説明

異常検知回路、及び電池電源システム

【課題】複数の電池を用いた場合において、省配線を図りつつ、電池の異常、及び電池の異常を検出する回路の異常を検出することができる異常検知回路、及び電池電源システムを提供する。
【解決手段】異常検知部22によって正常判定がされたときパルス信号を出力信号として出力し、異常判定がされたときハイレベルの直流電圧を出力信号として出力する通知信号生成部23と、この出力信号を平滑して平滑電圧Eを生成する平滑回路24とをそれぞれが含む複数の回路ブロック21と、各平滑電圧Eのうち最大の電圧を第1配線L1に印加するダイオードD1−1〜3と、各平滑電圧Eのうち最小の電圧を第2配線L2に印加するダイオードD2−1〜3と、第1配線L1の電圧が第1閾値を超えたときと、第2配線の電圧が第2閾値に満たないときに異常が生じたと判定する制御部20とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の異常を検出する異常検知回路、およびこれを備えた電池電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のエコカーとして、電気自動車やハイブリッド自動車等が注目されている。そして、このようなエコカーの電源として用いられる二次電池の技術開発が進んでいる。自動車の性能を左右するとも考えられる二次電池の性能の向上が日々追求されている。
【0003】
また、二次電池の性能の向上と共に、二次電池に要求される信頼性水準も高まっている。そのため、各電池の電圧を監視し、その電圧が異常値になったとき、その異常発生を示す信号を制御装置へ送信するようにした電池電源システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、二次電池を電気自動車等の電源として用いる場合は、高電圧を得るために複数個、例えば20〜100個程度の二次電池(組電池)が直列に接続されて用いられる。そこで、特許文献1に記載の技術では、各電池についての異常検出結果に応じてトランジスタをオン、オフさせ、この各トランジスタをオープンコレクタ接続によってワイヤードオアすることで、省配線を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−297407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の技術では、電池の監視回路が故障、例えば上述のトランジスタがオープン故障した場合、制御装置側からは、監視回路の故障を検知することができない。そして、監視回路が故障すると、制御装置は、電池の異常を検出することができない。そのため、電池の異常発生と共に、電池の異常を検出する回路の異常も検出したいという、ニーズがある。
【0007】
本発明の目的は、複数の電池を用いた場合において、省配線を図りつつ、電池の異常、及び電池の異常を検出する回路の異常を検出することができる異常検知回路、及び電池電源システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る異常検知回路は、複数の電池にそれぞれ対応して設けられた回路ブロックであって、対応する電池が正常であるか異常であるかを判定する異常検知部と、前記異常検知部によって正常であるとの判定がされたときハイレベルとローレベルとの間で電圧が周期的に変化するパルス信号を出力信号として出力し、前記異常検知部によって異常であるとの判定がされたとき、前記ハイレベル又は前記ローレベルの直流電圧を出力信号として出力する通知信号生成部と、前記出力信号を平滑して平滑電圧を生成する平滑回路とをそれぞれが含む複数の回路ブロックと、前記複数の回路ブロックにおける各平滑電圧のうち最大の電圧を、最大平滑電圧として第1配線に印加する最大電圧印加部と、前記各平滑電圧のうち最小の電圧を、最小平滑電圧として第2配線に印加する最小電圧印加部と、前記第1配線を介して前記最大平滑電圧を第1検出電圧として検出し、当該第1検出電圧が所定の第1閾値を超えたとき異常が生じたと判定すると共に、前記第2配線を介して前記最小平滑電圧を第2検出電圧として検出し、当該第2検出電圧が所定の第2閾値に満たないとき、異常が生じたと判定し、当該第1検出電圧が前記第1閾値に満たず、かつ当該第2検出電圧が前記第2閾値を超えたとき、正常であると判定する判定部とを備え、前記パルス信号のデューティ比と前記ハイレベルの電圧とは、当該パルス信号を平滑したときに得られる平滑電圧が所定の基準電圧になるように、予め設定されており、前記第1閾値は、前記基準電圧を超え、かつ前記ハイレベルの電圧以下の電圧値であり、前記第2閾値は、前記基準電圧に満たず、かつ前記ローレベルの電圧以上の電圧値である。
【0009】
この構成によれば、各回路ブロックにおいて、それぞれに対応する電池が正常であると判定されると、通知信号生成部からパルス信号が出力信号として出力される。このパルス信号が平滑回路で平滑されて得られる平滑電圧は、基準電圧となる。このようにして得られた各平滑電圧のうち、最大の電圧が最大平滑電圧として第1配線に印加され、最小の電圧が最小平滑電圧として第2配線に印加される。そうすると、すべての電池が正常であるときは、第1および第2配線に印加される電圧は、いずれも第1閾値に満たず、かつ第2閾値を超える基準電圧となる。したがって、判定部は、第1配線を介して検出された第1検出電圧が第1閾値に満たず、かつ第2配線を介して検出された第2検出電圧が第2閾値を超えたとき、各二次電池は正常であると判定することができる。
【0010】
一方、各電池のうちひとつでも、異常検知部によって異常であると判定されると、通知信号生成部によって、ハイレベル又はローレベルの直流電圧が出力信号として出力される。そうすると、この出力信号が平滑された平滑電圧は、基準電圧にはならず、ハイレベル又はローレベルの電圧となる。そして、各平滑電圧のうち少なくとも一つがハイレベルのときは、最大電圧印加部によってハイレベルの電圧が最大平滑電圧として第1配線に印加され、各平滑電圧のうち少なくとも一つがローレベルのときは、最小電圧印加部によってローレベルの電圧が最小平滑電圧として第2配線に印加される。
【0011】
そして、回路ブロックが故障して異常が生じた場合には、各回路ブロックの最終的な出力電圧である平滑電圧は、ハイレベル又はローレベルに固定される可能性が極めて高い。そうすると、各回路ブロックのうち少なくとも一つに異常が生じると、平滑電圧がハイレベルに固定される異常の場合は最大電圧印加部によってハイレベルの電圧が最大平滑電圧として第1配線に印加され、平滑電圧がローレベルに固定される異常の場合は最小電圧印加部によってローレベルの電圧が最小平滑電圧として第2配線に印加される。
【0012】
従って、判定部は、第1配線を介して検出された第1検出電圧が第1閾値を超えたとき異常が生じたと判定すると共に、第2配線を介して検出された第2検出電圧が第2閾値に満たないとき、異常が生じたと判定することで、電池の異常、及び電池の異常を検出する回路である回路ブロックの異常を検出することができる。さらに、これらの異常を検出するために必要な配線は、第1および第2配線の2本だけであるから、省配線を図ることができる。
【0013】
また、前記最大電圧印加部は、カソードが前記第1配線に接続された複数のダイオードを用いて構成され、当該各ダイオードのアノードに前記各平滑電圧が印加され、前記最小電圧印加部は、アノードが前記第2配線に接続された複数のダイオードを用いて構成され、当該各ダイオードのカソードに前記各平滑電圧が印加されることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、最大電圧印加部および最小電圧印加部を簡素な構成で実現できる。
【0015】
また、前記各通知信号生成部におけるハイレベルの電圧値として、互いに異なる電圧値が設定されており、前記各通知信号生成部における、前記パルス信号のデューティ比と前記ハイレベルの電圧値との積は、前記基準電圧と実質的に等しい値であり、前記各通知信号生成部は、前記異常検知部によって異常であるとの判定がされたとき、前記ハイレベルの直流電圧を出力信号として出力し、前記判定部は、前記第1検出電圧が前記第1閾値を超えたとき、当該第1検出電圧に基づいて、異常が検出された電池又は異常が発生した回路ブロックを特定することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、各回路ブロックにおける基準電圧を互いに等しい電圧値に維持しつつ、ハイレベルの電圧値として互いに異なる電圧値が設定される。そして、各異常検知部のうちいずれかによって異常であるとの判定がされたとき、対応する通知信号生成部によって、他の通知信号部におけるハイレベルとは異なる電圧値の直流電圧が出力信号として出力され、この電圧が平滑されて最大平滑電圧として第1配線に印加されることとなる。
【0017】
そうすると、どの回路ブロックで電池の異常が検出されか、すなわちどの電池で異常が生じたかによって、第1配線に印加される最大平滑電圧が異なる。同様に、各回路ブロックのいずれかで故障による異常が生じて平滑電圧がハイレベルに固定された場合においても、どの回路ブロックで異常が生じたかによって、第1配線に印加される最大平滑電圧が異なる。したがって、判定部は、第1配線で検出された最大平滑電圧に基づいて、異常が検出された電池又は異常が発生した回路ブロックを特定することが可能となる。
【0018】
なお、「実質的に等しい」とは、例えば誤差や回路の特性ばらつき等によって生じる程度の差異が生じていても、等しいとみなすことを意味する。
【0019】
また、前記判定部は、前記各通知信号生成部におけるハイレベルの電圧値を判別するための複数の判定値を記憶する記憶部を備え、前記第1検出電圧が前記第1閾値を超えたとき、前記記憶部に記憶された複数の判定値と前記第1検出電圧とを比較することにより、前記第1検出電圧が、前記各通知信号生成部のうちどの通知信号生成部におけるハイレベルの電圧値であるかを判別し、当該判別された通知信号生成部と対応する電池又は回路ブロックで、異常が生じたと判定することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、判定部は、各通知信号生成部におけるハイレベルの電圧値を判別するための複数の判定値を記憶する記憶部を備えているので、記憶部に記憶された複数の判定値と第1検出電圧とを比較することにより、異常が生じた個所を特定することが容易となる。
【0021】
また、本発明に係る電池電源システムは、上述の異常検知回路と、前記複数の電池とを備える。
【0022】
この構成によれば、複数の電池とその異常検知回路とを備えた電池電源システムにおいて、省配線を図りつつ、電池の異常、及び電池の異常を検出する回路の異常を検出することができる。
【発明の効果】
【0023】
このような構成の異常検知回路及び電池電源システムは、複数の電池を用いた場合において、省配線を図りつつ、電池の異常、及び電池の異常を検出する回路の異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る異常検知回路を備えた電池電源システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す回路ブロックの詳細の一例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す回路ブロックの詳細の一例を示すブロック図である。
【図4】図1に示す回路ブロックの詳細の一例を示すブロック図である。
【図5】図2に示す回路ブロックの動作を説明するための信号波形図である。
【図6】図3に示す回路ブロックの動作を説明するための信号波形図である。
【図7】図4に示す回路ブロックの動作を説明するための信号波形図である。
【図8】図1に示す制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る異常検知回路2を備えた電池電源システム1の構成の一例を示すブロック図である。電池ブロックは、例えば複数のセルが並列接続されたものを直列接続したもので構成されている。
【0026】
図1に示す電池電源システム1は、異常検知回路2と、電池ブロック3−1,3−2,3−3とを備えて構成されている。異常検知回路2は、制御部20、回路ブロック21−1,21−2,21−3、ダイオードD1−1,D1−2,D1−3、ダイオードD2−1,D2−2,D2−3、第1配線L1、及び第2配線L2を備えて構成されている。
【0027】
回路ブロック21−1は電池ブロック3−1と対応して設けられ、回路ブロック21−2は電池ブロック3−2と対応して設けられ、回路ブロック21−3は電池ブロック3−3と対応して設けられている。
【0028】
なお、電池ブロック、および回路ブロックの数は、3個に限られず、2個であってもよく、4個以上であってもよい。また、電池ブロック3−1、回路ブロック21−1、及びダイオードD1−1,D2−1を電池モジュールM1として構成し、電池ブロック3−2、回路ブロック21−2、及びダイオードD1−2,D2−2を電池モジュールM2として構成し、電池ブロック3−3、回路ブロック21−3、及びダイオードD1−3,D2−3を電池モジュールM3として構成するようにしてもよい。
【0029】
回路ブロック21−1は、異常検知部22−1と、通知信号生成部23−1と、平滑回路24−1と、バッファB1−1,B2−1とを備えている。回路ブロック21−2は、異常検知部22−2と、通知信号生成部23−2と、平滑回路24−2と、バッファB1−2,B2−2とを備えている。回路ブロック21−3は、異常検知部22−3と、通知信号生成部23−3と、平滑回路24−3と、バッファB1−3,B2−3とを備えている。
【0030】
図2、図3、図4は、図1に示す回路ブロック21−1,21−2,21−3の詳細の一例をそれぞれ示すブロック図である。
【0031】
図1〜図4に記載された構成要素の符号における添え字(ハイフン付きの数字)は、同じ電池ブロックに対応する構成要素同士で同じ添え字が付されるようになっている。例えば、電池ブロック3−1に対応する構成要素、すなわち異常検知部22−1、通知信号生成部23−1、平滑回路24−1、及びダイオードD1−1,D2−1等の符号には、添え字1が付されている。同様に、添え字が2の構成要素同士、添え字が3の構成要素同士で互いに対応している。
【0032】
以下、電池ブロック3−1,3−2,3−3を総称するときは電池ブロック3と称し、異常検知部22−1,22−2,22−3を総称するときは異常検知部22と称し、以下同様に、−1,−2,−3が符号に付された構成要素を総称するときは、ハイフン以下の添え字を除いた符号を付して示す。同様に、その他の構成要素や信号についても、対応する添え字の番号をハイフン以下に付して示し、これらの構成要素や信号を総称するときは、ハイフン以下の添え字を除いた符号を付して示す。
【0033】
電池ブロック3−1,3−2,3−3は、それぞれ、二次電池の一例に相当し、複数の素電池31が直列に接続された組電池として構成されている。なお、電池ブロック3−1,3−2,3−3は、複数の素電池31が、直列、並列、または直列と並列とを組み合わせて接続された組電池であってもよい。素電池31は、二次電池、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の二次電池セルであってもよく、例えば燃料電池セルであってもよい。
【0034】
なお、請求項に係る電池の一例として、電池ブロック3を示したが、請求項に係る電池は単セルであってもよい。また、電池ブロック3の数(電池の数)も、3個に限られず、1個、2個、あるいは4個以上であってもよい。
【0035】
図5は、図2に示す回路ブロック21−1の動作を説明するための信号波形図である。以下、図2、図5を参照して、回路ブロック21−1について説明する。通知信号生成部23−1は、パルス信号生成部25−1と、ORゲート26−1と、絶縁回路27−1とを備えている。平滑回路24−1は、バッファB3−1と、抵抗R−1と、キャパシタC1−1とを備えている。
【0036】
異常検知部22−1は、対応する電池ブロック3−1の両端に接続され、その端子電圧を検出する。異常検知部22−1は、例えばコンパレータを用いて構成されている。
【0037】
そして、異常検知部22−1は、例えば検出された端子電圧が、電池ブロック3の過電圧を示す上限電圧値を超えたときや、過放電を示す下限電圧値を下回ったときに回路ブロック21−1の異常を検知し、異常検知信号A−1を例えばハイレベルにしてORゲート26−1へ出力する。一方、異常検知部22−1は、回路ブロック21−1の異常が検知されず、すなわち回路ブロック21−1が正常であるときは、異常検知信号A−1を例えばローレベルにしてORゲート26−1へ出力する。
【0038】
なお、異常検知部の一例として、電池ブロック3の電圧の異常を検出する異常検知部22を示したが、異常検知部は、電池ブロック3の各セル電圧の異常を検出するものでもよい。その場合、異常検知部は、各セルごとに電圧検出するように接続されている。また、異常検知部は電池ブロック3の異常を検知するものであればよく、例えば電池ブロック3に流れる電流や電池ブロック3の温度を検出することで、電池ブロック3の過電流や温度異常を検出するものであってもよい。
【0039】
パルス信号生成部25−1は、デューティ比DR−1が1/2のパルス信号B−1を生成し、ORゲート26−1へ出力する。
【0040】
ORゲート26−1は、異常検知信号A−1とパルス信号B−1とを論理和し、信号C−1として絶縁回路27−1へ出力する。
【0041】
絶縁回路27−1は、例えばフォトカプラを用いて構成され、一次側の信号C−1と二次側の出力信号D−1とを絶縁する。絶縁回路27−1の二次側には、5Vの電源電圧が供給されている。これにより、絶縁回路27−1の出力信号D−1は、ハイレベルの電圧値、すなわち波高値Vh−1が5Vになるようにされている。
【0042】
そうすると、異常検知部22−1によって異常が検出されず、電池ブロック3−1が正常であるときは、異常検知信号A−1がローレベルにされ、デューティ比DR−1が1/2のパルス信号B−1が、ORゲート26−1によって信号C−1として絶縁回路27−1へ出力される。そして、絶縁回路27−1によって、信号C−1が絶縁されて波高値Vh−1が5Vにされる結果、デューティ比DRが1/2、波高値Vh−1が5Vの出力信号D−1が、絶縁回路27−1からバッファB3−1へ出力される。
【0043】
なお、絶縁回路27は、電池ブロック3−1,3−2,3−3が直列接続されていることで生じる各回路ブロック間の電位差を吸収するために設けられている。例えば、電池ブロック3−1,3−2,3−3が並列接続されている場合等のように、各電池ブロック間に電位差が生じないのであれば、絶縁回路27を設ける必要はない。この場合、ORゲート26が、波高値Vhの出力信号Dを直接出力するようにすればよい。
【0044】
バッファB3−1は、入力された電圧と同じ電圧の信号を、抵抗R−1を介してキャパシタC1−1の一端へ出力する。キャパシタC1−1の他端は回路グラウンドに接続されている。そして、抵抗R−1とキャパシタC1−1とで、正常時の信号C−1、すなわちデューティ比が1/2、波高値が5Vの信号C−1をほぼ直流電圧に平滑できるように、抵抗R−1の抵抗値とキャパシタC1−1の静電容量とが予め設定されている。
【0045】
信号C−1が平滑されると、その電圧は信号C−1の平均値となる。そのため、電池ブロック3−1が正常であるときは、信号C−1が平滑回路24−1によって平滑されて、デューティ比DR−1と波高値Vh−1との積である2.5Vの平滑電圧E−1が生成され、その平滑電圧E−1が平滑回路24−1からバッファB1−1,B2−1へ出力される。
【0046】
このように、デューティ比DR−1と波高値Vh−1との積が2.5Vとなり、すなわち正常時に通知信号生成部23−1から出力されるパルス信号が平滑されて得られる平滑電圧E−1が、予め設定された基準電圧である2.5Vになるように、デューティ比DR−1と波高値Vh−1とが予め設定されている。
【0047】
一方、異常検知部22−1によって、電池ブロック3−1の異常が検出されたときは、信号C−1が平滑回路24−1によって平滑されて、波高値Vh−1、すなわち5Vの平滑電圧E−1が生成され、その平滑電圧E−1が平滑回路24−1からバッファB1−1,B2−1へ出力される。
【0048】
これにより、電池ブロック3−1の正常時には平滑電圧E−1が2.5Vとなり、電池ブロック3−1の異常時には平滑電圧E−1が5Vとなるから、平滑電圧E−1の電圧値によって、異常検知部22−1による異常の検出結果が示される。
【0049】
ここで、通知信号生成部23−1で何らかの故障が発生した場合を考える。電子回路の最も一般的な故障モードとしては、ショートモードとオープンモードであり、故障の大半はショートモードとオープンモードのうちいずれかであると考えられる。そして、回路でショートモード又はオープンモードの故障が発生した場合、回路の出力電圧は、通常、ハイレベルに固定されるか、あるいはローレベルに固定されることとなる。
【0050】
従って、通知信号生成部23−1で故障が発生すると、極めて高い確率で、通知信号生成部23−1の出力信号D−1がハイレベル、あるいはローレベルに固定される。図5においては、通知信号生成部23−1が故障して出力信号D−1がローレベルに固定された例を示している。
【0051】
そして、出力信号D−1がローレベルに固定されると、平滑電圧E−1もまたローレベル(0V)になり、出力信号D−1がハイレベルである波高値Vh−1(5V)に固定されると、平滑電圧E−1もまた波高値Vh−1(5V)になる。バッファB1−1,B2−1,B3−1が故障した場合も同様に、平滑電圧E−1がローレベル(0V)又は波高値Vh−1(5V)に固定される可能性が極めて高い。
【0052】
すなわち、平滑電圧E−1が2.5Vのときは、電池ブロック3−1が正常かつ通知信号生成部23−1、平滑回路24−1、バッファB1−1,B2−1も正常であることを示しており、平滑電圧E−1が波高値Vh−1(5V)又はローレベル(0V)のときは、電池ブロック3−1の異常又は通知信号生成部23−1、平滑回路24−1、バッファB1−1,B2−1のいずれかに故障(異常)が生じていることを示すことになる。
【0053】
バッファB1−1,B2−1は、入力された電圧と同じ電圧を出力するバッファアンプである。バッファB1−1,B2−1は、他の回路ブロック21−2,21−3からの信号の回り込みを防止するために設けられている。バッファB1−1は、平滑電圧E−1をそのままダイオードD1−1のアノードへ出力し、バッファB2−1は、平滑電圧E−1をそのままダイオードD2−1のカソードへ出力する。
【0054】
図3に示す回路ブロック21−2と、図4に示す回路ブロック21−3とは、通知信号生成部23−2、23−3において設定されているデューティ比DRと波高値Vhとの値が、回路ブロック21−1と異なる点を除いて、回路ブロック21−1と同様に構成されている。
【0055】
以下、図3〜図7を参照し、回路ブロック21−2,21−3が回路ブロック21−1と異なる点について説明する。回路ブロック21−2,21−3と、回路ブロック21−1とが共通する構成や信号については、ハイフンの左に同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0056】
回路ブロック21−2のパルス信号生成部25−2は、デューティ比DR−2が1/3のパルス信号B−2を生成し、ORゲート26−2へ出力する。
【0057】
絶縁回路27−2の二次側には、7.5Vの電源電圧が供給されている。これにより、絶縁回路27−2の出力信号D−2は、ハイレベルの電圧値、すなわち波高値Vh−2が7.5Vになるようにされている。
【0058】
そうすると、図6に示すように、異常検知部22−2によって異常が検出されず、電池ブロック3−2が正常であるときは、異常検知信号A−2がローレベルにされ、デューティ比DR−2が1/3のパルス信号B−2が、ORゲート26−2によって信号C−2として絶縁回路27−2へ出力される。そして、絶縁回路27−2によって、信号C−2が絶縁されて波高値Vh−2が7.5Vにされる結果、デューティ比DR−2が1/3、波高値Vh−2が7.5Vの出力信号D−2が、絶縁回路27−2からバッファB3−2へ出力される。
【0059】
抵抗R−2とキャパシタC1−2とは、正常時の信号C−2、すなわちデューティ比が1/3、波高値が7.5Vの信号C−2をほぼ直流電圧に平滑できるように、抵抗R−2の抵抗値とキャパシタC1−2の静電容量とが予め設定されている。
【0060】
これにより、電池ブロック3−2の正常時には平滑電圧E−2が2.5Vとなり、電池ブロック3−2の異常時には平滑電圧E−2が7.5Vとなるから、平滑電圧E−2の電圧値によって、異常検知部22−2による異常の検出結果が示される。
【0061】
このように、デューティ比DR−2と波高値Vh−2との積が2.5Vとなり、すなわち正常時に通知信号生成部23−2から出力されるパルス信号が平滑されて得られる平滑電圧E−2が、予め設定された基準電圧である2.5Vになるように、デューティ比DR−2と波高値Vh−2とが予め設定されている。
【0062】
そして、回路ブロック21−1の場合と同様、通知信号生成部23−2、平滑回路24−2、バッファB1−2,B2−2のいずれかが故障すると、平滑電圧E−2がローレベル(0V)又は波高値Vh−2(7.5V)に固定される可能性が極めて高い。
【0063】
すなわち、平滑電圧E−2が2.5Vのときは、電池ブロック3−2が正常かつ通知信号生成部23−2、平滑回路24−2、バッファB1−2,B2−2も正常であることを示しており、平滑電圧E−2が波高値Vh−2(7.5V)又はローレベル(0V)のときは、電池ブロック3−2の異常又は通知信号生成部23−2、平滑回路24−2、バッファB1−2,B2−2のいずれかに故障(異常)が生じていることを示すことになる。
【0064】
回路ブロック21−3のパルス信号生成部25−3は、デューティ比DR−3が1/4のパルス信号B−3を生成し、ORゲート26−3へ出力する。
【0065】
絶縁回路27−3の二次側には、10Vの電源電圧が供給されている。これにより、絶縁回路27−3の出力信号D−3は、ハイレベルの電圧値、すなわち波高値Vh−3が10Vになるようにされている。
【0066】
そうすると、図7に示すように、異常検知部22−3によって異常が検出されず、電池ブロック3−3が正常であるときは、異常検知信号A−3がローレベルにされ、デューティ比DR−3が1/4のパルス信号B−3が、ORゲート26−3によって信号C−3として絶縁回路27−3へ出力される。そして、絶縁回路27−3によって、信号C−3が絶縁されて波高値Vh−3が10Vにされる結果、デューティ比DR−3が1/4、波高値Vh−3が10Vの出力信号D−3が、絶縁回路27−3からバッファB3−3へ出力される。
【0067】
抵抗R−3とキャパシタC1−3とは、正常時の信号C−3、すなわちデューティ比が1/4、波高値が10Vの信号C−3をほぼ直流電圧に平滑できるように、抵抗R−3の抵抗値とキャパシタC1−3の静電容量とが予め設定されている。
【0068】
これにより、電池ブロック3−3の正常時には平滑電圧E−3が2.5Vとなり、電池ブロック3−2の異常時には平滑電圧E−3が10Vとなるから、平滑電圧E−3の電圧値によって、異常検知部22−3による異常の検出結果が示される。
【0069】
このように、デューティ比DR−3と波高値Vh−3との積が2.5Vとなり、すなわち正常時に通知信号生成部23−3から出力されるパルス信号が平滑されて得られる平滑電圧E−3が、予め設定された基準電圧である2.5Vになるように、デューティ比DR−3と波高値Vh−3とが予め設定されている。
【0070】
そして、回路ブロック21−1の場合と同様、通知信号生成部23−3、平滑回路24−3、バッファB1−3,B2−3のいずれかが故障すると、平滑電圧E−3がローレベル(0V)又は波高値Vh−3(10V)に固定される可能性が極めて高い。
【0071】
すなわち、平滑電圧E−3が2.5Vのときは、電池ブロック3−3が正常かつ通知信号生成部23−3、平滑回路24−3、バッファB1−3,B2−3も正常であることを示しており、平滑電圧E−3が波高値Vh−3(10V)又はローレベル(0V)のときは、電池ブロック3−3の異常、又は通知信号生成部23−3、平滑回路24−3、バッファB1−3,B2−3のいずれかに故障(異常)が生じていることを示すことになる。
【0072】
なお、通知信号生成部23は、電池ブロック3の異常時に、ハイレベルの直流電圧を出力信号Dとして出力する例を示したが、ローレベルの直流電圧を出力信号Dとして出力するようにしてもよい。
【0073】
次に、図1を参照して、ダイオードD1−1,D1−2,D1−3のカソードが、第1配線L1に接続されている。そして、第1配線L1は、制御部20に接続されている。また、ダイオードD2−1,D2−2,D2−3のアノードが、第2配線L2に接続されている。そして、第2配線L2は、制御部20に接続されている。
【0074】
そうすると、平滑電圧E−1,E−2,E−3が、ダイオードD1−1,D1−2,D1−3によって、正論理でワイヤードオアされた電圧、すなわち平滑電圧E−1,E−2,E−3のうちの最大の電圧が、電圧VL1として第1配線L1に印加されることになる。この場合、ダイオードD1−1,D1−2,D1−3が、最大電圧印加部の一例に相当し、電圧VL1が最大平滑電圧に相当している。
【0075】
また、平滑電圧E−1,E−2,E−3が、ダイオードD2−1,D2−2,D2−3によって、負論理でワイヤードオアされた電圧、すなわち平滑電圧E−1,E−2,E−3のうちの最小の電圧が、電圧VL2として第2配線L2に印加されることになる。この場合、ダイオードD2−1,D2−2,D2−3が、最小電圧印加部の一例に相当し、電圧VL2が最小平滑電圧に相当している。
【0076】
ここで、電池ブロック3−1,3−2,3−3のすべてが正常であるときは、平滑電圧E−1,E−2,E−3は、いずれも基準電圧である2.5Vとなるから、電圧VL1及び電圧VL2は、共に2.5Vとなる。
【0077】
一方、電池ブロック3−1が異常となったときは、電圧VL1が5V、電圧VL2が2.5Vとなる。電池ブロック3−2が異常となったときは、電圧VL1が7.5V、電圧VL2が2.5Vとなる。電池ブロック3−3が異常となったときは、電圧VL1が10V、電圧VL2が2.5Vとなる。
【0078】
そして、回路ブロック21−1で平滑電圧E−1がハイレベル固定となる故障が生じたときは、電圧VL1が5V、電圧VL2が2.5Vとなる。回路ブロック21−2で平滑電圧E−2がハイレベル固定となる故障が生じたときは、電圧VL1が7.5V、電圧VL2が2.5Vとなる。回路ブロック21−3で平滑電圧E−3がハイレベル固定となる故障が生じたときは、電圧VL1が10V、電圧VL2が2.5Vとなる。
【0079】
さらに、回路ブロック21−1,21−2,21−3のうち一箇所で、平滑電圧Eがローレベル固定となる故障が生じたときは、電圧VL1が2.5V、電圧VL2が0Vとなる。
【0080】
制御部20は、例えば所定の演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、アナログデジタルコンバータと、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、判定部の一例として機能する。なお、制御部20は、CPUを用いる例に限られず、例えば論理回路を組み合わせて構成されていてもよい。
【0081】
制御部20は、例えばアナログデジタルコンバータによって、電圧VL1と電圧VL2とを検出する。そして、制御部20は、検出された電圧VL1と電圧VL2とに基づいて、電池ブロック3の異常や回路ブロック21の故障の有無を判定する。この場合、制御部20によって検出された電圧VL1が第1検出電圧に相当し、制御部20によって検出された電圧VL2が第2検出電圧に相当する。
【0082】
また、制御部20のROMには、例えば第1閾値Vth1、第2閾値Vth2、判定値Vj1,Vj2が予め記憶されている。この場合、ROMは、記憶部の一例に相当している。
【0083】
例えば、第1閾値Vth1は基準電圧(2.5V)と波高値Vh−1(5V)との中間電圧である3.75V、第2閾値Vth2は基準電圧(2.5V)とローレベル(0V)との中間電圧である1.25V、判定値Vj1は波高値Vh−1(5V)と波高値Vh−2(7.5V)との中間電圧である6.25V、判定値Vj2は波高値Vh−2(7.5V)と波高値Vh−3(10V)との中間電圧である8.75VとしてROMに記憶されている。
【0084】
図8は、図1に示す制御部20の動作の一例を示すフローチャートである。まず、制御部20は、第1配線L1の電圧VL1と第2配線L2の電圧VL2とを検出する(ステップS1)。
【0085】
次に、制御部20は、電圧VL1と第1閾値Vth1(3.75V)とを比較する(ステップS2)。そして、電圧VL1が第1閾値Vth1以下であれば(ステップS2でNO)、制御部20は、ステップS3へ移行し、電圧VL2と第2閾値Vth2(1.25V)とを比較する(ステップS3)。そして、電圧VL2が第2閾値Vth2以上であれば(ステップS3でNO)、平滑電圧E−1,E−2,E−3はすべて基準電圧(2.5V)であると考えられるから、制御部20は、電池ブロック3にも回路ブロック21にも異常がなく、電池電源システム1は正常であると判定し(ステップS5)、処理を終了する。
【0086】
ステップS3において、電圧VL2が第2閾値Vth2に満たなければ(ステップS3でYES)、回路ブロック21−1,21−2,21−3のいずれかにおいて、平滑電圧Eがローレベル固定となる故障が生じて電圧VL2が0Vになったと考えられるから、制御部20は、電池電源システム1に異常有りと判定し(ステップS4)、処理を終了する。
【0087】
ステップS2において、電圧VL1が第1閾値Vth1を超えていれば(ステップS2でYES)、電圧VL1が基準電圧(2.5V)を超えているから、制御部20は、電池ブロック3の異常又は回路ブロック21の異常が、どこかで生じているものと判定し(ステップS6)、異常発生箇所を特定するべくステップS7へ移行する。
【0088】
ステップS7において、制御部20は、電圧VL1と判定値Vj1とを比較する(ステップS7)。そして、電圧VL1が判定値Vj1に満たなければ(ステップS7でYES)、Vth1(3.75V)<VL1<Vj1(6.25V)の条件を満たし、電圧VL1は5Vであると考えられるから、制御部20は、5Vの波高値Vh−1と対応する、電池ブロック3−1又は回路ブロック21−1において、異常が生じたものと判定し(ステップS8)、処理を終了する。
【0089】
一方、電圧VL1が判定値Vj1以上であれば(ステップS7でNO)、制御部20は、電圧VL1と判定値Vj2とを比較する(ステップS9)。そして、電圧VL1が判定値Vj2に満たなければ(ステップS9でYES)、Vj1(6.25V)≦VL1<Vj2(8.75V)の条件を満たし、電圧VL1は7.5Vであると考えられるから、制御部20は、7.5Vの波高値Vh−2と対応する、電池ブロック3−2又は回路ブロック21−2において、異常が生じたものと判定し(ステップS10)、処理を終了する。
【0090】
一方、電圧VL1が判定値Vj2(8.75V)以上であれば(ステップS9でNO)、電圧VL1は10Vであると考えられるから、制御部20は、10Vの波高値Vh−3と対応する、電池ブロック3−3又は回路ブロック21−3において、異常が生じたものと判定し(ステップS11)、処理を終了する。
【0091】
以上、ステップS1〜S6の処理により、制御部20は、複数の電池ブロック3、および複数の回路ブロック21で生じた異常を、シリアル通信回路のような複雑な回路を用いることなく、第1配線L1および第2配線L2の2本の配線を用いて検出することができるので、省配線を図りつつ、電池の異常、及び電池の異常を検出する回路の異常を検出することができる。
【0092】
なお、第1閾値Vth1、及び第2閾値Vth2について、ダイオードD1,D2を理想ダイオードとして、ダイオードD1,D2での電圧降下Vfを0とした場合に適した値の例を示したが、実際のダイオードD1,D2の特性を考慮して第1閾値Vth1、及び第2閾値Vth2を設定するとなお良い。
【0093】
特に、電池電源システム1を、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車輌用電源として用いた場合には、制御部20を、ECU(Electronic Control Unit)として構成する場合がある。そのような場合、制御部20(ECU)と回路ブロック21との間が、1m以上離れてしまうときがある。そうすると、制御部20(ECU)と回路ブロック21との間は1mを超える長い配線で接続されることとなり、このような長い配線で接続される部分が省配線されることの効果は大きい。
【0094】
また、ステップS7〜S11の処理により、制御部20は、異常の発生個所を、ある程度特定することができるので、たとえば異常発生個所を回路から切り離したり、修理したりする保守作業が容易となる。
【0095】
なお、波高値Vh−1,Vh−2,Vh−3は、必ずしも互いに異なる電圧値にされている必要はなく、波高値Vh−1,Vh−2,Vh−3、及びデューティ比DR−1,DR−2,DR−3は、それぞれ互いに等しい電圧、デューティ比であってもよい。また、制御部20は、ステップS7〜S11を実行しない構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明に係る異常検知回路、および電池電源システムは、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機等の電子機器、ハイブリッドエレベータ、太陽電池や発電装置と二次電池とを組み合わされた電源システム、無停電源装置等の電池搭載装置等、電池を用いる種々の電池電源システムに適用することができ、特に電気自動車やハイブリッドカー等の車両に用いられる電池電源システムにおいて、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 電池電源システム
2 異常検知回路
3,3−1,3−2,3−3 電池ブロック
20 制御部
21,21−1,21−2,21−3 回路ブロック
22,22−1,22−2,22−3 異常検知部
23,23−1,23−2,23−3 通知信号生成部
24,24−1,24−2,24−3 平滑回路
25,25−1,25−2,25−3 パルス信号生成部
26,26−1,26−2,26−3 ORゲート
27,27−1,27−2,27−3 絶縁回路
31 素電池
B1,B2,B3 バッファ
C1,C1−1,C1−2,C1−3 キャパシタ
D1,D1−1,D1−2,D1−3 ダイオード
D2,D2−1,D2−2,D2−3 ダイオード
DR,DR−1,DR−2,DR−3 デューティ比
L1 第1配線
L2 第2配線
M1,M2,M3 電池モジュール
R,R−1,R−2,R−3 抵抗
A,A−1,A−2,A−3 異常検知信号
B,B−1,B−2,B−3 パルス信号
C,C−1,C−2,C−3 信号
D,D−1,D−2,D−3 出力信号
E,E−1,E−2,E−3 平滑電圧
Vh,Vh−1,Vh−2,Vh−3 波高値
Vj1,Vj2 判定値
VL1,VL2 電圧
Vth1 第1閾値
Vth2 第2閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池にそれぞれ対応して設けられた回路ブロックであって、対応する電池が正常であるか異常であるかを判定する異常検知部と、前記異常検知部によって正常であるとの判定がされたときハイレベルとローレベルとの間で電圧が周期的に変化するパルス信号を出力信号として出力し、前記異常検知部によって異常であるとの判定がされたとき、前記ハイレベル又は前記ローレベルの直流電圧を出力信号として出力する通知信号生成部と、前記出力信号を平滑して平滑電圧を生成する平滑回路とをそれぞれが含む複数の回路ブロックと、
前記複数の回路ブロックにおける各平滑電圧のうち最大の電圧を、最大平滑電圧として第1配線に印加する最大電圧印加部と、
前記各平滑電圧のうち最小の電圧を、最小平滑電圧として第2配線に印加する最小電圧印加部と、
前記第1配線を介して前記最大平滑電圧を第1検出電圧として検出し、当該第1検出電圧が所定の第1閾値を超えたとき異常が生じたと判定すると共に、前記第2配線を介して前記最小平滑電圧を第2検出電圧として検出し、当該第2検出電圧が所定の第2閾値に満たないとき、異常が生じたと判定し、当該第1検出電圧が前記第1閾値に満たず、かつ当該第2検出電圧が前記第2閾値を超えたとき、正常であると判定する判定部とを備え、
前記パルス信号のデューティ比と前記ハイレベルの電圧とは、当該パルス信号を平滑したときに得られる平滑電圧が所定の基準電圧になるように、予め設定されており、
前記第1閾値は、前記基準電圧を超え、かつ前記ハイレベルの電圧以下の電圧値であり、
前記第2閾値は、前記基準電圧に満たず、かつ前記ローレベルの電圧以上の電圧値であること
を特徴とする異常検知回路。
【請求項2】
前記最大電圧印加部は、カソードが前記第1配線に接続された複数のダイオードを用いて構成され、当該各ダイオードのアノードに前記各平滑電圧が印加され、
前記最小電圧印加部は、アノードが前記第2配線に接続された複数のダイオードを用いて構成され、当該各ダイオードのカソードに前記各平滑電圧が印加されること
を特徴とする請求項1記載の異常検知回路。
【請求項3】
前記各通知信号生成部におけるハイレベルの電圧値として、互いに異なる電圧値が設定されており、
前記各通知信号生成部における、前記パルス信号のデューティ比と前記ハイレベルの電圧値との積は、前記基準電圧と実質的に等しい値であり、
前記各通知信号生成部は、
前記異常検知部によって異常であるとの判定がされたとき、前記ハイレベルの直流電圧を出力信号として出力し、
前記判定部は、
前記第1検出電圧が前記第1閾値を超えたとき、当該第1検出電圧に基づいて、異常が検出された電池又は異常が発生した回路ブロックを特定すること
を特徴とする請求項1又は2記載の異常検知回路。
【請求項4】
前記判定部は、
前記各通知信号生成部におけるハイレベルの電圧値を判別するための複数の判定値を記憶する記憶部を備え、前記第1検出電圧が前記第1閾値を超えたとき、前記記憶部に記憶された複数の判定値と前記第1検出電圧とを比較することにより、前記第1検出電圧が、前記各通知信号生成部のうちどの通知信号生成部におけるハイレベルの電圧値であるかを判別し、当該判別された通知信号生成部と対応する電池又は回路ブロックで、異常が生じたと判定すること
を特徴とする請求項3記載の異常検知回路。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の異常検知回路と、
前記複数の電池と
を備えることを特徴とする電池電源システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−32236(P2012−32236A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170939(P2010−170939)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】