説明

異種材料接合体の製造方法

【課題】異なる金属材料からなる板状部材どうしを、反り量を簡便かつ任意に制御しつつ接合し、所望とする形状の異種材料接合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】オーステナイト相の冷却によって所定の相変態を生じ得る第一の金属材料からなる第一の板状部材と、その温度−熱収縮率曲線が、第一の金属材料の温度−熱収縮率曲線と交差し得る第二の金属材料からなる第二の板状部材を用意するとともに、接合に関する所定のパラメータから反り量を予測しつつ、第一の板状部材と第二の板状部材が積層及び接合された異種金属材料接合体を得る異種金属材料接合体の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる金属材料からなる板状部材どうしを、反り量を制御しつつ接合することが可能な異種金属材料接合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
耐摩耗性が要求される機械部品、例えば、タペット等には、超硬合金やセラミック等の耐摩耗性の高い材料が用いられている。また、押出成形等に用いられる口金(ダイ)のように、その一部分にのみ特に優れた耐摩耗性が求められる部材については、例えば、異なる材料の二つの板状部材を積層して接合した接合体が用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1には、アルミニウム、又はアルミニウムを主成分とする金属からなるアルミニウム金属部材と、このアルミニウム金属部材と異なる材料からなる異種部材とを接合したアルミニウム金属接合体において、アルミニウム金属部材と異種部材との接合界面に、Hv硬さ20〜80(マイクロビッカース;荷重100gf)で、かつ、厚さ0.1〜3mmの軟質金属層を備えたアルミニウム金属接合体が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ろう材層を介して金属体とセラミック体とが接合された構造を有する金属−セラミック接合体において、金属体として、オーステナイト状態から所定の冷却速度にて冷却することにより硬化する性質を有する鋼材を使用するとともに、鋼材及びろう材として、所定の冷却速度で冷却した場合に、ろう材層の固相線温度と、鋼材の所定の変態開始温度とが特定の関係を満たすものをそれぞれ選択した金属−セラミック接合体が開示されている。
【0005】
このような異種金属材料接合体を製造する際には、例えば、異種金属材料からなる二つの板状部材を積層した後、積層した板状部材を、例えば押型によって挟持・加圧した状態で加熱することにより、積層した二つの板状部材を接合させる方法が用いられている。
【0006】
しかしながら、このような製造方法によって得られた異種金属材料接合体は、それぞれの金属材料の熱膨張率の違いに起因する変形を生じ易いという問題があった。特に、板状部材を積層及び接合して得られた板状の接合体は、一方の板状部材の側に反りを生じ易い。また、生ずる反り量を的確に制御することはきわめて困難であり、異なる金属材料からなる板状部材どうしを、反り量を制御しつつ接合し、所望とする形状の異種材料接合体を製造する有効な方法は、これまでに見出されていないのが現状である。
【特許文献1】特開平10−5992号公報
【特許文献2】特開2002−179473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、異なる金属材料からなる板状部材どうしを、反り量を簡便かつ任意に制御しつつ接合し、所望とする形状の異種材料接合体を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、(1)接合温度、(3)接合時に負荷したプレス圧力を開放する温度(プレス開放温度)、及び(3)接合時のプレス圧力と、得られる異種金属材料接合体に生ずる反り量との間にある相関関係を利用することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、以下に示す異種材料接合体の製造方法が提供される。
【0010】
[1]オーステナイト相の冷却によって、マルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一の相変態を生じ得る第一の金属材料からなる第一の板状部材と、その温度−熱収縮率曲線が、前記第一の金属材料の温度−熱収縮率曲線と交差し得る第二の金属材料からなる第二の板状部材を用意するとともに、下記(1)〜(3)の少なくともいずれかの操作を行うことを含み、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材が積層及び接合された異種金属材料接合体を得る異種金属材料接合体の製造方法。
【0011】
(1):前記第一の金属材料からなる第一の試験片、及び前記第二の金属材料からなる第二の試験片を積層した複数の試験片積層体を、前記第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の複数の試験接合温度(Tj、Tj〜)でそれぞれ接合して高温の複数の試験片接合体を得、得られた複数の前記試験片接合体を冷却するとともに、それぞれの前記試験片接合体に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定し、前記試験接合温度(Tj、Tj〜)と前記反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、接合温度(Tj)と、前記接合温度(Tj)に対応して前記異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測し、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材を、前記反り量(C)が生ずる前記接合温度(Tj)で接合する。
【0012】
(2):前記第一の金属材料からなる第一の試験片、及び前記第二の金属材料からなる第二の試験片を積層した複数の試験片積層体を、所定のプレス圧力の条件下、前記第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の接合温度でそれぞれ接合して高温の複数の試験片接合体を得、得られた複数の前記試験片接合体を、複数の試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)でプレス圧力を開放しつつ冷却するとともに、それぞれの前記試験片接合体に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定し、前記試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)と前記反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、プレス圧力開放温度(Tr)と、前記プレス圧力開放温度(Tr)に対応して前記異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測し、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材を高温で接合した後、前記反り量(C)が生ずる前記プレス圧力開放温度(Tr)でプレス圧力を開放しつつ冷却する。
【0013】
(3):前記第一の金属材料からなる第一の試験片、及び前記第二の金属材料からなる第二の試験片を積層した複数の試験片積層体を、前記第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の接合温度でそれぞれ接合して高温の複数の試験片接合体を得、得られた複数の前記試験片接合体を、複数の試験プレス圧力(P、P〜)の条件下で冷却するとともに、それぞれの前記試験片接合体に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定し、前記試験プレス圧力(P、P〜)と前記反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、プレス圧力(P)と、前記プレス圧力(P)に対応して前記異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測し、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材を高温で接合した後、前記反り量(C)が生ずる前記プレス圧力(P)の条件下で冷却する。
【0014】
[2]前記第一の金属材料が、鉄、チタン、ニッケル、銅、及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含むものである前記[1]に記載の異種金属材料接合体。
【0015】
[3]前記第二の金属材料が、炭化タングステン基超硬合金である前記[1]又は[2]に記載の異種金属材料接合体の製造方法。
【0016】
[4]前記炭化タングステン基超硬合金が、炭化タングステンを、鉄、コバルト、ニッケル、チタン、及びクロムからなる群より選択される少なくとも一種の金属で焼結した合金である前記[3]に記載の異種金属材料接合体の製造方法。
【0017】
[5]前記第一の板状部材と前記第二の板状部材の間に、ろう材を配設する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の異種金属材料接合体の製造方法。
【0018】
[6]前記ろう材が、銅、銀、金、ニッケル、及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含むものである前記[5]に記載の異種金属材料接合体の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明の異種金属材料接合体の製造方法によれば、異なる金属材料からなる板状部材どうしを、反り量を簡便かつ任意に制御しつつ接合し、所望とする形状の異種金属材料接合体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0021】
本発明の異種金属材料接合体の製造方法では、先ず、第一の板状部材と第二の板状部材を用意する。第一の板状部材は、オーステナイト相の冷却によって、マルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一の相変態を生じ得る第一の金属材料からなる部材である。
【0022】
第一の金属材料の具体例としては、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一種を含む金属又は合金を挙げることができ、なかでもステンレスが好適である。より具体的には、SUS630(C;0.07質量%以下、Si;1.00質量%以下、Mn1.00質量%以下、P;0.040質量%以下、S;0.030質量%以下、Ni;3.00〜5.00質量%、Cr;15.50〜17.50質量%、Cu;3.00〜5.00質量%、Nb+Ta;0.15〜0.45質量%、及びFe;残部)を好適例として挙げることができる。これらの金属及び合金は、機械加工が比較的に容易であるとともに安価であり、第一の板状部材を構成する金属材料として好適である。更に、第一の金属材料は、炭素(C)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の添加剤を含有していることが好ましい。
【0023】
第一の板状部材と接合される第二の板状部材は、その温度−熱収縮率曲線が、第一の金属材料の温度−熱収縮率曲線と交差し得る第二の金属材料からなる部材である。図1は、SUS630及び炭化タングステン基超硬合金の、温度に対して熱収縮率をプロットした温度−熱収縮率曲線である。図1に示すように、第一の金属材料の代表例であるSUS630の温度−熱収縮率曲線と、第二の金属材料の代表例である炭化タングステン基超硬合金の温度−熱収縮率曲線は、冷却開始温度にも左右されるが、所定の温度で交差し得るものである。このように、本実施形態の異種金属材料接合体の製造方法では、それぞれの温度−熱収縮率曲線が交差し得る金属材料からなる板状部材どうしを接合することが必須である。また、通常は、接合を行う温度(接合が完了する温度)を冷却開始温度とし、この温度における両金属材料の熱収縮率を「0(%)」とした場合に、それぞれの温度−熱収縮率曲線が交差することとなる。なお、第一の金属材料の場合と異なり、第二の金属材料は、相変態を生じ得るものであっても、生じ得ないものであってもよい。
【0024】
第二の金属材料の具体例としては、炭化タングステン基超硬合金を挙げることができる。また、この炭化タングステン基超硬合金は、炭化タングステンを、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群より選択される少なくとも一種の金属で焼結した合金であることが、耐摩耗性や機械的強度に特に優れているために好ましい。炭化タングステン基超硬合金の具体例としては、Coを結合材として使用した超硬合金、WC−0.1〜50質量%Co等を挙げることができる。
【0025】
本実施形態の異種金属材料接合体の製造方法では、以下に示す(1)〜(3)の少なくともいずれかの操作(操作(1)、操作(2)、操作(3))を行う。以下、それぞれの操作について具体的に説明する。
【0026】
(操作(1))
図2は、操作(1)の手順を説明する模式図である。操作(1)では、先ず、第一の金属材料からなる第一の試験片1と、第二の金属材料からなる第二の試験片2を積層することによって、試験片積層体3を用意する(図2(a))。第一の試験片1及び第二の試験片2の形状・寸法は特に限定されない。但し、製造しようとする異種金属材料接合体を構成する第一及び第二の板状部材と同一の形状・寸法であるもの、又はこれに準ずる形状・寸法であるものを用いることが好ましい。
【0027】
用意した試験片積層体3を、第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の複数の試験接合温度(Tj、Tj〜)でそれぞれ接合し、高温の複数の試験片接合体10を得る(図2(a))。接合する方法は特に限定されないが、拡散接合、ろう材を使用するろう付け接合等によって接合することができる。なお、試験接合温度(Tj、Tj〜)は、使用するそれぞれの試験片の材質や、ろう材を使用する場合にはろう材の種類によって、所望とする温度に設定することができる。
【0028】
得られた複数の試験片接合体10を冷却するとともに(図2(b)〜(d))、それぞれの試験片接合体10に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定する(図2(e))。なお、図2(e)においては、便宜上、試験片接合体10に反りが生じていない状態(反り量=0)を示しているが、通常は、それぞれの試験接合温度(Tj、Tj〜)に応じた反りが生ずる(図2(c)を参照)。また、図2(c)では第二の試験片2の側に凸となった反りの状態を示しているが、条件によっては第一の試験片1の側に凸(即ち、第二の試験片2の側に凹)となる場合もある。本明細書においては、便宜上、第二の試験片2の側に凹となった場合には、マイナスの反り量が生じたものとする。
【0029】
試験接合温度(Tj、Tj〜)と、測定した反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、接合温度(Tj)と、これに対応して異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測する。図3は、試験接合温度と反り量の相関関係を示すグラフである。試験接合温度(Tj、Tj〜)と反り量(C、C〜)の相関関係は、例えば図3に示すような関数で表される。具体的には、試験接合温度Tj=820℃で接合を行った場合における反り量Cは、約−40μmである。一方、試験接合温度Tj=1120℃で接合を行った場合における反り量Cは、約80μmである。従って、接合温度Tjを920℃に設定した状態で第一の板状部材と第二の板状部材を接合すれば、反りのない(反り量C=0)異種金属材料接合体を製造可能であると予測することができる。
【0030】
試験接合温度Tjで接合を行って得られた試験接合体10に生じた反り量Cが、負の値である(即ち、第二の試験片2の側に凹となった)場合には、次に、この試験接合温度Tjよりも大幅に(例えば、100℃以上)高い試験接合温度Tjで接合を行えばよい。一方、試験接合温度Tjで接合を行って得られた試験接合体10に生じた反り量Cが、正の値である(即ち、第二の試験片2の側に凸となった)場合には、次に、この試験接合温度Tjよりも大幅に(例えば、100℃以上)低い試験接合温度Tjで接合を行えばよい。
【0031】
また、試験接合温度(Tj、Tj〜)は、多数設定すれば、試験接合温度(Tj、Tj〜)と反り量(C、C〜)の相関関係を、より正確に把握することが可能となるために好ましい。但し、この相関関係を把握するには、少なくとも二つの試験接合温度(Tj及びTj)を設定することが必要であり、3つ以上の試験接合温度を設定することが好ましい。
【0032】
次に、第一の板状部材と第二の板状部材を、予測した反り量(C)が生ずる接合温度(Tj)で接合する。上述の一連の操作により、試験接合温度(Tj、Tj〜)と反り量(C、C〜)の相関関係を把握しているため、例えば反りのない平坦な異種金属材料接合体を製造可能であるとともに、所望とする量の反りが生じた異種金属材料接合体をも製造することができる。
【0033】
(操作(2))
図4は、操作(2)の手順を説明する模式図である。操作(2)では、先ず、第一の金属材料からなる第一の試験片11と、第二の金属材料からなる第二の試験片12を積層することによって、試験片積層体13を用意する(図4(a))。第一の試験片11及び第二の試験片12の形状・寸法は特に限定されない。但し、製造しようとする異種金属材料接合体を構成する第一及び第二の板状部材と同一の形状・寸法であるもの、又はこれに準ずる形状・寸法であるものを用いることが好ましい。
【0034】
用意した試験片積層体13を、所定のプレス圧力Pの条件下、第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の接合温度でそれぞれ接合し、高温の複数の試験片接合体20を得る(図4(a))。なお、プレス圧力Pは、それぞれの試験片の形状・寸法等にもよるが、通常、0.1〜100MPa程度である。接合する方法は特に限定されないが、拡散接合、ろう材を使用するろう付け接合等によって接合することができる。
【0035】
得られた複数の試験片接合体20を、複数の試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)でプレス圧力を開放(図4(b))しつつ冷却する(図4(c)〜(f))。なお、図4(f)においては、便宜上、試験片接合体20に反りが生じていない状態(反り量=0)を示しているが、通常は、それぞれの試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)に応じた反りが生ずる(図4(d)を参照)。ここで、本明細書にいう「プレス圧力開放」とは、接合時に負荷していたプレス圧力を開放し、圧力値を0にすることをいう。
【0036】
常温まで冷却した後、それぞれの試験片接合体20に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定する(図4(f))。次いで、試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)と、測定した反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、プレス圧力開放温度(Tr)と、これに対応して異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測する。図5は、試験プレス圧力開放温度と反り量の相関関係を示すグラフである。試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)と反り量(C、C〜)の相関関係は、例えば図5に示すような一次関数で表される。具体的には、試験プレス圧力開放温度Tr=150℃でプレス圧力を開放した場合における反り量Cは、約−150μmである。一方、試験プレス圧力開放温度Tr=200℃でプレス圧力を開放した場合における反り量Cは、約220μmである。従って、プレス圧力開放温度Tr=170℃でプレス圧力を開放すれば、反りのない(反り量C=0)異種金属材料接合体を製造可能であると予測することができる。
【0037】
試験プレス圧力開放温度Trでプレス圧力を開放して得られた試験接合体20に生じた反り量Cが、負の値である(即ち、第二の試験片12の側に凹となった)場合には、次に、この試験プレス圧力開放温度Trよりも大幅に(例えば、100℃以上)高い試験プレス圧力開放温度Trでプレス圧力を開放すればよい。一方、試験プレス圧力開放温度Trでプレス圧力を開放して得られた試験接合体20に生じた反り量Cが、正の値である(即ち、第二の試験片12の側に凸となった)場合には、次に、この試験プレス圧力開放温度Trよりも大幅に(例えば、100℃以上)低い試験プレス圧力開放温度Trでプレス圧力を開放すればよい。
【0038】
また、試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)は、多数設定すれば、試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)と反り量(C、C〜)の相関関係を、より正確に把握することが可能となるために好ましい。但し、この相関関係を把握するには、少なくとも二つの試験プレス圧力開放温度(Tj及びTj)を設定することが必要であり、三つ以上の試験プレス圧力開放温度を設定することが好ましい。
【0039】
次に、第一の板状部材と第二の板状部材を高温で接合した後、予測した反り量(C)が生ずるプレス圧力開放温度(Tr)でプレス圧力を開放しつつ冷却する。上述の一連の操作により、試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)と反り量(C、C〜)の相関関係を把握しているため、例えば反りのない平坦な異種金属材料接合体を製造可能であるとともに、所望とする量の反りが生じた異種金属材料接合体をも製造することができる。
【0040】
(操作(3))
図6は、操作(3)の手順を説明する模式図である。操作(3)では、先ず、第一の金属材料からなる第一の試験片21と、第二の金属材料からなる第二の試験片22を積層することによって、試験片積層体23を用意する(図6(a))。第一の試験片21及び第二の試験片22の形状・寸法は特に限定されない。但し、製造しようとする異種金属材料接合体を構成する第一及び第二の板状部材と同一の形状・寸法であるもの、又はこれに準ずる形状・寸法であるものを用いることが好ましい。
【0041】
用意した試験片積層体23を、例えば所定のプレス圧力Pの条件下、第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の接合温度でそれぞれ接合し、高温の複数の試験片接合体30を得る(図6(a))。なお、プレス圧力Pは、それぞれの試験片の形状・寸法等にもよるが、通常、0.01〜100MPa程度である。接合する方法は特に限定されないが、拡散接合、ろう材を使用するろう付け接合等によって接合することができる。
【0042】
得られた複数の試験片接合体30を、複数の試験プレス圧力(P、P〜)の条件下で冷却する(図6(b)〜(e))。なお、図6(e)においては、便宜上、試験片接合体30に反りが生じていない状態(反り量=0)を示しているが、通常は、それぞれの試験プレス圧力(P、P〜)に応じた反りが生ずる(図6(c)を参照)。
【0043】
常温まで冷却した後、それぞれの試験片接合体30に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定する(図6(e))。次いで、試験プレス圧力(P、P〜)と反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、プレス圧力(P)と、これに対応して異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測する。図7は、試験プレス圧力と反り量の相関関係を示すグラフである。試験プレス圧力(P、P〜)と反り量(C、C〜)の相関関係は、例えば図7に示すような一次関数で表される。具体的には、試験プレス圧力P=0MPaとした場合(即ち、プレスしない場合)における反り量Cは、約80μmである。一方、試験プレス圧力P=11MPaとした場合における反り量Cは、約−40μmである。従って、プレス圧力P=7.3MPaとすれば、反りのない(反り量C=0)異種金属材料接合体を製造可能であると予測することができる。
【0044】
試験プレス圧力Pとして得られた試験接合体30に生じた反り量Cが、正の値である(即ち、第二の試験片22の側に凸となった)場合には、次に、この試験プレス圧力Pよりも大幅に(例えば、10MPa以上)高い試験プレス圧力Pとすればよい。一方、試験プレス圧力Pとして得られた試験接合体30に生じた反り量Cが、負の値である(即ち、第二の試験片22の側に凹となった)場合には、次に、この試験プレス圧力Pよりも大幅に(例えば、10MPa以上)低い試験プレス圧力Pとすればよい。
【0045】
また、試験プレス圧力(P、P〜)は、多数設定すれば、試験プレス圧力(P、P〜)と反り量(C、C〜)の相関関係を、より正確に把握することが可能となるために好ましい。但し、この相関関係を把握するには、少なくとも二つの試験プレス圧力(P及びP)を設定することが必要であり、3つ以上の試験プレス圧力を設定することが好ましい。
【0046】
次に、第一の板状部材と第二の板状部材を高温で接合した後、予測した反り量(C)が生ずるプレス圧力(P)の条件下で冷却する。上述の一連の操作により、試験プレス圧力(P、P〜)と反り量(C、C〜)の相関関係を把握しているため、例えば反りのない平坦な異種金属材料接合体を製造可能であるとともに、所望とする量の反りが生じた異種金属材料接合体をも製造することができる。
【0047】
本実施形態の異種金属材料接合体の製造方法では、上述の操作(1)〜(3)の少なくともいずれかを行えばよいが、より厳密な反り量の制御を行うとともに、この制御を容易かつ簡便にするために、操作(1)〜(3)のうちの二以上の操作を組み合せて行うことが好ましく、全ての操作を組み合せて行うことも好ましい。
【0048】
また、本実施形態の異種金属材料接合体の製造方法においては、第一の板状部材と第二の板状部材の間にろう材を配設し、第一の板状部材と第二の板状部材を接合することが好ましい。ろう材を配設して接合することにより、第一の板状部材と第二の板状部材の接合が容易になる。但し、製造した異種金属材料接合体に層状のろう材が残っていると、機械的強度が低下することがある。従って、なるべく薄い(例えば、箔状の)ろう材を使用することが好ましい。また、第一の板状部材と第二の板状部材の少なくとも一方の組織の内部に浸透する材料をろう材として用いることが好ましい。具体的には、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含むろう材を用いることが好ましい。特に、銅(Cu)を含有するろう材は、第一の板状部材の好適例として挙げたステンレス等の合金に対する浸透性が高く、良好に用いることができる。また、ろう材が合金である場合においては、このろう材には、パラジウム(Pd)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、コバルト(Co)、リン(P)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)等の添加剤が更に含まれていることが好ましい。
【0049】
ろう材を使用する場合において、使用するろう材の厚さについては特に制限はない。但し、第一の板状部材と第二の板状部材の少なくとも一方に良好に浸透するように、0.1〜200μmであることが好ましく、1〜50μmであることが更に好ましい。
【0050】
本実施形態の異種金属材料接合体の製造方法においては、第一の板状部材、及び第二の板状部材の厚さについては特に制限はない。例えば、一般的な板状の異種金属材料接合体を製造する場合には、第一の板状部材の厚さは、1〜100mmであることが好ましい。また、第二の板状部材の厚さは、0.1〜10mmであることが好ましく、0.1〜3mmであることが更に好ましく、0.1〜1mm以下であることが特に好ましい。
【0051】
なお、得られる異種金属材料接合体は、耐摩耗性等の機械的特性に優れた第二の板状部材の表面において、その使用目的に応じた必要十分な機械的特性を満たしていればよい。従って、第二の板状部材を必要以上に厚くする必要はない。一方、第一の板状部材は、穴加工や溝加工等の機械加工が容易であるとともに、安価である。従って、特別な機械的特性を必要としない部分に関しては、第二の板状部材を用いることが好ましい。
【0052】
本実施形態の異種金属材料接合体の製造方法によれば、図8に示すような、成形原料が導入される裏孔26が形成された第一の板状部材41と、成形原料を格子状に成形するためのスリット25が形成された第二の板状部材42とを接合することにより、各種の触媒用担体やフィルタ等として好適に用いられるハニカム構造体を成形するための口金50を製造することができる。
【0053】
図8に示すような口金50を製造するには、図9に示すように、第一の板状部材41と第二の板状部材42のうちの一方(図9においては、第一の板状部材41)に裏孔26を形成する。この裏孔26は、例えば、電解加工(ECM加工)、放電加工(EDM加工)、レーザ加工、ドリル等を用いる機械加工をはじめとする従来公知の加工方法によって形成することができる。
【0054】
裏孔26を形成した第一の板状部材41と、第二の板状部材42を使用し、これまで述べてきた操作(1)〜(3)のいずれかを行って接合すれば、異種金属材料接合体を得ることができる。得られた異種金属材料接合体を構成する第二の板状部材42にスリット25を形成すれば、図10に示すようなハニカム構造体を成形するための口金50を製造することができる。なお、スリット25、例えば、ダイヤモンド砥石による研削加工や放電加工(EDM加工)をはじめとする従来公知の加工方法によって形成することができる。なお、第二の板状部材42として、炭化タングステン基超硬合金からなる部材を用いれば、耐摩耗性に優れた口金50を製造することができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0056】
(実施例1)
SUS630(C;0.07質量%以下、Si;1.00質量%以下、Mn1.00質量%以下、P;0.040質量%以下、S;0.030質量%以下、Ni;3.00〜5.00質量%、Cr;15.50〜17.50質量%、Cu;3.00〜5.00質量%、Nb+Ta;0.15〜0.45質量%、Fe;残部)からなる板状部材(縦40mm×横40mm×厚さ11mm)と、WC−16質量%Coの炭化タングステン基超硬合金からなる板状部材(縦40mm×横40mm×厚さ1mm)を積層して、二つの板状部材積層体を得た。
【0057】
一方の板状部材積層体を、活性銀ろうを使用してTj=820℃で接合した後、常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量を表面形状測定器によって測定したところ、約−40μmであった。また、他方の板状部材積層体を、純銅ろうを使用してTj=1120℃で接合した後、常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量は、約80μmであった。なお、SUS630のオーステナイト変態が起こる温度は、約720〜900℃であり、マルテンサイト変態が起こる温度は、約200℃以下である。
【0058】
次に、図3に示すような、(試験)接合温度(℃)に対して反り量(μm)をプロットしたグラフを作成した。前述の板状部材積層体と同一のものを用意し、アモルファス銅合金ろうを使用してTj=930℃で接合した後、常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量は、約5μmであった。
【0059】
実施例1の結果から明らかなように、接合温度と反り量の相関関係を利用することによって、反り量の制御された異種金属材料接合体を容易に製造することができる。
【0060】
(実施例2)
前述の実施例1と同様にして、二つの板状部材積層体を得た(縦120mm×横120mm)。一方の板状部材積層体を、略3.4MPaのプレス圧力の条件下、1120℃で接合した後、Tr=150℃でプレス圧力を開放しつつ常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量を測定したところ、約−150μmであった。また、他方の板状部材積層体を、略3.4MPaのプレス圧力の条件下、1120℃で接合した後、Tr=200℃でプレス圧力を開放しつつ常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量を測定したところ、約220μmであった。
【0061】
次に、図5に示すような、(試験)プレス圧力開放温度(℃)に対して反り量(μm)をプロットしたグラフを作成した。前述の板状部材積層体と同一のものを用意し、略3.4MPaのプレス圧力の条件下、1120℃で接合した後、Tr=170℃でプレス圧力を開放しつつ常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量を測定したところ、約−20μmであった。
【0062】
実施例2の結果から明らかなように、プレス圧力開放温度と反り量の相関関係を利用することによって、反り量の制御された異種金属材料接合体を容易に製造することができる。
【0063】
(実施例3)
前述の実施例1と同様にして、二つの板状部材積層体を得た(縦40mm×横40mm)。一方の板状部材積層体を、P=0(プレス圧力なし)の条件下、1120℃で接合した後、常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量を測定したところ、80μmであった。また、他方の板状部材積層体を、P=11MPaの条件下、1120℃で接合した後、プレス圧力を負荷しつつ、常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量を測定したところ、−40μmであった。
【0064】
次に、図7に示すような、(試験)プレス圧力(MPa)に対して反り量(μm)をプロットしたグラフを作成した。前述の板状部材積層体と同一のものを用意し、P=7.3MPaの条件下、1120℃で接合した後、プレス圧力を負荷しつつ、常温(25℃)まで冷却して接合体を得た。得られた接合体に生じた反り量を測定したところ、約−5μmであった。
【0065】
実施例3の結果から明らかなように、プレス圧力と反り量の相関関係を利用することによって、反り量の制御された異種金属材料接合体を容易に製造することができる。なお、表1に、(試験)接合温度、(試験)プレス圧力開放温度、及び(試験)プレス圧力と、これらに対応して接合体に生じた反り量を示す。
【0066】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の異種材料接合体の製造方法によれば、耐摩耗性と加工容易性が同時に要求されるとともに、厳密な形状を有するものであることが必要とされる、押出成形に用いられる口金等の部品を製造する方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】SUS630及び炭化タングステン基超硬合金の、温度に対して熱収縮率をプロットした温度−熱収縮率曲線である。
【図2】操作(1)の手順を説明する模式図である。
【図3】試験接合温度と反り量の相関関係を示すグラフである。
【図4】操作(2)の手順を説明する模式図である。
【図5】試験プレス圧力開放温度と反り量の相関関係を示すグラフである。
【図6】操作(3)の手順を説明する模式図である。
【図7】試験プレス圧力と反り量の相関関係を示すグラフである。
【図8】口金の一例を模式的に示す部分斜視図である。
【図9】口金を製造する工程の一部を示す模式図である。
【図10】口金の一例を模式的に示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1,11,21 第一の試験片
2,12,22 第二の試験片
3,13,23 試験片積層体
10,20,30 試験片接合体
25 スリット
26 裏孔
41 第一の板状部材
42 第二の板状部材
50 口金
C,C,C 反り量
P,P,P 試験プレス圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーステナイト相の冷却によって、マルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一の相変態を生じ得る第一の金属材料からなる第一の板状部材と、
その温度−熱収縮率曲線が、前記第一の金属材料の温度−熱収縮率曲線と交差し得る第二の金属材料からなる第二の板状部材を用意するとともに、
下記(1)〜(3)の少なくともいずれかの操作を行うことを含み、
前記第一の板状部材と前記第二の板状部材が積層及び接合された異種金属材料接合体を得る異種金属材料接合体の製造方法。
(1):前記第一の金属材料からなる第一の試験片、及び前記第二の金属材料からなる第二の試験片を積層した複数の試験片積層体を、前記第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の複数の試験接合温度(Tj、Tj〜)でそれぞれ接合して高温の複数の試験片接合体を得、
得られた複数の前記試験片接合体を冷却するとともに、それぞれの前記試験片接合体に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定し、
前記試験接合温度(Tj、Tj〜)と前記反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、接合温度(Tj)と、前記接合温度(Tj)に対応して前記異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測し、
前記第一の板状部材と前記第二の板状部材を、前記反り量(C)が生ずる前記接合温度(Tj)で接合する。
(2):前記第一の金属材料からなる第一の試験片、及び前記第二の金属材料からなる第二の試験片を積層した複数の試験片積層体を、所定のプレス圧力の条件下、前記第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の接合温度でそれぞれ接合して高温の複数の試験片接合体を得、
得られた複数の前記試験片接合体を、複数の試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)でプレス圧力を開放しつつ冷却するとともに、それぞれの前記試験片接合体に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定し、
前記試験プレス圧力開放温度(Tr、Tr〜)と前記反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、プレス圧力開放温度(Tr)と、前記プレス圧力開放温度(Tr)に対応して前記異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測し、
前記第一の板状部材と前記第二の板状部材を高温で接合した後、前記反り量(C)が生ずる前記プレス圧力開放温度(Tr)でプレス圧力を開放しつつ冷却する。
(3):前記第一の金属材料からなる第一の試験片、及び前記第二の金属材料からなる第二の試験片を積層した複数の試験片積層体を、前記第一の金属材料がオーステナイト変態を生ずる温度以上の接合温度でそれぞれ接合して高温の複数の試験片接合体を得、
得られた複数の前記試験片接合体を、複数の試験プレス圧力(P、P〜)の条件下で冷却するとともに、それぞれの前記試験片接合体に常温で生じた反り量(C、C〜)を測定し、
前記試験プレス圧力(P、P〜)と前記反り量(C、C〜)の相関関係に基づき、プレス圧力(P)と、前記プレス圧力(P)に対応して前記異種金属材料接合体に常温で生ずる反り量(C)を予測し、
前記第一の板状部材と前記第二の板状部材を高温で接合した後、前記反り量(C)が生ずる前記プレス圧力(P)の条件下で冷却する。
【請求項2】
前記第一の金属材料が、鉄、チタン、ニッケル、銅、及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含むものである請求項1に記載の異種金属材料接合体。
【請求項3】
前記第二の金属材料が、炭化タングステン基超硬合金である請求項1又は2に記載の異種金属材料接合体の製造方法。
【請求項4】
前記炭化タングステン基超硬合金が、炭化タングステンを、鉄、コバルト、ニッケル、チタン、及びクロムからなる群より選択される少なくとも一種の金属で焼結した合金である請求項3に記載の異種金属材料接合体の製造方法。
【請求項5】
前記第一の板状部材と前記第二の板状部材の間に、ろう材を配設する請求項1〜4のいずれか一項に記載の異種金属材料接合体の製造方法。
【請求項6】
前記ろう材が、銅、銀、金、ニッケル、及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属を含むものである請求項5に記載の異種金属材料接合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−237248(P2007−237248A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64081(P2006−64081)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】