説明

疎水性酸化亜鉛粉末

疎水性酸化亜鉛粉末に対して炭素含有率0.4〜1.5質量%、及び表面積25〜100m2/gを有する酸化亜鉛一次粒子の部分的に又は完全に被覆された凝集物の形での疎水性酸化亜鉛粉末であって、その際被覆された凝集物が、球形で0〜10%未満、楕円形で15〜30%未満、線形で15〜30%未満、分枝形で40〜70%未満までで存在し、及びそれぞれの形の合計は100%であり、かつ該被覆が、炭素原子1〜20個を有する、化学的に結合された直鎖及び/又は分枝鎖状のモノアルキルシリル基Si−アルキル及び/又はアルキルシリル基Si−(アルキル)2を含む、疎水性酸化亜鉛粉末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性酸化亜鉛粉末に、その製造に、及びその使用に関する。
【0002】
疎水性酸化亜鉛粉末は、先行技術において公知である。US 5,486,631号は、酸化亜鉛と、R−Si−[−(−O−SiMe2−)a−OR’]3、[式中、Rは、炭素原子1〜10個を有するアルキル基であり、R’は、メチル又はエチルであり、かつaは4〜12である]で示される一般式の疎水化剤との反応によって製造される疎水性酸化亜鉛粒子を開示している。この方法において、酸化亜鉛の選択は、重要ではない。しかしながら、化粧品調合物の要求、例えば透過性及びUV吸収性を満たすために、前記の疎水化剤は、その構造に関する前述の要求を満たすべきである。それらの要求は、化粧品調合物における使用可能性を制限する。
【0003】
EP−A−1508599号は、実際に大量の疎水化剤を使用して得られることができる疎水性酸化亜鉛粉末を開示しているが、しかしそのBET表面積は、18±5m2/gまで制限され、かつその炭素含有率は、0.5〜1.0質量%まで制限されている。化粧品調合物におけるかかる粉末のその分散性及び透過性は、改良の必要がある。
【0004】
本発明の目的は、化粧品調合物における使用可能性が制限されず、すなわちおよそ調合物の他の構成成分との負の相互作用を引き起こさず、該調合物中へ急速に取り込まれることができ、かつ高いUV吸収及び高い透過性を有する、疎水性酸化亜鉛粉末を提供することであった。
【0005】
本発明の他の目的は、疎水性酸化亜鉛粉末の製造方法を提供することであった。
【0006】
酸化亜鉛一次粒子の部分的に又は完全に被覆された凝集物の形での疎水性酸化亜鉛粉末を提供することであって、該疎水性酸化亜鉛粉末に対して炭素含有率0.4〜1.5質量%、及びBET表面積25〜100m2/gを有し、
− 被覆された凝集物が、球形で0〜10%未満、楕円形で15〜30%未満、線形で15〜30%未満、分枝形で40〜70%未満存在し、及びそれぞれの形の合計は100%であり、かつ
− 該被覆が、炭素原子1〜20個を有する、化学的に結合された直鎖及び/又は分枝鎖状のアルキルシリル基を含む。
【0007】
驚くべきことに、かかる粉末が、化粧品調合物における優れた分散性を有することが見出されている。従って、当業者が、本発明による酸化亜鉛粉末における凝集物の形と共に、25〜100m2/gの範囲のBET表面積における表面上の低い炭素含有率が、かかる効果を示すとみなすことができないために、驚くべきことである。該効果は、現在、正確に説明されることができないが、しかし分枝状の凝集物の高い割合は、共に決定的であることが明らかである。
【0008】
有利には、球形の割合は0〜5%であり、楕円形の割合は20〜25%であり、線形の割合は20〜25%であり、かつ分枝形の割合は、45〜60%である。
【0009】
前記の凝集物は、透過型電子顕微鏡写真の画像解析によって前記の形に分類される。このために、約1000〜2000の凝集物は、カメラを使用して評価される。そのパラメータの定義は、ASTM3849−89に従う。
【0010】
本発明による酸化亜鉛粉末の凝集物は、球形、楕円形、線形、及び分枝形で存在する。
【0011】
さらに、本発明による疎水性酸化亜鉛粉末は、有利には、平均投影凝集物面積8000〜30000nm2、円相当径(ECD)70〜300nm、及び平均円周500〜2000nmを有する凝集物を有しうることが見出されている。前記の値は、ASTM3849−89に従って同様に決定される。
【0012】
本発明による疎水性酸化亜鉛粉末の炭素含有率は、0.4〜1.5質量%である。この範囲内で、化粧品調合物における分散性は、最適である。有利には、該炭素含有率は、0.6〜1.0質量%である。
【0013】
本発明による疎水性酸化亜鉛粉末の炭素含有率は、凝集物の表面上のアルキルシリル基から生じる。該アルキルシリル基は、有利には炭素原子1〜10個、特に有利には炭素原子4〜8個を有する。アルキル基のタイプは、例えばNMR分光法によって定義されうる。
【0014】
構造A−Jは、本発明による可能なアルキルシリル群である。本明細書で、それぞれの場合における−O−Si結合の酸素原子は、酸化亜鉛表面の酸素原子を示す。
【0015】
【化1】

【0016】
本発明による疎水性酸化亜鉛粉末のBET表面積は、有利には25〜35m2/gである。
【0017】
さらに、有利には、前記の疎水性酸化亜鉛粉末は、多くても20ppmの鉛の割合、多くても3ppmのヒ素の割合であり、多くても15ppmのカドミウムの割合、多くても200ppmの鉄の割合、多くても1ppmのアンチモンの割合、かつ多くても1ppmの水銀の割合を有する。
【0018】
さらに本発明は、BET表面積25〜100m2/gを有する凝集一次粒子の形であって、該凝集物が、球形0〜10%、楕円形30〜50%、線形30〜50%、及び分枝形20〜30%で存在する酸化亜鉛粉末を、場合により有機溶剤中に溶解されてよい、炭素原子1〜20個を有する1つ以上のシラン化剤で噴霧し、そしてその混合物を、120〜200℃、有利には140〜180℃の温度で、0.5〜2時間、有利には1〜1.5時間にわたって熱処理する、本発明による疎水性酸化亜鉛粉末の製造方法を提供する。
【0019】
本発明による方法は、有利には、例えば窒素の、保護ガス雰囲気で実施されうる。
【0020】
さらに、本発明による方法は、噴霧装置を有する加熱可能な混合器及び乾燥器中で、例えばプラウシェアミキサー、ディスク乾燥器、流動床乾燥器もしくは移動床乾燥器中で、連続的に又は不連続的に実施されうる。
【0021】
使用される酸化亜鉛粉末は、例えば、DE−A−10343728号において記載されている方法によって製造されうる。
【0022】
これは、凝集物の形で存在するヒュームド酸化亜鉛粉末であり、その際該凝集物は、変動する形態学の粒子から構成され、かつ該粒子は、球形0〜10%、楕円形30〜50%、線形30〜50%、及び分枝形20〜30%で存在する。
【0023】
形態学は、等方性と異方性粒子との双方を意味するとして理解されるべきである。それらは、例えば、球状又はほぼ球状の粒子、丸い粒子、棒状粒子又は針状粒子であってよい。前記の凝集物が種々の粒子からなり、かつ該粒子が焼結域で共に連結されることが不可欠である。
【0024】
楕円形及び線形のおよそ同一の30〜40%の割合、並びに分枝形20〜25%及び球形2〜6%のより低い割合を有する酸化亜鉛粉末が、有利には使用されうる。
【0025】
使用される酸化亜鉛粉末は、有利には、DIN ISO 787/11に従って決定された、少なくとも150g/lの突き固め密度を有しうる。特に有利には、突き固め密度は、250〜350g/lでありうる。
【0026】
さらに、使用される酸化亜鉛粉末が、平均投影凝集物面積10000nm2未満、円相当径(ECD)100nm未満、及び平均円周600nm未満を有する凝集物からなる場合に有利であってよい。前記のサイズは、約1000〜2000の凝集物の透過型電子顕微鏡写真からの画像解析によって得られうる。
【0027】
特に有利には、酸化亜鉛粉末は、その平均投影凝集物面積が2000〜8000nm2であり、円相当径(ECD)が25〜80nmであり、かつ平均円周が200〜550nmである場合に使用されてよい。
【0028】
かかる酸化亜鉛粉末が使用される場合に、驚くべきことに、その時使用される酸化亜鉛粉末の凝集形及び得られる疎水性酸化亜鉛粉末の割合が異なることが、見出されている。従って、本発明による方法は、特に、直線及び楕円形の割合が、使用される材料よりも小さい製造生成物をもたらす。製造生成物における分枝状凝集物のより高い割合は、同様に、良好な分散性のための判断基準として使用されうる。
【0029】
使用されうるシラン化剤は、有利には、
− X3Si(Cn2n+1)、X2(R’)Si(Cn2n+1)、X(R’)2Si(Cn2n+1)、X3Si(CH2m−R’(R)X2Si(CH2m−R’、(R)2XSi(CH2m−R’[式中、XはCl、Brであり、Rはアルキルであり、R’はアルキルであり、nは1〜20であり、mは1〜20である]で示されるタイプのハロオルガノシラン、
− (RO)3Si(Cn2n+1)、R’x(RO)ySi(Cn2n+1)、(RO)3Si(CH2m−R’、(R’’)u(RO)vSi(CH2m−R’[式中、Rはアルキルであり、R’はアルキルであり、nは1〜20であり、mは1〜20であり、x+yは3であり、xは1、2であり、yは1、2であり、u+vは2であり、uは1、2であり、vは1、2である]で示されるタイプのオルガノシラン、
− R’R2Si−NH−SiR2R’[式中、Rはアルキルであり、R’はアルキル、ビニルである]で示されるタイプのシラザン、

【化2】

[式中、Rはアルキル、Hであり、R’はアルキル、Hであり、R’’はアルキル、Hであり、R’’’はアルキル、Hであり、YはCH3、H、Cp2p+1であり、その際pは1〜20であり、YはSi(CH33、Si(CH32H、Si(CH32OH、Si(CH32(OCH3)、Si(CH32(Cp2p+1)であり、その際pは1〜20であり、mは0、1、2、3、...∞であり、nは0、1、2、3、...∞であり、uは0、1、2、3、...∞である]で示されるタイプのポリシロキサン、又は
− D3、D4及び/又はD5のタイプの環状ポリシロキサンである。
【0030】
シラン化剤として、トリメトキシオクチルシラン[(CH3O)−Si−C817]、例えばDegussa AG製のDYNASYLAN(登録商標)OCTMO、ヘキサメチル−ジシラザン、例えばDegussa AG製のDYNASYLAN(登録商標)HMDS、又はポリジメチルシロキサンの使用は、特に好適であってよい。
【0031】
他の主題は、本発明による疎水性酸化亜鉛粒子を含有する分散液である。
【0032】
該分散液の液相は、水、1つ以上の有機溶媒、又は水性/有機組合せ物であってよく、その際該相は、混和性である。
【0033】
液体の有機相は、特に、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール、ブタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、アセトン、ブタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、グリコールエステル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノ−、ジ−、トリ−及びポリグリコールエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、塩化エチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン、シクロヘキサン、ベンジン、石油エーテル、メチルシクロヘキサン、デカリン、ベンゼン、トルエン、並びにキシレンであってよい。エタノール、n−及びイソプロパノール、エチレングリコール、ヘキサン、ヘプタン、トルエン及びo−、m−及びp−キシレンが、有機の液相として特に好ましい。
【0034】
本発明による分散液は、さらにpH調節剤、表面活性添加剤、及び/又は防腐剤を含みうる。
【0035】
本発明による疎水性酸化亜鉛粒子の含有率は、有利には0.5〜60質量%でありうる。本発明による疎水性酸化亜鉛粒子の10〜50質量%、特に35〜45質量%を含有する分散液が特に好ましい。
【0036】
前記分散液における平均粒子サイズは、適切な分散装置を使用して広範囲内で変動されうる。該装置は、例えば、ローター−ステーター機械、粒子が互いの衝突で粒子自体を研磨する高エネルギーミル、遊星型混練機、撹拌ボールミル、振盪装置として操作するボールミル、振盪パネル、超音波装置、又は前述の装置の組合せであってよい。
【0037】
特に小さい粒子サイズが、ローター−ステーター機械及び高エネルギーミルを使用することによって得られうる。平均粒子サイズd50は、本明細書で、動的光散乱によって決定される180nm未満、特に140nm未満の値を呈しうる。
【0038】
さらに本発明は、本発明による疎水性酸化亜鉛粒子又は本発明による分散液を含有する日焼け防止調合物を提供する。
【0039】
それらは、通常0.5〜20質量%、有利には1〜10質量%、及び特に有利には3〜8質量%の量で日焼け防止調合物中で存在する。
【0040】
本発明による日焼け防止調合物は、当業者に公知の全ての水溶性又は油溶性UVA及びUV−Bフィルターも含んでよい。
【0041】
例えば、
− パラアミノ安息香酸(PABA)及びそれらの誘導体、例えばジメチル−、エチルジヒドロキシプロピル−、エチルヘキシルジメチル−、エチル−、グリセリル−、及び4−ビス(ポリエトキシ)−PABA、
− ケイ皮酸エステル、例えばオクチルメトキシシンナメート、エチルメトキシシンナメート、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナメート、イソアミルp−メトキシシンナメート、ジイソプロピルシンナメート、2−エトキシエチル4−メトキシシンナメート、DEAメトキシシンナメート(p−メトキシヒドロキシケイ皮酸エステルのジエタノールアミン塩)、ジイソプロピルメチルシンナメートを含有するメチルシンナメート及びメトキシケイ皮酸エステル、
− ベンゾフェノン、例えば2,4−ジヒドロキシ−、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、ナトリウム2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、
− ジベンゾイルメタン、例えばブチルメトキシジベンゾイルメタン、特に4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
− 2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸及びフェニルジベンゾイミダゾールスルホン酸のエステル、並びにそれらの塩、
− ジフェニルアクリレート、例えばアルキルアルファ−シアノ−ベータ,ベータ−ジフェニルアクリレート、例えばオクトクリレン、
− トリアジン、例えば2,4,6−トリアニリン(p−カルボ−2−エチルヘキシル−1−オキシ)−1,3,5−トリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、及びジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
− カンファー誘導体、例えば4−メチルベンジリデン−及び3−ベンジリデンカンファー、並びにテレフタリリデンジカンファースルホン酸、ベンジリデンカンファースルホン酸、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、並びにポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、
− サリチレート、例えばジプロピレングリコール、エチレングリコール、エチレンヘキシル、イソプロピルベンジル、メチル、フェニル、3,3,5−トリメチル、及びTEAサリチレート(2−ヒドロキシ安息香酸と、2,2’,2’’−ニトリロトリセタノールとの化合物)、
− 2−アミノ安息香酸のエステルである。
【0042】
前記の日焼け防止調合物は、100nm〜20μmの粒子サイズで金属酸化物顔料を含有する、当業者に公知の化合物、例えば有機溶剤、増粘剤、乳化剤、軟化剤、消泡剤、抗酸化剤、植物抽出物、湿潤化剤、香料、防腐剤及び/又は染料、錯化剤、アニオン、カチオン、非イオンもしくは両性ポリマー又はそれらの混合物、燃料ガス、並びに微粉末を含有しうる。
【0043】
好適な軟化剤は、特に、アボカド油、綿実油、ベヘニルアルコール、ブチルミリステート、ブチルステアレート、セチルアルコール、セチルパルミテート、デシルオレエート、ジ−n−ブチルセバケート、アザミ油、エイコサニルアルコール、グリセリルモノリシノレエート、ヘキシルラウレート、イソブチルパルミテート、イソセチルアルコール、イソセチルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルリノレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソステアリン酸、カカオ脂、ココナッツオイル、ラノリン、ラウリルラクテート、コーン油、ミリスチルラクテート、ミリスチルミリステート、オオマツヨイグサ油、オクタデカン−2−オール、オリーブ油、パルミチン酸、パーム核油、ポリエチレングリコール、ナタネ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール、トリエチレングリコールである。
【0044】
好適な乳化剤は、特に、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノステアレート、PEG1000ジラウレート、PEG1500ジオレエート、PEG200ジラウレート、PEG200モノステアレート、PEG300モノオレエート、PEG400ジオレエート、PEG400モノオレエート、PEG400モノステアレート、PEG4000モノステアレート、PEG600モノオレエート、ポリオキシエチレン(4)ソルビトールモノステアレート、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)モノオレエート、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(14)ラウレート、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ソルビトールモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビトールモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビトールモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビトールトリオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビトールトリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(25)オキシプロピレンモノステアレート、ポリオキシエチレン(3.5)ノニルフェノール、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ソルビトールモノラウレート、ポリオキシエチレン(5)モノステアレート、ポリオキシエチレン(5)ソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレン(50)モノステアレート、ポリオキシエチレン(8)モノステアレート、ポリオキシエチレン(9.3)オクチルフェノール、ポリオキシエチレンソルビトールラノリン誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールモノオレエート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールセスキオレエート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールトリオレエートである。
【0045】
好適な燃料ガスは、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル及び/又は二酸化炭素であってよい。
【0046】
好適な微粉末は、チョーク、タルク、カオリン、コロイド二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキル−及び/又はトリアルキルアリルアンモニウムスメクタイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、モンモリロナイト、ケイ酸アルミニウム、ヒュームド二酸化ケイ素、及びヒュームド二酸化チタンであってよい。
【0047】
典型的に、本発明による日焼け防止組成物は、エマルション(O/W、W/O、又は複合)、水性もしくは水性−アルコール性ゲル又はオイルゲルの形であってよく、かつローション、クリーム、ミルクスプレー(milk spray)、ムース、スティックの形で、又は他の市販の形で供給されてよい。
【0048】
実施例:
解析方法
BET表面積をDIN 66131に従って決定する。
【0049】
透過型電子顕微鏡写真を、Hitachi社製のTEM装置H7500−2モデルを使用して得る。TEM装置のCCDカメラを使用して、そして続いて約1000〜2000の凝集物の画像解析を評価する。パラメータの定義は、ASTM 3849−89に従う。球形、楕円形、直線、及び分枝状のような凝集物の形状の解析を、Herd et al.、Rubber、Chem.Technol.66(1993)491に従って実施する。
【0050】
供給材料:
酸化亜鉛粉末:使用される酸化亜鉛粉末1A〜3Aを、DE−A−10343728において開示されている方法によって製造する。該粉末の解析値を、第1表において示す。
【0051】
本発明による疎水性酸化亜鉛粉末の製造
酸化亜鉛粉末1Aを、最初に混合器中へ導入する。激しく混合しながら、該粉末を、場合により最初に水で噴霧し、そしてシラン化剤で噴霧する。噴霧操作が完了した後に、その混合物を、さらに約15分間後撹拌し、そして熱処理をする。
【0052】
酸化亜鉛2A及び3Aを、同様に転化する。供給材料及び反応条件を、第2表において示す。
【0053】
日焼け防止調合物
実施例1Bからの本発明による疎水性ZnOの組合せにおいて、相乗効果をOC=オクトクリレン、OMC=エチルヘキシルメトキシシンナメート、ISA=フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、又はBEMT=ビスエチルヘキシルオキシメトキシフェニルトリアジンのいずれかで示している、本発明による日焼け防止調合物を、以下に挙げる。
【0054】
統計学的理由から、SPFは、相乗作用という用語が使用される場合に、個々の調合物の合計のSPFsよりも高い2個の単位よりも大きい、またはこれらの2個の単位に等しいものであるべきであることが想定される。
【0055】
SPF(日焼け防止要因)の測定を、試験管内で検眼SPF290−S装置を使用して実施する。
【0056】
実施例4A−C
該実施例において、W/Oエマルションのための標準調合物を使用する。実施例1Bからの酸化亜鉛を、その系の油相中へ導入する。酸化亜鉛の付加的な断片を、油相(エチルヘキシルステアレート及び鉱油)から取り去る。
A ZnOを有する標準調合物W/Oエマルション
B OCを有する標準調合物W/Oエマルション
C ZnOとOCとを有する標準調合物W/Oエマルション
【0057】
実施例5A−D
該実施例において、O/Wエマルションのための標準調合物を使用する。実施例1Bからの酸化亜鉛を、その系の油相中へ導入する。酸化亜鉛の付加的な断片を、水相(水)から取り去る。実験として、イソステアリン酸を、表面変性剤及びpH安定剤として使用する。
A ZnOを有する標準調合物O/Wエマルション
B OCを有する標準調合物O/Wエマルション
C ZnOを有する標準調合物O/Wエマルション
D ZnO+イソステアリン酸を有する標準調合物O/Wエマルション
【0058】
実施例6A−C
該実施例において、W/Oエマルションのための標準調合物を使用する。実施例1Bからの酸化亜鉛を、その系の油相中へ導入する。酸化亜鉛の付加的な断片を、油相(エチルヘキシルステアレート及び鉱油)から取り去る。
A ZnOを有する標準調合物W/Oエマルション
B OMCを有する標準調合物W/Oエマルション
C ZnOとOMCAとを有する標準調合物W/Oエマルション
【0059】
実施例7A−D
該実施例において、O/Wエマルションのための標準調合物を使用する。実施例1Bからの酸化亜鉛を、その系の油相中へ導入する。酸化亜鉛の付加的な断片を、水相(水)から取り去る。実験として、イソステアリン酸を、表面変性剤及びpH安定剤として使用する。
A ZnOを有する標準調合物O/Wエマルション
B OMCを有する標準調合物O/Wエマルション
C ZnOとOMCとを有する標準調合物O/Wエマルション
D ZnOとOMCとイソステアリン酸とを有する標準調合物O/Wエマルション
【0060】
実施例8A−C
該実施例において、W/Oエマルションのための標準調合物を使用する。実施例1Bからの酸化亜鉛を、その系の油相中へ導入する。酸化亜鉛の付加的な断片を、油相(エチルヘキシルステアレート及び鉱油)から取り去る。
A ZnOを有する標準調合物W/Oエマルション
B PISAを有する標準調合物W/Oエマルション
C ZnOとPISAとを有する標準調合物W/Oエマルション
【0061】
実施例9A−D
該実施例において、O/Wエマルションのための標準調合物を使用する。実施例1Bからの酸化亜鉛を、その系の油相中へ導入する。酸化亜鉛の付加的な断片を、水相(水)から取り去る。実験として、イソステアリン酸を使用する。
A ZnOを有する標準調合物O/Wエマルション
B PISAを有する標準調合物O/Wエマルション
C ZnOとPISAとを有する標準調合物O/Wエマルション
D ZnOとPISAとイソステアリン酸とを有する標準調合物O/Wエマルション
【0062】
実施例10A−C
該実施例において、W/Oエマルションのための標準調合物を使用する。実施例1Bからの酸化亜鉛を、その系の油相中へ導入する。酸化亜鉛の付加的な断片を、油相(炭素原子12〜15個のアルキルベンゾエート)から取り去る。
A ZnOを有する標準調合物W/Oエマルション
B BEMTを有する標準調合物W/Oエマルション
C ZnOとBEMTとを有する標準調合物W/Oエマルション
【0063】
実施例11A−D
該実施例において、O/Wエマルションのための標準調合物を使用する。実施例1Bからの酸化亜鉛を、その系の油相中へ導入する。酸化亜鉛の付加的な断片を、水相(水)から取り去る。実験として、イソステアリン酸を、表面変性剤及びpH安定剤として使用する。
A ZnOを有する標準調合物O/Wエマルション
B BEMTを有する標準調合物O/Wエマルション
C ZnOとBEMTとを有する標準調合物O/Wエマルション
D ZnOとBEMTとイソステアリン酸とを有する標準調合物O/Wエマルション
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
【表3】

【0067】
【表4】

【0068】
【表5】

【0069】
【表6】

【0070】
【表7】

【0071】
【表8】

【0072】
【表9】

【0073】
【表10】

【0074】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化亜鉛一次粒子の部分的に又は完全に被覆された凝集物の形での疎水性酸化亜鉛粉末であって、該疎水性酸化亜鉛粉末に対して炭素含有率0.4〜1.5質量%、及びBET表面積25〜100m2/gを有し、
− 被覆された凝集物が、球形で0〜10%未満、楕円形で15〜30%未満、線形で15〜30%未満、分枝形で40〜70%未満まで存在し、及びそれぞれの形の合計は100%であり、かつ
− 該被覆が、炭素原子1〜20個を有する、化学的に結合された直鎖及び/又は分枝鎖状のアルキルシリル基を含む、疎水性酸化亜鉛粉末。
【請求項2】
前記の凝集物が、平均投影凝集物表面積8000〜30000nm2、円相当径(ECD)70〜300nm、及び平均円周500〜2000nmを有することを特徴とする、請求項1に記載の疎水性酸化亜鉛粉末。
【請求項3】
鉛の割合が多くても20ppmであり、ヒ素の割合が多くても3ppmであり、カドミウムの割合が多くても15ppmであり、鉄の割合が多くても200ppmであり、アンチモンの割合が多くても1ppmであり、かつ水銀の割合が多くても1ppmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の疎水性酸化亜鉛粉末。
【請求項4】
請求項1に記載の疎水性酸化亜鉛粉末であって、
− 前記の凝集物の表面に化学的に結合されるアルキルシリル基が、炭素原子1〜8個を含み、
− その凝集物が、球形0〜5%、楕円形20〜25%、線形20〜25%、及び分枝形45〜60%で存在し、その際それぞれの形の合計が100%であり、
− その炭素含有率が、疎水性酸化亜鉛粉末に対して、0.6〜1.2質量%であり、かつ
− そのBET表面積が、25〜40m2/gである
ことを特徴とする疎水性酸化亜鉛粉末。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の疎水性酸化亜鉛粉末の製造方法であって、BET表面積25〜100m2/gを有する凝集一次粒子の形であり、球形0〜10%、楕円形30〜50%、線形30〜50%、及び分枝形20〜30%までで存在する酸化亜鉛粉末を、場合により有機溶剤中に溶解されてよい、炭素原子1〜20個を有する1つ以上のシラン化剤で噴霧し、そしてその混合物を、120〜200℃の温度で、0.5〜2時間にわたって熱処理することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記シラン化剤が、
− X3Si(Cn2n+1)、X2(R’)Si(Cn2n+1)、X(R’)2Si(Cn2n+1)、X3Si(CH2m−R’(R)X2Si(CH2m−R’、(R)2XSi(CH2m−R’[式中、XはCl、Brであり、Rはアルキルであり、R’はアルキルであり、nは1〜20であり、mは1〜20である]で示されるタイプのハロオルガノシラン、
− (RO)3Si(Cn2n+1)、R’x(RO)ySi(Cn2n+1)、(RO)3Si(CH2m−R’、(R’’)u(RO)vSi(CH2m−R’[式中、Rはアルキルであり、R’はアルキルであり、nは1〜20であり、mは1〜20であり、x+yは3であり、xは1、2であり、yは1、2であり、u+vは2であり、uは1、2であり、vは1、2である]で示されるタイプのオルガノシラン、
− R’R2Si−NH−SiR2R’[式中、Rはアルキルであり、R’はアルキル、ビニルである]で示されるタイプのシラザン、

【化1】

[式中、Rはアルキル、Hであり、R’はアルキル、Hであり、R’’はアルキル、Hであり、R’’’はアルキル、Hであり、YはCH3、H、Cp2p+1であり、その際pは1〜20であり、YはSi(CH33、Si(CH32H、Si(CH32OH、Si(CH32(OCH3)、Si(CH32(Cp2p+1)であり、その際pは1〜20であり、mは0、1、2、3、...∞であり、nは0、1、2、3、...∞であり、uは0、1、2、3、...∞である]で示されるタイプのポリシロキサン、又は
− D3、D4及び/又はD5のタイプの環状ポリシロキサン
を含む群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の疎水性酸化亜鉛粉末を含む分散液。
【請求項8】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の疎水性酸化亜鉛粉末、又は請求項7に記載の分散液を含有する日焼け防止調合物。

【公表番号】特表2010−508230(P2010−508230A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535040(P2009−535040)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057983
【国際公開番号】WO2008/052818
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】