説明

発光ダイオード点灯回路、照明装置及び液晶表示装置

【課題】発光ダイオードの開放不良(オープン不良)時に、簡単な構成により直列接続された発光ダイオードの一例全てが不点灯となることを回避する。
【解決手段】直列に接続されている複数の発光ダイオードの各々に対して、補償素子63を各個に並列に接続し、正極側及び負極側の各々の端子81,82付近に所定の融点を持つ導電物83,84を設ける。発光ダイオードに開放不良が発生した場合、該当発光ダイオードに並列に接続されている補償素子63に設けられた導電物83,84に抵抗素子86で発熱した熱が伝達する。導電物83,84が所定の温度に達すると溶融し、両端子81,82間が導電物83,84で溶着される。それにより導電物83,84を通じて端子81,82間に電流が流れ、短絡する。しかして、オープン不良となった発光ダイオードを回避してその他の直列接続された発光ダイオードの点灯が継続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開放不良(オープン不良)時の保護機能を備えた発光ダイオード点灯回路、照明装置及び液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置において、色域拡大及び消費電力低減、環境物質の削減を目指したバックライト光源として、冷陰極管(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)に替えて発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いたものが多くなってきている。冷陰極管は必要照射面積(照射対象の面積)が大きくなってもそれに応じてある程度管を長く作製することにより大型液晶表示装置のバックライトとしても使用することができる。その際、冷陰極管への電力供給は、冷陰極管両端からすればよい。一方、発光ダイオードは、例えば1mm角程度の半導体チップからの発光によるため、広い面積を照射するためにはその面積に応じた数を用いる必要がある。したがって、電力供給には発光ダイオードを数個直列につなげて使用する。
【0003】
液晶表示装置のバックライト装置に用いられる発光ダイオードは、例えば寿命を迎えるなどして故障が発生すると不点灯になる。個々の素子の壊れ方には(1)断線してしまう開放(オープン)モードによる不良と、(2)短絡してしまう短絡(ショート)モードによる不良と、そのいずれでもなく、(3)光量の低下を伴うモードの3種類に大きく分類される。
【0004】
これらの不良に対しては、種々の対策が試みられている。例えば、開放モードによる不良の対策として、少なくとも発光層にGaを有する窒化物半導体を用いた発光素子と、発光素子と並列接続され発光素子を電気的に保護するための半導体保護素子とを有する発光ダイオードであり、特に、発光素子と並列接続された半導体保護素子は、順方向及び逆方向とも発光素子の順方向電圧以上の電圧において導通する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−335012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、これらの故障を検出するためには、1つ1つの発光ダイオード素子を独立した駆動回路で駆動する方法を採用するとともに、個々の素子の動作状態を常にフィードバックするシステムを構築しなければならなかった。しかし、費用(コスト)がかさみ実際の機器にあっては実現が困難であった。
【0007】
発光ダイオードを液晶表示装置のバックライト(照明)として使用する場合、個々の発光ダイオードの電力が大きく、かつ個数が比較的少ない。そのため、不良等によりバックライト装置に不点灯箇所が生じると、ムラなどが発生し、画質が劣化する。
【0008】
また、照明用途の発光ダイオード駆動装置においては、大電力駆動用のマトリクス駆動LSI(Large Scale Integration)等は作成されておらず、現実的にはコスト面で不利であるため、直列駆動接続方式が用いられている。しかし、直列接続方式は、個々の発光ダイオードの不良が発生し、その不良が断線である場合、一列全てが不点灯となり著しい色ムラを生じてしまう等の問題がある。またこの発光ダイオードの保護をサイリスタ等で行う場合、回路の大規模化(配置スペースの拡大)及び高コスト化という問題が発生する。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、発光ダイオードの開放不良(オープン不良)時に、直列接続された発光ダイオードの一列全てが不点灯となってしまうことを簡単な構成により回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の発光ダイオード点灯回路の一側面は、直列に接続された複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列に接続され、正極側及び負極側の各々の端子付近に所定の融点を持つ導電物が設けられた補償素子を有し、発光ダイオードに開放不良が発生した場合、該当発光ダイオードに並列に接続されている補償素子に設けられた導電物で両端子間が溶着されることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、発光ダイオードの開放不良時にその発光ダイオードに印加される電位差で補償素子の端子間を導電物で溶着して短絡させることにより、直列接続された発光ダイオードの不点灯を回避できる。
【0012】
本発明の発光ダイオード点灯回路の他の側面は、直列に接続された複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列に接続された補償素子を有し、補償素子は、抵抗素子と、該抵抗素子の両端に設けられた2つの端子と、該2つの端子間に設けられた絶縁体と、該絶縁体の表面において2つの端子間に設けられた導電ペーストから構成され、発光ダイオードに開放不良が発生した場合、抵抗素子の熱が絶縁物を介して導電ペーストに伝達され、導電ペーストが所定の温度に達すると両端子間が導通することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、発光ダイオードの開放不良時にその発光ダイオードに印加される電位差で補償素子の端子間を導電ペーストを介して短絡させることにより、直列接続された発光ダイオードの不点灯を回避できる。
【0014】
本発明の照明装置の一側面は、複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路を備える照明装置において、複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列接続され、正極側及び負極側の各々の端子付近に所定の融点を持つ導電物が設けられた補償素子を有し、発光ダイオードに開放不良が発生した場合、該当発光ダイオードに並列に接続されている補償素子に設けられた導電物で両端子間が溶着されることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、発光ダイオードの開放不良時にその発光ダイオードに印加される電位差で補償素子の端子間を導電物で溶着して短絡させることにより、直列接続された発光ダイオードの不点灯を回避できる。
【0016】
本発明の照明装置の他の側面は、複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路を備える照明装置において、複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列に接続された補償素子を有し、補償素子は、抵抗素子と、該抵抗素子の両端に設けられた2つの端子と、該2つの端子間に設けられた絶縁体と、該絶縁体の表面において2つの端子間に設けられた導電ペーストから構成され、発光ダイオードに開放不良が発生した場合、絶縁物を介して抵抗素子から伝達した熱により導電ペーストが所定の温度に達し、両端子間が導通することを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、発光ダイオードの開放不良時にその発光ダイオードに印加される電位差で補償素子の端子間を導電ペーストを介して短絡させることにより、直列接続された発光ダイオードの不点灯を回避できる。
【0018】
本発明の液晶表示装置の一側面は、複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路を備えたバックライト装置により照明される液晶表示装置において、複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列接続され、正極側及び負極側の各々の端子付近に所定の融点を持つ導電物が設けられた補償素子を有し、発光ダイオードに開放不良が発生した場合、該当発光ダイオードに並列に接続されている補償素子に設けられた導電物で両端子間が溶着されることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、発光ダイオードの開放不良時にその発光ダイオードに印加される電位差で補償素子の端子間を導電物で短絡させることにより、直列接続された発光ダイオードの不点灯を回避できる。
【0020】
本発明の液晶表示装置の他の側面は、複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路を備えたバックライト装置により照明される液晶表示装置において、複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列に接続された補償素子を有し、補償素子は、抵抗素子と、該抵抗素子の両端に設けられた2つの端子と、該2つの端子間に設けられた絶縁体と、該絶縁体の表面において前記2つの端子間に設けられた導電ペーストから構成され、発光ダイオードに開放不良が発生した場合、絶縁物を介して抵抗素子から伝達した熱により導電ペーストが所定の温度に達し、両端子間が導通することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、発光ダイオードの開放不良時にその発光ダイオードに印加される電位差で補償素子の端子間を導電ペーストを介して短絡させることにより、直列接続された発光ダイオードの不点灯を回避できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の発光ダイオード点灯回路によれば、低融点導電物あるいは導電ペーストを設けるという簡単な構成により、直列接続された発光ダイオードの一列全てが不点灯となる事態を避けることができるので、常に発光ダイオードの点灯状態を安定させることができるという効果がある。
また、上記発光ダイオード点灯回路からなる照明装置を液晶表示装置のバックライト装置に適用した場合、液晶表示パネルに対して安定した照明を供給することができるという効果がある。
さらに、上記バックライト装置を用いた液晶表示装置によれば、液晶表示パネルに対して安定した照明が供給されるので、画質が安定するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0024】
まず、本発明の第1実施形態の例を、図1〜図12を参照しながら説明する。図1は、本発明による発光ダイオード点灯回路から構成される照明装置が適用されたバックライト装置を有する液晶表示装置の概略分解構成を示す図である。
【0025】
本発明による液晶表示装置は、例えば図1に示すような構成の透過型のカラー液晶表示装置に適用することができる。この透過型カラー液晶表示装置は、透過型のカラー液晶表示パネル(LCDパネル)10と、このカラー液晶表示パネル10の背面側に設けられたバックライト装置20とからなる。また、図示しないが、この透過型カラー液晶表示装置は、地上波や衛星波を受信するアナログチューナー、デジタルチューナーといった受信部、この受信部で受信した映像信号、音声信号をそれぞれ処理する映像信号処理部、音声信号処理部、音声信号処理部で処理された音声信号を出力するスピーカといった音声信号出力部などを備えていてもよい。
【0026】
透過型のカラー液晶表示パネル10は、ガラス等で構成された2枚の透明な基板(TFT基板11、対向電極基板12)を互いに対向配列させ、その間隙に、例えば、ツイステッドネマチック(TN)液晶を封入した液晶層13を設けた構成となっている。TFT基板11には、マトリックス状に配列された信号線14と、走査線15と、この信号線14、走査線15の交点に配列されたスイッチング素子としての薄膜トランジスタ16と、画素電極17とが形成されている。薄膜トランジスタ16は、走査線15により、順次選択されると共に、信号線14から供給される映像信号を、対応する画素電極17に書き込む。一方、対向電極基板12の内表面には、対向電極18及びカラーフィルタ19が形成されている。
【0027】
透過型カラー液晶表示装置は、このような構成の透過型のカラー液晶表示パネル(LCDパネル)10を2枚の偏光板31,32で挟み、背面側からバックライト装置20からの白色光を照射した状態で、アクティブマトリックス方式で駆動することによって、所望のフルカラー映像を表示させることができる。
【0028】
図1に示すように、バックライト装置20は、透過型のカラー液晶表示パネル10の背面に配設された光拡散板22と、複数の発光素子(発光ダイオード)により照射する方式を採用している光源21から構成される。光拡散板22は、バックライト筐体から出射された光を内部拡散させることで、面発光における輝度の均一化を行うものである。画質を向上させるため、光拡散板22の上に、拡散シート、プリズムシート、偏光変換シートといった光学機能シート群を重ねて配置する構成としてもよい。
【0029】
次に、このバックライト装置20の光源21における発光ダイオードの配置について、図2を参照して説明する。図2に示す配置は、光源基板40上に、赤色(R)の発光ダイオード41、緑色(G)の発光ダイオード42、青色(B)の発光ダイオード43をそれぞれ6個、合計で18個を配列した例である。なお、これは一例であり、使用する発光ダイオードの定格、発光効率などにより混色性のバランスがよい配置、組み合わせ等のバリエーションを採用し得る。
【0030】
図3は、図2のように配置されている発光ダイオード41〜43を、色毎に直列に接続した配線例を示したものである。
【0031】
次に、上記バックライト装置20の光源21における実際の発光ダイオードの配置例を図4の表記に基づき説明する。本例の光源21は、図4に示すように、縦2列、横6行に配置された合計12組の光源基板(発光ダイオード列)40から構成されている。
【0032】
本例のバックライト装置20は、図4に示した光源基板40の配置に対して、図5に示すような駆動回路構成を採用している。図5において、直列接続された発光ダイオードm1、m2にそれぞれ、直流電力の電圧変換を行うDC−DCコンバータ7が接続されており、それぞれに定電流が供給される構成となっている。6行のそれぞれに対応するRGBの発光ダイオードのペア(組)g1〜g6は、各色毎にDC−DCコンバータ7と接続されている。また、g1〜g6の各々において、直列接続された発光ダイオードm1,m2のRGBの各発光ダイオードに接続されている。例えば、1行目(g1)のR1において、赤色発光ダイオード用のDC−DCコンバータ7からm1,m2の各直列接続された発光ダイオードに対し定電流が供給される。以下、G1,B1についても同様である。2行目(g2)〜6行目(g6)についても1行目(g1)と同様であり、説明を省略する。
【0033】
次に、各直列接続された発光ダイオードに対して定電流を流すための具体的な構成例を説明する。図6は、発光ダイオードの直列回路例を示すものである。図6において、複数の発光ダイオードが直列接続された発光ダイオード列50のアノード側が抵抗素子(R)5を介してDC−DCコンバータ7の一端に接続され、また発光ダイオード列50のカソード側が接地端子及びDC−DCコンバータ7の他端に接続されている。このDC−DCコンバータ7は、出力電圧Vccの設定に対して抵抗素子5による電圧降下を検出して、直列接続された発光ダイオード列50に所定の電流I1が流れるようにフィードバックループを構成している。図6に示した発光ダイオード列50は、図5に示した6行のそれぞれにおけるRGBのペアg1〜g6の1列(m1又はm2)に対応している。したがって本例では、同様の回路が、6行(g1〜g6)×3倍(RGB)必要となる。
【0034】
一例として、40型程度の液晶表示装置では、バックライト装置20の光源に発光ダイオードを約350個用い、上述のように各発光ダイオード列ごと、及び各色ごと直列に接続して各々に電力を供給して点灯させる。
【0035】
次に、本発明による発光ダイオード点灯回路の保護動作を説明する。図7は、本発明による発光ダイオード点灯回路を模式的に示したものであり、Aは正常時、Bは発光ダイオードのオープン(開放)時、Cは抵抗(補償素子)がショートしたときの状態をそれぞれ表す。この図7に示す発光ダイオード点灯回路の動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。本発明の発光ダイオード点灯回路は、直列接続された発光ダイオードの一つにオープン(開放)モードの不良が発生すると、その素子に印加される電位差で保護素子を短絡させることにより不点灯モードを回避する。
【0036】
図7Aに示すように、直列接続された発光ダイオード51〜56に対し各個に並列に補償素子(保護素子)を接続して保護回路を構成し、また電源71及び定電流源72を直列接続して、その電源71の負極を直列接続された発光ダイオード群のカソード側に、一方定電流源72の一端を直列接続された発光ダイオード群のアノード側に接続して本発明の発光ダイオード点灯回路を構成する。なお、直列接続する発光ダイオードの個数は一例であり、また、電源71及び定電流源72は、バックライト装置20の電源回路を模式的に表したものであって、この例に限るものではないことは勿論である。
【0037】
本発明の第1実施形態に係る補償素子について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、本発明の第1実施形態に係る補償素子を示したものである。また、図10は、図9に示した補償素子の断面模式図である。図9及び図10において、第1実施形態の補償素子63は、抵抗素子(抵抗体)86がオーバーコートもしくは印刷される絶縁体85と、絶縁体85の両側に設けられ抵抗素子86の正極側及び負極側の両端と接続する端子81,82、絶縁体85と2つの端子81,82の各接続部分もしくはその周辺に形成される、例えば半田等、所定の温度に達すると溶融する低融点導電物(「導電性硬化材」ともいう)83,84から構成されている。抵抗素子86で発生する熱は絶縁物85を介して導電物83,84に伝達され、導電物83,84は所定の温度に達すると溶融する。なお、絶縁体85は、例えばセラミック等、絶縁性、高い熱伝導性、耐熱性があるものが望ましい。
【0038】
導電物83,84は、補償素子を発光ダイオード点灯回路基板に固定(接続)する半田の融点より低い材料を適宜選択して使用する。例えば、固定用半田の溶融温度が200℃〜300℃以上の場合、それより低い、例えば120℃、130℃程度の溶融温度を持つ半田を使用すればよい。あるい、補償素子の基板への接続には、基板に取り付けた例えば金属電極により挟み込むような方法、あるいは抵抗素子を取り囲むような外筐(箱)を設けるようにしてもよい。
【0039】
図7Aに示すように、正常な状態では、補償素子63の低融点導電物83,84は互いに離れた状態であり、この時点で補償素子63は導通しない(図9A,図10A)。
【0040】
すなわちこの補償素子63を発光ダイオード53に並列に設置した初期状態(図7A)では、補償素子63の両端81,82は発光ダイオード53の持つ抵抗値より大きな、例えば100倍以上の抵抗値を持って接続されている。したがって、通常使用状態では、この補償素子63には微小電流しか流れず、電力消費も小さなものである。例えば補償素子63の抵抗値が発光ダイオード53の抵抗値より100倍大きい場合、発光ダイオード53の抵抗値が5Ωで、電流が500mA流れている通常状態では補償素子63の消費電力は500(Ω)*5(mA)*5(mA)=0.0125(W)と小さい。したがって、通常状態では補償素子63は発熱せず、消費電力に大きな影響を与えない。補償素子63を例に説明したが、他の補償素子についても同様である。
【0041】
発光ダイオード53が不良によりオープン(開放)となった場合(ステップS1)には、発光ダイオード53が通常低電流で駆動されているためこの補償素子63に500mAの電流が流れることになり、抵抗素子86にジュール熱が発生し発熱する(ステップS2)。そして、その熱が絶縁体85を介して低融点伝導体83,84に伝達する。補償素子63の温度が端子81,82付近に設けた低融点導電体83,84の融点より高くなると(ステップS3)、その低融点導電体83,84が溶融し、両端子81,82が低融点導電体83,84で溶着(図9B,図10B)されて短絡し(図7B)、接続される(ステップS4)。そうすると、保護回路が動作(ステップS5)して、電流はその接続部(溶着部)を流れるようになるために発熱は停止し、発光ダイオード点灯回路はオープン不良となった発光ダイオード53を回避して接続される(図7C)。これにより、不良になった発光ダイオードのみ不点灯になるが、その他の直列に接続された発光ダイオード51,52,54〜56は点灯し、バックライトとして使用可能な状態になる
【0042】
以上説明した第1実施形態によれば、直列接続された複数の発光ダイオードを定電流駆動するにあたり、発光ダイオードのオープンモードの不良時にその発光ダイオードに印加される電位差で補償素子に設けた低融点導電物を溶融させて短絡させることにより不点灯モードを回避することができる。
【0043】
また、発光ダイオードマウントの放熱基板(光源基板)に構成しているので、発光ダイオードの温度上昇という問題の回避が可能となる。
【0044】
このように、発光ダイオードチップに対して溶着により短絡する補償素子を設けるという簡単な構成により、直列接続された発光ダイオード列の一列全て不点灯となる事態を避けることができるので、常に発光ダイオードの点灯状態を安定させることができ、発光ダイオード回路の信頼性が向上する。
さらに、このような発光ダイオード回路から構成された照明装置を液晶表示装置のバックライト装置に適用した場合、バックライト装置の安定した点灯動作が実現するため、液晶表示装置の画質を安定させることができる。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態に係る補償素子について説明する。図11は、第2実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。図11Aにおいて、補償素子90は、両端に端子93,94が形成され、該両端子93,94に導電物97,98,が設けられた発熱用の抵抗素子92と、両端に端子101,102が形成され、該両端子101,102に導電物97,98が設けられた低抵抗導電体100を有する。端子93,94は各々、光源基板に固定されるリード線95,96に接続されている。これらは、外筐(箱)91に収納されている。この抵抗素子92と低抵抗導電体100は、導電物からなる支柱99によって所定間隔に支持され、抵抗素子92の熱が支柱99を介して低抵抗導電体100に設けられた各導電物103,104に伝達する。上記低抵抗導電体100は抵抗0Ωのチップ抵抗素子もしくは導電板より形成する。導電物97〜99,101,102は、第1実施形態で使用した導電物と同じものを使用できる。
【0046】
このような構成の補償素子90において、発光ダイオードにオープンモード不良が発生した場合、抵抗素子92に電流が流れて熱が発生する。そして、支柱99が所定の温度に達すると、支柱99が溶融するとともに、抵抗素子92に設けられた各導電物97,98、並びに低抵抗導電体100に設けられた各導電物101,102が溶融し、抵抗素子92の端子93,94及び低抵抗導電体100の対応する端子101,102が各導電体105,106で溶着される(図11B)。その結果、端子93と端子101、端子94と端子102がそれぞれ導通して、端子101,102の間に配置された低抵抗導電体100に電流が流れ、補償素子90が短絡する。
【0047】
本例によれば、抵抗素子92と低抵抗導電体100を上下に配置し、各端子を導電物105,106で溶着するようにしたので、図9,10に示した補償素子と比較してより確実に溶着することができる。また、本例は、その他上記第1実施形態と同様の作用効果を有する。
【0048】
次に、本発明の第3実施形態に係る補償素子について説明する。図12は、第3実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。本例は、図11に示す例に対して、抵抗素子及び低抵抗導電体に各々設けられた端子同士が直接接触できるように構成したものである。
【0049】
図12Aにおいて、補償素子110は、両端に導電部分を広げた端子93,94が形成され、一方の端子93に第1補助端子111、他方の端子94に第2補助端子112が設けられた抵抗素子92と、両端に端子101、102が形成され、一方の端子101に第3補助端子114、他方の端子102に第4補助端子115が設けられた低抵抗導電体を有する。正常な状態において、抵抗素子92の第2補助端子112と低抵抗導電体100の第4補助端子115間が導電物113からなる支柱113で支持されるとともに、抵抗素子92の第1補助端子111と低抵抗導電体100の第3補助端子114間は所定間隔に保持されている。
【0050】
このように構成される補償素子110において、発光ダイオードにオープンモード不良が発生した場合、抵抗素子92に電流が流れて熱が発生する。そして、支柱113が所定の温度に達すると、支柱113が溶融し、抵抗素子92の第1補助端子111と低抵抗導電体100の第3補助端子114が直接接触するとともに、抵抗素子92の第2補助端子112と低抵抗導電体100の第3補助端子115間が導電体113で溶着される(図12B)。その結果、各補助端子を介して、端子93と端子101、端子94と端子102がそれぞれ導通して、端子101,102の間に配置された低抵抗導電体100に電流が流れ、補償素子110が短絡する。
【0051】
本例によれば、抵抗素子92と低抵抗導電体100を上下に配置し、各端子を導電物105,106で溶着するようにしたので、図11の例と比較してより確実に溶着することができる。また、本例は、その他上記第1実施形態と同様の作用効果を有する。
【0052】
次に、本発明の第4実施形態に係る補償素子について説明する。図13は、第3実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。本例は、導電物を形成する場所を改善することによって、導電物で端子間を確実に溶着できるように構成したものである。
【0053】
図13Aにおいて、補償素子120は、一端に斜面部が形成され他端に第1端子121が設けられた第1抵抗素子123と、一端に斜面部が形成され他端に第2端子122が設けられた第2抵抗素子124を有する。第1抵抗素子123と第2抵抗素子124は各斜面部が対向するように配置するとともに、各斜面部の上部に各々導電物125,126を設ける。
【0054】
このように構成される補償素子120において、発光ダイオードにオープンモード不良が発生した場合、端子121,122から電流が供給され、抵抗素子123,124に電流が流れて熱が発生する。各導電物125,126が所定の温度に達したとき、各導電物が125,126が溶融し、各々が斜面部表面を流れ落ちて(滑り落ちて)第1抵抗素子123の第1端子121と第2抵抗素子124の第2端子122を溶着する(図13B)。その結果、導電物125,126を通じて端子121,122間に電流が流れ、補償素子120が短絡する。案内部134側もしくは案内部135側のいずれかの側で導通すればよい。
【0055】
本例によれば、抵抗素子123,124に斜面を設け、溶融した導電物125,126が流れ落ちて接触しやすい構成としたので、端子121,122間を確実に溶着することができる。また、本例は、その他上記第1実施形態と同様の作用効果を有する。
【0056】
次に、本発明の第5実施形態に係る補償素子について説明する。図14は、第5実施形態に係る補償素子の説明に供する図であり、補償素子を上面から見た状態を表している。本例は、毛管現象を利用して端子間が確実に溶着できるように構成している。
【0057】
図14Aにおいて、補償素子130は、抵抗素子133と、該抵抗素子131の両端に設けられた端子131,132を有する。また、端子131、抵抗素子133及び端子132の一部と、一定の隙間を持って覆うように設けられた案内部134,135を有する。そして、端子132の案内部134,135付近、かつ端子132の上面132aに導電物136,137をそれぞれ設けている。
【0058】
このように構成される補償素子130において、発光ダイオードにオープンモード不良が発生した場合、端子131,132から電流が供給され、抵抗素子133に電流が流れて熱が発生する。端子132上に形成された導電物136,137が所定の温度に達したとき、各導電物136,137が溶融し、溶融した導電物136,137が端子132と案内部134,135との隙間に流れ込み、毛管現象により隙間を移動して抵抗素子133を越えて端子131まで到達する。それによって、端子131と端子132が溶着される(図14B)。その結果、導電物136,137を通じて端子131,132間に電流が流れ、補償素子130が短絡する。
【0059】
本例によれば、補償素子130を構成する抵抗素子133、端子131,132と所定の隙間を持つ案内部134,135を形成し、その隙間に溶融した導電物136,137が流れ込むようにしたことにより、毛管現象によって端子132から端子131へ導電物136,137が流れるようになるため、端子131,132間を確実に溶着することができる。また、本例は、その他上記第1実施形態と同様の作用効果を有する。
【0060】
次に、本発明の第6実施形態に係る補償素子について説明する。図15は、第6実施形態に係る補償素子の説明に供する図であり、補償素子を上面から見た状態を表している。本例は、ペースト状の導体(導体ペースト)を利用して簡単に端子間が溶着できるように構成したものである。
【0061】
図15Aにおいて、補償素子140は、抵抗素子86(図示略)と、該抵抗素子86の両側に設けられた2つの端子93,94と、該2つの端子93,94間に設けられた絶縁体85(図示略)と、該絶縁体85の表面において2つの端子93,94間に設けられた導電ペースト141から構成される。本例の補償素子140は、図9及び図10に示す補償素子90の導電物83,84に替えて導体ペーストを塗布もしくは印刷したような構成である。この状態において、導体ペースト141には電流は流れない。
【0062】
導体ペースト141については、様々な種類が市販されており、動作温度等の条件を考慮して適宜選択し得る。一例としては、導電物質のフェラーとバインダーと呼ばれる物質が混在する導体ペーストは、所定の温度になると、バインダーが凝縮してフェラー同士が接触することにより導通する。
【0063】
このように構成される補償素子140において、発光ダイオードにオープンモード不良が発生した場合、端子93,94から電流が供給され、抵抗素子86に電流が流れて発熱する。その熱は、絶縁体85を介して導体ペースト141に伝導する。そして、導体ペースト141が所定の温度に達したとき、導体ペースト141が導通する(図15B)。その結果、導体ペースト141を通じて端子93,94間に電流が流れ、補償素子140が短絡する。
【0064】
本例によれば、低融点導電体に替えて導電ペースト141を利用することにより、簡単な構成で端子93,94間を溶着することができる。また、本例は、その他上記第1実施形態と同様の作用効果を有する。
【0065】
次に、本発明の第7実施形態に係る補償素子について説明する。図16は、第7実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。本例は、弾性部材を用いて抵抗素子と低抵抗導電体を積極的に押し付けることで、端子間が確実に溶着できるように構成したものである。
【0066】
図16Aにおいて、補償素子150は、両端に端子93,94が形成された抵抗素子92と、両端に端子101,102が形成された低抵抗導電体100と、弾性部材151を有する。抵抗素子92は、低融点導電物からなる支柱99で低抵抗導電体100を支持している。また、外筐91と低抵抗導電対100との間に設けられた弾性部材151は、溶融前は圧縮した状態で収納され、支柱が溶融すると低抵抗導電体100を抵抗素子92に押し付ける機能を持っている。本例では、圧縮コイルばねを使用している。
【0067】
このように構成される補償素子150において、発光ダイオードにオープンモード不良が発生した場合、端子93,94から電流が供給され、抵抗素子92に電流が流れて発熱する。支柱99が所定の温度に達したとき、支柱99が溶融する。しかして、圧縮されていた弾性部材151が伸び、その弾性力によって低抵抗導電体100が抵抗素子92に押し付けられる。そして、抵抗素子92と低抵抗導電体100が接触し(図16B)、抵抗素子92の各端子93,94とそれに対応する低抵抗導電体100の各端子102,103間が導通する。その結果、低抵抗導電体100を通じて端子101,102間に電流が流れ、補償素子140が短絡する。
【0068】
本例によれば、弾性部材151の弾性力を利用して低抵抗導電体100を抵抗素子92に積極的に押し付けることにより、端子間を確実に溶着することができる。また、本例は、その他上記第1実施形態と同様の作用効果を有する。
【0069】
次に、本発明の第8実施形態に係る補償素子について説明する。図17は、第8実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。本例の補償素子160は、図16に示した圧縮コイルばね151に替えて、皿ばね161を使用して構成したものである。本例は、図16を用いて説明した第7実施形態と同様の作用効果を奏する。なお、皿ばね以外にも、板ばね等、溶融前に圧縮させて溶着後に伸張するものであればよく、種々の弾性部材を適用可能である。
【0070】
次に、本発明の第9実施形態に係る補償素子について説明する。図18は、第9実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。本例の補償素子170は、図16に示した圧縮コイルばね151に替えて、クリップ状ばね171を使用して構成したものである。
【0071】
図19は、クリップ状ばねの構成を示したものであり、Aが支柱の溶融前におけるクリップ状ばねの状態、Bは端子間の溶着後におけるクリップ状ばねの状態を表す。クリップ状ばね171は、側面コの字状の形状であり、上側の当接部172が低抵抗導電体100の上面と、下側の当接部173が抵抗素子92の下面と接触して両部材を挟み込んでいる。本例のクリップ状ばね171は、抵抗素子92及び低抵抗導電体100を挟み込んで、支柱99が溶融する前は伸張した状態であり、各端子間が溶着した後は圧縮した状態となる。本例は、図16を用いて説明した第7実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0072】
なお、上述した各実施形態は、直列接続した発光ダイオード複数個に対して、保護素子1個を並列接続してもよい。発光ダイオード1個毎に対してではなく、発光ダイオードの混色の問題がないレベルで複数個に対して直列に補償素子を構成することでも対応が可能である。このようにすることにより、一つの発光ダイオード点灯回路に必要となる補償素子の数を削減することができる。
【0073】
また、本発明の照明装置として液晶表示装置のバックライト装置に適用した例について説明したが、本発明の照明装置はこれに限らず、表示装置としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】液晶表示装置の概略分解構成を示す図である。
【図2】バックライト装置における発光ダイオードの配列例を示す図である。
【図3】バックライト装置における発光ダイオードの配線例を示す図である。
【図4】バックライト装置における光源基板の配置例を示す図である。
【図5】バックライト装置の駆動回路の構成例を示す図である。
【図6】バックライト装置における発光ダイオードの直列回路例を示す図である。
【図7】本発明の発光ダイオード点灯回路の説明に供する図である。
【図8】本発明の発光ダイオード点灯回路による保護動作のフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る補償素子の断面模式図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図15】本発明の第6実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図16】本発明の第7実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図17】本発明の第8実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図18】本発明の第9実施形態に係る補償素子の説明に供する図である。
【図19】クリップ状ばねの説明図である。
【符号の説明】
【0075】
5…抵抗素子、7…DC−DC変換器、10…LCDパネル、20…バックライト装置、21…光源、40…光源基板、41…発光ダイオード(R)、42…発光ダイオード(G)、43…発光ダイオード(B)、50…発光ダイオード列、51〜56…発光ダイオード、61〜66…発光ダイオード、71…電源、72…定電流源、81,82…端子、83,84…低融点導電物、85…絶縁体、86…抵抗素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路において、
前記複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列に接続され、正極側及び負極側の各々の端子付近に所定の融点を持つ導電物が設けられた補償素子を有し、
前記発光ダイオードに開放不良が発生した場合、該当発光ダイオードに並列に接続されている補償素子に設けられた前記導電物で両端子間が溶着される
ことを特徴とする発光ダイオード点灯回路。
【請求項2】
前記補償素子に設けられた導電物の融点は、前記補償素子を発光ダイオード点灯回路基板に固定する半田の融点より低い
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード点灯回路。
【請求項3】
前記補償素子は、抵抗素子と、
該抵抗素子の両端に設けられた2つの端子と、
該2つの端子間に設けられた絶縁体を有し、
前記導電物は、前記2つの端子と前記絶縁体との接続部分もしくはその周辺に設けられ、前記抵抗素子の熱が前記絶縁物を介して伝達され、所定の温度に達すると溶融する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード点灯回路。
【請求項4】
前記補償素子は、両端に端子が形成され、該両端子に前記導電物が設けられた抵抗素子と、
両端に端子が形成され、該両端子に前記導電物が設けられた低抵抗導電体を有し、
前記抵抗素子と前記低抵抗導電体は、前記導電物からなる支柱によって所定間隔に支持され、前記抵抗素子の熱が前記支柱を介して前記低抵抗導電体に設けられた各導電物に伝達し、
前記支柱が所定の温度に達した場合、前記支柱が溶融するとともに、前記抵抗素子に設けられた各導電物、並びに前記低抵抗導電体に設けられた各導電物が溶融し、前記抵抗素子及び前記低抵抗導電体の対応する各端子が各導電体で溶着される
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード点灯回路。
【請求項5】
前記補償素子は、両端に端子が形成され、一方の端子に第1補助端子、他方の端子に第2補助端子が設けられた抵抗素子と、
両端に端子が形成され、一方の端子に第3補助端子、他方の端子に第4補助端子が設けられた低抵抗導電体を有し、
前記抵抗素子の第2補助端子と前記低抵抗導電体の第4補助端子間が前記導電物からなる支柱で支持されるとともに、前記抵抗素子の第1補助端子と前記低抵抗導電体の第3補助端子間は所定間隔に保持されており、
前記支柱が所定の温度に達した場合、前記支柱が溶融し、前記抵抗素子の第1補助端子と前記低抵抗導電体の第3補助端子が接触するとともに、前記抵抗素子の第2補助端子と前記低抵抗導電体の第3補助端子間が前記導電体で溶着される
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード」点灯回路。
【請求項6】
前記補償素子は、一端に斜面部が形成され他端に第1端子が設けられた第1抵抗素子と、
一端に斜面部が形成され他端に第2端子が設けられた第2抵抗素子を有し、
前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子は各斜面部が対向するように配置されるとともに、前記各斜面部の上部に各々前記導電物が設けられており、
各導電物が所定の温度に達した場合、各導電物が溶融し、前記斜面部表面を滑落して前記第1抵抗素子の第1端子と前記第2抵抗素子の前記第2端子を溶着する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード点灯回路。
【請求項7】
前記補償素子は、抵抗素子と、
該抵抗素子の両端に設けられた第1及び第2の端子と、
前記第1の端子、前記抵抗素子及び前記第2の端子の一部と、一定の隙間を持って覆うように設けられた案内部を有し、
前記第1の端子の前記案内部付近に前記導電物が設けられており、
前記導電物が所定の温度に達した場合、各導電物が溶融し、前記溶融した導電物が前記第1の端子と前記案内部との隙間に流れ込み、毛管現象により前記隙間を移動して前記第2の端子まで到達し、前記第1の端子と前記第2の端子を溶着する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード点灯回路。
【請求項8】
前記補償素子は、外筐と、
両端に端子が形成された抵抗素子と、
両端に端子が形成された低抵抗導電体と、
前記低抵抗導電体を前記抵抗素子に支持する導電物から形成された支柱と、
前記抵抗素子に前記低抵抗導電体を押し付ける弾性部材を有し、
前記支柱が所定の温度に達した場合、前記支柱が溶融し、前記弾性部材の弾性力により前記抵抗素子と前記低抵抗導電体が接触し、前記抵抗素子の各端子とそれに対応する前記低抵抗導電体の各端子間が導通する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード点灯回路。
【請求項9】
前記弾性部材は、前記外筐と前記低抵抗導電体の間に設けられ、前記支柱が溶融する前は圧縮された状態である
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード点灯回路。
【請求項10】
前記弾性部材は、前記抵抗素子及び前記低抵抗導電体を挟み込んで押し付けるクリップ状の弾性部材である
ことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード点灯回路。
【請求項11】
複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路において、
前記複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列に接続された補償素子を有し、
前記補償素子は、抵抗素子と、該抵抗素子の両端に設けられた2つの端子と、該2つの端子間に設けられた絶縁体と、該絶縁体の表面において前記2つの端子間に設けられた導電ペーストから構成され、
前記発光ダイオードに開放不良が発生した場合、前記抵抗素子の熱が前記絶縁物を介して前記導電ペーストに伝達され、前記導電ペーストが所定の温度に達すると両端子間が導通する
ことを特徴とする発光ダイオード点灯回路。
【請求項12】
複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路を備える照明装置において、
前記複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列接続され、正極側及び負極側の各々の端子付近に所定の融点を持つ導電物が設けられた補償素子を有し、
前記発光ダイオードに開放不良が発生した場合、該当発光ダイオードに並列に接続されている補償素子に設けられた前記導電物で両端子間が溶着される
ことを特徴とする照明装置。
【請求項13】
複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路を備える照明装置において、
前記複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列に接続された補償素子を有し、
前記補償素子は、抵抗素子と、該抵抗素子の両端に設けられた2つの端子と、該2つの端子間に設けられた絶縁体と、該絶縁体の表面において前記2つの端子間に設けられた導電ペーストから構成され、
前記発光ダイオードに開放不良が発生した場合、前記絶縁物を介して前記抵抗素子から伝達した熱により前記導電ペーストが所定の温度に達し、両端子間が導通する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項14】
複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路を備えたバックライト装置により照明される液晶表示装置において、
前記複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列接続され、正極側及び負極側の各々の端子付近に所定の融点を持つ導電物が設けられた補償素子を有し、
前記発光ダイオードに開放不良が発生した場合、該当発光ダイオードに並列に接続されている補償素子に設けられた前記導電物で両端子間が溶着される
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項15】
複数の発光ダイオードが直列に接続されている発光ダイオード点灯回路を備えたバックライト装置により照明される液晶表示装置において、
前記複数の発光ダイオードの各々に対して各個に並列に接続された補償素子を有し、
前記補償素子は、抵抗素子と、該抵抗素子の両端に設けられた2つの端子と、該2つの端子間に設けられた絶縁体と、該絶縁体の表面において前記2つの端子間に設けられた導電ペーストから構成され、
前記発光ダイオードに開放不良が発生した場合、前記絶縁物を介して前記抵抗素子から伝達した熱により前記導電ペーストが所定の温度に達し、両端子間が導通する
ことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−329275(P2007−329275A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158870(P2006−158870)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】