説明

疾患の処置に有用なニコチン性アセチルコリン受容体の(1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノン−6−エン−4−イル)−ヘテロシクリル−メタノンリガンド

本発明は、一般に、ニコチン性アセチルコリン受容体(nACh受容体)のリガンド、nACh受容体の活性化、およびニコチン性アセチルコリン受容体の欠陥または機能不全と関連している疾患状態、特に脳の疾患状態の処置の分野に関する。さらに、本発明は、α7nACh受容体サブタイプのリガンドとして作用する新規な化合物、かかる化合物の調製方法、かかる化合物を含む組成物、およびそれらの使用方法に関する。かかる新規な化合物は、式I:
【化1】


(式中、X、R、およびRは、本明細書中で規定のとおりである。)
で表される化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のリガンド、nAChRの活性化、およびニコチン性アセチルコリン受容体の欠陥または機能不全と関連している疾患状態の処置(特に脳の受容体のもの)の分野に関する。さらに、本発明は、α7nAChRサブタイプのリガンドとして作用する新規な化合物、かかる化合物の調製方法、かかる化合物を含む組成物、および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
神経伝達物質であるアセチルコリンの受容体には、ムスカリンとニコチンそれぞれの作用選択性に基づいて、2つの型:ムスカリン性受容体とニコチン性受容体がある。ムスカリン性受容体は、G−タンパク質共役型受容体である。ニコチン性受容体は、リガンド開閉型イオンチャネルファミリーのメンバーである。活性化されると、ニコチン性イオンチャネルを横切るイオンのコンダクタンスが増加する。
【0003】
ニコチン性α−7受容体タンパク質は、さまざまなカチオン(例えば、Ca++)に対して透過性の高いホモ五量体チャネルをインビトロで形成する。各ニコチン性α−7受容体は、M1、M2、M3、およびM4と命名された4つの膜貫通ドメインを有する。M2ドメインは、該チャネルを裏打ちする壁を形成すると示唆されてきた。シークエンス・アラインメントは、ニコチン性α−7が進化の過程で高度に保存されていることを示している。チャネルを裏打ちするM2ドメインは、ニワトリからヒトまでタンパク質配列が同一である。α−7受容体の考察については、例えば、Revahら(1991),Nature,353,846−849;Galziら(1992),Nature 359,500−505;Fucileら(2000),PNAS 97(7),3643−3648;Briggsら(1999),Eur.J.Pharmacol.366(2−3),301−308;およびGopalakrishnanら(1995),Eur.J.Pharmacol.290(3),237−246を参照のこと。
【0004】
ニコチン性α−7受容体チャネルは、種々の脳領域で発現されており、学習および記憶を含む、中枢神経系(CNS)の多くの重要な生物学的プロセスに関与していると考えられている。ニコチン性α−7受容体は、シナプス前末端とシナプス後末端の両方に局在しており、シナプス伝達の調節に関与していることが示唆されてきた。したがって、ニコチン性アセチルコリン受容体の欠陥または機能不全と関連している疾患状態の処置のための、α7nAChRサブタイプのリガンドとして作用する新規な化合物を開発することは、重要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、α7nAChRサブタイプのリガンドとして作用する新規な化合物、かかる化合物の調製方法、かかる化合物を含む組成物、およびその使用方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
本発明は、
式(I):
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、
Xは、NH、N(CH)、SまたはOであり;
およびRは、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、ハロ、OR、SR、NR、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、S(O)13、S(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、NO、またはCNであるか、あるいは
とRが一緒になって
【0009】
【化2】

【0010】
であり;
およびRは、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
、W、WおよびWは、各々独立してCRまたはNであり、ここで、W、W、WおよびWのうち2以上がNであることはなく;
およびVは、各々独立して、O、CR、S、NH、またはNRであり、ただし、VまたはVの一方がO、S、NH、またはNRを表す場合、他方はCRであるものとし;
mは、3、4、5または6であり;
nは、0、1または2であり;
pは、1または2であり;
およびRは、各々独立して、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、アリール、またはヘテロシクリルであり;
は、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、ハロ、OR、SR、NR、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、S(O)13、S(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−NO、またはCNであり;
は、各場合において独立して、
H、
非置換またはC〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、OH、ハロもしくはNRで1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、
O−C〜Cアルキル、
OH、
ハロ、あるいは
NRであるか、または
2つのRが一緒になってオキソを表していてもよい;
は、各場合において独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、または非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリルであり;
10は、各場合において独立して、ハロゲン、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ、およびベンゾイルオキシであり;
11は、各場合において独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ、およびベンゾイルオキシであり;
12は、各場合において独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ、およびベンゾイルオキシであり;
13は、各場合において独立して、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRである。)
で表される新規な化合物およびその互変異性体、その薬剤学的に許容し得る塩およびエステルを含むものであって、並びに、かかる化合物が対掌性を示す場合には、ラセミ化合物などのエナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または、単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得る。
【0011】
本発明の別の実施形態は、
およびRが、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、ハロ、OR、SR、NR、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、S(O)13、S(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、NO、またはCNであるか、あるいは
とRが一緒になって
【0012】
【化3】

【0013】
である、式(I)の新規な化合物を含む。
【0014】
本発明の別の実施形態は、式(I)
【0015】
【化4】

【0016】
(式中、
Xは、NH、N(CH)、SまたはOであり;
およびRは、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、ハロ、NH、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたフェニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたナフチル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換された1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたピリジル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたチエニル、もしくはNOであるか、または
とRが一緒になって
【0017】
【化5】

【0018】
であり;
mが、3、4、5または6である。)
で表される新規な化合物、その互変異性体、その薬剤学的に許容し得る塩およびエステルを含むものであって、並びに、かかる化合物が対掌性を示す場合、ラセミ化合物などのエナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得る。
【0019】
本発明の別の実施形態は、RおよびRが、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、ハロ、NH、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたフェニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたナフチル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換された1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたピリジル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたチエニル、もしくはNOであるか、または
とRが一緒になって
【0020】
【化6】

【0021】
である、式(I)の新規な化合物を含む。
【0022】
1もしくは2回以上置換された原子団は、例示した置換基のうちの好ましくは1〜3個の置換基、特に1または2個の置換基を有する。ハロゲン化アルキルなどのハロゲン化原子団は、好ましくはフッ素化物であり、トリフルオロメチルなどのペルハロ原子団がを含むものである。
【0023】
上記に特定した用語は、全体を通して以下の意味を有する:アルキルは、全体を通して、特に記載のない限り、好ましくは1〜6個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族炭化水素原子団を意味する。好適なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルが挙げられる。さらなる好適なアルキル基としては、ペンチル、ヘキシル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、エチルメチルプロピル、トリメチルプロピルなどが挙げられる。ハロゲン化アルキル基は、ハロ(F、Cl、Br、またはI)で1もしくは2回以上置換されたアルキル基である。例えば、ハロゲン化アルキル基は、Fで1もしくは2回以上置換されたアルキル基(例えば、CF、およびCHF)でもよい。
【0024】
アルキル基が「置換されている」場合、特に記載のない限り、R10基、すなわち、ハロゲン、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ)、およびベンゾイルオキシで1もしくは2回以上置換されている(すなわち、水素原子が置換基で置き換えられ得る)。例えば、望ましい場合には、アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノで置換され得る。
【0025】
アルケニルは、全体を通して、特に記載のない限り、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル原子団の少なくとも1つのCHCH基がCH=CHで置き換えられたものを意味する。好適なアルケニル基としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル、および3−メチル−2−ブテニルなどが挙げられる。
【0026】
アルケニル基が「置換されている」場合、特に記載のない限り、R10基、すなわち、ハロゲン、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ)、およびベンゾイルオキシで1もしくは2回以上置換されている(すなわち、水素原子が置換基で置き換えられ得る)。例えば、望ましい場合には、アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノで置換され得る。
【0027】
アルキニルは、全体を通して、特に記載のない限り、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル原子団の少なくとも1つのCHCH基がC≡Cで置き換えられたものを意味する。好適なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニルなどが挙げられる。
【0028】
アルキニル基が「置換されている」場合、特に記載のない限り、R10基、すなわち、ハロゲン、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ)、およびベンゾイルオキシで1もしくは2回以上置換されている(すなわち、水素原子が置換基で置き換えられ得る)。例えば、望ましい場合には、アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノで置換され得る。
【0029】
アルコキシは、特に記載のない限り、アルキル−O−基であって、該アルキル部分が好ましくは1〜6個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子を有するものを意味する。好適なアルコキシ基またはO−C〜Cアルキル基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、およびsec−ブトキシが挙げられる。ハロアルコキシ基は、ハロ(F、Cl、Br、またはI)で1もしくは2回以上置換されたアルコキシ基である。例えば、アルコキシ基は、Fで1もしくは2回以上置換され得る(例えば、OCF、およびOCHF)。
【0030】
アリールは、それ自体基もしくは置換基としてまたは基もしくは置換基の一部として、特に記載のない限り、6〜12個の炭素原子を含む芳香族炭素環式原子団をいう。好適なアリール基としては、フェニル、ナフチルおよびビフェニルが挙げられる。フェニルが好ましい。
【0031】
アリール基が「置換されている」場合、特に記載のない限り、R12基、すなわち、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ)、およびベンゾイルオキシで1もしくは2回以上置換されている(すなわち、水素原子が置換基で置き換えられ得る)。アリール基に対する好ましい置換基としては、例えば、ハロゲン、フェニル、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノが挙げられる。
【0032】
シクロアルキルは、特に記載のない限り、3〜8個の炭素原子を有する環式、二環式または三環式の飽和炭化水素原子団を意味する。好適なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。他の好適なシクロアルキル基としては、スピロペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、およびビシクロ[2.2.2]オクチルが挙げられる。
【0033】
シクロアルキル基が「置換されている」場合、特に記載のない限り、R11基、すなわち、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ)、およびベンゾイルオキシで1もしくは2回以上置換されている(すなわち、水素原子が置換基で置き換えられ得る)。シクロアルキル基に対する好ましい置換基としては、例えば、F、Cl、Br、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、アミノ、1〜4個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ、および/またはジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、1〜4個の炭素原子を有する)が挙げられる。
【0034】
シクロアルケニルは、全体を通して、特に記載のない限り、3〜8個の炭素原子を有する環式、二環式または三環式の飽和炭化水素原子団の少なくとも1つのCHCH基がCH=CHで置き換えられたものを意味する。好適なシクロアルケニル基としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニルなどが挙げられる。
【0035】
シクロアルケニル基が「置換されている」場合、特に記載のない限り、R11基、すなわち、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ)、およびベンゾイルオキシで1もしくは2回以上置換されている(すなわち、水素原子が置換基で置き換えられ得る)。シクロアルケニル基に対する好ましい置換基としては、例えば、F、Cl、Br、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、アミノ、1〜4個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ、および/またはジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、1〜4個の炭素原子を有する)が挙げられる。
【0036】
ハロは、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0037】
ヘテロシクリル基は、1、2または3個の環、好ましくは1〜2個の環、および総数5〜14個の環原子、好ましくは5〜10個の環原子を有し、環原子の少なくとも1つがN、OまたはS原子である飽和、部分飽和および完全不飽和(すなわち、ヘテロアリール)の複素環原子団をいう。好ましくは、ヘテロシクリル基は、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ環原子、例えば1または2個のヘテロ原子を含むものである。好適な飽和および部分飽和ヘテロシクリル基としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適なヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾピラニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適なヘテロシクリル基の他の例は、2−キノリニル、1,3−ベンゾジオキシル、2−チエニル、2−ベンゾフラニル、2−ベンゾチオフェニル、3−チエニル、2,3−ジヒドロ−5−ベンゾフラニル、4−インドリル、4−ピリジル、3−キノリニル、4−キノリニル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、3−インドリル、2−ピロリル、ベンゾピラン−6−イル、5−インドリル、1,5−ベンゾキセピン−8−イル、3−ピリジル、6−クマリニル、5−ベンゾフラニル、2−イソイミダゾール−4−イル、3−ピラゾリル、3−カルバゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、1−イミダゾリル、および2−イミダゾリルである。
【0038】
ヘテロシクリル基が「任意に置換されている」と特徴付けられる場合、適当な置換基、例えば、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、6〜12個の炭素原子を有するアリール、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ)、およびベンゾイルオキシで1もしくは2回以上置換され得る(すなわち、水素原子が置換基で置き換えられ得る)。ヘテロシクリル基に対する好ましい置換基としては、例えば、ハロゲン、フェニル、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、およびジ−C〜Cアルキルアミノが挙げられる。
【0039】
本発明のさらなる態様によれば、RおよびRは、各々独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、またはメチルピラゾールである。
【0040】
本発明のさらなる態様によれば、Rは、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、もしくはカルバモイル(NH−CO−)であり、および/またはRは、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、もしくはメチルピラゾールである。
【0041】
本発明のさらなる態様によれば、Rは、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、もしくはカルバモイル(NH−CO−)であり、および/またはRは、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、もしくはメチルピラゾールである。
【0042】
本発明のさらなる態様によれば、RとRは一緒になって−(CH−、−(CH−、−(CH−、または−(CH−であり、特に−(CH−または−(CH−である。
【0043】
本発明のさらなる態様によれば、RとRは一緒になって
【0044】
【化7】

【0045】
である。
【0046】
本発明のさらなる態様によれば、Xは、好ましくはNH、SまたはOであり、特にOである。
【0047】
さらなる態様によれば、本発明は、式Ia:
【0048】
【化8】

【0049】
(式中、X、R、およびRは、式Iに規定のとおりである。)
で表される化合物に関する。
【0050】
さらなる態様によれば、本発明は、RおよびRが、各々独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、またはメチルピラゾールである、式Iaの化合物に関する。
【0051】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、もしくはカルバモイル(NH−CO−)であり、および/またはRが、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、もしくはメチルピラゾールである、式Iaの化合物に関する。
【0052】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、およびカルバモイル(NH−CO−)であり、および/またはRが、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、もしくはメチルピラゾールから選択される、式Iaの化合物に関する。
【0053】
さらなる態様によれば、本発明は、RとRが一緒になって−(CH−、−(CH−、−(CH−、または−(CH−であり、特に−(CH−または−(CH−である、式Iaの化合物に関する。
【0054】
さらなる態様によれば、本発明は、式Ib:
【0055】
【化9】

【0056】
(式中、X、R、およびRは、式Iに規定のとおりである。)
で表される化合物に関する。
【0057】
さらなる態様によれば、本発明は、RおよびRが、各々独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、またはニトロフェニルである、式Ibの化合物に関する。
【0058】
さらなる態様によれば、本発明は、式Ic:
【0059】
【化10】

【0060】
(式中、X、R、およびRは、式Iに規定のとおりである。)
で表される化合物に関する。
【0061】
さらなる態様によれば、本発明は、RおよびRが、各々独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、またはニトロフェニルである、式Icの化合物に関する。
【0062】
さらなる態様によれば、本発明は、式Id:
【0063】
【化11】

【0064】
(式中、Rは、式Iに規定のとおりである。)
で表される化合物に関する。
【0065】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、または任意に置換されたヘテロシクリル(例えば、メトキシピロリジニル)である、式Idの化合物に関する。
【0066】
さらなる態様によれば、本発明は、R基が1つだけ存在し、それが、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Idの化合物に関する。
【0067】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Idの化合物に関する。
【0068】
さらなる態様によれば、本発明は、式Ie:
【0069】
【化12】

【0070】
(式中、Rは、式Iに規定のとおりである。)
で表される化合物に関する。
【0071】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Ieの化合物に関する。
【0072】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Ieの化合物に関する。
【0073】
さらなる態様によれば、本発明は、式If:
【0074】
【化13】

【0075】
(式中、Rは、式Iに規定のとおりである。)
で表される化合物に関する。
【0076】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Ifの化合物に関する。
【0077】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Ifの化合物に関する。
【0078】
さらなる態様によれば、本発明は、式Ig:
【0079】
【化14】

【0080】
(式中、Rは、式Iに規定のとおりである。)
で表される化合物に関する。
【0081】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Igの化合物に関する。
【0082】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Igの化合物に関する。
【0083】
さらなる態様によれば、本発明は、式Ih:
【0084】
【化15】

【0085】
(式中、Rは、式Iに規定のとおりである。)
で表される化合物に関する。
【0086】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Ihの化合物に関する。
【0087】
さらなる態様によれば、本発明は、Rが、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、式Ihの化合物に関する。
【0088】
さらなる態様によれば、本発明は、式Iの下記化合物:
4−[(4−クロロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)イソチアゾール−4−アミン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタ[c]ピラゾール、
4−{[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−ナフチル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
5’−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1−メチル−1H,2’H−3,3’−ビピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール
4−(イソチアゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
4−[(5−ブロモイソチアゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾール
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,5−ジヒドロイソクロメノ[4,3−c]ピラゾール
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−f]キノリン
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
7−ブロモ−3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1H−ピラゾール−5−アミン、
その互変異性体、およびその薬剤学的に許容し得る塩(塩酸塩など)に関するものであり、並びに、かかる化合物が対掌性を示す場合には、ラセミ化合物などのエナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得る。
【0089】
さらなる態様によれば、本発明は、式Iの下記化合物:
4−[(4−クロロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)イソチアゾール−4−アミン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタ[c]ピラゾール、
4−{[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−ナフチル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
5’−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1−メチル−1H,2’H−3,3’−ビピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール
4−(イソチアゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
4−[(5−ブロモイソチアゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾール
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,5−ジヒドロイソクロメノ[4,3−c]ピラゾール
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−f]キノリン
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
7−ブロモ−3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
その互変異性体、およびその薬剤学的に許容し得る塩(塩酸塩など)に関するものであり、並びに、かかる化合物が対掌性を示す場合には、ラセミ化合物などのエナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得る。
【0090】
さらなる態様によれば、本発明は、式Iの下記化合物:
4−[(4−クロロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)イソチアゾール−4−アミン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタ[c]ピラゾール、
4−{[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−ナフチル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
5’−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1−メチル−1H,2’H−3,3’−ビピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
その互変異性体、およびその薬剤学的に許容し得る塩(塩酸塩など)に関するものであり、並びに、
かかる化合物が対掌性を示す場合には、ラセミ化合物などのエナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得る。
【0091】
さらなる態様によれば、本発明は、下記化合物:
(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩、および
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール塩酸塩
に関するものであり、
かかる化合物が対掌性を示す場合には、ラセミ化合物などのエナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得る。
〔新規化合物の他の形態〕
【0092】
また、本発明の化合物には、(a)その立体異性体、(b)その薬剤学的に許容し得る塩、(c)その互変異性体、(d)その保護型の酸および共役酸、ならびに(e)そのプロドラッグが包含される。
【0093】
当業者には、式Iの化合物が様々な幾何異性の形態で存在し得ることが理解されよう。幾何異性体の例としては、二重結合を挟んだシス異性体またはトランス異性体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、一部の本発明の化合物は、1つまたは2つ以上の不斉原子を有し、したがって、光学異性体の形態、ならびにそのラセミ混合物または非ラセミ混合物の形態、ならびに、とりわけジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物の形態で存在し得る。このような化合物、例えば、シス異性体、トランス異性体、ジアステレオマー混合物、ラセミ化合物、エナンチオマーの非ラセミ混合物、実質的に純粋なエナンチオマーおよび純粋なエナンチオマーはすべて、本発明の範囲内である。実質的に純粋なエナンチオマーは、対応する反対のエナンチオマーを5%w/w以下しか含まないものであり、好ましくは2%以下、最も好ましくは1%以下しか含まない。
【0094】
光学異性体は、慣用的な方法に従って、例えば、光学的に活性な酸もしくは塩基を用いたジアステレオマー塩の形成、または共有結合性ジアステレオマーの形成によって、ラセミ混合物を分割することにより得ることができる。
【0095】
適切な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびショウノウスルホン酸である。ジアステレオマーの混合物は、その物理的および/または化学的な差に基づき、当業者には既知の方法(例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶)によって、それぞれの個々のジアステレオマーに分離することができる。次いで、光学的に活性な塩基または酸を、分離したジアステレオマー塩から遊離させる。
【0096】
別の光学異性体分離方法は、慣用的な誘導体化を伴うまたは伴わない、エナンチオマーの分離が最大となるように最適に選択されたキラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)の使用を伴うものである。好適なキラルHPLCカラムは、Diacelにより製造されており、多くのもののうち、例えばChiracel ODおよびChiracel OJがあるが、すべて常套的に選択可能である。誘導体化を伴うまたは伴わない酵素的分離もまた有用である。式Iの光学的に活性な化合物は、光学的に活性な出発材料を、キラル合成プロセスにおいて、ラセミ化を引き起こさない反応条件下で使用することにより、同様にして得ることができる。
【0097】
また、当業者には、該化合物が、同位体が富化された様々な形態(例えば、H、H、11C、13Cおよび/または14Cの含有量が富化された形態)で使用できることが理解されよう。特定の一実施形態では、該化合物は重水素化されたものである。かかる重水素化した形態は、米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載の手順によって作製することができる。米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載のように、重水素化は、有効性を改善し、薬物の作用持続期間を増大し得る。
【0098】
重水素置換化合物は、種々の方法を用いて、例えば、Dean,Dennis C;編者.Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development.[In:Curr.,Pharm.Des.,2000;6(10)](2000),110 pp.CAN 133:68895 AN 2000:473538 CAPLUS;Kabalka,George W.;Varma,Rajender S.The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates.Tetrahedron(1989),45(21),6601−21,CODEN:TETRAB ISSN:0040−4020.CAN 112:20527 AN 1990:20527 CAPLUS;およびEvans,E.Anthony.Synthesis of radiolabeled compounds,J.Radioanal.Chem.(1981),64(1−2),9−32.CODEN:JRACBN ISSN:0022−4081,CAN 95:76229 AN 1981:476229 CAPLUSに記載のものなどを用いて、合成することができる。
【0099】
本発明の化合物の薬剤学的に許容し得る塩としては、アルカリ金属塩を形成するため、または遊離酸もしくは遊離塩基の付加塩を形成するために、一般に使用されている塩が挙げられる。塩の性質は、薬剤学的に許容し得るものである限り、重要ではない。好適な薬剤学的に許容し得る酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。かかる無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、およびリン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式、カルボン酸系、およびスルホン酸系の類型の有機酸から選択することができる。有機酸系およびスルホン酸系の類型の有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン(パモ)酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルゲン酸、N−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸、およびガラクツロン酸、ならびにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0100】
本発明の化合物の互変異性体は本発明に包含される。したがって、例えば、カルボニルには、そのヒドロキシ互変異性体が包含される。保護型の酸としては、エステル、ヒドロキシアミノ誘導体、アミドおよびスルホンアミドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0101】
本発明は、プロドラッグおよびプロドラッグの塩を包含する。親化合物の性質を向上させるためのプロドラッグの形成は当該技術分野でよく知られている;かかる性質としては、可溶性、吸収性、生体内安定性、および放出時間が挙げられる(例えば、“Pharmaceutical Dosage Form and Drug Delivery Systems”(第6版)、Anselら編,Williams & Wilkinsにより出版、第27〜29頁,(1995)(これは、引用により本明細書に組み込まれる)参照のこと)。一般に使用されているプロドラッグは、主要な薬物生体内変換反応を利用するように設計されたものであり、同様に本発明の範囲に含まれるとみなされる。主要な薬物生体内変換反応としては、N−脱アルキル化、O−脱アルキル化、脂肪族ヒドロキシル化、芳香族ヒドロキシル化、N−酸化、S−酸化、脱アミノ化、加水分解反応、グルクロン酸抱合、硫酸化、およびアセチル化が挙げられる(例えば、Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(第9版)、編者Molinoffら,McGraw−Hillにより出版、第11〜13頁,(1996)(これは、引用により本明細書に組み込まれる)参照のこと)。
【0102】
好ましい態様としては、本発明の化合物および薬剤学的に許容し得る担体ならびに、任意選択により後述する別の活性薬剤を含む薬剤組成物;α−7ニコチン性受容体を刺激、活性化または阻害する方法(これは、例えば、慣用的なアッセイまたは本明細書に記載のアッセイによって、インビトロまたはインビボ(動物において、例えば、動物モデル、あるいは哺乳動物もしくはヒトにおいて)のいずれかで測定される);神経性症候群、例えば、記憶(特に長期記憶)の喪失、認知の欠陥または低下、記憶障害などの処置方法;ならびに哺乳動物(例えば、ヒト)の、ニコチン性α−7活性によって調節される疾患状態(例えば、本明細書に記載のもの)の処置方法が挙げられる。
〔一般的な調製方法〕
【0103】
一般に、本発明において使用される化合物は、当該技術分野で知られた標準的な手法、それに対する既知の類似方法、および/または本明細書に記載の方法によって、市販のものまたは常套的で慣用的な化学的方法に従って作製可能なもののいずれかである出発材料を用いて、調製することができる。以下の調製方法は、読者が本発明の化合物を合成するのを補助するために示すものである。
【0104】
また、式(I)の化合物上の感受性基または反応性基は、上記のいずれかの方法において、保護および脱保護することが必要となる可能性がある。一般に保護基は、当該技術分野でよく知られた慣用的な方法によって付加および除去することができる(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis;Wiley:New York,(1999)参照)。
【0105】
本発明の化合物の調製に使用される具体的な方法は、所望される具体的な化合物によって決まる。具体的な部分の選択、および分子上の種々の位置における考えられ得る具体的な置換基などの要素はすべて、本発明の当該具体的な化合物の調製において辿る経路において、一定の役割を果たす。このような要素は、当業者には容易に認識されよう。
【0106】
本発明の化合物は、慣用的に調製することができる。使用され得る既知の方法の一部を後述する。出発材料はすべて、既知のものであるか、または既知の出発材料から慣用的に調製することができるものである。
【0107】
類似の化合物の合成が、2005年5月6日に出願された同時係属中の出願第11/123,219号(これは、米国特許仮出願第60/568,696号(2004年5月7日出願)、米国特許仮出願第60/574,712号(2004年5月27日出願)、および米国特許仮出願第60/626,469号(2004年11月10日出願)の利益を主張するものである)に開示されており、各々の全開示内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0108】
ビシクロ塩基アミドの調製において使用される酸は、市販のもの、または当業者には既知の簡単な方法によって調製されるもののいずれかである。
【0109】
ビシクロ塩基アミドの調製において使用されるビシクロアミンは、市販されている(Olainfarm)。ビシクロ塩基アミドは、DMF中、酸と、ビシクロアミンおよびHATUまたはHBTUとのカップリング反応によって、調製することができる。カップリングは、一般に、室温で18〜24時間行なわれる。得られる付加物は単離され、当業者が通常行なう標準的な手法(クロマトグラフィーまたは再結晶など)によって精製される。
【0110】
式(I)の化合物は、最も一般的には、反応スキーム1に示すカップリング反応によって調製される。
【0111】
【化16】

【0112】
このスキームでは、DMFなどの不活性極性溶媒中、HATUなどのカップリング試薬およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)などの塩基によって促進させながら、式(II)の複素環式カルボン酸を式(III)の二環式アミンとカップリングさせる。カルボン酸は市販のもの、または当該技術分野で知られた方法によって調製されるものである。
【0113】
例えば、式中のRとR
【0114】
【化17】

【0115】
である式(IIa)のカルボン酸は、反応スキーム2に示した経路によって、調製することができる。
【0116】
【化18】

【0117】
このスキームでは、任意選択的に置換された式AのフェノールをO−アルキル化して式Bのフェノキシアルカン酸を得、次に、これを、ポリリン酸などの酸触媒を使用して環化し、式Cのクロマノンとする。次いで、式Cの中間体を、シュウ酸エチルと強塩基を用いてアシル化し、式Dのケトエステルを得、これをヒドラジンで処理すると、式Eの縮合ピラゾールエステルが得られる。このエステルは、塩基性条件下で所望のカルボン酸に加水分解され、式(IIa)の化合物が得られる。
【0118】
式(I)の化合物の塩(例えば、塩酸塩)は、有機酸または無機酸(例えば、HCl、CFCOHなど)の非水溶液(例えば、メタノール溶液)を、式(I)の化合物の溶液に添加し、形成された結晶性の塩を分離することによって調製することができる。非溶媒(エーテルなど)の添加によって、塩の単離が促進される。
【0119】
このような上記の方法を使用することにより、以下の表1に示す本発明の式(I)の化合物を調製することができる。
【0120】
【表1−1】

【0121】
【表1−2】

【0122】
【表1−3】

【0123】
【表1−4】

【0124】
【表1−5】

【0125】
〔処置方法〕
【0126】
ニコチン性アセチルコリン受容体に結合する薬剤は、種々の疾患および病状、特に精神病性疾患、コリン作動系の機能不全を伴う神経変性疾患、ならびに記憶および/または認知障害の病状、例えば、統合失調症、不安、躁病、鬱病、躁鬱病など[これらは精神病性障害の例である]、ツレット症候群、パーキンソン病、ハンチントン病[これらは神経変性疾患の例である]、認知障害(アルツハイマー病、レヴィー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、記憶障害、記憶喪失、認知欠陥、注意欠陥、注意欠陥過活動性障害など)の処置および/または予防、ならびに他の用途、例えば、ニコチン中毒の処置、禁煙の誘導、痛みの処置(すなわち、鎮痛用途)、神経保護の提供、および時差ぼけの処置などに有用であることが示されてきた。例えば、WO97/30998;WO99/03850;WO00/42044;WO01/36417;Holladayら,J.Med.Chem.,40:26,4169−94(1997);Schmittら,Annual Reports Med.Chem.,Chapter 5,41−51(2000);Stevensら,Psychopharmatology,(1998)136:320−27;およびShytleら,Molecular Psychiatry,(2002),7,pp.525−535を参照のこと。
【0127】
したがって、本発明によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、精神病性疾患、コリン作動系の機能不全を伴う神経変性疾患、ならびに記憶および/または認知障害の病状、例えば、統合失調症、不安、躁病、鬱病、躁鬱病など[これらは精神病性障害の例である]、ツレット症候群、パーキンソン病、ハンチントン病[これらは神経変性疾患の例である]、および/または認知障害(アルツハイマー病、レヴィー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、記憶障害、記憶喪失、認知欠陥、注意欠陥、注意欠陥過活動性障害など)を患う患者(特に、ヒト)の処置方法が提供される。
【0128】
本発明の方法に含まれる神経変性障害としては、アルツハイマー病、ピック病、びまん性レヴィー小体病、進行性核上性麻痺(スティール−リチャードソン症候群)、多系統変性(シャイ−ドレーガー症候群)、運動ニューロン疾患、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、変性運動失調、大脳皮質基底核変性症、グアムのALS−パーキンソン痴呆複合、亜急性硬化性汎脳炎、ハンチントン病、パーキンソン病、シヌクレイン病、一次性進行性失語症、線条体黒質変性症、マチャド−ジョセフ病/脊髄小脳性運動失調3型、オリーブ橋小脳変性、ジル・ド・ラ・ツレット病、延髄麻痺、偽性延髄麻痺、脊髄性筋萎縮症、脊髄延髄性筋萎縮(ケネディ病)、原発性側索硬化症、家族性痙性対麻痺、ヴェルドニッヒ−ホフマン病、クーゲルベルク−ヴェランデル病、テイ−サックス病、ザントホフ病、家族性痙性疾患、ヴォールファルトークーゲルベルク−ヴェランデル病、痙性不全対麻痺、進行性多病巣性白質脳障害、プリオン病(クロイツフェルト−ヤーコブ病、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー病、クールーおよび致死性家族性不眠症など)、ならびに脳虚血または脳梗塞(例えば、塞栓性閉塞および血栓性閉塞)の他、任意の型の頭蓋内出血(例えば、硬膜外、硬膜下、クモ膜下および大脳内のものが含まれるが、これらに限定されない)、および頭蓋内および脊椎内の障害(例えば、挫傷、穿通、剪断、圧迫および裂傷が含まれるが、これらに限定されない)に起因する神経変性障害の処置および/または予防が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0129】
また、本発明の化合物などのα7nACh受容体アゴニストは、加齢性認知症および他の認知症、ならびに記憶喪失を伴う病状、例えば、加齢性記憶喪失、老化、血管性認知症、びまん性白質病(ビンスヴァンガー病)、内分泌性または代謝性起源の認知症、頭部外傷およびびまん性脳損傷の認知症、ボクサー認知症および前頭葉認知症を処置するために使用され得る。例えば、WO99/62505を参照のこと。したがって、本発明によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、加齢性認知症および他の認知症ならびに記憶喪失を伴う病状を患う患者(特に、ヒト)の処置方法が提供される。
【0130】
したがって、さらなる実施形態によれば、本発明は、有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、例えばアルツハイマー病による記憶障害、加齢による軽度認知障害、統合失調症、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤーコブ病、鬱病、加齢、頭部外傷、脳卒中、CNS低酸素症、脳の老化、多発脳梗塞性認知症および他の神経性の病状、ならびにHIVおよび心血管疾患を患う患者の処置方法を含む。
【0131】
また、本発明は、有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、例えば、化学療法、腎臓透析、術後の外科処置の結果としての記憶障害、ならびに双極性障害を伴う記憶障害を患う患者の処置方法を含む。
【0132】
アミロイド前駆体タンパク質(APP)ならびにこれに由来するAβペプチド、例えば、Aβ1−40、Aβ1−42および他の断片は、アルツハイマー病の病態に関与していることがわかっている。Aβ1−42ペプチドは、神経毒性に関与しているだけでなく、コリン作動性伝達物質の機能を阻害することもわかっている。さらに、Aβペプチドはα7nACh受容体に結合することが解ってきた。したがって、α−7nAChRに対するAβペプチドの結合をブロックする薬剤は、神経変性疾患の処置に有用である。例えば、WO99/62505を参照のこと。また、α7nACh受容体の刺激により、Aβペプチドと関連している細胞傷害からニューロンを保護することができる。例えば、Kihara,T.ら,Ann.Neurol.,1997,42,159を参照のこと。
【0133】
したがって、本発明の一実施形態によれば、被検体に、治療有効量の式Iによる化合物を投与し、アミロイドβペプチド(好ましくは、Aβ1−42)とnACh受容体、好ましくはα7nACh受容体、最も好ましくはヒトα7nACh受容体との結合を阻害することを含む、アルツハイマー病患者の認知症の処置および/または予防方法(ならびにアルツハイマー病の他の臨床症状(認知および言語の欠落、失行症、鬱病、妄想ならびに他の神経精神病の症状および徴候、ならびに動作および歩行の異常が挙げられるが、これらに限定されない)の処置および/または予防方法)が提供される。
【0134】
また、本発明は、他のアミロイドーシス疾患、例えば、遺伝性脳血管障害、非神経障害性遺伝性アミロイド、ダウン症候群、マクログロブリン血症、続発性家族性地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、多発性骨髄腫、膵臓および心臓関連アミロイドーシス、慢性血液透析関節症、ならびにフィンランド型およびアイオワ型アミロイドーシスを処置するための方法を提供する。
【0135】
また、ニコチン性受容体は、アルコール摂取に対する身体の応答に一定の役割を果たすものとして関係づけられてきた。したがって、α7nACh受容体のアゴニストは、アルコール離脱の処置および抗中毒療法に使用され得る。したがって、本発明の一実施形態によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、患者をアルコール離脱に向けて処置する方法、または患者を抗中毒療法で処置する方法が提供される。
【0136】
また、α7nACh受容体サブタイプのアゴニストは、脳卒中および虚血およびグルタミン酸化合物誘導性興奮毒性と関連している損傷からの神経保護に使用され得る。したがって、本発明の一実施形態によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、脳卒中および虚血およびグルタミン酸化合物誘導性興奮毒性と関連している損傷からの神経保護をもたらす患者の処置方法が提供される。
【0137】
上記のように、α7nACh受容体サブタイプのアゴニストは、また、禁煙を含むニコチン中毒の処置、痛みの処置、ならびに時差ぼけ、肥満、糖尿病、および炎症の処置にも使用され得る。したがって、本発明の一実施形態によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、ニコチン中毒、痛み、時差ぼけ、肥満および/または糖尿病を患う患者の処置方法、あるいは患者に禁煙を促す方法が提供される。
【0138】
炎症反射は、炎症シグナルに対する自律神経系の応答である。炎症刺激を感知したら、自律神経系は、迷走神経を介して、アセチルコリンを放出してマクロファージ上のニコチン性α7受容体を活性化することにより応答する。このようなマクロファージは、次に、サイトカインを放出する。この経路の機能不全は、ヒト炎症性疾患、例えば、関節リウマチ、糖尿病および敗血症に関連づけられてきた。マクロファージは、ニコチン性α7受容体を発現し、そして、おそらく、この受容体がコリン作動性抗炎症応答を媒介している。したがって、マクロファージ上のα7nACh受容体に対する親和性を有する化合物は、ヒト炎症性疾患、例えば、関節リウマチ、糖尿病および敗血症に有用であり得る。例えば、Czura,C Jら,J.Intern.Med.,2005,257(2),156−66を参照のこと。
【0139】
したがって、本発明の一実施形態によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、炎症を患う患者(例えば、ヒトなどの哺乳動物)の処置方法が提供される。同様に、本発明の別の実施形態によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、炎症性疾患(例えば、関節リウマチ、糖尿病または敗血症などであるが、これに限定されるものではない)を患う患者(例えば、ヒトなどの哺乳動物)の処置方法が提供される。本発明のさらなる実施形態によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、自己免疫疾患、線維筋痛症、または潰瘍性大腸炎など(但し、これらに限定されるものではない)による炎症を患う患者(例えば、ヒトなどの哺乳動物)の処置方法が提供される。
【0140】
また、α7nACh受容体に対する親和性のため、式Iの化合物の標識誘導体(例えば、C11またはF18標識誘導体)は、例えば、脳内の該受容体の神経画像処理に使用され得る。したがって、かかる標識薬剤をインビボでの該受容体の画像化に使用することが、例えばPET画像法を用いて行なわれ得る。記憶障害の状態は、新たな情報を学習する能力の障害、および/または以前に学習した情報を思い出すことができないことによって明らかになる。記憶障害は、認知症の初期症状であり、アルツハイマー病、統合失調症、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤーコブ病、HIV、心血管疾患、および頭部外傷ならびに加齢関連認知低下などの疾患と関連している症状でもあり得る。
【0141】
したがって、本発明の一実施形態によれば、患者に有効量の式Iによる化合物を投与することを含む、例えば、軽度認知障害(MCI)、血管性認知症(VaD)、加齢関連認知低下(AACD)、開心術、心停止および/または全身麻酔と関連した健忘症、麻酔剤への早期曝露による記憶欠落、睡眠不足誘導性認知障害、慢性疲労症候群、ナルコレプシー、AIDS関連認知症、癲癇関連認知障害、ダウン症候群、アルコール依存症関連認知症、薬物/物質誘導性記憶障害、ボクサー認知症(ボクサー症候群)を患う患者、ならびに動物の認知症(例えば、イヌ、ネコ、ウマなど)の処置方法が提供される。
【0142】
本発明の化合物の投薬量は、さまざまな要素によって決まり、数ある考慮事項の中でも、例えば、処置対象の具体的な症候群、症状の重症度、投与経路、投与間隔の頻度、使用される具体的な化合物、該化合物の有効性、毒物学的プロフィール、薬物動態プロフィール、および有害な何らかの副作用の存在によって決まる。
【0143】
本発明の化合物は、患者(例えば哺乳動物、特にヒト)に、上記の既知のα−7ニコチン性受容体アゴニスト化合物などα−7ニコチン性受容体アゴニストに慣用的な典型的な投薬レベルで投与することができる。例えば、該化合物は、単回投与または複数回投与で、例えば0.0001〜10mg/kg/日、例えば0.01〜10mg/kg/日の投薬量レベルの経口投与によって投与され得る。単位投薬形態には、例えば1〜200mgの活性化合物が含まれ得る。静脈内投与では、該化合物は、単回投薬量または複数回投薬量で投与され得る。
【0144】
本発明の手順の実施において、特定のバッファー、培地、試薬、細胞、培養条件などに対する言及は、限定を意図するものではなく、その説明が提示された具体的な状況において当業者が重要であるまたは価値があると認識し得る、あらゆる関連物を包含するように読解されるべきであることは、もちろん理解されよう。例えば、多くの場合、あるバッファー系または培養培地を別のもので置き換えることが可能であり、同一でないとしても、なお同様の結果が得られる。当業者は、不必要に実験を行なうことなく、本明細書に開示した方法および手順の使用において、その目的に最も役立つような置き換えを可能とするための、かかる系および方法論についての充分な知識を有する。
【0145】
また、本発明の化合物は、本発明の他の種類の化合物を作製するための中間体として有用である。したがって、例えば、比較的低い活性を示す化合物も、本発明の他の種類の化合物の調製に有用である。
【0146】
式(I)の化合物は、単独の活性薬剤として、または他の医薬用薬剤(認知障害および/または記憶喪失の処置に使用されている他の薬剤など、例えば、他のα−7アゴニスト、PDE4インヒビター、カルシウムチャネル遮断薬、ムスカリン性m1およびm2モジュレーター、アデノシン受容体モジュレーター、アンパカイン、NMDA−Rモジュレーター、mGluRモジュレーター、ドーパミンモジュレーター、セロトニンモジュレーター、カンナビノイドモジュレーター、コリンエステラーゼインヒビター(例えば、ドネペジル、リバスチグミン、およびガランタミン)、ADHDの処置のための薬剤、抗鬱薬、抗炎症剤、抗精神病薬(例えば、PDE10インヒビター)、βセクレターゼモジュレーター、双極性障害用薬剤、GABA作動薬、γセクレターゼモジュレーター、ヒスタミンH3、キナーゼインヒビター、MAO−Bインヒビター、気分安定薬、5HT4調節剤、5HT6アンタゴニスト、ならびにα4β2調節剤)と併用して投与され得る。かかる併用において、各活性成分は、その通常の投薬量範囲に従って、または通常の投薬量範囲より少ない用量のいずれかで投与され得る。
【0147】
本発明の化合物は、ニコチン性受容体アゴニストの有効性を増強する「正のモジュレーター」とともに使用することができる。例えば、WO99/56745、WO01/32619、およびWO01/32622に開示された正のモジュレーターを参照のこと。かかる併用療法は、ニコチン伝達の低下と関連している病状/疾患の処置に使用され得る。
【0148】
さらに、該化合物は、Aβペプチドに結合し、それによりα7nAChrサブタイプに対する該ペプチドの結合を阻害する化合物とともに使用してもよい。例えば、WO99/62505を参照のこと。
【0149】
さらに、本発明は、α−7ニコチン性受容体の活性化を伴う処置方法を含む。したがって、本発明は、患者(例えば、ヒトなどの哺乳動物)において、α−7ニコチン性受容体を選択的に活性化/刺激する方法を含み、ここで、かかる活性化/刺激は治療効果を有するものである(例えば、かかる活性化によって、神経障害症候群(記憶、特に長期記憶の喪失など)を伴う病状が軽減され得る場合など)。かかる方法は、患者(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に、有効量の式Iの化合物を単独または製剤の一部として、本明細書に開示したようにして投与することを含む。かかる併用療法は、2または3種類以上の薬物の任意の組合せで投与され得るものである。かかる併用療法は、後述するように、薬剤組成物の形態で投与してもよい。

〔薬剤組成物〕
【0150】
本明細書で用いる場合、種々の用語は以下のように定義される。本発明のまたはその好ましい実施形態(1つまたは複数)の要素を取り上げて記載する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「前記(said)」は、該要素が1または2以上存在することを意味するものとする。用語「含む(comprising)」、「包含する(including)」および「有する(having)」は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外のさらなる要素が存在していてもよいことを意味する。
【0151】
用語「被検体」は、本明細書で用いる場合、哺乳動物(例えば、ヒトおよび動物)を包含する。
【0152】
用語「処置」は、被検体(例えば、ヒト)に、被検体の病状の直接もしくは間接的な改善、または被検体の病状もしくは障害の進行の遅滞を目的とした医療上の救済を施す任意の方法、作用、適用、治療法などを包含する。
【0153】
用語「併用療法(combination therapy/co−therapy)」は、病状および/または障害を処置するための2または3種類以上の治療用薬剤の投与を意味する。かかる投与には、実質的に同時の様式での、例えば、定められた比率の活性成分を有する単一のカプセル剤でのまたは各インヒビター薬剤のそれぞれのカプセル剤複数での、2または3種類以上の治療用薬剤の共投与が包含される。また、かかる投与には、各型の治療用薬剤の逐次の様式での使用が包含される。また、各治療用薬剤は、同じ投与様式を用いて投与しても、異なる投与様式を用いて投与してもよい。
【0154】
語句「治療有効」は、ニコチン性アセチルコリン受容体の欠陥または機能不全と関連している障害の病状または重症度の改善という目的が達成される一方、施された治療的処置と関連する有害な副作用が回避されるか、または最小限となる各薬剤の投与量を意味する。
【0155】
用語「薬剤学的に許容し得る」は、対象の品目が医薬品における使用に適切であることを意味する。
【0156】
上記に特定した哺乳動物の病状の処置に対する有効性を決定するために使用されるよく知られたアッセイに基づいて、および、これらの結果を該病状を処置するために使用される既知の医薬の結果と比較することによって、各所望の適応症の処置のための式(I)の化合物(1種類または複数種)の有効投薬量を、容易に決定することができる。このような病状の1つの処置において投与される活性成分(例えば、式(I)の化合物)の量は、使用される具体的な化合物および投薬単位、投与様式、処置期間、処置対象の患者の年齢および性別、ならびに処置対象の病状の性質および程度などの考慮事項に応じて、広く異なり得る。
【0157】
本発明の方法において使用される式(I)の化合物は、化合物それ自体を投与してもよい。あるいはまた、式(I)の化合物は、許容し得る担体とともに薬剤組成物の形態で投与してもよい。薬剤学的に許容し得る担体は、該組成物のその他の成分と適合するものでなければならず、レシピエントに対して耐え難いほど有害であってはならない。担体は、固形であっても液状であってもその両方であってもよく、好ましくは該化合物とともに単位用量組成物(例えば、錠剤)として製剤化され、該組成物は、該投薬形態の総重量に対して約0.05%〜約95重量%の活性化合物(1種類または複数種)を含むものであり得る。また、他の薬理学的に活性な物質、例えば、ニコチン性アセチルコリン受容体の欠陥または機能不全と関連している病状の処置に有用な他の化合物を存在させてもよい。
【0158】
本発明の方法において使用される式(I)の化合物は、任意の適当な経路によって、好ましくは、かかる経路に適合させた薬剤組成物の形態で、意図される処置のための治療有効用量で、投与することができる。式(I)の化合物は、例えば、経口、舌下、経鼻、肺内、経粘膜、非経口、血管内、腹腔内、皮下、筋肉内または局所投与され得る。単位用量製剤、特に、経口投与可能な単位用量製剤(錠剤またはカプセル剤など)は、一般に、例えば約0.001〜約500mg、好ましくは約0.005mg〜約100mg、より好ましくは約0.01〜約50mgの活性成分を含む。薬剤学的に許容し得る塩の場合は、活性成分について上記に示した重量は、該塩から誘導される薬剤学的に活性なイオンの重量を示す。
【0159】
もちろん、ニコチン性アセチルコリン受容体の欠陥または機能不全と関連する病状または障害を予防、処置、軽減または改善するための、あるいは、各患者をこのような病状から保護または処置するための具体的な初期および継続的投与計画は、担当診断医によって判定される該病状の性質および重症度、使用される具体的な式(I)の化合物の活性、患者の年齢、患者の食事、投与時間、投与経路、薬物の排出速度、薬物の併用、薬理学的考慮事項、例えば、使用される具体的な式(I)インヒビターの活性、有効性、薬物動態および毒物学的プロフィール、ドラッグ・デリバリー・システムが使用されるかどうか、ならびに式(I)の化合物が他の活性成分とともに投与されるかどうかなどに応じて異なる。α7nAChRインヒビターの所望の処置様式および投与回数は、当業者により、慣用的な処置試験を用いて確認され得る。
【0160】
式(I)の化合物は、所望の薬理学的効果を得るために、それを必要とする患者に、適切に製剤化された薬剤組成物にて投与することによって使用され得る。患者は、本発明の目的において、特定の病状または疾患の処置を必要とする哺乳動物、例えばヒトである。したがって、本発明は、薬剤学的に許容し得る担体および治療有効量の式(I)の化合物で構成された薬剤組成物を含むものである。薬剤学的に許容し得る担体は、活性成分の有効な活性と一致する濃度において、患者に対して比較的無毒性および無害であり、そのため、担体に起因するいかなる副作用によっても活性成分の有益な効果を損なわない任意の担体である。式(I)の化合物は、薬剤学的に許容し得る担体とともに、任意の有効な慣用的な単位投薬形態(例えば、即放性および時限放出性製剤を、経口的、非経口的、局所的になどが挙げられる)を用いて投与することができる。
【0161】
経口投与では、式(I)の化合物は、固形または液状の製剤、例えば、カプセル剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、融解剤(melt)、散剤、液剤、ペースト剤、シロップ剤、懸濁剤、または乳剤などに製剤化することができ、当該技術分野で知られた薬剤組成物製造方法に従って調製することができる。固形単位投薬形態は、カプセル剤であり得、これは、例えば、界面活性剤、滑沢剤、および不活性充填剤(ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、およびコーンスターチなど)を含む通常の硬質殻または軟質殻ゼラチン型であり得る。薬剤組成物は、好ましくは、特定の量の活性成分を含む投薬単位の形態に作製される。
【0162】
式(I)の化合物は、慣用的な錠剤基剤(ラクトース、スクロース、およびコーンスターチなど)を、結合剤(アカシア、コーンスターチ、またはゼラチン);投与後の錠剤の分解および溶解の補助を意図した崩壊剤(ジャガイモデンプン、アルギン酸、コーンスターチ、およびグアーガムなど);錠剤造粒時の流動性の改善および打錠用ダイスおよびパンチの表面への錠剤材料の付着の抑制を意図した滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸、またはマグネシウム、カルシウムもしくは亜鉛のステアリン酸塩);色素;着色剤;ならびに錠剤の美観的特質の向上、および患者に対してより許容されるようにすることを意図したフレーバー剤などと共に、打錠してもよい。経口液状投薬形態において使用する好適な賦形剤としては、希釈剤(水およびアルコール(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、およびポリエチレンアルコール)など、薬剤学的に許容し得る界面活性剤を添加したものか、またはしていないものかのいずれか)、懸濁化剤、または乳化剤が挙げられる。種々の他の物質を、コーティングとして、あるいは投薬単位の物理的形態を変更するために存在させてもよい。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤は、セラック、糖類または両方でコーティングしてもよい。
【0163】
分散性の散剤および顆粒剤は、水性懸濁剤の調製に適している。これらは、分散剤または加湿剤、懸濁化剤、および1または2種類以上の保存剤と混合した活性成分を提供する。好適な分散剤または加湿剤および懸濁化剤としては、既に上記のものが例示される。さらなる賦形剤、例えば、上記の甘味剤、フレーバー剤および着色剤を存在させてもよい。
【0164】
また、本発明の薬剤組成物は、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、植物油、例えば、液状パラフィンまたは植物油混合物などであり得る。好適な乳化剤は、(1)天然のガム(アカシアガムおよびトラガカントガムなど)、(2)天然のホスファチド(ダイズおよびレシチンなど)、(3)脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、ならびに(4)前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。また、乳剤には、甘味剤およびフレーバー剤を含めてもよい。
【0165】
また、油性懸濁剤は、活性成分を、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナッツ油など);または鉱油(液状パラフィンなど)に懸濁させることにより製剤化され得る。油性懸濁剤には、濃化剤(例えば、蜜蝋、硬質パラフィン、またはセチルアルコールなど)を含めてもよい。また、懸濁剤には、1または2種類以上の保存料、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル;1または2種類以上の着色剤;1または2種類以上のフレーバー剤;および/または1または2種類以上の甘味剤(スクロースもしくはサッカリンなど)を含めてもよい。
【0166】
シロップ剤およびエリキシル剤は、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロースなどの甘味剤を用いて製剤化され得る。また、かかる製剤には、粘膜保護剤ならびに保存剤、フレーバー剤および着色剤を含めてもよい。式(I)の化合物(1種類または複数種)の経口送達としては、任意の数のメカニズムによる、薬物の消化管への即放性送達または遅延性もしくは徐放性送達をもたらす、当該技術分野でよく知られた製剤を挙げることができる。即放性製剤としては、経口液剤、経口懸濁剤、速溶解性錠剤またはカプセル剤、舌下錠剤、崩壊性錠剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。遅延性または徐放性送達製剤としては、小腸でのpH変化に基づいた投薬形態からの活性成分のpH感受性放出、錠剤もしくはカプセル剤の低速での浸食、製剤の物性に基づいた胃内貯留、腸管の粘膜内層への投薬形態の生体接着、または投薬形態からの活性薬物の酵素的放出が挙げられるが、これらに限定さるものではない。意図される効果は、投薬形態の操作によって、活性薬物分子が作用部位に送達される期間を長くすることである。したがって、腸溶性コーティング製剤および腸溶性コーティング放出制御製剤は、本発明の方法において使用され得る。好適な腸溶性コーティング材としては、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレートならびにメタクリル酸のアニオン性ポリマーおよびメタクリル酸メチルエステルが挙げられる。
【0167】
薬剤組成物は、任意の適当な調剤方法によって調製することができ、該方法は、式(I)の化合物と担体(これは、1または2種類以上の補助成分を構成するものであり得る)を合わせる工程を含む。一般に、該組成物は、式(I)の化合物を、液状または微細化した固形の担体あるいはこれら両方と、均一かつ充分に混合し、次いで、必要であれば、生成物を成形することにより調製される。例えば、錠剤は、該インヒビターの散剤または顆粒剤を、任意選択で1または2種類以上の補助成分とともに圧縮または成型することにより、調製することができる。圧縮錠剤は、適当な機械内で、自由流動形態の該化合物(散剤または顆粒剤)を、任意選択で結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤および/または表面活性剤/分散剤と混合して、圧縮することにより調製することができる。成型錠剤は、例えば、粉末化した該化合物を、適当な機械内で成型することにより作製することができる。
【0168】
経口投与のための液状投薬形態としては、当該技術分野で一般に使用されている不活性希釈剤(水など)を含有する、薬剤学的に許容し得る、乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられ得る。また、かかる組成物には、佐剤、例えば、加湿剤、乳化剤および懸濁化剤、ならびに甘味剤、フレーバー剤、および香料剤を含めてもよい。
【0169】
口腔内(舌下)投与に適した薬剤組成物としては、ロゼンジ剤(式(I)の化合物を、フレーバー基剤(通常、スクロース、およびアカシアまたはトラガカント)中に含むもの)、ならびにトローチ剤(該インヒビターを、不活性基剤(ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなど)中に含むもの)が挙げられる。
【0170】
また、式(I)の化合物(1種類または複数種)は、非経口的に、すなわち、皮下、静脈内、筋肉内、または腹腔内に、生理学的に許容し得る希釈剤中に医薬用担体とともに該化合物を含む注射剤として、投与することができる。該担体は、滅菌液または液体混合物、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロースおよび関連糖類溶液;アルコール(エタノール、イソプロパノール、もしくはヘキサデシルアルコールなど);グリコール(プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールなど);グリセロールケタール(2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノールなど)、エーテル(ポリ(エチレングリコール)400など);油類;脂肪酸;脂肪酸エステルもしくはグリセリド;またはアセチル化脂肪酸グリセリドなどであり得、薬剤学的に許容し得る界面活性剤(石鹸もしくは洗剤)、懸濁化剤(ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはカルボキシメチルセルロースなど)、または乳化剤および他の医薬用佐剤の添加を伴ってもまたは伴わなくてもよい。
【0171】
本発明の非経口製剤に使用され得る例示的な油類は、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、ワセリン、および鉱油である。好適な脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、およびイソステアリン酸が挙げられる。好適な脂肪酸エステルは、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。好適な石鹸としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、およびトリエタノールアミン塩が挙げられ、好適な洗剤としては、カチオン性洗剤(例えば、ジメチルジアルキルアンモニウムハロゲン化物、アルキルピリジニウムハロゲン化物、およびアルキルアミン酢酸塩);アニオン性洗剤(例えば、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、およびオレフィンスルホネート、アルキルスルフェート、オレフィンスルフェート、エーテルスルフェート、およびモノグリセリドスルフェート、ならびにスルホスクシネート);非イオン性洗剤(例えば、脂肪族アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、およびポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマー);ならびに両性洗剤(例えば、アルキル−β−アミノプロピオネート、および2−アルキルイミダゾリン第4級アンモニウム塩、ならびに混合物が挙げられる。
【0172】
本発明の非経口用組成物は、典型的には、重量基準で約0.5%〜約25%の活性成分を溶液中に含むものであり得る。また、保存剤および緩衝剤を好都合に使用してもよい。注射部位における刺激を最小限にする、または解消するため、かかる組成物に、約12〜約17の親水性・親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤を含めてもよい。かかる製剤中の界面活性剤の量は、重量基準で約5%〜約15%の範囲である。界面活性剤は、上記のHLBを有する単一成分のものであってもよく、所望のHLBを有する2または3種類以上の成分の混合物であってもよい。
【0173】
非経口製剤に使用される例示的な界面活性剤は、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、例えば、ソルビタンモノオレエート、およびエチレンオキシドと疎水性基剤との高分子量付加物(プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される)である。
【0174】
薬剤組成物は、滅菌注射用水性懸濁剤の形態であってもよい。かかる懸濁剤は、既知の方法に従い、適当な分散剤または加湿剤および懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム;分散剤または加湿剤(これは、天然のホスファチド、例えば、レシチン、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物(ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)などであり得る)などを用いて製剤化され得る。
【0175】
また、滅菌注射用製剤は、毒性のない非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒での、滅菌注射用液剤または懸濁剤であってもよい。使用され得る希釈剤および溶媒は、例えば、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液である。また、滅菌した不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として、慣用的に使用される。この目的には、任意の無刺激性の不揮発性油、例えば、合成モノまたはジグリセリドが使用され得る。また、オレイン酸などの脂肪酸を、注射用剤の調製に使用することもできる。
【0176】
本発明の組成物は、薬物の直腸投与のための坐剤の形態で投与されるものであってもよい。このような組成物は、薬物(例えば、式(I)の化合物)を、常温では固形であるが直腸温度では液状となり、したがって直腸内で融解して該薬物を放出する適当な非刺激性賦形剤と混合することにより調製され得る。かかる物質は、例えば、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。
【0177】
本発明の方法に使用される別の製剤では、経皮送達デバイス(「貼付剤」)が使用される。かかる経皮貼付剤は、制御された量での本発明の化合物の連続的または非連続的注入をもたらすために使用することができる。医薬用薬剤の送達のための経皮貼付剤の構築および使用は、当該技術分野でよく知られている(例えば、米国特許第5,023,252号(引用により本明細書に組み込まれる)参照のこと)。かかる貼付剤は、医薬用薬剤の連続送達、拍動性送達または用時送達のために構築されたものであり得る。
【0178】
薬剤組成物を患者に機械的送達デバイスによって投与することが、望ましいまたは必要であることがあり得る。医薬用薬剤の送達のための機械的送達デバイスの構築および使用は、当該技術分野でよく知られている。例えば、薬物を脳に直接投与するための直接的な手法は、通常、血液脳関門をバイパスするための患者の脳室系内への薬物送達用カテーテルの留置を伴うものである。体内の特定の解剖学的領域への薬剤の輸送に使用される、かかる埋め込み可能な送達系の一例は、米国特許第5,011,472号(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0179】
上記のように、式(I)の化合物は、単独の活性薬剤として、または他の医薬用薬剤と組み合わせて投与され得る。したがって、本発明による薬剤組成物は、少なくともさらなる活性薬剤、例えば、認知障害および/または記憶喪失の処置に使用される他の薬剤など、例えば、他のα−7アゴニスト、PDE4インヒビター、カルシウムチャネル遮断薬、ムスカリン性m1およびm2モジュレーター、アデノシン受容体モジュレーター、アンパカイン、NMDA−Rモジュレーター、mGluRモジュレーター、ドーパミンモジュレーター、セロトニンモジュレーター、カンナビノイドモジュレーター、コリンエステラーゼインヒビター(例えば、ドネペジル、リバスチグミン、およびガランタミン)、ADHDの処置のための薬剤、抗鬱薬、抗炎症剤、抗精神病薬(例えば、PDE10インヒビター)、βセクレターゼモジュレーター、双極性障害用薬剤、GABA作動薬、γセクレターゼモジュレーター、ヒスタミンH3、キナーゼインヒビター、MAO−Bインヒビター、気分安定薬、5HT4調節剤、5HT6アンタゴニスト、ならびにα4β2調節剤をさらに含むものであってもよい。かかる併用において、各活性成分は、その通常の投薬量範囲に従うか、または通常の投薬量範囲より少ない用量のいずれかで、投与され得る。
【0180】
本発明による薬剤組成物は、ニコチン性受容体アゴニストの効果を増強する少なくとも1種類の「正のモジュレーター」をさらに含むものであってもよい。例えば、WO99/56745、WO01/32619、およびWO01/32622に開示された正のモジュレーターを参照のこと。かかる併用療法は、ニコチン性伝達の低下と関連している病状/疾患の処置に使用され得る。
【0181】
本発明による薬剤組成物は、Aβペプチドに結合し、それによりα7nAChrサブタイプに対する該ペプチドの結合を阻害する少なくとも1種類の化合物をさらに含むものであってもよい。例えば、WO99/62505を参照のこと。
【0182】
また、本発明の組成物は、一般に担体または希釈剤と称される他の慣用的な薬剤学的に許容し得る配合用成分を、必要によりまたは所望により、含むものであってよい。本発明の組成物はいずれも、抗酸化剤(アスコルビン酸など)または他の適当な保存料の添加によって保存され得る。かかる組成物を適切な投薬形態に調製するために、慣用的な手順を使用することができる。
【0183】
該組成物をその意図される投与経路用に製剤化するのに適宜使用され得る慣用的な医薬用成分としては、酸性化剤(例えば、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸であるが、これらに限定されるものではない);およびアルカリ化剤(例えば、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンであるがこれらに限定されるものではない)が挙げられる。
【0184】
他の医薬用成分としては、例えば、吸着剤(例えば、粉末化セルロースおよび活性炭);エーロゾル用噴霧剤(例えば、二酸化炭素、CCl、FClC−CClFおよびCClF);空気置換剤(例えば、窒素およびアルゴン);抗真菌性保存剤(例えば、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム);抗菌性保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサール);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム);結合物質(例えば、ブロックポリマー、天然および合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーンおよびスチレン−ブタジエンコポリマー);緩衝剤(例えば、メタリン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウム二水和物);担持剤(例えば、アカシアシロップ、芳香性シロップ、芳香性エリキシル、チェリーシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、コーン油、鉱油、ピーナッツ油、ゴマ油、静菌性塩化ナトリウム注射液および静菌性注射用水);キレート化剤(例えば、エデト酸二ナトリウムおよびエデト酸);着色剤(例えば、FD&C Red No.3、FD&C Red No.20、FD&C Yellow No.6、FD&C Blue No.2、D&C Green No.5、D&C Orange No.5、D&C Red No.8、カラメルおよび赤色酸化鉄);清澄化剤(例えば、ベントナイト);乳化剤(限定されないが、アカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、グリセリルモノステアレート、レシチン、ソルビタンモノオレエート、ポリエチレン50ステアレート);カプセル化剤(例えば、ゼラチンおよびセルロースアセテートフタレート);フレーバー(例えば、アニス油、シナモン油、ココア、メントール、オレンジ油、ペパーミント油およびバニリン);湿潤剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコールおよびソルビトール);研磨剤(例えば、鉱油およびグリセリン);油類(例えば、ラッカセイ油、鉱油、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油および植物油);軟膏基剤(例えば、ラノリン、親水軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水性ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏、およびローズ水軟膏);浸透向上剤(経皮送達)(例えば、モノヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコール、飽和または不飽和脂肪アルコール、飽和または不飽和脂肪エステル、飽和または不飽和ジカルボン酸、精油、ホスファチジル誘導体、ケファリン、テルペン類、アミド、エーテル、ケトンおよび尿素);可塑剤(例えば、フタル酸ジエチルおよびグリセリン);溶媒(例えば、アルコール、コーン油、綿実油、グリセリン、イソプロピルアルコール、鉱油、オレイン酸、ピーナッツ油、精製水、注射用水、滅菌注射用水および滅菌洗浄用水);硬化剤(例えば、セチルアルコール、セチルエステルワックス、微晶質ワックス、パラフィン、ステアリルアルコール、白色ワックスおよび黄色ワックス);坐剤用基剤(例えば、ココアバターおよびポリエチレングリコール(混合物));界面活性剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、ノンオキシノール10、オキシトキシノール9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびソルビタンモノパルミテート);懸濁化剤(例えば、寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントおよびビーガム);甘味剤(例えば、アスパルテーム、デキストロース、グリセリン、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびスクロース);錠剤用付着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよびタルク);錠剤用結合剤(例えば、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮性糖類、エチルセルロース、ゼラチン、液状グルコース、メチルセルロース、ポビドンおよびアルファー化デンプン);錠剤およびカプセル剤用希釈剤(例えば、二塩基性リン酸カルシウム、カオリン、ラクトース、マンニトール、微晶質セルロース、粉末化セルロース、沈降炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトールおよびデンプン);錠剤コーティング剤(例えば、液状グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートフタレートおよびシェラック);錠剤直接圧縮賦形剤(例えば、二塩基性リン酸カルシウム);錠剤用崩壊剤(例えば、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微晶質セルロース、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプン);錠剤用流動促進剤(例えば、コロイド状シリカ、コーンスターチおよびタルク);錠剤用滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛);錠剤/カプセル剤用不透明化剤(例えば、二酸化チタン);錠剤用光沢剤(例えば、カルナウバワックスおよび白色ワックス);濃化剤(例えば、蜜蝋、セチルアルコールおよびパラフィン);等張化剤(例えば、デキストロースおよび塩化ナトリウム);増粘剤(例えば、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポビドン、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカント);ならびに加湿剤(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、ポリエチレンソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、およびポリオキシエチレンステアレート)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0185】
各インヒビターの総一日用量は、患者に、単回で投与しても複数回分割用量で投与してもよい。典型的には、分割用量は、1日あたり、2〜6回、好ましくは2〜4回、さらにより好ましくは2〜3回投与され得る。用量は、ニコチン性アセチルコリン受容体の欠陥または機能不全と関連している病状に対して所望の制御が得られるのに充分有効な、即放性形態または徐放性形態であり得る。
【0186】
また、式(I)の化合物(1種類または複数種)は、組成物に、研究および診断に、または解析の参照標準などとして使用してもよい。したがって、本発明は、不活性担体と有効量の式(I)の化合物で構成された組成物を含むものである。不活性担体は、担持される化合物とは相互作用せず、該担持される化合物に、支持体、運搬体、嵩高さ、追跡可能な物質などを与える任意の物質である。化合物の有効量は、実施される具体的な処置に対して、結果をもたらすまたは影響を及ぼす量である。
【0187】
また、本発明の方法において使用される式(I)の化合物は、α7nAChRの刺激、活性化または阻害活性を有することがわかっているいずれかの化合物の薬剤学的に許容し得る塩、保護型の酸、共役酸、互変異性体、プロドラッグまたは立体異性体として投与してもよい。互変異性体としては、例えば、ヒドロキシ互変異性体が挙げられる。保護型の酸としては、エステル、ヒドロキシアミノ誘導体、アミドおよびスルホンアミドなどの保護型の酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。親化合物の性質を向上させるためのためのプロドラッグの形成は、当該技術分野でよく知られている;かかる性質としては、可溶性、吸収性、生体内安定性および放出時間が挙げられる(“Pharmaceutical Dosage Form and Drug Delivery Systems”(第6版)、Anselら編,Williams & Wilkinsにより出版、第27〜29頁,(1995)(これは、引用により本明細書に組み込まれる)参照のこと)。一般に使用されているプロドラッグは、主要な薬物生体内変換反応を利用するように設計されたものであり、同様に本発明の範囲に含まれるとみなされる。主要な薬物生体内変換反応としては、N−脱アルキル化、O−脱アルキル化、脂肪族ヒドロキシル化、芳香族ヒドロキシル化、N−酸化、S−酸化、脱アミノ化、加水分解反応、グルクロン酸抱合、硫酸化およびアセチル化が挙げられる(Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(第9版)、編者Molinoffら,McGraw−Hillにより出版、第11〜13頁,(1996)(これは、引用により本明細書に組み込まれる)参照のこと)。
【0188】
ヒトの処置に有用であることに加え、式(I)の化合物の投与は、愛玩動物(例えば、ウマ、イヌ、ネコなど)、外来動物および家畜の獣医学的処置にも有用であり得る。本発明をヒト生物学に関して記載したが、当業者には、本発明が他の哺乳動物にも同様に適用可能であることが理解されよう。
【0189】
皮下用、静脈内用、筋肉内用などに;適当な医薬用担体に;ならびに製剤化および投与技術に適した製剤は、当該技術分野でよく知られた任意の方法によって調製され得る(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,第20版,2000参照のこと)。
【0190】
次に、本発明を以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。これら実施例の開示を応用する場合においては、本発明により開示した方法の他の実施形態および異なる実施形態が、関連分野の当業者に疑いなく示唆されるであろうことを、明確に心に留め置くべきである。
【0191】
前述の記載および以下の実施例において、温度はすべて、訂正なしで、摂氏で示しており;特に記載のない限り、部およびパーセントはすべて重量基準である。
【0192】
上記および以下に挙げるすべての特許出願、特許および刊行物の全開示内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
〔略語および頭文字語〕
【0193】
当業者である有機化学者によって使用されている略語の包括的リストが、Journal of Organic Chemistryの各巻の初版に示されている;このリストは、典型的には、標準的な略語リスト(Standard List of Abbreviations)の標題で表に示されている。前記リストに含まれた略語、および当業者である有機化学者によって使用されているすべての略語は、引用により本明細書に組み込まれる。本発明の意図するところによれば、化学元素は、Elements,CAS版,Handbook of Chemistry and Physics,第67版,1986−87の周期表によって特定されるものである。
【0194】
より詳しくは、以下の略語が本明細書中で使用されている場合、以下の意味を有する。
Ac アセチル
AcOH 酢酸
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
amu 原子質量単位
aq 水性
Bu ブチル
CDI カルボニルジイミダゾール
セライト(登録商標) 珪藻土濾過剤の銘柄、Celite Corporationの社の登録商標
conc 濃縮物
d ダブレット
dd ダブレットのダブレット
ddd ダブレットのダブレットのダブレット
DIBAL 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPA ジイソプロピルアミン
DME ジメチルオキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO−d ジメチルスルホキシド−d
dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDCI 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EI 電子衝撃イオン化
EI−MS 電子衝撃−質量分析
equiv 当量
ES−MS エレクトロスプレー質量分析
Et エチル
EtO ジエチルエーテル
EtN トリエチルアミン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
Ex 実施例
g グラム
GC−MS ガスクロマトグラフィー−質量分析
h 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
Hex ヘキサン類
[3H]MLA トリチウム化メチルリカコニチンクエン酸塩
H NMR プロトン核磁気共鳴
HOAT 1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HPLC ES−MS 高速液体クロマトグラフィー−エレクトロスプレー質量分析
Int 中間体
KOtBu カリウムtert−ブトキシド
L リットル
LCMS 液体クロマトグラフィー/質量分析
m 多重項
M モル
mL ミリリットル
m/z 質量電荷比
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
mg ミリグラム
MHz メガヘルツ
min 分
mmol ミリモル
mol モル
mp 融点
MS 質量分析
N 正常
NaOAc 酢酸ナトリウム
NBS N−ブロモスクシンイミド
NMM 4−メチルモルホリン
H NMR 核磁気共鳴
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(OAc) 酢酸パラジウム
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
Pd/C パラジウム担持炭素
Pd(dppf)Cl [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Ph フェニル
ppm 100万分率
Pr プロピル
psi ポンド毎平方インチ
q カルテット
qt クインテット
TLC保持因子
rt 室温
s シングレット
t トリプレット
保持時間(HPLC)
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBSCl tert−ブチルジメチルシリルクロリド
TBS tert−ブチルジメチルシリル
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMS テトラメチルシラン
pTSA 4−メチルベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸)
v/v 単位容量あたりの容量
vol 容量
w/w 単位重量あたりの重量
【0195】
以下の具体的な実施例は、本明細書に記載の本発明をさらに説明するために示すが、本発明の範囲を、いかなる方法においても限定するものと解釈されるべきでない。

〔実験例〕
〔概要〕
【0196】
HNMRスペクトルは、特に記載のない限り、Bruker Instruments NMRにおいて300MHzで記録したのもである。カップリング定数(J)の単位はヘルツ(Hz)であり、ピークはTMS(δ0.00ppm)に対して相対的に示す。
【0197】
スルホン酸イオン交換樹脂(SCX)は、Varian Technologiesから購入したものである。
【0198】
分析用HPLC//MSは、Waters Micromassにおいて、4.6mm×100mmのXterra RP18 3.5μカラムを使用し、(i)8分間かけて20/80〜80/20のアセトニトリル(0.1%ギ酸)/水(0.1%ギ酸)の勾配(方法A)、または(ii)8分間かけて5/95〜80/20のアセトニトリル(0.1%ギ酸)/水(0.1%ギ酸)の勾配(方法B)を用いて行なう。分取HPLCは、20mm×250mmの5μSHISEIDO、CAPCELL PAK C18カラムにおいて、25分間かけて90/10〜0/100の水/アセトニトリルの勾配を用いて行ない、この間、UVスペクトルのλ254nmをモニタリングする。
【0199】
本実験に使用されるカルボン酸の多くは市販されている。市販されていないカルボン酸を調製するための手順は、後述している。1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩は、Olainfarmから購入した。二環アミドの塩酸塩は、塩酸のエーテル溶液を二環式アミドのメタノール溶液に添加した後、得られた沈殿物を単離することにより調製される。
【0200】
本実験に使用される他のカルボン酸は、当業者には既知の簡単な合成方法によって、例えば、以下に記載する手順1〜5に示した方法を用いて調製される。

〔手順1〕
【0201】
以下の手順は、フェノールからの置換型および修飾型のジヒドロクロメン−4−オンの調製を記載したものである。
【0202】
【化19】

【0203】
ジヒドロクロメン−4−オンの合成(ケトンの合成1)
【0204】
2−メトキシフェノール(40.3mmol)の水酸化カリウム(15mL)溶液を、3−クロロプロパン酸(40.7mmol)と重炭酸ナトリウム(40.5mmol)の水(15mL)溶液に添加する。反応混合物を110℃で16時間加熱し、rtまで放冷する。反応混合物のpHを10%塩酸水で5に調整し、エーテル(3×100mL)で抽出する。合わせた有機層を重炭酸ナトリウム(3×80mL)で抽出し、合わせた水層のpHを10%塩酸水で5に調整する。水層をジクロロメタン(150mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮すると、3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン酸(目的物B)が収率14%で、黄色固形物として得られる。
【0205】
3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン酸(5.61mmol)とポリリン酸(25mL)を合わせ、67℃で1時間加熱する。反応混合物を氷水(150mL)で希釈し、沈殿した固形物を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥させると、8−メトキシ−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン(目的物C2)が収率67%で、褐色固形物として得られる。
【0206】
以下のジヒドロクロメン−4−オンは、この手順を使用し、適切に置換されたフェノールを出発物質として調製される。
8−メトキシ−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン
7−メトキシ−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン
6−メトキシ−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン
7−ブロモ−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン
3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オンは市販されている。

〔手順2〕
【0207】
以下の手順は、シクロヘキサン−1,3−ジオンからのテトラヒドロキノリン−5−オンの調製を記載したものである。
【0208】
【化20】

【0209】
テトラヒドロキノリン−5−オンの合成(ケトンの合成2)
【0210】
ディーン・スターク・コンデンサーを備えた丸底フラスコ内で、酢酸アンモニウム(151mmol)とシクロヘキサン−1,3−ジオン(150.00mmol)を合わせ、トルエン(300mL)で希釈する。反応混合物を4時間還流加熱し、濃縮する。固形残渣を再結晶させると(酢酸エチル)、3−アミノ−2−シクロヘキセン−1−オンが黄色固形物として得られる。この物質は、後の変換に使用するのに充分な純度である。
【0211】
3−アミノシクロヘキサ−2−エノン(100mmol)、1,1,3,3−テトラエトキシプロパン(110mmol)、および4−メチルベンゼンスルホン酸(2.91mmol)の混合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(40mL)で希釈し、反応混合物を16時間還流加熱する。反応混合物をrtまで放冷し、重炭酸ナトリウムで中和し、水(400mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(10/1石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オンが収率7%で、無色油状物として得られる。
【0212】
以下のテトラヒドロキノリン−5−オンは、この手順を用いて調製される。
5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オン

〔手順3〕
【0213】
以下の手順は、2−メチルベンゾニトリルからのイソクロメン−4(3H)−オンの合成を記載したものである。
【0214】
【化21】

【0215】
1H−イソクロメン−4(3H)−オンの合成(ケトンの合成3)
【0216】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、29.25mmol)を、2−メチルベンゾニトリル(325mmol)とN−ブロモスクシンイミド(NBS、346mmol)の四塩化炭素(300mL)溶液に添加する。反応混合物を90℃で2時間加熱し、rtまで放冷する。沈殿した固形物を濾過によって除去し、濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(4×120mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮する。得られた固形物をヘキサン(4×500mL)で洗浄し、乾燥させると、2−(ブロモメチル)ベンゾニトリルが収率57%で、黄色固形物として得られる。2−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(214mmol)のジメチルスルホキシド(40mL)溶液を、90分間かけて、2−ヒドロキシ酢酸エチル(431mmol)とナトリウムエトキシド(215mmol)のジメチルスルホキシド(14.5mL)溶液に添加する。反応混合物をrtで1時間維持し、65℃で5時間加熱し、rtまで放冷する。反応混合物を氷水(50g)で希釈し、エーテル(3×500mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(100/1〜50/1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、[(2−シアノベンジル)オキシ]酢酸エチルが黄色油状物として得られる。
【0217】
水酸化カリウム(309mmol)を、[(2−シアノベンジル)オキシ]酢酸エチル(62.5mmol)のエタノール(60mL)と水(60mL)の溶液に添加する。反応混合物を90℃で16時間加熱し、rtまで放冷し、濃塩酸でpHを約1に調整する。得られた溶液をジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮すると、粗製2−[(カルボキシメトキシ)メチル]安息香酸が褐色固形物として得られる。この物質は、後の工程で使用するのに充分な純度である。2−[(カルボキシメトキシ)メチル]安息香酸(37.6mmol)と酢酸カリウム(169.2mmol)を合わせ、無水酢酸(112mL)で希釈する。反応混合物を138℃で2時間加熱し、濃縮する。残渣を氷水(25g)で希釈し、エーテル(3×900mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濃縮する。残渣をエタノール(150mL)と4N水酸化ナトリウム(20mL)で希釈し、反応混合物をrtで2時間維持する。反応混合物をエーテル(3×900mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(100/1〜30/1のヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、1H−イソクロメン−4(3H)−オンが収率47%で、黄色油状物として得られる。
【0218】
以下のイソクロメノンは、この手順を用いて調製される。
1H−イソクロメン−4(3H)−オン

〔手順4〕
【0219】
以下の手順は、市販のものまたは手順1〜3によって上記のようにして調製したもののである、いずれかのケトンを出発物質とした、ピラゾールカルボン酸の調製を記載したものである。
【0220】
【化22】

【0221】
ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール酸の合成
【0222】
ナトリウムヘキサメチルジシラジド(テトラヒドロフラン中1M、4.02mmol)を、8−メトキシ−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン(C2、3.93mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に−78℃で滴下し、反応混合物を30分間維持する。シュウ酸ジエチル(4.02mmol)を滴下し、反応混合物をrtまで昇温させ、1時間維持する。反応混合物を10%塩酸水(20mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出する(150mL)。有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濃縮すると、2−(8−メトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(目的物L)が収率96%で、黄色油状物として得られる。
【0223】
ヒドラジン水和物(4.00mmol)を、2−(8−メトキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(L、3.96mmol)のエタノール(40mL)溶液に添加し、反応混合物を1時間還流加熱する。反応混合物を氷水(140mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮すると、6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチル(目的物M)が収率65%で、黄色固形物として得られる。
【0224】
水酸化ナトリウム(12.8mmol)の水(10mL)溶液を、6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチル(M,2.43mmol)のエタノール(100mL)の溶液に添加する。反応混合物を3時間還流加熱し、濃縮する。残渣を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL)で抽出する。水層のpHを10%塩酸水で2〜3に調整し、沈殿した固形物を濾過によって回収し、水とヘキサンで洗浄し、乾燥させると、6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(目的物N)が収率64%で、黄色固形物として得られる。H−NMR(DMSO−d):δ7.2(1H,d)、6.9(2H,m)、5.4(2H,s)、3.7(3H,s);LC/MS(ES,m/z)[M+1]+ 247。
【0225】
以下の置換型ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール酸は、適切なケトンを出発物質とし、この方法を用いて調製される。
6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸
7−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸
7−ブロモ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸
8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸
4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾール−3−カルボン酸
4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−f]キノリン−3−カルボン酸
1,5−ジヒドロイソクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸

〔手順5〕
【0226】
以下の手順は、6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−カルボン酸を調製するための方法を記載したものである。
【0227】
【化23】

【0228】
3−エトキシ−2−シクロヘキセン−1−オン(15.0mmol)のテトラヒドロフラン(7.5mL)溶液を、10分間かけて、4−フルオロフェニルマグネシウムブロミド(テトラヒドロフラン中1.0M、15.0mL)のテトラヒドロフラン(7.5mL)溶液に、−5℃で添加する。反応混合物を30分間維持し、rtまで昇温させ、さらに2時間維持する。この溶液を1N塩酸水に注入し、1時間維持する。反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出する。有機層をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(90/10〜65/35のヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、3−(4−フルオロフェニル)シクロヘキサ−2−エン−1−オンが収率49%で得られる。
【0229】
3−(4−フルオロフェニル)シクロヘキサ−2−エン−1−オン(7.40mmol)のエーテル(10.0mL)溶液を、ヘキサメチルジシラジドリチウム(テトラヒドロフラン中1.00M、8.0mL)のエーテル(10.0mL)溶液に、−78℃で添加する。15分後、シュウ酸、ジメチルエステル(11.0mmol)のエーテル(10.0mL)溶液を添加し、反応混合物をrtまで昇温させ、16時間維持する。反応混合物を水(50mL)と酢酸エチル(50mL)間に分配し、1N塩酸で中和する。層分離させ、有機層をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濃縮すると、黄色固形物が得られる。この固形物を再結晶させると(エタノール)、[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソシクロヘキサ−3−エン−1−イル](オキソ)酢酸メチルが収率73%で、明黄色固形物として得られる。
【0230】
ヒドラジン(3.80mmol)を、[4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソシクロヘキサ−3−エン−1−イル](オキソ)酢酸メチル(2.70mmol)のエタノール(10.0mL)溶液に添加し、反応混合物を30分間還流加熱する。混合物をrtまで放冷し、沈殿した固形物を濾過によって回収すると、6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−カルボン酸メチルが収率80%で、オフホワイト色固形物として得られる。この化合物の酸を、標準的なケン化条件(水酸化ナトリウム含有エタノール/水)によって調製し、さらに精製せずに使用する。
【0231】
以下の酸は、この方法を用いて調製される。
6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−カルボン酸

〔手順6〕
【0232】
以下の手順は、5−アミノ−3−メチルイソチアゾール塩酸塩からのイソチアゾール−3−カルボン酸の合成を記載したものである。
【0233】
【化24】

【0234】
硝酸ナトリウム(36.4mmol)を、数回に分けて5−アミノ−3−メチルイソチアゾール塩酸塩(33.1mmol)の硫酸(25mL)溶液に、0℃で添加する。この溶液に、酸化銅(II)(1.67mmol)の30%リン酸(70mL)溶液を滴下し、反応混合物を0℃で1時間維持する。反応混合物を40℃まで昇温させ、さらに1時間維持する。反応混合物のpHを25%水酸化ナトリウムで約9に調整し、エーテル(3×100mL)で抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮すると、3−メチルイソチアゾールが収率12%で、黄色油状物として得られる。
【0235】
酸化クロム(IV)(9.00mmol)を、数回に分けて3−メチルイソチアゾール(3.03mmol)の発煙硫酸(10mL)溶液に、0℃で添加する。反応混合物をrtまで昇温させ、16時間維持する。反応混合物を氷水(100mL)で希釈し、エーテル(6×200mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮する。残渣を分取HPLCによって精製すると、イソチアゾール−3−カルボン酸が収率13%で、白色固形物として得られる。H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ3.43(s,1H)、9.17(d,1H)、7.80(d,1H)、3.43(s,1H);LC/MS(ES,m/z)[M+1] 128。
【0236】
以下の酸は、この方法を用いて調製される。
イソチアゾール−3−カルボン酸

〔手順7〕
【0237】
以下の手順は、5−アミノ−3−メチルイソチアゾール塩酸塩からの5−ブロモイソチアゾール−3−カルボン酸の調製を記載したものである。
【0238】
【化25】

【0239】
硝酸ナトリウム(66.7mmol)の水(6mL)溶液を、3−メチルイソチアゾール−5−アミン塩酸塩(66.2mmol)のリン酸(25mL)および硝酸(13mL)溶液に、0℃で滴下し、反応混合物を30分間維持する。臭化銅(I)(66.2mmol)の濃臭化水素酸(50mL)溶液を滴下し、反応混合物を0℃で60分間維持し、このときの溶液のpHを2N水酸化ナトリウム(100mL)で約4に調整する。得られた溶液をエーテル(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮する。固形残渣を石油エーテル/酢酸エチルから再結晶させると、5−ブロモ−3−メチルイソチアゾールが収率13%で、黄色油状物として得られる。
【0240】
酸化クロム(IV)(21.9mmol)を、数回に分けて、5−ブロモ−3−メチルイソチアゾール(7.30mmol)の発煙硫酸(30mL)溶液に0℃で添加する。反応混合物をrtまで昇温させ、16時間維持する。反応混合物を氷水(100mL)で希釈し、エーテル(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮する。残渣を分取HPLCによって精製すると、5−ブロモイソチアゾール−3−カルボン酸が収率13%で、白色固形物として得られる。H−NMR(DMSO−d):δ13.8(ブロード s,1H)、7.9(s,1H);LC/MS(ES,m/z)[M] 208
【0241】
以下の酸は、この手順を用いて調製される。
5−ブロモイソチアゾール−3−カルボン酸
【0242】
二環アミドの塩酸塩は、塩酸のエーテル溶液を二環式アミドのメタノール溶液に添加した後、得られた沈殿物を単離することにより調製される。

〔手順8〕
【0243】
以下の手順は、7−ブロモ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチルからの7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸塩酸塩の合成を記載したものである。
【0244】
【化26】

【0245】
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(11.9mmol)と4−メチルベンゼンスルホン酸(0.58mmol)を、7−ブロモ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチル(9.29mmol)のジクロロメタン(100mL)及びテトラヒドロフラン(20mL)溶液に添加し、反応混合物をrtで16時間維持する。反応混合物を水(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮すると、7−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチルが収率43%で、褐色固形物として得られる。
【0246】
7−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチル(3.98mmol)、(S)−3−メトキシピロリジン(8.02mmol)、BINAP(0.48mmol)、炭酸セシウム(10.1mmol)および酢酸パラジウム(II)(0.40mmol)の混合物を、窒素雰囲気下、トルエン(100mL)で希釈する。反応混合物を110℃で16時間加熱し、濃縮する。残渣を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(20/1〜10/1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチルが収率59%で、白色固形物として得られる。
【0247】
水酸化ナトリウム(10.0mmol)の水(5mL)溶液を、7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチル(1.87mmol)のエタノール(35mL)溶液に添加し、反応混合物を90℃で1時間加熱する。反応混合物を濃縮し、水(35mL)で希釈し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出する。合わせた水層のpHを10%塩酸水で約3に調整し、濃縮すると、7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸が収率45%で、白色固形物として得られる。ガス状の塩酸を、7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(0.85mmol)の1,4−オキソラン(60mL)溶液に通して、30分間起泡させる。反応混合物をrtで2時間維持し、濃縮する。粗製生成物を分取HPLCによって精製すると、7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸塩酸塩が収率19%で、黄色固形物として得られる。
【0248】
以下の酸は、この方法を用いて調製される。
7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸塩酸塩

本発明化合物の代表的な調製例

〔実施例1〕
4−[(4−クロロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンの調製
(代表的な手順A)
【0249】
【化27】

【0250】
以下に、ビシクロ塩基とカルボン酸をカップリングさせてカルボキサミド誘導体を形成するための一般的な方法を示す。
【0251】
4−クロロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(1.47mmol)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(1.06mmol)および1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩(0.979mmol)の固形混合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(6.0mL)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.7mmol)で希釈し、反応混合物をrtで16時間維持する。反応混合物をSCXカラム(10g)に移し、5容量のメタノールで洗浄する。次いで、部分的に精製された生成物を、2.0Mアンモニア含有メタノールを用いてを溶出させ、濃縮する。残渣を勾配分取クロマトグラフィー(開始時100/0から50/50の比の溶媒A/溶媒Bの混合物、ここで、A=酢酸エチル、Bは(50/50/2)酢酸エチル/メタノール/ジメチルエチルアミンである)によって精製すると、生成物が収率64%で、オフホワイト色固形物として得られる。
【0252】
H NMR(CDOD)δ[3/1回転異性体混合物] 7.80(s,1H)、4.71(m,0.75H)、4.10(m,0.25H)、3.98(m,0.5H)、3.68(m,1.5H)、3.09−2.98(m,6H)、2.17−1.84(4m、4H)。LC/MS(EI)t 1.45分間(方法A)、m/z 255.1分間。
【0253】
実施例1の上記の手順Aを使用して、実施例2〜38の以下のカルボキサミド誘導体化合物が同様に調製され得、以下のように特徴付けられる。

〔実施例2〕
4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0254】
【化28】

【0255】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 3.90分間(方法B)、m/z 266.1。

〔実施例3〕
4−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0256】
【化29】

【0257】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.42分間(方法A)、m/z 235.1。

〔実施例4〕
4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0258】
【化30】

【0259】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 4.40分間(方法B)、m/z 221.1。

〔実施例5〕
4−{[5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0260】
【化31】

【0261】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.58分間(方法A)、m/z 327.1。

〔実施例6〕
4−[(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0262】
【化32】

【0263】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−フェニルイソキサゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 3.53分間(方法A)、m/z 298.1。

〔実施例7〕
4−{[5−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0264】
【化33】

【0265】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.54分間(方法A)、m/z 303。

〔実施例8〕
4−[(5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0266】
【化34】

【0267】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.58分間(方法A)、m/z 297.1。

〔実施例9〕
4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0268】
【化35】

【0269】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.55分間(方法A)、m/z 261.2。

〔実施例10〕
4−{[5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0270】
【化36】

【0271】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.64分間(方法A)、m/z 327.2。

〔実施例11〕
4−(1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0272】
【化37】

【0273】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.52分間(方法A)、m/z 261.2。

〔実施例12〕
4−{[5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0274】
【化38】

【0275】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.63分間(方法A)、m/z 327.2。

〔実施例13〕
4−[(4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0276】
【化39】

【0277】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.47分間(方法A)、m/z 299/301。

〔実施例14〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)イソチアゾール−4−アミン
【0278】
【化40】

【0279】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、4−アミノイソチアゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.41分間(方法A)、m/z 253.1。

〔実施例15〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
【0280】
【化41】

【0281】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.77分間(方法A)、m/z 325.1。

〔実施例16〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタ[c]ピラゾール
【0282】
【化42】

【0283】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.54分間(方法A)、m/z 303.1。

〔実施例17〕
4−{[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0284】
【化43】

【0285】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.54分間(方法A)、m/z 355.1

〔実施例18〕
4−{[5−(2−ナフチル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0286】
【化44】

【0287】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−ナフタレン−2−イル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 3.79分間(方法A)、m/z 347.2。

〔実施例19〕
4−{[5−(3−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0288】
【化45】

【0289】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−チオフェン−3−イル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.54分間(方法A)、m/z 303.1。

〔実施例20〕
4−{[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0290】
【化46】

【0291】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.63分間(方法A)、m/z 315.1。

〔実施例21〕
4−[(5−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0292】
【化47】

【0293】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.42分間(方法A)、m/z 298.2。

〔実施例22〕
4−[(5−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0294】
【化48】

【0295】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.35分間(方法A)、m/z 298.1。

〔実施例23〕
4−[(5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0296】
【化49】

【0297】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.40分間(方法A)、m/z 298.1。

〔実施例24〕
5’−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1−メチル−1H,2’H−3,3’−ビピラゾール
【0298】
【化50】

【0299】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、1’−メチル−2H,1’H−[3,3’]ビピラゾリル−5−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.45分間(方法A)、m/z 301.2。

〔実施例25〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
【0300】
【化51】

【0301】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.55分間(方法A)、m/z 355.2。

〔実施例26〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
【0302】
【化52】

【0303】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.94分間(方法A)、m/z 355.2。

〔実施例27〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
【0304】
【化53】

【0305】
この化合物は、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩と、8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.87分間(方法A)、m/z 355.2。

〔実施例28〕
(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩(代表的な手順B)
【0306】
【化54】

【0307】
以下に、代表的な手順Aを用いて創製される、ビシクロ塩基付加物の塩の作製のための、一般的な方法を示す。
【0308】
4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを、1H−ピラゾール−3−カルボン酸と1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン2塩酸塩から、実施例1を用いて調製する(収率71%)。このアミド(0.645mmol)をメタノール(5mL)に溶解させ、1M塩酸含有エーテル(7mL)で処理する。反応混合物を2時間維持し、エーテル(15mL)で希釈し、さらなる晶出を誘導する。固形物を単離し、メタノール/酢酸エチルから再結晶させると、該塩が収率46%で、無色固形物として得られる。
【0309】
HNMR:CDOD δ7.76(s,1H)、6.73(s,1H)、5.20(ブロード s,1H)、4.47(m,1H)、4.18(m,1H)、3.64−3.52(m,7H)、2.35(m,2H)、2.18(M,2H)。
【0310】
実施例28の上記の手順Bを使用して、実施例29の以下の化合物が同様に調製され得、以下のように特徴付けられる。

〔実施例29〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール塩酸塩
【0311】
【化55】

【0312】
この化合物は、実施例15で調製される化合物を出発物質とし、実施例28で記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.82分間(方法A)、m/z 325.1。

〔実施例30〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール
【0313】
【化56】

【0314】
この化合物は、6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 3.83(方法A)、m/z 367.2。

〔実施例31〕
4−(イソチアゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0315】
【化57】

【0316】
この化合物は、イソチアゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.47分間(方法A)、m/z 238.1。

〔実施例32〕
4−[(5−ブロモイソチアゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
【0317】
【化58】

【0318】
この化合物は、5−ブロモイソチアゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.55(方法A)、m/z 316.0/318.0。

〔実施例33〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾール
【0319】
【化59】

【0320】
この化合物は、4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.53分間(方法A)、m/z 323.2。

〔実施例34〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,5−ジヒドロイソクロメノ[4,3−c]ピラゾール
【0321】
【化60】

【0322】
この化合物は、1,5−ジヒドロイソクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 2.42分間(方法A)、m/z 325。

〔実施例35〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−f]キノリン
【0323】
【化61】

【0324】
この化合物は、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−f]キノリン−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.27分間(方法A)m/z 324.1。

〔実施例36〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
【0325】
【化62】

【0326】
この化合物は、7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 3.38分間(方法A)、m/z 424.2。

〔実施例37〕
7−ブロモ−3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
【0327】
【化63】

【0328】
この化合物は、7−ブロモ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 3.87分間(方法A)、m/z 402.1/405.0。

〔実施例38〕
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1H−ピラゾール−5−アミン
【0329】
【化64】

【0330】
この化合物は、5−アミノピラゾール−3−カルボン酸を出発物質とし、実施例1に記載のようにして調製される:LC/MS(EI)t 1.42分間(方法A)、m/z 236.1。

〔実施例39〕
[3H]MLA結合アッセイによる化合物の評価
【0331】
H]MLA結合アッセイの手順は、受容体源がヒト化サルα7受容体(WO03/095976参照のこと)であること以外は、WO2004/029050A1に記載のものと同じである。
材料:
ヒト化サルα7受容体
プロテアーゼインヒビターカクテル錠剤:Roche、カタログ番号1697498
膜調製物
ラット脳を、プロテアーゼインヒビター(1錠/50ml)を加えた20容量(w/v)の氷冷0.32Mスクロース中で、ポリトロンにより設定11で10秒間ホモジナイズし、次いで、1000g、4℃で10分間遠心分離する。上清みを、20,000g、4℃で20分間再度遠心分離する。ペレットを結合バッファー(200mM TRIS−HCl、20mM HEPES、pH7.5、144mM NaCl、1.5mM KCl、1mM MgSO、2mM CaCl、0.1%(w/v)BSA)に再懸濁させ、膜調製物を−80℃で保存する。
【0332】
飽和アッセイのため、結合バッファーに入れられたアッセイ混合物200μlに、200μgの膜タンパク質、0.2〜44nMの[3H]MLAを含める。非特異的結合は、1μMのMLAを用いて規定する。競合アッセイは、2nMの[3H]MLAおよび所望の範囲の化合物を用いて行なう。アッセイ混合物を、22℃で2時間、インキュベートする。本発明の好ましい化合物の結合親和性は、3nM〜10μMである。

〔カプセル製剤〕
【0333】
カプセル剤製剤を、以下から調製する:
式(I)の化合物 10mg
デンプン 109mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
成分をブレンドし、適切な網目の篩に通し、硬質ゼラチンカプセル内に充填する。

〔錠剤製剤〕
【0334】
錠剤を、以下から調製する:
式(I)の化合物 25mg
微晶質のセルロース 200mg
コロイド状二酸化ケイ素 10mg
ステアリン酸 5.0mg
成分を混合し、圧縮して錠剤を形成する。嗜好性の増大、品質および安定性の改善、または吸収の遅延のために、適切な水性および非水性コーティングを施してもよい。

〔滅菌溶液IV〕
【0335】
滅菌注射用水を用いて、式(I)の化合物の溶液(mg/mL)を作製し、必要であればpHを調整する。この溶液を、投与のために滅菌5%デキストロースで希釈し、注入液IVとして投与する。

〔筋肉内用懸濁剤〕
【0336】
以下の筋肉内用懸濁剤を調製する:
式(I)の化合物 50μg/mL
カルボキシメチルセルロースナトリウム 5mg/mL
TWEEN 80 4mg/mL
塩化ナトリウム 9mg/mL
ベンジルアルコール 9mg/mL
この懸濁剤は筋肉内投与される。

〔硬質殻カプセル剤〕
【0337】
多数の単位カプセル剤は、標準的なツーピース型硬質カプセル剤の各々に、粉末化活性成分、150mgのラクトース、50mgのセルロース、および6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することにより作製される。

〔軟質ゼラチンカプセル剤〕
【0338】
活性成分と消化性油(ダイズ油、綿実油、またはオリーブ油など)の混合物を調製し、ポジティプ・ディスプレースメント・ポンプによって、溶融ゼラチン内に注入し、活性成分を含有する軟質ゼラチンカプセル剤を形成する。このカプセル剤を洗浄し、乾燥させる。活性成分をポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物に溶解させ、水混和性医薬混合物を調製することができる。

〔即放性錠剤/カプセル剤〕
【0339】
これらは、慣用的プロセスおよび新規なプロセスによって作製される固形経口投薬形態である。これらの単位は、該医薬の即座の溶解および送達のために、水なしで経口摂取される。活性成分は、糖類、ゼラチン、ペクチンおよび甘味料などの成分を含有する液体中に混合される。このような液体を、フリーズドライおよび固相抽出手法によって固化させて、固形の錠剤またはカプセル剤にする。薬物化合物を粘弾性および熱弾性の糖類およびポリマーまたは発泡性成分とともに圧縮し、水が必要でない即放を意図した多孔質マトリックスを作製してもよい。
【0340】
一般的または具体的に記載した本発明の反応物および/または操作条件で、前述の実施例で使用したものを置き換えても、前述の実施例は、同様に好成績で繰り返すことができる。
【0341】
本発明を特定の化合物の作製に関して説明したが、当業者には、本発明の変形および修正が、本発明の精神または範囲から逸脱することなく行われ得ることが、すぐに自明となろう。
【0342】
上記の明細書中に挙げた刊行物および特許はすべて、引用により本明細書に組み込まれる。
【0343】
本発明記載の方法の種々の修正および変形は、当業者にとって、本発明の範囲および精神から逸脱することなしに自明であろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関して記載したが、特許請求の範囲に記載の発明は、かかる特定の実施形態に不当に限定されるべきでないことを理解されたい。実際、糖尿病および関連する分野の当業者に自明な、本発明を実施するための上記様式の種々の変形は、以下の特許請求の範囲に含まれるものとする。当業者には、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物が認識されようし、または常套的な範囲内の実験手法を用いて確認することができよう。かかる均等物は以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
Xは、NH、N(CH)、SまたはOであり;
およびRは、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、ハロ、OR、SR、NR、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、S(O)13、S(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、NO、またはCNであるか、あるいは
とRが一緒になって
【化2】

であり;
およびRは、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
、W、WおよびWは、各々独立して、CRまたはNであり、ここで、W、W、WおよびWのうち2以上がNであるとこはなく;
およびVは、各々独立して、O、CR、S、NH、またはNRであり、ただし、VまたはVの一方がO、S、NH、またはNRを表す場合、他方はCRであるものとし;
mは、3、4、5または6であり;
nは、0、1または2であり;
pは、1または2であり;
およびRは、各々独立して、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、アリール、またはヘテロシクリルであり;
は、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、ハロ、OR、SR、NR、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、S(O)13、S(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、−NO、またはCNであり;
は、各場合において独立して、
H、
非置換またはC〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、OH、ハロもしくはNRで1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、
O−C〜Cアルキル、
OH、
ハロ、あるいは
NRであるか、または
2つのRが一緒になってオキソを表していてもよい;
は、各場合において独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、または非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリルであり;
10は、各場合において独立して、ハロゲン、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ、およびベンゾイルオキシであり;
11は、各場合において独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ、およびベンゾイルオキシであり;
12は、各場合において独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、C〜Cアルコキシカルボニル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、アミノカルボニル、C1〜6アルキル−アミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル(該アルキル基は各々、独立して、1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルコキシ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルファモイル、フェノキシ、ホルミルオキシ、2〜7個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ、およびベンゾイルオキシであり;
13は、各場合において独立して、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR12で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRである。)
で表される化合物もしくはその互変異性体、またはその薬剤学的に許容し得る塩、エステル、もしくはエステルの塩、並びに、かかる化合物が対掌性を示す場合には、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得る。
【請求項2】
およびRが、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルケニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキニル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルケニル、ハロ、OR、SR、NR、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたアリール、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたヘテロシクリル、S(O)13、S(O)NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、NO、またはCNであるか、あるいは
とRが一緒になって
【化3】

である、請求項1の化合物。
【請求項3】
Xが、NH、N(CH)、SまたはOであり;
およびRが、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、ハロ、NH、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたフェニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたナフチル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換された1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたピリジル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたチエニル、もしくはNOであるか、または
とRが一緒になって
【化4】

であり;
並びに、mが、3、4、5または6である、
請求項1の化合物。
【請求項4】
およびRが、各々独立して、水素原子、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cアルキル、非置換もしくはR10で1もしくは2回以上置換されたC〜Cシクロアルキル、ハロ、NH、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたフェニル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたナフチル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換された1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたピリジル、非置換もしくはR11で1もしくは2回以上置換されたチエニル、もしくはNOであるか、または
とRが一緒になって
【化5】

である、請求項1の化合物。
【請求項5】
およびRが、各々独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、またはメチルピラゾールである、請求項1の化合物。
【請求項6】
が、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、もしくはカルバモイル(NH−CO−)であり、および/または
が、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、またはメチルピラゾールである、請求項1の化合物。
【請求項7】
が、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、もしくはカルバモイル(NH−CO−)であり、および/または
が、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、またはメチルピラゾールである、請求項1の化合物。
【請求項8】
とRが一緒になって−(CH−、−(CH−、−(CH−、または−(CH−である、請求項1の化合物。
【請求項9】
とRが一緒になって−(CH−または−(CH−である、請求項8の化合物。
【請求項10】
とRが一緒になって
【化6】

である、請求項1の化合物。
【請求項11】
Xが、NH、SまたはOである、請求項1の化合物。
【請求項12】
XがOである、請求項11の化合物。
【請求項13】
化合物が、式Ia:
【化7】

で表されるものである、請求項1の化合物。
【請求項14】
およびRが、各々独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、またはメチルピラゾールである、請求項13の化合物。
【請求項15】
が、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、もしくはカルバモイル(NH−CO−)であり、および/または
が、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、もしくはメチルピラゾールである、請求項13の化合物。
【請求項16】
が、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、およびカルバモイル(NH−CO−)であり、ならびに/または
が、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ナフチル、ピリジル、メチルピリジル、エチルピリジル、メトキシピリジル、エトキシピリジル、フルオロピリジル、クロロピリジル、アミノピリジル、シアノピリジル、ニトロピリジル、チエニル、メチルチエニル、フルオロチエニル、クロロチエニル、ピラゾール、もしくはメチルピラゾールである、請求項13の化合物。
【請求項17】
とRが一緒になって−(CH、−(CH−、−(CH−、または−(CH−である、請求項13の化合物。
【請求項18】
とRが一緒になって−(CH−または−(CH−である、請求項17の化合物。
【請求項19】
化合物が、式Ib:
【化8】

で表されるものである、請求項1の化合物。
【請求項20】
およびRが、各々独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、またはニトロフェニルである、請求項19の化合物。
【請求項21】
化合物が、式Ic:
【化9】

で表されるものである、請求項1の化合物。
【請求項22】
およびRが、各々独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、アミノフェニル、シアノフェニル、またはニトロフェニルである、請求項21の化合物。
【請求項23】
化合物が、式Id:
【化10】

で表されるものである、請求項1の化合物。
【請求項24】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルバモイル(NH−CO−)、またはメトキシピロリジニルである、請求項23の化合物。
【請求項25】
基が1つだけ存在し、前記1つのR基が、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項23の化合物。
【請求項26】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項23の化合物。
【請求項27】
化合物が、式Ie:
【化11】

で示されるものである、請求項1の化合物。
【請求項28】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)
である、請求項27の化合物。
【請求項29】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項27の化合物。
【請求項30】
化合物が、式If:
【化12】

で示されるものである、請求項1の化合物。
【請求項31】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項30の化合物。
【請求項32】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項30の化合物。
【請求項33】
化合物が、式Ig:
【化13】

で表されるものである、請求項1の化合物。
【請求項34】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項33の化合物。
【請求項35】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項34の化合物。
【請求項36】
化合物が、式Ih:
【化14】

で表されるものである、請求項1の化合物。
【請求項37】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項36の化合物。
【請求項38】
が、各場合において独立して、H、F、Cl、Br、シアノ、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アセチル、プロピオニル、アセトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはカルバモイル(NH−CO−)である、請求項36の化合物。
【請求項39】
化合物が、
4−[(4−クロロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)イソチアゾール−4−アミン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタ[c]ピラゾール、
4−{[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−ナフチル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
5’−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1−メチル−1H,2’H−3,3’−ビピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール
4−(イソチアゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
4−[(5−ブロモイソチアゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾール
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,5−ジヒドロイソクロメノ[4,3−c]ピラゾール
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−f]キノリン
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
7−ブロモ−3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1H−ピラゾール−5−アミン、および
その互変異性体、およびその薬剤学的に許容し得る塩、並びに
かかる化合物が対掌性を示す場合には、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得るものから選択されるものである、請求項1の化合物。
【請求項40】
化合物が、
4−[(4−クロロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)イソチアゾール−4−アミン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−イルカルボニル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタ[c]ピラゾール、
4−{[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−ナフチル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−14−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
5’−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1−メチル−1H,2’H−3,3’−ビピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−インダゾール
4−(イソチアゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
4−[(5−ブロモイソチアゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾール
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,5−ジヒドロイソクロメノ[4,3−c]ピラゾール
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−f]キノリン
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−−イルカルボニル)−7−[(3S)−3−メトキシピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール
7−ブロモ−3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、および
その互変異性体、およびその薬剤学的に許容し得る塩、並びに
かかる化合物が対掌性を示す場合には、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得るものから選択されるものである、請求項39の化合物。
【請求項41】
化合物が、
4−[(4−クロロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−(1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)イソチアゾール−4−アミン、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロオクタ[c]ピラゾール、
4−{[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(2−ナフチル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(3−チエニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−{[5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]カルボニル}−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
4−[(5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−イル)カルボニル]−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、
5’−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1−メチル−1H,2’H−3,3’−ビピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−7−メトキシ−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール、および
その互変異性体、およびその薬剤学的に許容し得る塩、並びに
かかる化合物が対掌性を示す場合には、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得るものから選択されるものである、請求項39の化合物。
【請求項42】
化合物が、
(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩、および
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール塩酸塩、および
その互変異性体、およびその薬剤学的に許容し得る塩、並びに
かかる化合物が対掌性を示す場合には、エナンチオマーの混合物もしくはジアステレオマーの混合物の形態であり得るか、または単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーの形態であり得るものから選択されるものである、請求項39の化合物。
【請求項43】
請求項1〜42のいずれか1項の化合物、および薬剤学的に許容し得る担体を含んでなる薬剤組成物。
【請求項44】
少なくとも1種類のさらなる活性薬剤をさらに含み、前記さらなる活性薬剤が、別のα−7アゴニスト、PDE4インヒビター、カルシウムチャネル遮断薬、ムスカリン性m1もしくはm2モジュレーター、アデノシン受容体モジュレーター、アンパカイン、NMDA−Rモジュレーター、mGluRモジュレーター、ドーパミンモジュレーター、セロトニンモジュレーター、カンナビノイドモジュレーター、コリンエステラーゼインヒビター、ADHDの処置のための薬剤、抗鬱薬、抗炎症剤、抗精神病薬、βセクレターゼモジュレーター、双極性障害用薬剤、GABA作動薬、γセクレターゼモジュレーター、ヒスタミンH3、キナーゼインヒビター、MAO−Bインヒビター、気分安定薬、5HT4調節剤、5HT6アンタゴニスト、またはα4β2調節剤である、請求項43の薬剤組成物。
【請求項45】
患者に、有効量の請求項1〜42のいずれか1項の化合物を投与することを含んでなる、精神病性疾患、コリン作動系の機能不全を伴う神経変性疾患、および/または記憶および/または認知障害の病状を患う患者の処置方法。
【請求項46】
前記患者が、統合失調症、不安、躁病、鬱病、または躁鬱病を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項47】
前記患者が、ツレット症候群、パーキンソン病、またはハンチントン病を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項48】
前記患者が、アルツハイマー病、レヴィー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、記憶障害、記憶喪失、認知欠陥、注意欠陥、または注意欠陥過活動性障害を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項49】
前記患者が、アルツハイマー病、ピック病、びまん性レヴィー小体病、進行性核上性麻痺(スティール−リチャードソン症候群)、多系統変性(シャイ−ドレーガー症候群)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む運動ニューロン疾患、、変性運動失調、大脳皮質基底核変性症、グアムのALS−パーキンソン痴呆複合、亜急性硬化性汎脳炎、ハンチントン病、パーキンソン病、シヌクレイン病、一次性進行性失語症、線条体黒質変性症、マチャド−ジョセフ病/脊髄小脳性運動失調3型、オリーブ橋小脳変性、ジル・ド・ラ・ツレット病、延髄麻痺、偽性延髄麻痺、脊髄性筋萎縮症、脊髄延髄性筋萎縮(ケネディ病)、原発性側索硬化症、家族性痙性対麻痺、ヴェルドニッヒ−ホフマン病、クーゲルベルク−ヴェランデル病、テイ−サックス病、ザントホフ病、家族性痙性疾患、ヴォールファルト−クーゲルベルク−ヴェランデル病、痙性不全対麻痺、進行性多病巣性白質脳障害、クロイツフェルト−ヤーコブ病、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー病、クールー、または致死性家族性不眠症を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項50】
前記患者が、脳虚血、脳梗塞、頭蓋内出血、または頭蓋内および脊椎内障害に起因する神経変性障害を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項51】
前記患者が、加齢性認知症もしくは他の認知症、または記憶喪失を伴う病状を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項52】
前記患者が、アルツハイマー病による記憶障害、加齢による軽度認知障害、統合失調症、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤーコブ病、鬱病、加齢、頭部外傷、脳卒中、CNS低酸素症、脳の老化、多発脳梗塞性認知症、HIV、または心血管疾患を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項53】
前記患者が、化学療法、腎臓透析、術後の外科処置、または双極性障害の結果としての記憶障害を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項54】
前記患者が、アルツハイマー病による認知症を患う患者である、請求項45の方法。
【請求項55】
前記患者が、遺伝性脳血管障害、非神経障害性遺伝性アミロイド、ダウン症候群、マクログロブリン血症、続発性家族性地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、多発性骨髄腫、膵臓および心臓関連アミロイドーシス、慢性血液透析関節症、フィンランド型アミロイドーシス、またはアイオワ型アミロイドーシスを患う患者である、請求項45の方法。
【請求項56】
患者に、有効量の請求項1〜42のいずれか1項の化合物を投与することを含んでなる、アルコール離脱のために患者を処置する方法、または抗中毒療法で患者を処置する方法。
【請求項57】
患者に、有効量の請求項1〜42のいずれか1項の化合物を投与することを含んでなる、ニコチン中毒、痛み、時差ぼけ、肥満および/または糖尿病を患う患者の処置方法、または患者に禁煙を促す方法。
【請求項58】
患者に、有効量の請求項1〜42のいずれか1項の化合物を投与することを含んでなる、炎症を患う患者の処置方法。
【請求項59】
前記炎症が、関節リウマチ、糖尿病、敗血症、自己免疫疾患、線維筋痛症、または潰瘍性大腸炎によるものである、請求項58の方法。

【公表番号】特表2011−500728(P2011−500728A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530191(P2010−530191)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/080743
【国際公開番号】WO2009/055437
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(502087242)メモリー ファーマシューティカルス コーポレーション (4)
【氏名又は名称原語表記】Memory Pharmaceuticals Corporation
【住所又は居所原語表記】100 Philips Parkway, Montvale, New Jersey 07645 USA
【Fターム(参考)】