説明

画像表示装置

【課題】開口率(各画素の発光面積の割合)を上げることが可能な画像表示装置を提供すること。
【解決手段】電流が流れることで発光する発光素子1と、電圧を印加することで、発光素子1に流れる電流量を調整するドライバ素子と、ドライバ素子に対して印加する電圧に応じた電荷が蓄積される容量素子とを備え、容量素子は、第1誘電体層13および第2誘電体層15を第1電極層12、第2電極層14、および、第3電極層16を介して積層してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ELディスプレイ装置などの画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光層に注入された正孔と電子とが再結合することにより発光する有機EL(Electro Luminescence)素子と、例えば、アモルファスシリコンや多結晶シリコン等で形成される薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下「TFT」という)を含む画素回路とを備えた画像表示装置が提案されている。
【0003】
有機EL素子を用いた画像表示装置は、光透過性を有する基板上に形成された有機EL素子から前記基板を通して下方に光を放つボトムエミッション構造と、基板上に形成された有機EL素子から上方に光を放つトップエミッション構造とに分類できる。なお、ボトムエミッション構造の画像表示装置としては、特許文献1などが存在する。また、有機EL素子とは別に、液晶素子を用いた画像表示装置として、特許文献2が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−081094号公報
【特許文献2】特開平9−101543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ボトムエミッション構造は、平面視して画素内において有機EL素子と画素回路とが併設して形成されるため、開口率(各画素の発光面積の割合)が小さくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、開口率を上げることのできる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、電流が流れることで発光する発光素子と、電圧を印加することで、前記発光素子に流れる電流量を調整するドライバ素子と、前記ドライバ素子に対して印加する前記電圧に応じた電荷が蓄積される容量素子とを備え、前記容量素子は、複数の誘電体層を電極層を介して積層してなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記容量素子は、第1電極層と、前記第1電極層上に形成される第1誘電体層と、前記第1誘電体層上に形成される第2電極層と、前記第2電極層上に形成される第2誘電体層と、前記第2誘電体層上に形成される第3電極層とを含んで形成されており、前記ドライバ素子及び前記容量素子は、平面視して離間するように設けられており、前記第1電極層と前記第2電極層との一方は前記ドライバ素子のゲート層と同一材料からなり、前記第1電極層と前記第2電極層との他方は前記ドライバ素子のソース・ドレイン層と同一材料からなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、請求項2に記載の画像表示装置において、前記発光素子は、平面視して前記ドライバ素子及び前記容量素子と離間するように設けられており、前記第3電極層は前記発光素子の光透過性電極と同一材料からなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記容量素子は、前記ドライバ素子の閾値電圧に応じた電荷が蓄積される第1容量素子と、前記第1容量素子に接続され、前記発光素子に流れる電流量に応じた電荷が蓄積される第2容量素子が含まれていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、請求項4に記載の画像表示装置において、前記第1容量素子と前記第2容量素子が平面視して離間するように設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、請求項4に記載の画像表示装置において、前記発光素子の発光期間に前記第1容量素子及び前記第2容量素子に蓄積された電荷に基づいて前記ドライバ素子がオン状態となり前記発光素子が発光することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、開口率を上げることが可能な画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかる画像表示装置の1画素を構成する画素回路および発光素子を示す回路図である。
【図2】図2は、図1の画素回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】図3は、容量素子に蓄積されている電荷を初期化する期間T1での画素回路における電流の流れを示す図である。
【図4】図4は、駆動トランジスタTの閾値電圧を検出する期間T2での画素回路における電流の流れを示す図である。
【図5】図5は、第2容量素子Cdataに画像信号線から画像データを書き込む期間T3での画素回路における電流の流れを示す図である。
【図6】図6は、発光素子が発光する期間T4での画素回路における電流の流れを示す図である。
【図7】図7は、図1の画素回路および発光素子で構成された画像表示装置の1画素を実際に実現した際の上面図である。
【図8】図8は、図7の画像表示装置の1画素の構造を説明するための断面図である。
【図9−1】図9−1は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−2】図9−2は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−3】図9−3は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−4】図9−4は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−5】図9−5は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−6】図9−6は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−7】図9−7は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−8】図9−8は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−9】図9−9は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−10】図9−10は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−11】図9−11は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−12】図9−12は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−13】図9−13は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−14】図9−14は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図9−15】図9−15は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【図10】図10は、変形例1に係る画像表示装置の1画素を構成する画素回路及び発光素子1を示す回路図である。
【図11】図11は、図1の画素回路および発光素子で構成された変形例に係る画像表示装置の1画素を実際に実現した際の上面図である。
【図12】図12は、図10の画像表示装置の1画素の構造を説明するための断面図である。
【図13】図13は、容量領域R3’の部分の構造を説明するための断面図である。
【図14】図14は、変形例2に係る画像表示装置の1画素を構成する画素回路及び発光素子1を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる画像表示装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されないものとする。
【0016】
≪第1実施形態≫
図1は、本発明の第1実施形態にかかる画像表示装置の1画素を構成する画素回路および発光素子を示す回路図である。そして、1画素がマトリックス状に複数配列されて、画像を表示する画面を構成する。なお、図1では、発光素子の容量を明示している。
【0017】
本画素回路は、n型TFTを用いたコモンカソードのボトムエミッション構造に関する5TFT画素回路である。画素は、発光素子1、5つのTFT、各TFTを制御するための各種配線、及び2つの容量素子を備えている。ここで、5つのTFTとは、ドライバ素子としての駆動トランジスタT、駆動トランジスタTのドレイン・ソース間に電流が流れ始める駆動トランジスタTの閾値電圧を検出するときに用いる閾値電圧検出トランジスタTth、発光素子1に蓄積された電荷をリセットするときに用いる第1リセットトランジスタT、2つの容量素子に蓄積された電荷をリセットするときに用いる第2リセットトランジスタT、画像信号を供給するときに用いるスイッチングトランジスタTである。
【0018】
図2は、図1の画素回路の動作を示すタイミングチャートである。図2に示されるように、一の画像データを表示するための単位フレーム期間は、発光素子1を初期化するための期間T1と、駆動トランジスタTの閾値電圧Vthを検出するための期間T2と、画像データを書き込むための期間T3と、発光素子1が発光するための期間T4とから構成されている。なお、期間T3における画像信号線2の電位は、各発光素子1の発光輝度によって決まる任意の値であるため、図2では、当該電位が存在し得る範囲にハッチングが便宜的に付されている。また、発光素子1のカソード電極が基準電位となるグランド線GND3と接続されている。グランド線GND3の電位は、本実施形態では期間T1〜期間T4まで常に0Vとする。
【0019】
以下では、図3〜6を参照して、図2の期間T1〜T4について説明する。なお、期間T1の開始時点では、前フレームの期間T4において2つの容量素子に電荷が溜められているものとする。
【0020】
図3では、容量素子に蓄積されている電荷を初期化する期間T1での画素回路における電流の流れが示されている。
【0021】
図3に示すように、駆動トランジスタTに対して印加する閾値電圧に応じた電荷が蓄積される第1容量素子Cthと、該第1容量素子Cthに接続され、発光素子1に流れる電流量に応じた電荷が蓄積される第2容量素子Cdataから電荷が放出される。
【0022】
ここで、期間T1における各TFTを制御するための各種配線の電位について説明する。まず、駆動トランジスタTの一端、及び第1リセットトランジスタTの一端と接続される電源線VDD4の電位を0Vとする。第1リセットトランジスタTのゲートと接続され、第1リセットトランジスタTのオン状態又はオフ状態を切り替えるリセット線5の電位を高電位(VgH)とする。閾値電圧検出トランジスタTthのオン状態又はオフ状態を切り替えるTth制御線6の電位を高電位(VgH)とする。スイッチングトランジスタTのオン状態又はオフ状態を切り替える走査線7の電位を低電位(VgL)とする。期間T1において、各種配線の電位をこのように制御することによって、第1リセットトランジスタT、第2リセットトランジスタT及び閾値電圧検出トランジスタTthがオン状態となって、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataに蓄積されている電荷が、それらのTFTを介して電源線VDD4に流れる。
【0023】
図4では、駆動トランジスタTの閾値電圧を検出する期間T2での画素回路における電流の流れが示されている。
【0024】
図4に示すように、駆動トランジスタTに電流が流れ始める駆動トランジスタTの閾値電圧を検出する。つまり、駆動トランジスタTのゲート・ソース間の電位が駆動トランジスタTの閾値電圧となるように、駆動トランジスタTのゲートに所定電位を与えるための電荷を第1容量素子Cthに蓄積する。
【0025】
ここで、期間T2における各TFTを制御するための各種配線の電位について説明する。まず、リセット線5の電位を低電位(VgL)とする。電源線VDD4の電位を低電位(−Vp)とする。Tth制御線6の電位を高電位(VgH)に維持する。走査線7の電位を低電位(VgL)に維持する。期間T2において、各種配線の電位をこのように制御することによって、期間T2の前期では、駆動トランジスタT、閾値電圧検出トランジスタTth及び第2リセットトランジスタTをオン状態にする。その後、期間T2の後期では、駆動トランジスタTのゲート・ソース間の電位が、駆動トランジスタTの閾値電圧となったときに、駆動トランジスタTに電流が流れない状態となる。その結果、期間T2では、駆動トランジスタTの閾値電圧に応じた電荷が第1容量素子Cthに蓄積されて、画素ごとに異なる駆動トランジスタTの閾値電圧Vthのばらつきが補償される。
【0026】
図5では、第2容量素子Cdataに画像信号線2から画像データを書き込む期間T3での画素回路における電流の流れが示されている。
【0027】
ここで、Tth制御線6の電位を高電位(VgH)から低電位(VgL)に切り替えて、第2リセットトランジスタT及び閾値電圧検出トランジスタTthをオン状態からオフ状態に切り替える。そして、電源線VDD4の電位を、0Vに戻す。
【0028】
図5に示すように、第2容量素子Cdataに発光素子1が発光する輝度に応じた電荷が蓄積される。つまり、画像信号線2から第2容量素子Cdataに供給される電位を発光素子1の輝度に応じて設定し、スイッチングトランジスタTを介して第2容量素子Cdataに画像信号線2の電位に応じた電荷が供給される。
【0029】
ここで、期間T3における各TFTを制御するための各種配線の電位について説明する。まず、リセット線5および走査線7の電位を、高電位(VgH)とする。次に画像信号線2の電位を、画像データに応じて、0Vから高電位(VgH)の間の適切な電位とする。そして、スイッチングトランジスタTを介して、画像信号線2の電位に応じた電荷がCdataに供給される。その後、走査線7の電位を低電位(VgL)としてから、リセット線5の電位を低電位(VgL)とする。
【0030】
図6では、発光素子1が発光する期間T4での画素回路における電流の流れが示されている。
【0031】
図6に示すように、第1容量素子Cth及び第2容量素子Cdataに蓄積された電荷に応じた電位が、駆動トランジスタTのゲート電位に与えられて、駆動トランジスタTをオン状態とする。そして、電源線VDD4からグランド線GND3に向かって電流が流れ、発光素子1が発光する。
【0032】
ここで、期間T4における各TFTを制御するための各種配線の電位について説明する。リセット線5、走査線7、Tth制御線6の電位を低電位(VgL)に維持する。期間T4において、各種配線の電位をこのように制御することによって、期間T4では、スイッチングトランジスタT、閾値電圧検出トランジスタTth、第1リセットトランジスタT及び第2リセットトランジスタTをオフ状態とする。そして、電源線VDD4の電位を0Vから高電位(Vdd)に切り替える。ここで、第1容量素子Cthに蓄積された電荷は、駆動トランジスタTの閾値電圧に応じた電荷が蓄積されており、かかる電荷に応じた電位が駆動トランジスタTのゲート電位に与えられる。さらに、第2容量素子Cdataに蓄積された電荷は、発光素子1の発光輝度に応じた電荷が蓄積されており、かかる電荷に応じた電位がさらに駆動トランジスタTのゲート電位に与えられる。その結果、駆動トランジスタTは、発光素子1の発光輝度に応じた電流が流れる状態となり、高電位となった電源線VDD4からグランド線GND3に電流が流れる。そして、発光素子1が駆動トランジスタTのソース・ドレイン間に流れる電流量に応じた発光輝度で発光する。
【0033】
次に、画素に含まれる発光素子1について説明する。
【0034】
発光素子1は、第1導電層18と、第2導電層20と、第1導電層18および第2導電層20の間に介在され、有機発光材料からなる有機発光層19とを少なくとも備えた構造を有している。本画素回路では、第1導電層が駆動トランジスタTの一端と接続され、第2導電層20が基準電位となるグランド層GND3に接続されている。
【0035】
第1導電層18は、有機発光層19から放出される光が透過することができる材料から構成され、例えばインジウム錫酸化膜(ITO)又は錫酸化膜等の光透過性を有する導電材料を用いて形成される。また、第2導電層20は、例えばマグネシウム、銀、アルミニウム又はカルシウム等の材料、あるいはこれらの合金等を用いることができ、その厚みを30nm以下にすることによって、光透過性の電極とすることができる。その結果、有機発光層19から放出された光が、第1導電層18を透過して、外部に出射される。
【0036】
かかる第2導電層20は、例えばアルミニウム又は銀等の金属、又はこれらの合金等の光反射率の大きい材料から成る。このように、第2導電層20を光反射率の大きい材料から構成することにより、ボトムエミッション構造においては光取り出し効率を向上させることができる。
【0037】
有機発光層19の材料としては、例えば、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体)等の発光性の材料で構成される。発光効率を高めるために、トリス[ピリジニル−kN−フェニル−kC]イリジウム等の有機金属化合物又クマリン等の色素をドーパント材料として、正孔輸送性又は電子輸送性を有するホスト材料にドープして有機発光層19を構成してもよい。有機発光層19を構成するドーパント材料の濃度は、例えば、0.5質量%以上20質量%以下とする。正孔輸送性を有するホスト材料の例としては、α−NPD、TPD等がある。電子輸送性を有するホスト材料の例としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム、1,4−フェニレンビス(トリフェニルシラン)、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、1,3,5−トリ(9H−カルバゾール−9−イル)ベンゼン、CBP、Alq3又はSDPVBi等がある。なお、有機発光層19の各層を構成する材料は、発する光の色に応じて、適当な材料が選択される。赤色の光を発するドーパント材料の例としては、トリス(1−フェニルイソキノリナト−C2,N)イリジウム又はDCJTB等がある。緑色の光を発するドーパント材料の例としては、トリス[ピリジニル−kN−フェニル−kC]イリジウム又はビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)等がある。青色の光を発するドーパント材料の例としては、ジスチリルアリーレン誘導体、ペリレン誘導体又はアゾメチン亜鉛錯体等がある。有機発光層19は、1層構造に限られることはなく、複数層構造であってもよい。このような有機EL素子は、有機発光層19に注入された正孔と電子とが再結合することによって光を生じる機能を有する。
【0038】
図7は、図1の画素回路および発光素子1で構成された画像表示装置の1画素を実際に実現した際の上面図であり、図8は、図7の画像表示装置の1画素の構造を説明するための断面図である。なお、図8では、説明を容易にするため、図1の各部において、発光素子1の構造を表す部分を開口領域R1とし、TFTの構造が含まれる部分をTFT領域R2とし、第1容量素子Cth及び第2容量素子Cdataの構造を表す部分を容量領域R3として描いている。
【0039】
画像表示装置の画素はその構造上、基板11上に複数形成される。各画素には、第1電極層12、第1誘電体層13、第2電極層14、第2誘電体層15、第3電極層16、平坦化膜17及び発光素子1が含まれている。
【0040】
まず、開口領域R1について説明する。基板11は、例えばガラス又はプラスチックから成り、複数の画素同士で共通に用いられる。基板11上には、平面視してマトリックス状に配列された複数の画素が形成されている。かかる基板11は、光を透過する材料から構成されており、発光素子1の発する光を外部に取り出すことができる。なお、基板11の端部上には、各TFTのオン状態又はオフ状態を制御するため各種配線の電位を設定することができる駆動ICを実装することができる。
【0041】
図8に示すように、基板11の平坦な表面上に発光素子1が形成される。つまり、基板11上に第1導電層18が形成されている。そして、第1導電層18上に、有機発光層19を介して第2導電層20が形成されている。このように、平坦な表面上に発光素子1を形成しないと、第1導電層18と第2導電層20が短絡して、有機発光層19が発光しないことがある。また、仮に、第1導電層18と第2導電層20が短絡しなくても、凹凸のある表面上に第1導電層18を形成すると、第1導電層18上に形成される有機発光層19の厚みが略均一にならず、有機発光層19の厚みが薄い特定箇所に電流が集中し、有機発光層19が劣化することがある。そのため、平坦な表面上に第1導電層18を形成し、有機発光層19及び第2導電層20の厚みについても略均一となるようにする。
【0042】
また、第2導電層20は、TFT領域R2及び容量領域R3上の平坦化膜17上にかけて形成される。TFT領域R2及び容量領域R3上には、各種層に起因する表面の凹凸を低減するために、平坦化膜17が形成されている。その結果、第2導電層20は、隣接する画素同士において連続して形成される。かかる平坦化膜17は、例えばノボラック樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂又はシリコン樹脂等の絶縁性を有する有機材料を用いることができる。
【0043】
さらに、平坦化膜17には、平坦化膜17を貫通するコンタクトホール21が形成されている。かかるコンタクトホール21は、上部よりも下部が幅狭に形成されている。コンタクトホール21は、各画素に形成されており、コンタクトホール21の底部には、有機発光層19が露出している。かかる第2導電層20と有機発光層19とが接続される。
【0044】
次に、TFT領域R2について説明する。図8に示すように、各画素には、基板11上にゲート層22、ゲート絶縁膜23、チャネル層24及びソース・ドレイン層25からなる各種TFTが設けられている。ここでは、図8に示すTFTを閾値電圧検出トランジスタTthとする。そして、閾値電圧検出トランジスタTth上には、閾値電圧検出トランジスタTthのソース・ドレイン層25の一部を除いて第2誘電体層15が形成されている。閾値電圧検出トランジスタTthの直上に形成される第2誘電体層15は、閾値電圧検出トランジスタTthのソース・ドレイン層25が、例えば、第3電極層16等の導電部材と短絡するのを防止している。
【0045】
TFT領域R2における基板11上には、ゲート層22が形成されている。ゲート層22は、例えば、アルミニウム又はモリブデン等の導体材料、これらの合金等からなる。
【0046】
また、ゲート層22上には、例えばソース・ドレイン層25とゲート層22が短絡するのを防止するために、ゲート絶縁膜23が形成されている。かかるゲート絶縁膜23は、チャネル層24とゲート層22との間を絶縁する材料から成り、例えば、窒化珪素又は酸化珪素等の絶縁材料からなる。
【0047】
また、ゲート絶縁膜23上であって、平面視してゲート層22と重なる領域には、チャネル層24が形成されている。かかるチャネル層24は、アモルファスシリコン(非晶質ケイ素)からなる。
【0048】
また、チャネル層24の端部上からゲート絶縁膜23上にかけて、ソース・ドレイン層25が形成されている。チャネル層24の中央上には、ソース・ドレイン層25が形成されず、チャネル層14の中央上を露出するようにソース・ドレイン層25が二つに分断されている。かかるソース・ドレイン層25は、例えば、アルミニウム又はモリブデン等の導体材料からなる。なお、ソース・ドレイン層25の分断された一方の一端は、基板11上に形成される第1電極層12と電気的に接続されている。
【0049】
また、露出するチャネル層24の中央上からソース・ドレイン層25上にかけて、第2誘電体層15が形成されている。なお、ソース・ドレイン層25の一部上は、第2誘電体層15が形成されず、露出している。かかる露出するソース・ドレイン層25上には、基板11上から第1導電層18の一部が延在されている。そして、ソース・ドレイン層25の一部と第1導電層18が電気的に接続されている。
【0050】
次に、容量領域R3について説明する。図8に示すように、基板11上に形成される第1電極層12と、第1誘電体層13及び第2電極層14から第2容量素子Cdataが構成される。また、第2電極層14と、第2誘電体層15及び第3電極層16から第1容量素子Cthが構成される。かかる第2電極層14が、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataの電極層として機能する。そして、第1電極層12上に第1誘電体層13を介して第2電極層14が形成され、第2電極層14上に第2誘電体層15を介して第3電極層16が形成されることで、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataを上下に積層することができる。その結果、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataとからなる積層容量構造を設けることができる。
【0051】
ここで、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataを構成する各層について説明する。
【0052】
第1電極層12は、基板11上にゲート層22と離間して形成され、ゲート層22と電気的に絶縁されている。また、第1電極層12は、ゲート層22と同じ材料から構成され、例えば、アルミニウム又はモリブデン等の導体材料、これらの合金等からなる。
【0053】
第1誘電体層13は、第1電極層12の一部を露出して、第1電極層12上から基板11上にかけて形成されている。そして、第1電極層12の露出する一部とソース・ドレイン層25の一部が電気的に接続されている。第1誘電体層13は、ゲート絶縁膜23と同じ材料から構成され、例えば、窒化珪素又は酸化珪素等の絶縁材料からなる。
【0054】
第2電極層14は、第1誘電体層13上であって、平面視して第1電極層12と重なる領域に形成される。そして、第2電極層14は、ソース・ドレイン層25と離間して形成され、ソース・ドレイン層25から絶縁されている。かかる第2電極層14は、ソース・ドレイン層25と同じ材料から構成され、例えば、アルミニウム又はモリブデン等の導体材料からなる。
【0055】
第2誘電体層15は、第2電極層14上から第1誘電体層13上にかけて形成されている。そして、第2誘電体層15の一部は、容量領域R3と隣接するTFT領域R2まで延在して形成されている。第2誘電体層15は、例えば、窒化ケイ素又は酸化ケイ素等の絶縁材料からなる。
【0056】
第3電極層16は、第2誘電体層15上であって、平面視して第2電極層14と重なる領域に形成される。第3電極層16は、第1導電層と同じ材料から構成され、例えば、例えばインジウム錫酸化膜(ITO)、錫酸化膜、マグネシウム、銀、アルミニウム又はカルシウム等の材料、あるいはこれらの合金等を用いることができる。
【0057】
このように、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataの各層を構成することにより、第1電極層12と第2電極層14との間、第2電極層14と第3電極層16との間に電荷を蓄積することができる。
【0058】
この結果、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataを上下方向に積層することにより、容量領域R3を小さくすることができる。そして、容量領域R3を小さくした分、開口領域R1を大きくすることができる。その結果、各画素において、開口領域R1における発光素子1が形成される領域を大きくすることによって、開口率を上げることができ、各画素の発光輝度を向上させることができる。また、開口率を上げることによって、各画素に流す電流量を小さくしても、所望する発光輝度が得られる。したがって、各画素に流す電流量を小さくすることで、有機発光材料の劣化を抑制し、発光素子1の製品寿命を長くすることもできる。
【0059】
例えば、画像表示装置の仕様が、画素寸法123μm×369μm、デューティー(フレーム内における発光期間の割合)80%の場合、平面視して第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataとが重なり合う領域がなく、両者を併設して設けた場合、開口率が34.9%であるのに対し、本実施の形態にかかる画像表示装置では、開口率を39.9%に向上させることができる。
【0060】
そして、発光素子1の製品寿命の観点から、本実施形態に係る画像表示装置は、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataとを併設した場合に比べて、15%の開口率向上となるので、電流密度は12.6%削減することができる。ここで、発光素子1の寿命は、電流密度の約1.7乗に反比例すると考えると、本実施の形態にかかる画像表示装置の発光素子1の寿命は、電流密度低減により1.26倍長くすることができる。すなわち、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataとを併設した画像表示装置の半減寿命が15000時間の場合、本実施の形態にかかる画像表示装置の半減寿命は、約19000時間まで向上することになる。
【0061】
(画像表示装置の製造方法)
次に、図1,図7,図8に示される構成を有する画像表示装置の製造方法について説明する。図9−1〜図9−15は、本実施の形態にかかる画像表示装置の工程断面図である。
【0062】
最初に、図9−1に示すように、基板11上に、例えばスパッタリング法を用いて、第1金属層31を成膜する。ここで、基板11の材料としては、例えば、ガラスが用いられ、その厚さは、0.7mmである。また、第1金属層31の材料としては、例えば、アルミニウムが用いられ、その厚さは、0.3μmである。その後、第1金属層31を所定の形状にパターニングするために、第1金属層31上にレジストを塗布し、該レジストを露光及び現像し、レジストから第1金属層31の一部を露出させる。さらに、レジストから露出する第1金属層31のエッチング、残存するレジスト剥離を順番に行うことにより、第1金属層31を所定の形状にパターニングする。そして、図9−2に示すように、第1金属層31は、所定の形状にパターニングされ、容量領域R3に第1電極層12が形成される。また、TFT領域R2にゲート層22が形成される。このように、第1電極層12とゲート層22を同時に形成することができ、それぞれ別々に形成するよりも製造工程を簡略化することができる。
【0063】
次に、第1電極層12、ゲート層22及び露出する基板11上に、例えば、CVD法を用いて第1絶縁層32を連続して成膜する。さらに、図9−3に示すように、第1絶縁層32上に半導体層33を成膜する。ここで、第1絶縁層32の材料としては、例えば、窒化珪素が用いられ、その厚さは、0.3μmである。また、半導体層33の材料としては、例えば、アモルファスシリコン(非晶質ケイ素)が用いられ、その厚さは、0.1μmである。次に、半導体層33上にレジストを塗布し、該レジストを露光及び現像し、レジストから半導体層33の一部を露出させる。さらに、レジストから露出する半導体層33のエッチング、残存するレジスト剥離を順番に行なう。そして、レジストから露出する半導体層33のエッチング、残存するレジストの剥離を順番に行うことにより、半導体層33を所定の形状にパターニングする。その結果、図9−4に示すように、ゲート層22の直上にチャネル層24を形成することができる。
【0064】
次に、チャネル層24及び露出するゲート層22上にレジストを塗布し、該レジストを露光及び現像し、レジストから第1絶縁層32の一部を露出させる。さらに、レジストから露出する第1絶縁層32のエッチング、残存するレジストの剥離を順番に行うことにより、第1絶縁層32を所定の形状にパターニングする。その結果、図9−5に示すように、容量領域R3の直上に、第1電極層12の一部が露出するように、第1絶縁層32を貫通するスルーホール34を形成することができる。さらに、開口領域R1の直上の第1絶縁層32をエッチングすることにより、基板11の表面を露出させることができる。そして、第1絶縁層32をエッチングしたことから、TFT領域R2に、ゲート層22を被覆するようにゲート絶縁膜23を形成することができる。さらに、容量領域R3に、第1誘電体層13を形成することができる。このように、第1誘電体層13とゲート絶縁膜23を同時に形成することができ、それぞれ別々に形成するよりも製造工程を簡略化することができる。
【0065】
次に、図9−6に示すように、開口領域R1、TFT領域R2及び容量領域R3を被覆するように、例えばスパッタリング法を用いて、第2金属層35を成膜する。第2金属層35の一部は、スルーホールを介して、第1電極層12と接続される。ここで、第2金属層35の材料としては、例えば、アルミニウムが用いられ、その厚さは、0.3μmである。その後、第2金属層35上にレジストを塗布し、該レジストを露光及び現像し、レジストから第2金属層35の一部を露出させる。さらに、レジストから露出する第2金属層35のエッチング、残存するレジストの剥離を順番に行うことにより、第2金属層35を所定の形状にパターニングする。その結果、図9−7に示すように、第1誘電体層13の直上に、第2電極層14を形成することができる。さらに、第1電極層12上からスルーホールを介してゲート絶縁膜23上にかけて、ソース・ドレイン層25を形成することができる。なお、ソース・ドレイン層25は、チャネル層24の一部を露出するように、二つに分断されている。
【0066】
次に、図9−8に示すように、開口領域R1、TFT領域R2及び容量領域R3を被覆するように、例えばCVD法を用いて、第2絶縁層36を成膜する。ここで、第2絶縁層36の材料としては、例えば、窒化珪素が用いられ、その厚さは、0.2μmである。その後、第2絶縁層36上にレジストを塗布し、該レジストを露光及び現像し、レジストから第2絶縁層36の一部を露出させる。さらに、レジストから露出する第2絶縁層36のエッチング、残存するレジストの剥離を順番に行なうことにより、第2絶縁層36を所定の形状にパターニングする。その結果、図9−9に示すように、開口領域R1においては、基板11の表面を露出することができる。さらに、TFT領域R2及び容量領域R3上に、第2誘電体層15を形成することができる。なお、第2誘電体層15は、TFT領域R2のソース・ドレイン層の一部を露出させるように、スルーホール37が形成されている。
【0067】
次に、図9−10に示すように、開口領域R1、TFT領域R2及び容量領域R3を被覆するように、例えばスパッタリング法を用いて、第3金属層38を成膜する。ここで、第3金属層38の材料としては、例えば、インジウム錫酸化膜(ITO)が用いられ、その厚さは、0.04μmより薄い。その後、第3金属層38上にレジストを塗布し、該レジストを露光及び現像し、レジストから、第3金属層38の一部を露出させる。さらに、第3金属層38のエッチング、残存するレジスト剥離を順番に行うことにより、第3金属層38を所定の形状にパターニングする。そして、図9−11に示すように、容量領域R3においては、平面視して第2電極層14と重なるように第3電極層16を形成することができる。さらに、開口領域R1からTFT領域R2の露出するソース・ドレイン層25上にかけて第1導電層18を形成することができる。このように、第3電極層16と第1導電層18を同時に形成することができ、それぞれ別々に形成するよりも製造工程を簡略化することができる。
【0068】
次に、図9−12に示すように、開口領域R1、TFT領域R2及び容量領域R3を被覆するように、例えばスピンコート法を用いて、樹脂層39を成膜する。ここで、樹脂層39の材料としては、例えば、アクリル樹脂が用いられ、その厚さは、2.0μmである。その後、図9−13に示すように、従来周知の薄膜加工技術、例えば、フォトエッチング技術を用いて、樹脂層39を所定の形状にパターニングすることにより、平坦化膜17を形成する。ここで、平坦化膜17には、開口領域R1に上部よりも下部が幅狭なスルーホール(コンタクトホール)21が形成され、スルーホール21の底部には第1導電層18が露出される。
【0069】
次に、図9−14に示すように、開口領域R1の露出する第1導電層18を被覆するように、従来周知の蒸着法を用いて、有機発光層19を蒸着する。そして、図9−15に示すように、有機発光層19上に第2導電層20を蒸着する。ここで、第2導電層20の材料としては、例えば、アルミ二ウムが用いられ、その厚さは、300nmである。以上の工程を経て、図1,図7,図8に示すように、電気的に直列に接続される第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataとを上下方向に積層した本実施形態に係る画像表示装置を作製することができる。
【0070】
<変形例1>
上記第1実施形態に係る画像表示装置では、電気的に直列に接続される第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataとを上下方向に積層されていた。これに対して、本発明の変形例1に係る画像表示装置は、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataが平面視して離間するように設けられており、該第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataがそれぞれ上下に積層された積層容量構造である。
【0071】
変形例1に係る画像表示装置は、第1実施形態に係る画像表示装置と比較して、全体構成はほぼ同様であるが、第1容量素子Cthが、第3容量素子Cth1と第4容量素子Cth2の二つに分割され、第2容量素子Cdataが、第5容量素子Cdata1と第6容量素子Cdata2の二つに分割されている点が変更箇所である。以下、変形例1に係る画像表示装置について、第1実施形態に係る画像表示装置と同様な部分については同様な符号を付して説明を省略しつつ、異なる部分について説明する。
【0072】
図10は、変形例1に係る画像表示装置の1画素を構成する画素回路及び発光素子1を示す回路図である。
【0073】
本画素回路は、第3容量素子Cth1と第4容量素子Cth2とが電気的に並列に接続されている。また、第5容量素子Cdata1と第6容量素子Cdata2とが電気的に並列に接続されている。
【0074】
図11は、図1の画素回路および発光素子1で構成された変形例に係る画像表示装置の1画素を実際に実現した際の上面図であり、図12は、図10の画像表示装置の1画素の構造を説明するための断面図である。なお、図12では、説明を容易にするため、図1の各部において、発光素子1の構造を表す部分を開口領域R1とし、TFTの構造が含まれる部分をTFT領域R2とし、第5容量素子Cdata1と第6容量素子Cdata2の構造を表す部分を容量領域R3’として描いている。
【0075】
ここで、容量領域R3’について説明する。図12に示すように、基板11上には、第1電極層41と、第1電極層41上に形成される第1誘電体層42と、第1誘電体層42上に形成される第2電極層43と、第2電極層43上に形成される第2誘電体層44と、第2誘電体層44上に形成される第3電極層45とからなる積層容量構造が形成されている。そして、基板11上に形成される第1電極層41と、第1誘電体層42及び第2電極層43から第5容量素子Cdata1が構成される。また、第2電極層43と、第2誘電体層44及び第3電極層45から第6容量素子Cdata2が構成される。かかる第2電極層43が、第5容量素子Cdata1と第6容量素子Cdata2の電極層として機能する。
【0076】
また、図13に示すように、第1電極層41と第3電極層45とが電気的に接続されている。具体的には、第1誘電体層42を貫通するスルーホールを介して、第1電極層41とソース・ドレイン層25とが接続される。そして、第2誘電体層44を貫通するスルーホールを介して、ソース・ドレイン層25と第3電極層45とが接続される。そして、第1電極層41と第3電極層45とが電気的に接続されて、第5容量素子Cdata1と第6容量素子Cdata2とが電気的に並列に接続される。
【0077】
そして、同様に、第3容量素子Cth1と第4容量素子Cth2とが電気的に並列に接続され、そして、第3容量素子Cth1又は第4容量素子Cth2の一部と、第5容量素子Cdata1又は第6容量素子Cdata2の一部とが平面視して接続される。このようにして、図10に示す画素回路および発光素子1で構成される変形例に係る画像表示装置を実現することができる。
【0078】
<変形例2>
上記変形例1に係る画像表示装置では、電気的に直列に接続される第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataとを上下方向に積層されていた。これに対して、本発明の変形例2に係る画像表示装置は、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataの両方の機能を備えた容量素子を積層容量構造としたものである。
【0079】
変形例2に係る画像表示装置は、第1実施形態に係る画像表示装置及び変形例1に係る画像表示装置と比較して、5TFT画素回路が2TFT画素回路に変更されている。以下、変形例2に係る画像表示装置について、第1実施形態に係る画像表示装置及び変形例1に係る画像表示装置と同様な部分については同様な符号を付して説明を省略しつつ、異なる部分について説明する。
【0080】
図14は、変形例2に係る画像表示装置の1画素を構成する画素回路及び発光素子1を示す回路図である。
【0081】
本画素回路は、第7容量素子Cs1と第8容量素子Cs2の両方が、第1容量素子Cthと第2容量素子Cdataの両方の機能を備えている。つまり、第7容量素子Cs1と第8容量素子Cs2が、駆動トランジスタTに対して印加する駆動トランジスタTの閾値電圧以上の電圧に応じた電荷が蓄積される。
【0082】
発光素子1は、駆動トランジスタTがオン状態のとき、電源線VDD4を高電位とし、電源線VSS40を電源線VDD4よりも低電位とする。そして、電源線VDD4と電源線VSS40との間に電位差を発生させる。そして、発光素子1及び駆動トランジスタTに電流を流して、発光素子1を発光させる。このとき、第7容量素子Cs1と第8容量素子Cs2との両方に駆動トランジスタTの閾値電圧の電位に応じた電荷と、画像信号線2から供給される発光素子1の発光輝度に応じた電荷が蓄積されている。
【0083】
そして、2TFTの画素回路の第7容量素子Cs1と第8容量素子Cs2を上下に積層して両者を電気的に並列に接続することにより、開口率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 発光素子
2 画像信号線
3 グランド線GND
4 電源線VDD
5 リセット線
6 Tth制御線
7 走査線
11 基板
12、41 第1電極層
13、42 第1誘電体層
14、43 第2電極層
15、44 第2誘電体層
16、45 第3電極層
17 平坦化膜
18 第1導電層
19 有機発光層
20 第2導電層
21 コンタクトホール
22 ゲート層
23 ゲート絶縁膜
24 チャネル層
25 ソース・ドレイン層
31 第1金属層
32 第1絶縁層
33 半導体層
34、37 スルーホール
35 第2金属層
36 第2絶縁層
38 第3金属層
39 樹脂層
40 電源線VSS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流が流れることで発光する発光素子と、
電圧を印加することで、前記発光素子に流れる電流量を調整するドライバ素子と、
前記ドライバ素子に対して印加する前記電圧に応じた電荷が蓄積される容量素子とを備え、
前記容量素子は、複数の誘電体層を電極層を介して積層してなることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記容量素子は、第1電極層と、前記第1電極層上に形成される第1誘電体層と、前記第1誘電体層上に形成される第2電極層と、前記第2電極層上に形成される第2誘電体層と、前記第2誘電体層上に形成される第3電極層とを含んで形成されており、
前記ドライバ素子及び前記容量素子は、平面視して離間するように設けられており、
前記第1電極層と前記第2電極層との一方は前記ドライバ素子のゲート層と同一材料からなり、前記第1電極層と前記第2電極層との他方は前記ドライバ素子のソース・ドレイン層と同一材料からなることを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示装置において、
前記発光素子は、平面視して前記ドライバ素子及び前記容量素子と離間するように設けられており、
前記第3電極層は前記発光素子の光透過性電極と同一材料からなることを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記容量素子は、前記ドライバ素子の閾値電圧に応じた電荷が蓄積される第1容量素子と、前記第1容量素子に接続され、前記発光素子に流れる電流量に応じた電荷が蓄積される第2容量素子が含まれていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示装置において、
前記第1容量素子と前記第2容量素子が平面視して離間するように設けられていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像表示装置において、
前記発光素子の発光期間に前記第1容量素子及び前記第2容量素子に蓄積された電荷に基づいて前記ドライバ素子がオン状態となり前記発光素子が発光することを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図9−4】
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【図9−5】
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【図9−6】
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【図9−7】
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【図9−8】
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【図9−9】
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【図9−10】
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【図9−11】
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【図9−12】
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【図9−13】
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【図9−14】
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【図9−15】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−175986(P2010−175986A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20326(P2009−20326)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】