するため、1000(250×4)msecをかけて、LED11a,11b,11cの発光を白色光から遠ざける。
【0061】
このように、LED11a,11b,11cの発光を白色光に近づける速度を短時間で実行することで、ハロー現象発生を視聴者に気付かせないよう、画像表示を行うことができる。また、白色光から遠ざける場合は、近づける場合よりも遅い速度にすることより、画像の色が急激に変化して、視聴者が違和感を抱くおそれを抑制することができる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る液晶表示装置は、ハロー現象が発生した場合、短時間でLED11a,11b,11cの発光を白色光に近づけ、ハロー現象を低減させる。また、液晶表示装置は、ハロー現象がなくなった(低減した)場合、白色光に近づけた速度よりも遅い速度でLED11a,11b,11cの発光を白色光から遠ざける。
【0063】
なお、LED11a,11b,11cのミックス率を変化させる速度は、適宜変更可能である。例えば、ハロー現象が発生しても気になるような画像の場合、LED11a,11b,11cの発光を白色光にゆっくり近づけるようにしてもよい。この場合、視聴者に、色が変化したことの違和感を抱かせないようにすることができる。また、ハロー現象の発生が気になるような画像の場合、より早く白色光に近づけることで、ハロー現象をすぐに無くすことができ、画像の品位を損なわないようにできる。
【0064】
(実施形態3)
次に、本発明に係る実施形態3について説明する。実施形態1及び2では、ハロー現象発生の可能性があれば、ハロー現象を低減させる処理を行っているが、本実施形態では、ハロー現象発生の可能性の程度によっては、ハロー現象を低減させる処理を行わない点で相違する。以下、その相違点についてのみ説明する。
【0065】
本実施形態に係る液晶表示装置の映像処理部2は、一画素単位でハロー現象発生の可能性を判定し、ハロー現象発生の可能性があると判定した画素が、例えば1フレームの半分以上の面積を占めている場合には、そのフレームはハロー現象を低減させる処理を行わない。1フレームの中に半分の面積以上にハロー現象が発生する場合には、視聴者は、ハロー現象の発生が気にならない場合がある。
【0066】
図6(a)は、ハロー現象を低減させない図柄の一例を示し、(b)はハロー現象を低減させる図柄の一例を示す図である。なお、図6は、青空を背景として複数の葉の画像が表示されている場合を示している。
【0067】
例えば、図6(a)の図柄が表示パネル部10に表示され、全ての葉の画像にハロー現象が発生している場合、画面の略全体にハロー現象が発生していることになる。このため、視聴者にとって、ハロー現象が本来の画像であるかのような表示に感じられる場合がある。そこで、制御部1は、1フレームの半分の面積以上にハロー現象が発生する場合には、ハロー現象を低減させる処理を行わない。これにより、本来の色を優先させた画像表示とすることができるため、画像の品位を向上させることができる。
【0068】
一方、図6(b)の図柄が表示パネル部10に表示され、全ての葉の画像にハロー現象が発生している場合、画面の一部にしかハロー現象が発生していないことになる。このため、視聴者にとって、ハロー現象の部分に違和感を抱く場合がある。そこで、制御部1は、1フレームの半分の面積以下にハロー現象が発生する場合には、ハロー現象を低減させる処理を行う。
【0069】
図7は、制御部1及び映像処理部2が実行する処理を示すフローチャートである。
【0070】
映像処理部2は、外部から入力されるRGB映像信号を取得し(S11)、RGB映像信号の1フレームにおける発光率及び透過率制御値を取得する(S12)。映像処理部2は、表示素子の一画素でのハロー現象発生の可能性の有無を検出し(S13)、ハロー現象発生の可能性のある画素の連続が、所定の値となったか否かを検出する(S14)。具体的には、映像処理部2は、上述したように、LEDの光漏れ量を算出し、算出結果に基づいて検出する。
【0071】
制御部1は、フレームにおけるハロー現象検出を行い(S15)、ハロー現象発生の可能性があるか否かを判定する(S16)。ハロー現象発生の可能性がない場合(S16:NO)、制御部1は、本フレームでの処理を終了し、次のフレームに対しては同様の処理を実行する。ハロー現象発生の可能性がある場合(S16:YES)、制御部1は、これまでにハロー現象発生の可能性があると判定した画素の合計が、1フレームの50%の面積を占めているか否かを判定する(S17)。例えば、画面の略全体にハロー現象が発生している場合、視聴者は、ハロー現象が本来の画像に含まれたものであると判断し、ハロー現象が気にならない可能性がある。一方、画面の一部にハロー現象が発生している場合には、視聴者は、表示内容に違和感を抱く可能性がある。
【0072】
ハロー現象発生の可能性があると判定した画素の合計が面積の50%以下でない場合(S17:NO)、画面の半分以上にハロー現象が発生していることになるため、制御部1は、視聴者にはハロー現象が気にならないと判定し、ハロー現象を低減させる処理を行うことなく、本処理を終了する。面積の50%以下である場合(S17:YES)、制御部1は、本フレームにハロー現象発生の可能性があると判定し、続いてハロー現象発生の可能性があると判定したフレームが4フレーム連続したか否かを判定する(S18)。
【0073】
4フレーム連続していない場合(S18:NO)、制御部1は、本フレームでの処理を終了し、次のフレームに対しては同様の処理を実行する。ハロー現象発生の可能性があると判定したフレームの連続性によってはハロー現象を低減する処理を実行しないことで、必要以上に光源を制御することで、色純度が低下し、画像の品位を損なうおそれを低減することができる。4フレーム連続した場合(S18:YES)制御部1は、ハロー現象を低減する処理を実行する(S19)。具体的には、制御部1は、最適なミックス率を決定し、ある色のLEDの光漏れ量が、他の色のLEDの光漏れ量の許容値以下とすることで、ハロー現象を低減する。このとき、制御部1は、ハロー現象が発生している領域110に含まれるLED11a,11b,11cのみを制御するようにしてもよいし、全ての領域110のLED11a,11b,11cを制御するようにしてもよい。その後、制御部
1は、本処理を終了する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る液晶表示装置は、ハロー現象発生の可能性がある画素が、所定面積を占めている場合にはハロー現象を低減させる処理を行わず、所定面積以下である場合に、ハロー現象を低減させる処理を行う。これにより、複雑な絵柄の場合にハロー現象が発生しても視聴者にはハロー現象が気にならないため、ハロー現象を低減する処理を行わないことで、本来の色純度を維持した画像表示が可能となる。
【0075】
なお、制御部1は、実施形態1のように、ハロー現象を低減させる処理を行うべきフレームが連続した場合に、ハロー現象を低減させる処理を行うようにしてもよいし、フレーム毎にハロー現象を低減させる処理を行うようにしてもよい。また、ハロー現象発生の可能性がある画素が占める面積は、フレームの50%としているが、適宜変更可能である。例えば、ハロー現象発生の可能性がある画素の数が、全画素数に対して所定以上の割合を占める場合にハロー現象を低減させる処理を行わないようにしてもよい。
【0076】
以上、本発明の好適な実施形態について、具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施の形態に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】バックライトの構成を模式的に示す図である。
【図3】異なるミックス率における各色のLEDの発光率を示す模式図であり、(a)はミックス率が0、(b)はミックス率が1、(c)はミックス率が0.4の場合を示す。
【図4】LEDの発光率をミックス率33%で変更する場合の発光率を示す模式図であり、(a)は変更前、(b)は変更後の場合を示す。
【図5】制御部及び映像処理部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図6】(a)は、ハロー現象を低減させない図柄の一例を示し、(b)はハロー現象を低減させる図柄の一例を示す図である。
【図7】制御部及び映像処理部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】液晶パネルのカラーフィルタの透過特性及びRGBそれぞれのLEDの波長の関係を示す模式図である。
【図9】発光率が変化することで生じる光漏れを説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0078】
1 制御部(検出手段、制御手段、取得手段)
2 映像処理部(制御手段)
3 エリアアクティブ処理部
4 駆動部
10 表示パネル部
11 バックライト
11a R−LED
11b G−LED
11c B−LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーフィルタを含む表示部に光を照射する複数色の光源それぞれの発光率を、前記表示部に表示させる画像の階調度に基づいて独立に制御する画像表示装置において、
画像が表示された前記表示部に生ずるカラーフィルタに対応する光源以外の光源からの光漏れに起因する輝度ムラ又は色ムラを検出する検出手段と、
前記光源それぞれの発光率を取得する取得手段と、
前記検出手段の検出結果及び取得手段の取得結果に基づいて、全ての光源から発光され、合成される光の色を白色に近づけるべく前記光源の発光率を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記光源からの光を加法混色して白色に近づけるべく前記光源の発光率を制御するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記取得手段が取得した発光率が最大である光源の発光率を維持し、他の光源の発光率を制御するようにしてある
ことを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記検出手段は、
前記画像のフレーム毎に輝度ムラ又は色ムラを検出し、
前記制御手段は、
前記検出手段が輝度ムラ又は色ムラを複数フレーム連続で検出した場合に、前記光源の発光率を制御するようにしてある
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記検出手段の検出結果に基づく速度で、合成される光の色を白色に近づけるようにしてある
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記光源により合成される色を段階的に白色に近づけるようにしてある
ことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記制御手段が前記光源の発光率を制御しているときに、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記制御手段の制御を終了させるか否かを判定する判定手段と、
前記制御手段は、
前記判定手段が終了させると判定した場合、合成された光の色を、白色に近づけた速度より遅い速度で白色から遠ざけるべく前記光源の発光率を制御するようにしてある
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
カラーフィルタを含む表示部に光を照射する複数色の光源それぞれの発光率を、前記表示部に表示させる画像の階調度に基づいて独立に制御する画像表示方法において、
画像が表示された前記表示部に生ずるカラーフィルタに対応する光源以外の光源からの光漏れに起因する輝度ムラ又は色ムラを検出するステップ、
複数色の前記光源が発光している場合、該光源の発光率をそれぞれ取得するステップ、及び、
検出した輝度ムラ又は色ムラ及び取得した発光率に基づいて、前記光源から発光され、合成される光の色を白色に近づけるべく前記光源の発光率を制御するステップ
を備えることを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−72360(P2010−72360A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239924(P2008−239924)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】