説明

発光装置、表示装置

【課題】対象物に対する取り付けが容易な発光装置等を提供する。
【解決手段】発光モジュール12は、ガラス布基材エポキシ樹脂をベースとする配線基板20、配線基板20の表面20aに実装される複数のLEDチップ21、各LEDチップ21を覆うレンズ30、レンズ30同士を連結する連結部31を備える。レンズ30および連結部31は一体成形されたシリコーン樹脂からなり、レンズ30および連結部31の形成部位以外には、配線基板20の表面20aが露出する。これにより、配線基板20の表面20aの全面をシリコーン樹脂で覆う場合と比較して、シリコーン樹脂によって配線基板20に与えられる収縮力を低減することができ、その結果、発光モジュール12に生じる反りを抑制することができる。したがって、ネジによるバックライトフレームへの発光モジュール12の取り付けを、容易に行うことが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置や表示装置等に係り、より詳しくは、固体発光素子を含んで構成される発光装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の複数の固体発光素子を基板に実装し、各固体発光素子を光源として用いた発光装置が種々実用化されてきている。このような発光装置は、例えばマトリクス状に配列された複数のLEDを選択的に発光させることにより文字や画像を表示するマトリクス表示装置や、例えば液晶表示装置における液晶パネルのバックライト等として広く利用されている。
【0003】
この種の発光装置では、基板に実装されたLEDを透明なカバーで覆うことが多い。このカバーは、例えばLEDの保護や封止を行うため、あるいは、LEDから出射される光の光路を所望とする方向に屈折させるために用いられる。
このようなカバーの形成手法として、基板におけるLEDの実装面を樹脂等の透明材料で被覆すると共に、各LEDの実装位置の上部にこの透明材料にて凸レンズを形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−261366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような発光装置では、基板および透明材料の機械的な特性の違いにより、基板に反りが生じてしまうことがある。そして、基板に反りが生じた場合は、例えば発光装置を対象物に取り付けることが困難となり、結果として対象物の生産性を低下させることになってしまう。
【0006】
本発明は、上述した技術を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、対象物に対する取り付けが容易な発光装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的のもと、本発明が適用される発光装置は、配線が形成された基板と、基板の一方の面に装着され、配線を介して互いに電気的に接続される複数の固体発光素子と、基板の一方の面に形成され、複数の固体発光素子をそれぞれ覆う複数のカバー部材と、基板の一方の面に形成され、基板の一方の面が露出するように複数のカバー部材同士を連結する連結部材とを含んでいる。
【0008】
このような発光装置において、カバー部材および連結部材は光透過性を有する同一の樹脂で構成され、且つ、カバー部材および連結部材が一体化していることを特徴とすることができる。また、連結部材の長手方向に直交する方向の幅がカバー部材の基板側の径よりも狭く設定されることを特徴とすることができる。さらに、連結部材の基板からの高さがカバー部材の基板からの高さよりも低く設定されることを特徴とすることができる。
【0009】
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される発光装置は、配線が形成された基板と、基板の一方の面に装着され、配線を介して互いに電気的に接続される複数の固体発光素子と、基板の一方の面に形成され、複数の固体発光素子をそれぞれ覆う複数のカバー部材と、基板の一方の面に形成され、複数のカバー部材同士を接続する接続部材と、基板の一方の面の裏面側で基板に生じる反りを抑制する反り抑制手段とを含んでいる。
このような発光装置において、反り抑制手段は、基板の裏面側に貼り付けられた金属板からなることを特徴とすることができる。
【0010】
さらに、他の観点から捉えると、本発明は、画像表示を行う表示パネルと、表示パネルの背面に向けられ表示パネルの背面側から光を照射するバックライトとを含む表示装置であって、バックライトは、配線が形成された基板と、基板の一方の面に装着され、配線を介して互いに電気的に接続される複数の固体発光素子と、基板の一方の面に形成され、複数の固体発光素子をそれぞれ覆う複数のカバー部材と、基板の一方の面に形成され、基板の一方の面が露出するように複数のカバー部材同士を連結する連結部材とを含んでいる。
【0011】
さらにまた、他の観点から捉えると、本発明は、画像表示を行う表示パネルと、表示パネルの背面に向けられ表示パネルの背面側から光を照射するバックライトとを含む表示装置であって、バックライトは、配線が形成された基板と、基板の一方の面に装着され、配線を介して互いに電気的に接続される複数の固体発光素子と、基板の一方の面に形成され、複数の固体発光素子をそれぞれ覆う複数のカバー部材と、基板の一方の面に形成され、複数のカバー部材同士を接続する接続部材と、基板の一方の面の裏面に形成される溝と、基板が取り付けられるフレームと、基板に生じた反りを是正してフレームに取り付ける取り付け部材とを含んでいる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、対象物に対する取り付けが容易な発光装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される液晶表示装置の全体構成を示す図である。本実施の形態が適用される液晶表示装置は、液晶表示モジュール50と、この液晶表示モジュール50の背面側(図1では下部側)に設けられるバックライト装置10とを備えている。
【0014】
バックライト装置10は、発光部を収容するバックライトフレーム11と、発光ダイオード(以下の説明ではLEDという)を複数個、配列させた発光モジュール12とを備えている。また、バックライト装置10は、光学フィルムの積層体として、面全体を均一な明るさとするために光を散乱・拡散させる板(またはフィルム)である拡散板13と、前方への集光効果を持たせたプリズムシート14、15とを備えている。また、輝度を向上させるための拡散・反射型の輝度向上フィルム16が必要に応じて備えられる。
【0015】
一方、液晶表示モジュール50は、2枚のガラス基板により液晶が挟まれて構成される表示パネルの一種としての液晶パネル51と、この液晶パネル51の各々のガラス基板に積層され、光波の振動をある方向に制限するための偏光板52、53とを備えている。更に、本液晶表示装置には、図示しない駆動用LSIなどの周辺部材も装着される。
【0016】
表示パネルとしての液晶パネル51は、図示しない各種構成要素を含んで構成されている。例えば、2枚のガラス基板に、図示しない表示電極、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などのアクティブ素子、液晶、スペーサ、シール剤、配向膜、共通電極、保護膜、カラーフィルタ等を備えている。
なお、バックライト装置10の構成単位は任意に選択される。例えば、発光モジュール12を有するバックライトフレーム11だけの単位にて「バックライト装置(バックライト)」と呼び、拡散板13やプリズムシート14、15などの光学フィルムの積層体を含まない流通形態もあり得る。
【0017】
図2は、バックライト装置10の一部の構造を説明するための図である。より具体的に説明すると、図2(a)は発光モジュール12が装着されたバックライトフレーム11を図1に示す液晶表示モジュール50側からみた上面図であり、図2(b)は図2(a)のIIB−IIB断面図である。図2に示す例では、液晶表示モジュール50の背面直下に光源を置く直下型のバックライト構造を採用している。そして、このバックライト構造では、液晶表示モジュール50の背面の全体に対してほぼ均等にLEDチップ21が配列されている。したがって、導光板の一辺または二辺に光源を配置し、反射板や導光板などにより均一な面上の光を得るいわゆるサイドライト型とは異なる。
【0018】
バックライトフレーム11は、例えばアルミニウムやマグネシウム、鉄、またはそれらを含む金属合金などで生成される筐体構造を形成している。そして、その筐体構造の内側に、例えば白色高反射の性能を有するポリエステルフィルムなどが貼られ、リフレクタとしても機能するようになっている。この筐体構造としては、液晶表示モジュール50の大きさに対応して設けられる背面部11a、この背面部11aの四隅を囲う側面部11bを備えている。そして、この背面部11a上には放熱シート18を設けることができる。
【0019】
図2に示す例では、発光装置の一例としての発光モジュール12が複数(この例では8枚)設けられている。そして、各発光モジュール12は、それぞれ複数 (この例では1枚の発光モジュール12に対して2本) のネジ17により、放熱シート18を介してバックライトフレーム11に固定されている。なお、放熱シート18には、例えば絶縁性を備えた複数層構成のシリコーンゴムシートを用いることができる。
【0020】
この発光モジュール12は、配線基板20と、この配線基板20に実装される複数のLEDチップ21とを備えている。固体発光素子の一例としての複数のLEDチップ21は、赤色を発光する赤色LEDチップ、緑色を発光する緑色LEDチップ、および青色を発光する青色LEDチップからなり、これらの各色のLEDチップ21が一定の規則に従って配置されている。これらの各色のLEDチップ21から出射される光を混合させることで、色再現の範囲の広い光源を得ることが可能となる。なお、発光モジュール12を構成する32箇所の各発光部は、このように各々が赤色、緑色、あるいは青色を発光する単体のLEDチップ21を1または複数含んでいてもよいし、例えば青紫色を発光する単体のLEDチップ21に蛍光体を組み合わせることで疑似白色を発光する疑似白色固体発光素子を用いてもよい。さらには、各々が赤色、緑色、および青色を発光する複数個のLEDチップ21を含み、これら各LEDチップ21を近接配置することで白色を発光するように構成してもよい。そして、このバックライトフレーム11に複数の発光モジュール12が取り付けられることで、バックライト構造の全体として、各LEDチップ21が均等に配置される。バックライトフレーム11に存在するLEDチップ21の全体を用いることで、輝度および色度の均一性を実現したバックライト装置10を提供することが可能となる。なお、図2に示す例では、複数の発光モジュール12が設けられているが、バックライトの光源として用いられる全てのLEDチップ21を1つの基板にまとめた単独の発光モジュール12を用いることもできる。
【0021】
発光モジュール12上に配置される個々のLED21チップには、カバー部材としてのレンズ30が設けられている。レンズ30は、個々のLEDチップ21を覆うように固定されている。各レンズ30は、各LEDチップ21を保護するとともに、対応するLEDチップ21から出射される光を、液晶表示モジュール50(図1参照)に効率よく且つほぼ均一に導くための機能を有している。
【0022】
図3は、本実施の形態における発光モジュール12の詳細な構成を示したものであり、図3(a)はLEDチップ21の実装およびレンズ30の取り付けがなされた配線基板20の上面図、図3(b)は図3(a)のIIIB−IIIB断面図、図3(c)は図3(a)のIIIC−IIIC断面図である。
【0023】
配線基板20は、この配線基板20に実装される各LEDチップ21に対して電力を供給する配線26を備えている。なお、配線26は、配線基板20の内部に設けられており、図にはその一部を例示している。配線基板20には二個の端子(図示せず)が形成されており、この二個の端子から配線26を介してすべてのLEDチップ21に対して電力を供給している。そして、配線26は、配線基板20に実装される少なくとも2つのLEDチップ21を直列あるいは並列に接続している。なお、各LEDチップ21および配線26は、ボンディングワイヤ(図示せず)を介して電気的に接続されている。配線基板20は長方形状の形状を有している。本実施の形態では、配線基板20としてガラス布基材エポキシ樹脂をベースとした所謂ガラエポ基板が用いられる。また、配線基板20には、取り付け部材としてのネジ17用のネジ穴23が2箇所設けられる。
【0024】
レンズ30は、半球状の形状を有しており、対応するLEDチップ21の上部にその天頂が位置するように配置されている。なお、レンズ30は、可視領域においてほぼ透明な光学特性を備えたシリコーン樹脂によって構成され、レンズ30内はシリコーン樹脂によって充填されている。また、本実施の形態では、配線基板20の各端部側を除き、水平方向および垂直方向に隣接するレンズ30同士が、連結部材としての連結部31によって連結されている。この連結部31も、レンズ30と同様にシリコーン樹脂によって構成される。連結部31は、LEDチップ21が実装された配線基板20の一方の面すなわち表面20a上に表面20a側からシリコーン樹脂を供給し、供給されたシリコーン樹脂を成形することによって各レンズ30の形成を行う際に、シリコーン樹脂の通り道として使用される。したがって、レンズ30およびこのレンズ30に連結される連結部31は一体化している。そして、これらレンズ30および連結部31は、配線基板20の表面20aに密着している。また、本実施の形態では、連結部31となる部位を介してシリコーン樹脂の供給を行うことでレンズ30を形成しているため、結果として、レンズ30および連結部31の形成部位以外では、配線基板20の表面20aが露出している。
【0025】
図4は、LEDチップ21、レンズ30、および連結部31の拡大図を示したものであり、図4(a)はLEDチップ21、レンズ30、および連結部31を配線基板20の表面20a側からみた上面図、図4(b)は図4(a)のIVB−IVB断面図である。
本実施の形態において、連結部31の長手方向に直交する方向の長さすなわち幅Wは、レンズ30の底面の径Dよりも狭くなるように設定される。また、配線基板20の表面20aからの連結部31の高さHは、配線基板20の表面20aからのレンズ30の高さRよりも十分小さく、例えば200μm以下となるように設定される。
【0026】
この発光モジュール12では、上述したようにレンズ30の構成材料としてシリコーン樹脂を使用している。シリコーン樹脂を用いてレンズ30を形成した場合、レンズ30として十分な強度を持たせるためには、配線基板20上に形成されたレンズ30を固化させるために熱処理を施す必要がある。ここで、配線基板20を構成するガラス布基材エポキシ樹脂とレンズ30および連結部31を構成するシリコーン樹脂とでは、熱を受けた際の変形量(伸縮量)が異なる。このため、熱処理による両者の変形量の違いに応じて発光モジュール12に反りが生じるおそれがある。
【0027】
そこで、本実施の形態では、各レンズ30を連結部31を介して接続することで、配線基板20の表面20aにシリコーン樹脂で覆われない領域、換言すれば、表面20aが露出する領域を設けている。これにより、例えば配線基板20の表面20aの全面をシリコーン樹脂で覆う場合と比較して、シリコーン樹脂によって配線基板20に与えられる収縮力を低減することができ、その結果、発光モジュール12に生じる反りを抑制することができる。その結果、ネジ17による対象物すなわちバックライトフレーム11への発光モジュール12の取り付けを、容易に行うことが可能になる。そして、シリコーン樹脂によって配線基板20の表面20aを覆わない領域を設けることから、レンズ30の形成におけるシリコーン樹脂の使用量を低減することができる。
【0028】
また、図5は、LEDチップ21から照射される光の経路を説明するためのものであり、図5(a)はLEDチップ21、レンズ30、および連結部31を配線基板20の表面20a側からみた上面図、図5(b)は図5(a)のVB−VB断面図である。
LEDチップ21の発光光のほとんどは、レンズ30を突き抜けて外部に照射される。ただし、発光光の一部は連結部31に入射する。連結部31に入射した光は連結部31内で全反射を繰り返しながら進むことになるため、その分照射効率が低下する。しかしながら、本実施の形態では、例えば図5(a)にも示したように、レンズ30の側部の全面に連結部31を形成するのではなく、一部の部位(図5(a)に示すレンズ30では4箇所)にのみ連結部31を形成している。
したがって、この発光モジュール12では、このような構成を採用した結果、例えば配線基板20の表面20a全面をシリコーン樹脂で覆う場合と比較して、LEDチップ21による照射効率の低下を抑制できるという利点もある。
【0029】
なお、本実施の形態では、シリコーン樹脂によってレンズ30や連結部31を形成するする例について説明を行ったが、これに限られない。例えばこれらレンズ30や連結部31をエポキシ樹脂で形成してもよい。この場合には、レンズ30等と配線基板20とが同質の材料で形成されることになるが、実際には配線基板20にガラス布基材が存在することから、熱を受けた際の配線基板20とレンズ30等との変形量が異なるため、上述した手法の適用が有効である。
【0030】
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同様であるが、実施の形態1では各レンズ30を連結部31で連結することによって発光モジュール12の反りを抑制していたのに対し、本実施の形態では発光モジュール12を構成する配線基板20の強度を向上させることにより発光モジュール12の反りを抑制するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0031】
図6は、本実施の形態における発光モジュール12の詳細な構成を示したものであり、図6(a)はLEDチップ21の実装およびレンズ30の取り付けがなされた配線基板20の上面図、図6(b)は図6(a)のVIB−VIB断面図、図6(c)は図6(a)のVIC−VIC断面図である。
【0032】
本実施の形態において、配線基板20の表面20aの裏面側には、ほぼ全面にわたって反り抑制手段として金属板である銅板24が貼り合わされている。また、配線基板20の表面20aには、複数のレンズ30と共に全面にわたって接続部材としてのシリコーン樹脂層32が形成されている。これらレンズ30およびシリコーン樹脂層32は、配線基板20の表面20aに密着している。したがって、本実施の形態では、シリコーン樹脂によって配線基板20の表面20aのほぼ全面が覆われている。また、配線基板20の表面20aには、周期的に凹部が形成されており、この凹部にもシリコーン樹脂が充填されることで凸部33を構成している。もちろん、凸部33はシリコーン樹脂層32やレンズ30と一体的に形成されている。このため、レンズ30は、シリコーン樹脂層32および凸部33を介して配線基板20により強く密着することになる。
【0033】
また、配線基板20の端部には、シリコーン樹脂層32、配線基板20、および銅板24を覆うように接着シート40が貼り付けられている。この接着シート40としては、例えば日東シンコー株式会社製B−EL10やFB−ML80を用いることができる。
【0034】
本実施の形態では、配線基板20の表面20aのほぼ全面にわたってシリコーン樹脂層32が形成されているため、熱処理後のシリコーン樹脂によって配線基板20に与えられる収縮力は、実施の形態1の場合よりも大きくなる。しかしながら、本実施の形態では、配線基板20の表面20aの裏側に銅板24が貼り付けられており、この銅板24が与えられる収縮力に対して突っ張ることができる。したがって、本実施の形態においても、発光モジュール12に生じる反りを抑制することができる。その結果、ネジ17によるバックライトフレーム11への発光モジュール12の取り付けを、容易に行うことが可能になる。
【0035】
なお、本実施の形態では、配線基板20の裏面側に銅板24を貼り付けることによって反りの抑制を図っていたが、これに限られない。例えば所定の強度を有するものであれば、金属以外の板材を用いてもかまわない。また、配線基板20に生じる反りを抑制できる機能を有するものであれば、形状は板状でなくてもよい。
【0036】
また、本実施の形態では、接着シート40の貼り付けを行うことで、配線基板20からシリコーン樹脂層32ならびにレンズ30がはがれ落ちるのを抑制することが可能になる。さらに、配線基板20とシリコーン樹脂層32との間に水分等が進入するのを抑制することもできる。
なお、本実施の形態では、接着シート40を用いて配線基板20とシリコーン樹脂層32および銅板24が密着されるようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、配線基板20の端部側を接着剤によって接着し、これらを密着させることも可能である。なお、接着剤としては、例えばスリーボンド社製の3000シリーズなど、アクリル系の紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
【0037】
<実施の形態3>
本実施の形態は、実施の形態2とほぼ同様であるが、配線基板20の表面20aの裏面側に銅板24等を貼り付けて反りに抗するのではなく、溝を形成することにより配線基板20の反りを修正できるようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0038】
図7は、本実施の形態における発光モジュール12の詳細な構成を示したものであり、図7(a)はLEDチップ21の実装およびレンズ30の取り付けがなされた配線基板20の上面図、図7(b)は図7(a)のVIIB−VIIB断面図、図7(c)は図7(a)のVIIC−VIIC断面図である。
【0039】
本実施の形態において、配線基板20の裏面20bには、配線基板20の長手方向と直交する方向に複数(この例では7個)のV溝25が形成されている。そして、各V溝25は、LEDチップ21の実装位置の直下を避けるように形成されている。このV溝25の深さは、配線基板20に設けられた配線(図示せず)に接触せず、しかも、配線基板20を所定の強度以上に維持できるように設定されている。また、配線基板20の表面20aには、実施の形態2と同様に、複数のレンズ30と共に全面にわたってシリコーン樹脂層32が形成されている。
さらに、配線基板20の端部には、シリコーン樹脂層32および配線基板20を覆うように接着シート40が貼り付けられている。
【0040】
本実施の形態では、実施の形態2と同様、配線基板20の表面20aのほぼ全面にわたってシリコーン樹脂層32が形成されているため、熱処理後のシリコーン樹脂によって配線基板20に与えられる収縮力は、実施の形態1の場合よりも大きくなる。このため、熱処理後の配線基板20には反りが生じることがある。しかしながら、本実施の形態では、V溝25によって配線基板20が変形しやすくなっている。このため、図2に示すバックライトフレーム11にネジ17を用いて配線基板20を取り付ける際、ネジ17とバックライトフレーム11との間に挟み込まれた配線基板20が、V溝25の存在により変形し、配線基板20に生じた反りが是正された状態でバックライトフレーム11に固定されることになる。その結果、ネジ17によるバックライトフレーム11への発光モジュール12の取り付けを、容易に行うことが可能になる。
【0041】
なお、本実施の形態では、例えば切削等によって配線基板20にV溝25を形成していたが、溝の形成手法はこれに限られない。例えば配線基板20の裏面側に例えば銅箔層を設けると共にこの銅箔層の一部をエッチング等によって除去することにより溝を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施の形態が適用される液晶表示装置の全体構成を示す図である。
【図2】バックライト装置の一部の構成を説明するための図である。
【図3】実施の形態1における発光モジュールの構成を示した図である。
【図4】LEDチップ、レンズ、および連結部の拡大図である。
【図5】LEDチップから照射される光の経路を説明するための図である。
【図6】実施の形態2における発光モジュールの構成を示した図である。
【図7】実施の形態3における発光モジュールの構成を示した図である。
【符号の説明】
【0043】
10…バックライト装置、11…バックライトフレーム、11a…背面部、11b…側面部、12…発光モジュール、13…拡散板、14…プリズムシート、15…プリズムシート、16…輝度向上フィルム、17…ネジ、18…放熱シート、20…配線基板、20a…表面、20b…裏面、21…LEDチップ、23…ネジ穴、24…銅板、25…V溝、26…配線、30…レンズ、31…連結部、32…シリコーン樹脂層、33…凸部、40…接着シート、50…液晶表示モジュール、51…液晶パネル、52…偏光板、53…偏光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線が形成された基板と、
前記基板の一方の面に装着され、前記配線を介して互いに電気的に接続される複数の固体発光素子と、
前記基板の一方の面に形成され、複数の前記固体発光素子をそれぞれ覆う複数のカバー部材と、
前記基板の一方の面に形成され、当該基板の一方の面が露出するように複数の前記カバー部材同士を連結する連結部材と
を含む発光装置。
【請求項2】
前記カバー部材および前記連結部材は光透過性を有する同一の樹脂で構成され、且つ、当該カバー部材および当該連結部材が一体化していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記連結部材の長手方向に直交する方向の幅が前記カバー部材の前記基板側の径よりも狭く設定されることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項4】
前記連結部材の前記基板からの高さが前記カバー部材の当該基板からの高さよりも低く設定されることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項5】
配線が形成された基板と、
前記基板の一方の面に装着され、前記配線を介して互いに電気的に接続される複数の固体発光素子と、
前記基板の一方の面に形成され、複数の前記固体発光素子をそれぞれ覆う複数のカバー部材と、
前記基板の一方の面に形成され、複数の前記カバー部材同士を接続する接続部材と、
前記基板の前記一方の面の裏面側で当該基板に生じる反りを抑制する反り抑制手段と
を含む発光装置。
【請求項6】
前記反り抑制手段は、前記基板の前記裏面側に貼り付けられた金属板からなることを特徴とする請求項5記載の発光装置。
【請求項7】
画像表示を行う表示パネルと、当該表示パネルの背面に向けられ当該表示パネルの背面側から光を照射するバックライトとを含む表示装置であって、
前記バックライトは、
配線が形成された基板と、
前記基板の一方の面に装着され、前記配線を介して互いに電気的に接続される複数の固体発光素子と、
前記基板の一方の面に形成され、複数の前記固体発光素子をそれぞれ覆う複数のカバー部材と、
前記基板の一方の面に形成され、当該基板の一方の面が露出するように複数の前記カバー部材同士を連結する連結部材と
を含む表示装置。
【請求項8】
画像表示を行う表示パネルと、当該表示パネルの背面に向けられ当該表示パネルの背面側から光を照射するバックライトとを含む表示装置であって、
前記バックライトは、
配線が形成された基板と、
前記基板の一方の面に装着され、前記配線を介して互いに電気的に接続される複数の固体発光素子と、
前記基板の一方の面に形成され、複数の前記固体発光素子をそれぞれ覆う複数のカバー部材と、
前記基板の一方の面に形成され、複数の前記カバー部材同士を接続する接続部材と、
前記基板の前記一方の面の裏面に形成される溝と、
前記基板が取り付けられるフレームと、
前記基板に生じた反りを是正して前記フレームに取り付ける取り付け部材と
を含む表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−294309(P2008−294309A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139720(P2007−139720)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】