説明

留守番電話システム

【課題】留守番電話装置が用件データを記録する記録媒体が着脱可能に接続され、PC等により記録媒体に記録されている用件データが再生可能であることから、例えば、記録媒体が盗難等にあった場合、悪意者がPC等を用いて容易に用件データを再生することができ、機密性のある用件データが外部に漏出する虞があった。
【解決手段】着信側の留守番電話装置が受信した暗号鍵データに基づいて、用件データを暗号化した暗号化用件データを生成し、生成された暗号化用件データを記録媒体に記録すると共に、暗号鍵データを留守番電話装置の記憶部に格納し、用件データの再生時には、記憶部の暗号鍵データに基づいて、記録媒体の暗号化用件データを復号化し、用件データを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信側の電話装置より発信者からの連絡内容を示す用件データを受信する留守番電話装置と、留守番電話装置に着脱可能に接続された記録媒体とを備える留守番電話システムに関し、特に、該用件データの暗号化を行う留守番電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
着信者が不在である場合等に発信者からの連絡内容を示す用件データを記録し、記録された用件データを後から再生することができる留守番電話システムが知られている。例えば、下記特許文献1では、発信側の電話装置から用件データを受信する留守番電話装置と、受信した用件データを記録すべく、該留守番電話装置に対して、着脱可能に接続された記録媒体とを有する留守番電話システムが開示されている。また、この記録媒体に記録されるデータは、PC(Personal Computer)等を用いても再生することができることが知られている。
【特許文献1】特開2000−184052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した留守番電話システムには、次のような解決すべき課題があった。即ち、留守番電話装置が用件データを記録する記録媒体が着脱可能に接続されており、また、PC等により記録媒体に記録されている用件データが再生可能であることから、例えば、記録媒体が盗難等にあった場合、悪意者がPC等を用いて容易に用件データを再生することができ、機密性のある用件データが外部に漏出する虞があった。また、記録媒体に記録された用件データをPC等にコピーして保存していた場合、該PCがハッキング又はウイルス感染の被害にあうと、インターネットを介して保存していた用件データが外部に漏出され、漏出した用件データが悪意者により悪用されてしまう虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
〈構成1〉
発信側の電話装置より、発信者からの連絡内容を示す用件データを受信する留守番電話装置と、前記留守番電話装置に着脱可能に接続された記録媒体とを備える留守番電話システムにおいて、前記受信した用件データを暗号化するための暗号鍵データを生成する暗号鍵生成部を含み、前記留守番電話装置は、前記生成された暗号鍵データを記憶部に登録する暗号鍵登録部と、前記受信した用件データを前記記憶部に登録されている暗号鍵データに基づいて、暗号化して、暗号化用件データを生成するデータ暗号化部と、前記生成された暗号化用件データを前記記録媒体に記録するデータ記録制御部と、前記記憶部の暗号鍵データに基づいて、前記暗号化用件データを復号化すると共に、復号化された用件データを再生するデータ再生部とを備えることを特徴とする。
〈構成2〉
構成1の留守番電話システムにおいて、前記留守番電話装置が前記暗号鍵生成部を備え、前記暗号鍵生成部は、前記電話装置から前記用件データの暗号化指示を示す暗号化指示信号を受信すると、前記受信した用件データを暗号化するための暗号鍵データを生成することを特徴とする。
〈構成3〉
構成1の留守番電話システムにおいて、前記電話装置が前記暗号鍵生成部を備え、更に、前記電話装置は前記用件データの暗号化指示を示す暗号化指示信号を入力するための入力部を含み、前記暗号鍵生成部は、前記入力部から前記暗号化指示信号を受信すると、前記受信した用件データを暗号化するための暗号鍵データを生成することを特徴とする。
〈構成4〉
構成1乃至3のいずれかの留守番電話システムにおいて、前記暗号鍵生成部は、乱数データに基づいて、用件データ毎に異なる暗号鍵データを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の留守番電話システムでは、着信側の留守番電話装置が受信した暗号鍵データに基づいて、用件データを暗号化した暗号化用件データを生成し、生成された暗号化用件データを記録媒体に記録すると共に、暗号鍵データを留守番電話装置の記憶部に格納し、用件データの再生時には、記憶部の暗号鍵データに基づいて、記録媒体の暗号化用件データを復号化し、用件データを再生するようにしたので、着信側の留守番電話装置のみで用件データの再生を行うことができる。従って、記録媒体が盗難等に遭った場合であっても、PC等により用件データが再生されるのを防止でき、機密性のある用件データが外部に漏出するのを防止できる。
【0006】
また、記録媒体に記録された暗号化用件データをPC等にコピーして保存していた場合にハッキング又はウイルス感染によってインターネットを介して暗号化用件データが外部漏出しても、暗号化された用件データを再生することができないので、漏出した用件データが悪意者に悪用されるのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態を図を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0008】
〈実施例の構成〉
図1は、本発明の留守番電話システムを示すブロック構成図である。
【0009】
図1に示すように、本実施例の留守番電話システムは、発信側の電話装置10、着信側の留守番電話装置20、記録媒体30及び公衆回線網40から構成されている。
【0010】
記録媒体30は、例えば、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(登録商標)等のような、留守番電話装置20に着脱可能に接続されるメモリである。
【0011】
電話装置10は、制御部11、プッシュボタン等からなる入力部13、通信制御部14、暗号鍵生成部15を有している。
【0012】
本実施例では、この入力部13は、『0』〜『9』迄の数字を示すボタン及び、後述するように、用件データの再生を指示するための再生ボタンから構成されていることとする。
【0013】
留守番電話装置20は、制御部21、記憶部22、プッシュボタン等からなる入力部23、通信制御部24、暗号鍵登録部25、データ暗号化部26、データ記録制御部27、再生指示部28、データ再生部29を有している。
【0014】
記憶部22は、ROM等のようなメモリであり、留守番応答音声データ、暗号化要求音声データがそれぞれ格納される。
【0015】
留守番応答音声データは、発信者からの連絡内容を示す用件データを受信すべく、例えば、「只今、留守にしております。用件をどうぞ」等のような発信者に対し、用件データの入力を指示する音声データである。
【0016】
暗号化要求音声データは、受信した用件データの暗号化を行うか否かの判定をすべく、例えば、「用件データを暗号化する場合は、『0』を押下して、電話をお切りください。暗号化しない場合は、そのまま電話をお切りください」等のように、発信者に対し、用件データの暗号化を行うか否かの指示を促す音声データである。
【0017】
以下、本実施例の留守番電話システムの電話装置10、留守番電話装置20、記録媒体30及び公衆回線網40の相互関連について説明する。
【0018】
本実施例では、記録媒体30は留守番電話装置20に装着されていることとする。
【0019】
電話装置10の制御部11は、いわゆるCPUとして、電話装置10を統括制御する部であり、例えば、発信者が、図示しない受話器等の音声入出力部を所定位置からはずし、入力部13を介して着信側の留守番電話装置20の電話番号を示す電話番号データの入力を完了すると、電話番号データを通信制御部14に転送する。
【0020】
通信制御部14は、留守番電話装置20との通信を確立する部であり、電話番号データを受けると、図示しないメモリに電話番号データを一時格納すると共に、公衆回線網40を介して電話番号データに基づいた留守番電話装置20に着信指示信号を送信する。
【0021】
留守番電話装置20の制御部21は、いわゆるCPUとして、留守番電話装置20を統括制御する部であり、着信指示信号を受信すると、着信指示信号を通信制御部24に転送する。
【0022】
通信制御部24は、発信側の電話装置10との通信を制御する部であり、着信指示信号を受けると、設定に応じた通信制御を開始する。即ち、本実施例では、留守番制御モードが設定されていることから、図示しないスピーカ等の音声出力部に呼出音を出力させ、予め設定された所定時間が経過すると、発信者からの連絡内容を示す用件データを受信すべく、通信を確立させると共に、公衆回線網40を介して、記憶部22の留守番応答音声データを電話装置10に送信する。
【0023】
尚、留守番制御モードが設定されていないと、上記と同様に図示しないスピーカ等の音声出力部に呼出音を出力させ、着信者が着信応答すると、従来と同様に電話装置10との通信が確立される。
【0024】
電話装置10の制御部11は、留守番応答音声データを受信すると、留守番応答音声データを図示しない音声再生部に転送し、音声再生部は、スピーカ等の音声出力部を介して、「只今、留守にしております。用件をどうぞ」等の留守番応答音声を再生する。
【0025】
発信者が図示しない受話器等を介して、留守番応答音声を聞き、連絡内容を示す用件データを入力すると、電話装置10の制御部11は、入力された用件データを通信制御部14に転送する。
【0026】
通信制御部14は、用件データを受けると、用件データをメモリの電話番号データに基づく留守番電話装置20に送信する。
【0027】
留守番電話装置20の制御部21は、用件データを受信すると、用件データを記憶部22に一時格納すると共に、引き続き、記憶部22の暗号化要求音声データを通信制御部24に転送する。
【0028】
通信制御部24は、暗号化要求音声データを受けると、暗号化要求音声データを電話装置10に送信する。
【0029】
電話装置10の制御部11は、暗号化要求音声データを受信すると、暗号化要求音声データを図示しない音声再生部に転送し、音声再生部は、スピーカ等の音声出力部を介して、「用件データを暗号化する場合は、『0』を押下して、電話をお切りください。暗号化しない場合は、そのまま電話をお切りください」等の暗号化要求音声を再生する。
【0030】
電話装置10の制御部11は、発信者が図示しない受話器を介して、暗号化要求音声を聞き、例えば、図示しない受話器等の音声入出力部を所定位置に戻すと、通信を切断すべく、切断指示信号を通信制御部14に転送する。
【0031】
通信制御部14は、切断指示信号を受けると、メモリの電話番号データに基づく留守番電話装置20に切断指示信号を送信する。
【0032】
一方、発信者が図示しない受話器を介して、暗号化要求音声を聞き、用件データを暗号化すべく、入力部13を介して、『0』を入力すると、電話装置10の制御部11は、暗号化の指示を示す暗号化指示信号を暗号鍵生成部15に転送する。
【0033】
暗号鍵生成部15は、暗号化指示信号を受けると、用件データを暗号化するための暗号鍵データを生成する。
【0034】
制御部11は、暗号鍵生成部15が暗号鍵データを生成すると、生成した暗号鍵データをメモリの電話番号データに基づく留守番電話装置20に送信する。
【0035】
留守番電話装置20の制御部21は、暗号鍵データを受信すると、暗号鍵データを暗号鍵登録部25に転送する。
【0036】
暗号鍵登録部25は、暗号鍵データの登録を行う部であり、暗号鍵データを受けると、暗号鍵データを記憶部22に登録する。
【0037】
そして、電話装置10の制御部11は、例えば、発信者が図示しない受話器等の音声入出力部を所定位置に戻すと、通信を切断すべく、切断指示信号を通信制御部14に転送する。
【0038】
通信制御部14は、切断指示信号を受けると、メモリの電話番号データに基づく留守番電話装置20に切断指示信号を送信する。
【0039】
留守番電話装置20の制御部21は、切断指示信号を受信すると、切断指示信号を通信制御部24に転送する。
【0040】
通信制御部24は、切断指示信号を受けると、電話装置10及び留守番電話装置20間の通信を切断する。
【0041】
留守番電話装置20の制御部21は、通信制御部24が通信を切断すると、記憶部22を参照し、暗号鍵データが格納されていると、用件データの暗号化を開始すべく、記憶部22の暗号鍵データをデータ暗号化部26に転送し、暗号鍵データが格納されていないと、記憶部22の用件データをデータ記録制御部27に転送する。
【0042】
データ暗号化部26は、用件データの暗号化を行う部であり、暗号鍵データを受けると、記憶部22の用件データを暗号鍵データに基づいて、暗号化した暗号化用件データを生成する。
【0043】
留守番電話装置20の制御部21は、データ暗号化部26が暗号化用件データを生成すると、生成された暗号化用件データをデータ記録制御部27に転送する。
【0044】
データ記録制御部27は、用件データ等を記録媒体30に記録する部であり、用件データ及び暗号化用件データのいずれかを受けると、受け付けた用件データ及び暗号化用件データのいずれかを記録媒体30に記録する。
【0045】
次に、留守番電話装置20により、記録媒体30に記録された暗号化用件データが復号化され、再生されるまでについて説明を行う。
【0046】
記録媒体30に記録されている暗号化用件データの再生する場合、留守番電話装置20の着信者が、例えば、留守番電話装置20の本体部に設けられた再生ボタン等を押下する。
【0047】
再生指示部28は、用件データの再生指示を行う部であり、再生ボタン等が押下されると、用件データの再生を指示する再生指示信号をデータ再生部29に出力する。
【0048】
データ再生部29は、用件データの再生を行う部であり、再生指示信号を受けると、記録媒体30の暗号化用件データを記憶部22の暗号鍵データに基づいて、復号化すると共に、復号化された用件データを図示しないスピーカ等の音声出力部を介して再生する。
【0049】
このように、着信側の留守番電話装置20が受信した暗号鍵データに基づいて、用件データを暗号化した暗号化用件データを生成し、生成した暗号化用件データを記録媒体30に記録すると共に、暗号鍵データを留守番電話装置の記憶部22に格納し、用件データの再生時には、記憶部22の暗号鍵データに基づいて、記録媒体30の暗号化用件データを復号化し、用件データを再生するようにしたので、留守番電話装置20でのみ用件データの再生を行うことができる。
【0050】
〈実施例の動作〉
以下、本実施例の留守番電話システムの動作について説明を行う。
【0051】
まず、留守番電話装置20が電話装置10から受信した用件データを暗号化し、記録媒体30に記録するまでの説明を行う。
【0052】
本実施例の留守番電話装置20の通信制御部24には、着信者が不在のため、発信者からの連絡内容を示す用件データを記録媒体30に記録する留守番制御モードが予め設定されていることとする。
【0053】
図2は、実施例1の留守番電話システムの暗号化動作フローチャートである。
【0054】
電話装置10の制御部11は、例えば、発信者が、図示しない受話器等の音声入出力部を所定位置からはずし、入力部13を介して着信側の留守番電話装置20の電話番号を示す電話番号データの入力を完了すると、電話番号データを通信制御部14に転送する。
【0055】
通信制御部14は、電話番号データを受けると、図示しないメモリに電話番号データを一時格納すると共に、公衆回線網40を介して電話番号データに基づいた留守番電話装置20に着信指示信号を送信する(S1)。
【0056】
留守番電話装置20の制御部21は、着信指示信号を受信すると、着信指示信号を通信制御部24に転送する。
【0057】
通信制御部24は、着信指示信号を受けると、設定に応じた通信制御を開始する。即ち、本実施例では、留守番制御モードが設定されていることから、図示しないスピーカ等の音声出力部に呼出音を出力させ、予め設定された所定時間が経過すると、発信者からの連絡内容を示す用件データを受信すべく、通信を確立させると共に、公衆回線網40を介して、記憶部22の留守番応答音声データを電話装置10に送信する(S2)。
【0058】
尚、留守番制御モードが設定されていないと、上記と同様に図示しないスピーカ等の音声出力部に呼出音を出力させ、着信者が着信応答すると、従来と同様に電話装置10との通信が確立される。
【0059】
電話装置10の制御部11は、留守番応答音声データを受信すると、留守番応答音声データを図示しない音声再生部に転送し、音声再生部は、スピーカ等の音声出力部を介して、「只今、留守にしております。用件をどうぞ」等の留守番応答音声を再生する(S3)。
【0060】
発信者が図示しない受話器等を介して、留守番応答音声を聞き、連絡内容を示す用件データを入力すると、電話装置10の制御部11は、入力された用件データを通信制御部14に転送する。
【0061】
通信制御部14は、用件データを受けると、用件データをメモリの電話番号データに基づく留守番電話装置20に送信する(S4)。
【0062】
留守番電話装置20の制御部21は、用件データを受信すると、用件データを記憶部22に一時格納すると共に、引き続き、記憶部22の暗号化要求音声データを通信制御部24に転送する。
【0063】
通信制御部24は、暗号化要求音声データを受けると、暗号化要求音声データを電話装置10に送信する(S5)。
【0064】
電話装置10の制御部11は、暗号化要求音声データを受信すると、暗号化要求音声データを図示しない音声再生部に転送し、音声再生部は、スピーカ等の音声出力部を介して、「用件データを暗号化する場合は、『0』を押下して、電話をお切りください。暗号化しない場合は、そのまま電話をお切りください」等の暗号化要求音声を再生する(S6)。
【0065】
電話装置10の制御部11は、発信者が図示しない受話器を介して、暗号化要求音声を聞き、例えば、図示しない受話器等の音声入出力部を所定位置に戻すと、通信を切断すべく、切断指示信号を通信制御部14に転送する。
【0066】
通信制御部14は、切断指示信号を受けると、メモリの電話番号データに基づく留守番電話装置20に切断指示信号を送信する。
【0067】
一方、発信者が図示しない受話器を介して、暗号化要求音声を聞き、用件データを暗号化すべく、入力部13を介して、『0』を入力すると、電話装置10の制御部11は、暗号化の指示を示す暗号化指示信号を暗号鍵生成部15に転送する(S7)。
【0068】
暗号鍵生成部15は、暗号化指示信号を受けると、用件データを暗号化するための暗号鍵データを生成する(S8)。
【0069】
制御部11は、暗号鍵生成部15が暗号鍵データを生成すると、生成した暗号鍵データをメモリの電話番号データに基づく留守番電話装置20に送信する(S9)。
【0070】
留守番電話装置20の制御部21は、暗号鍵データを受信すると、暗号鍵データを暗号鍵登録部25に転送する。
【0071】
暗号鍵登録部25は、暗号鍵データを受けると、暗号鍵データを記憶部22に登録する(S10)。
【0072】
そして、電話装置10の制御部11は、例えば、発信者が図示しない受話器等の音声入出力部を所定位置に戻すと、通信を切断すべく、切断指示信号を通信制御部14に転送する。
【0073】
通信制御部14は、切断指示信号を受けると、メモリの電話番号データに基づく留守番電話装置20に切断指示信号を送信する(S11)。
【0074】
留守番電話装置20の制御部21は、切断指示信号を受信すると、切断指示信号を通信制御部24に転送する。
【0075】
通信制御部24は、切断指示信号を受けると、電話装置10及び留守番電話装置20間の通信を切断する(S12)。
【0076】
留守番電話装置20の制御部21は、通信制御部24が通信を切断すると、記憶部22を参照し、暗号鍵データが格納されていると、用件データの暗号化を開始すべく、記憶部22の暗号鍵データをデータ暗号化部26に転送し(S13&S14)、暗号鍵データが格納されていないと、記憶部22の用件データをデータ記録制御部27に転送する(S13&S15)。
【0077】
データ暗号化部26は、暗号鍵データを受けると、記憶部22の用件データを暗号鍵データに基づいて、暗号化した暗号化用件データを生成する(S16)。
【0078】
留守番電話装置20の制御部21は、データ暗号化部26が暗号化用件データを生成すると、生成された暗号化用件データをデータ記録制御部27に転送する(S17)。
【0079】
データ記録制御部27は、用件データ等を記録媒体30に記録する部であり、用件データ及び暗号化用件データのいずれかを受けると、受け付けた用件データ及び暗号化用件データのいずれかを記録媒体30に記録する(S18)。
【0080】
次に、留守番電話装置20により、記録媒体30に記録された暗号化用件データが復号化され、再生されるまでについて説明を行う。
【0081】
図3は、実施例1の留守番電話システムにおける暗号化用件データの再生動作フローチャートである。
【0082】
記録媒体30に記録されている暗号化用件データを再生する場合、留守番電話装置20の着信者が例えば、留守番電話装置20の本体部に設けられた再生ボタン等を押下する(S1)。
【0083】
再生指示部28は、再生ボタン等が押下されると、暗号化用件データの再生を指示する再生指示信号をデータ再生部29に出力する(S2)。
【0084】
データ再生部29は、再生指示信号を受けると、記録媒体30の暗号化用件データを記憶部22の暗号鍵データに基づいて復号化すると共に、復号化された用件データを図示しないスピーカ等の音声出力部を介して再生する(S3)。
【0085】
このように、着信側の留守番電話装置20が受信した暗号鍵データに基づいて、用件データを暗号化した暗号化用件データを生成し、生成した暗号化用件データを記録媒体30に記録すると共に、暗号鍵データを留守番電話装置の記憶部22に格納し、用件データの再生時には、記憶部22の暗号鍵データに基づいて、記録媒体30の暗号化用件データを復号化し、用件データを再生するようにしたので、留守番電話装置20でのみ用件データの再生を行うことができる。
【0086】
〈実施例の効果〉
本実施例の留守番電話システムでは、着信側の留守番電話装置20が受信した暗号鍵データに基づいて、用件データを暗号化した暗号化用件データを生成し、生成された暗号化用件データを記録媒体30に記録すると共に、暗号鍵データを留守番電話装置の記憶部22に格納し、用件データの再生時には、記憶部22の暗号鍵データに基づいて、記録媒体30の暗号化用件データを復号化し、用件データを再生するようにしたので、留守番電話装置20のみで用件データの再生を行うことができる。従って、記録媒体30が盗難等に遭った場合であっても、PC等により用件データが再生されるのを防止でき、機密性のある用件データが外部に漏出するのを防止できる。
【0087】
また、記録媒体30に記録された暗号化用件データをPC等にコピーして保存していた場合にハッキング又はウイルス感染によってインターネットを介して暗号化用件データが外部漏出しても、暗号化された用件データを再生することができないので、漏出した用件データが悪意者に悪用されるのを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
上記実施例では、電話装置10及び留守番電話装置20を音声データのみが授受可能な電話機に適用して説明を行ったがこれに限られることはなく、電話装置10及び留守番電話装置20を、例えば、音声データ及び画像データ等が授受可能なテレビ電話機、IP電話機能を有するPC(Personal Computer)等に適用してもよい。
【0089】
上記実施例では、用件データを暗号化するための暗号鍵データを発信側の電話装置10が生成する構成であったが、これに限られることはなく、例えば、電話装置10から、用件データの暗号化を指示する信号等のみを着信側の留守番電話装置20に送信し、該信号を受信した留守番電話装置20が暗号鍵データを生成する構成としてもよい。これにより、発信側の電話装置10から留守番電話装置20に暗号鍵データが送信されている途中で暗号鍵データが第三者に盗み見られるのを防止でき、更なるセキュリティ向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の留守番電話システムを示すブロック構成図
【図2】実施例1の留守番電話システムの暗号化動作フローチャート
【図3】実施例1の留守番電話システムにおける暗号化用件データの再生動作フローチャート
【符号の説明】
【0091】
10 電話装置
11 制御部
13 入力部
14 通信制御部
15 暗号鍵生成部
20 留守番電話装置
21 制御部
22 記憶部
23 入力部
24 通信制御部
25 暗号鍵登録部
26 データ暗号化部
27 データ記録制御部
28 再生指示部
29 データ再生部
30 記録媒体
40 公衆回線網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信側の電話装置より、発信者からの連絡内容を示す用件データを受信する留守番電話装置と、前記留守番電話装置に着脱可能に接続された記録媒体とを備える留守番電話システムにおいて、
前記受信した用件データを暗号化するための暗号鍵データを生成する暗号鍵生成部を含み、
前記留守番電話装置は、
前記生成された暗号鍵データを記憶部に登録する暗号鍵登録部と、
前記受信した用件データを前記記憶部に登録されている暗号鍵データに基づいて、暗号化して、暗号化用件データを生成するデータ暗号化部と、
前記生成された暗号化用件データを前記記録媒体に記録するデータ記録制御部と、
前記記憶部の暗号鍵データに基づいて、前記暗号化用件データを復号化すると共に、復号化された用件データを再生するデータ再生部とを備えることを特徴とする留守番電話システム。
【請求項2】
前記留守番電話装置が前記暗号鍵生成部を備え、
前記暗号鍵生成部は、前記電話装置から前記用件データの暗号化指示を示す暗号化指示信号を受信すると、前記受信した用件データを暗号化するための暗号鍵データを生成することを特徴とする請求項1記載の留守番電話システム。
【請求項3】
前記電話装置が前記暗号鍵生成部を備え、
更に、前記電話装置は前記用件データの暗号化指示を示す暗号化指示信号を入力するための入力部を含み、
前記暗号鍵生成部は、前記入力部から前記暗号化指示信号を受信すると、前記受信した用件データを暗号化するための暗号鍵データを生成することを特徴とする請求項1記載の留守番電話システム。
【請求項4】
前記暗号鍵生成部は、乱数データに基づいて、用件データ毎に異なる暗号鍵データを生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の留守番電話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−243596(P2007−243596A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63010(P2006−63010)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】