説明

痩身用組成物

【課題】 マテと併用することにより、痩身効果が相乗的に向上する痩身用組成物を提供する。
【解決手段】 痩身用組成物において、ニガリ、ヒバマタ、ショウガから選択される1種または2種以上と、マテを併用することにより、痩身効果が相乗的に向上した。痩身用組成物は、外用用途、経口用途を問わず用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた痩身効果を発揮する、痩身用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、痩身効果を目的としてカフェイン、常春ツタ抽出物、ハマメリス抽出物、緑茶抽出物、紅茶抽出物、ウーロン茶抽出物、海藻抽出物等の薬効成分が痩身用組成物に配合されている。最近では、マテ茶を有効成分とする糖尿病の各種の合併症を防ぐアルドースレダクターゼ阻害剤(特許文献1参照)、ショウキョウチンキを含有するゲル状温熱マッサージ料(特許文献2参照)、セイヨウキズタエキス、ヒバマタエキスとパセリ抽出物を含有する痩身用化粧料(特許文献3参照)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−255837号公報
【特許文献2】特開平11−12126号公報
【特許文献3】特開2004−59520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの薬効成分を配合した痩身用組成物では、薬効成分の効果が十分でなかったり、あるいは、薬効を得るのに十分な量を配合すると、使用感が損なわれたり、変臭・変色など剤型の安定性に問題が有り、その改善が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、マテと、特定の痩身有効成分を併用して用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、ニガリ、ヒバマタ、ショウガから選択される1種または2種以上と、マテを含有する、痩身用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優れた痩身効果を有し、皮膚外用剤、飲食物等幅広い分野で応用することが可能な、痩身用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
本発明の痩身用組成物は、ニガリ、ヒバマタ、ショウガから選択される1種または2種以上と、マテを含有する。
【0010】
上記の成分に関して次に説明する。
【0011】
ニガリは、海水から食塩を製造するにあたり食塩を晶出させた後の液若しくはその乾燥物、若しくは人為的にミネラル分を混合したものを用いる。ニガリの組成は、産地、製塩法(イオン交換膜法、天日法、塩田法若しくは蒸発法)の相違、食塩晶出時の温度、食塩晶出時の食塩濃度及び圧力その他の条件によって変わってくるが、海水を原料として調製したニガリは、高い効果が得られる。
【0012】
ヒバマタは、ヒバマタ科に属する褐藻の一種で、ヒバマタ属に属する藻類であれば種類を問わない。使用部位は、全藻を用いることが簡便である。
【0013】
本発明で使用するショウガ(Zingiber officinale ROSCOE)は、ショウガ科に属する植物で、その根茎を用いる。
【0014】
本発明で使用するマテ(Ilex paraguarienesis)は、モチノキ科に属する植物で、マテ茶はその葉から製造され飲用に供されているもので、本発明においてはその葉が利用される。
【0015】
本発明においては、上記植物、藻類を用いる。上記植物、藻類は、そのまま粉砕して使用することもできるが、抽出物を用いることもできる。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬するか、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0016】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1、3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いてもよい。また、オートクレーブなどを用いて、加圧下で抽出することも可能である。
【0017】
植物、藻類の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもでき、これらの生理作用を損なわない範囲で脱色、脱臭、脱塩等の精製処理やカラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。バショウ属植物葉の前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。
【0018】
本発明の痩身用組成物は、ニガリ、ヒバマタ、ショウガから選択される1種または2種以上と、マテを併用することにより、痩身効果が相乗的に向上する。本発明の痩身用組成物において、マテとニガリ、ヒバマタ、ショウガから選択される1種または2種以上の配合比は特に限定されず、マテ1質量部に対し、ニガリ、ヒバマタ、ショウガから選択される1種または2種以上が0.01〜100質量部の範囲である。
【0019】
本発明の痩身用組成物は、痩身用皮膚外用剤のほか、痩身用経口剤としても利用することができる。
【0020】
痩身用外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系、クリームや乳液などの乳化系、カラミンローション等の分散系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填したエアゾール、軟膏剤、粉末、顆粒などの種々の剤型で提供することもできる。本発明の痩身用組成物を外用剤に配合する際の配合量は、外用剤の種類や使用目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して0.0001〜50.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜25.0質量%である。
【0021】
なお、痩身用組成物を配合する外用剤には、痩身用組成物の他に、必要に応じて、通常医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪用化粧料及び洗浄料に配合される、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤、香料、樹脂、防菌防黴剤、アルコール類等を適宜配合することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、他の保湿剤、細胞賦活剤、あるいは抗酸化剤との併用も可能である。
【0022】
本発明の痩身用組成物は、医薬部外品、飲食物等の成分、食品添加物などとして使用し、痩身用経口剤することできる。当該使用により、本発明の痩身効果を有する当該痩身用組成物の日常的および継続的な摂取が可能となる。本発明の痩身用組成物が食品素材として使用される例としては、痩身効果または予防効果を有する機能性食品、健康食品、一般食品(ジュース、菓子、加工食品等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。
【実施例】
【0023】
以下に本発明の痩身用組成物に使用する植物・藻類の抽出物の製造例、各作用を評価するための試験、皮膚外用剤や食品としての処方例、使用試験についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0024】
[抽出方法1]
植物・藻類の乾燥粉砕物100gを、2.0kgの50容量%エタノール水溶液に、分散させ、撹拌しながら室温にて2時間抽出した。抽出上清を濾別したのち、減圧濃縮後、凍結乾燥を行い、抽出物を得た。
【0025】
[抽出方法2]
植物・藻類の乾燥粉砕物100gを、2.0kgの熱水で20分間加熱抽出した。抽出上清を濾別したのち、凍結乾燥を行い、抽出物を得た。
【0026】
植物・藻類の抽出物の製造例を、表1にまとめた。
【0027】
【表1】

【0028】
上記製造例を用いた痩身用組成物を配合した処方例を示す。
【0029】
[処方例1] マッサージパック
(1)濃グリセリン 全量が100となる量(質量%)
(2)精製水 0.80
(3)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.33
(4)カルボキシビニルポリマー 0.08
(5)パラオキシ安息香酸エステル 0.10
(6)ポリエチレングリコール400 8.00
(7)ジメチルポリシロキサン 3.00
(8)モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20E.O.) 2.50
(9)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.40
(10)香料 0.05
(11)製造例1(マテ) 0.05
(12)表2に示す成分 0.05
製法:(1)〜(11)の成分を、混合均一化して、マッサージパックを調製する。
【0030】
【表2】

【0031】
処方例1に示したマッサージパック処方において、表2に示す成分を配合し、実施例1〜8にかかるマッサージパックを調製した。また同時に同処方において、成分(11)、(12)を表2に示す成分に代替した比較例を調製した。
【0032】
実施例1〜8並びに比較例1〜9を用いて使用試験を行った。使用試験は、肥満を気にする20〜50才の男女計10名を一群として、実施例若しくは比較例をブラインドにて1日1回2週間使用させ、使用前後のウェストを測定した。結果を表3にまとめる。
判定基準
平均3.0cm以上減少:◎
平均1.0cm以上3.0cm未満減少:○
使用前後のサイズの変化が平均1.0cm未満:△
平均1.0cm以上増加:×
【0033】
【表3】

【0034】
表3に示した通り、本発明の実施例は全て良好な痩身効果を発揮していた。これに対し、比較例は、有効成分を対応する実施例の3倍量含有しているにもかかわらず、その痩身効果は実施例ほどではなかった。すなわち、本願発明の痩身用組成物においては、ガラナと特定の成分を併用することにより、痩身効果が相乗的に向上していることは明らかである。
【0035】
[処方例2] 温感マッサージ
(1)グリセリン 88.97(質量%)
(2)エタノール 0.12
(3)カラギーナン 0.23
(4)キサンタンガム 0.23
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.05
(6)香料 0.20
(7)無水ケイ酸 10.00
(8)製造例1(マテ) 0.10
(9)製造例2(ヒバマタ) 0.10
製法:全成分を、混合均質化して、温感マッサージを調製する。
【0036】
[処方例3] エアゾール型マッサージ料
(1)2−アルキル−N−カルボキシメチル 0.375(質量%)
−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
(2)l−メンチルグリセリルエーテル 0.025
(3)アラントイン 0.005
(4)エタノール 3.750
(5)クエン酸 0.005
(6)グリチルリチン酸ジカリウム 0.005
(7)製造例1(マテ) 0.007
(8)製造例2(ショウガ) 0.005
(9)精製水 20.823
(10)イソブタン(噴射剤) 75.000
製法:イソブタン以外の全成分を混合,均質化した後、イソブタンと共にエアゾール容器に充填する。
【0037】
[処方例4] ボディジェル
(1)1,3−ブチレングリコール 2.00(質量%)
(2)2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.30
(3)l−メンチルグリセリルエーテル 0.01
(4)キサンタンガム 0.50
(5)ポリエチレングリコール1540 1.00
(6)ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油 0.20
(7)製造例1(マテ) 0.05
(8)ニガリ 0.05
(9)香料 0.10
(10)エタノール 40.00
(11)精製水 55.79
製法:全成分を、混合均質化して、ボディジェルを調製する。
【0038】
[処方例5] 固形石鹸
(1)セッケン素地 96.000(質量%)
(2)アルギン酸ナトリウム 0.004
(3)エデト酸四ナトリウム四水塩 0.200
(4)クエン酸 0.020
(5)乳酸 0.010
(6)製造例1(マテ) 0.010
(7)製造例2(ヒバマタ) 0.010
(8)精製水 3.746
製法:全成分を、混合均質化後、プレス成形して固形石鹸を調製する。
【0039】
[処方例12]入浴剤
(1)香料 0.300(質量%)
(2)製造例1(マテ) 0.010
(3)製造例3(ショウガ) 0.010
(4)炭酸水素ナトリウム 49.000
(5)硫酸ナトリウム 50.680
製法:全成分を、均一に混合する。
【0040】
[処方例15]飲料
(1)製造例1(マテ) 0.01(質量%)
(2)製造例3(ショウガ) 0.01
(3)ニガリ 0.01
(4)エリスリトール 1.00
(5)クエン酸 0.10
(6)ステビア 0.05
(7)精製水 98.82
製法:全成分を、均一に混合する。
【0041】
[処方例16]錠剤
(1)製造例1(マテ) 0.01(質量%)
(2)製造例3(ショウガ) 0.01
(3)ニガリ 0.01
(4)ステアリン酸マグネシウム 0.01
(5)乳糖 0.26
製法:全成分を混合し、打錠機にて打錠し、直径10mm、重量300mgの錠剤とする。
【0042】
[処方例17]散剤
(1)製造例1(マテ) 0.01(質量%)
(2)製造例3(ショウガ) 0.01
(3)ニガリ 0.01
(7)還元乳糖 3.00
(8)大豆オリゴ糖 3.00
(9)エリスリトール 3.00
(10)デキストリン 81.00
(11)精製水 9.97
製法:全成分を混合し、スプレードライを行い散剤とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニガリ、ヒバマタ、ショウガから選択される1種または2種以上と、マテを含有する、痩身用組成物。

【公開番号】特開2008−69133(P2008−69133A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251552(P2006−251552)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】