説明

画像読取装置

【課題】消費電力を十分に抑制することができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像読取装置は、原稿を収容する収容部における原稿の有無を検出する第1センサと、原稿の搬送路と、搬送路を搬送される原稿から画像を読み取る読取部と、画像が読み取られる位置の近傍で原稿の有無を検出する第2センサとを備える。画像読取装置は、複写等の処理の開始指示を受け付けた場合に、第1センサを動作状態にし、動作状態になった第1センサが原稿を検出したときに、第2センサを動作状態にする。画像読取装置は、待機状態で、第1センサ及び第2センサを非動作状態としておくことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿に記録された画像を読み取る画像読取装置に関し、より詳しくは、消費電力を抑制することができる画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ装置、ファクシミリ装置又は複写装置等、原稿に記録された画像を読み取る画像読取装置には、複数の原稿を一枚ずつ自動で取り込んで搬送する自動原稿給送装置を備えたものがある。以下、自動原稿給送装置をADF(Auto Document Feeder)という。ADFは、複数の原稿を積載する原稿トレイと、原稿トレイから取り込んだ原稿を搬送する搬送路とを備えている。画像読取装置は、原稿に記録された画像を光学的に読み取るための読取部を備え、原稿が搬送される搬送路の途中で読取部により画像を読み取る構成となっている。ADFは、原稿トレイに原稿が積載されたことを検出する第1のセンサを原稿トレイに備え、更に、搬送路中で画像が読み取られる位置の手前の位置に、原稿を検出する第2のセンサを備えている。第2のセンサは、原稿に記録された画像の読み取りを開始するタイミングを調整するためのセンサであり、更に、原稿のジャムを検出するためのセンサをも兼ねている。
【0003】
これらの多くのセンサは、原稿の存在に応じて動く可動部品と、可動部品の動きを検出する光検出器とを用いて構成されており、センサが原稿を検出するためには光検出器に電力が供給されている必要がある。従来のADFでは、原稿が供給されたときに原稿を検出するために常にセンサに電力が供給されており、このため、待機電力が大きく、またセンサの寿命が短くなるという問題があった。特許文献1には、センサの寿命を延ばすために、原稿トレイに原稿が積載されたことを検出する第1のセンサが原稿を検出するまで他のセンサへの電力供給を停止しておく技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−338083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術においては、一部のセンサへの電力供給を停止することができるものの、第1のセンサへは常に電力を供給し続ける必要があるので、ADFの消費電力を十分抑制することができないという問題がある。また第1のセンサは常に動作しているので、劣化が早い。従って、画像読取装置には第1のセンサの劣化を補正する機能が必要になるという問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、待機状態で全てのセンサを停止することにより、消費電力を十分に抑制することができる画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像読取装置は、原稿を収容する収容部と、該収容部における原稿の有無を検出する第1センサと、前記収容部から取り込まれた原稿が搬送される搬送路と、該搬送路を搬送される原稿に記録された画像を読み取る読取部と、前記搬送路中で前記読取部によって画像が読み取られる位置の近傍における原稿の有無を検出する第2センサと、前記読取部で画像を読み取る処理の開始を指示する開始指示を受け付ける受付部と、該受付部が開始指示を受け付けた場合に、前記第1センサを動作状態にする第1制御部と、前記第1センサが原稿を検出した場合に、前記第2センサを動作状態にする第2制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、画像読取装置は、複写等の処理の開始指示を受け付けた場合に、収容部での原稿の有無を検出する第1センサを動作状態にし、第1センサが原稿を検出したときに、搬送路中で原稿の有無を検出する第2センサを動作状態にする。この処理を実行することにより、画像読取装置は、待機状態での第1センサ及び第2センサの状態を、電力の供給を遮断された非動作状態としておくことが可能となる。
【0008】
本発明に係る画像読取装置は、前記第1センサが原稿を検出しない状態が所定時間継続した場合に、前記第1センサ及び前記第2センサを非動作状態にする第3制御部を更に備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明においては、画像読取装置は、第1センサが原稿を検出していない状態が所定時間継続した場合に、第1センサ及び第2センサを非動作状態にする。この処理を実行することにより、画像読取装置は、原稿が無くなって動作している必要性が低くなった第1センサ及び第2センサを非動作状態にする。
【0010】
本発明に係る画像読取装置は、前記第2センサの状態が原稿を検出した状態から原稿を検出しない状態へ変化した場合であって前記第1センサが原稿を検出していないときに、前記第1センサ及び前記第2センサを非動作状態にする第4制御部を更に備えることを特徴とする。
【0011】
また本発明においては、画像読取装置は、第2センサの状態が原稿を検出した状態から原稿を検出しない状態へ変化した場合で、しかも第1センサが原稿を検出していないときに、第1センサ及び第2センサを非動作状態にする。第2センサの状態が原稿を検出した状態から原稿を検出しない状態へ変化することは、原稿の終端が第2センサの位置を通過したことに対応する。この処理を実行することにより、画像読取装置は、原稿が無くなって動作している必要性が低くなった第1センサ及び第2センサを非動作状態にする。
【発明の効果】
【0012】
本発明にあっては、待機状態で第1センサ及び第2センサが電力を消費しないので、画像読取装置は、従来技術に比べてより消費電力を抑制することが可能となる。また第1センサ及び第2センサが動作している時間が短くなるので、第1センサ及び第2センサの劣化が抑制され、画像読取装置はセンサの劣化を補正する機能を必要とせず、画像読取装置の機能を削減することが可能となる。
【0013】
また本発明にあっては、原稿が無くなって動作している必要性が低くなった場合に第1センサ及び第2センサを非動作状態にすることにより、画像読取装置は、消費電力を削減することが可能となる。
【0014】
また本発明にあっては、画像読取装置は、原稿が無くなって動作している必要性が低くなった第1センサ及び第2センサをより早い段階で非動作状態にすることができ、より消費電力を削減することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の画像読取装置の外観を示す模式図である。本発明の画像読取装置は、複写装置であり、使用者が操作することにより各種の指示を受け付ける操作部30を備えている。操作部30は、各種のスイッチからなり、複写等の各種の処理を開始することの指示を使用者が入力するためのスタートボタン301を備えている。
【0016】
図2は、画像読取装置の一部の内部構成を示す模式的断面図である。画像読取装置は、ADF1と、ADF1が搬送する原稿に記録された画像を光学的に読み取る処理を行う読取ユニット2とを備えている。ADF1は、複数の原稿が重ねて載置される原稿トレイ(収容部)11と、画像が読み取られた後の原稿が載置される排紙トレイ15と、原稿トレイ11から排紙トレイ15まで繋がっており、原稿が搬送される搬送路12とを備えている。原稿トレイ11は、複数の原稿を載置されることにより複数の原稿を収容することが可能であり、本発明における収容部として機能する。またADF1は、原稿トレイ11に載置された原稿を一枚ずつ搬送路12へ呼び込む呼び込みローラ16、呼び込まれた原稿を搬送路12に沿って搬送する複数対の搬送ローラ18、及び原稿を排紙トレイ15へ排出する排紙ローラ17を備えている。
【0017】
ADF1の搬送路12の途中には、ADF1の下面に開口した開口部分が形成されている。読取ユニット2は、ADF1の下方に配置されており、搬送路12の開口部分に面した位置に、ガラス等の透光性材で構成された窓部21を備えている。即ち、搬送路12の途中には、窓部21が配置されており、搬送路12内を搬送される原稿は、搬送の途中で窓部21の上を通過することになる。読取ユニット2は、窓部21上の原稿に対して窓部21を通して光を照射する光源22を備える。光源22は、冷陰極管又は発光ダイオード等で構成される。また読取ユニット2は、光源22から原稿へ照射されて原稿で反射した光を反射するミラー23,24,25と、ミラー25で反射された光を受光し、光電変換を行う読取部26とを備える。読取部26は、CCD(Charge Coupled Device )センサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等で構成される。窓部21上の原稿に対して光源22が光を照射し、原稿からの反射光を読取部26が光源変換することにより、読取部26は、窓部21上に位置する原稿に記録された画像を読み取る。窓部21は、原稿に記録された画像が読取部26に読み取られる位置である。
【0018】
またADF1は、原稿トレイ11における原稿の有無を検出する第1センサ13を備えている。第1センサ13は、原稿の存在に応じて動く可動部品と、可動部品の動きを検出するフォトインタラプタ等の光検出器とを用いて構成されている。原稿トレイ11に原稿が載置されていない場合は、可動部品は動かず、原稿トレイ11に原稿が載置されていないことが検出される。原稿トレイ11に原稿が載置された場合は、可動部品は、原稿に押し上げられる等の方法により、原稿の存在に応じて動作し、光検出器は可動部品の動きを検出し、原稿トレイ11に原稿が載置されたことが検出される。更にADF1は、搬送路12中で、窓部21より上流側で窓部21に近接した位置に、原稿の有無を検出する第2センサ14を備えている。第2センサ14は、第1センサ13と同様の構成となっており、搬送路12を搬送された原稿に記録された画像を窓部21上で読み取るタイミングを調整するために利用されるセンサである。なお、第1センサ13及び第2センサ14の構成は、光センサで原稿の存在を直接検出する構成等、その他の構成であってもよい。
【0019】
図3は、実施の形態1に係る画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。画像読取装置は、演算を行うCPU(Central Processing Unit )を含んでなる制御部31を備え、制御部31は、画像読取装置全体の動作を制御する処理を実行する。制御部31には、演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)32、及び画像読取装置を制御するための制御プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)33が接続されている。制御部31は、ROM33が記憶する制御プログラムに従った情報処理を実行することにより、本発明における第1制御部311、第2制御部312、第3制御部313及び受付部315としての処理を実行する。
【0020】
また制御部31には、読取部26、読取部26が光電変換により取得した電気的データから画像データを生成する画像処理部34、及び画像データから画像を形成して記録用紙に記録する画像記録部35が接続されている。画像読取装置では、ADF1が搬送する原稿に記録された画像を読取部26で読み取り、画像処理部34で画像データを生成し、画像記録部35で画像を記録する。
【0021】
また制御部31には、第1センサ13、第2センサ14及び操作部30が接続されている。第1センサ13及び第2センサ14は、検出結果に応じた信号を制御部31へ出力し、制御部31は、第1センサ13及び第2センサ14から出力された信号に応じた処理を実行する。操作部30は、複写開始の指示等、各種の指示を使用者の操作により入力され、入力された指示を制御部31へ入力する。制御部31は、操作部30に入力された各種の指示を受け付け、受け付けた指示に応じた処理を実行する。このようにして、制御部31は、受付部315としての処理を実行し、受付部315が受け付けた指示に応じた処理を行う第1制御部311としての処理を実行する。
【0022】
更に画像読取装置は、図示しない電源を備えており、制御部31は、電源から第1センサ13及び第2センサ14への電力の供給を制御する処理を行う。制御部31は、第1センサ13及び第2センサ14への電力の供給を遮断することにより、第1センサ13及び第2センサ14を非動作状態にする処理を行う。また制御部31は、電源に第1センサ13及び第2センサ14へ電力を供給させることにより、第1センサ13及び第2センサ14を動作状態にする処理を行う。画像読取装置が複写を行っていない待機状態では、制御部31は、第1センサ13及び第2センサ14を非動作状態としている。このようにして、制御部31は、第1センサ13及び第2センサ14の動作状態と非動作状態とを切り換える第1制御部311、第2制御部312及び第3制御部313としての処理を実行する。
【0023】
次に、以上の構成でなる画像読取装置が実行する処理を説明する。図4は、実施の形態1に係る画像読取装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。画像読取装置の制御部31は、随時、使用者が操作部30のスタートボタン301を押下することによる、原稿の画像を読み取る処理を開始することを指示する開始指示の受付を待ち受けている(S11)。開始指示の受付がない場合は(S11:NO)、制御部31は、開始指示の受付の待ち受けを続行する。開始指示を受け付けた場合は(S11:YES)、制御部31は、電源に第1センサ13への電力の供給を開始させることにより、第1センサ13を動作状態にする処理を行う(S12)。第1センサ13は、電源から電力を供給され、原稿トレイ11における原稿の有無を検出することが可能となる。
【0024】
制御部31は、次に、第1センサ13からの信号に基づいて、第1センサ13が原稿を検出しているか否かを判定する(S13)。使用者により原稿トレイ11に原稿が載置されている場合は、第1センサ13により原稿が検出される。第1センサ13が原稿を検出していない場合は(S13:NO)、制御部31は、電源から第1センサ13への電力の供給を遮断することにより、第1センサ13を非動作状態にし(S19)、処理を終了する。
【0025】
ステップS13で第1センサ13が原稿を検出している場合は(S13:YES)、制御部31は、電源に第2センサ14への電力の供給を開始させることにより、第2センサ14を動作状態にする処理を行う(S14)。第2センサ14は、電源から電力を供給され、画像が読み取られる窓部21の近傍で原稿の有無を検出することが可能となる。制御部31は、次に、ADF1の呼び込みローラ16を動作させ、原稿トレイ11上の一枚の原稿を搬送路12内へ給紙する処理を行う(S15)。搬送路12内へ給紙された原稿を第2センサ14が検出し、第2センサ14での検出結果に従って、制御部31は読取ユニット2を動作させるタイミングを調整し、読取部26は画像を読み取る処理を行う。更に画像処理部34は画像データを生成し、画像記録部35は画像を記録用紙に記録し、画像の複写が行われる。
【0026】
制御部31は、次に、第1センサ13からの信号に基づいて、一枚の原稿を給紙した後、第1センサ13が原稿を検出しているか否かを判定する(S16)。第1センサ13が原稿を検出している場合は(S16:YES)、制御部31は、処理をステップS15へ戻し、原稿トレイ11上の一枚の原稿を搬送路12内へ給紙する処理を行う。第1センサ13が原稿を検出していない場合は(S16:NO)、制御部31は、経過時間をカウントし、第1センサ13が原稿を検出しない状態となってから予め定められている所定時間が経過したか否かを判定する(S17)。所定時間がまだ経過していない場合は(S17:NO)、制御部31は、処理をステップS16へ戻す。所定時間内に使用者が原稿を原稿トレイ11に載置した場合は、第1センサ13は原稿を検出し、複写の処理が続行される。
【0027】
ステップS17で第1センサ13が原稿を検出しない状態となってから所定時間が経過している場合は(S17:YES)、制御部31は、電源から第2センサ14への電力の供給を遮断することにより、第2センサ14を非動作状態にする(S18)。制御部31は、次に、電源から第1センサ13への電力の供給を遮断することにより、第1センサ13を非動作状態にし(S19)、処理を終了する。
【0028】
図5は、実施の形態1における第1センサ13及び第2センサ14の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。図中の横軸は時間経過を示しており、図中には、上から第1センサ13の状態、第1センサ13での検出結果、第2センサ14の状態、及び第2センサ14での検出結果を示す。最初の待機状態では、第1センサ13及び第2センサ14は非動作状態となっており、原稿の有無を検出することができない。使用者が原稿トレイ11に原稿を載置したときでも、この状態は変わらない。使用者がスタートボタン301を押下したタイミングで、第1センサ13は動作状態となる。既に原稿が原稿トレイ11に載置されているので、第1センサ13は原稿を検出し、第2センサ14も動作状態となる。このタイミングではまだ原稿が搬送されていないので、第2センサ14は原稿を検出しない。原稿が給紙されて搬送路12内を搬送されることにより、第2センサ14は第1センサ13から少し遅れたタイミングで原稿を検出する。
【0029】
原稿が全て給紙されて原稿トレイ11上に原稿がなくなったタイミングで、第1センサ13は原稿を検出しなくなる。第2センサ14は、第1センサ13から少し遅れたタイミングで、原稿を検出しなくなる。第1センサ13が原稿を検出しなくなってから所定時間が経過したタイミングで、第1センサ13及び第2センサ14が非動作状態となる。
【0030】
以上詳述した如く、本実施の形態においては、画像読取装置は、画像を読み取る処理の開始指示を受け付けた場合に、第1センサ13を動作状態にする。また画像読取装置は、動作状態となった第1センサ13が原稿を検出したときに、第2センサ14を動作状態とする。画像読取装置は、開始指示を受け付けるまで第1センサ13を非動作状態にしていたとしても、開始指示を受け付けてから第1センサ13を動作状態にすることにより、以後の処理を支障無く実行することが可能である。従って、画像読取装置は、動作に支障を来すこと無く、待機状態での第1センサ13及び第2センサ14の状態を、電力の供給を遮断された非動作状態としておくことが可能となる。待機状態で第1センサ13及び第2センサ14が電力を消費しないので、画像読取装置は、従来技術に比べてより消費電力を抑制することが可能となる。また第1センサ13及び第2センサ14が動作している時間が短くなるので、第1センサ13及び第2センサ14の劣化が抑制される。従って、画像読取装置は、センサの劣化を補正する機能を必要とせず、画像読取装置の機能を削減することができる。
【0031】
また本実施の形態に係る画像読取装置は、第1センサ13が原稿を検出していない状態が所定時間継続した場合に、第1センサ13及び第2センサ14を、電力の供給が遮断された非動作状態にする。第1センサ13が原稿トレイ11上の原稿を検出しない状態が継続しているということは、画像読取装置で画像を読み取るべき原稿がもうない可能性が高く、第1センサ13及び第2センサ14が動作している必要性は低い。必要性が低い第1センサ13及び第2センサ14を非動作状態にすることにより、画像読取装置は、消費電力を削減することが可能となる。
【0032】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。画像読取装置は、制御部31を備え、制御部31は、ROM33が記憶する制御プログラムに従った情報処理を実行することにより、本発明における第4制御部314としての処理を実行する。画像読取装置のその他の電気的構成は実施の形態1と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0033】
図7は、実施の形態2に係る画像読取装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。画像読取装置の制御部31は、随時、使用者が操作部30のスタートボタン301を押下することによる開始指示の受付を待ち受けている(S21)。開始指示の受付がない場合は(S21:NO)、制御部31は、開始指示の受付の待ち受けを続行する。開始指示を受け付けた場合は(S21:YES)、制御部31は、電源に第1センサ13への電力の供給を開始させることにより、第1センサ13を動作状態にする(S22)。制御部31は、次に、第1センサ13からの信号に基づいて、第1センサ13が原稿を検出しているか否かを判定する(S23)。第1センサ13が原稿を検出していない場合は(S23:NO)、制御部31は、電源から第1センサ13への電力の供給を遮断することにより、第1センサ13を非動作状態にし(S29)、処理を終了する。
【0034】
ステップS23で第1センサ13が原稿を検出している場合は(S23:YES)、制御部31は、電源に第2センサ14への電力の供給を開始させることにより、第2センサ14を動作状態にする処理を行う(S24)。制御部31は、次に、ADF1の呼び込みローラ16を動作させ、原稿トレイ11上の一枚の原稿を搬送路12内へ給紙する処理を行う(S25)。給紙された原稿は読取部26に画像を読み取られ、画像の複写が行われる。制御部31は、次に、第2センサ14からの信号に基づいて、原稿の終端が搬送路12中で第2センサ14の位置を通過することを待ち受ける(S26)。制御部31は、原稿の終端が第2センサ14の位置を通過したことを、第2センサ14での原稿の検出結果が原稿を検出した状態から原稿を検出しない状態へ変化することによって検出することができる。
【0035】
原稿の終端が第2センサ14の位置を通過したことを検出できない場合は(S26:NO)、制御部31は、待ち受けを続行する。原稿の終端が第2センサ14の位置を通過したことを検出した場合は(S26:YES)、制御部31は、次に、第1センサ13からの信号に基づいて、一枚の原稿を給紙した後、第1センサ13が原稿を検出しているか否かを判定する(S27)。第1センサ13が原稿を検出している場合は(S27:YES)、制御部31は、処理をステップS25へ戻し、原稿トレイ11上の一枚の原稿を搬送路12内へ給紙する処理を行う。第1センサ13が原稿を検出していない場合は(S27:NO)、制御部31は、電源から第2センサ14への電力の供給を遮断することにより、第2センサ14を非動作状態にする(S28)。制御部31は、次に、電源から第1センサ13への電力の供給を遮断することにより、第1センサ13を非動作状態にし(S29)、処理を終了する。
【0036】
図8は、実施の形態2における第1センサ13及び第2センサ14の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。図中の横軸は時間経過を示しており、図中には、上から第1センサ13の状態、第1センサ13での検出結果、第2センサ14の状態、及び第2センサ14での検出結果を示す。使用者が原稿トレイ11に原稿を載置したときは、第1センサ13及び第2センサ14は非動作状態となっている。使用者がスタートボタン301を押下したタイミングで、第1センサ13は動作状態となり、第1センサ13は原稿を検出し、第2センサ14も動作状態となる。原稿が給紙されて搬送路12内を搬送されることにより、第2センサ14は第1センサ13から少し遅れたタイミングで原稿を検出する。
【0037】
原稿が全て給紙されて原稿トレイ11上に原稿がなくなったタイミングで、第1センサ13は原稿を検出しなくなる。第2センサ14は、第1センサ13から少し遅れたタイミングで、原稿を検出しなくなる。第1センサ13は原稿を検出しなくなっても、第2センサ14の位置を原稿が通過している間は、第2センサ14は原稿を検出し続ける。最後の原稿の終端が搬送路12中で第2センサ14の位置を通過したタイミングで、第2センサ14は、原稿を検出した状態から原稿を検出しない状態へ変化する。このとき、第1センサ13は原稿を検出していないので、第1センサ13及び第2センサ14は非動作状態となる。
【0038】
以上詳述した如く、本実施の形態においても、画像読取装置は、待機状態での第1センサ13及び第2センサ14の状態を非動作状態としておくことが可能であり、消費電力を抑制することが可能となる。また本実施の形態に係る画像読取装置は、原稿の終端が搬送路12中で第2センサ14の位置を通過した場合で、しかも第1センサ13が原稿を検出していないときに、第1センサ13及び第2センサ14を、電力の供給が遮断された非動作状態にする。原稿の終端が搬送路12中で第2センサ14の位置を通過したということは、第2センサ14が検出すべき原稿が搬送路12中にないということである。この状態で第1センサ13が原稿トレイ11上の原稿を検出しないということは、搬送路12へ給紙される原稿もないということであり、第2センサ14が動作している必要性は低い。また原稿が給紙されてから原稿の終端が第2センサ14の位置を通過するまで第1センサ13が原稿トレイ11上の原稿を検出しないということは、画像読取装置で画像を読み取るべき原稿がもうない可能性が高く、第1センサ13が動作している必要性は低い。必要性が低い第1センサ13及び第2センサ14を非動作状態にすることにより、画像読取装置は、消費電力を削減することが可能となる。本実施の形態に係る画像読取装置は、実施の形態1に比べてより早い段階で第1センサ13及び第2センサ14を非動作状態にすることができるので、より消費電力を削減することができる。
【0039】
なお、以上の実施の形態1及び2においては、本発明の画像読取装置が複写装置である形態を示したが、本発明の画像読取装置は、これに限るものではなく、スキャナ装置、ファクシミリ装置又は複合機であってもよい。また実施の形態1及び2においては、本発明の画像読取装置がADF1と読取ユニット2とを備えた形態を示したが、本発明の画像読取装置は、これに限るものではなく、ADF1及び読取ユニット2が一体となった構成を備える形態であってもよい。またまた実施の形態1及び2においては、本発明における収容部が原稿トレイ11である形態を示したが、本発明における収容部は、複数の原稿を収容する箱型の収容部等、トレイ以外の形態であってもよい。また実施の形態1及び2においては、操作部30に入力された指示を受付部315が受け付ける形態を示したが、本発明は、外部からの情報を受信する通信部が受信した指示を受付部315が受け付ける形態等、その他の方法で指示を受け付ける形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の画像読取装置の外観を示す模式図である。
【図2】画像読取装置の一部の内部構成を示す模式的断面図である。
【図3】実施の形態1に係る画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る画像読取装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における第1センサ及び第2センサの動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】実施の形態2に係る画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2に係る画像読取装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2における第1センサ及び第2センサの動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1 ADF
11 原稿トレイ
12 搬送路
13 第1センサ
14 第2センサ
2 読取ユニット
21 窓部
26 読取部
30 操作部
301 スタートボタン
31 制御部
311 第1制御部
312 第2制御部
313 第3制御部
314 第4制御部
315 受付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を収容する収容部と、
該収容部における原稿の有無を検出する第1センサと、
前記収容部から取り込まれた原稿が搬送される搬送路と、
該搬送路を搬送される原稿に記録された画像を読み取る読取部と、
前記搬送路中で前記読取部によって画像が読み取られる位置の近傍における原稿の有無を検出する第2センサと、
前記読取部で画像を読み取る処理の開始を指示する開始指示を受け付ける受付部と、
該受付部が開始指示を受け付けた場合に、前記第1センサを動作状態にする第1制御部と、
前記第1センサが原稿を検出した場合に、前記第2センサを動作状態にする第2制御部と
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第1センサが原稿を検出しない状態が所定時間継続した場合に、前記第1センサ及び前記第2センサを非動作状態にする第3制御部を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第2センサの状態が原稿を検出した状態から原稿を検出しない状態へ変化した場合であって前記第1センサが原稿を検出していないときに、前記第1センサ及び前記第2センサを非動作状態にする第4制御部を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−239473(P2009−239473A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80908(P2008−80908)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】