説明

異物検査装置および異物検査方法

【課題】基板に付着した異物のみを確実に検出すること。
【解決手段】検査対象となる基板のデジタル画像の画素毎に、当該画素を含む小領域の画素群を設定する。次いで、各画素の輝度値を、当該画素を含む画素群の輝度値と対比する。この対比により、各画素の当該画素群に対する輝度値のばらつき度合を表す量を輝度確認値として前記画素毎に演算する。次いで、この輝度確認値に基づいて、異物の存否を判定する。基板の輝度は、ばらつき度合が小さい。これに対し、異物は、自然に形成された不定形の物体であるため、その輝度は、全体としてグラディエーションを伴ったばらつき度合の高い特性を有している。そこで、輝度確認値を演算することにより、製品と異物の輝度のばらつき度合の相違点を利用し、異物を峻別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異物検査装置および異物検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、集積回路のリード間に付着した半田ボール、モールドかす、繊維屑等の異物を検査するにあたり、従来の検査装置は、基板を撮像し、画像処理を施す手法を実行する。例えば、特許文献1に開示されている異物検査装置は、AD変換されたデジタル画像を微分してから二値化した後、二値化された画像データから、基板のリードの長手方向と平行な方向の“1”の値を計測して、計測データを生成し、この計測データをさらに二値化して投影二値化データを生成するように構成されている。製品の良否判定に際しては、投影二値化データの“0”と“1”の全ての連続数をカウントし、あらかじめ設定した“0”と“1”の連続数のそれぞれの上限値と下限値の範囲外の連続数が一つでもあれば、異物付着と判定する。
【0003】
AD変換された画像から直ちに二値化した場合には、反射率の低い異物部分や透過率の高い異物部分の検出が困難になるのに対し、特許文献1に開示された技術では、画像データの微分処理によってエッジを強調しているので、その後の処理で異物部分の検出が高められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−128249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、基板のリードも異物と同じ値で評価しているので、異物がリードと重なっている場合や異物の形状がリードと沿っている場合等には、異物のエッジが検出されにくくなり、異物の検出を確実に行うことができなかった。
【0006】
本発明は、上記不具合に鑑みてなされたものであり、異物をより確実に検出することのできる異物検査装置および異物検査方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、印刷処理を含む表面処理が施された基板の異物の有無を検査する異物検査装置であって、前記基板を撮像してアナログ信号を出力する撮像手段と、出力されたアナログ信号をデジタル画像に変換するAD変換手段と、変換されたデジタル画像の画素毎に、当該画素を含む小領域の画素群を設定する画素群設定手段と、前記画素群における輝度値のばらつき度合を表す量を当該画素の輝度確認値として前記画素毎に演算する輝度確認値演算手段と、前記輝度確認値に基づいて、異物の存否を判定する判定手段とを備えていることを特徴とする異物検査装置である。
【0008】
この態様では、輝度確認値演算手段が各画素の輝度値のばらつき度合を表す量を輝度確認値として演算する。各画素が製品のものである場合には、境界の変化量が大きいので、ばらつき量が0に収斂されるのに対し、異物の場合には、当該異物のグラディエーションのために様々な値に発散する。その結果、異物部分のみの画素を抽出しやすくなり、異物を確実に検出することが可能になる。
【0009】
好ましい態様において、前記判定手段は、各画素の輝度確認値を三値化処理するものである。この態様では、製品部分の輝度確認値が一層0に収斂し、異物の輝度確認値を際立たせることが可能になる。また、演算された輝度確認値をミディアン処理するミディアン処理手段をさらに備えていることが好ましい。
【0010】
好ましい態様における異物検査装置は、前記基板の画像を表示する表示手段と、前記判定手段が異物と判定した場合に、前記表示手段が表示した画像のうち、異物に該当する箇所をウィンドウで囲むGUI処理手段とを備えている。この態様では、異物の判定結果を視認しやすく表示することができる。
【0011】
好ましい態様において、前記判定手段は、ばらつき度合の大きい輝度確認値を有する画素の塊が、所定の面積である場合に異物と判定するものである。この態様では、ノイズを除去して検出を要する異物のみを判別することが可能になる。本発明では、画素毎に輝度確認値を設定しているので、輝度確認値の態様によっては、ノイズや異物と紛らわしいものも異物と判定する可能性がある。ばらつき度合の大きい輝度確認値を有する画素の塊が、所定の面積である場合には、そのようなノイズ等を異物と確実に峻別することが可能になる。面積の評価方法としては、例えば、所定大きさ(5画素×8画素)のエリアが、ばらつき度合の大きい輝度確認値を有する画素の塊に内接するかどうかで判定することが可能である。或いは、4画素×3画素のエリアが、ばらつき度合の大きい輝度確認値を有する画素の塊の範囲で移動するか否かで判定し、その移動距離や移動範囲の面積に基づいて良否判定するようにしてもよい。さらに、別の方法として、5画素×8画素のエリアの長方形を傾けて、ばらつき度合の大きい輝度確認値を有する画素の塊に内接するかどうかを判定してもよい。また、ばらつき度合の大きい輝度確認値を有する画素の塊を評価するための画素のエリアは、長方形に限らない。上述のような方法を採用した場合には、予め異物の形状がわかっている場合に特に有効である。
【0012】
好ましい態様において、前記輝度確認値演算手段は、各画素の輝度値と当該画素に設定された前記画素群の輝度値の平均値との差の絶対値の総和を前記輝度確認値として画素毎に演算するものである。この態様では、比較的速く演算可能なパラメータを用いて、高精度の輝度確認値を得ることが可能になる。
【0013】
好ましい態様において、前記輝度確認値演算手段は、前記画素群に係る画素の輝度値の最小値と最大値を無視してばらつき度合を表す量を演算するものである。この態様では、輝度確認値演算ステップの段階で、統計的にノイズの要因となる画素の輝度値の最大値と最小値が無視されるので、判定ステップでの演算が迅速化、簡素化する。
【0014】
本発明の別の態様は、印刷処理を含む表面処理が施された基板の異物の有無を検査する異物検査方法であって、基板を撮像してアナログ信号を出力する撮像ステップと、出力されたアナログ信号をデジタル画像に変換するAD変換ステップと、変換されたデジタル画像の画素毎に、当該画素を含む小領域の画素群を設定する画素群設定ステップと、前記画素群における輝度値のばらつき度合を表す量を当該画素の輝度確認値として前記画素毎に演算する輝度確認値演算ステップと、前記輝度確認値に基づいて、異物の存否を判定する判定ステップとを備えていることを特徴とする異物検査方法である。
【0015】
好ましい態様において、前記輝度確認値演算ステップは、前記画素群に係る画素の輝度値の最小値と最大値を無視してばらつき度合を表す量を演算するものである。この態様では、輝度確認値演算ステップの段階で、統計的にノイズの要因となる画素の輝度値の最大値と最小値が無視されるので、判定ステップでの演算が迅速化、簡素化する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明では、製品に係る画素の輝度値と異物に係る画素の輝度値のばらつき度合の違いに着目して、極めて高い確率で異物判定を行うことができるので、異物をより確実に検出することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の一形態に係る異物検査装置の要部を示す断面略図である。
【図2】図1の異物検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】検査対象となる基板の模式図である。
【図4】図1の異物検査装置の動作例を示すフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートの合否判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図4のフローチャートの実行結果による表示例を示す概略図である。
【図7】本発明の第1〜第4実施例における基板の模式図である。
【図8】本発明の第1〜第4実施例における輝度平均値の例を示す模式図である。
【図9】図8の要部拡大図である。
【図10】第1実施例による図4の輝度確認値演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図10のフローチャートの実行結果による輝度平均値の例を示す模式図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【図13】図10のフローチャートの実行結果による輝度平均値の例を示す模式図である。
【図14】輝度平均値(輝度比率)を示すプロファイルのグラフである。
【図15】輝度平均値の差分を示す差分プロファイルのグラフである。
【図16】輝度平均値の差分絶対値を示すグラフである。
【図17】輝度平均値の差分絶対値に三値化を施したグラフである。
【図18】輝度平均値の差分絶対値に3画素のミディアン処理を施したグラフである。
【図19】輝度平均値の差分絶対値に3画素のミディアン処理と三値化を施したグラフである。
【図20】第2実施例による図4の輝度確認値演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図21】図20のフローチャートの実行結果による輝度平均値の例を示す模式図である。
【図22】図21の要部拡大図である。
【図23】図20のフローチャートの実行結果による輝度平均値の例を示す模式図である。
【図24】第3実施例による図4の輝度確認値演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図25】図24のフローチャートの実行結果による輝度平均値の例を示す模式図である。
【図26】図25の要部拡大図である。
【図27】図24のフローチャートの実行結果による輝度平均値の例を示す模式図である。
【図28】第4実施例による図4の輝度確認値演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図29】図27のフローチャートの実行結果による輝度平均値の例を示す模式図である。
【図30】図29の要部拡大図である。
【図31】図27のフローチャートの実行結果による輝度平均値の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による外観検査装置100の構造について説明する。なお、本実施形態に係る外観検査装置100は、本発明の「異物検査装置」の一例である。この外観検査装置100は、印刷処理を含む表面処理が施された基板としての基板Wの表面に、半田ボール、ドロス、部品破片、或いは繊維屑等の異物が付着しているか否かを判定し、異物が存在する場合には、それを表示する機能を有する。
【0020】
図1を参照して、本実施形態に係る異物検査装置は、ハウジング10内に検査対象となる基板Wを載置するステージ11を備えている。ステージ11は、コンベア機構で具体化されており、図略の駆動機構によって、所定の水平方向に沿う搬送方向と、この搬送方向と直交する水平方向とに移動可能になっている。以下の説明では、ステージ11の搬送方向をX方向、これと直角な水平方向をY方向という。ステージ11は、所定の検査位置で基板Wを停止させて保持することが可能なように構成されている。また、ステージ11は、検査が終了した基板Wを所定の検査位置からX方向に搬送して、外観検査装置100から基板Wを搬出することが可能なように構成されている。
【0021】
ステージ11のX方向上流側には、基板Wをステージ11に搬入する搬入コンベア12が設けられている。また、ステージ11のX方向下流側には、基板Wをステージ11から搬出する搬出コンベア14が設けられている。搬入コンベア12は、所定の工程を終了した後、基板Wを一枚ずつステージ11上に搬入する。搬出コンベア14は、外観検査装置100内で検査処理が終了した基板Wをステージ11から搬出する。
【0022】
ハウジング10内には、基板Wの表面を撮像し、そのアナログ信号を出力する光学カメラ20と、光学カメラ20に撮像されるステージ11上の基板Wに光を照明する照明装置30とを有している。これら光学カメラ20、照明装置30は、図略の駆動機構によって、ステージ11の上方で、XY方向に移動可能に構成されている。
【0023】
光学カメラ20は、例えば、CCDカメラなどから構成されている。光学カメラ20は、検査位置の真上で停止し、その直下にレンズ21を向けて、ステージ11上の基板Wを撮像するように構成されている。
【0024】
他方、照明装置30は、光学カメラ20のレンズ21が上方から臨む開口部321が頂部に形成されたドーム状形状を呈しており、ドームの内面側には、上下に分割された複数の照明が設けられている。具体的には、開口部321の設けられた頂点側から順に、上段照明部322と、中段照明部323と、下段照明部324とが設けられており、それぞれの照明部322〜324には、複数の白色LEDが周方向に配設されている。また、上段照明部322には、赤外線照明光を照射する赤外線照明が併設されている。従って、照明装置30から基板Wに対して照射された照明光を用いて、光学カメラ20は、開口部321から基板Wの上面を撮像し、2次元(平面)に係るアナログ信号を出力するように構成されている。この光学カメラ20による撮影で、後述する白色LEDによる照明光の下では赤色R、緑色G、青色Bに対応したRGBの各画像が得られ、赤外線照明光の下では、赤外画像が得られる。本実施形態では、光学カメラ20で撮像後に生成されるデジタル画像の輝度値のうち、赤色R、緑色G、青色Bの各輝度値を平均した輝度平均値を演算のパラメータにしている。
【0025】
図2を参照して、外観検査装置100は、制御装置40によって制御されるように構成されている。制御装置40は、ステージ制御部41、コンベア制御部42、カメラ制御部43、表示制御部45、並びに照明制御部46を論理的に備えている。また、後述する検査処理を実行するために、画像処理部410、検査判定処理部420、GUI処理部430を論理的に構成している。さらに、制御装置40は、論理演算を実行するCPU、CPUを制御するプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)、装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、並びにフログラムや種々のデータ(パラメータ)を記憶する補助記憶装置などで構成される記憶装置50を備えている。
【0026】
各制御部41〜46は、記憶装置50に記憶されているプログラムやデータに従って、マイクロプロセッサが処理を実行することにより、ステージ11、コンベア12および14、光学カメラ20、照明装置30並びに表示ユニット60を制御する論理的なモジュールである。ここで、表示ユニット60は、例えば、液晶ディスプレイで具体化され、制御装置40の処理内容を表示するものである。また、表示ユニット60には、図略のポインティングディバイス等、入力装置が接続されており、オペレータが適宜、記憶装置50に記憶されたプログラムに従って、必要な設定やデータを入力することができるようになっている。
【0027】
各処理部410〜430は、記憶装置50に記憶されているプログラムやデータに従って、マイクロプロセッサが処理を実行することにより、光学カメラ20で撮像した際に出力されるアナログ信号に基づいて、当該基板Wの異物検査を行うための論理的なモジュールである。
【0028】
画像処理部410は、AD変換部411、画素処理部412、画素群設定部413、並びに輝度確認値処理部414を備えている。AD変換部411は、光学カメラ20が出力したアナログ信号からデジタル画像を得る機能を奏するものである。画素処理部412は、AD変換部411が変換したデジタル画像から、画素毎にアドレスと輝度値とを取得し、記憶装置50に予め設定された記憶領域に記憶する機能を奏するものである。本実施形態において、輝度値は、赤色R、緑色G、青色Bに対応したRGB毎に記憶される他、それらの各輝度値を平均した「輝度平均値」も記憶されるように構成されている。画素群設定部413は、画素処理部412に処理された画素毎に、当該画素を含む小領域の画素群GRを設定する機能を奏する。例えば、X方向の座標とY方向の座標が(100,100)の画素については、この画素を中心として、3画素×3画素の小領域が設定され、この(100,100)の画素について、開始位置を(99,99)とし、終了位置を(101,101)とする画素群GRが設定される。輝度確認値処理部414は、各画素の輝度値のばらつき度合を評価するための値(この値を「輝度確認値」という)を画素毎に演算し、記憶装置50に記憶する機能を奏する。
【0029】
検査判定処理部420は、画像処理部410によって処理された画像データに基づいて、当該画像に異物が含まれているか否かを判定する機能を奏する。
【0030】
GUI処理部430は、表示制御部45の処理内容に基づき、表示ユニット60に種々のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示する機能を奏するものである。本実施形態に係るGUI処理部430は、表示ユニット60が表示した画像に異物がある場合に、検査判定処理部420が判定した異物を、例えば、赤色のウィンドウで囲むように機能する。
【0031】
図3を参照して、基板Wは、無地のガラスエポキシ基板にエッチング処理を施して銅箔部分A1を形成し、次いで、レジスト印刷によるレジスト印刷部分A2、シルク印刷によるシルク印刷部分A3を形成したものである。また、A0は、無地部分であり、A4は、銅箔部分A1とレジスト印刷部分A2の重複部分である。各部分A0〜A4は、何れも直線的な境界で区画されているため、輝度のばらつき度合は小さくなる特性を備えている。
【0032】
この基板Wに、異物Obが付着していた場合を説明する。異物Obは、半田ボールが圧倒的に多く、次いで、ドロスが多い。また、部品の破片や繊維屑もまれに付着している場合がある。これら異物Obは、自然に形成された不定形の物体であるため、全体としてグラディエーションを伴った輝度のばらつき度合の高い特性を有している。そこで、本実施形態では、製品と異物の輝度のばらつき度合の相違点を利用し、異物を峻別するような画像処理を施すこととしている。
【0033】
次に、制御装置40によって処理される異物検査の一例について説明する。
【0034】
図1および図4を参照して、制御装置40は、検査用のプログラムに基づき、製品のデータを読み取る(ステップS1)。次いで、製品情報に基づいて、変数Nを設定する(ステップS2)。ここで変数Nは、検査が必要な画像の枚数である。基板Wの撮像は、必要に応じて、複数回行う場合があるので、本実施形態では、製品毎に撮像回数を決定できるようにしている。
【0035】
また、撮像回数に応じて、光学カメラ20(必要に応じて照明装置30)を移動することにより、撮像位置を変更するようになっている。
【0036】
次いで、制御装置40は、ステージ11、搬入コンベア12、並びに(必要に応じて)搬出コンベア14を駆動し、基板Wをステージ11上の検査位置に止定する(ステップS3)。これにより、基板Wは、図1に示したように、照明装置30の直下に固定されるので、光学カメラ20は、照明装置30の開口部321越しに基板Wを撮像することが可能になる。
【0037】
次いで、制御装置40は、撮像回数をカウントするための変数Jを1に初期化し(ステップS4)、J枚目の撮像位置に光学カメラ20(並びに必要に応じて照明装置30)を移動する(ステップS5)。次いで、制御装置40は、光学カメラ20で基板Wを撮像し(ステップS6)、撮像データを処理する。
【0038】
撮像されたアナログ信号は、画像処理部410のAD変換部411によって、デジタル画像に変換される(ステップS7)。
【0039】
その後、制御装置40は、詳しくは後述する合否判定サブルーチンS8において、撮像した基板Wの良否を判定し、変数Jをインクリメントして(ステップS9)、撮像回数が所要枚数に至ったか否かを判定する(ステップS10)。仮に所要枚数に至らないと判定した場合には、制御装置40は、ステップS5に復帰して、上述した処理を繰り返す。他方、検査された画像が所要枚数に至ったと判定した場合、制御装置40は、ステージ11並びに搬出コンベア14を駆動し、検査の終了した基板Wを搬出する(ステップS11)。次いで、制御装置40は、異物の有無を判定し(ステップS12)、異物があると判断した場合には、ステップS6で撮像した画像に異物を囲むウィンドウを表示する(ステップS14)。
【0040】
次に、図5を参照して、合否判定サブルーチン(ステップS8)において、制御装置40は、デジタル信号から得られた画像データの赤色R、緑色G、青色Bに対応したRGBの輝度平均値を画素毎に演算する(ステップS801)。次いで、制御装置40は、輝度確認値演算サブルーチンを実行し、画素毎に輝度確認値を演算する(ステップS802)。上述したように、基板Wは、異物がない状態では、輝度のばらつき度合は低くなっており、異物が存在している場合には、その部分の輝度のばらつき度合が高くなっている。そこで、例えば、平均値との差分の絶対値や、分散、偏差平方和、最大値と最小値の差分等を演算して、演算した値を輝度確認値として判定資料にすることとしているのである。
【0041】
次いで、制御装置40は、各画素の輝度確認値にフィルタ処理を施し、ノイズを除去する(ステップS803)。ノイズの除去方法としては、三値化処理を施す、或いは、ミディアン処理を施す等が例示される。ここで三値化処理とは、画素を輝度値の大きさ順に並べた場合に、上限となる値(例えば、30)と下限となる値(例えば、5)との間の画素の値を1とし、それ以外を0とする処理をいう。また、ミディアン処理とは、複数の画素を輝度値の大きさ順に並べた場合に、中央の画素の輝度値の値を取得する処理をいう。この処理において、複数の画素の個数が奇数である場合には、中央の輝度値の値、偶数である場合には、中央の2つの画素の輝度値の平均値とする。
【0042】
これらフィルタ処理により、ばらつき度合の小さい部位の判定値は、0となり、ばらつき度合の大きい部位の判定値は、ばらつき度合に応じた値をとることになる。
【0043】
次いで、制御装置40は、判定値が0よりも大きい画素のエリアを特定する(ステップS804)。次いで、制御装置40は、エリアの個数Acをカウントする(ステップS805)。その後、制御装置40は、エリアをカウントする変数Kを1に初期化し(ステップS806)、K番目のエリアが許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS807)。
【0044】
具体的な判定方法は、種々採用することが可能である。
【0045】
例えば、5画素×8画素の判定枠を設定し、この判定枠が、エリア内に内接するか否かを判定し、内接する場合には、異物と判定する方法を採用することが可能である。この判定に際しては、判定枠を回転させて、内接するか否かを判断するようにしてもよい。検出を要する異物の形状が予め特定できる場合には、このような判定枠を設定し、その角度を変更してエリアを検証することにより、異物の判別が容易且つ確実になるという利点がある。
【0046】
また、4画素×3画素の判定枠を設定し、この判定枠が、エリア内で移動できるかどうかを検証し、移動できる場合に、その移動可能面積の大きさに基づいて、異物かどうかを判定する方法を採用してもよい。
【0047】
或いは、4画素×3画素の判定枠が、エリア内で移動できるかどうかを検証し、移動できる場合に、そのX方向の移動可能距離と、Y方向の移動可能距離に基づいて、異物かどうかを判定する方法を採用してもよい。
【0048】
なお、円形または楕円形等、矩形以外の判定枠を採用してもよい。
【0049】
通常、異物Obのサイズは、200μm以上であり、画素の一辺の大きさは、19μmである。そのため、5画素×8画素の判定枠で判定することにより、極めて高精度な異物検出を行うことになる。
【0050】
ステップS807の異物判定の結果、異物ではないと判定した場合、制御装置40は、K番目のエリアについて正常判定を下し(ステップS808)、異物であると判定した場合には、K番目のエリアについて異物判定を下す(ステップS809)。次いで、制御装置40は、変数Kの値をインクリメントし(ステップS810)、全てのエリアを検査したかどうか判定し(ステップS811)、未判定のエリアが存在する場合には、ステップS807に復帰して、上述した処理を繰り返す。他方、全てのエリアについて判定が終了した場合には、メインルーチンに復帰する。
【0051】
図6を参照して、メインルーチン(図4のフローチャート)のステップS14の処理により、制御装置40は、表示ユニット60に例えば、図6のような画像を表示させる。図6は、図3のような基板Wを撮像した場合の画像の表示例である。図示の例では、赤色の表示ウィンドウWdを異物Obに外接させて、視認を容易にしている。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る外観検査装置100は、印刷処理を含む表面処理が施された基板Wの異物Obの有無を検査する外観検査装置100であって、基板Wを撮像してアナログ信号を出力する撮像手段としての光学カメラ20と、出力されたアナログ信号をデジタル画像に変換するAD変換部411と、変換されたデジタル画像の画素毎に、当該画素を含む小領域の画素群GRを設定する画素群設定部413と、画素群GRにおける輝度値のばらつき度合を表す量を当該画素の輝度確認値Vpとして画素毎に演算する輝度確認値処理部414と、輝度確認値Vpに基づいて、異物Obの存否を判定する検査判定処理部420とを備えている。
【0053】
本実施形態の別の態様は、印刷処理を含む表面処理が施された基板Wの異物Obの有無を検査する異物検査方法であって、基板Wのアナログ信号を出力する撮像ステップ(ステップS6)と、出力されたアナログ信号をデジタル画像に変換するAD変換ステップ(ステップS7)と、変換されたデジタル画像の画素毎に、当該画素を含む小領域の画素群GRを設定する画素群GR設定ステップ(ステップS801)と、前記画素群GRにおける輝度値のばらつき度合を表す量を当該画素の輝度確認値Vpとして画素毎に演算する輝度確認値演算ステップ(ステップS802)と、輝度確認値Vpに基づいて、異物Obの存否を判定する判定ステップ(ステップS808)とを備えている。
【0054】
このため本実施形態では、輝度確認値演算手段としての輝度確認値処理部414が各画素の輝度値のばらつき度合を表す量を輝度確認値Vpとして演算することにより、各画素が製品のものである場合には、境界の変化量が大きいので、ばらつき量が0に収斂されるのに対し、異物Obの場合には、当該異物Obのグラディエーションのために様々な値に発散する。その結果、異物Ob部分のみの画素を抽出しやすくなり、異物Obを確実に検出することが可能になる。
【0055】
また、本実施形態に係る外観検査装置100は、基板の画像を表示する表示手段としての表示ユニット60と、表示ユニット60が表示したアナログ信号に異物Obがある場合に、判定手段としての検査判定処理部420が判定した異物Obをウィンドウで囲むGUI処理部430とを備えている。このため本実施形態では、異物Obの判定結果を視認しやすく表示することができる。
【0056】
また、本実施形態では、検査判定処理部420は、デジタル画像においてばらつき度合の大きい輝度確認値Vpを有する画素の塊が、所定の面積である場合に異物Obと判定するものである。このため本実施形態では、ノイズを除去して検出を要する異物Obのみを判別することが可能になる。本実施形態では、画素毎に輝度確認値Vpを設定しているので、輝度確認値Vpの態様によっては、ノイズや異物Obらしいと思われるものも異物Obと判定する可能性がある。ばらつき度合の大きい輝度確認値Vpを有する画素の塊が、所定の面積である場合には、そのようなノイズ等を異物Obと確実に峻別することが可能になる。
【0057】
このように本実施形態によれば、異物を確実に検出することが可能になる。
【実施例】
【0058】
次に、本発明に係る実施例について説明する。
【0059】
図1および図2で説明した装置を用いて、図3で説明した基板Wを撮像した。撮像された基板Wのアナログ信号をデジタル画像に変換した後、各部分の輝度値を取得し、輝度平均値を演算した。演算結果は、図7に示す通りであった。図中「Ave」と頭記された数値は、画像データの赤色R、緑色G、青色Bに対応したRGBの輝度平均値であり、かっこ内は、RGBの各輝度値である。
【0060】
図8は、演算された輝度平均値を模式的に示した図であり、図9は、図8の要部拡大図である。図8に示すように、部分A4、A2、A3、A2では、左から順に、輝度平均値がそれぞれAve150、Ave158、Ave255、Ave158となっている。また、異物Obについては、図9に示すように、中央の輝度平均値が150と最も高く、グラディエーションを伴って漸減し、外周部分は、0になっている。
【0061】
次いで、図5の輝度確認値演算サブルーチンを実行するに当たり、第1〜第4実施例を実施した。
(第1実施例)
第1実施例では、図10に示すサブルーチンを実行した。
【0062】
図10を参照して、このサブルーチンでは、まず、画素をカウントするための変数Pを1で初期化し(ステップS8021)、P番目の画素を中心とする3画素×3画素の画素群GRを設定した(ステップS8022)。
【0063】
次いで、
【0064】
【数1】

【0065】
を演算し、Vpとした(ステップS8023)。なお、この演算処理では、画素群を構成する各画素の輝度値のうち、最大値と最小値を無視して演算している。このVpをP番目の画素の輝度確認値として登録した(ステップS8024)。次いで、Pの値をインクリメントし(ステップS8025)全ての画素の輝度確認値を設定したかどうかを判定した(ステップS8026)。未判定の画素が存在する場合には、ステップS8022に復帰して、上述した処理を繰り返し、全ての画素について判定が終了してから図5のサブルーチンに復帰した。
【0066】
図11は、図7のArで囲んだ範囲において、演算された輝度確認値を模式的に示した図であり、図12は、図11の要部拡大図である。図11および図12に示すように、輝度確認値を演算した結果、各部分A4、A2、A3、A2は、ばらつき度合が低いため、0となり、一部の境界部分のみ、差分が残った。また、異物Obについては、輝度平均値のばらつき度合が大きいため、輝度確認値も大きな差分を示す値となっている。特に、第1実施例では、輝度確認値を演算する際に、画素群GRの中で、画素の輝度値の最大値と最小値を無視しているので、一層、効率的にばらつき度合の大きい部位のみを抽出することができることがわかった。
【0067】
次に、図5のサブルーチンを実行するに当たり、ステップS803のフィルタ処理では、5画素分のミディアンフィルタをかけて、中央値を演算した。その結果、図13に示すように、各部分A4、A2、A3、A2の境界は、0となり、異物Obのみが白く浮き出る結果となった。
【0068】
第1実施例では、輝度確認値処理部414は、式(1)で示したように、画素群GRを母集団とする平均値と各画素の輝度値との差の絶対値の総和を輝度確認値Vpとして画素毎に演算するものである。このため本実施形態では、比較的速く演算可能なパラメータを用いて、高精度の輝度確認値Vpを得ることが可能になる。
【0069】
また、第1実施例では、輝度確認値演算ステップの段階で、統計的にノイズの要因となる画素の輝度値の最大値と最小値が無視されるので、判定ステップでの演算が迅速化、簡素化する。
【0070】
次に、第1実施例のバリエーションをグラフで説明する。図14から図19に示すグラフは、図7におけるライン(異物Obの真上を通る水平線)L上の画素の輝度値をプロットし、検証したものである。
【0071】
図14を参照して、輝度平均値を演算した段階(図5のステップS801を実行した段階)では、基板Wの各部分に対応する輝度平均値は、フラットにばらつきなく分布し、境界部分は、高いコントラストを示している。これに対して、異物Obが存在する部分では、グラディエーションを伴った特性のために、輝度平均値が山形にばらついて分布し、コントラストが低くなっている。従って、輝度平均値のばらつき度合は、異物Ob部分のみが大きくなり、基板Wの各部分では、小さくなっていることが確認された。
【0072】
次いで、図15に示すように、輝度平均値の差分をとった場合、即ち、
【0073】
【数2】

【0074】
を演算した段階の差分プロファイルでは、輝度平均値のばらつきの大きい画素が検出されることになる。
【0075】
図16に示すように、この式(2)で得られた差分値の絶対値をとった後、ノイズを除去する方法を考察した。
【0076】
図17に示すように、式(2)で得られた差分値を下限値5、上限値30で三値化した場合、僅かなノイズが残るものの、異物部分の画素の値を1とし、残余の部分を0とすることができた。
【0077】
図18に示すように、式(2)で得られた差分値に3画素のミディアン処理を施すと、ノイズを綺麗に除去し、異物部分のみ輝度に対応した値を得ることができた。
【0078】
加えて、図19に示すように、式(2)で得られた差分値に3画素のミディアン処理を施した後、さらに三値化した場合にも、ノイズを綺麗に除去し、異物部分のみ1となる特性を得ることができた。
【0079】
このように、第1実施例では、検査判定処理部420は、各画素の輝度確認値Vpを三値化処理する態様を含んでいる。この態様では、製品部分の輝度確認値Vpが一層0に収斂し、異物Obの輝度確認値Vpを際立たせることが可能になる。
【0080】
特に、第1実施例では、輝度確認値を演算する際に、画素群GRの画素の輝度値の最大値と最小値を無視している。そのため、図11に示したように、必ずしもフィルタ処理を要することなく、異物の検出可能な輝度特性を得ることが可能になっている。
(第2実施例)
図20を参照して、図5の輝度確認値演算サブルーチンを実行するに当たり、第2実施例では、(1)式に代えて、
【0081】
【数3】

【0082】
を用いることにより、分散値を演算した。
【0083】
図21に示すように、第2実施例においても、各部分A4、A2、A3、A2は、ばらつき度合が低いため、0となり、一部の境界部分のみ、差分が残った。また、異物Obについては、図22に示すように、輝度平均値のばらつき度合が大きいため、輝度確認値も大きなばらつき度合を示す値となっている。
【0084】
次いで、図5のサブルーチンを実行するに当たり、第2実施例では、ステップS803のフィルタ処理において、5画素分のミディアンフィルタをかけて、中央値を演算した。その結果、図23に示すように、各部分A4、A2、A3、A2の境界は、0となり、異物Obのみが白く浮き出る結果となった。
(第3実施例)
図24を参照して、図5の輝度確認値演算サブルーチンを実行するに当たり、第3実施例では、(1)式に代えて、
【0085】
【数4】

【0086】
を用いることにより、偏差平方和を演算した。
【0087】
図25および図26に示すように、第3実施例においても、各部分A4、A2、A3、A2は、ばらつき度合が低いため、0となり、一部の境界部分のみ、差分が残った。また、異物Obについては、輝度平均値のばらつき度合が大きいため、輝度確認値も大きなばらつき度合を示す値となっている。
【0088】
次いで、図5のサブルーチンを実行するに当たり、第3実施例では、ステップS803のフィルタ処理において、5画素分のミディアンフィルタをかけて、中央値を演算した。その結果、図27に示すように、各部分A4、A2、A3、A2の境界は、0となり、異物Obのみが白く浮き出る結果となった。
(第4実施例)
図28を参照して、図5の輝度確認値演算サブルーチンを実行するに当たり、第4実施例では、(1)式に代えて、
Vp=MAX(GR)−MIN(GR) (5)
を用いることにより、画素の輝度値の最大値と最小値の差分を演算した。
【0089】
図29および図30に示すように、輝度確認値を演算した結果、第4実施例においては、各部分A4、A2、A3、A2は、ばらつき度合が低いため、0となり、境界部分のみ、差分が残った。また、異物Obについては、輝度平均値のばらつき度合が大きいため、輝度確認値も大きな差分を示す値となっていた。
【0090】
次いで、図5のサブルーチンを実行するに当たり、ステップS803のフィルタ処理において、3画素分のミディアンフィルタをかけて、中央値を演算した。その結果、図31に示すように、各部分A4、A2、A3、A2の境界は、0となり、異物Obのみが白く浮き出る結果となった。
【0091】
上述した実施の形態は、本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態、或いは実施例以外にも、種々の態様をとることが可能である。
【0092】
例えば、具体的な態様としては、異なる角度から照射される複数の照明のうち、何れかの照明を選択的に点灯して、照明角度の異なる複数の画像データを取得するようにしてもよい。
【0093】
また、発光波長の異なる複数の照明のうち、何れかの照明を選択的に点灯して、発光波長の異なる複数の画像データを取得するようにしてもよい。
【0094】
さらに、基板Wを撮像する際のカメラに分光機能を有するフィルタを設け、一つの照明に対し、受光波長の異なる複数の画像データを取得するようにしてもよい。
【0095】
そして、照明角度の異なる複数の画像データ同士、発光波長の異なる複数の画像データ同士、受光波長の異なる複数の画像データ、或いは、照明角度、発光波長、並びに受光波長の少なくとも2つに跨った複数の画像データ同士に加減乗除等の画像演算処理を施した画像データが検査対象となる。このように、複数の画像データを検査するために、本実施形態では、製品毎に撮像回数を決定できるようにしている。
【0096】
また、第1実施例では、輝度確認値を演算する際に、画素群GRの画素の輝度値の最大値と最小値を無視することとしているが、これを省略してもよい。或いは反対に、第2、第3実施例において、輝度確認値を演算する際に、画素群GRの画素の輝度値の最大値と最小値を無視することとしてもよい。
【0097】
各実施例では、赤色R、緑色G、青色Bに対応したRGBの平均値を輝度平均値として演算の基礎にしているが、異物検査の態様によっては、白黒データの輝度値から輝度確認値を演算してもよく、或いは、赤色R、緑色G、青色Bの何れか一色のみを採用してもよい。また、赤外線データを採用してもよい。
【0098】
また、図5の輝度確認値演算サブルーチンを実行するに当たり、
【0099】
【数5】

【0100】
を用いて輝度確認値を演算してもよい。
【0101】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0102】
20 光学カメラ
30 照明装置
40 制御装置
60 表示ユニット
100 外観検査装置(異物検査装置の一例)
410 画像処理部
411 AD変換部
412 画素処理部
413 画素群設定部
414 輝度確認値処理部
420 検査判定処理部
430 GUI処理部
A0 無地部分
A1 銅箔部分
A2 レジスト印刷部分
A3 シルク印刷部分
A4 重複部分
Ob 異物
Vp 輝度確認値
W 基板
Wd 表示ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷処理を含む表面処理が施された基板の異物の有無を検査する異物検査装置であって、
前記基板を撮像してアナログ信号を出力する撮像手段と、
出力されたアナログ信号をデジタル画像に変換するAD変換手段と、
変換されたデジタル画像の画素毎に、当該画素を含む小領域の画素群を設定する画素群設定手段と、
前記画素群における輝度値のばらつき度合を表す量を当該画素の輝度確認値として前記画素毎に演算する輝度確認値演算手段と、
前記輝度確認値に基づいて、異物の存否を判定する判定手段と
を備えていることを特徴とする異物検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記判定手段は、各画素の輝度確認値を三値化処理するものである
ことを特徴とする異物検査装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の異物検査装置において、
前記基板の画像を表示する表示手段と、
前記判定手段が異物と判定した場合に、前記表示手段が表示した画像のうち、異物に該当する箇所をウィンドウで囲むGUI処理手段と
を備えていることを特徴とする異物検査装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の異物検査装置において、
前記判定手段は、ばらつき度合の大きい輝度確認値を有する画素の塊が、所定の面積である場合に異物と判定するものである
ことを特徴とする異物検査装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の異物検査装置において、
前記輝度確認値演算手段は、各画素の輝度値と当該画素に設定された前記画素群の輝度値の平均値との差の絶対値の総和を前記輝度確認値として画素毎に演算するものである
ことを特徴とする異物検査装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の異物検査装置において、
前記輝度確認値演算手段は、前記画素群に係る画素の輝度値の最小値と最大値を無視してばらつき度合を表す量を演算するものである
ことを特徴とする異物検査装置。
【請求項7】
印刷処理を含む表面処理が施された基板の異物の有無を検査する異物検査方法であって、
基板を撮像してアナログ信号を出力する撮像ステップと、
出力されたアナログ信号をデジタル画像に変換するAD変換ステップと、
変換されたデジタル画像の画素毎に、当該画素を含む小領域の画素群を設定する画素群設定ステップと、
前記画素群における輝度値のばらつき度合を表す量を当該画素の輝度確認値として前記画素毎に演算する輝度確認値演算ステップと、
前記輝度確認値に基づいて、異物の存否を判定する判定ステップと
を備えていることを特徴とする異物検査方法。
【請求項8】
請求項7記載の異物検査方法において、
前記輝度確認値演算ステップは、前記画素群に係る画素の輝度値の最小値と最大値を無視してばらつき度合を表す量を演算するものである
ことを特徴とする異物検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−88199(P2012−88199A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235741(P2010−235741)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】