画像表示装置
【課題】 高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供する。
【解決手段】 RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段11および輝度画素を生成する輝度画素生成手段12と、色相画素と輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段13とを備え、色相画素生成手段11が、複数の輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部111と、色相画素の色相および彩度を補正する色相画素補正部112とを有し、輝度画素生成手段12が、輝度画素を生成する輝度画素生成部121と、輝度画素の輝度を補正後の色相画素の輝度に基づいて補正する輝度画素補正部122とを有し、表示手段13が、補正後の色相画素を表示する色相画素表示部131と、補正後の輝度画素を対応する色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部132とを有する。
【解決手段】 RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段11および輝度画素を生成する輝度画素生成手段12と、色相画素と輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段13とを備え、色相画素生成手段11が、複数の輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部111と、色相画素の色相および彩度を補正する色相画素補正部112とを有し、輝度画素生成手段12が、輝度画素を生成する輝度画素生成部121と、輝度画素の輝度を補正後の色相画素の輝度に基づいて補正する輝度画素補正部122とを有し、表示手段13が、補正後の色相画素を表示する色相画素表示部131と、補正後の輝度画素を対応する色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部132とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に係り、特に、高解像度でありながら安価な画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像表示装置は、テレビジョン受像機あるいはパーソナルコンピュータの表示装置として多用されているが、直視型と投射型とに大別できる。
【0003】
直視型表示装置は、平行に配列された3枚の短冊状液晶のそれぞれを、同じく短冊状の赤、緑、および青のカラーフィルタで覆ったものを1画素とし、縦および横に必要画素配列して構成される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
投射型表示装置には、1枚の液晶板で赤色光、緑色光、および青色光を変調する単板式(例えば、特許文献2参照)と、赤色光、緑色光、および青色光を個別の液晶板で変調する3板式(例えば、特許文献3参照)とがある。
【特許文献1】特開2004−219824号公報([0007]〜[0009]、[図1])
【特許文献2】特開2001−33820号公報([0090]、[図14])
【特許文献3】特開2004−226914号公報([0030]〜[0036]、[図8])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のカラー画像表示装置において高解像度を実現するためには、画素数を増す必要があるが、画像表示面積を一定とすれば1画素を小型化する必要があるだけでなく、1画素に赤緑青の三色の発光素子を含める必要があるため、各色の発光素子は一層小型化する必要があり、装置自体が高価格となるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記の従来の課題を解決するためになされたものであって、高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像表示装置は、RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段と、前記RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段と、前記色相画素と前記輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段とを備え、前記色相画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて複数の前記輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部を有し、前記輝度画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて前記輝度画素を生成する輝度画素生成部を有し、前記表示手段が、前記色相画素を表示する色相画素表示部と、前記輝度画素を対応する前記色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部とを有する。
【0008】
この構成により、高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供できることとなる。
【0009】
本発明の画像表示装置は、RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段と、前記RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段と、前記色相画素と前記輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段とを備え、前記色相画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて複数の前記輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部と、前記色相画素の色相および彩度を補正する色相画素補正部とを有し、前記輝度画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて前記輝度画素を生成する輝度画素生成部と、前記輝度画素の輝度を補正後の前記色相画素の輝度に基づいて補正する輝度画素補正部とを有し、前記表示手段が、補正後の前記色相画素を表示する色相画素表示部と、補正後の前記輝度画素を対応する前記色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部とを有していてもよい。
【0010】
本発明の画像表示装置は、前記輝度画素生成手段が、補正後の前記色相画素の輝度が所定の閾値輝度以下であるときは、補正後の前記輝度画素を強調する低輝度強調部を有し、
前記色相画素生成手段が、前記輝度画素の強調に応じて補正後の前記色相画素の輝度を弱化する色相画素輝度弱化部を有する。
【0011】
この構成により、低輝度領域のコントラストを改善できることとなる。
【0012】
本発明の画像表示装置は、前記表示手段が、バックライトと、補正後の前記色相画素に基づいて前記バックライトが発光する光の色相を制御するカラー液晶パネルと、前記カラー液晶パネルを透過した光を拡散する拡散パネルと、補正後の前記輝度画素に基づいて前記拡散パネルを透過した光の輝度を制御するモノクローム液晶パネルとを積層した積層パネルである構成を有する。
【0013】
この構成により、高い解像度を有する安価な直視型画像表示装置を提供できることとなる。
【0014】
本発明の画像表示装置は、前記表示手段が、補正後の前記輝度画素に基づいてカラー光線を投影するカラー光線投射装置と、前記カラー光線の投影像を拡散する拡散パネルと、前記拡散パネルの前面に配置され、拡散された前記投影像の輝度を制御するモノクローム液晶パネルとを有する。
【0015】
この構成により、高い解像度を有する安価な投射型画像表示装置を提供できることとなる。
【0016】
本発明の画像表示装置は、前記表示手段が、白色光を発光する光源と、前記白色光を赤色光、緑色光、および青色光に分離するダイクロイックミラ−と、前記赤色光、緑色光、および青色光の透過光量を補正後の前記色相画素に基づいて制御する赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル、および青色光用液晶パネルと、前記赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル、および青色光用液晶パネルを透過した赤色光、緑色光、および青色光を混合する偏光ビームスプリッタと、前記混合光の輝度を補正後の前記輝度画素に基づいて制御するモノクローム液晶パネルと、輝度制御後の前記混合光を投影する投影レンズとを有していてもよい。
【0017】
本発明の画像表示装置は、前記表示手段が、白色光を発光する光源と、前記白色光の透過光量を制御する低解像度モノクローム液晶パネルと、前記低解像度モノクローム液晶パネルを透過した白色光に補正後の前記色相画素に基づいて色相を与えるカラーフィルタと、色相の与えられた前記白色光の輝度を補正後の前記輝度画素に基づいて制御するモノクローム液晶パネルと、輝度制御後の前記混合光を投影する投影レンズとを有していてもよい。
【0018】
本発明の画像表示装置は、前記モノクローム液晶パネルが、第1のモノクローム液晶パネルと、前記第1のモノクローム液晶パネルに対して1/2画素ずらして配置される第2のモノクローム液晶パネルとを有していてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、複数の輝度画素を対応する1つの色相画素に重畳して表示することにより、高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下図面を参照して、本発明に係る画像表示装置の第1の実施形態を説明する。
【0021】
図1は本発明に係る画像表示装置1であって、RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段11と、RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段12と、色相画素と輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段13とを備える。
【0022】
色相画素生成手段11は、RGB信号に基づいて複数の輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部111を有する。また、色相画素の色相および彩度を補正する色相画素補正部112を有していてもよい。
【0023】
輝度画素生成手段12は、RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成部121を有する。また、輝度画素の輝度を補正後の色相画素の輝度に基づいて補正する輝度画素補正部122を有していてもよい。
【0024】
表示手段13は、補正後の色相画素を表示する色相画素表示部131と、補正後の輝度画素を対応する色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部132とを有する。
【0025】
図2は、本発明に係る画像表示装置1のハードウエア構成図であって、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12は、マイクロコンピュータシステム2にインストールされるプログラムによって実現される。
【0026】
マイクロコンピュータシステム2は、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12を実現するプログラムを実行するCPU21と、このプログラムを記憶するメモリ22と、テレビジョン受信機(図示せず)が出力するRGB信号を入力する入力部23と、色相画素を表示手段13に出力する色相画素出力部24と、輝度画素を表示手段13に出力する輝度画素出力部25と、プログラム保守用の保守ツール26と、これらを相互に結合するバス27とを有する。
【0027】
表示手段13として機能する表示パネル3は、色相画素表示部131として機能し、色相画素出力部24に接続される色相画素用液晶パネル31と、輝度画素表示部132として機能し、輝度画素出力部25に接続される輝度画素用液晶パネル32とを有する。
【0028】
表示パネル3は、さらに、白色光を発光するバックライト33と、色相光を均一に混合するための拡散パネル34とを有し、後面から前面に向かってバックライト33、色相画素用液晶パネル31、拡散パネル34、および輝度画素用液晶パネル32を積層した構造を有する。
【0029】
図3は表示パネル3の斜視図であって、色相画素用液晶パネル31の斜線部31aは、1つの色相画素用セルを示す。1つの色相画素用セル31aは、Rエレメント、GエレメントおよびBエレメントが例えばストライプ状に配置されている。
【0030】
また、輝度画素用液晶パネル32の斜線部32aは、1つの輝度画素用セルを示し、1つの色相画素用セル31aの中には、4×4=16個の輝度画素用セル32a〜32pが含まれている。
【0031】
拡散パネル284は、Rエレメント、GエレメントおよびBエレメントのそれぞれを透過する光を1つの色相画素用セル31a内で混合して均一の色相とするためのものである。
【0032】
入力部23は、図4に示すように、テレビジョン受信機が出力するRGB信号をディジタル化して画素Pを生成するA/D変換器50と、3つのラインメモリ51、52、および53と、4つの画素メモリ55、56、57および58と、バス47を介してCPU21に画素を伝送する入力I/F59とを有する。
【0033】
なお、画素Pは、赤色成分R、緑色成分Gおよび青色成分Bとを有する。
【0034】
3つのラインメモリ51、52、および53は、それぞれが1本の水平走査線分のRGB画素を記憶する容量を有し、4つの画素メモリ55、56、57および58は、それぞれが3つの画素を記憶する容量を有している。
【0035】
そして、A/D変換器50は第1のラインメモリ51の入力に接続され、第2のラインメモリ52の入力は第1のラインメモリ51の出力に接続され、第3のラインメモリ53の入力は第2のラインメモリ52の出力に接続されている。
【0036】
従って、3つのラインメモリ51、52、および53は、A/D変換器50がi番目の水平走査線に相当する画素列Q(i)を第1のラインメモリ51に出力すると、第1のラインメモリ51は(i−1)番目の水平走査線に相当する画素列Q(i−1)を第2のラインメモリ52に出力し、第2のラインメモリ52は(i−2)番目の水平走査線に相当するRGB画素列Q(i−2)を第3のラインメモリ53に出力し、第3のラインメモリ53は(i−3)番目の水平走査線に相当する画素列Q(i−3)を出力するように構成されている。
【0037】
第1の画素メモリ55の入力は直接A/D変換器50の出力に接続され、第2の画素メモリ56の入力は第1のラインメモリ51の出力に接続され、第3の画素メモリ57の入力は第2のラインメモリ52の出力に接続され、第4の画素メモリ58の入力は第3のラインメモリ53の出力に接続される。
【0038】
4つの画素メモリ55、56、57および58は、すべて同一の構成を有するので、以下第1の画素メモリ55の構成について説明する。
【0039】
第1の画素メモリ55は、第1の画素遅延素子551、第2の画素遅延素子552、および第3の画素遅延素子553が直列に接続された構成を有する。
【0040】
従って、第1の画素遅延素子551は、画素P(i,j)を入力し、画素P(i,j−1)を出力する。第2の画素遅延素子552は画素P(i,j−1)を入力し、画素P(i,j−2)を出力する。第3の画素遅延素子553は画素P(i,j−2)を入力し、画素P(i,j−3)を出力する。
【0041】
即ち、第1の画素メモリ55は、A/D変換器50が出力する画素P(i,j)、第1の画素遅延素子551が出力する画素P(i,j−1)、第2の画素遅延素子552が出力する画素P(i,j−2)、および第3の画素遅延素子553が出力する画素P(i,j−3)を入力インターフェイス(I/F)59に出力するように構成されている。
【0042】
同様に、第2の画素メモリ56は、第1のラインメモリ51が出力する画素P(i−1,j)、第1の画素遅延素子561が出力する画素P(i−1,j−1)、第2の画素遅延素子562が出力する画素P(i−1,j−2)、および第3の画素遅延素子563が出力する画素P(i−1,j−3)を入力I/F59に出力するように構成されている。
【0043】
また、第3の画素メモリ57は、第2のラインメモリ52が出力する画素P(i−2,j)、第1の画素遅延素子571が出力する画素P(i−2,j−1)、第2の画素遅延素子572が出力する画素P(i−2,j−2)、および第3の画素遅延素子573が出力する画素P(i−2,j−3)を入力I/F59に出力するように構成されている。
【0044】
さらに、第4の画素メモリ58は、第3のラインメモリ53が出力する画素P(i−3,j)、第1の画素遅延素子581が出力する画素P(i−3,j−1)、第2の画素遅延素子582が出力する画素P(i−3,j−2)、および第3の画素遅延素子583が出力する画素P(i−3,j−3)を入力I/F59に出力するように構成されている。
【0045】
次に本発明に係る画像表示装置1の第1の実施形態の動作を、CPU21で実行されるプログラムのフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
図5はCPU21が実行するメインプログラムのフローチャートであって、CPU21は新たなフレームが始まるたびに(垂直帰線期間が検出されるたびに)、このプログラムを実行する。
【0047】
CPU21は、まず水平走査線の番号を表すパラメータiを“1”に初期化(ステップS11)し、次にパラメータiが“4”の倍数であるか否かを判定(ステップS12)する。
【0048】
CPU21は、パラメータiが“4”の倍数であれば、1本の水平走査線に含まれる画素の番号を表すパラメータjを“1”に初期化(ステップS13)し、次にパラメータjが“4”の倍数であるか否かを判定(ステップS14)する。
【0049】
CPU21は、パラメータjが“4”の倍数であれば、画素読み込みルーチン(ステップS2)、色相画素生成ルーチン(ステップS3)、輝度画素生成ルーチン(ステップS4)、および表示ルーチン(ステップS5)を順次実行する。
【0050】
CPU21は、パラメータjが最大値jmaxに到達したか否かを判定(ステップS15)し、パラメータjが最大値jmaxに到達していないと判定したときは、パラメータjをインクリメント(ステップS16)してステップS14に戻る。なお、jmaxは、1本の水平走査線のサンプリング回数である。
【0051】
CPU21は、パラメータjが最大値jmaxに到達したと判定したときは、パラメータiが最大値imaxに到達したか否かを判定(ステップS17)し、パラメータiが最大値imaxに到達していないと判定したときは、パラメータiをインクリメント(ステップS18)してステップS12に戻る。なお、imaxは、1フレームの水平走査線数である。
【0052】
CPU21は、パラメータiが最大値imaxに到達したと判定したときは、1フレームの処理が完了したものとしてこのプログラムを終了する。
【0053】
図6は、メインプログラムのステップS2で実行される画素読み込みルーチンのフローチャートであって、CPU21は、4×4=16個の画素群の垂直および水平方向の位置を表すパラメータmおよびnをそれぞれ“1”に初期化(ステップS21)する。
【0054】
次に、CPU21は、入力部23の入力I/F59(図3参照)を介して赤色成分R(m,n)、緑色成分G(m,n)および青色成分B(m,n)から成る画素P(m,n)を読み込む(ステップS22)。
【0055】
CPU21は、パラメータnが“4”に到達したが否かを判定(ステップS23)し、到達していないと判定したときには、パラメータnをインクリメント(ステップS24)してステップS22に戻る。
【0056】
CPU21は、パラメータnが“4”に到達したと判定したときには、パラメータmが“4”に到達したが否かを判定(ステップS25)し、到達していないと判定したときには、パラメータmをインクリメント(ステップS26)してステップS22に戻る。
【0057】
CPU21は、パラメータmが“4”に到達したと判定したときには、4×4=16個の画素の読み取りが完了したものとして、このルーチンを終了する。
【0058】
図7は、メインプログラムのステップS3で実行される色相表示画素生成ルーチンのフローチャートであって、CPU21は、まず、パラメータiおよびjを“4”で除した商をそれぞれパラメータIおよびJとする(ステップS30)。
【0059】
次に、CPU21は、画素読み取りルーチンで読み取った16個の画素P(m,n)の平均値として色相画素Pc(I,J)={Rc(I,J)、Gc(I,J)、Bc(I,J)}を生成(ステップS31)する。なお、ステップS31の処理が色相画素生成部111の動作に相当する。
【0060】
さらに、CPU21は、色相画素Pc(I,J)の各要素Rc(I,J)、Gc(I,J)、およびBc(I,J)の最大値Sを算出(ステップS32)し、色相画素Pc(I,J)の各要素Rc(I,J)、Gc(I,J)、およびBc(I,J)をSで除する補正を行って(ステップS33)、このルーチンを終了する。
【0061】
なお、ステップS32およびステップS33の処理が色相画素補正部112の動作に相当する。
【0062】
図8は、メインプログラムのステップS4で実行される輝度画素生成ルーチンのフローチャートであって、CPU21は、まず、色相表示画素Pc(I,J)の輝度Yc(I,J)を予め定められた関数fを使用して算出(ステップS40)する。
【0063】
関数fはテレビジョン放送方法により定まる関数であって、例えば高精細度テレビジョンにおいては、次式により算出される。
Yc(I,J)=f{Pc(I,J)}
=f{(Rc(I,J),Gc(I,J),Bc(I,J))
=0.2126Rc(I,J)+0.7152Gc(I,J)+0.0722Bc(I,J)
そして、CPU21は、4×4の画素群の垂直および水平方向の位置を表すパラメータmおよびnをそれぞれ“1”に初期化(ステップS41)する。
【0064】
次に、CPU21は、画素読み取りルーチンで読み取った輝度画素P(m,n)={R(m,n)、G(m,n)、B(m,n)}の輝度Yy(m,n)を前述した関数fを使用して生成(ステップS42)する。なお、ステップS42の処理が、輝度画素生成部121の動作に相当する。
Yy(m,n)=f{P(m,n)}
=f{(R(m,n),G(m,n),B(m,n))
=0.2126R(m,n)+0.7152G(m,n)+0.0722B(m,n)
次に、輝度画素P(m,n)の輝度Yy(m,n)をステップS41で算出した色相画素の輝度Yc(I,J)で除する補正(ステップS43)を行う。なお、ステップS41およびステップS43の処理が輝度画素補正部122の動作に相当する。
【0065】
以上の処理を画素読み取りルーチンで読み取った16個の画素P(m,n)について実行(ステップS44〜ステップS47)する。
【0066】
図9は、メインプログラムのステップS5で実行される表示ルーチンのフローチャートであって、CPU21は、4×4の画素群の垂直および水平方向の位置を表すパラメータmおよびnをそれぞれ“1”に初期化(ステップS50)する。
【0067】
次に、CPU21は、パラメータiおよびjを“4”で除した商をそれぞれパラメータIおよびJとし(ステップS51)、I+mをMに、J+nをNに設定(ステップS52)する。
【0068】
CPU21は、座標(M,N)の表示用輝度Yd(M,N)を輝度画素の輝度Yy(m,n)に設定(ステップS53)し、座標(M,N)の表示用色相Pd(M,N)を補正後の色相画素Pc(I,J)の色相に設定(ステップS54)し、輝度表示画素出力部45(図2参照)を介して表示手段13に表示用輝度Yd(M,N)を、色相表示画素出力部24(図2参照)を介して表示用色相Pd(M,N)を出力(ステップS55)する。
【0069】
以上の処理を画素読み取りルーチンで読み取った16個の画素P(m,n)について実行(ステップS56〜ステップS59)する。
【0070】
表示用色相Pd(M,N)は色相画素用液晶パネル31(図2参照)に伝送され、色相画素用液晶パネル31を透過する白色光の光量を制御して画像の色相を制御する。
【0071】
表示用輝度Yd(M,N)は輝度画素用液晶パネル32(図2参照)に伝送され、色相画素用液晶パネル31を透過した透過光の輝度を制御する。なお、表示用輝度Yd(M,N)はMおよびNが変化するたびに変化するが、表示用色相Pd(M,N)はMおよびNがそれぞれ“4”の倍数となるまでは一定値に維持される。
【0072】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、低解像度の色相画素用液晶パネルと高解像度の輝度画素用液晶パネルとを積層することにより高い解像度を有する画像表示装置を安価に実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態の表示手段13は直視型表示装置であるが、本発明に係る画像表示装置は投影型表示装置としても実現できる。
【0073】
即ち、図10に示す第2の実施形態の表示手段13では、色相画素表示部131はカラープロジェクタ62であり、輝度画素表示部132はモノクローム液晶パネル61である。なお、モノクローム液晶パネル61の後面には拡散板34として機能するフレネルレンズ64が配置され、プロジェクタ62はフレネルレンズ64の背後から色相を投影する。
【0074】
そして、プロジェクタ62は色相画素出力部24から出力される色相画素によって駆動され、モノクローム液晶パネル61は輝度画素出力部25から出力される輝度画素によって駆動される。
【0075】
なお、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12の構成および動作は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0076】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、高い解像度を有する安価な投影型画像表示装置を実現することが可能となる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、表示画面を大きくするためには、モノクローム液晶パネル61を大きくしなければならないが、第3の実施形態では、モノクローム液晶パネル61の小型化が可能となる。
【0077】
即ち、第3の実施形態の表示手段13は、図11に示すように、白色光を発生する光源71と、白色光を青色光と黄色光に分離する第1のダイクロイックミラー72と、青色光の強度を制御する青色用液晶パネル73と、黄色光を赤色光と緑色光に分離する第2のダイクロイックミラー74と、緑色光の強度を制御する緑色用液晶パネル75と、赤色光の強度を制御する赤色用液晶パネル76と、強度が制御された緑色光、赤色光および青色光を混合する偏光ビームスプリッタ77と、混合光の輝度を制御する輝度制御用液晶パネル78と、投影レンズ79とを有する。なお、光路を形成するための偏光ビームスプリッタは適宜に配置されているものとする。
【0078】
第3の実施形態の表示手段13において、緑色用液晶パネル75、赤色用液晶パネル76および青色用液晶パネル73が色相画素表示部131に相当し、輝度制御用液晶パネル78が輝度画素表示部132に相当する。
【0079】
即ち、緑色用液晶パネル75、赤色用液晶パネル76および青色用液晶パネル73は白色光から分離された緑色光、赤色光および青色光のそれぞれの強度を色相画素出力部24から出力される表示用色相に基づいて制御し、輝度制御用液晶パネル78は輝度画素出力部25から出力される表示用輝度に基づいて混合光の輝度を制御する。輝度の制御された混合光は、投影レンズ79を介してスクリーン(図示せず)に投影され、スクリーン上にカラー画像を形成する。
【0080】
なお、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12の構成および動作は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0081】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、高い解像度を有する安価な投影型画像表示装置を実現することが可能となる。
(第4の実施形態)
図12は、第4の実施形態の表示手段13の構造図であって、第3の実施形態の緑色用液晶パネル75、赤色用液晶パネル76および青色用液晶パネル73の代えて、低解像度モノクローム液晶パネル82と高速駆動カラーフィルタ83とが使用される。
【0082】
即ち、光源81から放射された白色光は、第1の偏光ビームスプリッタ86を介して低解像度モノクローム液晶パネル82に照射される。低解像度モノクローム液晶パネル82は、色相画素出力部24から出力される表示用色相に基づいて色相画素の輝度を決定する。低解像度モノクローム液晶パネル82と同期して高速駆動カラーフィルタ83が動作し、色相が決定される。
【0083】
輝度制御用液晶パネル84は高速駆動カラーフィルタ83を透過した混合光の輝度を輝度画素出力部25から出力される表示用輝度に基づいて制御する。輝度の制御された混合光は、第2の偏光ビームスプリッタ87および投影レンズ85を介してスクリーン(図示せず)に投影され、カラー画像を形成する。
【0084】
なお、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12の構成および動作は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0085】
以上説明したように、第4の実施形態によれば、高い解像度を有する安価な投影型画像表示装置を実現することが可能となる。
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態の表示手段13の構造図であって、第4の実施形態の表示装置の解像度を更に向上させるために、第2の偏光ビームスプリッタ87の面に輝度制御用液晶パネル84のほかに第2の輝度制御用液晶パネル89を設置している。輝度制御用液晶パネル84および第2の輝度制御用液晶パネル89は、図13の左側に示す輝度制御用液晶パネル84および第2の輝度制御用液晶パネル89の配置図に示すように、1/2画素ずらして配置される。
【0086】
なお、輝度制御用液晶パネル84および第2の輝度制御用液晶パネル89の両方に高速駆動カラーフィルタ83を透過した混合光を導くために、高速駆動カラーフィルタ83の下流側に位相板88が配置される。
【0087】
なお、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12の構成および動作は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0088】
以上説明したように、第5の実施形態によれば、高い解像度を有する安価な投影型画像表示装置を実現することが可能となる。
(第6の実施形態)
第1から第5の実施形態にあっては、低輝度の領域は実際よりも暗く見えることを回避できない。
【0089】
本発明に係る画像表示装置で表示される画像の輝度は輝度画素の輝度Yyと色相画素の輝度Ycとの積で決定されるので、低輝度の領域で輝度画素の輝度Yyを高め、色相画素の輝度Ycを低下させることにより低輝度の領域を明るく表示することが可能となる。
【0090】
図14は、本発明に係る画像表示装置の第6の実施形態のブロック図であって、輝度画素生成手段12には輝度画素補正部122で補正された輝度画素の輝度が所定の輝度閾値以下であるときに輝度を強調する低輝度強調部123が追加され、色相画素生成手段11には輝度画素の輝度の強調に対応して色相画素補正部112で補正された色相画素の輝度を弱める色相画素輝度弱化部113が追加される。
【0091】
図15は、第6の実施形態において、CPU21で実行する第2のメインプログラムのフローチャートであって、図5に示すメインプログラムの輝度表示画素生成処理(ステップS4)と表示処理(ステップS5)との間に、低輝度強調処理(ステップS6)と色相画素輝度弱化処理(ステップS7)が追加される。
【0092】
図16は、第2のメインプログラムのステップS6で実行される低輝度強調ルーチンのフローチャートであって、CPU21は色相画素の輝度Yc(I、J)の値が予め定められた閾値YL以下であるか否かを判定(ステップS61)する。
【0093】
CPU21は、色相画素の輝度Yc(I、J)が所定の閾値YLより大きいときは直ちにこのルーチンを終了する。
【0094】
CPU21は、色相画素の輝度Yc(I、J)が所定の閾値YL以下であるときには、16個の輝度画素の輝度Yy(m,n)の値を予め定められた量ΔY強調する(ステップS62〜ステップS67)。
【0095】
なお、ステップS61〜ステップS67までの処理が低輝度強調部123の動作に相当する。
【0096】
図17は、第2のメインプログラムのステップS7で実行される色相画素輝度弱化ルーチンのフローチャートであって、CPU21は色相画素の輝度Yc(I、J)が予め定められた閾値YL以下であるか否かを判定(ステップS71)する。
【0097】
CPU21は、色相画素の輝度Yc(I、J)が所定の閾値YLより大きいときは直ちにこのルーチンを終了する。
【0098】
CPU21は、色相画素の輝度Yc(I、J)が所定の閾値YL以下であるときには、
弱化量αを{1−ΔY/Yc(I,J)}として算出(ステップS72)し、色相画素の値にαを乗算して色相画素の輝度を弱化(ステップS73)する。
【0099】
なお、ステップS71〜ステップS73までの処理が色相画素輝度弱化部113の動作に相当する。
【0100】
以上の実施形態においては、色相画素表示部131および輝度画素表示部132として液晶パネルを使用しているが、その他の電気光学素子(例えばDLP(Digital Light Processing)素子)を適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上のように、本発明に係る画像表示装置は、高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供できるという効果を有し、カラー表示装置等として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像表示装置のブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像表示装置のハードウエアブロック図
【図3】本発明の第1の実施の形態における表示パネルの部分斜視図
【図4】本発明の第1の実施の形態における入力部のブロック図
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるメインプログラムのフローチャート
【図6】本発明の第1の実施の形態における画素読み込みルーチンのフローチャート
【図7】本発明の第1の実施の形態における色相画素生成ルーチンのフローチャート
【図8】本発明の第1の実施の形態における輝度画素生成ルーチンのフローチャート
【図9】本発明の第1の実施の形態における表示ルーチンのフローチャート
【図10】本発明の第2の実施の形態における投射型表示装置の側面図
【図11】本発明の第3の実施の形態における投射型表示装置の側面図
【図12】本発明の第4の実施の形態における投射型表示装置の側面図
【図13】本発明の第5の実施の形態における投射型表示装置の側面図
【図14】本発明の第6の実施の形態における画像表示装置のブロック図
【図15】本発明の第6の実施の形態における第2のメインプログラムのフローチャート
【図16】本発明の第6の実施の形態における低輝度強調ルーチンのフローチャート
【図17】本発明の第6の実施の形態における色相画素弱化ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
【0103】
1 画像表示装置
11 色相画素生成手段
12 輝度画素生成手段
13 表示手段
111 色相画素生成部
112 色相画素補正部
121 輝度画素生成部
122 輝度画素補正部
131 色相画素表示部
132 輝度画素表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に係り、特に、高解像度でありながら安価な画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像表示装置は、テレビジョン受像機あるいはパーソナルコンピュータの表示装置として多用されているが、直視型と投射型とに大別できる。
【0003】
直視型表示装置は、平行に配列された3枚の短冊状液晶のそれぞれを、同じく短冊状の赤、緑、および青のカラーフィルタで覆ったものを1画素とし、縦および横に必要画素配列して構成される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
投射型表示装置には、1枚の液晶板で赤色光、緑色光、および青色光を変調する単板式(例えば、特許文献2参照)と、赤色光、緑色光、および青色光を個別の液晶板で変調する3板式(例えば、特許文献3参照)とがある。
【特許文献1】特開2004−219824号公報([0007]〜[0009]、[図1])
【特許文献2】特開2001−33820号公報([0090]、[図14])
【特許文献3】特開2004−226914号公報([0030]〜[0036]、[図8])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のカラー画像表示装置において高解像度を実現するためには、画素数を増す必要があるが、画像表示面積を一定とすれば1画素を小型化する必要があるだけでなく、1画素に赤緑青の三色の発光素子を含める必要があるため、各色の発光素子は一層小型化する必要があり、装置自体が高価格となるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記の従来の課題を解決するためになされたものであって、高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像表示装置は、RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段と、前記RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段と、前記色相画素と前記輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段とを備え、前記色相画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて複数の前記輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部を有し、前記輝度画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて前記輝度画素を生成する輝度画素生成部を有し、前記表示手段が、前記色相画素を表示する色相画素表示部と、前記輝度画素を対応する前記色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部とを有する。
【0008】
この構成により、高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供できることとなる。
【0009】
本発明の画像表示装置は、RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段と、前記RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段と、前記色相画素と前記輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段とを備え、前記色相画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて複数の前記輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部と、前記色相画素の色相および彩度を補正する色相画素補正部とを有し、前記輝度画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて前記輝度画素を生成する輝度画素生成部と、前記輝度画素の輝度を補正後の前記色相画素の輝度に基づいて補正する輝度画素補正部とを有し、前記表示手段が、補正後の前記色相画素を表示する色相画素表示部と、補正後の前記輝度画素を対応する前記色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部とを有していてもよい。
【0010】
本発明の画像表示装置は、前記輝度画素生成手段が、補正後の前記色相画素の輝度が所定の閾値輝度以下であるときは、補正後の前記輝度画素を強調する低輝度強調部を有し、
前記色相画素生成手段が、前記輝度画素の強調に応じて補正後の前記色相画素の輝度を弱化する色相画素輝度弱化部を有する。
【0011】
この構成により、低輝度領域のコントラストを改善できることとなる。
【0012】
本発明の画像表示装置は、前記表示手段が、バックライトと、補正後の前記色相画素に基づいて前記バックライトが発光する光の色相を制御するカラー液晶パネルと、前記カラー液晶パネルを透過した光を拡散する拡散パネルと、補正後の前記輝度画素に基づいて前記拡散パネルを透過した光の輝度を制御するモノクローム液晶パネルとを積層した積層パネルである構成を有する。
【0013】
この構成により、高い解像度を有する安価な直視型画像表示装置を提供できることとなる。
【0014】
本発明の画像表示装置は、前記表示手段が、補正後の前記輝度画素に基づいてカラー光線を投影するカラー光線投射装置と、前記カラー光線の投影像を拡散する拡散パネルと、前記拡散パネルの前面に配置され、拡散された前記投影像の輝度を制御するモノクローム液晶パネルとを有する。
【0015】
この構成により、高い解像度を有する安価な投射型画像表示装置を提供できることとなる。
【0016】
本発明の画像表示装置は、前記表示手段が、白色光を発光する光源と、前記白色光を赤色光、緑色光、および青色光に分離するダイクロイックミラ−と、前記赤色光、緑色光、および青色光の透過光量を補正後の前記色相画素に基づいて制御する赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル、および青色光用液晶パネルと、前記赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル、および青色光用液晶パネルを透過した赤色光、緑色光、および青色光を混合する偏光ビームスプリッタと、前記混合光の輝度を補正後の前記輝度画素に基づいて制御するモノクローム液晶パネルと、輝度制御後の前記混合光を投影する投影レンズとを有していてもよい。
【0017】
本発明の画像表示装置は、前記表示手段が、白色光を発光する光源と、前記白色光の透過光量を制御する低解像度モノクローム液晶パネルと、前記低解像度モノクローム液晶パネルを透過した白色光に補正後の前記色相画素に基づいて色相を与えるカラーフィルタと、色相の与えられた前記白色光の輝度を補正後の前記輝度画素に基づいて制御するモノクローム液晶パネルと、輝度制御後の前記混合光を投影する投影レンズとを有していてもよい。
【0018】
本発明の画像表示装置は、前記モノクローム液晶パネルが、第1のモノクローム液晶パネルと、前記第1のモノクローム液晶パネルに対して1/2画素ずらして配置される第2のモノクローム液晶パネルとを有していてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、複数の輝度画素を対応する1つの色相画素に重畳して表示することにより、高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下図面を参照して、本発明に係る画像表示装置の第1の実施形態を説明する。
【0021】
図1は本発明に係る画像表示装置1であって、RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段11と、RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段12と、色相画素と輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段13とを備える。
【0022】
色相画素生成手段11は、RGB信号に基づいて複数の輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部111を有する。また、色相画素の色相および彩度を補正する色相画素補正部112を有していてもよい。
【0023】
輝度画素生成手段12は、RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成部121を有する。また、輝度画素の輝度を補正後の色相画素の輝度に基づいて補正する輝度画素補正部122を有していてもよい。
【0024】
表示手段13は、補正後の色相画素を表示する色相画素表示部131と、補正後の輝度画素を対応する色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部132とを有する。
【0025】
図2は、本発明に係る画像表示装置1のハードウエア構成図であって、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12は、マイクロコンピュータシステム2にインストールされるプログラムによって実現される。
【0026】
マイクロコンピュータシステム2は、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12を実現するプログラムを実行するCPU21と、このプログラムを記憶するメモリ22と、テレビジョン受信機(図示せず)が出力するRGB信号を入力する入力部23と、色相画素を表示手段13に出力する色相画素出力部24と、輝度画素を表示手段13に出力する輝度画素出力部25と、プログラム保守用の保守ツール26と、これらを相互に結合するバス27とを有する。
【0027】
表示手段13として機能する表示パネル3は、色相画素表示部131として機能し、色相画素出力部24に接続される色相画素用液晶パネル31と、輝度画素表示部132として機能し、輝度画素出力部25に接続される輝度画素用液晶パネル32とを有する。
【0028】
表示パネル3は、さらに、白色光を発光するバックライト33と、色相光を均一に混合するための拡散パネル34とを有し、後面から前面に向かってバックライト33、色相画素用液晶パネル31、拡散パネル34、および輝度画素用液晶パネル32を積層した構造を有する。
【0029】
図3は表示パネル3の斜視図であって、色相画素用液晶パネル31の斜線部31aは、1つの色相画素用セルを示す。1つの色相画素用セル31aは、Rエレメント、GエレメントおよびBエレメントが例えばストライプ状に配置されている。
【0030】
また、輝度画素用液晶パネル32の斜線部32aは、1つの輝度画素用セルを示し、1つの色相画素用セル31aの中には、4×4=16個の輝度画素用セル32a〜32pが含まれている。
【0031】
拡散パネル284は、Rエレメント、GエレメントおよびBエレメントのそれぞれを透過する光を1つの色相画素用セル31a内で混合して均一の色相とするためのものである。
【0032】
入力部23は、図4に示すように、テレビジョン受信機が出力するRGB信号をディジタル化して画素Pを生成するA/D変換器50と、3つのラインメモリ51、52、および53と、4つの画素メモリ55、56、57および58と、バス47を介してCPU21に画素を伝送する入力I/F59とを有する。
【0033】
なお、画素Pは、赤色成分R、緑色成分Gおよび青色成分Bとを有する。
【0034】
3つのラインメモリ51、52、および53は、それぞれが1本の水平走査線分のRGB画素を記憶する容量を有し、4つの画素メモリ55、56、57および58は、それぞれが3つの画素を記憶する容量を有している。
【0035】
そして、A/D変換器50は第1のラインメモリ51の入力に接続され、第2のラインメモリ52の入力は第1のラインメモリ51の出力に接続され、第3のラインメモリ53の入力は第2のラインメモリ52の出力に接続されている。
【0036】
従って、3つのラインメモリ51、52、および53は、A/D変換器50がi番目の水平走査線に相当する画素列Q(i)を第1のラインメモリ51に出力すると、第1のラインメモリ51は(i−1)番目の水平走査線に相当する画素列Q(i−1)を第2のラインメモリ52に出力し、第2のラインメモリ52は(i−2)番目の水平走査線に相当するRGB画素列Q(i−2)を第3のラインメモリ53に出力し、第3のラインメモリ53は(i−3)番目の水平走査線に相当する画素列Q(i−3)を出力するように構成されている。
【0037】
第1の画素メモリ55の入力は直接A/D変換器50の出力に接続され、第2の画素メモリ56の入力は第1のラインメモリ51の出力に接続され、第3の画素メモリ57の入力は第2のラインメモリ52の出力に接続され、第4の画素メモリ58の入力は第3のラインメモリ53の出力に接続される。
【0038】
4つの画素メモリ55、56、57および58は、すべて同一の構成を有するので、以下第1の画素メモリ55の構成について説明する。
【0039】
第1の画素メモリ55は、第1の画素遅延素子551、第2の画素遅延素子552、および第3の画素遅延素子553が直列に接続された構成を有する。
【0040】
従って、第1の画素遅延素子551は、画素P(i,j)を入力し、画素P(i,j−1)を出力する。第2の画素遅延素子552は画素P(i,j−1)を入力し、画素P(i,j−2)を出力する。第3の画素遅延素子553は画素P(i,j−2)を入力し、画素P(i,j−3)を出力する。
【0041】
即ち、第1の画素メモリ55は、A/D変換器50が出力する画素P(i,j)、第1の画素遅延素子551が出力する画素P(i,j−1)、第2の画素遅延素子552が出力する画素P(i,j−2)、および第3の画素遅延素子553が出力する画素P(i,j−3)を入力インターフェイス(I/F)59に出力するように構成されている。
【0042】
同様に、第2の画素メモリ56は、第1のラインメモリ51が出力する画素P(i−1,j)、第1の画素遅延素子561が出力する画素P(i−1,j−1)、第2の画素遅延素子562が出力する画素P(i−1,j−2)、および第3の画素遅延素子563が出力する画素P(i−1,j−3)を入力I/F59に出力するように構成されている。
【0043】
また、第3の画素メモリ57は、第2のラインメモリ52が出力する画素P(i−2,j)、第1の画素遅延素子571が出力する画素P(i−2,j−1)、第2の画素遅延素子572が出力する画素P(i−2,j−2)、および第3の画素遅延素子573が出力する画素P(i−2,j−3)を入力I/F59に出力するように構成されている。
【0044】
さらに、第4の画素メモリ58は、第3のラインメモリ53が出力する画素P(i−3,j)、第1の画素遅延素子581が出力する画素P(i−3,j−1)、第2の画素遅延素子582が出力する画素P(i−3,j−2)、および第3の画素遅延素子583が出力する画素P(i−3,j−3)を入力I/F59に出力するように構成されている。
【0045】
次に本発明に係る画像表示装置1の第1の実施形態の動作を、CPU21で実行されるプログラムのフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
図5はCPU21が実行するメインプログラムのフローチャートであって、CPU21は新たなフレームが始まるたびに(垂直帰線期間が検出されるたびに)、このプログラムを実行する。
【0047】
CPU21は、まず水平走査線の番号を表すパラメータiを“1”に初期化(ステップS11)し、次にパラメータiが“4”の倍数であるか否かを判定(ステップS12)する。
【0048】
CPU21は、パラメータiが“4”の倍数であれば、1本の水平走査線に含まれる画素の番号を表すパラメータjを“1”に初期化(ステップS13)し、次にパラメータjが“4”の倍数であるか否かを判定(ステップS14)する。
【0049】
CPU21は、パラメータjが“4”の倍数であれば、画素読み込みルーチン(ステップS2)、色相画素生成ルーチン(ステップS3)、輝度画素生成ルーチン(ステップS4)、および表示ルーチン(ステップS5)を順次実行する。
【0050】
CPU21は、パラメータjが最大値jmaxに到達したか否かを判定(ステップS15)し、パラメータjが最大値jmaxに到達していないと判定したときは、パラメータjをインクリメント(ステップS16)してステップS14に戻る。なお、jmaxは、1本の水平走査線のサンプリング回数である。
【0051】
CPU21は、パラメータjが最大値jmaxに到達したと判定したときは、パラメータiが最大値imaxに到達したか否かを判定(ステップS17)し、パラメータiが最大値imaxに到達していないと判定したときは、パラメータiをインクリメント(ステップS18)してステップS12に戻る。なお、imaxは、1フレームの水平走査線数である。
【0052】
CPU21は、パラメータiが最大値imaxに到達したと判定したときは、1フレームの処理が完了したものとしてこのプログラムを終了する。
【0053】
図6は、メインプログラムのステップS2で実行される画素読み込みルーチンのフローチャートであって、CPU21は、4×4=16個の画素群の垂直および水平方向の位置を表すパラメータmおよびnをそれぞれ“1”に初期化(ステップS21)する。
【0054】
次に、CPU21は、入力部23の入力I/F59(図3参照)を介して赤色成分R(m,n)、緑色成分G(m,n)および青色成分B(m,n)から成る画素P(m,n)を読み込む(ステップS22)。
【0055】
CPU21は、パラメータnが“4”に到達したが否かを判定(ステップS23)し、到達していないと判定したときには、パラメータnをインクリメント(ステップS24)してステップS22に戻る。
【0056】
CPU21は、パラメータnが“4”に到達したと判定したときには、パラメータmが“4”に到達したが否かを判定(ステップS25)し、到達していないと判定したときには、パラメータmをインクリメント(ステップS26)してステップS22に戻る。
【0057】
CPU21は、パラメータmが“4”に到達したと判定したときには、4×4=16個の画素の読み取りが完了したものとして、このルーチンを終了する。
【0058】
図7は、メインプログラムのステップS3で実行される色相表示画素生成ルーチンのフローチャートであって、CPU21は、まず、パラメータiおよびjを“4”で除した商をそれぞれパラメータIおよびJとする(ステップS30)。
【0059】
次に、CPU21は、画素読み取りルーチンで読み取った16個の画素P(m,n)の平均値として色相画素Pc(I,J)={Rc(I,J)、Gc(I,J)、Bc(I,J)}を生成(ステップS31)する。なお、ステップS31の処理が色相画素生成部111の動作に相当する。
【0060】
さらに、CPU21は、色相画素Pc(I,J)の各要素Rc(I,J)、Gc(I,J)、およびBc(I,J)の最大値Sを算出(ステップS32)し、色相画素Pc(I,J)の各要素Rc(I,J)、Gc(I,J)、およびBc(I,J)をSで除する補正を行って(ステップS33)、このルーチンを終了する。
【0061】
なお、ステップS32およびステップS33の処理が色相画素補正部112の動作に相当する。
【0062】
図8は、メインプログラムのステップS4で実行される輝度画素生成ルーチンのフローチャートであって、CPU21は、まず、色相表示画素Pc(I,J)の輝度Yc(I,J)を予め定められた関数fを使用して算出(ステップS40)する。
【0063】
関数fはテレビジョン放送方法により定まる関数であって、例えば高精細度テレビジョンにおいては、次式により算出される。
Yc(I,J)=f{Pc(I,J)}
=f{(Rc(I,J),Gc(I,J),Bc(I,J))
=0.2126Rc(I,J)+0.7152Gc(I,J)+0.0722Bc(I,J)
そして、CPU21は、4×4の画素群の垂直および水平方向の位置を表すパラメータmおよびnをそれぞれ“1”に初期化(ステップS41)する。
【0064】
次に、CPU21は、画素読み取りルーチンで読み取った輝度画素P(m,n)={R(m,n)、G(m,n)、B(m,n)}の輝度Yy(m,n)を前述した関数fを使用して生成(ステップS42)する。なお、ステップS42の処理が、輝度画素生成部121の動作に相当する。
Yy(m,n)=f{P(m,n)}
=f{(R(m,n),G(m,n),B(m,n))
=0.2126R(m,n)+0.7152G(m,n)+0.0722B(m,n)
次に、輝度画素P(m,n)の輝度Yy(m,n)をステップS41で算出した色相画素の輝度Yc(I,J)で除する補正(ステップS43)を行う。なお、ステップS41およびステップS43の処理が輝度画素補正部122の動作に相当する。
【0065】
以上の処理を画素読み取りルーチンで読み取った16個の画素P(m,n)について実行(ステップS44〜ステップS47)する。
【0066】
図9は、メインプログラムのステップS5で実行される表示ルーチンのフローチャートであって、CPU21は、4×4の画素群の垂直および水平方向の位置を表すパラメータmおよびnをそれぞれ“1”に初期化(ステップS50)する。
【0067】
次に、CPU21は、パラメータiおよびjを“4”で除した商をそれぞれパラメータIおよびJとし(ステップS51)、I+mをMに、J+nをNに設定(ステップS52)する。
【0068】
CPU21は、座標(M,N)の表示用輝度Yd(M,N)を輝度画素の輝度Yy(m,n)に設定(ステップS53)し、座標(M,N)の表示用色相Pd(M,N)を補正後の色相画素Pc(I,J)の色相に設定(ステップS54)し、輝度表示画素出力部45(図2参照)を介して表示手段13に表示用輝度Yd(M,N)を、色相表示画素出力部24(図2参照)を介して表示用色相Pd(M,N)を出力(ステップS55)する。
【0069】
以上の処理を画素読み取りルーチンで読み取った16個の画素P(m,n)について実行(ステップS56〜ステップS59)する。
【0070】
表示用色相Pd(M,N)は色相画素用液晶パネル31(図2参照)に伝送され、色相画素用液晶パネル31を透過する白色光の光量を制御して画像の色相を制御する。
【0071】
表示用輝度Yd(M,N)は輝度画素用液晶パネル32(図2参照)に伝送され、色相画素用液晶パネル31を透過した透過光の輝度を制御する。なお、表示用輝度Yd(M,N)はMおよびNが変化するたびに変化するが、表示用色相Pd(M,N)はMおよびNがそれぞれ“4”の倍数となるまでは一定値に維持される。
【0072】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、低解像度の色相画素用液晶パネルと高解像度の輝度画素用液晶パネルとを積層することにより高い解像度を有する画像表示装置を安価に実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態の表示手段13は直視型表示装置であるが、本発明に係る画像表示装置は投影型表示装置としても実現できる。
【0073】
即ち、図10に示す第2の実施形態の表示手段13では、色相画素表示部131はカラープロジェクタ62であり、輝度画素表示部132はモノクローム液晶パネル61である。なお、モノクローム液晶パネル61の後面には拡散板34として機能するフレネルレンズ64が配置され、プロジェクタ62はフレネルレンズ64の背後から色相を投影する。
【0074】
そして、プロジェクタ62は色相画素出力部24から出力される色相画素によって駆動され、モノクローム液晶パネル61は輝度画素出力部25から出力される輝度画素によって駆動される。
【0075】
なお、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12の構成および動作は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0076】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、高い解像度を有する安価な投影型画像表示装置を実現することが可能となる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、表示画面を大きくするためには、モノクローム液晶パネル61を大きくしなければならないが、第3の実施形態では、モノクローム液晶パネル61の小型化が可能となる。
【0077】
即ち、第3の実施形態の表示手段13は、図11に示すように、白色光を発生する光源71と、白色光を青色光と黄色光に分離する第1のダイクロイックミラー72と、青色光の強度を制御する青色用液晶パネル73と、黄色光を赤色光と緑色光に分離する第2のダイクロイックミラー74と、緑色光の強度を制御する緑色用液晶パネル75と、赤色光の強度を制御する赤色用液晶パネル76と、強度が制御された緑色光、赤色光および青色光を混合する偏光ビームスプリッタ77と、混合光の輝度を制御する輝度制御用液晶パネル78と、投影レンズ79とを有する。なお、光路を形成するための偏光ビームスプリッタは適宜に配置されているものとする。
【0078】
第3の実施形態の表示手段13において、緑色用液晶パネル75、赤色用液晶パネル76および青色用液晶パネル73が色相画素表示部131に相当し、輝度制御用液晶パネル78が輝度画素表示部132に相当する。
【0079】
即ち、緑色用液晶パネル75、赤色用液晶パネル76および青色用液晶パネル73は白色光から分離された緑色光、赤色光および青色光のそれぞれの強度を色相画素出力部24から出力される表示用色相に基づいて制御し、輝度制御用液晶パネル78は輝度画素出力部25から出力される表示用輝度に基づいて混合光の輝度を制御する。輝度の制御された混合光は、投影レンズ79を介してスクリーン(図示せず)に投影され、スクリーン上にカラー画像を形成する。
【0080】
なお、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12の構成および動作は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0081】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、高い解像度を有する安価な投影型画像表示装置を実現することが可能となる。
(第4の実施形態)
図12は、第4の実施形態の表示手段13の構造図であって、第3の実施形態の緑色用液晶パネル75、赤色用液晶パネル76および青色用液晶パネル73の代えて、低解像度モノクローム液晶パネル82と高速駆動カラーフィルタ83とが使用される。
【0082】
即ち、光源81から放射された白色光は、第1の偏光ビームスプリッタ86を介して低解像度モノクローム液晶パネル82に照射される。低解像度モノクローム液晶パネル82は、色相画素出力部24から出力される表示用色相に基づいて色相画素の輝度を決定する。低解像度モノクローム液晶パネル82と同期して高速駆動カラーフィルタ83が動作し、色相が決定される。
【0083】
輝度制御用液晶パネル84は高速駆動カラーフィルタ83を透過した混合光の輝度を輝度画素出力部25から出力される表示用輝度に基づいて制御する。輝度の制御された混合光は、第2の偏光ビームスプリッタ87および投影レンズ85を介してスクリーン(図示せず)に投影され、カラー画像を形成する。
【0084】
なお、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12の構成および動作は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0085】
以上説明したように、第4の実施形態によれば、高い解像度を有する安価な投影型画像表示装置を実現することが可能となる。
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態の表示手段13の構造図であって、第4の実施形態の表示装置の解像度を更に向上させるために、第2の偏光ビームスプリッタ87の面に輝度制御用液晶パネル84のほかに第2の輝度制御用液晶パネル89を設置している。輝度制御用液晶パネル84および第2の輝度制御用液晶パネル89は、図13の左側に示す輝度制御用液晶パネル84および第2の輝度制御用液晶パネル89の配置図に示すように、1/2画素ずらして配置される。
【0086】
なお、輝度制御用液晶パネル84および第2の輝度制御用液晶パネル89の両方に高速駆動カラーフィルタ83を透過した混合光を導くために、高速駆動カラーフィルタ83の下流側に位相板88が配置される。
【0087】
なお、色相画素生成手段11および輝度画素生成手段12の構成および動作は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0088】
以上説明したように、第5の実施形態によれば、高い解像度を有する安価な投影型画像表示装置を実現することが可能となる。
(第6の実施形態)
第1から第5の実施形態にあっては、低輝度の領域は実際よりも暗く見えることを回避できない。
【0089】
本発明に係る画像表示装置で表示される画像の輝度は輝度画素の輝度Yyと色相画素の輝度Ycとの積で決定されるので、低輝度の領域で輝度画素の輝度Yyを高め、色相画素の輝度Ycを低下させることにより低輝度の領域を明るく表示することが可能となる。
【0090】
図14は、本発明に係る画像表示装置の第6の実施形態のブロック図であって、輝度画素生成手段12には輝度画素補正部122で補正された輝度画素の輝度が所定の輝度閾値以下であるときに輝度を強調する低輝度強調部123が追加され、色相画素生成手段11には輝度画素の輝度の強調に対応して色相画素補正部112で補正された色相画素の輝度を弱める色相画素輝度弱化部113が追加される。
【0091】
図15は、第6の実施形態において、CPU21で実行する第2のメインプログラムのフローチャートであって、図5に示すメインプログラムの輝度表示画素生成処理(ステップS4)と表示処理(ステップS5)との間に、低輝度強調処理(ステップS6)と色相画素輝度弱化処理(ステップS7)が追加される。
【0092】
図16は、第2のメインプログラムのステップS6で実行される低輝度強調ルーチンのフローチャートであって、CPU21は色相画素の輝度Yc(I、J)の値が予め定められた閾値YL以下であるか否かを判定(ステップS61)する。
【0093】
CPU21は、色相画素の輝度Yc(I、J)が所定の閾値YLより大きいときは直ちにこのルーチンを終了する。
【0094】
CPU21は、色相画素の輝度Yc(I、J)が所定の閾値YL以下であるときには、16個の輝度画素の輝度Yy(m,n)の値を予め定められた量ΔY強調する(ステップS62〜ステップS67)。
【0095】
なお、ステップS61〜ステップS67までの処理が低輝度強調部123の動作に相当する。
【0096】
図17は、第2のメインプログラムのステップS7で実行される色相画素輝度弱化ルーチンのフローチャートであって、CPU21は色相画素の輝度Yc(I、J)が予め定められた閾値YL以下であるか否かを判定(ステップS71)する。
【0097】
CPU21は、色相画素の輝度Yc(I、J)が所定の閾値YLより大きいときは直ちにこのルーチンを終了する。
【0098】
CPU21は、色相画素の輝度Yc(I、J)が所定の閾値YL以下であるときには、
弱化量αを{1−ΔY/Yc(I,J)}として算出(ステップS72)し、色相画素の値にαを乗算して色相画素の輝度を弱化(ステップS73)する。
【0099】
なお、ステップS71〜ステップS73までの処理が色相画素輝度弱化部113の動作に相当する。
【0100】
以上の実施形態においては、色相画素表示部131および輝度画素表示部132として液晶パネルを使用しているが、その他の電気光学素子(例えばDLP(Digital Light Processing)素子)を適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上のように、本発明に係る画像表示装置は、高い解像度を有する安価な画像表示装置を提供できるという効果を有し、カラー表示装置等として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像表示装置のブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像表示装置のハードウエアブロック図
【図3】本発明の第1の実施の形態における表示パネルの部分斜視図
【図4】本発明の第1の実施の形態における入力部のブロック図
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるメインプログラムのフローチャート
【図6】本発明の第1の実施の形態における画素読み込みルーチンのフローチャート
【図7】本発明の第1の実施の形態における色相画素生成ルーチンのフローチャート
【図8】本発明の第1の実施の形態における輝度画素生成ルーチンのフローチャート
【図9】本発明の第1の実施の形態における表示ルーチンのフローチャート
【図10】本発明の第2の実施の形態における投射型表示装置の側面図
【図11】本発明の第3の実施の形態における投射型表示装置の側面図
【図12】本発明の第4の実施の形態における投射型表示装置の側面図
【図13】本発明の第5の実施の形態における投射型表示装置の側面図
【図14】本発明の第6の実施の形態における画像表示装置のブロック図
【図15】本発明の第6の実施の形態における第2のメインプログラムのフローチャート
【図16】本発明の第6の実施の形態における低輝度強調ルーチンのフローチャート
【図17】本発明の第6の実施の形態における色相画素弱化ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
【0103】
1 画像表示装置
11 色相画素生成手段
12 輝度画素生成手段
13 表示手段
111 色相画素生成部
112 色相画素補正部
121 輝度画素生成部
122 輝度画素補正部
131 色相画素表示部
132 輝度画素表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段と、前記RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段と、前記色相画素と前記輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段とを備え、
前記色相画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて複数の前記輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部を有し、
前記輝度画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて前記輝度画素を生成する輝度画素生成部を有し、
前記表示手段が、前記色相画素を表示する色相画素表示部と、前記輝度画素を対応する前記色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部とを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段と、前記RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段と、前記色相画素と前記輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段とを備え、
前記色相画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて複数の前記輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部と、前記色相画素の色相および彩度を補正する色相画素補正部とを有し、
前記輝度画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて前記輝度画素を生成する輝度画素生成部と、前記輝度画素の輝度を補正後の前記色相画素の輝度に基づいて補正する輝度画素補正部とを有し、
前記表示手段が、補正後の前記色相画素を表示する色相画素表示部と、補正後の前記輝度画素を対応する前記色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部とを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
前記輝度画素生成手段が、補正後の前記色相画素の輝度が所定の閾値輝度以下であるときは、補正後の前記輝度画素を強調する低輝度強調部を有し、
前記色相画素生成手段が、前記輝度画素の強調に応じて補正後の前記色相画素の輝度を弱化する色相画素輝度弱化部を有することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示手段が、バックライトと、補正後の前記色相画素に基づいて前記バックライトが発光する光の色相を制御するカラー液晶パネルと、前記カラー液晶パネルを透過した光を拡散する拡散パネルと、補正後の前記輝度画素に基づいて前記拡散パネルを透過した光の輝度を制御するモノクローム液晶パネルとを積層した積層パネルであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記表示手段が、補正後の前記輝度画素に基づいてカラー光線を投影するカラー光線投射装置と、前記カラー光線の投影像を拡散する拡散パネルと、前記拡散パネルの前面に配置され、拡散された前記投影像の輝度を制御するモノクローム液晶パネルとを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記表示手段が、白色光を発光する光源と、前記白色光を赤色光、緑色光、および青色光に分離するダイクロイックミラ−と、前記赤色光、緑色光、および青色光の透過光量を補正後の前記色相画素に基づいて制御する赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル、および青色光用液晶パネルと、前記赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル、および青色光用液晶パネルを透過した赤色光、緑色光、および青色光を混合する偏光ビームスプリッタと、前記混合光の輝度を補正後の前記輝度画素に基づいて制御するモノクローム液晶パネルと、輝度制御後の前記混合光を投影する投影レンズとを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示手段が、白色光を発光する光源と、前記白色光の透過光量を制御する低解像度モノクローム液晶パネルと、前記低解像度モノクローム液晶パネルを透過した白色光に補正後の前記色相画素に基づいて色相を与えるカラーフィルタと、色相の与えられた前記白色光の輝度を補正後の前記輝度画素に基づいて制御するモノクローム液晶パネルと、輝度制御後の前記混合光を投影する投影レンズとを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記モノクローム液晶パネルが、第1のモノクローム液晶パネルと、前記第1のモノクローム液晶パネルに対して1/2画素ずらして配置される第2のモノクローム液晶パネルとを有することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項1】
RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段と、前記RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段と、前記色相画素と前記輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段とを備え、
前記色相画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて複数の前記輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部を有し、
前記輝度画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて前記輝度画素を生成する輝度画素生成部を有し、
前記表示手段が、前記色相画素を表示する色相画素表示部と、前記輝度画素を対応する前記色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部とを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
RGB信号に基づいて色相画素を生成する色相画素生成手段と、前記RGB信号に基づいて輝度画素を生成する輝度画素生成手段と、前記色相画素と前記輝度画素とを重畳してカラー画像を表示する表示手段とを備え、
前記色相画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて複数の前記輝度画素ごとに1つの色相画素を生成する色相画素生成部と、前記色相画素の色相および彩度を補正する色相画素補正部とを有し、
前記輝度画素生成手段が、前記RGB信号に基づいて前記輝度画素を生成する輝度画素生成部と、前記輝度画素の輝度を補正後の前記色相画素の輝度に基づいて補正する輝度画素補正部とを有し、
前記表示手段が、補正後の前記色相画素を表示する色相画素表示部と、補正後の前記輝度画素を対応する前記色相画素に重畳して表示する輝度画素表示部とを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
前記輝度画素生成手段が、補正後の前記色相画素の輝度が所定の閾値輝度以下であるときは、補正後の前記輝度画素を強調する低輝度強調部を有し、
前記色相画素生成手段が、前記輝度画素の強調に応じて補正後の前記色相画素の輝度を弱化する色相画素輝度弱化部を有することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示手段が、バックライトと、補正後の前記色相画素に基づいて前記バックライトが発光する光の色相を制御するカラー液晶パネルと、前記カラー液晶パネルを透過した光を拡散する拡散パネルと、補正後の前記輝度画素に基づいて前記拡散パネルを透過した光の輝度を制御するモノクローム液晶パネルとを積層した積層パネルであることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記表示手段が、補正後の前記輝度画素に基づいてカラー光線を投影するカラー光線投射装置と、前記カラー光線の投影像を拡散する拡散パネルと、前記拡散パネルの前面に配置され、拡散された前記投影像の輝度を制御するモノクローム液晶パネルとを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記表示手段が、白色光を発光する光源と、前記白色光を赤色光、緑色光、および青色光に分離するダイクロイックミラ−と、前記赤色光、緑色光、および青色光の透過光量を補正後の前記色相画素に基づいて制御する赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル、および青色光用液晶パネルと、前記赤色光用液晶パネル、緑色光用液晶パネル、および青色光用液晶パネルを透過した赤色光、緑色光、および青色光を混合する偏光ビームスプリッタと、前記混合光の輝度を補正後の前記輝度画素に基づいて制御するモノクローム液晶パネルと、輝度制御後の前記混合光を投影する投影レンズとを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示手段が、白色光を発光する光源と、前記白色光の透過光量を制御する低解像度モノクローム液晶パネルと、前記低解像度モノクローム液晶パネルを透過した白色光に補正後の前記色相画素に基づいて色相を与えるカラーフィルタと、色相の与えられた前記白色光の輝度を補正後の前記輝度画素に基づいて制御するモノクローム液晶パネルと、輝度制御後の前記混合光を投影する投影レンズとを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記モノクローム液晶パネルが、第1のモノクローム液晶パネルと、前記第1のモノクローム液晶パネルに対して1/2画素ずらして配置される第2のモノクローム液晶パネルとを有することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−113193(P2006−113193A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298924(P2004−298924)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】
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