画像評価装置、ウェブページ評価装置、画像評価方法、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスサーバ
【課題】画像内における色覚異常者にとって見難い輪郭を抽出して表示する。
【解決手段】まず正常者における輪郭の見難さの評価値(A)を算出し(ステップS32)、次に第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)を算出し(ステップS33)、(A)と(B)の差分を算出し、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)を算出する(ステップS34)。同様に、第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)を算出し(ステップS35)、(A)と(C)の差分から第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)を算出する(ステップS36)。最後に(β)と(γ)の和をとり、原画像と共に表示する(ステップS38)。
【解決手段】まず正常者における輪郭の見難さの評価値(A)を算出し(ステップS32)、次に第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)を算出し(ステップS33)、(A)と(B)の差分を算出し、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)を算出する(ステップS34)。同様に、第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)を算出し(ステップS35)、(A)と(C)の差分から第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)を算出する(ステップS36)。最後に(β)と(γ)の和をとり、原画像と共に表示する(ステップS38)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像評価装置、ウェブページ評価装置、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスに係り、特に画像や画像内の文字を色覚異常者が見た場合の見難い輪郭や文字を抽出して表示する画像評価装置、ウェブページ評価装置、画像評価方法、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
我々の身の回りにある標識やポスター等の表示物や印刷物はカラーで溢れ、文字や画像の色彩は、多くの情報を提供している。また、パーソナルコンピュータや携帯電話から接続可能なインターネットは、最も重要な情報提供手段の1つとなっており、それらの情報の中でも色彩情報の重要性が占める割合は高い。
【0003】
一方、赤と緑の区別が付き難い赤緑色覚異常者は日本人では男性の20人に1人の割合、女性の400人に1人の割合で存在し、日本国内に300万人近く存在する。
【0004】
これに対し、色覚異常者にわかりやすい画像を提供する技術が提案されている。例えば、作成された画像データの中に色覚異常者が識別しにくい画像領域が含まれていると判断すると、境界部分に縁取り処理を行う画像処理装置(特許文献1)や、撮影により得られる被写体像の色特性が色覚異常者に認識障害となっていると判断すると、輝度反転を含めて色反転処理を施す撮影装置(特許文献2)が提案されている。
【0005】
また、R・G・Bの各色情報について個別にゲイン調整を行うことにより、色覚異常者の識別状態を把握できるデジタルカメラ(特許文献3)等のように、色覚異常者の見え方を知ることができる技術も提案されている。
【特許文献1】特開2004−78325号公報
【特許文献2】特開2006−318000号公報
【特許文献3】特開2006−238339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の装置が作成する色覚異常者にわかりやすい画像は、正常色覚者から見ると不自然な画像となる欠点があった。また特許文献3における色覚異常者の見え方のシミュレートでは、見え難さの判定は観察者の判断に任され、定量的でないという欠点があった。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、色覚異常者が肉眼で視認したときの見え難さを定量的に判定できる画像評価装置、ウェブページ評価装置、画像評価方法、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明に係る画像評価装置は、画像を入力する入力手段と、前記入力された画像の輪郭を検出する輪郭検出手段と、前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した輪郭を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭を知ることができる。
【0009】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することが好ましい。
【0010】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を正しく判断することができる。
【0011】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と、第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出し、前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と前記第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を同時に表示することことが好ましい。
【0012】
これにより、正しい第一色覚異常者のみが見難い輪郭と第二色覚異常者のみが見難い輪郭を同時に知ることができる。
【0013】
前記表示手段は、前記入力された画像と共に前記抽出手段が抽出した輪郭を表示することが好ましい。
【0014】
これにより、画像のどの部分の輪郭であるかを認識しやすくなる。
【0015】
前記目的を達成するために本発明に係る画像評価装置は、画像を入力する入力手段と、前記画像に含まれる文字を抽出する文字抽出手段と、前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した文字を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い文字を知ることができる。
【0017】
前記評価値算出手段は、前記文字と背景の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することが好ましい。
【0018】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を正しく判断することができる。
【0019】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い文字と、第二色覚異常者のみが見え難い文字を抽出し、前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い文字と前記第二色覚異常者のみが見え難い文字を同時に表示することが好ましい。
【0020】
これにより、正しい第一色覚異常者のみが見難い文字と第二色覚異常者のみが見難い文字を同時に知ることができる。
【0021】
前記表示手段は、前記入力された画像と共に前記抽出手段が抽出した文字を枠で囲んで表示してもよい。
【0022】
これにより、色覚異常者が見難い文字を簡単に認識することができる。
【0023】
前記目的を達成するために本発明に係るウェブページ評価装置は、ウェブページを指定する指定手段と、前記指定されたウェブページから画像を選択する選択手段と、前記選択された画像の輪郭を検出する輪郭検出手段と、前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した輪郭を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭を知ることができる。
【0025】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することが好ましい。
【0026】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を正しく判断することができる。
【0027】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と、第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出し、前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と前記第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を同時に表示することが好ましい。
【0028】
これにより、正しい第一色覚異常者のみが見難い輪郭と第二色覚異常者のみが見難い輪郭を同時に知ることができる。
【0029】
前記目的を達成するために本発明に係るウェブページ評価装置は、ウェブページを指定する指定手段と、前記指定されたウェブページから文字を抽出する文字抽出手段と、前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した文字を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い文字を知ることができる。
【0031】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することが好ましい。
【0032】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い文字と、第二色覚異常者のみが見え難い文字を抽出し、前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い文字と前記第二色覚異常者のみが見え難い文字を同時に表示することが好ましい。
【0033】
これにより、正しい第一色覚異常者のみが見難い文字と第二色覚異常者のみが見難い文字を同時に知ることができる。
【0034】
前記目的を達成するために本発明に係る画像評価方法は、画像を入力する入力工程と、前記入力された画像の輪郭を検出する輪郭検出工程と、前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出工程と、前記抽出工程が抽出した輪郭を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0035】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭を知ることができる。
【0036】
前記目的を達成するために本発明に係る画像評価方法は、画像を入力する入力工程と、前記画像に含まれる文字を抽出する文字抽出工程と、前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出工程と、前記抽出工程が抽出した文字を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0037】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い文字を知ることができる。
【0038】
前記目的を達成するために本発明に係るウェブページ評価方法は、ウェブページを指定する指定工程と、前記指定されたウェブページから画像を選択する選択工程と、前記選択された画像の輪郭を検出する輪郭検出工程と、前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出工程と、前記抽出工程が抽出した輪郭を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0039】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭を知ることができる。
【0040】
前記目的を達成するために本発明に係るウェブページ評価方法は、ウェブページを指定する指定工程と、前記指定されたウェブページから文字を抽出する文字抽出工程と、前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出工程と、前記抽出工程が抽出した文字を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0041】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い文字を知ることができる。
【0042】
上述の画像評価方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明に含まれる。
【0043】
上述のウェブページ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明に含まれる。
【0044】
前記目的を達成するために本発明に係るASPサービスサーバは、上述のウェブページ評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたプログラムを実行する処理部とを備えたことを特徴とする。
【0045】
これにより、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭や文字を知ることができるASPサービスを提供することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、色覚異常者が肉眼で標識やポスターやウェブサイトを視認したときの見え難さを定量的に判定するようにしたため、この評価を基に色彩を変更することにより、正常色覚者から見ても不自然でない、色覚異常者にわかりやすい画像を作成することが可能となる画像評価装置、ウェブページ評価装置、画像評価方法、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスサーバを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、添付図面に従って本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0048】
<第1の実施の形態>
図1は、視覚異常に関わる錐体細胞の状態と頻度について示した表である。図1から、視覚異常者の大多数は赤色又は緑色の錐体細胞の異常であり、赤又は緑を含む特定の色が識別しにくい場合が多いことがわかる。
【0049】
図2は、本発明に係る第1の実施の形態のデジタルカメラ10の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0050】
CPU30は、所定のプログラムに従ってカメラ10を制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、ホワイトバランス(WB)調整演算など、各種演算を実施する演算手段として機能する。
【0051】
バス31を介してCPU30と接続されたROM32には、CPU30が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM33には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている。
【0052】
また、メモリ(SDRAM)34は、プログラムの展開領域及びCPU30の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。VRAM35は画像データ専用の一時記憶メモリであり、A領域35AとB領域35Bが含まれている。メモリ34とVRAM35は共用することが可能である。
【0053】
まず電源が投入されると、CPU30はこれを検出し、カメラ内電源をONにし、一定期間ROM32に格納されているオープニング画像を表示した後、撮影モードで撮影スタンバイ状態にする。この撮影スタンバイ状態では、CPU30は、LCDパネル15に動画(スルー画)を表示させる。
【0054】
ユーザ(撮影者)は、LCDパネル15に表示されるスルー画を見ながらフレーミングしたり、撮影したい被写体を確認したり、撮影後の画像を確認したり、撮影条件を設定したりする。
【0055】
上記撮影スタンバイ状態時にシャッターボタン13が押されると、AF検出回路62及びAE/AWB検出回路64の検出結果から、CPU30に制御されるレンズ駆動部46及び絞り駆動部48が、レンズユニット40のフォーカスレンズ42及び絞り44を適正に駆動し、焦点と絞りが調整される。後述する特定ライン駆動モードにおいては、動きベクトル検出回路61が被写体の動きベクトルを検出する。
【0056】
レンズユニット40を通過した光は、CCD45の受光面に結像される。CCD45の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。また、CCD45は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッタ機能を有している。CPU30は、タイミングジェネレータ50を介してCCD45での電荷蓄積時間を制御する。
【0057】
CCD45の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU30の指令に従いタイミングジェネレータ50から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
【0058】
CCD45から出力された信号はCDS/AMP回路52に送られ、ここで画素毎のR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器54に加えられる。
【0059】
A/D変換器54によってデジタル信号に変換された点順次のR、G、B信号は、画像入力コントローラ56を介してメモリ34に記憶される。
【0060】
また画像信号処理回路58は、メモリ34に記憶されたR、G、B信号をCPU30の指令に従って処理し、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb 信号)に変換するとともに、ガンマ補正等の所定の処理も行い、このように処理された画像データはVRAM35に格納される。
【0061】
上記のようにVRAM35に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路66によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ36を介してメディアソケット37に挿入された記録メディア38に記録される。例えば、JPEG形式で記録される。
【0062】
またモード切替スイッチ18を操作して再生モードが選択されると、記録メディア38に記録されている最終コマの画像ファイルがメディアコントローラ36を介して読み出される。この読み出された画像ファイルの圧縮データは、圧縮伸張回路66を介して非圧縮のYC信号に伸張される。
【0063】
伸張されたYC信号は、ビデオエンコーダ60によって表示用の信号形式に変換されてLCDパネル15に出力される。これにより、LCDパネル15には記録メディア38に記録されている最終コマの画像が表示される。
【0064】
最終コマの画像の再生中に、右キー17c又は左キー17aを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア38から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画がLCDパネル15に再生表示される。
【0065】
また、輪郭評価回路81は、指定された画像に対して色覚異常者のみが見難い輪郭を抽出し、LCDパネル15に表示させる。
【0066】
次に、デジタルカメラ10の、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作について説明する。図3は、この動作について示したフローチャートである。また図4は、この動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【0067】
まず撮影を行い、画像を取得する(ステップS31)。ここで取得した画像が図4の入力画像となる。図8(a)は、LCDパネル15に表示された撮影画像を示す。この画像は、5つの星及び背景の色が全て異なる模様を撮影した画像である。次に、正常者における輪郭に見難さ(A)を算出する(ステップS32、プロセスP42)。
【0068】
ここで、輪郭の見難さの評価値の算出について説明する。輪郭の評価値の算出は、輪郭評価回路81が行う。図5は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートであり、図6は、この動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【0069】
まず、画像データから画像内の輪郭を算出する(ステップS51、プロセスP61)。輪郭の算出にあたっては、例えば図7に示すような8方向ラプラシアンフィルタを用いて、撮影した画像に対してフィルタ処理を行うことにより算出する。この輪郭算出におけるフィルタ処理は、8方向ラプラシアンフィルタに限られるものではなく、4方向ラプラシアンフィルタでもよく、また他のエッジ抽出フィルタでもよい。
【0070】
次に、算出した輪郭における明度差を算出する(ステップS52、プロセスP62)。輪郭の両端のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)としたとき、正常色覚者における明度差は(数1)で表される。
【0071】
(数1)
正常色覚者の明度差=|(R1×299+G1×587+B1×114)−(R2×299+G2×587+B2×114)|÷1000
次に、算出した輪郭における色差を算出する(ステップS53、プロセスP63)。明度差と同様に、輪郭の両端のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)とすると、正常色覚者における色差は(数2)で表される。
【0072】
(数2)
正常色覚者の色差=|R1−R2|+|G1−G2|+|B1−B2|
このように算出した輪郭の明度差及び色差から、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)を算出する(ステップS54、プロセスP64)。明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であると、見難い輪郭と判断し、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。図8(b)は、正常色覚者における見難い輪郭を実線で示した図である。なお、明度差と色差の算出においては、図6のデータフロー・ダイアグラムに示すように、どちらの算出を先に行ってもよい。
【0073】
正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)の算出が終了すると、次に、第一色覚異常者における輪郭に見難さの評価値(B)を算出する(ステップS33、プロセスP41)。第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値の算出においても、輪郭評価回路81が、図5のフローチャート、及び図6のデータフロー・ダイアグラムに基づいて行う。
【0074】
まず、輪郭を算出し(ステップS51、プロセスP61)、その輪郭の明度差を算出する(ステップS52、プロセスP62)。第一色覚異常者は赤色の錐体細胞が機能しないため、第一色覚異常者における明度差は(数1)からR成分を除外し、(数3)で表される。
【0075】
(数3)
第一色覚異常者の明度差=|(G1×587+B1×114)−(G2×587+B2×114)|÷1000
次に、輪郭の色差を算出する(ステップS53、プロセスP63)。明度差と同様に、第一色覚異常者における色差は(数2)からR成分を除外し、(数4)のように表される。
【0076】
(数4)
第一色覚異常者の色差=|G1−G2|+|B1−B2|
このように算出した輪郭の明度差及び色差から、第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)を算出する。正常色覚者と同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であるときに、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。図8(c)は、第一色覚異常者において見難い輪郭を実線で示した図である。
【0077】
第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)を算出したら、次に、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)と第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)の差分を算出し、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)を算出する(ステップS34、プロセスP44)。図8(d)は、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)を実線で示した図である。
【0078】
次に、第二色覚異常者における輪郭に見難さの評価値(C)を算出する(ステップS35、プロセスP43)。第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値の算出においても、輪郭評価回路81が、図5のフローチャート、及び図6のデータフロー・ダイアグラムに基づいて行う。
【0079】
まず、輪郭を算出し(ステップS51、プロセスP61)、その輪郭の明度差を算出する(ステップS52、プロセスP62)。第二色覚異常者は緑色の錐体細胞が機能しないため、第二色覚異常者における明度差は(数1)からG成分を除外し、(数5)で表される。
【0080】
(数5)
第二色覚異常者の明度差=|(R1×299+B1×114)−(R2×299+B2×114)|÷1000
次に、輪郭の色差を算出する(ステップS53、プロセスP63)。明度差と同様に、第二色覚異常者における色差は(数2)からR成分を除外し、(数6)のように表される。
【0081】
(数6)
第二色覚異常者の色差=|R1−R2|+|B1−B2|
このように算出した輪郭の明度差及び色差から、第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であるときに、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。図8(e)は、第二色覚異常者において見難い輪郭を実線で示した図である。
【0082】
第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)の算出が終了すると、次に、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)と第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)の差分を算出し、第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)を算出する(ステップS36、プロセスP45)。図8(f)は、第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)を実線で示した図である。
【0083】
なお、正常色覚者、第一色覚異常者、及び第二色覚異常者のそれぞれの輪郭の見え難さの評価値の算出(プロセスP41〜P43)と、第一色覚異常者のみに見え難い輪郭の算出、及び第一色覚異常者のみに見え難い輪郭の算出においては、図4のデータフロー・ダイアグラムに示すように、どちらの算出を先に行ってもよい。
【0084】
次に、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)と第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)の和をとり、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭を算出し(ステップS37、プロセスP46)、この算出した輪郭を、撮影した原画像と共に表示をする(ステップS38)。図8(g)は、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭を示した図であり、図8(h)は、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭を、撮影した原画像と共に示した図である。
【0085】
このように、正常色覚者がデザインした意匠を撮影するだけで、色覚異常者にとって見えづらい要素が無いかを機械的にかつ定量的にチェックすることが可能となる。本実施の形態では、第一色覚異常者と第二色覚異常者の見え難い輪郭を算出したが、同様にして第三色覚異常者や全色盲者の見え難い輪郭を並行して計算し、見え難い輪郭領域を加算することで、全ての色覚異常者に問題ないかを一度でチェックすることが可能となる。
【0086】
色覚異常者にとって見難い輪郭部分のみを表示するだけでは原撮影画像との対応が取りにくいので、原撮影画像と色覚異常者にとって見え難い輪郭画像を高速で切り換えて表示したり、色覚異常者にとって見え難い輪郭画像部分の輝度を時間変化させる等の実装上の工夫を行うと、原撮影画像上での色覚異常者の問題がより明確となる。また、スルー画上でリアルタイムに算出してもよい。
【0087】
本実施の形態では、明度差が125未満、かつ色差が600未満のときに評価値=1としたが、閾値はこの値に限られるものではない。またこの値はユーザが変更可能であってもよい。また、明度差と色差の値によって評価値を細かく分け、評価値によって表示する輪郭線の太さを変えてもよい。図8(i)は、評価値の大きい輪郭(=見え難い輪郭)を太い実線で表示したことを示す図である。このように表示することで、ユーザに見え難いレベルを知らせることが可能となる。
【0088】
また本実施の形態では、輪郭の見え難さのパラメータとして、輪郭の明度差と色差を用いたが、輝度比を用いてもよく、これらのパラメータはどのような組み合わせを用いてもよい。
【0089】
またデジタルカメラでなくともよく、例えばコンピュータを用いて、電子データとして取り込んだ画像に対して同様の処理を行ってもよい。
【0090】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態のデジタルカメラ10について説明する。第2の実施の形態のデジタルカメラ10は、撮影した画像内の文字を検出し、検出した文字の色と文字の背景の色から文字の見難さを算出し、色覚異常者にのみ見難い文字を表示して警告する。
【0091】
図9は、第2の実施の形態のデジタルカメラ10の内部構成を示すブロック図である。図2に示すブロック図とは、文字認識回路82及び文字パターン83を備えた点が異なっている。文字認識回路82は、文字のテンプレートである文字パターン83を用いてマッチング処理を行うことにより、画像内の文字を認識する。
【0092】
次に、デジタルカメラ10の、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について説明する。図10は、この動作について示したフローチャートである。また図11は、この動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【0093】
まず撮影を行い、画像を取得する(ステップS101)。ここで取得した画像が図11の入力画像となる。図14(a)は、LCDパネル15に表示された撮影画像を示す。この画像は、3種類の文字を含むポスターを撮影した画像である。次に、文字認識回路82が画像内の文字領域の抽出を行い(ステップS102、プロセスP111)、文字領域が存在したか否かの判定を行う(ステップS103)。画像内に文字領域が存在しない場合は、全ての処理を終了する。画像内に文字領域が存在する場合は、その文字領域の文字について、正常色覚者における文字の見難さの評価値の算出を行う(ステップS104、プロセスP113)。
【0094】
ここで、文字の見難さの評価値の算出について説明する。文字の見難さの評価値の算出は、輪郭評価回路81が行う。図12は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートであり、図13は、この動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【0095】
まず、抽出した文字領域の背景の色を算出する(ステップS121、プロセスP131)。次に、抽出した文字領域の文字の色と背景の色の明度差を算出する(ステップS122、プロセスP132)。文字色と背景色のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)としたとき、正常色覚者における文字と背景の明度差は(数1)で表される。
【0096】
次に、抽出した文字領域における色差を算出する(ステップS53、プロセスP63)。明度差と同様に、文字色と背景色のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)とすると、正常色覚者における色差は(数2)で表される。
【0097】
このように算出した文字と背景の明度差及び色差から、正常色覚者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS124、プロセスP134)。明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であると、見難い文字と判断し、評価値=1とする。図14(b)は、正常色覚者における見難い文字を示した図である。なお、明度差と色差の算出においては、図13のデータフロー・ダイアグラムに示すように、どちらの算出を先に行ってもよい。
【0098】
正常色覚者における文字の見難さを算出したら、次に、第一色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS105、プロセスP112)。第一色覚異常者における文字の見難さの評価値の算出においても、輪郭評価回路81が、図12のフローチャート、及び図13のデータフロー・ダイアグラムに基づいて行う。
【0099】
まず、抽出した文字領域の背景色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、文字領域の文字の色と背景の色の明度差を算出する(ステップS122、プロセスP132)。第一色覚異常者は赤色の錐体細胞が機能しないため、第一色覚異常者における明度差は、(数3)で表される。
【0100】
次に、抽出した文字領域における色差を算出する(ステップS123、プロセスP133)。明度差と同様に、第一色覚異常者における色差は(数4)のように表される。
【0101】
このように算出した文字と背景の明度差及び色差から、第一色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であるときに、評価値=1とする。図14(c)は、第一色覚異常者において見難い文字を示した図である。
【0102】
次に、第二色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS106、プロセスP114)。第二色覚異常者における文字の見難さの評価値の算出においても、輪郭評価回路81が、図12のフローチャート、及び図13のデータフロー・ダイアグラムに基づいて行う。
【0103】
まず、抽出した文字領域の背景色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、文字領域の文字の色と背景の色の明度差を算出する(ステップS122、プロセスP132)。第二色覚異常者は緑色の錐体細胞が機能しないため、第二色覚異常者における明度差は、(数5)で表される。
【0104】
次に、文字色と背景色の色差を算出する(ステップS123、プロセスP133)。明度差と同様に、第二色覚異常者における色差は(数6)のように表される。
【0105】
このように算出した文字と背景の明度差及び色差から、第二色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であるときに、評価値=1とする。図14(d)は、第二色覚異常者において見難い文字を示した図である。
【0106】
文字の見難さの評価値の算出が終了すると、次に、正常色覚者のみが見易い文字領域であるか否かを判定する(ステップS107)。このためには、まず正常色覚者における文字の見難さの評価値と第一色覚異常者における文字の見難さの評価値の差分を算出し、第一色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP115)。図14(e)は、第一色覚異常者にのみ見難い文字を示した図である。また、正常色覚者における文字の見難さの評価値と第二色覚異常者における文字の見難さの評価値の差分を算出し、第二色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP116)。図14(f)は、第二色覚異常者にのみ見難い文字を示した図である。
【0107】
次に、第一色覚異常者にのみ見難い文字と第二色覚異常者にのみ見難い文字を加算し、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP117)。この第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字が正常色覚者のみが見易い文字領域であると判断され、この文字領域の表示を行う(ステップS108)。
【0108】
以上の処理を、全ての文字領域について行う。図14(g)は、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字をLCDパネル15に表示した様子を示した図である。
【0109】
このように、正常色覚者がデザインした意匠を撮影するのみで、色覚異常者にとって見えづらい文字が無いかを機械的にかつ定量的にチェックすることが可能となる。
【0110】
図14(g)に示すように、色覚異常者のみが見難い文字を表示するだけでは原撮影画像との対応が取りにくいので、原撮影画像と色覚異常者にとって見え難い文字画像を高速で切り換えて表示したり、色覚異常者にのみ見え難い文字画像の輝度を時間変化させる等の実装上の工夫を行うと、原撮影画像上での色覚異常者の問題がより明確となる。また、図14(h)に示すように、色覚異常者にのみ見え難い文字を枠で囲ってもよい。また、スルー画上でリアルタイムに算出してもよい。
【0111】
<第3の実施の形態>
本発明に係る第3の実施の形態のパーソナルコンピュータ100(以下パソコン100)について説明する。第3の実施の形態のパソコン100は、ウェブページに含まれる画像について、画像内の視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出し、表示をして警告する。
【0112】
図15は、第3の実施の形態のパソコン100が接続されたネットワークの概念図である。インターネット102を介してウェブサーバ101と各無線LANアクセスポイント103が接続されている。パソコン100は無線LANカード104を介して無線LANアクセスポイントと無線接続することにより、インターネット102と接続される。同様に、デジタルカメラ10も無線LANカード104を介して無線LANアクセスポイントに接続することにより、インターネット102と接続される。
【0113】
図16は、パソコン100のシステム構成図である。パソコン100は、データを記憶するハードディスク112、キーボードやマウス等から構成されるユーザインターフェース113、LCD等から構成される表示装置114、ハードディスク112からデータを受け取りユーザインターフェース113からの指示に従ってデータを加工し、表示装置114へ出力するCPU111、及びインターネットへ接続するための必要な回路やコネクタから構成されるネットワークインターフェース115から構成されている。
【0114】
次に、パソコン100の、インターネットからダウンロードしたウェブページに含まれる画像について、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作について説明する。図17は、この動作について示したフローチャートである。なお、図3のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、入力画像から視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出するデータフロー・ダイアグラムは図4のデータフロー・ダイアグラムと同様である。
【0115】
まず、ウェブページをダウンロードする(ステップS171)。ユーザは、表示装置114を見ながらユーザインターフェース113を操作し、所望のウェブページを指定する。ウェブページが指定されると、CPU111はネットワークインターフェースを介して指定されたウェブページをインターネットからダウンロードする。ダウンロードされたウェブページは、表示装置114に表示される。
【0116】
次に、ダウンロードしたウェブページのソースのHTML文書からimgタグを抽出し、全てのimgタグの処理を行ったか否かの判定を行う(ステップS172)。未処理のimgタグが存在する場合は、未処理のimgタグの画像をダウンロードする(ステップS173)。
【0117】
画像のダウンロードが終了すると、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)を算出する(ステップS32、プロセスP42)。ここで、輪郭の見難さの評価値の算出について説明する。図18は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。なお、図5のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また図19は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。なお、図6のデータフロー・ダイアグラムと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0118】
第一の実施の形態と同様に、画像データから画像内の輪郭を算出し(ステップS51、プロセスP61)、次に算出した輪郭における明度差を(数1)を用いて算出し(ステップS52、プロセスP62)、次に算出した輪郭における色差を(数2)を用いて算出する(ステップS53、プロセスP63)。
【0119】
明度差及び色差の算出が終了すると、次に輪郭の輝度比を算出する(ステップS181、プロセスP191)。輪郭の両端のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、さらにR1’=(R1÷255)2.2のようにそれぞれのRGB値をガンマ補正したリニア化RGB値を(R1’、G1’、B1’)、(R2’、G2’、B2’)としたとき(ただし、輝度の大きい方を(R1’、G1’、B1’)とする)、正常色覚者における輝度比は(数7)で表される。
【0120】
(数7)
正常色覚者の輝度比=(R1’×0.2126+G1’×0.7152+B1’×0.0722+0.05)÷(R2’×0.2126+G2’×0.7152+B2’×0.0722+0.05)
このように算出した輪郭の明度差、色差、及び輝度比から、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)を算出する(ステップS54、プロセスP64)。明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であると、見え難い輪郭と判断し、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。
【0121】
正常者における輪郭の見難さの評価値(A)の算出が終了すると、次に第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)を算出する(ステップS33、プロセスP41。第一の実施の形態と同様に、算出した輪郭における明度差を(数3)を用いて算出し(ステップS52)、次に算出した輪郭における色差を(数4)を用いて算出する(ステップS53)。また、第一色覚異常者は赤色の錐体細胞が機能しないため、第一色覚異常者における輝度比は(数7)からR成分を除外し、(数8)で表される。
【0122】
(数8)
第一色覚異常者の輝度比=(G1’×0.7152+B1’×0.0722+0.05)÷(G2’×0.7152+B2’×0.0722+0.05)
明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であると、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。
【0123】
第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)の算出が終了すると、次に色覚正常者における輪郭の見難さの評価値(A)と第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)の差分から、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)を算出する(ステップS34、プロセスP44)。
【0124】
次に第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)を算出する(ステップS35、プロセスP43。第一の実施の形態と同様に、算出した輪郭における明度差を(数5)を用いて算出し(ステップS52)、次に算出した輪郭における色差を(数6)を用いて算出する(ステップS53)。また、第二色覚異常者は緑色の錐体細胞が機能しないため、第二色覚異常者における輝度比は(数7)からG成分を除外し、(数9)で表される。
【0125】
(数9)
第二色覚異常者の輝度比=(R1’×0.2126+B1’×0.0722+0.05)÷(R2’×0.2126+B2’×0.0722+0.05)
明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であると、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。
【0126】
第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)の算出が終了すると、次に色覚正常者における輪郭の見難さの評価値(A)と第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)の差分から、第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)を算出する(ステップS36、プロセスP45)。次に、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)と第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)の和をとり、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭を算出する(ステップS37、プロセスP46)。
【0127】
第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭の算出が終了すると、次に、この算出した輪郭のみの画像を作成し、さらにこの輪郭の画像と原画像からアニメーションGIFを作成する(ステップS174)。そして、ダウンロードをしたウェブページのHTML文書の該当するimgタグの対象を、原画像からこのアニメーションGIFに変更する(ステップS175)。
【0128】
この処理を全てのimgタグに対して行い、処理を終了する。
【0129】
このように、ウェブページをダウンロードするだけで、ウェブページ内の画像において色覚異常者にとって見えづらい輪郭が無いかを機械的にかつ定量的にチェックすることが可能となる。
【0130】
本実施の形態では、アニメーションGIFを作成して表示したが、原画像と色覚異常者にとって見難い輪郭のみの画像を、マウスカーソルが画像上に在るか否かで切り換えて表示する等の工夫を行うと、原画像上での問題がより明確となる。
【0131】
本実施の形態では、明度差が125未満、かつ色差が600未満、かつ輝度比が5未満のときに評価値=1としたが、閾値はこの値に限られるものではない。またこの値はユーザが変更可能であってもよい。
【0132】
本実施の形態では、インターネットを通じてウェブページを指定し、指定されたウェブページをインターネットからダウンロードすることにより、処理を行うウェブページを構成するデータを取得したが、処理を行うウェブページはインターネットを通じて取得するものに限られるものではない。例えば、パソコン100のハードディスクに保存されたウェブページを指定して読み出し、このウェブページを構成するデータを取得してもよい。また、保存していない作成中のウェブページを指定してもよい。このように、ローカルに存在するウェブページの処理を可能にすることで、例えばウェブデザイナーがウェブページを作成する際に、インターネットで公開する前に、作成したウェブページの評価を行うことが可能になる。
【0133】
また本実施の形態では、パソコン100を用いたが、ウェブページを表示できる装置であれば、パソコン100でなく図15に示すデジタルカメラ10等のような他の装置でも構わない。また、画像内における色覚異常者にのみ見難い輪郭の抽出をパソコン100において行ったが、この処理をウェブサーバ101が行い、パソコン100の表示装置114に結果の表示を行ってもよい。このように構成することで、誰もが簡単に利用できるASPサービスが実現可能となる。
【0134】
<第4の実施の形態>
本発明に係る第4の実施の形態のパソコン100について説明する。第4の実施の形態のパソコン100は、ウェブページにおける視覚異常者にのみ見難い文字を抽出し、表示をして警告する。
【0135】
第4の実施の形態のパソコン100が接続されたネットワークは、図15に示す第3の実施の形態のネットワークの概念図と同様であり、またパソコン100のシステムも図16に示す第3の実施の形態のシステム構成図と同様である。
【0136】
次に、パソコン100の、インターネットからダウンロードしたウェブページにおいて、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について説明する。図20は、この動作について示したフローチャートである。なお、図10のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、入力ページから視覚異常者にのみ見難い文字を抽出するデータフロー・ダイアグラムは図11のデータフロー・ダイアグラムと同様である。
【0137】
まず、ウェブページをダウンロードし、ダウンロードしたウェブページのHTML文書から文字領域と色情報を取得する(ステップS201、プロセスP111)。ユーザは、表示装置114を見ながらユーザインターフェース113を操作し、所望のウェブページを指定する。ウェブページが指定されると、CPU111はネットワークインターフェースを介して指定されたウェブページをインターネットからダウンロードする。ダウンロードされたウェブページは、表示装置114に表示される。文字領域と色情報に関しては、HTML文書のタグから判断する。
【0138】
次に、文字領域が存在したか否かの判定を行う(ステップS103)。HTML文書内に文字領域が存在しない場合は、全ての処理を終了する。HTML文書内に文字領域が存在する場合は、その文字領域の文字について、正常色覚者における文字の見難さの評価値の算出を行う(ステップS104、プロセスP113)。
【0139】
ここで、文字の見難さの評価値の算出について説明する。図21は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。なお、図12のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図22はこの動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。なお、図13のデータフロー・ダイアグラムと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0140】
まず、抽出した文字領域の背景の色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、抽出した文字領域の文字の色と背景の色の明度差を(数1)を用いて算出する(ステップS122、プロセスP132)。同様に、抽出した文字領域における色差を(数2)を用いて算出する(ステップS123、プロセスP133)。さらに、抽出した文字領域における輝度比を(数7)を用いて算出する(ステップS211、プロセスP221)。
【0141】
このように算出した文字と背景の明度差、色差、及び輝度比から、正常色覚者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS124、プロセスP134)。明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であると、見難い文字と判断し、評価値=1とする。
【0142】
正常色覚者における文字の見難さを算出したら、次に、第一色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS105、プロセスP112)。
【0143】
まず、抽出した文字領域の背景色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、文字領域の文字の色と背景の色の明度差を(数3)を用いて算出する(ステップS122、プロセスP132)。同様に、抽出した文字領域における色差を(数4)を用いて算出する(ステップS123、プロセスP133)。さらに、抽出した文字領域における輝度比を(数8)を用いて算出する(ステップS211、プロセスP221)。
【0144】
このように算出した文字と背景の明度差、色差、及び輝度比から、第一色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満のときに、評価値=1とする。
【0145】
次に、第二色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS106、プロセスP114)。
【0146】
まず、抽出した文字領域の背景色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、文字領域の文字の色と背景の色の明度差を(数5)を用いて算出する(ステップS122、プロセスP132)。同様に、文字色と背景色の色差を(数6)を用いて算出する(ステップS123、プロセスP133)。さらに、文字色と背景色の輝度比を(数9)を用いて算出する(ステップS211、プロセスP221)。
【0147】
このように算出した文字と背景の明度差、色差、及び輝度比から、第二色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であるときに、評価値=1とする。
【0148】
文字の見難さの評価値の算出が終了すると、次に、正常色覚者のみが見易い文字領域であるか否かを判定する(ステップS107)。このためには、まず正常色覚者における文字の見難さの評価値と第一色覚異常者における文字の見難さの評価値の差分を算出し、第一色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP115)。また、正常色覚者における文字の見難さの評価値と第二色覚異常者における文字の見難さの評価値の差分を算出し、第二色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP116)。
【0149】
次に、第一色覚異常者にのみ見難い文字と第二色覚異常者にのみ見難い文字を加算し、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP117)。この第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字が正常色覚者のみが見易い文字領域であると判断される(ステップS108)。
【0150】
以上の処理を全ての文字領域について行い、全ての文字領域について終了すると、ダウンロードしたウェブページの背景を白とし、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字領域を黒く目立たせる処理を施したHTML文書を作成し、表示を行う(ステップS202)。
【0151】
このように、ウェブページをダウンロードするだけで、色覚異常者にとって見えづらい文字が無いかを機械的にかつ定量的にチェックすることが可能となる。
【0152】
第3の実施の形態と同様に、ローカルに存在するウェブページについて処理を行ってもよい。
【0153】
また、この処理をウェブサーバ101が行い、パソコン100の表示装置114に結果の表示を行ってもよい。このように構成することで、誰もが利用できるASPサービスが実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】図1は、視覚異常に関わる錐体細胞の状態と頻度について示した表である。
【図2】図2は、本発明に係る第1の実施の形態のデジタルカメラ10の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作を示したフローチャートである。
【図4】図4は、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作を示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図5】図5は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。
【図6】図6は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図7】図7は、8方向ラプラシアンフィルタのフィルタ行列を示す図である。
【図8】図8は、撮影画像や抽出された見難い輪郭の表示を示す図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態のデジタルカメラ10の内部構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について示したフローチャートである。
【図11】図11は、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図12】図12は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。
【図13】図13は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図14】図14は、撮影画像や抽出された見難い文字の表示を示す図である。
【図15】図15は、第3の実施の形態のパソコン100が接続されたネットワークの概念図である。
【図16】図16は、パソコン100のシステム構成図である。
【図17】図17は、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作について示したフローチャートである。
【図18】図18は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。
【図19】図19は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図20】図20は、インターネットからダウンロードしたウェブページにおいて、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について示したフローチャートである。
【図21】図21は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。
【図22】図22は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【符号の説明】
【0155】
10…デジタルカメラ、15…LCDパネル、30、111…CPU、31…BUS、34…メモリ、35…VRAM、38…記録メディア、81…輪郭評価回路、82…文字認識回路、100…パソコン、101…ウェブサーバ、102…インターネット、103…アクセスポイント、104…無線LANカード、112…ハードディスク、113…ユーザインターフェース、114…表示装置、115…ネットワークインターフェース
【技術分野】
【0001】
本発明は画像評価装置、ウェブページ評価装置、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスに係り、特に画像や画像内の文字を色覚異常者が見た場合の見難い輪郭や文字を抽出して表示する画像評価装置、ウェブページ評価装置、画像評価方法、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
我々の身の回りにある標識やポスター等の表示物や印刷物はカラーで溢れ、文字や画像の色彩は、多くの情報を提供している。また、パーソナルコンピュータや携帯電話から接続可能なインターネットは、最も重要な情報提供手段の1つとなっており、それらの情報の中でも色彩情報の重要性が占める割合は高い。
【0003】
一方、赤と緑の区別が付き難い赤緑色覚異常者は日本人では男性の20人に1人の割合、女性の400人に1人の割合で存在し、日本国内に300万人近く存在する。
【0004】
これに対し、色覚異常者にわかりやすい画像を提供する技術が提案されている。例えば、作成された画像データの中に色覚異常者が識別しにくい画像領域が含まれていると判断すると、境界部分に縁取り処理を行う画像処理装置(特許文献1)や、撮影により得られる被写体像の色特性が色覚異常者に認識障害となっていると判断すると、輝度反転を含めて色反転処理を施す撮影装置(特許文献2)が提案されている。
【0005】
また、R・G・Bの各色情報について個別にゲイン調整を行うことにより、色覚異常者の識別状態を把握できるデジタルカメラ(特許文献3)等のように、色覚異常者の見え方を知ることができる技術も提案されている。
【特許文献1】特開2004−78325号公報
【特許文献2】特開2006−318000号公報
【特許文献3】特開2006−238339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の装置が作成する色覚異常者にわかりやすい画像は、正常色覚者から見ると不自然な画像となる欠点があった。また特許文献3における色覚異常者の見え方のシミュレートでは、見え難さの判定は観察者の判断に任され、定量的でないという欠点があった。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、色覚異常者が肉眼で視認したときの見え難さを定量的に判定できる画像評価装置、ウェブページ評価装置、画像評価方法、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明に係る画像評価装置は、画像を入力する入力手段と、前記入力された画像の輪郭を検出する輪郭検出手段と、前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した輪郭を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭を知ることができる。
【0009】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することが好ましい。
【0010】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を正しく判断することができる。
【0011】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と、第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出し、前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と前記第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を同時に表示することことが好ましい。
【0012】
これにより、正しい第一色覚異常者のみが見難い輪郭と第二色覚異常者のみが見難い輪郭を同時に知ることができる。
【0013】
前記表示手段は、前記入力された画像と共に前記抽出手段が抽出した輪郭を表示することが好ましい。
【0014】
これにより、画像のどの部分の輪郭であるかを認識しやすくなる。
【0015】
前記目的を達成するために本発明に係る画像評価装置は、画像を入力する入力手段と、前記画像に含まれる文字を抽出する文字抽出手段と、前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した文字を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い文字を知ることができる。
【0017】
前記評価値算出手段は、前記文字と背景の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することが好ましい。
【0018】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を正しく判断することができる。
【0019】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い文字と、第二色覚異常者のみが見え難い文字を抽出し、前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い文字と前記第二色覚異常者のみが見え難い文字を同時に表示することが好ましい。
【0020】
これにより、正しい第一色覚異常者のみが見難い文字と第二色覚異常者のみが見難い文字を同時に知ることができる。
【0021】
前記表示手段は、前記入力された画像と共に前記抽出手段が抽出した文字を枠で囲んで表示してもよい。
【0022】
これにより、色覚異常者が見難い文字を簡単に認識することができる。
【0023】
前記目的を達成するために本発明に係るウェブページ評価装置は、ウェブページを指定する指定手段と、前記指定されたウェブページから画像を選択する選択手段と、前記選択された画像の輪郭を検出する輪郭検出手段と、前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した輪郭を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭を知ることができる。
【0025】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することが好ましい。
【0026】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を正しく判断することができる。
【0027】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と、第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出し、前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と前記第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を同時に表示することが好ましい。
【0028】
これにより、正しい第一色覚異常者のみが見難い輪郭と第二色覚異常者のみが見難い輪郭を同時に知ることができる。
【0029】
前記目的を達成するために本発明に係るウェブページ評価装置は、ウェブページを指定する指定手段と、前記指定されたウェブページから文字を抽出する文字抽出手段と、前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した文字を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い文字を知ることができる。
【0031】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することが好ましい。
【0032】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い文字と、第二色覚異常者のみが見え難い文字を抽出し、前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い文字と前記第二色覚異常者のみが見え難い文字を同時に表示することが好ましい。
【0033】
これにより、正しい第一色覚異常者のみが見難い文字と第二色覚異常者のみが見難い文字を同時に知ることができる。
【0034】
前記目的を達成するために本発明に係る画像評価方法は、画像を入力する入力工程と、前記入力された画像の輪郭を検出する輪郭検出工程と、前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出工程と、前記抽出工程が抽出した輪郭を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0035】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭を知ることができる。
【0036】
前記目的を達成するために本発明に係る画像評価方法は、画像を入力する入力工程と、前記画像に含まれる文字を抽出する文字抽出工程と、前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出工程と、前記抽出工程が抽出した文字を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0037】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い文字を知ることができる。
【0038】
前記目的を達成するために本発明に係るウェブページ評価方法は、ウェブページを指定する指定工程と、前記指定されたウェブページから画像を選択する選択工程と、前記選択された画像の輪郭を検出する輪郭検出工程と、前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出工程と、前記抽出工程が抽出した輪郭を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0039】
これにより、色覚異常者のみが見難い輪郭を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭を知ることができる。
【0040】
前記目的を達成するために本発明に係るウェブページ評価方法は、ウェブページを指定する指定工程と、前記指定されたウェブページから文字を抽出する文字抽出工程と、前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出工程と、前記抽出工程が抽出した文字を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【0041】
これにより、色覚異常者のみが見難い文字を表示させることができ、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い文字を知ることができる。
【0042】
上述の画像評価方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明に含まれる。
【0043】
上述のウェブページ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明に含まれる。
【0044】
前記目的を達成するために本発明に係るASPサービスサーバは、上述のウェブページ評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたプログラムを実行する処理部とを備えたことを特徴とする。
【0045】
これにより、正常色覚者が色覚異常者にとって見難い輪郭や文字を知ることができるASPサービスを提供することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、色覚異常者が肉眼で標識やポスターやウェブサイトを視認したときの見え難さを定量的に判定するようにしたため、この評価を基に色彩を変更することにより、正常色覚者から見ても不自然でない、色覚異常者にわかりやすい画像を作成することが可能となる画像評価装置、ウェブページ評価装置、画像評価方法、ウェブページ評価方法及びプログラムならびにASPサービスサーバを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、添付図面に従って本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0048】
<第1の実施の形態>
図1は、視覚異常に関わる錐体細胞の状態と頻度について示した表である。図1から、視覚異常者の大多数は赤色又は緑色の錐体細胞の異常であり、赤又は緑を含む特定の色が識別しにくい場合が多いことがわかる。
【0049】
図2は、本発明に係る第1の実施の形態のデジタルカメラ10の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0050】
CPU30は、所定のプログラムに従ってカメラ10を制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、ホワイトバランス(WB)調整演算など、各種演算を実施する演算手段として機能する。
【0051】
バス31を介してCPU30と接続されたROM32には、CPU30が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM33には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている。
【0052】
また、メモリ(SDRAM)34は、プログラムの展開領域及びCPU30の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。VRAM35は画像データ専用の一時記憶メモリであり、A領域35AとB領域35Bが含まれている。メモリ34とVRAM35は共用することが可能である。
【0053】
まず電源が投入されると、CPU30はこれを検出し、カメラ内電源をONにし、一定期間ROM32に格納されているオープニング画像を表示した後、撮影モードで撮影スタンバイ状態にする。この撮影スタンバイ状態では、CPU30は、LCDパネル15に動画(スルー画)を表示させる。
【0054】
ユーザ(撮影者)は、LCDパネル15に表示されるスルー画を見ながらフレーミングしたり、撮影したい被写体を確認したり、撮影後の画像を確認したり、撮影条件を設定したりする。
【0055】
上記撮影スタンバイ状態時にシャッターボタン13が押されると、AF検出回路62及びAE/AWB検出回路64の検出結果から、CPU30に制御されるレンズ駆動部46及び絞り駆動部48が、レンズユニット40のフォーカスレンズ42及び絞り44を適正に駆動し、焦点と絞りが調整される。後述する特定ライン駆動モードにおいては、動きベクトル検出回路61が被写体の動きベクトルを検出する。
【0056】
レンズユニット40を通過した光は、CCD45の受光面に結像される。CCD45の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。また、CCD45は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッタ機能を有している。CPU30は、タイミングジェネレータ50を介してCCD45での電荷蓄積時間を制御する。
【0057】
CCD45の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU30の指令に従いタイミングジェネレータ50から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
【0058】
CCD45から出力された信号はCDS/AMP回路52に送られ、ここで画素毎のR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器54に加えられる。
【0059】
A/D変換器54によってデジタル信号に変換された点順次のR、G、B信号は、画像入力コントローラ56を介してメモリ34に記憶される。
【0060】
また画像信号処理回路58は、メモリ34に記憶されたR、G、B信号をCPU30の指令に従って処理し、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb 信号)に変換するとともに、ガンマ補正等の所定の処理も行い、このように処理された画像データはVRAM35に格納される。
【0061】
上記のようにVRAM35に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路66によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ36を介してメディアソケット37に挿入された記録メディア38に記録される。例えば、JPEG形式で記録される。
【0062】
またモード切替スイッチ18を操作して再生モードが選択されると、記録メディア38に記録されている最終コマの画像ファイルがメディアコントローラ36を介して読み出される。この読み出された画像ファイルの圧縮データは、圧縮伸張回路66を介して非圧縮のYC信号に伸張される。
【0063】
伸張されたYC信号は、ビデオエンコーダ60によって表示用の信号形式に変換されてLCDパネル15に出力される。これにより、LCDパネル15には記録メディア38に記録されている最終コマの画像が表示される。
【0064】
最終コマの画像の再生中に、右キー17c又は左キー17aを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア38から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画がLCDパネル15に再生表示される。
【0065】
また、輪郭評価回路81は、指定された画像に対して色覚異常者のみが見難い輪郭を抽出し、LCDパネル15に表示させる。
【0066】
次に、デジタルカメラ10の、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作について説明する。図3は、この動作について示したフローチャートである。また図4は、この動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【0067】
まず撮影を行い、画像を取得する(ステップS31)。ここで取得した画像が図4の入力画像となる。図8(a)は、LCDパネル15に表示された撮影画像を示す。この画像は、5つの星及び背景の色が全て異なる模様を撮影した画像である。次に、正常者における輪郭に見難さ(A)を算出する(ステップS32、プロセスP42)。
【0068】
ここで、輪郭の見難さの評価値の算出について説明する。輪郭の評価値の算出は、輪郭評価回路81が行う。図5は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートであり、図6は、この動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【0069】
まず、画像データから画像内の輪郭を算出する(ステップS51、プロセスP61)。輪郭の算出にあたっては、例えば図7に示すような8方向ラプラシアンフィルタを用いて、撮影した画像に対してフィルタ処理を行うことにより算出する。この輪郭算出におけるフィルタ処理は、8方向ラプラシアンフィルタに限られるものではなく、4方向ラプラシアンフィルタでもよく、また他のエッジ抽出フィルタでもよい。
【0070】
次に、算出した輪郭における明度差を算出する(ステップS52、プロセスP62)。輪郭の両端のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)としたとき、正常色覚者における明度差は(数1)で表される。
【0071】
(数1)
正常色覚者の明度差=|(R1×299+G1×587+B1×114)−(R2×299+G2×587+B2×114)|÷1000
次に、算出した輪郭における色差を算出する(ステップS53、プロセスP63)。明度差と同様に、輪郭の両端のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)とすると、正常色覚者における色差は(数2)で表される。
【0072】
(数2)
正常色覚者の色差=|R1−R2|+|G1−G2|+|B1−B2|
このように算出した輪郭の明度差及び色差から、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)を算出する(ステップS54、プロセスP64)。明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であると、見難い輪郭と判断し、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。図8(b)は、正常色覚者における見難い輪郭を実線で示した図である。なお、明度差と色差の算出においては、図6のデータフロー・ダイアグラムに示すように、どちらの算出を先に行ってもよい。
【0073】
正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)の算出が終了すると、次に、第一色覚異常者における輪郭に見難さの評価値(B)を算出する(ステップS33、プロセスP41)。第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値の算出においても、輪郭評価回路81が、図5のフローチャート、及び図6のデータフロー・ダイアグラムに基づいて行う。
【0074】
まず、輪郭を算出し(ステップS51、プロセスP61)、その輪郭の明度差を算出する(ステップS52、プロセスP62)。第一色覚異常者は赤色の錐体細胞が機能しないため、第一色覚異常者における明度差は(数1)からR成分を除外し、(数3)で表される。
【0075】
(数3)
第一色覚異常者の明度差=|(G1×587+B1×114)−(G2×587+B2×114)|÷1000
次に、輪郭の色差を算出する(ステップS53、プロセスP63)。明度差と同様に、第一色覚異常者における色差は(数2)からR成分を除外し、(数4)のように表される。
【0076】
(数4)
第一色覚異常者の色差=|G1−G2|+|B1−B2|
このように算出した輪郭の明度差及び色差から、第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)を算出する。正常色覚者と同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であるときに、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。図8(c)は、第一色覚異常者において見難い輪郭を実線で示した図である。
【0077】
第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)を算出したら、次に、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)と第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)の差分を算出し、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)を算出する(ステップS34、プロセスP44)。図8(d)は、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)を実線で示した図である。
【0078】
次に、第二色覚異常者における輪郭に見難さの評価値(C)を算出する(ステップS35、プロセスP43)。第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値の算出においても、輪郭評価回路81が、図5のフローチャート、及び図6のデータフロー・ダイアグラムに基づいて行う。
【0079】
まず、輪郭を算出し(ステップS51、プロセスP61)、その輪郭の明度差を算出する(ステップS52、プロセスP62)。第二色覚異常者は緑色の錐体細胞が機能しないため、第二色覚異常者における明度差は(数1)からG成分を除外し、(数5)で表される。
【0080】
(数5)
第二色覚異常者の明度差=|(R1×299+B1×114)−(R2×299+B2×114)|÷1000
次に、輪郭の色差を算出する(ステップS53、プロセスP63)。明度差と同様に、第二色覚異常者における色差は(数2)からR成分を除外し、(数6)のように表される。
【0081】
(数6)
第二色覚異常者の色差=|R1−R2|+|B1−B2|
このように算出した輪郭の明度差及び色差から、第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であるときに、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。図8(e)は、第二色覚異常者において見難い輪郭を実線で示した図である。
【0082】
第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)の算出が終了すると、次に、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)と第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)の差分を算出し、第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)を算出する(ステップS36、プロセスP45)。図8(f)は、第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)を実線で示した図である。
【0083】
なお、正常色覚者、第一色覚異常者、及び第二色覚異常者のそれぞれの輪郭の見え難さの評価値の算出(プロセスP41〜P43)と、第一色覚異常者のみに見え難い輪郭の算出、及び第一色覚異常者のみに見え難い輪郭の算出においては、図4のデータフロー・ダイアグラムに示すように、どちらの算出を先に行ってもよい。
【0084】
次に、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)と第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)の和をとり、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭を算出し(ステップS37、プロセスP46)、この算出した輪郭を、撮影した原画像と共に表示をする(ステップS38)。図8(g)は、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭を示した図であり、図8(h)は、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭を、撮影した原画像と共に示した図である。
【0085】
このように、正常色覚者がデザインした意匠を撮影するだけで、色覚異常者にとって見えづらい要素が無いかを機械的にかつ定量的にチェックすることが可能となる。本実施の形態では、第一色覚異常者と第二色覚異常者の見え難い輪郭を算出したが、同様にして第三色覚異常者や全色盲者の見え難い輪郭を並行して計算し、見え難い輪郭領域を加算することで、全ての色覚異常者に問題ないかを一度でチェックすることが可能となる。
【0086】
色覚異常者にとって見難い輪郭部分のみを表示するだけでは原撮影画像との対応が取りにくいので、原撮影画像と色覚異常者にとって見え難い輪郭画像を高速で切り換えて表示したり、色覚異常者にとって見え難い輪郭画像部分の輝度を時間変化させる等の実装上の工夫を行うと、原撮影画像上での色覚異常者の問題がより明確となる。また、スルー画上でリアルタイムに算出してもよい。
【0087】
本実施の形態では、明度差が125未満、かつ色差が600未満のときに評価値=1としたが、閾値はこの値に限られるものではない。またこの値はユーザが変更可能であってもよい。また、明度差と色差の値によって評価値を細かく分け、評価値によって表示する輪郭線の太さを変えてもよい。図8(i)は、評価値の大きい輪郭(=見え難い輪郭)を太い実線で表示したことを示す図である。このように表示することで、ユーザに見え難いレベルを知らせることが可能となる。
【0088】
また本実施の形態では、輪郭の見え難さのパラメータとして、輪郭の明度差と色差を用いたが、輝度比を用いてもよく、これらのパラメータはどのような組み合わせを用いてもよい。
【0089】
またデジタルカメラでなくともよく、例えばコンピュータを用いて、電子データとして取り込んだ画像に対して同様の処理を行ってもよい。
【0090】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態のデジタルカメラ10について説明する。第2の実施の形態のデジタルカメラ10は、撮影した画像内の文字を検出し、検出した文字の色と文字の背景の色から文字の見難さを算出し、色覚異常者にのみ見難い文字を表示して警告する。
【0091】
図9は、第2の実施の形態のデジタルカメラ10の内部構成を示すブロック図である。図2に示すブロック図とは、文字認識回路82及び文字パターン83を備えた点が異なっている。文字認識回路82は、文字のテンプレートである文字パターン83を用いてマッチング処理を行うことにより、画像内の文字を認識する。
【0092】
次に、デジタルカメラ10の、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について説明する。図10は、この動作について示したフローチャートである。また図11は、この動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【0093】
まず撮影を行い、画像を取得する(ステップS101)。ここで取得した画像が図11の入力画像となる。図14(a)は、LCDパネル15に表示された撮影画像を示す。この画像は、3種類の文字を含むポスターを撮影した画像である。次に、文字認識回路82が画像内の文字領域の抽出を行い(ステップS102、プロセスP111)、文字領域が存在したか否かの判定を行う(ステップS103)。画像内に文字領域が存在しない場合は、全ての処理を終了する。画像内に文字領域が存在する場合は、その文字領域の文字について、正常色覚者における文字の見難さの評価値の算出を行う(ステップS104、プロセスP113)。
【0094】
ここで、文字の見難さの評価値の算出について説明する。文字の見難さの評価値の算出は、輪郭評価回路81が行う。図12は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートであり、図13は、この動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【0095】
まず、抽出した文字領域の背景の色を算出する(ステップS121、プロセスP131)。次に、抽出した文字領域の文字の色と背景の色の明度差を算出する(ステップS122、プロセスP132)。文字色と背景色のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)としたとき、正常色覚者における文字と背景の明度差は(数1)で表される。
【0096】
次に、抽出した文字領域における色差を算出する(ステップS53、プロセスP63)。明度差と同様に、文字色と背景色のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)とすると、正常色覚者における色差は(数2)で表される。
【0097】
このように算出した文字と背景の明度差及び色差から、正常色覚者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS124、プロセスP134)。明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であると、見難い文字と判断し、評価値=1とする。図14(b)は、正常色覚者における見難い文字を示した図である。なお、明度差と色差の算出においては、図13のデータフロー・ダイアグラムに示すように、どちらの算出を先に行ってもよい。
【0098】
正常色覚者における文字の見難さを算出したら、次に、第一色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS105、プロセスP112)。第一色覚異常者における文字の見難さの評価値の算出においても、輪郭評価回路81が、図12のフローチャート、及び図13のデータフロー・ダイアグラムに基づいて行う。
【0099】
まず、抽出した文字領域の背景色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、文字領域の文字の色と背景の色の明度差を算出する(ステップS122、プロセスP132)。第一色覚異常者は赤色の錐体細胞が機能しないため、第一色覚異常者における明度差は、(数3)で表される。
【0100】
次に、抽出した文字領域における色差を算出する(ステップS123、プロセスP133)。明度差と同様に、第一色覚異常者における色差は(数4)のように表される。
【0101】
このように算出した文字と背景の明度差及び色差から、第一色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であるときに、評価値=1とする。図14(c)は、第一色覚異常者において見難い文字を示した図である。
【0102】
次に、第二色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS106、プロセスP114)。第二色覚異常者における文字の見難さの評価値の算出においても、輪郭評価回路81が、図12のフローチャート、及び図13のデータフロー・ダイアグラムに基づいて行う。
【0103】
まず、抽出した文字領域の背景色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、文字領域の文字の色と背景の色の明度差を算出する(ステップS122、プロセスP132)。第二色覚異常者は緑色の錐体細胞が機能しないため、第二色覚異常者における明度差は、(数5)で表される。
【0104】
次に、文字色と背景色の色差を算出する(ステップS123、プロセスP133)。明度差と同様に、第二色覚異常者における色差は(数6)のように表される。
【0105】
このように算出した文字と背景の明度差及び色差から、第二色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であるときに、評価値=1とする。図14(d)は、第二色覚異常者において見難い文字を示した図である。
【0106】
文字の見難さの評価値の算出が終了すると、次に、正常色覚者のみが見易い文字領域であるか否かを判定する(ステップS107)。このためには、まず正常色覚者における文字の見難さの評価値と第一色覚異常者における文字の見難さの評価値の差分を算出し、第一色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP115)。図14(e)は、第一色覚異常者にのみ見難い文字を示した図である。また、正常色覚者における文字の見難さの評価値と第二色覚異常者における文字の見難さの評価値の差分を算出し、第二色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP116)。図14(f)は、第二色覚異常者にのみ見難い文字を示した図である。
【0107】
次に、第一色覚異常者にのみ見難い文字と第二色覚異常者にのみ見難い文字を加算し、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP117)。この第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字が正常色覚者のみが見易い文字領域であると判断され、この文字領域の表示を行う(ステップS108)。
【0108】
以上の処理を、全ての文字領域について行う。図14(g)は、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字をLCDパネル15に表示した様子を示した図である。
【0109】
このように、正常色覚者がデザインした意匠を撮影するのみで、色覚異常者にとって見えづらい文字が無いかを機械的にかつ定量的にチェックすることが可能となる。
【0110】
図14(g)に示すように、色覚異常者のみが見難い文字を表示するだけでは原撮影画像との対応が取りにくいので、原撮影画像と色覚異常者にとって見え難い文字画像を高速で切り換えて表示したり、色覚異常者にのみ見え難い文字画像の輝度を時間変化させる等の実装上の工夫を行うと、原撮影画像上での色覚異常者の問題がより明確となる。また、図14(h)に示すように、色覚異常者にのみ見え難い文字を枠で囲ってもよい。また、スルー画上でリアルタイムに算出してもよい。
【0111】
<第3の実施の形態>
本発明に係る第3の実施の形態のパーソナルコンピュータ100(以下パソコン100)について説明する。第3の実施の形態のパソコン100は、ウェブページに含まれる画像について、画像内の視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出し、表示をして警告する。
【0112】
図15は、第3の実施の形態のパソコン100が接続されたネットワークの概念図である。インターネット102を介してウェブサーバ101と各無線LANアクセスポイント103が接続されている。パソコン100は無線LANカード104を介して無線LANアクセスポイントと無線接続することにより、インターネット102と接続される。同様に、デジタルカメラ10も無線LANカード104を介して無線LANアクセスポイントに接続することにより、インターネット102と接続される。
【0113】
図16は、パソコン100のシステム構成図である。パソコン100は、データを記憶するハードディスク112、キーボードやマウス等から構成されるユーザインターフェース113、LCD等から構成される表示装置114、ハードディスク112からデータを受け取りユーザインターフェース113からの指示に従ってデータを加工し、表示装置114へ出力するCPU111、及びインターネットへ接続するための必要な回路やコネクタから構成されるネットワークインターフェース115から構成されている。
【0114】
次に、パソコン100の、インターネットからダウンロードしたウェブページに含まれる画像について、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作について説明する。図17は、この動作について示したフローチャートである。なお、図3のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、入力画像から視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出するデータフロー・ダイアグラムは図4のデータフロー・ダイアグラムと同様である。
【0115】
まず、ウェブページをダウンロードする(ステップS171)。ユーザは、表示装置114を見ながらユーザインターフェース113を操作し、所望のウェブページを指定する。ウェブページが指定されると、CPU111はネットワークインターフェースを介して指定されたウェブページをインターネットからダウンロードする。ダウンロードされたウェブページは、表示装置114に表示される。
【0116】
次に、ダウンロードしたウェブページのソースのHTML文書からimgタグを抽出し、全てのimgタグの処理を行ったか否かの判定を行う(ステップS172)。未処理のimgタグが存在する場合は、未処理のimgタグの画像をダウンロードする(ステップS173)。
【0117】
画像のダウンロードが終了すると、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)を算出する(ステップS32、プロセスP42)。ここで、輪郭の見難さの評価値の算出について説明する。図18は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。なお、図5のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また図19は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。なお、図6のデータフロー・ダイアグラムと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0118】
第一の実施の形態と同様に、画像データから画像内の輪郭を算出し(ステップS51、プロセスP61)、次に算出した輪郭における明度差を(数1)を用いて算出し(ステップS52、プロセスP62)、次に算出した輪郭における色差を(数2)を用いて算出する(ステップS53、プロセスP63)。
【0119】
明度差及び色差の算出が終了すると、次に輪郭の輝度比を算出する(ステップS181、プロセスP191)。輪郭の両端のそれぞれの色のRGB値を0〜255の10進数で表し、さらにR1’=(R1÷255)2.2のようにそれぞれのRGB値をガンマ補正したリニア化RGB値を(R1’、G1’、B1’)、(R2’、G2’、B2’)としたとき(ただし、輝度の大きい方を(R1’、G1’、B1’)とする)、正常色覚者における輝度比は(数7)で表される。
【0120】
(数7)
正常色覚者の輝度比=(R1’×0.2126+G1’×0.7152+B1’×0.0722+0.05)÷(R2’×0.2126+G2’×0.7152+B2’×0.0722+0.05)
このように算出した輪郭の明度差、色差、及び輝度比から、正常色覚者における輪郭の見難さの評価値(A)を算出する(ステップS54、プロセスP64)。明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であると、見え難い輪郭と判断し、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。
【0121】
正常者における輪郭の見難さの評価値(A)の算出が終了すると、次に第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)を算出する(ステップS33、プロセスP41。第一の実施の形態と同様に、算出した輪郭における明度差を(数3)を用いて算出し(ステップS52)、次に算出した輪郭における色差を(数4)を用いて算出する(ステップS53)。また、第一色覚異常者は赤色の錐体細胞が機能しないため、第一色覚異常者における輝度比は(数7)からR成分を除外し、(数8)で表される。
【0122】
(数8)
第一色覚異常者の輝度比=(G1’×0.7152+B1’×0.0722+0.05)÷(G2’×0.7152+B2’×0.0722+0.05)
明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であると、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。
【0123】
第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)の算出が終了すると、次に色覚正常者における輪郭の見難さの評価値(A)と第一色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(B)の差分から、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)を算出する(ステップS34、プロセスP44)。
【0124】
次に第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)を算出する(ステップS35、プロセスP43。第一の実施の形態と同様に、算出した輪郭における明度差を(数5)を用いて算出し(ステップS52)、次に算出した輪郭における色差を(数6)を用いて算出する(ステップS53)。また、第二色覚異常者は緑色の錐体細胞が機能しないため、第二色覚異常者における輝度比は(数7)からG成分を除外し、(数9)で表される。
【0125】
(数9)
第二色覚異常者の輝度比=(R1’×0.2126+B1’×0.0722+0.05)÷(R2’×0.2126+B2’×0.0722+0.05)
明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であると、評価値=1とする。以上の処理を、画像内の全ての輪郭について行う。
【0126】
第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)の算出が終了すると、次に色覚正常者における輪郭の見難さの評価値(A)と第二色覚異常者における輪郭の見難さの評価値(C)の差分から、第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)を算出する(ステップS36、プロセスP45)。次に、第一色覚異常者にのみ見難い輪郭(β)と第二色覚異常者にのみ見難い輪郭(γ)の和をとり、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭を算出する(ステップS37、プロセスP46)。
【0127】
第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い輪郭の算出が終了すると、次に、この算出した輪郭のみの画像を作成し、さらにこの輪郭の画像と原画像からアニメーションGIFを作成する(ステップS174)。そして、ダウンロードをしたウェブページのHTML文書の該当するimgタグの対象を、原画像からこのアニメーションGIFに変更する(ステップS175)。
【0128】
この処理を全てのimgタグに対して行い、処理を終了する。
【0129】
このように、ウェブページをダウンロードするだけで、ウェブページ内の画像において色覚異常者にとって見えづらい輪郭が無いかを機械的にかつ定量的にチェックすることが可能となる。
【0130】
本実施の形態では、アニメーションGIFを作成して表示したが、原画像と色覚異常者にとって見難い輪郭のみの画像を、マウスカーソルが画像上に在るか否かで切り換えて表示する等の工夫を行うと、原画像上での問題がより明確となる。
【0131】
本実施の形態では、明度差が125未満、かつ色差が600未満、かつ輝度比が5未満のときに評価値=1としたが、閾値はこの値に限られるものではない。またこの値はユーザが変更可能であってもよい。
【0132】
本実施の形態では、インターネットを通じてウェブページを指定し、指定されたウェブページをインターネットからダウンロードすることにより、処理を行うウェブページを構成するデータを取得したが、処理を行うウェブページはインターネットを通じて取得するものに限られるものではない。例えば、パソコン100のハードディスクに保存されたウェブページを指定して読み出し、このウェブページを構成するデータを取得してもよい。また、保存していない作成中のウェブページを指定してもよい。このように、ローカルに存在するウェブページの処理を可能にすることで、例えばウェブデザイナーがウェブページを作成する際に、インターネットで公開する前に、作成したウェブページの評価を行うことが可能になる。
【0133】
また本実施の形態では、パソコン100を用いたが、ウェブページを表示できる装置であれば、パソコン100でなく図15に示すデジタルカメラ10等のような他の装置でも構わない。また、画像内における色覚異常者にのみ見難い輪郭の抽出をパソコン100において行ったが、この処理をウェブサーバ101が行い、パソコン100の表示装置114に結果の表示を行ってもよい。このように構成することで、誰もが簡単に利用できるASPサービスが実現可能となる。
【0134】
<第4の実施の形態>
本発明に係る第4の実施の形態のパソコン100について説明する。第4の実施の形態のパソコン100は、ウェブページにおける視覚異常者にのみ見難い文字を抽出し、表示をして警告する。
【0135】
第4の実施の形態のパソコン100が接続されたネットワークは、図15に示す第3の実施の形態のネットワークの概念図と同様であり、またパソコン100のシステムも図16に示す第3の実施の形態のシステム構成図と同様である。
【0136】
次に、パソコン100の、インターネットからダウンロードしたウェブページにおいて、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について説明する。図20は、この動作について示したフローチャートである。なお、図10のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、入力ページから視覚異常者にのみ見難い文字を抽出するデータフロー・ダイアグラムは図11のデータフロー・ダイアグラムと同様である。
【0137】
まず、ウェブページをダウンロードし、ダウンロードしたウェブページのHTML文書から文字領域と色情報を取得する(ステップS201、プロセスP111)。ユーザは、表示装置114を見ながらユーザインターフェース113を操作し、所望のウェブページを指定する。ウェブページが指定されると、CPU111はネットワークインターフェースを介して指定されたウェブページをインターネットからダウンロードする。ダウンロードされたウェブページは、表示装置114に表示される。文字領域と色情報に関しては、HTML文書のタグから判断する。
【0138】
次に、文字領域が存在したか否かの判定を行う(ステップS103)。HTML文書内に文字領域が存在しない場合は、全ての処理を終了する。HTML文書内に文字領域が存在する場合は、その文字領域の文字について、正常色覚者における文字の見難さの評価値の算出を行う(ステップS104、プロセスP113)。
【0139】
ここで、文字の見難さの評価値の算出について説明する。図21は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。なお、図12のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図22はこの動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。なお、図13のデータフロー・ダイアグラムと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0140】
まず、抽出した文字領域の背景の色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、抽出した文字領域の文字の色と背景の色の明度差を(数1)を用いて算出する(ステップS122、プロセスP132)。同様に、抽出した文字領域における色差を(数2)を用いて算出する(ステップS123、プロセスP133)。さらに、抽出した文字領域における輝度比を(数7)を用いて算出する(ステップS211、プロセスP221)。
【0141】
このように算出した文字と背景の明度差、色差、及び輝度比から、正常色覚者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS124、プロセスP134)。明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であると、見難い文字と判断し、評価値=1とする。
【0142】
正常色覚者における文字の見難さを算出したら、次に、第一色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS105、プロセスP112)。
【0143】
まず、抽出した文字領域の背景色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、文字領域の文字の色と背景の色の明度差を(数3)を用いて算出する(ステップS122、プロセスP132)。同様に、抽出した文字領域における色差を(数4)を用いて算出する(ステップS123、プロセスP133)。さらに、抽出した文字領域における輝度比を(数8)を用いて算出する(ステップS211、プロセスP221)。
【0144】
このように算出した文字と背景の明度差、色差、及び輝度比から、第一色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満のときに、評価値=1とする。
【0145】
次に、第二色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する(ステップS106、プロセスP114)。
【0146】
まず、抽出した文字領域の背景色を算出し(ステップS121、プロセスP131)、文字領域の文字の色と背景の色の明度差を(数5)を用いて算出する(ステップS122、プロセスP132)。同様に、文字色と背景色の色差を(数6)を用いて算出する(ステップS123、プロセスP133)。さらに、文字色と背景色の輝度比を(数9)を用いて算出する(ステップS211、プロセスP221)。
【0147】
このように算出した文字と背景の明度差、色差、及び輝度比から、第二色覚異常者における文字の見難さの評価値を算出する。これまでと同様に、明度差が125未満であり、かつ色差が600未満であり、かつ輝度比が5未満であるときに、評価値=1とする。
【0148】
文字の見難さの評価値の算出が終了すると、次に、正常色覚者のみが見易い文字領域であるか否かを判定する(ステップS107)。このためには、まず正常色覚者における文字の見難さの評価値と第一色覚異常者における文字の見難さの評価値の差分を算出し、第一色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP115)。また、正常色覚者における文字の見難さの評価値と第二色覚異常者における文字の見難さの評価値の差分を算出し、第二色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP116)。
【0149】
次に、第一色覚異常者にのみ見難い文字と第二色覚異常者にのみ見難い文字を加算し、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字を算出する(プロセスP117)。この第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字が正常色覚者のみが見易い文字領域であると判断される(ステップS108)。
【0150】
以上の処理を全ての文字領域について行い、全ての文字領域について終了すると、ダウンロードしたウェブページの背景を白とし、第一色覚異常者及び第二色覚異常者にのみ見難い文字領域を黒く目立たせる処理を施したHTML文書を作成し、表示を行う(ステップS202)。
【0151】
このように、ウェブページをダウンロードするだけで、色覚異常者にとって見えづらい文字が無いかを機械的にかつ定量的にチェックすることが可能となる。
【0152】
第3の実施の形態と同様に、ローカルに存在するウェブページについて処理を行ってもよい。
【0153】
また、この処理をウェブサーバ101が行い、パソコン100の表示装置114に結果の表示を行ってもよい。このように構成することで、誰もが利用できるASPサービスが実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】図1は、視覚異常に関わる錐体細胞の状態と頻度について示した表である。
【図2】図2は、本発明に係る第1の実施の形態のデジタルカメラ10の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作を示したフローチャートである。
【図4】図4は、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作を示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図5】図5は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。
【図6】図6は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図7】図7は、8方向ラプラシアンフィルタのフィルタ行列を示す図である。
【図8】図8は、撮影画像や抽出された見難い輪郭の表示を示す図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態のデジタルカメラ10の内部構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について示したフローチャートである。
【図11】図11は、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図12】図12は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。
【図13】図13は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図14】図14は、撮影画像や抽出された見難い文字の表示を示す図である。
【図15】図15は、第3の実施の形態のパソコン100が接続されたネットワークの概念図である。
【図16】図16は、パソコン100のシステム構成図である。
【図17】図17は、視覚異常者にのみ見難い輪郭を抽出して表示する動作について示したフローチャートである。
【図18】図18は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。
【図19】図19は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【図20】図20は、インターネットからダウンロードしたウェブページにおいて、視覚異常者にのみ見難い文字を抽出して表示する動作について示したフローチャートである。
【図21】図21は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したフローチャートである。
【図22】図22は、輪郭の見難さの評価値の算出の動作について示したデータフロー・ダイアグラムである。
【符号の説明】
【0155】
10…デジタルカメラ、15…LCDパネル、30、111…CPU、31…BUS、34…メモリ、35…VRAM、38…記録メディア、81…輪郭評価回路、82…文字認識回路、100…パソコン、101…ウェブサーバ、102…インターネット、103…アクセスポイント、104…無線LANカード、112…ハードディスク、113…ユーザインターフェース、114…表示装置、115…ネットワークインターフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力する入力手段と、
前記入力された画像の輪郭を検出する輪郭検出手段と、
前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した輪郭を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像評価装置。
【請求項2】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像評価装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と、第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出し、
前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と前記第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を同時に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像評価装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記入力された画像と共に前記抽出手段が抽出した輪郭を表示することを特徴とする請求項1から3に記載の画像評価装置。
【請求項5】
画像を入力する入力手段と、
前記画像に含まれる文字を抽出する文字抽出手段と、
前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した文字を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像評価装置。
【請求項6】
前記評価値算出手段は、前記文字と背景の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することを特徴とする請求項5に記載の画像評価装置。
【請求項7】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い文字と、第二色覚異常者のみが見え難い文字を抽出し、
前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い文字と前記第二色覚異常者のみが見え難い文字を同時に表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像評価装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記入力された画像と共に前記抽出手段が抽出した文字を枠で囲んで表示することを特徴とする請求項5から7に記載の画像評価装置。
【請求項9】
ウェブページを指定する指定手段と、
前記指定されたウェブページから画像を選択する選択手段と、
前記選択された画像の輪郭を検出する輪郭検出手段と、
前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した輪郭を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするウェブページ評価装置。
【請求項10】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することを特徴とする請求項9に記載のウェブページ評価装置。
【請求項11】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と、第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出し、
前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と前記第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を同時に表示することを特徴とする請求項9又は10に記載のウェブページ評価装置。
【請求項12】
ウェブページを指定する指定手段と、
前記指定されたウェブページから文字を抽出する文字抽出手段と、
前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した文字を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするウェブページ評価装置。
【請求項13】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することを特徴とする請求項12に記載のウェブページ評価装置。
【請求項14】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い文字と、第二色覚異常者のみが見え難い文字を抽出し、
前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い文字と前記第二色覚異常者のみが見え難い文字を同時に表示することを特徴とする請求項12又は13に記載のウェブページ評価装置。
【請求項15】
画像を入力する入力工程と、
前記入力された画像の輪郭を検出する輪郭検出工程と、
前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程が抽出した輪郭を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とする画像評価方法。
【請求項16】
画像を入力する入力工程と、
前記画像に含まれる文字を抽出する文字抽出工程と、
前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程が抽出した文字を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とする画像評価方法。
【請求項17】
ウェブページを指定する指定工程と、
前記指定されたウェブページから画像を選択する選択工程と、
前記選択された画像の輪郭を検出する輪郭検出工程と、
前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程が抽出した輪郭を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とするウェブページ評価方法。
【請求項18】
ウェブページを指定する指定工程と、
前記指定されたウェブページから文字を抽出する文字抽出工程と、
前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程が抽出した文字を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とするウェブページ評価方法。
【請求項19】
請求項15又は16に記載の画像評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項20】
請求項17又は18に記載のウェブページ評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のウェブページ評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムを実行する処理部と、
を備えたことを特徴とするASPサービスサーバ。
【請求項1】
画像を入力する入力手段と、
前記入力された画像の輪郭を検出する輪郭検出手段と、
前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した輪郭を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像評価装置。
【請求項2】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像評価装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と、第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出し、
前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と前記第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を同時に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像評価装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記入力された画像と共に前記抽出手段が抽出した輪郭を表示することを特徴とする請求項1から3に記載の画像評価装置。
【請求項5】
画像を入力する入力手段と、
前記画像に含まれる文字を抽出する文字抽出手段と、
前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した文字を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像評価装置。
【請求項6】
前記評価値算出手段は、前記文字と背景の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することを特徴とする請求項5に記載の画像評価装置。
【請求項7】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い文字と、第二色覚異常者のみが見え難い文字を抽出し、
前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い文字と前記第二色覚異常者のみが見え難い文字を同時に表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像評価装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記入力された画像と共に前記抽出手段が抽出した文字を枠で囲んで表示することを特徴とする請求項5から7に記載の画像評価装置。
【請求項9】
ウェブページを指定する指定手段と、
前記指定されたウェブページから画像を選択する選択手段と、
前記選択された画像の輪郭を検出する輪郭検出手段と、
前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した輪郭を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするウェブページ評価装置。
【請求項10】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することを特徴とする請求項9に記載のウェブページ評価装置。
【請求項11】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と、第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出し、
前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い輪郭と前記第二色覚異常者のみが見え難い輪郭を同時に表示することを特徴とする請求項9又は10に記載のウェブページ評価装置。
【請求項12】
ウェブページを指定する指定手段と、
前記指定されたウェブページから文字を抽出する文字抽出手段と、
前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した文字を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするウェブページ評価装置。
【請求項13】
前記評価値算出手段は、前記輪郭の色差、明度差、輝度差のうち少なくとも1つを基に前記評価値を算出することを特徴とする請求項12に記載のウェブページ評価装置。
【請求項14】
前記抽出手段は、第一色覚異常者のみが見え難い文字と、第二色覚異常者のみが見え難い文字を抽出し、
前記表示手段は、前記第一色覚異常者のみが見え難い文字と前記第二色覚異常者のみが見え難い文字を同時に表示することを特徴とする請求項12又は13に記載のウェブページ評価装置。
【請求項15】
画像を入力する入力工程と、
前記入力された画像の輪郭を検出する輪郭検出工程と、
前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程が抽出した輪郭を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とする画像評価方法。
【請求項16】
画像を入力する入力工程と、
前記画像に含まれる文字を抽出する文字抽出工程と、
前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程が抽出した文字を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とする画像評価方法。
【請求項17】
ウェブページを指定する指定工程と、
前記指定されたウェブページから画像を選択する選択工程と、
前記選択された画像の輪郭を検出する輪郭検出工程と、
前記輪郭の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い輪郭を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程が抽出した輪郭を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とするウェブページ評価方法。
【請求項18】
ウェブページを指定する指定工程と、
前記指定されたウェブページから文字を抽出する文字抽出工程と、
前記文字の見え難さの評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程が算出した正常者における評価値と、色覚異常者における評価値との差分から、色覚異常者のみが見え難い文字を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程が抽出した文字を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とするウェブページ評価方法。
【請求項19】
請求項15又は16に記載の画像評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項20】
請求項17又は18に記載のウェブページ評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のウェブページ評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムを実行する処理部と、
を備えたことを特徴とするASPサービスサーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−276655(P2008−276655A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121846(P2007−121846)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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