説明

病人用食品を製造するための、低ポリアミン組成物の使用

本発明は、N−メチル−D−アスパレート受容体サブユニットNR2−Bを含む症候群または病理学と闘うために与えられる病人食を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを有するヒト用食品組成物の新規使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学の分野に関する。
【0002】
より的確には、本発明は、治療効果を有する可能性がある食品を製造するための、低ポリアミン食品組成物(polyamine-poor food composition)の新規使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ニューロンシナプスにあるN−メチル−D−アスパレート(NMDA)受容体は、7つの既知のサブユニット、すなわちNR1、NR2a、NR2b、NR2c、NR2d、NR3a、NR3bから成る。
【0004】
NMDA受容体、および特にNR2Bサブユニットは、ニューロン起源の様々な病態において重大な役割を果たすことが分かっている。これらの受容体の刺激は、ニューロン・アポトーシスを誘発し、その結果として神経変性疾患を引き起こす。これらの受容体はまた、痛みの知覚にも関与する(J.M.Loftis,A.Janowsky/Pharmacology & Therapeutics 97(2003)55−85参照)。
【0005】
しかし、NMDA受容体拮抗物質は精神異常発生性の副作用(幻覚、健忘および学習障害、精神運動障害等)を引き起こすため、それらの臨床使用には、非常に関心が低い。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、NMDA受容体のNR2Bサブユニットの機能を効果的に阻害するために、換言すると、重大な望ましくない作用を引き起こさないために、このような拮抗物質の使用に取って替わるものを提案することである。
【0007】
したがって、本発明の1つの目的は、このサブユニットの刺激によって引き起こされる神経変性疾患を治療するために使用することが可能な治療薬を提案することである。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、痛みに対する感受性増大および痛みの記憶の発生、ならびに結果として慢性の痛みの発生をブロックできる治療薬を提案することである。
【0009】
特に、本発明の1つの目的は、耐性過程を阻むことにより、オピオイド物質の鎮痛作用を回復させることができる治療薬を提案することである。
【0010】
モルフィン等のオピオイドは、強力でかつ広く使用されている鎮痛薬である。しかし、それらはまた、長期的には、長期痛覚過敏(侵害刺激に対する痛み知覚悪化)およびアロディニス(allodynies)(非侵害刺激に対する痛み知覚)を引き起こす可能性がある、痛みに対する過敏症を用量依存的に発生させる(いわゆる親侵害受容作用(pronociceptive effect))。この、痛みに対する感受性の増大は、鎮痛作用に対する耐性の発生に起因することもある(シモネ(Simonnet)ら、NeuroReport,2003,14,1−7)。
【0011】
これらの目的は、N−メチル−D−アスパレート受容体のNR2−Bサブユニットが関与している症候群または病態と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の新規な使用に関する本発明で、達成される。
【0012】
このようなヒト用食品組成物は、そのようなものとして知られており、また本出願人により発行されたWO−9500041号に記述されていることが分かるであろう。
【0013】
WO−9500041号では、これらの組成物は、鎮痛薬および食欲減退薬として、免疫系を刺激し、NK細胞の活性を刺激し、インターロイキン−2の内因的産生を刺激するための、抗悪性腫瘍薬(特に前立腺癌)として使用されている。
【0014】
このような食品組成物は、経腸方法により(換言すると、経口的に)投与することが可能であるが、たとえばプローブを使用して、非経口的経路により投与することも可能である。
【0015】
特に、ポリアミン、および特にプトレシン(I)、スペルミジン(II)およびスペルミン(III)が全細胞に存在することは、記憶に残るであろう。
+NH3−(CH24−NH3+ (I)
+NH3−(CH23−NH−(CH24−NH3+ (II)
+NH3−(CH33−NH−(CH34−NH−(CH23−NH3+ (III)
【0016】
これらの分子は、少しも生理学的役割を果たさず、組織の異化作用における最終段階を表すに過ぎないと長期にわたって考えられてきたが、オルニチンの脱炭酸化に由来するポリアミンが、細胞の生涯における様々な重要なレベルで作用することが可能な生物学的に活性な分子であることが、大量の科学的研究により示されている。
【0017】
細胞内で検出されるのみならず、血液等の、生物の体液中を循環しているこれらの分子は、3つの主要なソースに由来する:
−生理学的な細胞の増殖(生物を構成する細胞の増殖および/または再生)および腫瘍細胞の増殖
−食品
−腸内細菌
【0018】
さらに、
−低ポリアミン食品、
−α−DFMO、
−スペルミジンおよびスペルミンの、プトレシンへの酸化的レトロコンバージョン(oxidative retroconversion)を阻害するポリアミンオキシダーゼ(PAO)インヒビター、および
−ネオマイシンおよびメトロニダゾール、
を動物へ共同投与することで、ルイス(Lewis)肺癌3LL(サイラー(Seiler N,)ら、Cancer Research,1990,No,50,pp,5077−5083)、ヒト・グリア芽細胞種U251(ムーラニュー(Moulinoux)J−Phら、Anticancer Research,1991,No,11,pp,175−180)、前立腺ダニング(Dunning)MAT−LyLu腺癌(ムーラニュー(Moulinoux) J,Ph,ら、Journal of Urology,1991,No,146,pp,1408−1412)およびヒト神経芽細胞腫ニューロ2a(ケメナー(Quemener)ら「消化腸管内のポリアミン(Polyamines in the gastro−intestinal tract」、ダウリング(Dowling)R,H,,フェルシュ(Folsch)I,R,およびレーゼル(Loser)C編、クルワー・アカデミック・パブリッシャーズ・ボストン(Kluwer Academic Publishers Boston)、1992年,pp,375−385)の腫瘍進行が準全阻害(quasi-total inhibition)されることが、様々な研究により示された。
【0019】
また、ポリアミンの枯渇は、従来の抗腫瘍薬(メトトレキサート、シクロホスファミド、ビンデシン)の抗増殖作用を大幅に可能にして、動物の生存期間を延長することができ、また同じ抗腫瘍作用を維持しながら投与される薬剤の量を減少させることができることも、動物で明らかにされている(ケメナー(Quemener) V.ら、「ポリアミン枯渇は化学療法の抗腫瘍効果を増強する(Polyamine deprivation enhances antitumoral efficacy of chemotherapy」、Anticancer Research No.12,1992,pp.1447−1454)。
【0020】
したがって、本発明は、従来技術からは明白ではない、すなわちN−メチル−D−アスパレート受容体のNR2−Bサブユニットが関与している症候群または病態と闘うための、このような食品組成物の新規な使用を含むことを目的とする。
【0021】
神経系においては、ポリアミドの潜在的作用の1つは、N−メチル−D−アスパレート(NMDA)受容体のNR1サブユニットにある膜部位に作用することである。この受容体部位(ポリアミン部位)を活性化することにより、該ポリアミンは、やはりNR1サブユニットにあり、それ自身、NMDA受容体チャネルの作用のインヒビターである、プロトン(H+センサー・プロトン)に敏感な部位によって加えられる阻害を一掃する。この阻害の一掃は、サブユニットNR1とNR2Bとの間のアロステリック相互作用を可能にして、NMDA受容体のすぐれた機能を可能にする(トレインリスら(Traynelis)ら、Science,1995,268,873−876)。
【0022】
N−メチル−D−アスパレート受容体のNR2−Bサブユニットが関与している症候群および病態としては、下記のものが挙げられる:
−痛みの感受性および記憶の増大、および結果として慢性の痛みの発生;
−オピオイド鎮痛薬、たとえばモルフィンおよびモルヒネ様作用薬の鎮痛作用に対する耐性;
−アルツハイマー病;
−虚血;
−パーキンソン病;
−ハンティングトン舞踏病;
−癲癇;
−ウイルス感染後の認知症を含む、認知症;
−躁鬱病および他の多重人格症候群;
−中毒発生の可能性(toxicomanogenic potential)を有する様々な物質(アルコール、タバコ、薬物、など)への依存およびその結果としての脅迫的挙動;
−耳鳴り。
【0023】
したがって、本発明は、これらの病態または症候群を治療するために使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
好ましくは、本発明に従って使用される組成物は、約400ピコモル/g未満のプトレシン、約400ピコモル/g未満のスペルミジン、約400ピコモル/g未満のスペルミンおよび約400ピコモル/g未満のカダベリンを含有する。
【0025】
好ましくは、本発明に従って使用される組成物は、約400ピコモル/g未満、好ましくは約200ピコモル/g未満のポリアミンを含有する。
【0026】
本発明に従って使用される組成物は、約100ピコモル/g未満、好ましくは約50ピコモル/g未満のプトレシン、約100ピコモル/g未満、好ましくは約50ピコモル/g未満のスペルミジン、約100ピコモル/g未満、好ましくは約50ピコモル/g未満のスペルミン、および約100ピコモル/g、好ましくは約50ピコモル/g未満のカダベリンを含有することが有利である。この種の組成物は、最低のポリアミン含量を有する天然のヒト用食品より少なくとも17倍少ないプトレシン、40倍少ないカダベリン、70倍少ないスペルミジンおよび220倍少ないスペルミンを一日に供給するが、それでもなおヒト栄養必要量を満たす。
【0027】
一変形態様によれば、本発明に従って使用される組成物は、総乾燥重量のパーセンテージとして、10〜35乾燥重量%の脂質、8〜30%のタンパク質、35〜80%の糖質、および、ビタミン、ミネラルおよび電解質からなる10%までの混合物も含有する。
【0028】
このような組成物は、中性の媒体または使える状態にある液体に即座に溶解されるように、乾燥状態で提供されることが可能である。いかなる場合でも、該組成物は、無菌状態で提供される。
【0029】
このような組成物は、ヒトに特によく適合しており、また患者に摂取されるポリアミンの欠乏を効果的に作り出すことができる食物代用品を形成する。このような組成物は、第1にポリアミンの細胞内合成を阻害することにより、第2に外因性ポリアミンのインプットを減少させることにより、ポリアミンの欠乏を引き起こしながら、患者に申し分なく栄養を与えることができる。
【0030】
このような組成物は、ポリアミンの内因性合成を強力に阻害することができ、またその組成物が構成される異なる成分中に、ほとんど全く存在しないため、これらの化合物のインプットを非常に顕著に減少させることができる。腸内細菌によるポリアミン・インプットもまた減少させるために、抗生物質および/または抗寄生虫薬、たとえばネオマイシンおよびメトロニダゾール等を使用して、消化管の除染と同時にこの組成物を投与することもあり得る。本発明の枠から逸することなく、このような抗生物質および/または抗寄生虫薬を上記組成物中に直接含むことも可能であろう。
【0031】
本発明による食品組成物中に使用される栄養分は、病気の患者においてさえも、優れた栄養価を有する。
【0032】
本発明に従って使用される組成物を製造するために使用される水の量は、該組成物が、多かれ少なかれ液体であり、かつ患者により容易に消化され得るように決定される。
【0033】
ビタミン、ミネラルおよび電解質からなる該混合物の重量%は、バランスのとれた食事を形成する必要がある、当業者に周知の割合を満たすように選択される。
【0034】
好ましくは、本発明に従って使用される組成物は、100ピコモル/g未満のプトレシン、100ピコモル/g未満のスペルミジン、100ピコモル/g未満のスペルミンおよび100ピコモル/g未満のカダベリンを含有する。
【0035】
このような組成物は、ポリアミンの細胞内合成の少なくとも1種のインヒビターと一緒に投与することができる。
【0036】
本発明の興味深い一変形態様によれば、本発明に従って使用される組成物は、該組成物中に、重量基準で総乾燥重量の15%以下、好ましくは0.2〜7重量%で、ポリアミンの細胞内合成の少なくとも1種のインヒビターで強化されている。
【0037】
特に、使用可能なODCインヒビターは、下記の化合物の中から選択される:
リン酸ピリドキサールの拮抗物質
・L−カナリン
・N−(5′−ホスホピリドキシル)オルニチン
競合的インヒビター
・α−ヒドラジノ−オルニチン
・DL−α−ヒドラジノ−δ−アミノ吉草酸
・α−メチルオルニチン
・トランス−3−デヒドロ−DL−オルニチン
・1.4−ジアミノ−トランス−2−ブテン
・1.4−ジアミノブタノン
・レチノール、レチノイド、b−カロチン
・ポリフェノール
・ゲラニオール
・テルペン
・フラボノイド
・プロシアニジン
・レスベラトロール
ジアミンジアミンインヒビター
・1.3−ジアミノプロパン
・1.3−ジアミノ−2−プロパノール
・ビス(エチル)スペルミン
・グアニジノブチルアミン
自殺および不可逆的インヒビター
・2−ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)
・モノフルオロメチルオルニチン
・2−モノフルオロメチルデヒドロ−オルニチン
・2−モノフルオロメチルデヒドロ−オルニチンメチルエステル
・5−ヘキシン−1.4−ジアミン
・トランス−ヘキス−2−エン−5−イン−1,4−ジアミン
・モノフルオロメチルプトレシン
・ジフルオロメチルプトレシン
・α−アレニルプトレシン
・(2R,5R)−6−ヘプチン−2,5−ジアミン
【0038】
これらのインヒビターの中で、競合的インヒビターが特に好ましく、特にα−メチルオルニチン(α−MO)が好ましい。
【0039】
α−メチルオルニチンは、本明細書で提案する枠内で、多くの利点を有する。α−MOは、天然の容易に合成可能な化合物であり、かつ高い阻害定数を持つという利点を有する。
【0040】
α−メチルオルニチンはまた、腸管に自然に住みついている最も一般的な細菌である、大腸菌(Escherischia coli)におけるポリアミンの合成を阻害するという利点も有し、これは特に、α−DFMOでは当てはまらない。
【0041】
したがって、ポリアミンの細胞内合成のインヒビターとしてα−メチルオルニチンを含有する本発明による食品組成物の使用は、この組成物の投与と同時に抗生物質治療を使用せずに、または少なくとも抗生物質の投与量を減少させることにより、腸内細菌によるポリアミンの外因的インプットを減少させることができる。
【0042】
最後に、α−MOは、デカルボキシラーゼ・オルニチンの単純な競合的インヒビターであり、細胞抵抗性を増大させる突然変異によって生物が慣れるリスクを強く減少させるという利点を有する。
【0043】
一変形態様によれば、本発明による組成物の使用は、ビタミン、特に健康なヒトで腸内細菌により加えられるビタミンで強化される。上記組成物の投与と一緒に行うことができる抗生物質治療はまた、幾らかのビタミンのインプットを減少させる可能性がある。この場合、上記組成物の長期投与に続くビタミン欠乏を誘発させないために、使用される組成物を、これらのビタミンで強化することが必要な可能性がある。特に、組成物中のビタミンまたはビタミン誘導体を強化することが有用な可能性がある。ビタミンA(レチノイン酸)の幾つかの誘導体は、ODC活性のインヒビターである。
【0044】
好ましくは、使用される組成物中の糖質は、グルコースポリマー、マルトデキストリン、サッカロース、加工でんぷん、グルコース一水和物、無水グルコースシロップ、モノステアリン酸グリセロールおよびこれらの製品の混合物を含む群に属する。このような糖質は、消化器の病気の患者でさえも、実際に消化しやすい。
【0045】
本発明の一変形態様によれば、使用されるタンパク質は、乳可溶性タンパク質、大豆タンパク質、血清ペプチド、粉末卵黄、カリウムカゼイネート、非リン酸化ペプチド、カゼインペプチド、混合カゼイネート、大豆分離物およびこれらの製品の混合物を含む群に属する。
【0046】
好ましくは、脂質は、バターオイル、ピーナッツ油、中鎖トリグリセリド、ブドウ種子油、大豆油、月見草油およびこれらの製品の混合物を含む群に属する。上記脂質は、少なくとも1つ動物油、少なくとも1つ植物油およびステアリン酸グリセロールからなる混合物からなることが有利である。
【0047】
本発明の一変形態様によれば、本発明に従って使用される組成物は、人間の1日の食料を形成し、また、
場合によって、50g未満、好ましくは1〜10gの含有量の、ポリアミンの細胞内合成の上記インヒビター、
75g〜500gの糖質、
20g〜185gの脂質、
20g〜225gのタンパク質
人間の1日の栄養必要量を満たすのに十分な量のビタミン、ミネラルおよび電解質
を含む。
【0048】
使用されるビタミン、ミネラルおよび電解質の量は、当業者に周知であり、また文献中に容易に見出すことが可能である(たとえば「Apports nutritionnels conseilles(Recommended nutritional inputs(推奨される栄養インプット))」,デュパン(Dupin),アブラハム(Abraham)およびジアケッチ(Giachetti)、2版1992年、編。TEC& DOCラボアジェ(Lavoisier))。
【0049】
このような組成物は単独で、患者の1日の栄養必要量を満たし、同時に、ポリアミンの細胞内合成および外因的インプットを減少させることができる。このような組成物はまた、それ自体、完全食品である。
【0050】
明らかに、このような組成物は、一度に全部というよりむしろ、同じ日の間に数回の摂取で投与されることもあり得る。次いで、各々の糧食は、人間の1日の食料の約数となるように重量で明確に定められ、
場合によって、50/X g未満、好ましくは1/X〜10/X gの含有量を有する、ポリアミンの細胞内合成の上記インヒビター、
75/X g〜500/X gの糖質、
20/X g〜185/X gの脂質、
20/X g〜225/X gのタンパク質
人間の1日の栄養必要量を部分的に満たすのに十分な量のビタミン、ミネラルおよび電解質、
を含む。
【0051】
Xは、1日の栄養必要量を満たすために、患者により摂取される糧食の数に対応する2〜8の整数である。
【0052】
このような糧食の数は、患者の1日の食物必要量を十分に満たすように選択してもよく、または患者の栄養必要量の一部のみに該当するように選択し、これらの必要量の残りは、自然の低ポリアミン食品(たとえばハムおよびパスタまたはコメ)により供給されてもよい。
【0053】
この場合、該食品組成物は、補助食品として使用されるであろう。
【0054】
低ポリアミン食餌のラットへの使用が、痛みの感受性および記憶の増大、および結果として慢性の痛み発生に対処し、またモルフィンおよびモルヒネ様作用薬であるとして分類される他の物質の有効性を回復する手段を提供することを決定するために、本発明者は、様々な操作を実施した。
【0055】
NMDA受容体におけるポリアミンの考え得る作用機序に基づいて、本発明者は、NR1分画のポリアミン部位を活性化することにより、またはポリアミンの類縁体のように作用することができるこのサブユニット(カセットN1)を形成する21アミノ酸のループの空間的立体配置を一部変えることにより、該細胞外ポリアミンは、侵害の流入によって誘導されるNMDA受容体のNR2Bサブユニットのリン酸化の進行において重大な役割を果たすという結論を下した。したがって、ポリアミンの外因的ソースの減少が、痛みの感受性および記憶増大への過程に対して特有の影響力を有するかどうかを確認しようとした。
【0056】
これを行うために、チューボー(Cheauveau)ら(Arch.Sci.Physiol.,1951,5,305−322)の提言に従って、先に記載した(カーゴジーン(Kergozien)ら、Life Sci.1996,58,2209−15)ように合成され、かつラットの1日の栄養必要量を満たす、ポリアミン含量が非常に低い固体飼料(飼料kg当たり10μg未満のポリアミン)を、スピローグ・ドーリー(Sprague−Dawley)ラットに与えた。この飼料は、図面上に、「低PA飼料」で表示されている。
【0057】
同じ飼料に加えて、齧歯類用標準飼料中に存在するポリアミン濃度で、54mg/kgのプトレシン、27mg/kgのスペルミジンおよび7mg/kgのスペルミンも、対照動物に与えた。この食餌は、図面上に、「標準食餌」として表示されている。
【0058】
同時に、飲料水中、2g/Lのネオマイシンをラットに投与した。
【0059】
第1段階では、従来の足圧試験を使用して、痛みに対する感受性に及ぼす低ポリアミン食餌の影響を、標準ラットで試験し、次いで、ラットの鋭い叫び声を測定した(ランダル(Randal)およびセリート(Sellito)試験変法、カイザー(Kayser)ら、1990,508,329−332)。
【0060】
7日間のポリアミン・ゼロ飼料後に、侵害閾値の変化は全く認められなかった。より精密には、低ポリアミン食餌前には、280gの質量に相当する足への圧力で、また10日間の低ポリアミン食餌後には、281gの圧力で、侵害閾値が確認された。
【0061】
したがって、低ポリアミン食餌は、それ自体は鎮痛作用を発揮しないことが証明された。
【0062】
同時に、この低ポリアミン食餌は、従来の遠隔測定記録によって評価した、試験ラットの自発夜行性および日周運動活性に対して影響を及ぼさないことが確認された。
【0063】
同時に、このような食餌はまた、従来の空間認知試験により評価されるラット記憶容量にほとんど影響を及ぼさない。
【0064】
試験ラットで、体温の変化も体重の変化も認められなかった。
【0065】
このように、NMDA受容体の拮抗物質とは違って、数日間与えられる低ポリアミン食餌は、ラットで、顕著な精神異常発生性副作用を引き起こさない。
【0066】
第2段階で、本発明者は、1%のカラギーナン(CAR)を含む食塩水を、動物の足に連続的に2回行った注射(0.2ml)の作用を比較することにより、痛みに対する感受性の発生過程における低ポリアミン食餌の因果関係を研究した。痛みに対する感受性は、ランダル・セリート試験(Randall Selitto test)を使用して評価し、また痛みの程度は、ひずみゲージシステムを使用して、ラットの後ろ足に対する体位性圧力への変化を定量的に評価する独自の試験(姿勢のアンバランス試験(Postural Unbalance test))で評価した(リバー(Rivat)ら、2002,World Congress on Pain Abstract,10,381−382)。本試験は鎮痛作用(後ろ足での姿勢のアンバランス)の定量的評価であるため、痛みに対する感受性(侵害閾値)を評価するだけの、ほとんどの従来の試験の場合のように短時間で不連続の実験的侵害刺激を使用することを必要とせずに、この試験を使用して自発的痛みレベルを評価できることに、この試験の利点がある。この試験の第2の利点は、本試験は診療所の人の場合と同じ方法で、提唱された鎮痛治療の本当の効果を定量的に評価できることである。
【0067】
図1aおよび図1bに示す通り、第1回カラギーナン注射の間に記録された侵害閾値または痛みレベルに対する作用はない(炎症前に低ポリアミン食餌を7日間受けたラットにおけるDO)。しかし、低ポリアミン食餌が7日間以上与えられていたとき、痛みに対する過敏症および後日確認された痛みの程度の増大は、通常に給餌されたラットで確認されたものより有意に低かった。
【0068】
したがって、第2回カラギーナン注射(図1a「D7」)の前日に低ポリアミン食餌を中止したラットでは、低ポリアミン食餌を予め受けていたラットで、第2回炎症刺激後の痛覚過敏(痛みに対する感受性)の増大は完全に排除された。したがって、低ポリアミン食餌は、第1回カラギーナン注射および第2回カラギーナン注射に付随する痛覚過敏を防止する。
【0069】
このことから、抗炎症作用が全くない低ポリアミン食餌が、連続的な炎症性侵害刺激によって通例生じる痛みに対する感受性の発生を阻み、したがって記憶を遅らせることが分かる。
【0070】
第3段階では、ブレナン(Brennan)らのモデル(Pain 1996,64,493−501)に従って切開し、ヒト臨床治療で広く使用されているオピオイド(フェンタニル)で処置した、外科型切開痛みモデルにならって、ラットで、低ポリアミン食餌の作用を試験した。
【0071】
図2a〜2dで見てとれるように、低ポリアミン食餌は、炎症性痛みおよび切開痛みの両者に誘導された、長期痛覚過敏増大を、フェンタニルにより完全に排除する。この予防効果は、痛みに対する感受性(ランダル・セリート試験(Randall-Selitto test)、図2a−b)の観点でも、痛みレベル(姿勢のアンバランス試験(Postural Unbalance Test),図2c−d)の観点でも認められる。
【0072】
第4段階で(図4a〜4d参照)、フロイントアジュバント(CFA)の注射で誘発された、持続的に確立された単関節炎の痛み(バトラー(Butler)ら、Pain,1992,48,73?81)または坐骨神経の結紮による神経障害性の痛み(ベネット(Bennet)およびシェ(Xie),Pain,1988,33,87−107)に罹患しているラットで、該試験を実施した。神経障害性の痛みは、モルフィンに完全に抵抗する訳ではないが、モルフィンまたはその誘導体に非常に敏感ではないと認識されていることを知っていながら、低用量のモルフィンの効果もこれらの動物モデルで試験した。
【0073】
これらの試験から、低ポリアミン食餌を受けているラットで、痛みに対する感受性(侵害閾値、(ランダル・セリート試験(Randall-Selitto test))および痛みの知覚(姿勢のアンバランス試験)は、数日以内に有意に低下したことが分かる。さらに、該低ポリアミン食餌は、特に神経障害性の痛みラットで、低用量のモルフィンの効果を改善した。
【0074】
本発明による低ポリアミン組成物の使用によって、ヒトにおける、オピオイド物質、たとえばモルフィンの鎮痛作用を回復させることが可能であろうと考えることができるかもしれない。
【0075】
図3を参照しながら、炎症性刺激を受けたまたは受けなかった、低ポリアミン食餌を給餌されたまたは給餌されなかった、およびフェンタニル処置を受けたまたは受けなかった、動物の下部脊椎から、脊髄(領域L4−L5)由来のタンパク質を抽出した。電気泳動の上部に位置するスポット(1)は、抗NR2B抗体の存在下で、免疫沈降により抽出されるタンパク質に相当するタンパク質バンドを示し、次いで、PY−99抗ホスホチロシン抗体の存在下で示した。下部に位置するスポット(2)は、(1)の場合と同様に抽出されたタンパク質の免疫反応性を示し、今回は、抗NR2B抗体により露呈されたが、これらのタンパク質は、抗ホスホチロシン抗体PY−99と予め反応していた。ヒストグラムは、(2)と比較した、異なる処理中の、NMDA受容体のNR2Bサブユニットのチロシン残基のリン酸化強度(1)を表す。無地の柱は、(先に記載したように)ポリアミンを含有する飼料を給餌された対照動物に対応し;黒い柱は低ポリアミン食餌を給餌された動物に対応する。結果は、平均値±標準誤差(SEM)で表される(*)p<0.05。
【0076】
このように、低ポリアミン食餌は、カラギーナンの注射により誘発される炎症性の痛みにより誘導される、NMDA受容体のNR2Bサブユニットのリン酸化の増加を完全に排除した。
【0077】
NMDA受容体のNR2Bサブユニットのリン酸化に関連した痛み成分に対する過敏症を低減させることにより、また痛みそれ自身を排除せずに、長期的には様々な種類の痛み症候群の管理を改善することができる非侵襲的栄養療法という関係で、本発明による低ポリアミン組成物を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1a】本発明者が使用したランダル(Randal)およびセリート(Sellito)試験変法の異なる結果を表すグラフを示す。
【図1b】本発明者が使用した「姿勢のアンバランス」試験の結果を表すグラフを示す。
【図2a】本発明者が使用したランダル(Randal)およびセリート(Sellito)試験変法の異なる結果を表すグラフを示す。
【図2b】本発明者が使用したランダル(Randal)およびセリート(Sellito)試験変法の異なる結果を表すグラフを示す。
【図2c】本発明者が使用した「姿勢のアンバランス」試験の結果を表すグラフを示す。
【図2d】本発明者が使用した「姿勢のアンバランス」試験の結果を表すグラフを示す。
【図3】低ポリアミン食餌の消費が、MDA受容体のNR2Bサブユニットのチロシン残基のリン酸化レベルに及ぼす影響を表す、電気泳動ゲルおよびグラフを示す。
【図4a】本発明者が使用したランダル(Randal)およびセリート(Sellito)試験変法の異なる結果を表すグラフを示す。
【図4b】本発明者が使用したランダル(Randal)およびセリート(Sellito)試験変法の異なる結果を表すグラフを示す。
【図4c】本発明者が使用した「姿勢のアンバランス」試験の結果を表すグラフを示す。
【図4d】本発明者が使用した「姿勢のアンバランス」試験の結果を表すグラフを示す。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−メチル−D−アスパレート受容体のNR2−Bサブユニットが関与している症候群または病態と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の使用。
【請求項2】
痛みの感受性および記憶の増大、ならびに結果として慢性的な痛み発生と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
オピオイド鎮痛薬の鎮痛作用に対する耐性と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
アルツハイマー病と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
虚血と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
パーキンソン病と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
ハンティングトン舞踏病と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
癲癇と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
ウイルス感染後の認知症を含む認知症と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
躁鬱病および他の多重人格症候群と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
中毒発生の可能性を有する物質への依存と闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項12】
耳鳴りと闘うように設計された治療用食品を製造するための、1600ピコモル未満のポリアミンを含有するヒト用食品組成物の、請求項1に記載の使用。
【請求項13】
前記組成物が、約400ピコモル/g未満のプトレシン、約400ピコモル/g未満のスペルミジン、約400ピコモル/g未満のスペルミンおよび約400ピコモル/g未満のカダベリンを含有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
前記組成物が、約400ピコモル/g未満、好ましくは約200ピコモル/g未満のポリアミンを含有することを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記組成物が、約100ピコモル/g未満、好ましくは約50ピコモル/g未満のプトレシン、約100ピコモル/g未満、好ましくは約50ピコモル/g未満のスペルミジン、約100ピコモル/g未満、好ましくは約50ピコモル/g未満のスペルミン、および約100ピコモル/g未満、好ましくは約50ピコモル/g未満のカダベリンを含有することを特徴とする、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記組成物が、総乾燥重量のパーセンテージとして、10〜35乾燥重量%の脂質、8〜30%のタンパク質、35〜80%の糖質、ならびにビタミン、ミネラルおよび電解質からなる10%までの混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
前記組成物が、前記組成物の総乾燥重量の15%以下の含量で、ポリアミンの細胞内合成に対する少なくとも1種のインヒビターで強化されていることを特徴とする、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記組成物が、重量基準において、前記組成物の総乾燥重量の0.2〜7%の含量で、前記インヒビターで強化されていることを特徴とする、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記インヒビターが、デカルボキシラーゼオルニチンの競合的インヒビターであることを特徴とする、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記組成物の前記競合的インヒビターが、α−メチルオルニチンであることを特徴とする、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記組成物が、少なくとも1種の抗生物質を含有することを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
前記組成物が、ビタミンで強化されていることを特徴とする、請求項1〜21のいずれかに記載の使用。
【請求項23】
前記組成物中の前記糖質が、グルコースポリマー、マルトデキストリン、サッカロース、加工でんぷん、グルコース一水和物、無水グルコースシロップ、モノステアリン酸グリセロールおよびこれらの製品の混合物を含む群に属することを特徴とする、請求項16〜22のいずれかに記載の使用。
【請求項24】
前記組成物中の前記タンパク質が、乳可溶性タンパク質、大豆タンパク質、血清ペプチド、粉末卵黄、カリウムカゼイネート、非リン酸化ペプチド、カゼインペプチド、混合カゼイネート、大豆分離物およびこれらの製品の混合物を含む群に属することを特徴とする、請求項16〜23のいずれかに記載の使用。
【請求項25】
前記組成物中の前記脂質が、バターオイル、ピーナッツ油、中鎖トリグリセリド、ブドウ種子油、大豆油、月見草油およびこれらの製品の混合物を含む群に属することを特徴とする、請求項16〜24のいずれかに記載の使用。
【請求項26】
前記組成物中の前記脂質が、少なくとも1種の動物油、少なくとも1種の植物油およびステアリン酸グリセロールの混合物を含むことを特徴とする、請求項16〜25のいずれかに記載の使用。
【請求項27】
前記組成物が、人間の1日の食料を形成し、
75g〜500gの糖質、
20g〜85gの脂質、
20g〜225gのタンパク質、
人間の1日の栄養必要量を満たすのに十分な量のビタミン、ミネラルおよび電解質
を含むことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の使用。
【請求項28】
前記組成物が、人間の1日の食料を形成し、
50g未満、好ましくは1〜10gの、ポリアミンの細胞内合成に対する前記インヒビター、
75g〜500gの糖質、
20g〜185gの脂質、
20g〜225gのタンパク質
人間の1日の栄養必要量を満たすのに十分な量のビタミン、ミネラルおよび電解質
を含むことを特徴とする、請求項1〜27のいずれかに記載の使用。
【請求項29】
前記組成物が、人間の1日の食料の約数であること、および、前記組成物が、
75/X g〜500/X gの糖質、
20/X g〜185/X gの脂質、
20/X g〜225/X gのタンパク質
人間の1日の栄養必要量を部分的に満たすのに十分な量のビタミン、ミネラルおよび電解質
を含み、
Xは、1日の栄養必要量を満たすために、患者により摂取される糧食の数に対応する2〜8の整数であること
を特徴とする、請求項1〜28のいずれかに記載の使用。
【請求項30】
前記組成物が、人間の1日の食料の約数であること、および、前記組成物が、
50/X g、好ましくは1/X〜10/X gの、ポリアミンの細胞内合成に対する前記インヒビター、
75/X g〜500/X gの糖質、
20/X g〜185/X gの脂質、
20/X g〜225/X gのタンパク質
人間の1日の栄養必要量を部分的に満たすのに十分な量のビタミン、ミネラルおよび電解質
を含み、
Xは、1日の栄養必要量を満たすために、患者により摂取される糧食の数に対応する2〜8の整数であること
を特徴とする、請求項1〜28のいずれかに記載の使用。
【請求項31】
前記組成物は、中性媒体に即座に溶解されるように乾燥状態で提供されることを特徴とする、請求項1〜30のいずれかに記載の使用。
【請求項32】
前記組成物は、前記組成物を使える状態にする中性媒体を含むことを特徴とする、請求項1〜31のいずれかに記載の使用。

【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−500687(P2007−500687A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521612(P2006−521612)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001962
【国際公開番号】WO2005/020974
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(503261111)ユニヴェルシテ・ドゥ・レンヌ・1 (9)
【出願人】(506034732)ユニヴェルシテ・ヴィクトル・セガレン・ボルドー・2 (2)
【Fターム(参考)】