説明

画像読取装置、画像読取方法及び画像形成装置

【課題】 任意のシートに形成された色画像を読み取る場合に、読み取りタイミングずれをイメージセンサ側で吸収できるようにすると共に、副走査方向の分解能を一定に維持できるようにする。
【解決手段】 複数の受光素子が主走査方向に配置されて構成される赤色、緑色及び青色検知用の読み取りセンサが主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、光源によって光が照射されるシートの副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取る一次元のイメージセンサ58と、このセンサ又は原稿30を副走査方向に相対的に移動する光学系駆動部59と、イメージセンサ58及び光学系駆動部59の入出力を制御する制御ユニット35とを備え、この制御ユニット35は、予め設定される変倍率に応じた副走査速度で光学系駆動部59を制御すると共に、当該変倍率に応じた読取制御信号で各々の色の読み取りセンサを独立に制御するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、白黒文書中に色画像を含む原稿を読み取ってカラー画像を形成するタンデム型のカラープリンタや、カラーファクシミリ装置、カラー複写機、これらの複合機等に適用して好適な画像読取装置、画像読取方法及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タンデム型のカラープリンタやカラー複写機、カラーファクシミリ装置、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。これらのカラー画像形成装置ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)色用の各々の露光手段、現像手段、感光体ドラムと、中間転写ベルト又は搬送材転写ベルト、及び定着装置とを備えている。
【0003】
例えば、Y色用の露光手段では任意の画像情報に基づいて感光体ドラムに静電潜像を描くようになされる。現像装置では感光体ドラムに描かれた静電潜像にY色用のトナーを付着してカラートナー像を形成する。感光体ドラムはトナー像を中間転写ベルトに転写する。他のM、C、BK色についても同様の処理がなされる。中間転写ベルトに転写されたカラートナー像は用紙に転写された後に定着装置によって定着される。
【0004】
ところで、この種のカラー画像形成装置によれば、3ラインカラーCCDセンサ等の一次元イメージセンサを用いたカラースキャナ機能が備えられる。このイメージセンサは、複数の受光素子列が主走査方向に配置されて構成される赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色光検知用のライン状の読み取りセンサが主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、光源によって光が照射される原稿(シート)の副走査方向の異なる位置で画素を分割して各々の色の光情報を同時に読み取るものである。
【0005】
このようなイメージセンサによれば、RGB各色の読み取りセンサの副走査方向の構造上の理由、すなわち、RGB各色の読み取りセンサの配置間隔により、複数ライン分の入力タイミングにずれが生じる。入力タイミングのずれは、スキャナの変調伝達関数(画像解像度とも呼ばれる;Modulation Transfer Function;以下MTFという))の低下や、各色間での画像解像度の劣化につながる。この副走査方向の入力タイミングのずれは、タイミング補正機能を導入して補正するようになされる。
【0006】
また、原稿を読み取る場合に、変倍率が入力タイミングのずれに関与するようになる。変倍率が100%、50%等の整数で設定される場合は、整数ラインを補正する手段を設けることで対処できる。例えば、各色別に複数ライン分のFIFOメモリを準備し、このFIFOメモリで遅延させて入力タイミングを揃えるようになされる。
【0007】
しかしながら、変倍率は、小数点設定しなければならない場合がある。例えば、A3版の原稿をA4版に縮小して画像を読み取る場合に、変倍率として70.7%が設定される。また、ズーム機能として無段階に任意の倍率が指定される。例えば、87.5%や62.5%が設定される。このような場合に、整数ラインの他に小数点ラインの補正が必要になる。この小数点ラインの発生は、変倍率に応じて副走査速度が変更され、1ライン未満のタイミングずれが生じるためである。
【0008】
この種の1ライン未満のタイミングずれの補正機能に関して、特許文献1には、画像読取装置、画像処理システム、画像読取方法、制御プログラムを提供する媒体及び制御プログラムが開示されている。この画像読取装置によれば、3ラインカラーCCDイメージセンサの使用を前提にして、ライン間補正部及びMTF補正部を備え、ライン間補正部でRGB色の位置を合わせるようにライン間補正がなされる。ライン間補正部は、整数ライン分の遅延を調整する遅延回路と、小数ライン分の遅延を補正する線形補間回路から構成される。
【0009】
小数ライン分の遅延は、前後2ラインの画像データを利用して線形補間処理される。MTF補正部は、ライン間補正部で生じたRGB色間のMTFの差を補正して解像度を揃える。このMTF差が補正されたRGB色画像に基づいて黒文字判定処理をするようになされる。このようにライン間補正部及びMTF補正部を備えて画像読取装置を構成すると、黒文字判定精度が向上するというものである。
【0010】
図13は、従来例に係るイメージセンサ58による画像読取データDr、Dg、Dbの遅延補正例を示す図である。
図13に示すイメージセンサ58は、3ラインカラーCCDイメージセンサを構成し、原稿画像を等倍で密着読み取り可能な機能を有するモジュールである。図13において、各矩形1つ1つが読取画素を示している。R色、G色及びB色光検知用の3つの読み取りセンサLr、Lg、Lbは、その同一半導体基板上で主走査方向にライン状に配置され、この主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置される。
【0011】
原稿画像は、副走査方向に分割された3つの読み取りセンサLr、Lg、Lbにより同時に検出される。読み取りセンサLrはR色光を読み取るライン状のセンサを構成し、主走査方向に配置されたR色光検知用の受光素子列を有している。読み取りセンサLgはG色光を読み取るライン状のセンサを構成し、主走査方向に配置されたG色光検知用の受光素子列を有している。読み取りセンサLbはB色光を読み取るライン状のセンサを構成し、主走査方向に配置されたB色光検知用の受光素子列を有している。
【0012】
また、RGB色光検知用のライン状の読み取りセンサLr、Lg、Lbにおいて、そのセンサ間の距離は、副走査方向の解像度600dpiに対して、例えば、4ライン分ずつ離れている。つまり、変倍率100%の場合に、R色光検知用の読み取りセンサLrと、G色光検知用の読み取りセンサLgとのセンサ間の距離は、4ラインだけ間隔が空き、R色光検知用の読み取りセンサLrと、B色光検知用の読み取りセンサLbとのセンサ間の距離は、8ライン間隔が空く状態となる。これにより、光源から光が照射される原稿30の副走査方向の異なる位置でイメージセンサ58により、画素を分割してR色、G色及びB色の光情報を同時に読み取るようになされる。
【0013】
特許文献1に見られるようなライン間補正部では、変倍率=100%の場合、図13において、R色を基準にして、R色−G色間で読み取りセンサLr、Lgの配置間隔に相当する4ライン分のタイミングずれを4lineFIFOメモリで吸収し、R色−B色間で読み取りセンサLr、Lbの配置センサ間隔に相当する8ライン分のタイミングずれを8lineFIFOメモリで吸収するようになされる。この例で画素値Rn、Gn、Bn(n=1,2,3,・・・)は、それぞれ1ライン主走査分のデータ群を示す。図13に示す例では、R色に関して画素値R1,R2・・・がR色成分の画像読取データDrを構成する。G色に関して画素値G1,G2・・・がG色成分の画像読取データDgを構成する。B色に関して画素値B1,B2・・・がB色成分の画像読取データDbを構成する。
【0014】
このように、等倍(変倍率=100%)での読取処理においては、4ライン間隔でRGB3チャンネルの画像読取信号を得ようとした場合、R色=遅延無し、G色4ライン遅延、B色=8ライン遅延といった具合に、FIFOを介してタイミングを調整するようになされる。変倍率が75%というような場合は、ライン間遅延量は3ラインずつとなり、R色=遅延無し、G色=3ライン遅延、B色=6ライン遅延といった具合にFIFOの遅延量を調整するようになされる。
【0015】
図14は、変倍率小数点設定時の画像読取データDr、Dg、Dbの線形補間例を示す図である。
図14に示す画像読取データDr、Dg、Dbの線形補間例によれば、変倍率=87.5%(A3版→B4版)というように変倍率が小数点設定された場合は、ライン間遅延が3.5ラインとなる。変倍率=90%の場合は、3.6ラインとなる。これは、相互に隣接する読み取りセンサLr,Lg,Lbの間隔4ライン分の幅を4ライン×87.5%=3.5ライン分の副走査時間で読み取る場合に相当する。ここで3.5ライン間隔のずれ量について、0.5ライン分は、連続した前後の2ライン間で0.5対0.5を設定して線形補間処理、つまり、2画素間での平均値を求めることで対処される。
【0016】
ここでG色を基準にすると、R色=0ライン+0.5ライン、G色=4ライン、B色=7ライン+0.5ライン遅延という状態となる。整数ラインに関して、G色=4ラインは、4lineFIFOメモリで吸収し、B色=7ラインは、7lineFIFOメモリで吸収する。
【0017】
小数点ラインの0.5ラインについては、特許文献1のライン間補正部に見られるように、遅延回路の後段に線形補間回路を接続して補間処理がなされる。この線形補間回路によれば、0.5ラインの遅延に関して、G色を基準にした場合に、R色とB色の画素値については、その平均化、すなわち、(前ラインデータ+次ラインデータ)/2(0.5:0.5)により補間処理するようになされる。この補間処理により得られる出力値をもって、0.5ラインずれのタイミングに相当する画像読取データとするようになされる。
【0018】
なお、特許文献2には、スキャナ及びカラー画像形成装置が開示されている。このスキャナによれば、3ラインカラーCCDセンサの構造上の理由から副走査方向の読み取りタイミングが複数ラインずれることを前提にして、カラー/モノクロ切り替えスイッチを備え、モノクロ画像読み取り動作での副走査速度をカラー画像読み取り動作での副走査速度のN倍に切り替えるように当該スイッチを操作するようになされる。このようにスキャナを構成すると、モノクロ画像の読み取り動作に必要な所要時間を短縮できるというものである。
【0019】
また、特許文献3には画像読取装置が開示されている。この画像読取装置によれば、3ラインカラーCCDセンサの3色間のセンサ感度バラツキを補正するために、蓄積時間を3色独立して制御するようになされる。このように画像読取装置を構成すると、S/N比が改善された高画質及び高品質の画像読取出力が取得できるというものである。
【0020】
【特許文献1】特開2003−174568号公報(第6頁 第4図)
【特許文献2】特開2003−101725号公報(第8頁 第4図)
【特許文献3】特開平 6−078107号公報(第8頁 第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
ところで、従来方式の画像読取装置及びこれを応用したカラー画像形成装置によれば、次のような問題がある。
【0022】
i.特許文献1及び2を含めて、3ラインCCDセンサ等のイメージセンサを有した画像読取装置には、ライン間補正部が設けられ、変倍率が小数点で設定された場合に、遅延回路で整数ラインを補正し、線形補間回路で小数点ラインを補正するようになされる。例えば、変倍率(以下原稿読取倍率ともいう)が小数点で設定された場合、G色を基準にして、他のR色及びB色について補間演算処理を施している。
【0023】
従って、画像形成後の黒横細線がRGB色同一レベルにならず、RB色の線が副走査方向でぼけてしまい色の滲みを生じることにつながってしまう。このように、RGB色の各々MTFがばらつくことから、当該画像読取装置を応用したカラー画像形成装置において、画像形成品質の低下につながるおそれがある。
【0024】
ii.また、特許文献1によれば、ライン間補正部の後段にMTF補正部を設け、ライン間補正部で劣化したMTFをMTF補正用の空間フィルタ等により後から補正するようになされる。従って、ライン間補正部とは別に解像度を揃えるためのMTF補正部を設けなくてはならなくなり、コストアップにつながるおそれがある。
【0025】
iii.なお、特許文献3に見られる画像読取装置によれば、3ラインカラーCCDセンサで蓄積時間を3色独立して制御しているが、3色間のセンサ感度バラツキを補正するために、画素密度変換手段を設けなくてはならず、回路規模が増加したり、それに伴いコストアップにつながるおそれがある。
【0026】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、任意のシートに形成された色画像を読み取る場合に、読み取りタイミングずれをイメージセンサ側で吸収できるようにすると共に、副走査方向の分解能を一定に維持できるようにした画像読取装置、画像読取方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像読取装置は、任意のシートに形成された色画像を読み取る装置であって、シートに光を照射する光源と、複数の受光素子が主走査方向に配置されて構成される赤色、緑色及び青色検知用の読み取りセンサが主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、光源によって光が照射されるシートの副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取る一次元のイメージセンサと、このイメージセンサ又はシートを副走査方向に相対的に移動する移動手段と、イメージセンサ及び移動手段の入出力を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、予め設定される原稿読取倍率に応じた副走査速度で移動手段を制御すると共に、当該原稿読取倍率に応じた読取制御信号で各々の色の読み取りセンサを独立に制御することを特徴とするものである。
【0028】
本発明に係る画像読取装置によれば、任意のシートに形成された色画像を読み取る場合に、複数の受光素子が主走査方向に配置されて構成される赤色、緑色及び青色検知用の読み取りセンサが主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、光源によって光が照射されるシートの副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取る一次元のイメージセンサが使用される。これを前提にして、光源からシートには光が照射される。制御手段は、イメージセンサ及び移動手段の入出力を制御する。制御手段は、予め設定される原稿読取倍率に応じた副走査速度で移動手段を制御する。これにより、移動手段は、イメージセンサ又はシートを副走査方向に相対的に移動する。制御手段は、当該原稿読取倍率に応じた読取制御信号で各々の色の読み取りセンサを独立に制御する。
【0029】
従って、副走査方向に配置された読み取りセンサ順に副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取ることができる。例えば、シート読み取りの際の原稿読取倍率によって副走査速度が変化し、読み取りセンサ間隔に伴う走査タイミングがずれた場合、特に、1ライン読取周期未満の読み取りタイミングにずれが生じた場合であっても、この読み取りタイミングずれをイメージセンサ側で吸収することができる。
【0030】
本発明に係る画像読取方法は、任意のシートに形成された色画像を読み取る方法であって、複数の受光素子が主走査方向に配置されて構成される赤色、緑色及び青色検知用の読み取りセンサが主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、当該副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取る一次元のイメージセンサを使用し、シートを読み取る際に原稿読取倍率を設定し、ここで設定された原稿読取倍率に基づく副走査速度でシート又はイメージセンサを副走査方向に相対的に移動すると共に、当該原稿読取倍率に基づく読取制御信号で各々の色の読み取りセンサを独立に制御し、シートに光を照射すると共に、当該シートから戻ってくる光情報を読み取ることを特徴とするものである。
【0031】
本発明に係る画像読取方法によれば、任意のシートに形成された色画像を読み取る場合に、副走査方向に配置された読み取りセンサ順に副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取ることができる。
【0032】
従って、シート読み取りの際の原稿読取倍率によって副走査速度が変化し、読み取りセンサ間隔に伴う走査タイミングがずれた場合、特に、1ライン蓄積時間(1ライン読取周期)未満の読み取りタイミングにずれが生じた場合であっても、この読み取りタイミングずれをイメージセンサ側で吸収することができる。
【0033】
本発明に係る画像形成装置は、任意のシートに形成された色画像を読み取って色画像を形成する装置であって、シートに形成された色画像を読み取る画像読取装置と、画像読取装置により読み取って得た色画像情報に基づいて色画像を形成する画像形成手段とを備え、画像読取装置は、シートに光を照射する光源と、複数の受光素子が主走査方向に配置されて構成される赤色、緑色及び青色検知用の読み取りセンサが主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、光源によって光が照射されるシートの副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取る一次元のイメージセンサと、このイメージセンサ又はシートを副走査方向に相対的に移動する移動手段と、イメージセンサ及び移動手段の入出力を制御する制御手段とを有し、制御手段は、予め設定される原稿読取倍率に応じた副走査速度で移動手段を制御すると共に、当該原稿読取倍率に応じた読取制御信号で各々の色の読み取りセンサを独立に制御することを特徴とするものである。
【0034】
本発明に係る画像形成装置によれば、任意のシートに形成された色画像を読み取って色画像を形成する場合に、本発明に係る画像読取装置が応用されるものである。従って、副走査方向に配置された読み取りセンサ順に時系列に読み取られた副走査方向の同一位置の各々の色の光情報に基づいて色画像を形成することができる。これにより、変倍率(読取倍率×センサーライン間隔)が小数点以下に値を持つように設定された場合であっても、黒細線等に着色されない高品質の画像を形成することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る画像読取装置及び画像読取方法によれば、任意のシートに形成された色画像を読み取る場合に、イメージセンサ及び移動手段の入出力を制御する制御手段を備え、この制御手段は、予め設定される原稿読取倍率に応じた副走査速度で移動手段を制御すると共に、当該原稿読取倍率に応じた読取制御信号で各々の色の読み取りセンサを独立に制御するものである。
【0036】
この構成によって、副走査方向に配置された読み取りセンサ順に副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取ることができる。従って、原稿読取倍率が変わって、1ライン蓄積時間(1ライン読み取り周期)未満の読み取りタイミングにずれが生じた場合であっても、この読み取りタイミングずれをイメージセンサ側で吸収することができる。これにより、副走査方向の分解能を一定に維持することができるばかりか、整数ライン分のずれを補正する遅延回路の後段に準備されていた線形補間回路を省略することができる。
【0037】
本発明に係る画像形成装置によれば、任意のシートに形成された色画像を読み取って色画像を形成する場合に、本発明に係る画像読取装置が応用されるものである。
【0038】
この構成によって、副走査方向に配置された読み取りセンサ順に時系列に読み取られた副走査方向の同一位置の各々の色の光情報に基づいて色画像を形成することができる。従って、変倍率(読取倍率×センサーライン間隔)が小数点以下の値を持つように設定された場合であっても、黒細線等に着色されない高品質の画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施例に係る画像読取装置、画像読取方法及び画像形成装置について説明をする。
【実施例1】
【0040】
図1は、本発明の第1の実施例としてのカラースキャナ100の構成例を示す概念図である。
この実施例では、任意のシートに形成された色画像を読み取る場合に、イメージセンサ及び移動手段の入出力を制御する制御手段を備え、予め設定される原稿読取倍率に応じた副走査速度で移動手段を制御すると共に、当該原稿読取倍率に応じた読取制御信号で各々の色の読み取りセンサを独立に制御して、副走査方向に配置された読み取りセンサ順に副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取れるようにすると共に、原稿読取倍率が変わって、1ライン読取周期未満の読み取りタイミングにずれが生じた場合であっても、この読み取りタイミングずれをイメージセンサ側で吸収できるようにしたものである。
【0041】
図1に示すカラースキャナ100は、画像読取装置の一例であり、任意のシートに形成された色画像を読み取る装置である。この画像読取装置は、カラースキャナ100の他にタンデム型のカラープリンタやカラー複写機、カラーファクシミリ装置、これらの複合機等に適用して好適である。カラースキャナ100は、スキャナ部11及びスキャナ本体11aを有しており、スリットスキャンスキャナを構成する。スキャナ本体11aには、例えば、自動原稿給紙装置(ADF)40が取り付けられており、ADFモード時に、任意のシート(以下原稿30という)を自動給紙するように動作する。ここにADFモードとは、ADF40に載置された原稿30を自動給紙して原稿画像を自動的に読み取る動作をいう。
【0042】
ADF40は原稿載置部41、ローラ42a、ローラ42b、ローラ43、搬送ローラ44及び排紙皿46を有している。原稿載置部41には一又は複数の原稿30が載置される。原稿載置部41の下流側にはローラ42a及びローラ42bが設けられ、自動給紙モードが選択されたとき、原稿載置部41から繰り出された原稿30は、下流側のローラ43によってU字回転するように搬送される。なお、ADFモードが選択された場合、原稿30の記録面は原稿載置部41で上に向けて載置するようになされる。
【0043】
スキャナ部11は、原稿30を読み取って画像読取情報を取得するようになされる。スキャナ部11には一次元のイメージセンサ58が備えられ、例えば、ADFモード時に、原稿30がローラ43によってU字状に反転するときに、その原稿30の表面を読み取って画像読取信号Soutを出力するようになされる。イメージセンサ58には3ラインカラーCCD撮像装置が使用される。
【0044】
イメージセンサ58は、複数の受光素子列が主走査方向に配置されて構成される赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色光検知用の3つの読み取りセンサが主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、光が照射される原稿30の副走査方向の同一位置で画素を分割してR色、G色及びB色の光情報を時系列に読み取るようになされる。
【0045】
スキャナ部11で読み取られた原稿30は、搬送ローラ44により搬送されて排紙皿46へ排紙される。また、イメージセンサ58は、プラテンモード時に、原稿30を読み取って得たRGB色系の画像読取信号Soutを出力するようになされる。ここにプラテンモードとは、プラテンガラス上に載置された原稿30に光学駆動系を走査して原稿画像を自動的に読み取る動作をいう。
【0046】
スキャナ部11はイメージセンサ58の他に、第1のプラテンガラス51、第2のプラテンガラス(ADFガラス)52、光源53、ミラー54、55、56、結像光学部57及び光学系駆動部59を有している。光源53は、原稿30に光を照射するように動作する。
【0047】
光学系駆動部59は移動手段の一例を構成し、モータ59’を有している。モータ59’は光学系駆動部59に取り付けられる。光学系駆動部59は、モータ59’の回転力を受けて、原稿30又はイメージセンサ58を副走査方向に相対的に移動するように動作する。この例で、光学系駆動部59はプラテンモード時に、光源53、ミラー54、55、56等の光学系を副走査方向に移動するようになされる。副走査方向とは、イメージセンサ58を構成する複数の受光素子の配置方向を主走査方向としたとき、この主走査方向と直交する方向をいう。この例でモータ59’は、原稿読取倍率(以下変倍率Zという)に応じて副走査方向の読取速度を可変するようにモータ制御がなされる。
【0048】
一方、スキャナ本体には、設定手段の一例となる操作パネル48が設けられ、原稿30を読み取る際に変倍率Zを設定するように操作される。操作パネル48は、任意の原稿30を読み取って得られた画像読取データDoutをプリンタ等に出力するように操作される。操作パネル48は、ADFモード又はプラテンモードを選択するように操作される。
【0049】
また、スキャナ本体内には、制御ユニット35が設けられる。この例で、制御ユニット35は、上述のイメージセンサ58の出力段に接続され、予め設定された変倍率Zに応じた副走査速度で光学系駆動部59等を制御すると共に、当該変倍率Zに応じた読取制御信号で各々の色の読み取りセンサを独立に制御する。例えば、制御ユニット35は、操作パネル48によって設定された変倍率Zに基づくモータ制御信号(副走査速度制御信号)S1を光学系駆動部59に出力すると共に、変倍率Zに基づく各種の読み取りタイミング信号SHr、SHg、SHbをイメージセンサ58に独立に出力するようになされる。
【0050】
制御ユニット35には、タイミングコントローラ34が設けられ、上述のイメージセンサ58に読み取りタイミング信号SHr、SHg、SHbを出力し、各々の読み取りセンサ毎に、2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS、クランプ信号CPを出力してイメージセンサ58の読み取り制御を実行する。
【0051】
もちろん、制御ユニット35は、スキャナ部11によって取得されたRGB色系の画像読取信号Soutをアナログ信号処理したり、補正処理したり、メモリアクセス制御等を実行する。制御ユニット35には、例えば、USB規格等の出力端子9が接続される。出力端子9は、USB規格の通信ケーブルを通じてプリンタ等に接続され、画像読取データDoutを伝送するようになされる。
【0052】
図2は、3ラインカラー用のイメージセンサ58の構成例を示す概念図である。図2に示すイメージセンサ58は、CCDリニアイメージセンサを構成し、原稿画像を等倍で密着読み取り可能な機能を有するモジュールである。図2において、各矩形1つ1つが読取画素を示している。イメージセンサ58が600dpiの等倍読取用のCCDリニアイメージセンサモジュールを構成する場合に、1画素の大きさをa×bとすると、a=42μm、b=42μm程度である。R色、G色及びB色光検知用の3つの読み取りセンサLr、Lg、Lbは、例えば、その同一半導体基板上で主走査方向に、42μm×42μm角程度の受光素子群(フォトセンサアレイ)が数千個ライン状に配置され、この主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置される。この例で副走査方向への受光素子の配置ピッチをw(=4×b)とすると、wは168μm程度である。
【0053】
原稿画像は、副走査方向に分割された3つのライン状の読み取りセンサLr、Lg、Lbにより同時に検出される。読み取りセンサLrはR色光を読み取るライン状のセンサを構成し、主走査方向に配置されたR色光検知用の受光素子列を有している。読み取りセンサLgはG色光を読み取るライン状のセンサを構成し、主走査方向に配置されたG色光検知用の受光素子列を有している。読み取りセンサLbはB色光を読み取るライン状のセンサを構成し、主走査方向に配置されたB色光検知用の受光素子列を有している。
【0054】
また、RGB色光検知用のライン状の読み取りセンサLr、Lg、Lbにおいて、そのセンサ間の距離は、副走査方向の解像度600dpiに対して、4ライン分ずつ離れている。つまり、変倍率100%の場合に、R色光検知用の読み取りセンサLrと、G色光検知用の読み取りセンサLgとのセンサ間の距離は、4ラインだけ間隔が空き、R色光検知用の読み取りセンサLrと、B色光検知用の読み取りセンサLbとのセンサ間の距離は、8ライン間隔が空く状態となる。
【0055】
図3はイメージセンサ58の内部構成例を示すブロック図である。図3に示すイメージセンサ58はRGB色光検知用のライン状の読み取りセンサLr、Lg及びLbから構成される。R色光検知用の読み取りセンサLrは、m個のフォトダイオードPDi(i=1〜m)、シフトゲート81、シフトレジスタ82、読出し回路83、リセット回路84、センスアンプ85及び出力端子86から構成される。フォトダイオードPDiの数は、例えば、m=7500画素程度である。
【0056】
フォトダイオードPDiは、光が照射された原稿30からの反射光を受光して光電変換をする。各々のフォトダイオードPDiにはシフトゲート81が接続され、各々のフォトダイオードPDiの光電変換によって得られた電荷を読み取りタイミング信号SHrに基づいて読み取り制御するようになされる。
【0057】
シフトゲート81には、シフトレジスタ82が接続され、2相クロック信号φ1A、φ2A等に基づいて読出し電荷を主走査方向(水平方向)へ転送し電荷を蓄積するようになされる。シフトレジスタ82には読出し回路83が接続され、読出しクロック信号φ2Bに基づいて蓄積電荷を読み出すようになされる。
【0058】
読出し回路83にはリセット回路84が接続され、リセット信号RSに基づいて1ライン蓄積時間(1ライン読み取り周期)毎に蓄積電荷を掃き出して当該読み取りセンサLrをリセットするようになされる。
【0059】
リセット回路84には、センスアンプ85が接続され、1ライン読み取り期間中にクランプ信号CPに基づいて読出し電荷を増幅し、R色成分のアナログの画像読取信号Srを出力する。R色成分のアナログの画像読取信号SrはR色用の出力端子86を通じて制御ユニット35に出力される。
【0060】
同様にして、G色光検知用の読み取りセンサLgは、読み取りセンサLrと独立して供給される読み取りタイミング信号SHgに基づいて、G色成分のアナログの画像読取信号SgをG色用の出力端子86を通じて制御ユニット35に出力する。B色光検知用の読み取りセンサLbも、読み取りセンサLrと独立して供給される読み取りタイミング信号SHbに基づいて、B色成分のアナログの画像読取信号SbをB色用の出力端子86を通じて制御ユニット35に出力する。なお、G色、B色光検知用の読み取りセンサLg及びLbについては、R色光検知用の読み取りセンサLrと同じ構成及び機能を有するので、その説明を省略する。
【0061】
これにより、光源53によって光が照射される原稿30の副走査方向の同一位置でイメージセンサ58により、画素を分割してR色、G色及びB色の光情報を時系列に読み取ることができる。イメージセンサ58は、コンタクトイメージセンサに限られることはなく、縮小光学系から成る3ラインカラーCCD撮像装置であっても良い。
【0062】
図4は、カラースキャナ100の制御系の構成例を示すブロック図である。図3に示すカラースキャナ100は、制御ユニット35を有しており、制御ユニット35には、イメージセンサ58及び操作パネル48が接続される。制御ユニット35は、MPU(マイクロプロセッサ)15、RGB色用の各々のアナログ信号処理部31R、31G、31B、各々の補正処理部32R、32G、32B、各々のメモリアクセス制御部33R、33G、33B、タイミングコントローラ34、画像メモリ36及び光学系駆動制御部37を有している。
【0063】
R色チャンネル(Rch)のアナログ信号処理部31Rは、図示しないアナログ・デジタル(A/D)変換器を有している。アナログ信号処理部31Rは、イメージセンサ58からR色成分の画像読取信号Sout(=Sr)を入力してA/D変換し、例えば、1画素当たり10ビットの画像読取データDrを出力するようになされる。
【0064】
同様にして、G色チャンネル(Gch)のアナログ信号処理部31Gは、イメージセンサ58からG色成分の画像読取信号Sout(=Sg)を入力してA/D変換し、1画素当たり10ビットの画像読取データDgを出力するようになされる。B色チャンネル(Bch)のアナログ信号処理部31Bは、イメージセンサ58からB色成分の画像読取信号Sout(=Sb)を入力してA/D変換し、1画素当たり10ビットの画像読取データDbを出力するようになされる。
【0065】
補正処理部32Rは、シェーディング補正処理、タイミング補正処理、γ補正処理、変倍処理及び空間フィルタ処理等をするようになされる。例えば、アナログ信号処理部31Rから1画素当たり10ビットのR色チャンネルの画像読取データDrをシェーディング補正処理し、その後、γ変換処理を通して8ビットの画像読取データDrに置き換えられる。
【0066】
補正処理部32Gも、シェーディング補正処理、タイミング補正処理、γ補正処理、変倍処理及び空間フィルタ処理等をするようになされる。例えば、アナログ信号処理部31Gから1画素当たり10ビットのG色チャンネルの画像読取データDgをシェーディング補正処理し、その後、γ変換処理を通して8ビットの画像読取データDgに置き換えられる。
【0067】
補正処理部32Bも、シェーディング補正処理、タイミング補正処理、γ補正処理、変倍処理及び空間フィルタ処理等をするようになされる。例えば、アナログ信号処理部31Bから1画素当たり10ビットのB色チャンネルの画像読取データDbをシェーディング補正処理し、その後、γ変換処理を施して8ビットの画像読取データDbに置き換えられる。
【0068】
この例で、R色成分の画像読取信号Srを読み取り基準とした場合に、G色チャンネルの補正処理部32Gには、遅延回路61Gが設けられ、B色チャンネルの補正処理部32Bには、遅延回路61Bが各々設けられる。各々の遅延回路61G,61Bは、光学系駆動部59により移動されるシートからイメージセンサ58により読み取って得た光情報に関して各々の色検知用の読み取りセンサLr、Lg、Lb間での整数ライン分のずれを補正するように動作する。遅延回路61G及び61Bには、遅延段数可変機能を有したFIFOメモリが使用される。
【0069】
また、RGB色各チャンネルの補正処理部32R、32G、32Bの各々には、図示しないγ補正部、変倍処理部、空間フィルタ処理部等の画像処理部が接続され、輝度や濃度変換、γ補正等を実行するようになされる。上述の補正処理部32Rには、Rch用のメモリアクセス制御部33Rが接続される。メモリアクセス制御部33Rは、画像読取データDrの書き込み読み出し制御(MEM制御)を実行する。例えば、メモリアクセス制御部33Rは、画像読取データDrを符号化して圧縮し、圧縮後の画像読取データDrを画像メモリ36に一時格納したり、画像読取データDrを復号化して伸長し、伸長後の画像読取データDrをプリンタ等に出力する圧縮伸長制御を実行する。
【0070】
また、補正処理部32Gには、Gch用のメモリアクセス制御部33Gが接続される。メモリアクセス制御部33Gは、上述と同様にして画像読取データDgのMEM制御を実行する。例えば、メモリアクセス制御部33Gは、画像読取データDgを符号化して圧縮し、圧縮後の画像読取データDgを画像メモリ36に一時格納したり、画像読取データDgを復号化して伸長し、伸長後の画像読取データDgをプリンタ等に出力する圧縮伸長制御を実行する。
【0071】
更に、補正処理部32Bには、Bch用のメモリアクセス制御部33Bが接続される。メモリアクセス制御部33Bは、同様にして画像読取データDbのMEM制御を実行する。例えば、メモリアクセス制御部33Bは、画像読取データDbを符号化して圧縮し、圧縮後の画像読取データDbを画像メモリ36に一時格納したり、画像読取データDbを復号化して伸長し、伸長後の画像読取データDbをプリンタ等に出力する圧縮伸長制御を実行する。画像メモリ36にはDRAMやハードディスクが使用される。
【0072】
上述の補正処理部32R、32G、32B及びメモリアクセス制御部33R、33G、33Bには、システムバス29が接続される。システムバス29には、MPU(Micro Processor Unit)15、画像メモリ36、光学系駆動制御部37及び操作パネル48が接続される。システムバス29は、データを転送するためのデータバスや、各種制御信号を伝送する制御バスから構成される。
【0073】
この例で、光学系駆動制御部37には光学系駆動部59のモータ59’が接続される。光学系駆動制御部37は、MPU15の制御を受けてモータ59’を制御するようになされる。例えば、光学系駆動制御部37は、副走査方向の読取速度を可変すべく、変倍率Zに応じたモータ制御信号S1をモータ59’に出力する。モータ59’は、モータ制御信号S1に基づく回転速度で回転する(モータ制御)。
【0074】
MPU15は、操作パネル48によって設定された変倍率Zに基づいて補正処理部32R、32G、32Bの入出力を制御する。操作パネル48は操作部14及び表示部18から構成される。操作部14は、原稿30を読み取る際に変倍率Zを設定するように操作される他に、ADFモード又はプラテンモードを選択するように操作される。表示部18は、変倍率Zに関して、例えば、百分率で表示するようになされる。100%、90%、80%といった整数設定の他に、87.5%、72.8%等の小数点設定も可能となされている。
【0075】
例えば、MPU15は、変倍率Zに基づく各々の色の読み取りセンサLr、Lg、Lb間での小数ライン分のずれを補正する遅延量を演算する。MPU15にはタイミングコントローラ34が接続され、MPU15から出力される遅延量に基づいて読み取りタイミング信号SHg、SHbを作成するようになされる。
【0076】
この例では、読み取りセンサLr、Lg、Lbの副走査方向のセンサ間隔をNラインとし、各読み取りセンサLr、Lg、Lbの1ライン蓄積時間をTとし、原稿距離をtとしたとき、変倍率Z=100%である等倍読取処理では、このセンサ間隔Nラインに相当する原稿距離t=NTの時間で原稿30又は光学系駆動部59を副走査するようになされる。
【0077】
また、任意の変倍率Z(Z≠100%)で変倍読取処理する場合は、このセンサ間隔Nラインの幅を変倍率Zに比例したZNTの時間で副走査することになる。このとき、ZNの小数分ラインに当たる時間について、読み取りセンサLr、Lg、Lb間で遅延時間を考慮して読み取りタイミングSHr、SHg、SHbをずらすことで、残りZNの整数分ラインを補正処理部32Gの遅延回路61G及び補正処理部32Bの遅延回路61Bで補正するようになされる。
【0078】
例えば、変倍率Z=90%が設定された場合に、MPU15は、センサ間隔4ライン×90%を演算して、ライン間遅延量=3.6ラインを取得する。ここでR色用の読み取りセンサLrを基準にした場合、R色用の読み取りセンサLrとG色用の読み取りセンサLg間の間隔が3.6ラインとなり、R色用の読み取りセンサLrとB色用の読み取りセンサLb間の間隔が7.2ラインとなる。
【0079】
この場合、センサLr−Lg間の整数分ラインは3ラインであり、その小数分ラインは0.6ラインであり、センサLr−Lb間の整数分ラインは7ラインであり、その小数分ラインは0.2ラインである。ここでは、センサLrを基準にしているので、R色成分の画像読取データDrに関しては、FIFOメモリ遅延無し、すなわち、補正処理部32Rには遅延回路が設けられない。もちろん、基準を変える場合には、補正処理部32Rに遅延回路を設けるようになされる。
【0080】
これを前提して、MPU15は、G色用の読み取りセンサLgに対してGt=0.6Tの遅延時間を考慮した読み取りタイミング信号SHgを出力するようにタイミングコントローラ34を制御する。読み取りタイミングは、MTF劣化を防止できるようにするために蓄積時間を共通とし、そのタイミングを相対的にずらすようになされる。例えば、読み取りタイミング信号SHgやSHbを読み取りタイミング信号SHrの前後のいずれかにずらすようにすればよい。また、補正処理部32Gの遅延回路61Gに対しては、FIFOメモリの遅延段数=3ライン分を設定するようになされる。
【0081】
同様にして、MPU15は、B色用の読み取りセンサLbに対してBt=0.2Tの遅延時間を考慮した読み取りタイミング信号SHbを出力するようにタイミングコントローラ34を制御する。また、補正処理部32Bの遅延回路61Bに対しては、FIFOメモリの遅延段数=7ライン分を設定するようになされる。
【0082】
図5は、タイミングコントローラ34の内部構成例を示すブロック図である。図5に示すタイミングコントローラ34は、クロック発振器71、タイミング信号発生器72及びタイミング補正部73から構成される。
【0083】
クロック発振器71は、図示しない水晶発振子等を有して所定の周波数の基準クロック信号CLKを発振する。クロック発振器71にはタイミング信号発生器72が接続される。タイミング信号発生器72では、MPU15から変倍率Zに基づく信号作成コマンドD1を入力して基準クロック信号CLKを分周や逓倍、波形成形等の信号処理をして読み取りセンサLr用の読み取りタイミング信号SHrと、各々の読み取りセンサLr、Lg、Lb用の2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS、クランプ信号CPを発生する。
【0084】
タイミング信号発生器72にはタイミング補正部73が接続される。タイミング補正部73は、読み取りセンサLg用の遅延回路(DELY)74及び読み取りセンサLb用の遅延回路(DELY)75を有している。遅延回路74は、変倍率Zに基づく第1の小数ライン調整データD4を入力し、この小数ライン調整データD4に基づいて読み取りタイミング信号SHrを遅延し、遅延後の読み取りタイミング信号SHrを読み取りセンサLg用の読み取りタイミング信号SHgとして出力する。上述の例では、小数ライン調整データD4によって遅延時間Gt=0.6Tが設定され、このGt=0.6Tを考慮した読み取りタイミング信号SHgがG色用の読み取りセンサLgに出力される。
【0085】
同様にして、遅延回路75は、変倍率Zに基づく第2の小数ライン調整データD5を入力し、この小数ライン調整データD5に基づいて読み取りタイミング信号SHrを遅延し、遅延後の読み取りタイミング信号SHrを読み取りセンサLb用の読み取りタイミング信号SHbとして出力する。上述の例では、小数ライン調整データD5によって遅延時間Bt=0.2Tが設定され、このBt=0.2Tを考慮した読み取りタイミング信号SHbがB色用の読み取りセンサLbに出力される。
【0086】
図6A及びBは、原稿読取時の読み取りセンサLrと同センサLgとの遅延関係例を示すタイムチャートである。図6Aにおいて、Tは各センサLr、Lg等における1ライン蓄積時間である。
【0087】
この例では、変倍率Z=90%が設定された場合に、図3に示した読み取りセンサLrには、タイミングコントローラ34から、図6Aに示す読み取りタイミング信号SHrが供給される。Lr用の2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS及びクランプ信号CPは、読み取りタイミング信号SHrを基準にしてタイミングコントローラ34から読み取りセンサLrへ出力される。
【0088】
これに対して、図6Aに示した読み取りタイミング信号SHrから遅延時間Gt=0.6Tだけ遅れた読み取りタイミング信号SHgがタイミングコントローラ34から図3に示した読み取りセンサLgへ供給される。Lg用の2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS及びクランプ信号CPは、読み取りタイミング信号SHgを基準にしてタイミングコントローラ34から読み取りセンサLgへ出力される。
【0089】
図7A及びBは、原稿読取時の読み取りセンサLrと読み取りセンサLbとの関係例を示すタイムチャートである。
この例で、変倍率Z=90%が設定された場合に、図7Aに示した読み取りタイミング信号SHrから遅延時間Bt=0.2Tだけ遅れた読み取りタイミング信号SHbがタイミングコントローラ34から図3に示した読み取りセンサLbへ供給される。Lb用の2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS及びクランプ信号CPは、読み取りタイミング信号SHbを基準にしてタイミングコントローラ34から読み取りセンサLbへ出力される。これにより、各読み取りセンサLr、Lg、Lbの駆動タイミングを1ライン蓄積時間内で各色独立にずらして駆動制御できるようになる。
【0090】
図8は、変倍率Z=90%時の補正処理部32R、32G、32Bにおけるライン間遅延の補正例を示す図である。この例で変倍率Z=90%が設定された場合に、図8に示すイメージセンサ58から補正処理部32Bの遅延回路61Bへ画像読取データDbが到達すると、これから4ライン遅れて画像読取データDgが補正処理部32Gの遅延回路61Gに到達する。画像読取データDbは、画素値B1、B2、B3・・・から構成される。画像読取データDgは、画素値G1、G2、G3・・・から構成される。
【0091】
更に、3ライン遅れて画像読取データDrが補正処理部32Rに入力される。画像読取データDrは、画素値R1、R2、R3・・・から構成される。このセンサLr−Lg間の整数分ラインは、3ラインである。この例では、MPU15から遅延回路61Gには、FIFOメモリ遅延段数=3ライン分が設定されることから、画像読取データDgのセンサLr−Lg間の整数3ライン分の遅延時間が遅延回路61Gで吸収される。
【0092】
また、センサLr−Lb間の整数分ラインは7ラインである。この例では、MPU15から遅延回路61Bには、FIFOメモリ遅延段数=7ライン分が設定されることから、画像読取データDbのセンサLr−Lb間の整数7ライン分の遅延時間が遅延回路61Bで吸収される。画像読取データDrはそのまま出力される。このDr,Dg、Dbは画像読取データDoutを構成する。
【0093】
次に、本発明に係る画像読取方法について説明する。図9は、カラースキャナ100における画像読取例を示すフローチャートである。
この実施例では、変倍率Zの設定に応じて任意の原稿30から色画像を読み取る場合を前提とする。カラースキャナ100には、RGB色の各々の読み取りセンサLr、Lg、Lb間の副走査方向の間隔が4ラインに相当する一次元のイメージセンサ58が使用される。この例で、R色の読み取りセンサLrを基準とする場合であって、変倍率Z≠100%が設定された場合、小数分ライン遅延については、イメージセンサ側で吸収し、整数分ライン遅延分については、G色の補正処理部32Gの遅延回路61G及びB色の補正処理部32Bの遅延回路61Bで各々補正する場合を例に挙げる。これらを画像読取条件にして、図9に示すフローチャートのステップA1で、MPU15は、原稿30のセットを待機する。
【0094】
[プラテンモード]
例えば、ユーザは、プラテンガラス上のADF40を上方に開き、プラテンガラス上に画像形成面を伏せた状態で原稿30を配置し、その後、プラテンカバー50を覆うようにADF40を下方に操作する。これにより、プラテンガラス上に配置された原稿30は、画像形成面を下向きにしてプラテンカバー50で覆い被された状態となる。プラテンガラス上の原稿30は、周知の用紙検知技術により、「原稿がプラテンガラス上にセットされた」ことを示す用紙検知信号によってMPU15に認知される。
【0095】
次に、ステップA2でMPU15は、変倍率Zを入力して設定する。変倍率Zは操作パネル48を使用してユーザにより設定される。変倍率Zは整数及び小数点入力が可能となされる。変倍率Zのデフォルト値は100%である。変倍率Zとして例えば、90%等が設定される。
【0096】
MPU15は、センサ間隔4ライン×90%を演算して、ライン間遅延量=3.6ラインを取得する。この例では、R色用の読み取りセンサLrを基準としているので、R色用の読み取りセンサLrとG色用の読み取りセンサLg間の間隔が3.6ラインとなり、R色用の読み取りセンサLrとB色用の読み取りセンサLb間の間隔が7.2ラインとなる。
【0097】
この演算結果を得たMPU15は、G色用の読み取りセンサLgに対してGt=0.6Tの遅延時間を考慮した読み取りタイミング信号SHgを作成するような信号作成コマンドD1をタイミングコントローラ34に出力する。この例で、MPU15は、遅延時間Gt=0.6Tを設定するための数ライン調整データD4を遅延回路74に出力する。また、補正処理部32Gの遅延回路61Gに対しては、FIFOメモリの遅延段数=3ライン分を設定するようになされる。
【0098】
同様にして、MPU15は、B色用の読み取りセンサLbに対してBt=0.2Tの遅延時間を考慮した読み取りタイミング信号SHbを作成するような信号作成コマンドD1をタイミングコントローラ34に出力する。MPU15は、遅延時間Bt=0.2Tを設定するための小数ライン調整データD5を遅延回路75に出力する。また、補正処理部32Bの遅延回路61Bに対しては、FIFOメモリの遅延段数=7ライン分を設定するようになされる。
【0099】
そして、ステップA3に移行してMPU15は、ADFモード又はプラテンモードに基づいて制御を分岐する。この例ではプラテンモードが設定されたので、ステップA4に移行してスタート又はストップボタンの押下によって制御を分岐する。スタートボタンが押下された場合は、ステップA5に移行して用紙検知信号及びスタートボタン押下によるスタートオン信号をトリガにして、光学系駆動制御部37は、原稿30に対して相対的に光学系駆動部59を副走査方向に移動開始する。
【0100】
そして、ステップA6に移行して、イメージセンサ58は、原稿30を読み取る。このとき、イメージセンサ58は、光源53によって光が照射される原稿30の副走査方向の同一の位置でR色、G色及びB色の光情報を時系列に読み取るようになされる。例えば、図5に示したタイミングコントローラ34では、クロック発振器71で発振された所定の周波数の基準クロック信号CLKがタイミング信号発生器72に出力される。タイミング信号発生器72は、MPU15から変倍率Zに基づく信号作成コマンドD1と、クロック発振器71から基準クロック信号CLKとを入力し、信号作成コマンドD1に基づいて基準クロック信号CLKを分周や逓倍、波形成形等の信号処理を実行する。
【0101】
この信号処理の実行の結果、タイミング信号発生器72は、読み取りセンサLr用の読み取りタイミング信号SHrと、各々の読み取りセンサLr、Lg、Lb用の2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS、クランプ信号CPを発生する。
【0102】
また、タイミング信号発生器72に接続されたタイミング補正部73では、読み取りセンサLg用の遅延回路(DELY)74が変倍率Zに基づく小数ライン調整データD4を入力し、この小数ライン調整データD4に基づいて読み取りタイミング信号SHrを遅延し、遅延後の読み取りタイミング信号SHrを読み取りセンサLg用の読み取りタイミング信号SHgとして出力する。読み取りセンサLb用の遅延回路(DELY)75が変倍率Zに基づく小数ライン調整データD5を入力し、この小数ライン調整データD5に基づいて読み取りタイミング信号SHrを遅延し、遅延後の読み取りタイミング信号SHrを読み取りセンサLb用の読み取りタイミング信号SHbとして出力する。
【0103】
図3に示した読み取りセンサLrには、タイミングコントローラ34から、図6Aに示した読み取りタイミング信号SHrが供給される。Lr用の2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS及びクランプ信号CPは、読み取りタイミング信号SHrを基準にしてタイミングコントローラ34から読み取りセンサLrへ出力される。
【0104】
また、図6Aに示したように、読み取りタイミング信号SHrから遅延時間Gt=0.6Tだけ遅れた読み取りタイミング信号SHgがタイミングコントローラ34から図3に示した読み取りセンサLgへ供給される。Lg用の2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS及びクランプ信号CPは、読み取りタイミング信号SHgを基準にしてタイミングコントローラ34から読み取りセンサLgへ出力される。
【0105】
更に、図7Aに示した読み取りタイミング信号SHrから遅延時間Bt=0.2Tだけ遅れた読み取りタイミング信号SHbがタイミングコントローラ34から図3に示した読み取りセンサLbへ供給される。Lb用の2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS及びクランプ信号CPは、読み取りタイミング信号SHbを基準にしてタイミングコントローラ34から読み取りセンサLbへ出力される。これにより、各読み取りセンサLr、Lg、Lbの駆動タイミングを1ライン蓄積時間内で各色独立にずらして駆動制御するようになされる。
【0106】
このように、原稿30に光を照射すると共に、当該原稿30から戻ってきた光情報がイメージセンサ58で読み取られる。センサLrはアナログの画像読取信号Srをアナログ信号処理部31Rに出力し、センサLgは画像読取信号Sgを制御ユニット35のアナログ信号処理部31Gに出力し、センサLbは画像読取信号Sbをアナログ信号処理部31Bに出力する。画像読取信号Sr、Sg、Sbは、RGB色系の画像読取信号Soutを構成する。原稿30を読み取って得られたRGB色系の画像読取信号Soutは、原稿30の1ページを単位に出力される。
【0107】
制御ユニット35では、イメージセンサ58から入力した画像読取信号SoutをRGB色各チャンネルのアナログ信号処理部31R、31G、31Bで各々A/D変換するようになされる。この例で、R色チャンネルのアナログ信号処理部31Rから出力される画像読取データDr、G色チャンネルのアナログ信号処理部31Gから出力される画像読取データDg、B色チャンネルのアナログ信号処理部31Bから出力される画像読取データDbに関して、読み取りセンサLr−Lg、同センサLr−Lb間の整数分ライン遅延を補正するようになされる。
【0108】
例えば、図8に示したイメージセンサ58から補正処理部32Bの遅延回路61Bへ画像読取データDbが到達すると、これから4ライン遅れて画像読取データDgが補正処理部32Gの遅延回路61Gに到達する。更に、3ライン遅れて画像読取データDrが補正処理部32Rに入力される。
【0109】
この例では、MPU15から遅延回路61Gには、FIFOメモリ遅延段数=3ライン分が設定されることから、画像読取データDgのセンサLr−Lg間の整数3ライン分の遅延時間が遅延回路61Gで吸収される。遅延回路61Bには、FIFOメモリ遅延段数=7ライン分が設定されることから、画像読取データDbのセンサLr−Lb間の整数7ライン分の遅延時間が遅延回路61Bで吸収される。
【0110】
これにより、画素値B1、B2、B3・・・から構成される画像読取データDb、画素値G1、G2、G3・・・から構成される画像読取データDg及び画素値R1、R2、R3・・・から構成される画像読取データDrを得ることができ、これらのデータDr,Dg、Dbから構成されるライン間遅延の無い画像読取データDoutを得ることができる。
【0111】
上述のRGB色3チャンネルの画像読取データDr、Dg、Db(=Din,Dout)は、画像メモリ36に格納される。画像読取データDinは、1ページ単位に格納され、当該ページの画像読取データDinにはエンド・オブ・フラグ(EOF)が付加される。なお、当該スキャナ100にプリンタ等を接続して使用される場合は、1ページ単位にエンド・オブ・フラグ等が付加された画像読取データDoutがそのプリンタ等へ出力される。その後、ステップA11に移行する。
【0112】
[ADFモード]
また、ステップA1でユーザが原稿30をADF40にセットした場合は、周知の用紙検知技術により、「原稿がADF40にセットされた」ことを示す用紙検知信号がMPU15に出力される。ステップA2でMPU15は、プラテンモード時と同様にして、ユーザから変倍率Zを入力して設定する。その後、ステップA3に移行してMPU15は、ADFモード又はプラテンモードに基づいて制御を分岐する。この例ではADFモードが設定されたので、ステップA7に移行してスタート又はストップボタンの押下によって制御を更に分岐する。
【0113】
この例では、スタートボタン押下と共に、ステップA8に移行して原稿30がローラ43によって給紙開始される。このとき、光学系駆動制御部37は、用紙検知信号及びスタートボタン押下によるスタートオン信号をトリガにして、イメージセンサ58を含む光学系に対して相対的に原稿30を副走査方向に給紙開始する。その後、ステップA9に移行して画像読み取り処理を実行する。
【0114】
この例では、原稿30がローラ43をU字状に反転するときに、イメージセンサ58は、その原稿30の表面を読み取る。このとき、イメージセンサ58は、光源53によって光が照射される原稿30の副走査方向の同一の位置でR色、G色及びB色の光情報を時系列に読み取るようになされる。読み取りセンサLrは、図6Aに示した読み取りタイミング信号SHrに基づいて蓄積電荷を読み出し、読み取りセンサLgは、読み取りタイミング信号SHgに基づいて蓄積電荷を読み出し、読み取りセンサLbは、読み取りタイミング信号SHbに基づいて蓄積電荷を読み出すようになされる。これらの蓄積電荷から構成される画像読取信号Soutは、イメージセンサ58から制御ユニット35へ出力するようになされる。
【0115】
制御ユニット35は、プラテンモードと同様にして、イメージセンサ58から画像読取信号Soutを入力し、この画像読取信号SoutをRGB色チャンネルの各アナログ信号処理部31R、31G、31Bで各々A/D変換する。このADFモードでも、RGB色チャンネルの各アナログ信号処理部31R、31G、31Bから出力されるRGB色3チャンネルの画像読取データDr、Dg、Dbに関して、ライン間遅延を補正するようになされる。この画像読取データDr、Dg、Db(=Din、Dout)は、プラテンモードと同様にして画像メモリ36に格納される。又は、画像読取データDoutは、1ページ単位にエンド・オブ・フラグ等が付加されてプリンタ等へ出力される。
【0116】
その後、ステップA10に移行してMPU15は、用紙検知信号の検出に基づいて当該原稿30が最終ページか否かを判別する。当該原稿30が最終ページでない場合、すなわち、原稿載置部41に原稿30が残っている場合は、用紙検知信号が「用紙有り」を示すことから、ステップA9に戻って上述した画像読み取り処理を繰り返すようになされる。当該原稿30が最終ページの場合は、その画像読み取り処理を完了した後にステップA11に移行する。
【0117】
また、上述のステップA4及びA7でストップボタンが押下された場合は、ステップA11に移行して、MPU15は画像読取処理に関して終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して画像読取処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップA1に戻って原稿セットを待機する。その後は、上述した処理を繰り返すようになされる。
【0118】
このように、本発明に係る第1の実施例としてのカラースキャナ及び画像読取方法によれば、任意の原稿30に形成された色画像を読み取る場合に、制御ユニット35は、予め設定された変倍率Zに応じた副走査速度で光学系駆動部59を制御し、当該変倍率Zに応じた読み取りタイミング信号SHr、SHg、SHbを出力して各々の色の読み取りセンサLr、Lg、Lbを独立に制御するようになされる。
【0119】
従って、副走査方向に配置された読み取りセンサ順に、副走査方向の同一位置で各々の色の光情報を時系列に読み取ることができる。つまり、変倍率Zに基づいて副走査速度が変わっても、原稿30に対して各読み取りセンサLr、Lg、Lb間で同一位置を時間をずらして、各々の読み取りセンサLr、Lg、Lbによって、原稿画像を読み取ることになるので、変倍率Zが変わっても、副走査方向の分解能を一定に維持することができる。
【0120】
しかも、原稿読み取りの際の変倍率Zによって副走査速度が変化し、読み取りセンサ間隔に伴う走査タイミングがずれた場合、特に、1ライン読取周期未満の読み取りタイミングにずれが生じた場合であっても、この読み取りタイミングずれをイメージセンサ側で吸収することができる。
【0121】
つまり、変倍率Zに基づく副走査速度の変化に応じて各色の読み取りセンサLr、Lg、Lbの駆動タイミングをずらして駆動できるので、従来方式のような整数分ライン遅延を吸収する遅延回路の後段に準備されていた、2ライン分のデータ間を線形補間処理する線形補間回路が省略することができる。これにより、副走査方向の画像解像度(MTF)の劣化を完全に防止できるばかりか、色別に線形補間係数が異なることによる黒横細線の色の滲みが原理的に発生しなくなる。
【実施例2】
【0122】
図10は本発明に係る第2の実施例としてのカラー複写機200の構成例を示す概念図である。
この実施例では、図1〜図9に示したカラースキャナ機能を搭載したカラー複写機200を構成し、変倍率Zの設定及びADFモード又はプラテンモードに基づいて任意の原稿30から色画像を読み取り、変倍率Zに応じたカラー画像を形成するようにしたものである。
【0123】
図10に示すカラー複写機200は画像形成装置の一例であり、任意の原稿30に形成された色画像を読み取って画像情報を取得し、この画像情報に基づいて像形成体に色を重ね合わせ、色画像を形成する装置である。カラー複写機200は、複写機本体201とカラー用のスキャナ100から構成される。スキャナ100は、画像読取装置の一例であり、第1の実施例で説明した機能が組み込まれており、原稿30に形成された色画像を読み取るようになされる。
【0124】
複写機本体201の上部には、ADF(自動原稿給紙装置)40とスキャナ部(画像読取走査露光装置)11が配設されている。ADF40の原稿載置部41に載置された原稿30は搬送手段により搬送され、スキャナ部11の光学系により原稿30の片面又は両面の画像が走査露光され、画像読取を反映する入射光がイメージセンサ58により読み込まれる。
【0125】
イメージセンサ58は、図2及び図3で説明したように、複数の受光素子列が主走査方向に配置されて構成されるR色、G色及びB色光検知用の3つの読み取りセンサLr、Lg、Lbが副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、光源53によって光が照射される原稿30の副走査方向の同一の位置で画素を分割してR色、G色及びB色の光情報を時系列に読み取るようになされる。
【0126】
スキャナ部11はイメージセンサ58の他に、第1のプラテンガラス51、第2のプラテンガラス52、光源53、ミラー54、55、56、結像光学部57、及び光学系駆動部59を有している。光学系駆動部59は、原稿30又はイメージセンサ58を副走査方向に相対的に移動するように動作する。この例では、光学系駆動部59には、モータ59’が備えられ、光源53、ミラー54、55、56等の光学系を副走査方向に移動するようになされる。この例で光学系駆動部59は、変倍率Zに応じて副走査方向の読取速度を可変するようにモータ制御がなされる。
【0127】
イメージセンサ58により光電変換されたアナログの画像読取信号Sinは、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理及び処理等がなされ、デジタルの画像データDinとなる。画像読取データDinは、Y,M,C,BK色用の画像データDy、Dm、Dc、Dkに変換された後に、画像形成手段60を構成する画像書込ユニット(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。
【0128】
上述のADF40は自動両面原稿搬送手段を備えている。このADF40は原稿載置部41から給送される多数枚の原稿30の内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿30を送信する場合等に便利に使用される。
【0129】
複写機本体201は、タンデム型のカラー画像形成装置と称せられるものである。複写機本体201には、画像形成手段60が設けられる。画像形成手段60は、スキャナ100により読み取って得た画像データDy、Dm、Dc、Dkに基づいて色画像を形成する。画像形成手段60には、各色毎に像形成体を有する複数組の画像形成ユニット(画像形成系)10Y、10M、10C、10Kと、無終端状の中間転写ベルト(画像転写系)6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17とが備えられる。
【0130】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。
【0131】
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。黒(BK)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、BK色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。
【0132】
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施例においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持され、各々の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成されたY色、M色、C色、BK色の各トナー像を転写するようになされる。
【0133】
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明をする。画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写され、色を重ね合わせて合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される(1次転写)。
【0134】
また、画像形成手段60の下方には、給紙手段を構成する給紙カセット20A、20B、20Cが設けられる。給紙カセット20A等に収容された用紙Pは、当該カセット20A等に設けられた送り出しローラ21及び給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が中間転写ベルト6から用紙Pへ一括して転写される(2次転写)。
【0135】
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
【0136】
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26により原稿30排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。
【0137】
反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0138】
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙、83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
【0139】
図11は、カラー複写機200の制御系の構成例を示すブロック図である。図11に示すカラー複写機200は、スキャナ部11、制御ユニット35’、通信手段19、給紙手段20、操作パネル48、画像形成手段60から構成される。
【0140】
スキャナ部11には、図1で説明したイメージセンサ58及び光学系駆動部59等が設けられる。制御ユニット35’は、MPU15、RGB色用のアナログ信号処理部31R、31G、31B、補正処理部32R、32G、32B、メモリアクセス制御部33R、33G、33B、タイミングコントローラ34、画像メモリ36、光学系駆動制御部37の他に、色変換処理部38、タイミング制御部39Y,39M,39C,39Kを有して構成される。なお、第1の実施例で説明した同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するのでその説明を省略する。
【0141】
この例で操作パネル48は、タッチパネルから成る操作部14及び液晶表示素子(LCD)等から成る表示部18を有して構成される。操作部14は、原稿30を読み取る際の変倍率Zを設定するように操作される他に、画像濃度の設定、用紙サイズの選択、複写機枚数の設定等の画像形成条件を入力するように操作される。表示部18は、スキャナ部11によって取得された画像読取データDoutに基づいて原稿画像を縮小してプレビュー表示したり、画像形成条件に係る選択項目等を表示データD2に基づいて表示する。なお、操作パネル48で設定された画像形成条件や給紙カセット選択情報等は、操作データD3となってMPU15に出力される。
【0142】
この例でMPU15は、ROM(Read Only Memory)94、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)95及びワーク用のRAM(Random Access Memory)96を有している。ROM94には当該複写機全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。RAM96には、画像処理モード実行時の制御コマンド等を一時記憶するようになされる。CPU95は電源がオンされると、ROM94からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、当該複写機全体を制御するようになされる。
【0143】
例えば、MPU15は、操作パネル48によって設定された画像形成条件に基づいて画像メモリ36等を制御したり、色変換処理部38によって色変換された画像データDy,Dm,Dc,Dkに基づいてカラー画像を形成するように画像形成手段60を制御する。この例で、MPU15は色変換処理部38に画像処理制御信号S2を出力する。
【0144】
また、MPU15は、ADFモード又はプラテンモード時に操作パネル48によって設定された変倍率Zに基づいて補正処理部32R、32G、32Bの入出力を制御する。例えば、MPU15は、変倍率Z≠100%の設定時において、変倍率Zに基づく各々の色の読み取りセンサLr、Lg、Lb間での小数ライン分のずれを補正する遅延量を演算する。MPU15にはタイミングコントローラ34が接続され、遅延時間を考慮した読み取りタイミング信号SHg、SHbを出力するようにタイミングコントローラ34を制御する。
【0145】
タイミングコントローラ34では、MPU15から出力される信号生成コマンド(遅延量)D1と、基準クロック信号CLKに基づいて信号形成された読み取りタイミング信号SHrとに基づいて読み取りタイミング信号SHg、SHbを作成するようになされる。読み取りタイミング信号SHr、SHg、SHbは、2相クロック信号φ1A、φ2A、読出しクロック信号φ2B、リセット信号RS及びクランプ信号CPと共に、タイミングコントローラ34からイメージセンサ58に出力される。また、MPU15は、補正処理部32Gの遅延回路61G及び補正処理部32Bの遅延回路61Bに対して、FIFOメモリの遅延段数=整数ライン分を設定するようになされる。
【0146】
この例で図11に示すメモリアクセス制御部33R、33G、33Gには、色変換処理部38が接続される。色変換処理部38では、画像メモリ36から読み出されたRGB色系の画像読取データDout(=Dr、Dg、Db)を画像処理制御信号S2に基づいてYMCK色系の画像データDy、Dm、Dc、Dkに色変換するようになされる。色変換処理部38には、色変換用の図示しないルックアップテーブル(LUT)が設けられる。
【0147】
色変換処理部38にはタイミング制御部39Y,39M,39C,39Kが接続される。タイミング制御部39Yは、タイミング制御信号S3に基づいて色変換処理部38から画像データDyを入力し、この画像データDyをPWMγ補正処理したり、それを周波数変換処理したり、画像データDyに基づいてインデックス(index)同期検出処理をしたり、画像データDyをPWM(パルス幅変調)処理してレーザ駆動信号Syを出力するようになされる。タイミング制御信号S3はMPU15から各々のタイミング制御部39Y,39M,39C,39Kに出力される。
【0148】
タイミング制御部39Mは、同様にして、画像データDmを入力し、この画像データDmをPWMγ補正処理したり、それを周波数変換処理したり、画像データDmに基づいてindex同期検出処理をしたり、画像データDmをPWM処理してレーザ駆動信号Smを出力するようになされる。
【0149】
タイミング制御部39Cは、同様にして、画像データDcを入力し、この画像データDcをPWMγ補正処理したり、それを周波数変換処理したり、画像データDcに基づいてindex同期検出処理をしたり、画像データDcをPWM処理してレーザ駆動信号Scを出力するようになされる。
【0150】
タイミング制御部39Kは、同様にして、画像データDkを入力し、この画像データDkをPWMγ補正処理したり、それを周波数変換処理したり、画像データDkに基づいてindex同期検出処理をしたり、画像データDkをPWM処理してレーザ駆動信号Skを出力するようになされる。
【0151】
この例でMPU15は、画像形成手段60に作像制御信号S4を出力する。画像形成手段60は、レーザ駆動信号Sy、Sm、Sc、Sk及び作像制御信号S4を入力して所定の用紙Pにカラー画像を形成するように動作する。この例で、画像形成手段60には、レーザダイオードLDy、LDm、LDc、LDkが設けられる。レーザダイオードLDyは、レーザ駆動信号Syに基づいて所定の強度のY色用のレーザビームを発生する。
【0152】
同様にして、レーザダイオードLDmは、レーザ駆動信号Smに基づいて所定の強度のM色用のレーザビームを発生する。レーザダイオードLDcは、レーザ駆動信号Scに基づいて所定の強度のC色用のレーザビームを発生する。レーザダイオードLDkは、レーザ駆動信号Skに基づいて所定の強度のBK色用のレーザビームを発生する。なお、画像形成手段60の内部構成例については、図10に説明しているので参照されたい。
【0153】
この例で、システムバス29には、給紙手段20が接続され、図10に示した給紙カセット20A〜20Cを給紙制御信号S5に基づいて制御する。例えば、給紙手段20は、給紙制御信号S5に基づいて給紙カセット20A、20B又は20Cのいずれかを選択し、給紙カセット20A、20B又は20Cから繰り出した用紙Pを画像形成系に搬送するようになされる。給紙制御信号S5は、MPU15から給紙手段20に供給される。
【0154】
また、通信手段19は、LAN等の通信回線に接続され、外部のコンピュータ等と通信処理する際に使用される。例えば、当該カラー複写機200で読み取った所望の変倍率Zの原稿画像を外部のプリンタ等により画像形成出力する場合に、通信手段19は、プリントデータDout’を外部プリンタに送信するようになされる。このプリントデータDout’は、色変換処理部38で色変換処理されたものであり、外部の複合機やプリンタ等においても、変倍率Zに基づいてカラー画像を形成できるようになされる。
【0155】
続いて、カラー複写機200における画像形成例について説明をする。図12は、カラー複写機200における画像形成例を示すフローチャートである。
この実施例では、変倍率Zの設定に応じて任意の原稿30から色画像を読み取って色画像を形成する場合を前提とする。カラースキャナ100には、RGB色の各々の読み取りセンサLr、Lg、Lb間の副走査方向の間隔が4ラインに相当する一次元のイメージセンサ58が使用される。この例で、RGB色の各タイミング補正部34R、34G、34Bは、イメージセンサ58で読み取った光情報に関してR色、G色及びB色光検知用の読み取りセンサLr、Lg、Lbの副走査方向の位置ずれを補正するようになされる。これらを画像形成条件にして、図12に示すフローチャートのステップQ1でMPU15は、コピー要求を待機する。
【0156】
[プラテンモード]
例えば、ユーザは、プラテンガラス上のADF40を上方に開き、プラテンガラス上に画像形成面を伏せた状態で原稿30を配置し、その後、プラテンカバー50を覆うようにADF40を下方に操作する。これにより、プラテンガラス上に配置された原稿30は、画像形成面を下向きにしてプラテンカバー50で覆い被された状態となる。プラテンガラス上の原稿有無は、用紙検知信号によってMPU15に出力される。MPU15は、用紙検知信号に基づいてコピー要求を認知する。
【0157】
このコピー要求があった場合は、ステップQ2に移行してMPU15は、変倍率Z及び他の画像形成条件を入力設定する。ここでユーザは、操作パネル48を操作して、変倍率Zや用紙の大きさ、コピー枚数等の画像形成条件を入力する。変倍率Zは整数及び小数点入力が可能となされている。変倍率Zのデフォルト値は100%である。小数点の変倍率Zとして例えば、90%等が設定される。
【0158】
そして、ステップQ3に移行してMPU15は、ADFモード又はプラテンモードに基づいて制御を分岐する。この例ではプラテンモードが設定されたので、ステップQ4に移行してスタート又はストップボタンの押下によって制御を分岐する。スタートボタンが押下された場合は、ステップQ5に移行して用紙検知信号及びスタートボタン押下によるスタートオン信号をトリガにして、光学系駆動制御部37は、光学系駆動部59のモータ59’にモータ制御信号S1を出力して、原稿30に対して相対的に光学駆動系を副走査方向に移動開始する。
【0159】
そして、ステップQ6に移行して、イメージセンサ58は、原稿30の画像読取処理を実行する。このとき、イメージセンサ58は、光源53によって光が照射される原稿30の副走査方向の同一の位置でR色、G色及びB色の光情報を時系列に読み取るようになされる。原稿30を読み取って得られたRGB色系の画像読取信号Soutは、イメージセンサ58から制御ユニット35’に出力される。画像読取信号Soutは、原稿30の1ページを単位に出力される。
【0160】
制御ユニット35’は、イメージセンサ58から画像読取信号Soutを入力し、この画像読取信号SoutをRGB色各チャンネルのアナログ信号処理部31R、31G、31Bで各々A/D変換する。この例で、R色チャンネルのアナログ信号処理部31Rから出力される画像読取データDr、G色チャンネルのアナログ信号処理部31Gから出力される画像読取データDg、B色チャンネルのアナログ信号処理部31Bから出力される画像読取データDbに関して、ライン間遅延を補正するようになされる。
【0161】
例えば、図8に示したようにG色チャンネルの補正処理部32Gでは、その遅延回路61Gで整数分ラインを補正するために、画像読取データDgについて3ライン分の画像読取データDgをFIFOメモリにより数段遅延させる。また、B色チャンネルの補正処理部32Bでは、その遅延回路61Bで整数分の7ラインを補正するために、画像読取データDbについて7ライン分の画像読取データを遅延させる。
【0162】
上述のRGB色3チャンネルの画像読取データDr、Dg、Dbは、メモリアクセス制御部33R、33G,33B等で符号化され圧縮されて画像メモリ36に一旦格納される。画像読取データDinは、1ページ単位に格納され、当該ページの画像読取データDinにはエンド・オブ・フラグ(EOF)が付加される。
【0163】
そして、ステップQ7に移行して画像形成処理を実行する。このとき、メモリアクセス制御部33R、33G,33B等は、画像メモリ36からRGB色3チャンネルの画像読取データDr、Dg、Dbを読み出し、画像読取データDr、Dg、Dbを復号化して伸長する。伸長後の画像読取データDr、Dg、Dbは、メモリアクセス制御部33R、33G,33B等の制御を受けて色変換処理部38に転送される。
【0164】
色変換処理部38では、画像メモリ36から読み出されたRGB色系の画像読取データDr、Dg、Dbを画像処理制御信号S2に基づいてYMCK色系の画像データDy、Dm、Dc、Dkに色変換するようになされる。色変換後の画像データDy、Dm、Dc、Dkは、タイミング制御部39Y,39M,39C,39Kに出力される。このとき、MPU15は、各々のタイミング制御部39Y,39M,39C,39Kにタイミング制御信号S3を出力する。
【0165】
タイミング制御部39Yでは、タイミング制御信号S3に基づいて色変換処理部38から画像データDyが入力され、この画像データDyがPWMγ補正処理され、その後、周波数変換処理される。また、タイミング制御部39Yでは、レーザビームのタイミング揃えるために、画像データDyに基づいてインデックス信号が検出され、インデックス同期検出処理がなされる。更に、タイミング制御部39Yでは、画像データDyに基づいて所定のパルス信号がPWM(パルス幅変調)処理されて、レーザ駆動信号Syを生成するようになされる。
【0166】
タイミング制御部39Mは、同様にして、画像データDmを入力し、PWMγ補正処理、周波数変換処理、index同期検出処理をしたり、画像データDmをPWM処理してレーザ駆動信号Smを出力するようになされる。タイミング制御部39Cも、同様にして、画像データDcを入力し、PWMγ補正処理、周波数変換処理、index同期検出処理をしたり、画像データDcをPWM処理してレーザ駆動信号Scを出力するようになされる。タイミング制御部39Kも、同様にして、画像データDkを入力し、PWMγ補正処理、周波数変換処理、index同期検出処理をしたり、画像データDkをPWM処理してレーザ駆動信号Skを出力するようになされる。
【0167】
これらのレーザ駆動信号Sy、Sm、Sc、Skは、作像制御信号S4と共に画像形成手段60に出力される。画像形成手段60では、レーザ駆動信号Sy、Sm、Sc、Sk及び作像制御信号S4を入力して所定の用紙Pにカラー画像を形成するように動作する。例えば、レーザダイオードLDyは、レーザ駆動信号Syに基づいて所定の強度のY色用のレーザビームを発生する。Y色用のレーザビームは、作像制御信号S4に基づいて主走査方向に走査されて、図10に示した感光体ドラム1Yに照射される。感光体ドラム1YにはY色用のレーザビームにより静電潜像が露光される(画像書き込み)。感光体ドラム1Yに露光された静電潜像は、Y色のトナー剤により現像される。現像後のY色トナー像は、中間転写ベルト6に転写される。
【0168】
同様にして、レーザダイオードLDmは、レーザ駆動信号Smに基づいて所定の強度のM色用のレーザビームを発生する。M色用のレーザビームは、作像制御信号S4に基づいて主走査方向に走査されて、感光体ドラム1Mに照射される。感光体ドラム1MにはM色用のレーザビームにより静電潜像が露光される。感光体ドラム1Mに露光された静電潜像は、M色のトナー剤により現像される。現像後のM色トナー像は、中間転写ベルト6に転写され、当該ベルト上で他の色と重ね合わされる。
【0169】
更に、レーザダイオードLDcは、レーザ駆動信号Scに基づいて所定の強度のC色用のレーザビームを発生する。C色用のレーザビームは、作像制御信号S4に基づいて主走査方向に走査されて、感光体ドラム1Cに照射される。感光体ドラム1CにはC色用のレーザビームにより静電潜像が露光される。感光体ドラム1Cに露光された静電潜像は、C色のトナー剤により現像される。現像後のC色トナー像は、中間転写ベルト6に転写され、当該ベルト上で他のY及びM色等と重ね合わされる。
【0170】
更にまた、レーザダイオードLDkは、レーザ駆動信号Skに基づいて所定の強度のBK色用のレーザビームを発生する。BK色用のレーザビームは、主走査方向に走査されて、感光体ドラム1Kに照射される。感光体ドラム1KにはK色用のレーザビームにより静電潜像が露光される。感光体ドラム1Kに露光された静電潜像は、BK色のトナー剤により現像される。現像後のBK色トナー像は、中間転写ベルト6に転写される。中間転写ベルト6で重ね合わされたカラートナー画像は、所定の用紙Pに転写するようになされる。用紙Pは、給紙手段20が給紙制御信号S5に基づいて制御する給紙カセット20A、20B又は20Cから繰り出される。給紙制御信号S5は、MPU15から給紙手段20に供給される。
[ADFモード]
また、ステップQ1でユーザが原稿30をADF40にセットした場合は、「原稿がADF40にセットされた」ことを示す用紙検知信号がMPU15に出力される。ステップQ2でMPU15は、プラテンモード時と同様にして、ユーザから変倍率Z及び画像形成条件を入力して設定する。その後、ステップQ3に移行してMPU15は、ADFモード又はプラテンモードに基づいて制御を分岐する。この例ではADFモードが設定されているので、ステップQ8に移行してスタート又はストップボタンの押下によって制御を更に分岐する。
【0171】
この例では、スタートボタン押下と共に、ステップQ9に移行して原稿30がローラ43によって給紙開始される。このとき、光学系駆動制御部37は、用紙検知信号及びスタートボタン押下によるスタートオン信号をトリガにして、光学系駆動制御部37は、光学系駆動部59のモータ59’にモータ制御信号S1を出力して、イメージセンサ58を含む光学系に対して相対的に原稿30を副走査方向に給紙開始する。
【0172】
その後、ステップQ10に移行して画像読み取り処理を実行する。この例では、原稿30がローラ43をU字状に反転するときに、イメージセンサ58は、その原稿30の表面を読み取る。このとき、イメージセンサ58は、光源53によって光が照射される原稿30の副走査方向の異なる位置でR色、G色及びB色の光情報を同時に読み取るようになされる。画像読取信号Soutは、イメージセンサ58から制御ユニット35’へ出力するようになされる。
【0173】
制御ユニット35’は、プラテンモードと同様にして、イメージセンサ58から画像読取信号Soutを入力し、この画像読取信号SoutをRGB色チャンネルの各アナログ信号処理部31R、31G、31Bで各々A/D変換する。このADFモードでも、RGB色チャンネルの各アナログ信号処理部31R、31G、31Bから出力されるRGB色3チャンネルの画像読取データDr、Dg、Dbに関して、ライン間遅延を補正するようになされる。
【0174】
この画像読取データDr、Dg、Dbは、プラテンモードと同様にして、メモリアクセス制御部33R、33G,33B等で符号化され圧縮されて画像メモリ36に一旦格納される。画像読取データDinは、1ページ単位に格納され、当該ページの画像読取データDinにはエンド・オブ・フラグ(EOF)が付加される。
【0175】
そして、ステップQ10に移行して画像形成処理を実行する。このとき、メモリアクセス制御部33R、33G,33B等は、プラテンモード時と同様にして、画像メモリ36からRGB色3チャンネルの画像読取データDr、Dg、Dbを読み出し、画像読取データDr、Dg、Dbを復号化して伸長する。伸長後の画像読取データDr、Dg、Dbは、メモリアクセス制御部33R、33G,33B等の制御を受けて色変換処理部38に転送される。
【0176】
色変換処理部38では、画像メモリ36から読み出されたRGB色系の画像読取データDr、Dg、Dbを画像処理制御信号S2に基づいてYMCK色系の画像データDy、Dm、Dc、Dkに色変換するようになされる。色変換後の画像データDy、Dm、Dc、Dkは、タイミング制御部39Y,39M,39C,39Kに出力される。
【0177】
このとき、タイミング制御部39Y,39M,39C,39Kでは、タイミング制御信号S3に基づいて色変換処理部38から画像データDy、Dm、Dc、Dkが入力される。これらの画像データDy、Dm、Dc、Dkが各々のタイミング制御部39Y,39M,39C,39KでPWMγ補正処理され、その後、周波数変換処理される。
【0178】
また、各々の色用のレーザビームのタイミング揃えるために、画像データDy、Dm、Dc、Dkに基づいて各々の色用のレーザビームに係るインデックス信号が検出され、インデックス同期検出処理がなされる。更に、各々のタイミング制御部39Y,39M,39C,39Kでは、画像データDy、Dm、Dc、Dkに基づいて所定のパルス信号がPWM(パルス幅変調)処理されて、レーザ駆動信号Sy,Sm,Sc,Skを生成するようになされる。
【0179】
これらのレーザ駆動信号Sy、Sm、Sc、Skは、作像制御信号S4と共に画像形成手段60に出力される。画像形成手段60では、プラテンモード時と同様にして、レーザ駆動信号Sy、Sm、Sc、Sk及び作像制御信号S4を入力して所定の用紙Pにカラー画像を形成するように動作する(ステップQ7参照)。
【0180】
その後、ステップQ12に移行してMPU15は、用紙検知信号の検出に基づいて当該原稿30が最終ページか否かを判別する。当該原稿30が最終ページでない場合、すなわち、原稿載置部41に原稿30が残っている場合は、用紙検知信号が「用紙有り」を示すことから、ステップQ10に戻って上述した画像形成処理を繰り返すようになされる。当該原稿30が最終ページの場合は、その画像形成処理を完了した後にステップQ13に移行する。なお、画像形成枚数(プリント枚数)は、図示しないカウンタによりカウントされる。
【0181】
また、上述のステップQ4及びQ8でストップボタンが押下された場合は、ステップQ13に移行して、MPU15は画像形成処理に関して終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップQ1に戻ってコピー要求を待機する。その後は、上述した処理を繰り返すようになされる。
【0182】
このように、本発明に係る第2の実施例としての画像形成装置によれば、任意の原稿30に形成された色画像を読み取って所定の用紙Pに色画像を形成する場合に、本発明に係るスキャナ100が応用されるものである。
【0183】
従って、副走査方向に配置された読み取りセンサLr、Lg、Lb順に時系列に読み取られた副走査方向の同一位置の各々の色の光情報に基づいて色画像を形成することができる。これにより、変倍率(読取倍率×センサーライン間隔)Zが小数点以下に値を持つように設定された場合であっても、黒細線等に着色されない高品質の画像を形成することができる。
【0184】
また、画像形成手段60に関して、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KにY色、M色、C色及びBK色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、これらの各色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたトナー像を転写する画像転写ベルト6とを有する場合について説明したが、これに限られることはなく、本発明は、1つの転写材搬送ベルト上に色を重ね合わせて色画像を転写紙に形成するカラー複写機にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0185】
この発明は、白黒文書中に色画像を含む原稿を読み取ってカラー画像を形成するタンデム型のカラープリンタやカラー複写機、カラーファクシミリ装置、これらの複合機等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0186】
【図1】本発明の第1の実施例としてのカラースキャナ100の構成例を示す概念図である。
【図2】イメージセンサ58の構成例を示す概念図である。
【図3】イメージセンサ58の内部構成例を示すブロック図である。
【図4】カラースキャナ100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】タイミングコントローラ34の内部構成例を示すブロック図である。
【図6】A及びBは、原稿読取時の読み取りセンサLrと同センサLgとの遅延関係例を示すタイムチャートである。
【図7】A及びBは、原稿読取時の読み取りセンサLrと読み取りセンサLbとの関係例を示すタイムチャートである。
【図8】変倍率Z=90%時の補正処理部32R、32G、32Bにおけるライン間遅延の補正例を示す図である。
【図9】カラースキャナ100における画像読取例を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る第2の実施例としてのカラー複写機200の構成例を示す概念図である。
【図11】カラー複写機200の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図12】カラー複写機200における画像形成例を示すフローチャートである。
【図13】従来例に係るイメージセンサ58による画像読取データDr、Dg、Dbの遅延補正例を示す図である。
【図14】変倍率小数点設定時の画像読取データDr、Dg、Dbの線形補間例を示す図である。
【符号の説明】
【0187】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
3Y,3M,3C,3K 画像書込ユニット(画像形成手段)
4Y,4M,4C,4K 現像装置(画像形成手段)
6 中間転写ベルト
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成手段)
11 スキャナ部
11a スキャナ本体
14 操作部(設定手段)
15 MPU(制御手段)
17 定着装置
18 表示部(設定手段)
19 通信手段
20 給紙手段
34 タイミングコントローラ(制御手段)
35,35’ 制御ユニット(制御手段)
40 自動原稿給紙装置(ADF)
48 操作パネル
60 画像形成手段
61B,61G 遅延回路
100 カラースキャナ
101 複写機本体
200 カラー複写機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意のシートに形成された色画像を読み取る装置であって、
前記シートに光を照射する光源と、
複数の受光素子が主走査方向に配置されて構成される赤色、緑色及び青色検知用のライン状の読み取りセンサが前記主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、前記光源によって光が照射される前記シートの副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取る一次元のイメージセンサと、
前記イメージセンサ又は前記シートを前記副走査方向に相対的に移動する移動手段と、
前記イメージセンサ及び移動手段の入出力を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
予め設定される原稿読取倍率に応じた副走査速度で前記移動手段を制御すると共に、当該原稿読取倍率に応じた読取制御信号で各々の色の前記読み取りセンサを独立に制御することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記シートを読み取る際の原稿読取倍率を設定する設定手段を備え、
前記制御手段は、
前記設定手段によって設定された原稿読取倍率に基づく副走査速度制御信号を前記移動手段に出力し、
前記原稿読取倍率に基づく読み取りタイミング信号を各々の色の前記読み取りセンサに独立に出力することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記原稿読取倍率に基づく各々の色の前記読み取りセンサ間での小数ライン分のずれを補正する遅延量を演算し、
前記遅延量に基づく前記読み取りタイミング信号を作成することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記移動手段により移動される前記シートから前記イメージセンサにより読み取って得た前記光情報に関して各々の色検知用の前記読み取りセンサ間での整数ライン分のずれを補正する遅延回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
任意のシートに形成された色画像を読み取る方法であって、
複数の受光素子が主走査方向に配置されて構成される赤色、緑色及び青色検知用の読み取りセンサが前記主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、当該副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取る一次元のイメージセンサを使用し、
前記シートを読み取る際に原稿読取倍率を設定し、
設定された前記原稿読取倍率に基づく副走査速度で前記シート又はイメージセンサを前記副走査方向に相対的に移動すると共に、当該原稿読取倍率に基づく読取制御信号で各々の色の前記読み取りセンサを独立に制御し、
前記シートに光を照射すると共に、当該シートから戻ってくる光情報を読み取ることを特徴とする画像読取方法。
【請求項6】
設定された前記原稿読取倍率に基づく各々の色の前記読み取りセンサ間での小数ライン分のずれを補正する遅延量を演算し、
演算された前記遅延量に基づいて読み取りタイミング信号を作成することを特徴とする請求項5に記載の画像読取方法。
【請求項7】
移動される前記シートから前記イメージセンサにより読み取って得た前記光情報に関して各々の色検知用の前記読み取りセンサ間での整数ライン分のずれを補正することを特徴とする請求項5に記載の画像読取方法。
【請求項8】
任意のシートに形成された色画像を読み取って色画像を形成する装置であって、
前記シートに形成された色画像を読み取る画像読取装置と、
前記画像読取装置により読み取って得た色画像情報に基づいて色画像を形成する画像形成手段とを備え、
前記画像読取装置は、
前記シートに光を照射する光源と、
複数の受光素子が主走査方向に配置されて構成される赤色、緑色及び青色検知用の読み取りセンサが前記主走査方向と直交する副走査方向に所定の距離を隔てて配置され、かつ、前記光源によって光が照射される前記シートの副走査方向の同一位置の各々の色の光情報を時系列に読み取る一次元のイメージセンサと、
前記イメージセンサ又は前記シートを前記副走査方向に相対的に移動する移動手段と、
前記イメージセンサ及び移動手段の入出力を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
予め設定される原稿読取倍率に応じた副走査速度で前記移動手段を制御すると共に、当該原稿読取倍率に応じた読取制御信号で各々の色の前記読み取りセンサを独立に制御することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−5592(P2006−5592A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178956(P2004−178956)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】