発光素子
【課題】新しい発光素子を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る発光素子は、基板と、前記基板の上に配置された発光ダイオードと、前記発光ダイオードを囲むガイドリングと、前記発光ダイオードを覆うように、前記ガイドリング内に形成された第1のモールディング部材と、前記第1のモールディング部材の上の第2のモールディング部材とを備える。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る発光素子は、基板と、前記基板の上に配置された発光ダイオードと、前記発光ダイオードを囲むガイドリングと、前記発光ダイオードを覆うように、前記ガイドリング内に形成された第1のモールディング部材と、前記第1のモールディング部材の上の第2のモールディング部材とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード及びその製造方法、そして発光素子及びその発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、発光素子として発光ダイオードが多く使われている。
【0003】
発光ダイオードは、n型半導体層、活性層、及びp型半導体層を含んで形成され、上記n型半導体層及びp型半導体層に各々電源が印加されるにつれて、上記活性層で光が放出される。上記発光ダイオードは、特性によって多様なカラーの光を放出するように製作できる。
【0004】
上記発光ダイオードを使用した発光素子は、上記発光ダイオードから放出された光により励起されて励起光を放出する蛍光体を含むことによって、多様なカラーの光が放出できる。
【0005】
例えば、青色波長の光を放出する発光ダイオードを囲むように黄色蛍光体が含まれた第1のモールディング部材が形成できる。上記黄色蛍光体は、上記発光ダイオードにより放出された光により励起されて黄色波長の励起光を放出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、新しい発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る発光素子は、第1の導電パターン及び上記第1の導電パターンと電気的に分離された第2の導電パターンが形成された回路基板と、上記回路基板の上に設置されて上記第1の導電パターン及び第2の導電パターンと電気的に連結された発光ダイオードと、上記発光ダイオードを囲む第1のモールディング部材と、上記第1のモールディング部材の上に第2のモールディング部材が含まれ、上記発光ダイオードは導電性支持基板と、上記導電性支持基板の上に中央部が突出した反射電極層と、上記反射電極層の周辺部の上に保護層と、上記反射電極層及び保護層の上に第2導電型の半導体層と、上記第2導電型の半導体層の上に活性層と、上記活性層の上に第1の導電型の半導体層と、上記第1の導電型の半導体層の上に第1の電極層とを備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、回路基板の上に発光ダイオードを形成するステップと、上記発光ダイオードを囲むように上記回路基板の上に第1のモールディング部材を形成するステップと、上記第1モールディング部材の上に第2のモールディング部材を形成し、予備硬化工程を遂行するステップと、上記第2のモールディング部材の形態を変形する成形部材を配置し、本硬化工程を遂行するステップとを含む。
【0009】
本発明の一実施形態に係る発光ダイオードは、導電性支持基板と、上記導電性支持基板の上の、中央部が突出した反射電極層と、上記反射電極層の周辺部の上の保護層と、上記反射電極層及び保護層の上の第2の導電型の半導体層と、上記第2導電型の半導体層の上の活性層と、上記活性層の上の第1の導電型の半導体層と、上記第1の導電型の半導体層の上の第1の電極層とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、新しい発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードを有する発光素子の例示図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る発光素子の配光特性を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を説明するに当たって、各層(膜)、領域、パターン、または構造物が、基板、各層(膜)、領域、パッド、またはパターンの“上(on)”に、または“下(under)”に形成されることと記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“他の層を介して(indirectly)”形成されることを全て含む。また、各層の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。
【0013】
図面において、各層の厚さやサイズは説明の便宜及び明確性のために誇張、省略、または概略的に図示された。また、各構成要素のサイズは実際のサイズを全的に反映するのではない。
【0014】
以下、添付された図面を参照しつつ本発明の実施形態に係る発光ダイオード及びその製造方法、そして発光素子及びその製造方法を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードを示す断面図である。
【0016】
図1を参照すれば、発光ダイオード100は、第1の導電型の半導体層102、活性層104、第2の導電型の半導体層106、保護層107、反射電極層108、及び導電性支持基板110を備える。また、上記第1の導電型の半導体層102の上に第1の電極層112を備える。
【0017】
上記第1の導電型の半導体層102はn型半導体層で具現されることができ、上記n型半導体層はSiのようなn型ドーパントが注入されたGaN層、AlGaN層、InGAN層のようなGaN系化合物半導体のうち、いずれか1つからなることができる。
【0018】
上記第1の導電型の半導体層102の下には活性層104が形成される。上記活性層104は単一または多重量子井戸構造で形成されるが、例えば、InGAN井戸層/GaN障壁層を1周期にして、単一または多重量子井戸構造で形成できる。ここで、井戸層InxGa1−xNで、xは0≦x≦1範囲になることができる。
【0019】
上記活性層104の下には第2の導電型の半導体層106が形成される。上記第2の導電型の半導体層106はp型半導体層で具現できる。上記p型半導体層は、Mgのようなp型ドーパントが注入されたGaN層、AlGaN層、InGAN層のようにGaN系化合物半導体のうち、いずれか1つからなることができる。
【0020】
また、上記第2の導電型の半導体層106の下には第3の導電型の半導体層(図示せず)を更に形成することができる。ここで、第3の導電型の半導体層はn型半導体層で具現できる。
【0021】
また、本発明の別の実施形態では、第1の導電型の半導体層102がp型半導体層で具現され、第2の導電型の半導体層106がn型半導体層で具現されることもできる。
【0022】
上記第2の導電型の半導体層106の下には保護層107及び反射電極層108が形成される。
【0023】
上記反射電極層108は上記第2の導電型の半導体層106の下面中央部と接触し、上記保護層107は上記第2の導電型の半導体層106の下面周辺部と接触する。
【0024】
上記保護層107は、上記反射電極層108の上面及び側面と接触する。
【0025】
上記保護層107は、上記反射電極層108または導電性支持基板110の側面から上記第1の電極層112または第1の導電型の半導体層102までの垂直方向の間隔を増加させる。
【0026】
したがって、外部の異質物により上記反射電極層108または導電性支持基板110と、上記第1の電極層112または第1の導電型の半導体層102が電気的に短絡される現象を防止できる。
【0027】
上記保護層107は、上記第2の導電型の半導体層106の周辺部の下に所定の高さ(h1)及び幅(w1)で形成される。また、上記保護層107は第2の導電型の半導体層106と同一な半導体層または異なる半導体層で形成できる。また、上記保護層107は絶縁層で形成されることもできる。
【0028】
具体的に、上記保護層107の幅(w1)は20〜600μmで形成され、高さ(h1)は第2の導電型の半導体層106を基準として5〜500μmで形成される。また、上記保護層107は、n型半導体層、p型半導体層、アンドープド(undopped;非ドープの)半導体層のうち、いずれか1つまたは2つ以上が積層された多層で具現されることもできる。例えば、上記保護層107は、n型GaN層、p型GaN層、アンドープドGaN層のうち、少なくとも1層を含んでなされることができ、上記保護層107は第2の導電型の半導体層106と同一なp型GaN層で形成されることもできる。
【0029】
上記第1の導電型の半導体層102から上記第2の導電型の半導体層106の一部または上記保護層107の一部が露出される深さでメサエッチングされたエッチング溝105は、上記反射電極層108または導電性支持基板110の側面から上記第1の電極層112または第1の導電型の半導体層102までの水平方向の間隔を増加させる。
【0030】
したがって、外部の異質物により上記反射電極層108または導電性支持基板110と、上記第1の電極層112または第1の導電型の半導体層102が電気的に短絡される現象を防止できる。
【0031】
ここで、上記エッチング溝105の幅(w2)は10〜500μm位になる。ここで、上記エッチング溝105の幅(w2)と上記保護層107の幅(w1)はw1>w2を満たす。
【0032】
上記エッチング溝105の幅(w2)が上記保護層107の幅(w1)より大きいか等しい場合、メサエッチングにより上記反射電極層108が上側方向に露出される虞がある。
【0033】
上記反射電極層108の下には導電性支持基板110が形成される。
【0034】
ここで、上記反射電極層108は外部からの電流を安定的に供給できるようにオーミックコンタクト(ohmic contact)するp型電極として機能することもできる。ここで、p型電極は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、またはHfのうち、少なくともいずれか1つの物質が含まれた層で形成できる。上記導電性支持基板110は銅または金からなることができる。
【0035】
本発明の一実施形態に係る発光ダイオードにおいて、反射電極層108及び導電性支持基板110は、上記第1の導電型の半導体層102に電源を提供する第1の電極層112に対応するように上記第2の導電型の半導体層106に電源を提供する第2の電極層としての機能を提供できる。
【0036】
上記第2の電極層の上面は中央部が周辺部に比べて上方に突出する。本実施形態では、上記反射電極層108の中央部が周辺部に比べて上方に突出したものが図示されている。
【0037】
上記第2の電極層の上面の中央部が周辺部に比べて上方に突出して形成されるによって、前述したように、発光ダイオードの電気的絶縁特性が向上できる。この際、上記保護層107は選択的に形成されることもできる。
【0038】
図2乃至図9は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【0039】
図2及び図3を参照すれば、基板101の上に第1の導電型の半導体層102を形成し、上記第1の導電型の半導体層102の上に活性層104を形成し、上記活性層104の上に第2の導電型の半導体層106を形成する。ここで、第1の導電型の半導体層102はn型半導体層で、第2の導電型の半導体層106はp型半導体層で具現することができ、またはその反対の導電型で具現することもできる。
【0040】
図4を参照すれば、上記第2の導電型の半導体層106の中央部106Aには酸化膜パターン(例えば、SiO2)(図示せず)を形成した後、上記酸化膜パターンをマスクにして上記第2の導電型の半導体層106の上の周辺部106Bに所定高さ(h1)及び所定幅(w1)で保護層107を形成する。
【0041】
ここで、上記保護層107は,n型GaN層、p型GaN層、アンドープド(undopped)GaN層のうち、いずれか一層で形成されるか、2つ以上が組み合わせられた多層で形成できる。また、上記保護層107は絶縁層で形成されることもできる。例えば、上記アンドープドGaN層は900℃の成長温度でNH3とトリメタルガリウム(TMGa)ガスを供給して、ドーパントを含まないGaN層で形成される。
【0042】
上記保護層107の幅(w1)は、20〜600μmで形成され、高さ(h1)は5μm〜500μmで形成される。
【0043】
上記保護層107が形成されれば、第2導電型の半導体層106の中央部に形成された酸化膜パターンを除去する。
【0044】
図5を参照すれば、上記第2の導電型の半導体層106及び保護層107の上に反射電極層108を形成し、上記反射電極層108の上には導電性支持基板110を形成する。
【0045】
図6及び図7を参照すれば、上記第1の導電型の半導体層102の下に形成された基板101をレーザリフトオフ(LLO:Laser Lift Off)工程により除去する。即ち、基板101に一定領域の波長を持つレーザを照射すれば、上記基板101と第1導電型の半導体層102との間の境界面で熱エネルギーが集中されて、上記基板101が上記第1の導電型の半導体層102から分離される。
【0046】
そして、上記基板101が除去された第1の導電型の半導体層102の表面に対し、ICP/RCE(Inductively coupled Plasma / Reactive Ion Etching)方式により研磨する工程を遂行することができる。
【0047】
図8を参照すれば、上記基板101が除去された構造物を反対に配置して、導電性支持基板110が発光構造物の下部に置かれるようにする。
【0048】
そして、上記第1の導電型の半導体層102から第2の導電型の半導体層106の一部まで各層に対してメサエッチングを遂行してエッチング溝105を形成する。ここで、エッチング方式は乾式または湿式エッチング方式を利用できる。この際、メサエッチングは第2の導電型の半導体層106の一部または保護層107の一部が露出されるまで遂行できる。これによって、第1の導電型の半導体層102で第2の導電型の半導体層106の一部まで各層がエッチングされたエッチング溝105が形成される。
【0049】
ここで、上記エッチング溝105の幅(w2)は10〜500μm位になるが、上記保護層107の幅(図4のw1)よりは小さく形成される。
【0050】
図9を参照すれば、上記第1の導電型の半導体層102の上には第1の電極層112を形成する。上記第1の電極層112は透明電極層で形成されるか、上記第1の電極層112と上記第1の導電型の半導体層102との間に透明電極層が形成されることもできる。
【0051】
本発明の一実施形態に係る発光ダイオード100は、上記保護層107及びエッチング溝105を形成することによって、外部の異質物による電気的な短絡から発光ダイオード100を保護することができる。
【0052】
したがって、発光ダイオード100の絶縁特性が向上できる。
【0053】
図10は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードが含まれた発光素子の例示図である。
【0054】
図10を参照すれば、本発明の一実施形態に係る発光素子は、第1の導電パターン(図示せず)及び上記第1の導電パターンと離隔した第2の導電パターン(図示せず)が形成された回路基板10と、上記回路基板10の上に設置されて上記回路基板10とワイヤー21を介して電気的に連結される発光ダイオード100と、上記回路基板10の上に設置され、発光ダイオード100の周囲に配置されるガイドリング11と、上記ガイドリング11により支持され、蛍光体31を含む第1のモールディング部材30と、上記第1のモールディング部材30の上に形成される第2のモールディング部材40とを備える。
【0055】
図9及び図10に示すように、上記発光ダイオード100の導電性支持基板110は、上記回路基板10に形成された上記第1の導電パターン(図示せず)と接触して電気的に連結され、上記発光ダイオード100の第1の電極層112は、上記ワイヤー21を介して上記第1の導電パターン(図示せず)と電気的に分離された上記第2の導電パターン(図示せず)と電気的に連結される。
【0056】
上記第1のモールディング部材30は、上記発光ダイオード100を囲むように形成されて、上記発光ダイオード100から放出された光により上記第1のモールディング部材30に含まれた蛍光体31が励起されるようにする。上記蛍光体31は、上記第1のモールディング部材30に分散されて形成される。一方、他の実施形態において、上記第1のモールディング部材30は形成されず、上記第2モールディング部材40が上記第1のモールディング部材30の領域を含んで形成されることもできる。
【0057】
上記第2のモールディング部材40は、上記第1のモールディング部材30の上に形成されて、上記発光ダイオード100から放出された光の配光特性を決定する。
【0058】
本発明の一実施形態に係る発光素子において、上記第2のモールディング部材40は上面が凸な形態で形成され、上面の中心部が凹んでいる形態で形成される。
【0059】
図11は、本発明の一実施形態に係る発光素子の配光特性を示す図である。
【0060】
図11に示すように、発光素子の配光特性はレンズ役目をする上記第2のモールディング部材40の形態に従って変化できるが、本実施形態では全体的に凸な形態で形成され、かつ中心部が凹んでいる形態で第2のモールディング部材40を形成することによって、主として45度方向に光を放出する発光素子を形成することができる。
【0061】
このような発光素子は、ディスプレイ機器のバックライト照明に使われることに適することができる。
【0062】
図12乃至図16は、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【0063】
図12を参照すれば、回路基板10の上にガイドリング11と発光ダイオード100を設置する。この際、上記発光ダイオード100の導電性支持基板110が上記回路基板10に形成された第1の導電パターンと接触されるように上記発光ダイオード100を配置する。また、上記発光ダイオード100の第1の電極層112と上記回路基板10の第2の導電パターンをワイヤー21を介して電気的に連結する。
【0064】
図13を参照すれば、上記発光ダイオード100を囲むように蛍光体31が含まれた第1のモールディング部材30を、上記発光ダイオード100を有する回路基板10の上に形成する。上記第1のモールディング部材30は、上記ガイドリング11により上記発光ダイオード100を十分に覆うことができる厚さで形成される。
【0065】
図14を参照すれば、上記第1のモールディング部材30の上にシリコンのような樹脂材質の第2のモールディング部材40が形成される。上記第2のモールディング部材40は、上記発光ダイオード100から放出された光の配光特性を決定するが、一次的に上記第2のモールディング部材40は凸な形態で形成されて予備硬化工程が進行される。
【0066】
例えば、上記予備硬化工程は40℃乃至80℃の温度で5〜15分位遂行できる。
【0067】
図15を参照すれば、上記予備硬化された第2のモールディング部材40を成形部材50で押圧して上記第2のモールディング部材40の形態を成形する。図16には上記成形部材50の他の形態が図示されている。
【0068】
図15及び図16に示すように、上記成形部材50を用いて上記第2のモールディング部材40を押圧した状態で本硬化工程が進行される。
【0069】
例えば、上記本硬化工程は130℃乃至170℃の温度で5〜15分位遂行できる。
【0070】
上記のような予備硬化工程及び本硬化工程が進行されれば、図10に示すような発光素子が製作される。
【0071】
一方、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、回路基板10の上に設置された多数の発光素子の第2モールディング部材40を同時に成形することによって、生産性が向上するようにする。
【0072】
図17に示すように、導電パターン(図示せず)及び上記導電パターンに電源を提供するためのターミナル12が形成された回路基板10の上に、図14に示すような凸な形態の第2モールディング部材40が形成された複数の発光素子60が用意される。
【0073】
上記回路基板10にはガイドピン挿入ホール70が形成できる。
【0074】
一方、図18に図示された成形基板80は、上記回路基板10と対応するサイズで形成されることができ、上記ガイドピン挿入ホール70に挿入されて上記回路基板10と成形基板80が正確な位置に配置されるようにするガイドピン81が形成され、上記回路基板10と成形基板80とが一定の間隔を維持できるようにする間隔維持部材82が形成され、上記発光素子60と対応する位置に形成されて上記発光素子60の第2のモールディング部材40の形態を成形する成形部材50が形成される。
【0075】
図18で、成形部材50は図15に例示された成形部材50が使われたことが図示されているが、図16に例示された成形部材50が使われることもでき、第2のモールディング部材40の成形形態に従って多様な成形部材が使われることもできる。
【0076】
図19に示すように、上記回路基板10と成形基板80とを対向するように配置した状態で多数の基板が挿入できるように水平方向に延長された複数のスロット91が形成された容器90に挿入する。
【0077】
この際、上記ガイドピン81は上記回路基板10のガイドピン挿入ホール70に結合されて上記回路基板10または成形基板80が水平方向に揺れがないようにし、上記間隔維持部材82は上記回路基板10と成形基板80が上記容器90のスロット91の間の間隔に維持できるようにする。図19では、理解の便宜のために、図18と異なる位置に上記ガイドピン81及び間隔維持部材82が形成されたものが開示されているが、上記ガイドピン81及び間隔維持部材82の数と位置は多様に設計できることは、当業者に自明であると見るべきである。
【0078】
図19に示すように、上記回路基板10と成形基板80とが結合された状態で上記発光素子60に対する本硬化工程が遂行される。
【0079】
したがって、回路基板10の上に形成された複数の発光素子60に対する第2のモールディング部材40の成形工程を同時に遂行することができる。
【0080】
一方、上記容器90に形成されたスロット91の個数に対応されるだけ、回路基板10と成形基板80とが挿入できるので、複数の回路基板10に各々形成された複数の発光素子60に対する第2のモールディング部材40の成形が同時になされることができる。
【0081】
本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法は、発光素子のモールディング部材形態を容易に加工することができ、複数の発光素子のモールディング部材形態を同時に加工することができる。
【0082】
以上、本発明を中心として説明したが、これは単に例示であり、本発明を限定するのでなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で以上に例示されない種々の変形と応用が可能であることが分かる。例えば、本発明に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができる。そして、このような変形と応用に関連した差異点は添付の請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0083】
以上の実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるのではない。延いては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、本発明が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組み合せまたは変形されて実施可能である。したがって、このような組み合せと変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の実施形態は、発光ダイオード及びその製造方法、そして発光素子及びその発光素子の製造方法に適用できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード及びその製造方法、そして発光素子及びその発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、発光素子として発光ダイオードが多く使われている。
【0003】
発光ダイオードは、n型半導体層、活性層、及びp型半導体層を含んで形成され、上記n型半導体層及びp型半導体層に各々電源が印加されるにつれて、上記活性層で光が放出される。上記発光ダイオードは、特性によって多様なカラーの光を放出するように製作できる。
【0004】
上記発光ダイオードを使用した発光素子は、上記発光ダイオードから放出された光により励起されて励起光を放出する蛍光体を含むことによって、多様なカラーの光が放出できる。
【0005】
例えば、青色波長の光を放出する発光ダイオードを囲むように黄色蛍光体が含まれた第1のモールディング部材が形成できる。上記黄色蛍光体は、上記発光ダイオードにより放出された光により励起されて黄色波長の励起光を放出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、新しい発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る発光素子は、第1の導電パターン及び上記第1の導電パターンと電気的に分離された第2の導電パターンが形成された回路基板と、上記回路基板の上に設置されて上記第1の導電パターン及び第2の導電パターンと電気的に連結された発光ダイオードと、上記発光ダイオードを囲む第1のモールディング部材と、上記第1のモールディング部材の上に第2のモールディング部材が含まれ、上記発光ダイオードは導電性支持基板と、上記導電性支持基板の上に中央部が突出した反射電極層と、上記反射電極層の周辺部の上に保護層と、上記反射電極層及び保護層の上に第2導電型の半導体層と、上記第2導電型の半導体層の上に活性層と、上記活性層の上に第1の導電型の半導体層と、上記第1の導電型の半導体層の上に第1の電極層とを備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、回路基板の上に発光ダイオードを形成するステップと、上記発光ダイオードを囲むように上記回路基板の上に第1のモールディング部材を形成するステップと、上記第1モールディング部材の上に第2のモールディング部材を形成し、予備硬化工程を遂行するステップと、上記第2のモールディング部材の形態を変形する成形部材を配置し、本硬化工程を遂行するステップとを含む。
【0009】
本発明の一実施形態に係る発光ダイオードは、導電性支持基板と、上記導電性支持基板の上の、中央部が突出した反射電極層と、上記反射電極層の周辺部の上の保護層と、上記反射電極層及び保護層の上の第2の導電型の半導体層と、上記第2導電型の半導体層の上の活性層と、上記活性層の上の第1の導電型の半導体層と、上記第1の導電型の半導体層の上の第1の電極層とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、新しい発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードを有する発光素子の例示図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る発光素子の配光特性を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を説明するに当たって、各層(膜)、領域、パターン、または構造物が、基板、各層(膜)、領域、パッド、またはパターンの“上(on)”に、または“下(under)”に形成されることと記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“他の層を介して(indirectly)”形成されることを全て含む。また、各層の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。
【0013】
図面において、各層の厚さやサイズは説明の便宜及び明確性のために誇張、省略、または概略的に図示された。また、各構成要素のサイズは実際のサイズを全的に反映するのではない。
【0014】
以下、添付された図面を参照しつつ本発明の実施形態に係る発光ダイオード及びその製造方法、そして発光素子及びその製造方法を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードを示す断面図である。
【0016】
図1を参照すれば、発光ダイオード100は、第1の導電型の半導体層102、活性層104、第2の導電型の半導体層106、保護層107、反射電極層108、及び導電性支持基板110を備える。また、上記第1の導電型の半導体層102の上に第1の電極層112を備える。
【0017】
上記第1の導電型の半導体層102はn型半導体層で具現されることができ、上記n型半導体層はSiのようなn型ドーパントが注入されたGaN層、AlGaN層、InGAN層のようなGaN系化合物半導体のうち、いずれか1つからなることができる。
【0018】
上記第1の導電型の半導体層102の下には活性層104が形成される。上記活性層104は単一または多重量子井戸構造で形成されるが、例えば、InGAN井戸層/GaN障壁層を1周期にして、単一または多重量子井戸構造で形成できる。ここで、井戸層InxGa1−xNで、xは0≦x≦1範囲になることができる。
【0019】
上記活性層104の下には第2の導電型の半導体層106が形成される。上記第2の導電型の半導体層106はp型半導体層で具現できる。上記p型半導体層は、Mgのようなp型ドーパントが注入されたGaN層、AlGaN層、InGAN層のようにGaN系化合物半導体のうち、いずれか1つからなることができる。
【0020】
また、上記第2の導電型の半導体層106の下には第3の導電型の半導体層(図示せず)を更に形成することができる。ここで、第3の導電型の半導体層はn型半導体層で具現できる。
【0021】
また、本発明の別の実施形態では、第1の導電型の半導体層102がp型半導体層で具現され、第2の導電型の半導体層106がn型半導体層で具現されることもできる。
【0022】
上記第2の導電型の半導体層106の下には保護層107及び反射電極層108が形成される。
【0023】
上記反射電極層108は上記第2の導電型の半導体層106の下面中央部と接触し、上記保護層107は上記第2の導電型の半導体層106の下面周辺部と接触する。
【0024】
上記保護層107は、上記反射電極層108の上面及び側面と接触する。
【0025】
上記保護層107は、上記反射電極層108または導電性支持基板110の側面から上記第1の電極層112または第1の導電型の半導体層102までの垂直方向の間隔を増加させる。
【0026】
したがって、外部の異質物により上記反射電極層108または導電性支持基板110と、上記第1の電極層112または第1の導電型の半導体層102が電気的に短絡される現象を防止できる。
【0027】
上記保護層107は、上記第2の導電型の半導体層106の周辺部の下に所定の高さ(h1)及び幅(w1)で形成される。また、上記保護層107は第2の導電型の半導体層106と同一な半導体層または異なる半導体層で形成できる。また、上記保護層107は絶縁層で形成されることもできる。
【0028】
具体的に、上記保護層107の幅(w1)は20〜600μmで形成され、高さ(h1)は第2の導電型の半導体層106を基準として5〜500μmで形成される。また、上記保護層107は、n型半導体層、p型半導体層、アンドープド(undopped;非ドープの)半導体層のうち、いずれか1つまたは2つ以上が積層された多層で具現されることもできる。例えば、上記保護層107は、n型GaN層、p型GaN層、アンドープドGaN層のうち、少なくとも1層を含んでなされることができ、上記保護層107は第2の導電型の半導体層106と同一なp型GaN層で形成されることもできる。
【0029】
上記第1の導電型の半導体層102から上記第2の導電型の半導体層106の一部または上記保護層107の一部が露出される深さでメサエッチングされたエッチング溝105は、上記反射電極層108または導電性支持基板110の側面から上記第1の電極層112または第1の導電型の半導体層102までの水平方向の間隔を増加させる。
【0030】
したがって、外部の異質物により上記反射電極層108または導電性支持基板110と、上記第1の電極層112または第1の導電型の半導体層102が電気的に短絡される現象を防止できる。
【0031】
ここで、上記エッチング溝105の幅(w2)は10〜500μm位になる。ここで、上記エッチング溝105の幅(w2)と上記保護層107の幅(w1)はw1>w2を満たす。
【0032】
上記エッチング溝105の幅(w2)が上記保護層107の幅(w1)より大きいか等しい場合、メサエッチングにより上記反射電極層108が上側方向に露出される虞がある。
【0033】
上記反射電極層108の下には導電性支持基板110が形成される。
【0034】
ここで、上記反射電極層108は外部からの電流を安定的に供給できるようにオーミックコンタクト(ohmic contact)するp型電極として機能することもできる。ここで、p型電極は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、またはHfのうち、少なくともいずれか1つの物質が含まれた層で形成できる。上記導電性支持基板110は銅または金からなることができる。
【0035】
本発明の一実施形態に係る発光ダイオードにおいて、反射電極層108及び導電性支持基板110は、上記第1の導電型の半導体層102に電源を提供する第1の電極層112に対応するように上記第2の導電型の半導体層106に電源を提供する第2の電極層としての機能を提供できる。
【0036】
上記第2の電極層の上面は中央部が周辺部に比べて上方に突出する。本実施形態では、上記反射電極層108の中央部が周辺部に比べて上方に突出したものが図示されている。
【0037】
上記第2の電極層の上面の中央部が周辺部に比べて上方に突出して形成されるによって、前述したように、発光ダイオードの電気的絶縁特性が向上できる。この際、上記保護層107は選択的に形成されることもできる。
【0038】
図2乃至図9は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの製造方法を説明する図である。
【0039】
図2及び図3を参照すれば、基板101の上に第1の導電型の半導体層102を形成し、上記第1の導電型の半導体層102の上に活性層104を形成し、上記活性層104の上に第2の導電型の半導体層106を形成する。ここで、第1の導電型の半導体層102はn型半導体層で、第2の導電型の半導体層106はp型半導体層で具現することができ、またはその反対の導電型で具現することもできる。
【0040】
図4を参照すれば、上記第2の導電型の半導体層106の中央部106Aには酸化膜パターン(例えば、SiO2)(図示せず)を形成した後、上記酸化膜パターンをマスクにして上記第2の導電型の半導体層106の上の周辺部106Bに所定高さ(h1)及び所定幅(w1)で保護層107を形成する。
【0041】
ここで、上記保護層107は,n型GaN層、p型GaN層、アンドープド(undopped)GaN層のうち、いずれか一層で形成されるか、2つ以上が組み合わせられた多層で形成できる。また、上記保護層107は絶縁層で形成されることもできる。例えば、上記アンドープドGaN層は900℃の成長温度でNH3とトリメタルガリウム(TMGa)ガスを供給して、ドーパントを含まないGaN層で形成される。
【0042】
上記保護層107の幅(w1)は、20〜600μmで形成され、高さ(h1)は5μm〜500μmで形成される。
【0043】
上記保護層107が形成されれば、第2導電型の半導体層106の中央部に形成された酸化膜パターンを除去する。
【0044】
図5を参照すれば、上記第2の導電型の半導体層106及び保護層107の上に反射電極層108を形成し、上記反射電極層108の上には導電性支持基板110を形成する。
【0045】
図6及び図7を参照すれば、上記第1の導電型の半導体層102の下に形成された基板101をレーザリフトオフ(LLO:Laser Lift Off)工程により除去する。即ち、基板101に一定領域の波長を持つレーザを照射すれば、上記基板101と第1導電型の半導体層102との間の境界面で熱エネルギーが集中されて、上記基板101が上記第1の導電型の半導体層102から分離される。
【0046】
そして、上記基板101が除去された第1の導電型の半導体層102の表面に対し、ICP/RCE(Inductively coupled Plasma / Reactive Ion Etching)方式により研磨する工程を遂行することができる。
【0047】
図8を参照すれば、上記基板101が除去された構造物を反対に配置して、導電性支持基板110が発光構造物の下部に置かれるようにする。
【0048】
そして、上記第1の導電型の半導体層102から第2の導電型の半導体層106の一部まで各層に対してメサエッチングを遂行してエッチング溝105を形成する。ここで、エッチング方式は乾式または湿式エッチング方式を利用できる。この際、メサエッチングは第2の導電型の半導体層106の一部または保護層107の一部が露出されるまで遂行できる。これによって、第1の導電型の半導体層102で第2の導電型の半導体層106の一部まで各層がエッチングされたエッチング溝105が形成される。
【0049】
ここで、上記エッチング溝105の幅(w2)は10〜500μm位になるが、上記保護層107の幅(図4のw1)よりは小さく形成される。
【0050】
図9を参照すれば、上記第1の導電型の半導体層102の上には第1の電極層112を形成する。上記第1の電極層112は透明電極層で形成されるか、上記第1の電極層112と上記第1の導電型の半導体層102との間に透明電極層が形成されることもできる。
【0051】
本発明の一実施形態に係る発光ダイオード100は、上記保護層107及びエッチング溝105を形成することによって、外部の異質物による電気的な短絡から発光ダイオード100を保護することができる。
【0052】
したがって、発光ダイオード100の絶縁特性が向上できる。
【0053】
図10は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードが含まれた発光素子の例示図である。
【0054】
図10を参照すれば、本発明の一実施形態に係る発光素子は、第1の導電パターン(図示せず)及び上記第1の導電パターンと離隔した第2の導電パターン(図示せず)が形成された回路基板10と、上記回路基板10の上に設置されて上記回路基板10とワイヤー21を介して電気的に連結される発光ダイオード100と、上記回路基板10の上に設置され、発光ダイオード100の周囲に配置されるガイドリング11と、上記ガイドリング11により支持され、蛍光体31を含む第1のモールディング部材30と、上記第1のモールディング部材30の上に形成される第2のモールディング部材40とを備える。
【0055】
図9及び図10に示すように、上記発光ダイオード100の導電性支持基板110は、上記回路基板10に形成された上記第1の導電パターン(図示せず)と接触して電気的に連結され、上記発光ダイオード100の第1の電極層112は、上記ワイヤー21を介して上記第1の導電パターン(図示せず)と電気的に分離された上記第2の導電パターン(図示せず)と電気的に連結される。
【0056】
上記第1のモールディング部材30は、上記発光ダイオード100を囲むように形成されて、上記発光ダイオード100から放出された光により上記第1のモールディング部材30に含まれた蛍光体31が励起されるようにする。上記蛍光体31は、上記第1のモールディング部材30に分散されて形成される。一方、他の実施形態において、上記第1のモールディング部材30は形成されず、上記第2モールディング部材40が上記第1のモールディング部材30の領域を含んで形成されることもできる。
【0057】
上記第2のモールディング部材40は、上記第1のモールディング部材30の上に形成されて、上記発光ダイオード100から放出された光の配光特性を決定する。
【0058】
本発明の一実施形態に係る発光素子において、上記第2のモールディング部材40は上面が凸な形態で形成され、上面の中心部が凹んでいる形態で形成される。
【0059】
図11は、本発明の一実施形態に係る発光素子の配光特性を示す図である。
【0060】
図11に示すように、発光素子の配光特性はレンズ役目をする上記第2のモールディング部材40の形態に従って変化できるが、本実施形態では全体的に凸な形態で形成され、かつ中心部が凹んでいる形態で第2のモールディング部材40を形成することによって、主として45度方向に光を放出する発光素子を形成することができる。
【0061】
このような発光素子は、ディスプレイ機器のバックライト照明に使われることに適することができる。
【0062】
図12乃至図16は、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明する図である。
【0063】
図12を参照すれば、回路基板10の上にガイドリング11と発光ダイオード100を設置する。この際、上記発光ダイオード100の導電性支持基板110が上記回路基板10に形成された第1の導電パターンと接触されるように上記発光ダイオード100を配置する。また、上記発光ダイオード100の第1の電極層112と上記回路基板10の第2の導電パターンをワイヤー21を介して電気的に連結する。
【0064】
図13を参照すれば、上記発光ダイオード100を囲むように蛍光体31が含まれた第1のモールディング部材30を、上記発光ダイオード100を有する回路基板10の上に形成する。上記第1のモールディング部材30は、上記ガイドリング11により上記発光ダイオード100を十分に覆うことができる厚さで形成される。
【0065】
図14を参照すれば、上記第1のモールディング部材30の上にシリコンのような樹脂材質の第2のモールディング部材40が形成される。上記第2のモールディング部材40は、上記発光ダイオード100から放出された光の配光特性を決定するが、一次的に上記第2のモールディング部材40は凸な形態で形成されて予備硬化工程が進行される。
【0066】
例えば、上記予備硬化工程は40℃乃至80℃の温度で5〜15分位遂行できる。
【0067】
図15を参照すれば、上記予備硬化された第2のモールディング部材40を成形部材50で押圧して上記第2のモールディング部材40の形態を成形する。図16には上記成形部材50の他の形態が図示されている。
【0068】
図15及び図16に示すように、上記成形部材50を用いて上記第2のモールディング部材40を押圧した状態で本硬化工程が進行される。
【0069】
例えば、上記本硬化工程は130℃乃至170℃の温度で5〜15分位遂行できる。
【0070】
上記のような予備硬化工程及び本硬化工程が進行されれば、図10に示すような発光素子が製作される。
【0071】
一方、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、回路基板10の上に設置された多数の発光素子の第2モールディング部材40を同時に成形することによって、生産性が向上するようにする。
【0072】
図17に示すように、導電パターン(図示せず)及び上記導電パターンに電源を提供するためのターミナル12が形成された回路基板10の上に、図14に示すような凸な形態の第2モールディング部材40が形成された複数の発光素子60が用意される。
【0073】
上記回路基板10にはガイドピン挿入ホール70が形成できる。
【0074】
一方、図18に図示された成形基板80は、上記回路基板10と対応するサイズで形成されることができ、上記ガイドピン挿入ホール70に挿入されて上記回路基板10と成形基板80が正確な位置に配置されるようにするガイドピン81が形成され、上記回路基板10と成形基板80とが一定の間隔を維持できるようにする間隔維持部材82が形成され、上記発光素子60と対応する位置に形成されて上記発光素子60の第2のモールディング部材40の形態を成形する成形部材50が形成される。
【0075】
図18で、成形部材50は図15に例示された成形部材50が使われたことが図示されているが、図16に例示された成形部材50が使われることもでき、第2のモールディング部材40の成形形態に従って多様な成形部材が使われることもできる。
【0076】
図19に示すように、上記回路基板10と成形基板80とを対向するように配置した状態で多数の基板が挿入できるように水平方向に延長された複数のスロット91が形成された容器90に挿入する。
【0077】
この際、上記ガイドピン81は上記回路基板10のガイドピン挿入ホール70に結合されて上記回路基板10または成形基板80が水平方向に揺れがないようにし、上記間隔維持部材82は上記回路基板10と成形基板80が上記容器90のスロット91の間の間隔に維持できるようにする。図19では、理解の便宜のために、図18と異なる位置に上記ガイドピン81及び間隔維持部材82が形成されたものが開示されているが、上記ガイドピン81及び間隔維持部材82の数と位置は多様に設計できることは、当業者に自明であると見るべきである。
【0078】
図19に示すように、上記回路基板10と成形基板80とが結合された状態で上記発光素子60に対する本硬化工程が遂行される。
【0079】
したがって、回路基板10の上に形成された複数の発光素子60に対する第2のモールディング部材40の成形工程を同時に遂行することができる。
【0080】
一方、上記容器90に形成されたスロット91の個数に対応されるだけ、回路基板10と成形基板80とが挿入できるので、複数の回路基板10に各々形成された複数の発光素子60に対する第2のモールディング部材40の成形が同時になされることができる。
【0081】
本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法は、発光素子のモールディング部材形態を容易に加工することができ、複数の発光素子のモールディング部材形態を同時に加工することができる。
【0082】
以上、本発明を中心として説明したが、これは単に例示であり、本発明を限定するのでなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で以上に例示されない種々の変形と応用が可能であることが分かる。例えば、本発明に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができる。そして、このような変形と応用に関連した差異点は添付の請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0083】
以上の実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるのではない。延いては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、本発明が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組み合せまたは変形されて実施可能である。したがって、このような組み合せと変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の実施形態は、発光ダイオード及びその製造方法、そして発光素子及びその発光素子の製造方法に適用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に配置された発光ダイオードと、
前記発光ダイオードを囲むガイドリングと、
前記発光ダイオードを覆うように、前記ガイドリング内に形成された第1のモールディング部材と、
前記第1のモールディング部材の上の第2のモールディング部材と
を備える発光素子。
【請求項2】
前記第2のモールディング部材は、前記第1のモールディング部材の上に直接配置されている、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記基板は、第1の導電パターン及び前記第1の導電パターンと分離された第2の導電パターンを有し、
前記発光ダイオードは、前記第1の導電パターン及び前記第2の導電パターンと電気的に連結されている、請求項1又は2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1のモールディング部材は蛍光体を含む、請求項1から3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記第2のモールディング部材は、前記発光ダイオードから放出された光の配光特性を決定するレンズである、請求項1から4のいずれかに記載の発光素子。
【請求項6】
前記発光ダイオードは、
導電性支持基板と、
前記導電性支持基板上の反射電極層と、
前記反射電極層上の第2の導電型の半導体層と、
前記第2の導電型の半導体層上の活性層と、
前記活性層上の第1の導電型の半導体層と、
前記第1の導電型の半導体層上の第1の電極層と
を備える、請求項1から5のいずれかに記載の発光素子。
【請求項7】
前記発光ダイオードは、前記第1の導電型の半導体層から前記第2の導電型の半導体層までのエッチング溝を有する、請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記エッチング溝の幅は10〜500μmである、請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
第1の導電型の半導体層は、GaN系化合物半導体で構成されたn型半導体層であり、
前記活性層は、量子井戸構造を有し、
第2の導電型の半導体層は、GaN系化合物半導体で構成されたp型半導体層である、請求項6から8のいずれかに記載の発光素子。
【請求項10】
前記反射電極層はp型電極として機能する、請求項6から9のいずれかに記載の発光素子。
【請求項11】
前記反射電極層は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au又はHfのうちの少なくとも1つを含む、請求項6から10のいずれかに記載の発光素子。
【請求項12】
前記導電性支持基板は金を含む、請求項6から11のいずれかに記載の発光素子。
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に配置された発光ダイオードと、
前記発光ダイオードを囲むガイドリングと、
前記発光ダイオードを覆うように、前記ガイドリング内に形成された第1のモールディング部材と、
前記第1のモールディング部材の上の第2のモールディング部材と
を備える発光素子。
【請求項2】
前記第2のモールディング部材は、前記第1のモールディング部材の上に直接配置されている、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記基板は、第1の導電パターン及び前記第1の導電パターンと分離された第2の導電パターンを有し、
前記発光ダイオードは、前記第1の導電パターン及び前記第2の導電パターンと電気的に連結されている、請求項1又は2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1のモールディング部材は蛍光体を含む、請求項1から3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記第2のモールディング部材は、前記発光ダイオードから放出された光の配光特性を決定するレンズである、請求項1から4のいずれかに記載の発光素子。
【請求項6】
前記発光ダイオードは、
導電性支持基板と、
前記導電性支持基板上の反射電極層と、
前記反射電極層上の第2の導電型の半導体層と、
前記第2の導電型の半導体層上の活性層と、
前記活性層上の第1の導電型の半導体層と、
前記第1の導電型の半導体層上の第1の電極層と
を備える、請求項1から5のいずれかに記載の発光素子。
【請求項7】
前記発光ダイオードは、前記第1の導電型の半導体層から前記第2の導電型の半導体層までのエッチング溝を有する、請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記エッチング溝の幅は10〜500μmである、請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
第1の導電型の半導体層は、GaN系化合物半導体で構成されたn型半導体層であり、
前記活性層は、量子井戸構造を有し、
第2の導電型の半導体層は、GaN系化合物半導体で構成されたp型半導体層である、請求項6から8のいずれかに記載の発光素子。
【請求項10】
前記反射電極層はp型電極として機能する、請求項6から9のいずれかに記載の発光素子。
【請求項11】
前記反射電極層は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au又はHfのうちの少なくとも1つを含む、請求項6から10のいずれかに記載の発光素子。
【請求項12】
前記導電性支持基板は金を含む、請求項6から11のいずれかに記載の発光素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−94926(P2012−94926A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−31778(P2012−31778)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【分割の表示】特願2011−519986(P2011−519986)の分割
【原出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(510110301)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【分割の表示】特願2011−519986(P2011−519986)の分割
【原出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(510110301)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (101)
【Fターム(参考)】
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