説明

画像認証システム

【課題】印刷物に記載される画像の量に関係なく、印刷物の画像を認証することを課題とする。
【解決手段】画像処理装置10は、画像データにステガノIDを埋め込み、その画像データを印刷物に出力する。その後、領収書に手書きで文字が書き込まれ、手書きのものが改めて画像処理装置10に入力されると、画像処理装置10は、手書き部分を含んだ全体の画像を読み込み、その全体の画像をステガノID管理サーバ20に送信し、登録を要求する。そして、その要求を受け付けたステガノID管理サーバ20は、ステガノIDと印刷物の全体の画像とを対応付けてステガノID管理テーブル23aに登録する。その後、スキャナ30は、現物の印刷物から画像データを読み出し、ステガノIDをステガノID管理サーバ20に送信する。そして、ステガノID管理サーバ20は、印刷物の画像データを用いて画像データを照合して認証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷物の画像を認証する画像認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、隣接ブロックの平均濃度の差を使用して隣接ブロックのペアにコード埋め込み技術がある。例えば、特許文献1に開示された画像処理装置では、コード埋め込み技術により画像にコードを埋め込んだ後、その画像を印刷物や表示機器等に出力し、カメラ等の入力装置によって入力される印刷物の画像を受け付けてデコード処理を行う。このデコード処理においては、入力画像の隣接ブロックの平均濃度の差から元のコードをデコードする処理を行っている。
【0003】
このような画像処理装置を用いて、以下のように印刷物における証明したい内容の認証を行うことが考えられる。つまり、図13に例示すように、画像処理装置は、証明書(例えば、図13に示す領収書)の認証において、領収書の画像(例えば、図13に示す「ABC」)に証明したい内容(例えば、図13の担当者を特定するための情報である従業員番号および追番)をコード(例えば、図13に示すステガノID)として埋め込み、その領収書の画像を印刷物に出力する。その後、印刷物の画像をデコードしてステガノIDを復元し、復元された内容に基づいて印刷物を認証する。
【0004】
例えば、領収書の画像「ABC」に従業員番号「12345678」と追番「1234」をステガノID(ステガノID=123456781234)として埋め込み、その画像「ABC」を含んだ領収書全体の画像を印刷物に出力する。その後、印刷物の画像をデコードしてステガノIDを復元して従業員番号および追番を読み出し、その従業員番号および追番に基づいて印刷物を認証する。
【0005】
【特許文献1】特開2005−276561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記した従来の技術では限られた内容のデータしかコードに埋め込むことができず、証明しようとする内容が少ない場合には、印刷物の画像を認証することができるが、認証しようとする内容が多い場合には、印刷物の画像を適切に認証することができないという課題があった。つまり、上記の例でいえば、従業員番号および追番をステガノIDとして埋め込むことができるが、宛先および金額等をステガノIDに埋め込むことができないので、領収書の内容を認証することができない。
【0007】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、印刷物に記載される画像の量に関係なく、印刷物の画像を認証することが可能な画像認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、印刷物の画像を認証する画像認証システムであって、濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなるコードを印字して印刷物を出力する出力手段と、前記印刷物に印字されたコードと前記印刷物に記載された画像とを対応付けて画像コード記憶部に登録する登録手段と、前記印刷物に印字されたコードを抽出して当該印刷物の画像を認証する認証手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記出力手段は、前記コードのみを前記印刷物に印字して出力し、前記登録手段は、前記出力手段によって出力された印刷物に画像が記載されたものを受け付け、当該印刷物に記載された画像と前記コードとを対応付けて前記画像コード記憶部に登録することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記出力手段は、前記印刷物に記載されるべき画像に前記コードを埋め込み、当該コードが埋め込まれた画像を前記印刷物に印字して出力し、前記登録手段は、前記出力手段によって出力される画像と当該画像に埋め込まれるコードとを対応付けて前記画像コード記憶部に登録することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記認証手段は、前記印刷物に印字されたコードを抽出し、当該抽出されたコードに対応付けて前記画像コード記憶部に登録されている画像を所定の表示部に表示することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、正規のものとして認証するコードを認証コード記憶部に保持する保持手段をさらに備え、前記認証手段は、前記印刷物に印字されたコードを抽出し、当該抽出されたコードが前記認証コード記憶部に記憶されているコードと一致しない場合には、前記印刷物の画像を正規なものでないとして認証することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなるコードを印字して印刷物を出力し、印刷物に印字されたコードと印刷物に記載された画像とを対応付けて画像コード記憶部に登録し、印刷物に印字されたコードを抽出してその印刷物の画像を認証するので、印刷物に記載される画像の量に関係なく、印刷物の画像を認証することが可能である。
【0014】
また、請求項2の発明によれば、コードのみを印刷物に印字して出力し、出力された印刷物に画像が記載されたものを受け付け、その印刷物に記載された画像とコードとを対応付けて画像コード記憶部に登録するので、登録時に画像データにコードを埋め込む作業を行わない結果、登録時にコードを埋め込む作業を省略することが可能である。
【0015】
また、請求項3の発明によれば、印刷物に記載されるべき画像にコードを埋め込み、そのコードが埋め込まれた画像を印刷物に印字して出力し、出力される画像とその画像に埋め込まれるコードとを対応付けて画像コード記憶部に登録するので、コードと画像全体を対応付けて登録する直前に画像データにコードを埋め込む作業を行う結果、コードが改ざんされるのを防止してコードの信憑性を高くすることが可能である。
【0016】
また、請求項4の発明によれば、印刷物に印字されたコードを抽出し、その抽出されたコードに対応付けて画像コード記憶部に登録されている画像を所定の表示部に表示するので、表示された画像全体を手動で確認して認証する結果、自動で一律に認証せずに個別に判断して、適切に認証することが可能である。
【0017】
また、請求項5の発明によれば、正規のものとして認証するコードを認証コード記憶部に保持する保持手段をさらに備え、印刷物に印字されたコードを抽出し、その抽出されたコードが認証コード記憶部に記憶されているコードと一致しない場合には、印刷物の画像を正規なものでないとして認証するので、認証を許可するコードを予め設定し、設定されたコードが埋め込まれていない画像を自動的に認証しない結果、認証を許可するコードを任意に変更して、より適切な認証を行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像認証システムの実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
以下の実施例では、実施例1で用いる主要な用語の説明、実施例1に係る画像認証システムの概要および特徴、画像処理装置の構成、ステガノID管理サーバの構成および画像認証処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。
【0020】
[用語の説明]
まず最初に、実施例1で用いる主要な用語を説明する。実施例1で用いる「ステガノID」とは、濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなり、人間には感知できないようなコードのことをいう。
【0021】
ここで、図1および図2を用いて、画像処理装置がステガノIDを埋め込むエンコード処理について詳しく説明する。図1は、エンコード処理の手順について説明するための図であり、図2は、コードが埋め込まれた画像の一例を示す図である。
【0022】
かかるエンコード処理において、画像処理装置は、図1に示すように、原画像に埋め込むべきコード(例えば、16ビット構成のコード「1010110101001010」)を設定し(図1のコード設定過程)、また、原画像データをN行×M列のブロックに分割し、これをブロック分割画像データとする(図1に示すブロック分割過程)。そして、画像処理装置は、ブロック分割画像から隣接する2つのブロックをペアブロックとし、各ブロックにおける濃度分布をブロック濃度データとして抽出する(図1に示すブロック抽出過程)。
【0023】
その後、画像処理装置10は、ブロック濃度データから各ブロックの平均濃度を求める(図1に示す平均化過程)。そして、画像処理装置10は、ペアブロックにおける二つのブロックの特徴量(例えば、平均濃度、粒状度、彩度、濃度重心または分散)の大小関係を比較する(図1に示す比較過程)。
【0024】
その後、画像処理装置10は、比較結果に基づいて、ブロック分割画像データ(原画像データ)にコードCを埋め込むための処理を実行する(図1に示すコード形成過程)。具体的には、各ブロックについて、ペアブロックにおける特徴量の大小関係が埋め込むべきコードと一致するか否かを判定し、ペアブロックにおける特徴量の大小関係が埋め込むべきコードと一致する場合には、特徴量の大小関係を維持する。
【0025】
また、ペアブロックにおける特徴量の大小関係が埋め込むべきコードと一致しない場合には、そのペアブロックの特徴量の平均値を算出したのちに、そのペアブロック内で小さな特徴量を有するブロックについては平均値に所定の値を加えた特徴量を新たに算出する一方で、ペアブロック内で大きな特徴量を有するブロックについては、平均値からの所定の値を引いた特徴量を新たに算出し、ペアブロック内の各ブロックの特徴量が新たに算出された特徴量にそれぞれ変更された画像データを作成する。
【0026】
上記のエンコード処理について具体的に説明すると、図2に示すように、原画像に埋め込むべきコードを設定した後、原画像データをN行×M列(図2の例では、16×16)のブロックに分割し、これをブロック分割画像データとする。このブロック分割画像データI1は、図2の例でいうと、ブロックBl11,Br11,・・・,Bl18,Br18,Bl21,Br21,・・・,Bl168,Br168という256(16×16)ブロックから構成し、一つのブロックは、64×64画素サイズとする。なお、原画像データは、所定のフォーマット(JPEG(Joint Photographic Expert Group)、GIF(Graphics Interchange Format)等)で生成された画像データである。
【0027】
続いて、画像処理装置10は、ブロック分割画像から隣接する2つのブロックをペアブロック(例えば、ブロックBl11およびブロックBr11)とし、ブロックBl11およびブロックBr11のそれぞれにおける濃度分布をブロック濃度データとして抽出する。
【0028】
そして、画像処理装置10は、ブロック濃度データからブロックBl11に対応する左側平均濃度データとブロックBr11に対応する右側平均濃度データとを求める。その後、コードのnビット目(図2に示した最左側ビットからn=1,2,・・・,16)と左側平均濃度データおよび右側平均濃度データの大小関係から決定されるビット判定結果とを比較し、比較結果に基づいて、ブロック分割画像データ(原画像データ)にコードを埋め込むための処理を実行する。
【0029】
[実施例1に係る画像認証システムの概要および特徴]
まず最初に、図3および図4を用いて、実施例1に係る画像認証システム1の概要および特徴を説明する。図3は、実施例1に係る画像認証システムの概要および特徴を説明するための図である。図4は、実施例1に係る画像認証システムの認証処理について説明するための図である。
【0030】
実施例1にかかる画像認証システム1では、印刷物の画像を認証することを概要とする。そして、実施例1にかかる画像認証システム1は、印刷物に記載される画像の量に関係なく、印刷物の画像を認証することが可能な画像認証システムを提供することを主たる特徴とする。
【0031】
この主たる特徴について具体的に説明すると、実施例1の画像認証システム1は、画像処理装置10、ステガノ管理サーバ20およびスキャナ30で構成される。そして、画像処理装置10は、図3に示すように、上記で説明したエンコード処理を用いて、画像(図3では、領収書の画像)データにステガノIDを埋め込み(図3の(1)参照)、その画像データを印刷物に出力する(図3の(2)参照)。具体的には、画像処理装置10は、領収書の画像データに担当者を特定する情報(例えば、図3に示す従業員番号「12345678」と追番「1234」)をステガノIDとして埋め込み、その領収書の画像を印刷物に出力する。その後、領収書に手書きで文字が書き込まれ(図3の(3)参照)、手書きのものが改めて画像処理装置10に入力されると、画像処理装置10は、手書き部分を含んだ全体の画像を読み込み、その全体の画像をステガノID管理サーバ20に送信し、登録を要求する。
【0032】
そして、その要求を受け付けたステガノID管理サーバ20は、受信した印刷物の画像からステガノIDを抽出し、そのステガノIDと印刷物の全体の画像とを対応付けてステガノID管理テーブル23aに登録する(図3の(4)参照)。その後、スキャナ30は、その現物の印刷物を受け付け、その現物の印刷物から画像データを読み出し、ステガノIDが埋め込まれた画像部分からステガノID(図4では、「123456781234」)を抽出し(図3の(5)参照)、そのステガノIDをステガノID管理サーバ20に送信する。そして、ステガノID管理サーバ20は、そのステガノIDに対応する印刷物の画像データをステガノID管理テーブル23aから読み出し、その読み出された印刷物の画像データを用いて画像データを照合して認証する(図3の(6)参照)。
【0033】
ここで、図4を用いて図3の(5)および(6)を具体的に説明する。スキャナ30は、図4に示すように、印刷物(図4では、現物の領収書)から画像データを読み取った後、その現物の印刷物の画像データからステガノID(図4では、「123456781234」)を抽出し、そのステガノIDをステガノID管理サーバ20に送信する(図4の(1)参照)。続いて、ステガノID管理サーバ20は、ステガノIDを受信した後、そのステガノIDに対応する印刷物の画像データをステガノID管理テーブル23aから読み出し、その読み出された印刷物の画像データをスキャナ30に送信する(図4の(2)参照)。そして、スキャナ30は、その印刷物の画像データを受信して表示し、現物の領収書と表示された印刷物の画像データが一致するかを目視によって照合させる(図4の(3)参照)。その結果、表示された印刷物の画像と現物の領収書の画像とを照合して、一致する場合には、その現物の領収書の画像を正規なものとして認証し、また、不一致である場合には、現物の領収書の画像を不正なものとして認証する(図4の(4)参照)。
【0034】
このように、画像認証システム1は、濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなるステガノIDを印字して印刷物を出力し、印刷物に印字されたステガノIDと印刷物に記載された画像とを対応付けて登録し、印刷物に印字されたステガノIDを抽出してその印刷物の画像を認証するので、上記した主たる特徴のごとく、印刷物に記載される画像の量に関係なく、印刷物の画像を認証することが可能である。
【0035】
[画像処理装置の構成]
次に、図5を用いて、図3に示した画像処理装置10の構成を説明する。図5は、実施例1に係る画像処理装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この画像処理装置10は、通信制御IF11、入出力制御IF部12、入力部13、出力部14、制御部15および記憶部16を備え、ネットワーク40を介してステガノID管理サーバ20およびスキャナ30と接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0036】
このうち、通信制御IF11は、接続されるステガノID管理サーバ20との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する手段である。具体的には、通信制御IF11は、印刷物の内容をステガノID管理サーバ20に送信する。
【0037】
入出力制御IF部12は、入力部13および出力部14と、制御部15および記憶部16との間におけるデータ転送を制御する手段である。
【0038】
入力部13は、原画像データ、ステガノIDおよび印刷物の画像を入力する入力手段である。具体的には、原画像データを入力する入力手段とは、所定のフォーマット(JPEG(Joint Photographic Expert Group)、GIF(Graphics Interchange Format)等)で生成」された原画像データをスキャナ、記憶媒体、または通信などによって入力する入力手段のことであり、また、ステガノIDを入力する入力手段とは、例えば、「1010110101001010」などで表される16ビット構成のコードをステガノIDとして、キーボードなどによって入力する入力する手段のことであり、また、印刷物の画像を入力する入力手段とは、後述する印刷物出力部15bによって出力された印刷物に手書きで文字(図3では、「○×商事」と「金○○○.○○○円」)が書き込まれた後、その印刷物の画像をスキャナ、記憶媒体、または通信などによって入力する入力手段のことである。
【0039】
出力部14は、原画像データに各種情報(例えば、ステガノID)を埋め込んだ画像データを印刷物に出力する手段である。すなわち、後述するステガノID埋め込み済画像データ記憶部16cに記憶されている画像データであり、例えば、ステガノIDとして「1010110101001010」などでなどで表される16ビット構成のコードをステガノIDとして埋め込んだ画像データを印刷物に出力する。
【0040】
記憶部16は、制御部15による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、画像データ記憶部16a、ステガノID記憶部16b、ステガノID埋め込み済画像データ記憶部16cおよび印刷物画像記憶部16dを備える。
【0041】
原画像データ記憶部16aは、画像処理装置10がエンコードの対象とする原画像データを記憶する手段である。具体的には、原画像データ記憶部16aは、図6に例示するように、所定のフォーマット(JPEG(Joint Photographic Expert Group)、GIF(Graphics Interchange Format)等)で生成された原画像データを記憶する。
【0042】
ステガノID記憶部16bは、原画像データに埋め込めるステガノIDを記憶する手段である。例えば、ステガノID記憶部16bは、従業員ごとに割り振られた従業員番号(図3の例では、「12345678」)と、後述する印刷物出力部15bが画像データを印刷物に出力するごとにインクリメントされる追番(図3の「1234」)を記憶する。
【0043】
ステガノID埋め込み済画像データ記憶部16cは、原画像にステガノIDが埋め込まれた画像データを記憶する手段である。すなわち、後述するステガノID埋め込み部15aによってステガノIDを埋め込まれた画像データを記憶する手段である。具体的には、図7に例示するように、ステガノIDが埋め込まれた画像データには、例えば、「10101101010001010」などで表される16ビット構成のコードが繰り返し埋め込まれている。
【0044】
印刷物画像記憶部16dは、印刷物の画像を記憶する手段であり、例えば、後述する印刷物出力部15bによって出力された印刷物に手書きで文字(図3では、「○×商事」と「金○○○.○○○円」)が書き込まれた印刷物の画像を記憶する。
【0045】
制御部15は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、ステガノID埋め込み部15a、印刷物出力部15bおよび登録要求送信部15cを備える。なお、印刷物出力部15bは、特許請求の範囲に記載の「出力手段」に対応する。
【0046】
このうち、ステガノID埋め込み部15aは、原画像データにステガノIDを埋め込む手段である。具体的には、ステガノID埋め込み部15aは、原画像データ記憶部16aに記憶されている原画像データに、コード記憶部16bに記憶されている従業員番号および追番をステガノIDとして10進数から2進数に変換して画像データに埋め込み、ステガノID埋め込み済画像データ記憶部16cに記憶させる。
【0047】
印刷物出力部15bは、ステガノIDが埋め込まれた画像データを印刷物に出力する手段である。具体的には、印刷物出力部15bは、ステガノID埋め込み済画像データ記憶部16cに記憶された画像データを印刷物に出力する。
【0048】
登録要求送信部15cは、印刷物の画像とその印刷物に埋め込まれたステガノIDを対応付けて登録する旨の要求をステガノID管理サーバ20に対して送信する手段である。具体的には、登録要求送信部15cは、入力された手書き部分を含んだ全体の画像を読み込み、その全体の画像をステガノID管理サーバ20に送信し、登録を要求する。
【0049】
[ステガノID管理サーバの構成]
次に、図8を用いて、図3に示したステガノID管理サーバ20の構成を説明する。図8は、実施例1に係るステガノID管理サーバ20の構成を示すブロック図である。同図に示すように、このステガノID管理サーバ20は、通信制御IF21、制御部22および記憶部22を備え、ネットワーク40を介して画像処理装置10およびスキャナ30と接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0050】
このうち、通信制御IF21は、接続される画像処理装置10およびスキャナ30との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する手段である。具体的には、通信制御IF21は、印刷物の内容を画像処理装置10から受信し、また、ステガノIDをスキャナ30から受信する。
【0051】
記憶部23は、制御部22による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、ステガノID管理テーブル23aを備える。
【0052】
ステガノID管理テーブル23aは、印刷物の画像とその印刷物に印字されたステガノIDとを対応付けて記憶する手段であり、具体的には、画像処理装置10から受信した印刷物の画像とその印刷物に印字されたステガノIDとを記憶する。
【0053】
制御部22は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、コード抽出部22a、登録部22bおよび画像送信部22cを備える。なお、登録部22bは、特許請求の範囲に記載の「登録手段」に対応する。
【0054】
このうち、コード抽出部22aは、画像に埋め込まれたステガノIDを抽出する手段である。具体的には、画像処理装置10から受け付けた印刷物の画像に埋めまれたステガノIDを抽出し、そのステガノIDを登録部22bに出力する。
【0055】
登録部22bは、印刷物の画像とその画像に印字されたステガノIDとを対応付けて登録する手段であり、具体的には、受信した印刷物の画像と、コード抽出手段22aによって抽出されたステガノIDとを対応付けてステガノID管理テーブル23aに登録する。
【0056】
画像データ送信部22cは、画像データをスキャナ30に送信する手段である。具体的には、登録要求送信部22は、ステガノIDを受信した後、そのステガノIDに対応する印刷物の画像データをステガノID管理テーブル23aから読み出し、その読み出された印刷物の画像データをスキャナ30に送信する。
【0057】
[スキャナの構成]
次に、図9を用いて、図3に示したスキャナ30の構成を説明する。図9は、実施例1に係るスキャナ30の構成を示すブロック図である。同図に示すように、このスキャナ30は、通信制御IF31、制御部32、入力部33およびモニタ34を備え、ネットワーク40を介して画像処理装置10およびステガノID管理サーバ20と接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0058】
このうち、通信制御IF31は、接続されるステガノID管理サーバ20との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する手段である。具体的には、通信制御IF31は、ステガノIDをステガノID管理サーバ20に送信し、また、印刷物の画像データをステガノID管理サーバ20から受信する。
【0059】
入力部33は、印刷物を入力する手段であり、具体的には、現物の印刷物を受け付け、その現物の印刷物を後述する画像読み取り部32aに入力する。モニタ34は、画像データを表示する手段であり、具体的には、後述する画像表示部32dがステガノID管理サーバ20から受け付けた画像データを表示する。
【0060】
制御部32は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、画像読み取り部32a、ステガノID抽出部32b、ステガノID送信部32cおよび画像表示部32dを備える。なお、画像表示部32dは、特許請求の範囲に記載の「認証手段」に対応する。
【0061】
このうち、画像読み取り部32aは、印刷物から画像データを読み取る手段である。具体的には、画像読み取り部32aは、入力部33に入力された印刷物(例えば、現物の領収書)から画像データを読み取ってステガノID抽出部32aにその画像データを送信する。
【0062】
ステガノID抽出部32bは、画像データからステガノIDを抽出する手段である。具体的には、ステガノID抽出部32bは、画像読み取り部32aから受信した画像データにデコード処理を行ってステガノIDを抽出し、そのステガノIDをステガノID送信部32cに出力する。
【0063】
ステガノID送信部32cは、ステガノIDをステガノID管理サーバ20に送信する手段である。具体的には、ステガノID送信部32cは、ステガノID抽出部から受信したステガノIDをステガノID管理サーバ20に送信する。
【0064】
画像表示部32dは、印刷物の画像データを表示する手段である。具体的には、画像表示部32dは、ステガノID管理サーバ20から受け付けた画像データをモニタ34に表示し、現物の領収書と表示された印刷物の画像データが一致するかを目視によって照合させる。その結果、表示された印刷物の画像と現物の領収書の画像とを照合して、一致する場合には、その現物の領収書の画像を正規なものとして認証し、また、不一致である場合には、現物の領収書の画像を不正なものとして認証する。
【0065】
[画像認証システムによる処理]
次に、図10を用いて、実施例1に係る画像認証システム1による処理を説明する。図10は、実施例1に係る画像認証システム1の処理動作を示すフローチャートである。
【0066】
同図に示すように、画像認証システム1の画像処理装置10は、原画像データ記憶部16aに記憶されている原画像データに、コード記憶部16bに記憶されている従業員番号および追番をステガノIDとして10進数から2進数に変換して画像データに埋め込み(ステップS101)、その画像データを印刷物に出力する(ステップS102)。
【0067】
そして、画像処理装置10は、領収書に手書きで文字が書き込まれ、手書きのものが改めて画像処理装置10に入力されると、画像処理装置10は、手書き部分を含んだ全体の画像を読み込み(ステップS103)、その全体の画像をステガノID管理サーバ20に送信し、登録を要求する(ステップS104)。
【0068】
その後、ステガノID管理サーバ20は、像処理装置10から受け付けた印刷物の画像に埋め込まれたステガノIDを抽出し(ステップS105)、その抽出されたステガノIDと受信した印刷物の画像とを対応付けて登録する(ステップS106)。その後、スキャナ30は、その現物の印刷物を受け付け、その現物の印刷物から画像データを読み出し(ステップS107)、ステガノIDが埋め込まれた画像部分からステガノIDを抽出し、そのステガノIDをステガノID管理サーバ20に送信して認証を要求する(ステップS108)。
【0069】
そして、ステガノ管理サーバ20は、ステガノIDを受信した後、そのステガノIDに対応する印刷物の画像データをステガノID管理テーブル23aから読み出し、その読み出された印刷物の画像データをスキャナ30に送信する(ステップS109)。
【0070】
続いて、スキャナ30は、ステガノID管理サーバ20から受け付けた画像データを表示し、現物の領収書と表示された印刷物の画像データが一致するかを目視によって照合させる。その結果、表示された印刷物の画像と現物の領収書の画像とを照合して、一致する場合には、その現物の領収書の画像を正規なものとして認証し、また、不一致である場合には、現物の領収書の画像を不正なものとして認証する(ステップS110)。
【0071】
[実施例1の効果]
上述してきたように、濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなるステガノIDを印字して印刷物を出力し、印刷物に印字されたステガノIDと印刷物に記載された画像とを対応付けてステガノID管理テーブル23aに登録し、印刷物に印字されたステガノIDを抽出してその印刷物の画像を認証するので、印刷物に記載される画像の量に関係なく、印刷物の画像を認証することが可能である。
【0072】
また、実施例1によれば、ステガノIDのみを印刷物に印字して出力し、出力された印刷物に画像が記載されたものを受け付け、その印刷物に記載された画像とステガノIDとを対応付けてステガノID管理テーブル23aに登録するので、登録時に画像データにコードを埋め込む作業を行わない結果、登録時にコードを埋め込む作業を省略することが可能である。
【0073】
また、実施例1によれば、印刷物に印字されたステガノIDを抽出し、その抽出されたステガノIDに対応付けてステガノID管理テーブル23aに登録されている画像をモニタ34に表示することが可能である。
【実施例2】
【0074】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0075】
(1)登録
また、上記の実施例1では、画像データを印刷物に出力し、その後、印刷物の内容とステガノIDとを対応付けて登録する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像データを印刷物に出力するのと同時に、その出力された画像データとその画像データに埋め込まれるステガノIDとを対応付けて登録するようにしてもよい。
【0076】
具体的には、図11に示すように、画像処理装置10は、領収書の画像データ内に入力される文字(例えば、「○×商事」、「金○○○.○○○円」)を受け付けると(図3の(1)参照)、領収書の画像データに担当者を特定する情報(例えば、図3に示す従業員番号「12345678」と追番「1234」)をステガノIDとして埋め込むと同時に、その入力された文字を含むおよびステガノIDが埋め込まれた全体の画像データを作成し、その全体の画像データを印刷物に出力する(図3の(2)参照)。また、画像データを印刷物に出力すると同時に、画像処理装置10は、作成された全体の画像データをステガノIDに送信し、登録を要求する(図3の(3)参照)。
【0077】
このように、印刷物に記載されるべき画像にステガノIDを埋め込み、そのステガノIDが埋め込まれた画像を印刷物に印字して出力し、出力される画像とその画像に埋め込まれるステガノIDとを対応付けてステガノID管理テーブルに登録するので、ステガノIDと画像全体を対応付けて登録する直前に画像データにステガノIDを埋め込む作業を行う結果、ステガノIDが改ざんされるのを防止してステガノIDの信憑性を高くすることが可能である。
【0078】
(2)認証
また、本発明は、現物の印刷物のステガノIDに対応する画像データを表示し、現物の印刷物と表示された印刷物の画像データが一致するかを目視によって照合させて認証する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、現物の印刷物にステガノコードが埋め込まれているかを認識して認証するようにしてもよい。
【0079】
具体的には、認証する現物の印刷物からステガノIDを抽出し、ステガノIDが抽出されるものは、正規なものとして認証し、一方、ステガノIDが抽出されないものは不正なものとして認証する。
【0080】
このように、印刷物からステガノIDを抽出できない場合には、印刷物の画像を正規なものでないとして認証するので、ステガノIDが入っている印刷物の画像を自動的に認証する結果、手動で認証する手間を省いて、簡略に認証を行うことが可能である。
【0081】
(3)許可ID
また、本発明は、現物の印刷物のステガノIDに対応する画像データを表示し、現物の印刷物と表示された印刷物の画像データが一致するかを目視によって照合させて認証する場合を説明したが、許可するIDを記憶し、そのIDに認証する印刷物の画像に埋め込まれたステガノIDが許可するIDと一致するかを判断して認証するようにしてもよい。
【0082】
具体的には、ステガノID管理サーバが許可するIDを記憶する許可ID記憶手段を新たに備え、認証する印刷物の画像に埋め込まれたステガノIDを抽出して許可するIDと一致するかを判断して認証する。その結果、抽出されたステガノIDが許可ID記憶部に記憶されている場合には、正規なものとして認証し、一方、抽出されたステガノIDが許可ID記憶手段に記憶されていない場合には、不正なものとして認証する。
【0083】
このように、正規のものとして認証するステガノIDを許可ID記憶部に保持する保持手段をさらに備え、印刷物に印字されたステガノIDを抽出し、その抽出されたステガノIDが認証コード記憶部に記憶されているステガノIDと一致しない場合には、印刷物の画像を正規なものでないとして認証するので、認証を許可するステガノIDを予め設定し、設定されたステガノIDが埋め込まれていない画像を自動的に認証しない結果、認証を許可するステガノIDを任意に変更して、より適切な認証を行うことが可能である。
【0084】
(4)システム構成等
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、画像処理装置10とステガノID管理サーバ20を統合してもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0085】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0086】
(5)プログラム
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図8を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図12は、画像認証プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0087】
同図に示すように、ステガノID認証装置としてのコンピュータ600は、HDD610、RAM620、ROM630およびCPU640をバス650で接続して構成される。
【0088】
そして、ROM630には、上記の実施例と同様の機能を発揮するzyx、つまり、図7に示すように、ステガノID抽出プログラム631、登録プログラム632、認証プログラム633、ステガノID埋め込みプログラム634および印刷物出力プログラム635が予め記憶されている。なお、プログラム631〜635については、適宜統合または分散してもよい。
【0089】
そして、CPU640が、これらのプログラム631〜635をROM630から読み出して実行することで、図12に示すように、各プログラム631〜635は、ステガノID抽出プロセス641、登録プロセス642、認証プロセス643、ステガノID埋め込みプロセス644および印刷物出力プロセス645として機能するようになる。各プロセス641〜645は、ステガノID抽出部22a、登録部22b、画像表示部32c、ステガノID埋め込み部15a、印刷物出力部15bにそれぞれ対応する。
【0090】
また、HDD610には、図12に示すように、ステガノID管理データテーブル611が設けられる。なお、ステガノID管理データテーブル611は、ステガノID管理テーブル23aに対応する。そして、CPU640は、ステガノID管理データテーブル611に対してデータを登録するとともに、ステガノID管理データテーブル611からステガノID管理データ621を読み出してRAM620に格納し、RAM620に格納されたステガノID管理データ621に基づいてステガノIDを管理する処理を実行する。
【0091】
(付記1)印刷物の画像を認証する画像認証システムであって、
濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなるコードを印字して印刷物を出力する出力手段と、
前記印刷物に印字されたコードと前記印刷物に記載された画像とを対応付けて画像コード記憶部に登録する登録手段と、
前記印刷物に印字されたコードを抽出して当該印刷物の画像を認証する認証手段と、
を備えたことを特徴とする画像認証システム。
【0092】
(付記2)前記出力手段は、前記コードのみを前記印刷物に印字して出力し、
前記登録手段は、前記出力手段によって出力された印刷物に画像が記載されたものを受け付け、当該印刷物に記載された画像と前記コードとを対応付けて前記画像コード記憶部に登録することを特徴とする付記1に記載の画像認証システム。
【0093】
(付記3)前記出力手段は、前記印刷物に記載されるべき画像に前記コードを埋め込み、当該コードが埋め込まれた画像を前記印刷物に印字して出力し、
前記登録手段は、前記出力手段によって出力される画像と当該画像に埋め込まれるコードとを対応付けて前記画像コード記憶部に登録することを特徴とする付記1に記載の画像認証システム。
【0094】
(付記4)前記認証手段は、前記印刷物に印字されたコードを抽出し、当該抽出されたコードに対応付けて前記画像コード記憶部に登録されている画像を所定の表示部に表示することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の画像認証システム。
【0095】
(付記5)前記認証手段は、前記印刷物から前記コードを抽出できない場合には、前記印刷物の画像を正規なものでないとして認証することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の画像認証システム。
【0096】
(付記6)正規のものとして認証するコードを認証コード記憶部に保持する保持手段をさらに備え、
前記認証手段は、前記印刷物に印字されたコードを抽出し、当該抽出されたコードが前記認証コード記憶部に記憶されているコードと一致しない場合には、前記印刷物の画像を正規なものでないとして認証することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の画像認証システム。
【0097】
(付記7)前記付記1に記載の出力手段によって出力された印刷物。
【0098】
(付記8)印刷物の画像を認証する画像認証方法であって、
濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなるコードを印字して印刷物を出力する出力工程と、
前記印刷物に印字されたコードと前記印刷物に記載された画像とを対応付けて画像コード記憶部に登録する登録工程と、
前記印刷物に印字されたコードを抽出して当該印刷物の画像を認証する認証工程と、
を含んだことを特徴とする画像認証方法。
【0099】
(付記9)印刷物の画像を認証する画像認証方法をコンピュータに実行させる画像認証プログラムであって、
濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなるコードを印字して印刷物を出力する出力手順と、
前記印刷物に印字されたコードと前記印刷物に記載された画像とを対応付けて画像コード記憶部に登録する登録手順と、
前記印刷物に印字されたコードを抽出して当該印刷物の画像を認証する認証手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像認証プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように、本発明に係る画像認証システムは、印刷物の画像を認証する場合に有用であり、特に、印刷物に記載される画像の量に関係なく、印刷物の画像を認証することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】エンコード処理の手順について説明するための図である。
【図2】コードが埋め込まれた画像の一例を示す図である。
【図3】実施例1に係る画像認証システムの概要および特徴を説明するための図である。
【図4】実施例1に係る画像認証システムの認証処理について説明するための図である。
【図5】実施例1に係る画像処理装置の構造を示すブロック図である。
【図6】原画像データを説明するための図である。
【図7】ステガノIDが埋め込まれた画像データを説明するための図である。
【図8】実施例1に係るステガノID管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図9】実施例1に係るスキャナの構成を示すブロック図である。
【図10】実施例1に係る画像認証システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図11】実施例2に係る画像認証システムを説明するための図である。
【図12】画像認証プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【図13】従来の画像認証処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0102】
1 画像認証システム
10 画像処理装置
11 通信制御IF
12 入出力制御IF
13 入力部
14 出力部
15 制御部
15a ステガノID埋め込み部
15b 印刷物出力部
15c 登録要求送信部
16a 画像データ記憶部
16b 記憶部
16c ステガノID埋め込み済画像データ記憶部
16d 印刷物画像記憶部
20 ステガノID管理サーバ
30 スキャナ
40 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の画像を認証する画像認証システムであって、
濃度が隣接ブロック間で異なる画像からなるコードを印字して印刷物を出力する出力手段と、
前記印刷物に印字されたコードと前記印刷物に記載された画像とを対応付けて画像コード記憶部に登録する登録手段と、
前記印刷物に印字されたコードを抽出して当該印刷物の画像を認証する認証手段と、
を備えたことを特徴とする画像認証システム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記コードのみを前記印刷物に印字して出力し、
前記登録手段は、前記出力手段によって出力された印刷物に画像が記載されたものを受け付け、当該印刷物に記載された画像と前記コードとを対応付けて前記画像コード記憶部に登録することを特徴とする請求項1に記載の画像認証システム。
【請求項3】
前記出力手段は、前記印刷物に記載されるべき画像に前記コードを埋め込み、当該コードが埋め込まれた画像を前記印刷物に印字して出力し、
前記登録手段は、前記出力手段によって出力される画像と当該画像に埋め込まれるコードとを対応付けて前記画像コード記憶部に登録することを特徴とする請求項1に記載の画像認証システム。
【請求項4】
前記認証手段は、前記印刷物に印字されたコードを抽出し、当該抽出されたコードに対応付けて前記画像コード記憶部に登録されている画像を所定の表示部に表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像認証システム。
【請求項5】
正規のものとして認証するコードを認証コード記憶部に保持する保持手段をさらに備え、
前記認証手段は、前記印刷物に印字されたコードを抽出し、当該抽出されたコードが前記認証コード記憶部に記憶されているコードと一致しない場合には、前記印刷物の画像を正規なものでないとして認証することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−251572(P2007−251572A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71789(P2006−71789)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】